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PANCRASE318:ネオブラ第2試合・梅川毒一郎 vs. 谷村愛翔

ネオブラフライ級2回戦。

梅毒は7月の1回戦はグラウンドでの膝からのパウンドでKO勝ちしプロ初勝利。

P's Lab札幌の谷村は6月のTTF CHALLENGEでプロデビューしたが、昨年のネオブラ準優勝の御代川に1Rチョークで一本負け。地元札幌ではキックの試合にも出場している。8月大会で1回戦を行う予定だったが、対戦相手が出場辞退しシードに。

梅川が前に出るが谷村受け止め四つで押し込む。梅川投げてテイクダウン。インサイドからパウンド。マウントに。反転しようとした谷村からバックマウント。チョーク。しかし防がれている。パウンド。ゴング。

2R。組んで四つになり膝。肩パンチを入れる谷村だが梅川に押し倒される。谷村のガードのまま展開変わらずそのままの体勢でゴング。

3R。お互いスピンキック。2R取っている梅川は距離を取る。梅川組んだ。テイクダウン。ハーフから肩固めのセット。外れたがマウント。密着したままキープする梅川。亀になった谷村。四の字バックだが乗り過ぎか。チョーク。がっちり入りタップアウト!

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PANCRASE318:ネオブラ第1試合・谷村泰嘉 vs. 大貴

ネオブラストロー級準決勝。逆ブロックは山北が1回戦勝利後、対戦相手の出場辞退によりすでに決勝進出している。

禅道会谷村はまだ17歳。プロデビューとなったネオブラ一回戦では1R1分1秒でニンジャチョークによる一本勝ち。

BRAVE GYMの大貴は相手の棄権により1回戦不戦勝。25歳で2勝4敗4分け。ZSTやGRACHANでキャリを積んできた。

ケージに押し込む谷村。膝を入れていく。テイクダウン。ハーフ。大貴下から三角狙い。腕十字へ。外す谷村。パスしてサイド。ニーオンからマウントおへ。背中を向けた大貴からバックマウント。チョークを防いでいる大貴。反転して上になるが残り20秒。ゴング。

1R谷村。

2R。ハイを空振った谷村がバックを取られる。四の字バック。谷村反転して上に。三角を狙う大貴。防いだ谷村。残り1分。上にいるが攻めていない谷村。大貴また三角狙い。谷村密着し防ぐが攻めがない。ゴング。

二者谷村、一者大貴。

3R。大貴が蹴りを空振りしたタイミングで谷村タックル。テイクダウンするが大貴がハイエルボーギロチン。首を抜いた谷村。ハーフ。固めている谷村。ケージを蹴った大貴だが上をキープしている。パウンドで削る。残り1分で立った谷村。大貴も立つが立ち際にパンチのラッシュ。谷村なんと水面蹴り。またタックルに入りテイクダウン。インサイドで押さえ込む。タイムアップ。

判定3-0で谷村勝利。

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PANCRASE318:プレリミナリー第4試合・内藤由良 vs. 村元佑成

ミドル級。

内藤はデビュー戦。昨年のアマ修斗全日本準優勝。

キックがバックボーンの村元は7月のネオブラ一回戦でプロデビューしたが、MMAに対応できておらず判定負け。

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Interview PANCRASE Pancrase318 Special ブログ 坂本靖

【Special】WithコロナのJ-MMA─04─パンクラス坂本靖統括本部長<後編>「イバラの道ですが……」

【写真】9月が無観客、10月大会はガイドラインに則して客入れを行うという発表が、今回の取材後に酒井代表より発表があった(C)MMAPLANET

COVID19のパンデミック、地球はニューノーマルの時代を迎えた。日本でも4月と5月の緊急事態宣言を経て、6月から経済活動が再開も、事態が終息することはない。

MMA界はかつてない状況のなかを生き抜く努力をしている。MMAPLANETでは各MMA大会の主要人物に新型コロナウィルス感染に関しての現状とこれからを尋ねた。

最終回はパンクラス、坂本靖統括本部長インタビュー後編をお送りしたい。団体関係者として、魂の叫びが聞こえた……。

<坂本靖インタビューPart.01はコチラから>

──本格的な感染拡大から半年が過ぎ、正直なところ格闘技関係者のなかにも新型コロナウィルスは何でもない、自分は大丈夫だという空気の人もいます。

「いますね。だから会場ではマスクだとか消毒とか、できることは徹底していただきます。パンクラスは1度、当日に大会が中止になりました。そこで大会に関わる誰もが、より慎重になってくれることを願います」

──しかし、無観客にするとどのように利益を搾り出すのか本当に頭が痛いかと。今は共生時代でGO to トラベルまでしているわけですし。野球もサッカーも、コンサートも5000人枠を取っ払って、館内50パーセントという風に移行しつつあります。

「時代に逆行していますよね。イバラの道だと思います。本当に厳しいですよ。それでも選手だけでなく、中止になった大会の業者さんが、こちらのことを考えて請求も割引いてくださったり、色々と温かみを感じています。

そうやって毎日を過ごしてきたのですが、良い意味でも悪い意味でも話題になってしまったので、『大会を当日に中止したパンクラスです。これからは、こういう形で大会を行っていきます』という説明をして、協賛金を集めたり、映像ビジネスをしっかりと考えないといけないです」

──検査費用だけでもかさみます。多くのプロモーションでは試合数を減らす傾向にあるなかで、パンクラスは試合数が多いです。

「それは考えます。ホントに。試合数が多いとリスクも高まります。9月、10月と大会を重ねることで、その辺りも協議していくことになるかと思います。

そして検査体制がPCRなどで一斉とならない限り、まずは抗体ということだと過去に感染していた選手、関係者の数は増加する一方になるはずです。そのために自己申告書というモノを9月27日の大会から提出していただこうと思っています。

医療関係者に尋ねても1度感染した人は2度目はないのか。感染してから、どれだけ経過すれば他の人と接触しても良いのか。抗体があって抗原検査で陰性になるのか……それらの臨床データも揃っていないというのが実情でした。現状(インタビュー時点で)、ようやく60日というデータが出たばかりで。

ではパンクラスでは過去の感染者に関しては感染日から70日が経過した選手にオファーを出す方向になりました。でも試合の1週間前にはPCR検査をしてもらい、陰性なら良いと。加えて、当日に抗原検査をする(※LAMP法検査採用で、この辺りの状況も変更されることが予想される)」

──欧米や多くの国と違い、PCR検査が広まっていないことが何をするにもネックとなるかと。

「もう愚痴になりますけど、こういうことを一つのスポーツの大会主催者が考えることなのか……、国や自治体のガイドラインがないのかとは思います」

──仰る通りだと思います。年間、○十万以上の健康保険を支払っている。それで一度もPCRを保険で受けることができないのかと私も心底思います。私が住んでいる区では、中学生まで医療費を保険がカバーしてもらえる地域ではありますが。

「PCRも保険適用で受けるようにすると区長さんが発言してくれただけ、素晴らしい区だと思いますよ」

──ただし、繰り返ししないと現状は検査を受けた時点で陰性か陽性でしかない。ここは変わりないというジレンマはありますが、子供たちや老人が一度は受けることができる──とりあえずは医療従事者や老人介護の仕事をしている方からですが、進んで行って欲しいです。それでも、これほどコロナに関する対処で国や都、行政の決まり事がないのは、どうしたものかと……。

「抗原検査で陰性が出た。保健所からは公共交通機関を使って帰宅させてはいけないという指示がありました」

──ハイ。

「タクシーもダメです。分かります、そこは。では、どう対処すれば良いのか。歩いて帰るのですか? 今後、地方から来ている選手で陽性が出たら……どうなるのか。どうすれば良いかと尋ねると、『それは自分たちで考えてください』とう返答だったんです……」

──いやいやいや。

「……。じゃぁ、どうすれば良いんだと。私たちがそれを決める。私たちは医療従事者でもなく、感染予防のプロでもない。でも、私たちが自分で決めて動かないといけない。レンタカーなのか、主催者が予防して送っていくのか。だから、先ほど申したように、これは団体が考えて解決できる質の問題なのかと……」

──その域を完全に越えた社会事象です。

「経済活動再開、三密を避けて自分で自分の身を守る。それは理解できます。ただし、感染が起こった場合のガイドラインはなく、『自分たちで考えて』と言われてしまうのか……と」

──MMA界という限定した社会においてもパンクラスだけでなく、業界全体の問題です。ただし検査に関してだけでも、足並みを揃えようという動きには至っていないです。

「足並みを揃えたいですね。ただし、コロナで世界が一つになるということはなく、自分の国だけ守ろうとしている。それが国家であり、言ってしまうと団体にも当てはまります。それが人間の性なのかと……。

ただし、この状況だからこそ選手の好意を凄く感じます。『いざ、鎌倉』ではないですが、特に地方の選手から温かい声が聞かれて……。それも人間の良さで、やってきた良かったと……思えました」

■Pancrase318対戦カード

<暫定ライト級KOP決定戦/5分3R>
林源平(日本)
雑賀ヤン坊達也(日本)

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
中島太一(日本)
堀江圭功(日本)

<ウェルター級/5分3R>
高木健太(日本)
菊入正行(日本)

<ストロー級/5分3R>
前山哲兵(日本)
尾崎龍紀(日本)

<ライト級/5分3R>
葛西和希(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
小森真誉(日本)
林優作(日本)

<ストロー級/5分3R>
永井美自戒(日本)
リトル(日本)

<ネオブラッドTミドル級決勝/5分3R>
荒井勇二(日本)
廣野雄大(日本)

<ネオブラッドTライト級決勝/5分3R>
中田大貴(日本)
狩野優(日本)

<ネオブラッドTフェザー級2回戦/5分3R>
岩本達彦(日本)
齋藤拓矢(日本)

<ネオブラッドTバンタム級準決勝/5分3R>
宮島夢都希(日本)
修我(日本)

<ネオブラッドTバンタム級2回戦/5分3R>
井村塁(日本)
田中ハヤトスネ夫(日本)

<ネオブラッドTフライ級2回戦/5分3R>
谷村愛翔(日本)
梅川毒一郎(日本)

<ネオブラッドTストロー級準決勝/5分3R>
谷村泰嘉(日本)
大貴(日本)

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
村元佑成(日本)

<フェザー級/5分3R>
風間敏臣(日本)
上田厚志(日本)

<バンタム級/5分3R>
工藤修久(日本)
粥川吏稀(日本)

<フライ級/5分3R>
川北晏生(日本)
橋上壮馬(日本)
             

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PANCRASE318:展望

今年3回目となるパンクラスナンバーシリーズ開催。カードはこちら。

www.pancrase.co.jp

2月のPANCRASE312は通常通り行われたが、3月の313は新型コロナウイルス拡散防止のための政府のイベント自粛要請により4月大会の314との昼夜興行に変更。しかしそれも緊急事態宣言により中止となり、5月31日の315も予定されていたがこれも中止。7月にようやく2回目の316が開催されたが、先月の317は選手に陽性反応が出て開始10分前に急遽中止が決定。

  • 312:2月
  • 313:3月→4月に延期→中止
  • 314:4月→中止
  • 315:5月→中止
  • 316:7月
  • 317:8月→中止

今回は直前の新型コロナウイルス検査は行うものの、感染が発覚しても他の選手に影響が出ないように、会場外で隔離した状態で行うとのこと。それでも万一のことを考え、パンクラス史上初の無観客での実施となる。また、減量に伴う水抜きにより選手の免疫力低下を防ぐため、リミットは1階級上とし、計量は試合当日に行われる。

メインはライト級暫定王座決定戦。もともと、パンクラスがONEと提携し、昨年10月のONE日本大会に王者久米が出場するということで組まれた暫定王座戦。サドゥロエフ・ソリホンが粕谷優介を2RKOし暫定王者となった。しかし12月にはソリホンのヤン坊との暫定王座防衛戦が決定。2月のPANCRASE312で行われることになった一方、年明けにパンクラスはONEとの提携を解消している。

2月の暫定王座防衛戦はソリホンが負傷欠場で試合6日前に中止。ソリホンは王座返上となり、タイトルに挑戦予定だったヤン坊と林源平が暫定王座を争う試合が3月の313にスライドして組まれた。

が、上記の通り3月大会は延期となり4月に、4月も延期となり5月に、5月も延期となり、最終的に今回の9月にスライドとなっている。その間、正王者の久米の試合は組まれなかったが、同日に行われるRIZIN.24に出場することになり、北岡との対戦が組まれている。

ヤン坊は昨年7月にパンクラス初参戦。1Rわずか1分34秒でネオブラ王者小林の意識を飛ばしてのKO勝ち。2ヶ月後にはタイトル挑戦経験のあるトム・サントス飛び級で試合が組まれ、これも1RでKO勝ちしてしまった。MMAのキャリアはまだ7戦で、6勝1敗はすべて1RでのKO決着。まだ底が見えない。

林もキック出場経験があるストライカー。ライト級から2階級上げてミドル級で王者クラスと対戦していたが、再びライト級に戻すと2連勝。

KO決着必至。

セミでは先月予定されていた中島 vs. 堀江のフェザー級挑戦者決定戦がスライドして行われる。

プレリム4試合は14時45分開始。その後のネオブラが15時半開始予定。メインカード7試合が17時開始~19時までの予定(ただし、予定時間通りに行くことはまれで、たいてい遅れる)。

当日はYouTubeで生中継されるが、配信終了後には見られなくなる。試合はおそらく後日YouTubeに再アップされる。

可能な限り、RIZINと両方視聴し速報します。

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J-CAGE News PANCRASE ブログ 酒井正和

【Pancrase】酒井代表が今後の安全対策について会見。皆で創り上げていく=クラウドファンディングも

【写真】8・23を教訓に、パンクラスの方針が会見で発表された (C)MMAPLANET

18日(金)、パンクラスが東京都新宿区サンエービルの会議室で記者会見を開いた。8月23日の大会が開場10分前に抗原検査で陽性者が出たため中止に。9月大会を無観客で行い、階級を変更し当日計量を用いることを明らかにしているパンクラス。会見では酒井正和代表が以下の4点を軸に今後の方針を話した。

■超濃厚接触競技であるMMAの選手を、コロナから守る検査体制

■試合会場の飛沫・空気感染リスクを低減

■10月25日大会は通常開催

■クラウドファンディング 「コロナに打ち勝つ希望となる大会を皆さんと創りたい」

まず酒井代表からは「新たなパンクラスについてお話ができれば良いな」という言葉があり、検査方法について会見は始まった。

9月27日大会当日にレフェリー、セコンド、選手全員約130人にLAMP法検査(核酸検出検査)を行うことを決定、「前日に検査をしてもその状態で隔離ができていると別ですが、隔離ができない状態ではどこで感染するか分からない。超濃厚接触ということを考えると、試合当日に選手が安全に感染していない状態は当日の検査しかありえない。現状では検査方法を搾られてくるので、私たちは1人頭30分か40分、前後合わせて50分ほどの検査を130名に行うことになりました。当日、このような態勢で検査をしなければ意味がないんじゃないかと、僕はそう思っています。検査方法が見いだせなければ、大会を見直すことも考えていました」と酒井代表。

続いて無観客大会において、エコ革京都テクノロジー事業部の協力を得て日本スポーツ業界では初となる──試合会場やリング周り、控え室の飛沫シミュレーションを行うことを明らかとした。「このシミュレーションを行うことで、空気の流れが明確に分かることになるので、そういうところをチャレンジします」と言った酒井代表は、この対策がスタンダードになり、来場者の飛沫・空気感染予防対策を行うことで、10月の大会は有観客大会──「いつものパンクラスをお見せできる」と言葉を続けた。

なおパンクラスの日程では10月25日に続き、11月15日と12月13日が予定されていたが、11月大会は見送り12月大会に集中することも報告されている。

さらに「コロナという正解がないなかで、色々とチャレンジしなければならない。そのなかで見えないコストも相当かかっています。ただし、それをやっていけないと新しいモノを生み出せないということで──チャレンジしていこうと。そのなかでパンクラスを応援していただけるような……今までクラウドファンディングという発想はなかったのですが、皆で創り上げていくという意味を込めてクラウドファンディングを開始しています。皆さんにご協力を頂き、皆さんでパンクラス、格闘技業界が盛り上がって行けるような……そんなことができれば良いので、皆さんの協力も期待できればなと思っています」という話から会見は質疑応答に移った。

なおクラウドファンディングは18日から開始しており、10月19日23時59分まで行われる。

質疑応答では前回大会の中止に関して「相当な損失が出ている。ファンにも選手に迷惑をかけた。そんなことをなくそうと、そのために費用は掛かる。潤沢な資金があるわけでないので、皆さんの力を借りて新しいスタンダード、基準を皆で作り上げようと思う」。

当日検査はでは「ゼロから考え直した結果、当日に陽性者が出ても大会を開けるよう会場の外にテントを張って、そのなかで検査を行い。仮に陽性者が出た場合は、そこから別のスペースで待機してもらって公共交通機関を使えないので、移動方法などを考えていきます。施設のなかに(陽性者は)入らない」。

「飛沫シミュレーションの検証結果を見て、来場者の方にご安心いただけるようにしたい。結果に対して対策をする。どうしようもないということはない。風の流れがあり、スタジオコーストはもともと通気性が良いです。使えない控室というのは出てくるかもしれないですが。私たちがやることがスポーツ業界のスタンダードになる……これが正解かは分からないですが、今の考えではこれがベストだと思うので、こういったモノが色々なところで浸透していけばと考えています。選手を守ることを追求すると、答がここにある」等の発言が聞かれた。

ここではMMAPLANETが酒井代表に尋ねた2点について、書き記しておきたい(要約)。

──新しい検査方法に関してですが、個人的な考えを述べさせていただくと、『当日に検査をしないと意味がない』という部分においては、意味がないわけはないと思っています。ただし、どこの大会が行う検査においても課題はあり、絶対はありません。このLAMP法が穴の無い検査になるのはどういう部分なのか説明いただけないでしょうか。

「これはPCRのようなものです。もともとPCRとLAMP法と抗原検査と抗体検査があります。そのなかでよりすぐに結果が出るという部分でLAMP法が速い。そのほか、詳しいことは僕も医療の人間ではないのでちょっとそこは割愛させていただきたいというのと……仰る通り正解がないなかで、私たちとしては当日……これはPCRでも良いんです。ただ私たちは選手が感染していない状態でケージに上がってもらう、そういった風に私たちは捉えています。仰っているように正解はないんです。ただ濃厚接触がある競技だけに、私たちは試合直前、当日に検査することが理想的だと思っています」

──この検査方法は良ければ、他の大会も追随できると思います。なので、もう少し詳しく説明していただく機会を設けていただければと──格闘技界全体でより安全に大会が開くことができればと凄く良いことだと思います。もう一つ、10月に通常大会を開くということですが、客入れに関してはどこまで考えられていますか。

「政府のロードマップに則して行います。日々、変わっていくかと思いますが、10月25日はそういうことも見据えて、ロードマップに従って開く予定です」


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Interview PANCRASE Special ブログ 坂本靖

【Special】WithコロナのJ-MMA─04─パンクラス坂本靖統括本部長「会場の外のテントで抗原検査を」

【写真】ミスターパンクラス愛こと坂本靖氏が、しっかりと話をしてくれた(C)MMAPLANET

COVID19のパンデミック、地球はニューノーマルの時代を迎えた。日本でも4月と5月の緊急事態宣言を経て、6月から経済活動が再開も、事態が終息することはない。

MMA界はかつてない状況のなかを生き抜く努力をしている。MMAPLANETでは各MMA大会の主要人物に新型コロナウィルス感染に関しての現状とこれからを尋ねた。

4人目は──8月23日に大会当日の検査で陽性者が出たために、開場の10分前にイベント中止としたパンクラスから、坂本靖統括本部長に27日(日)の次回大会での予防対策に関して話を訊いた。


──8月23日、坂本さんは大会当日中止の当事者になってしまいました。そして、現場の混乱を経験した数少ない格闘技関係者です。

「とにかく中にいるお客さん、選手、セコンドを一刻も早く会場の外に出てもらわないといけない。そこが一番でした。起こってしまったのだから、冷静になろうと言い聞かせていました」

──今、日本のMMA大会では大会前日に抗原検査、それ以前に抗体検査やPCR検査、もしくは当日の検温のみという大会もあります。そのなかで、大会当日の検査というは開催に向けては非常にリスクの高い手段です。先日までに結果を出して、あとは何も起こらないで──というのが、現状のスポーツ界の興行の打ち方です。

「こんなことをしでかして、格好つけるなと思われるでしょうが、やはり当日の検査で無症状の感染者を見つけたい、選手とお客さんを守るために当日のギリギリのところで検査をするのが一番だという判断なんです」

──そしてイベントが中止になった。これが続くと、興行会社として死活問題です。9月大会は無観客、当日計量フォーマットを採り入れることになりました。

「無観客に関していえば、もう一度フラットに見直して徹底しようということですね。選手を守る、お客さんを守るために中止にした。英断という風に言われれば格好良い話になっていますが、大会ができなかったという大きな事実が残っています。

ならば新型コロナウィルスというものに、もう一度フラットに向き合って大会前、大会当日、大会後のケアを見直す。そのなかで、無観客でやることになりました」

──それらの決定は、どのようなメンバーで話し合われ実施されることになったのですか。

「酒井、ドクターが3名、パンクラス役員で話し合うなかで、医療コーディネイターの方を紹介していただき、色々と相談に乗ってもらっています」

──医療コーディネイター?

「ハイ。『倍返しだ!!』で有名な某ドラマなども収録が延びたり、放送を中断したりしたことがあるじゃないですか」

──ハイ。

「映画やTV業界でも、そういう医療コーディネイターの人達が感染リスクを考え、撮影などの進め方のアドバイスをしているんです。パンクラスもそういう方に加わってもらって、色々と進めてきました。あとはドクターから水抜き減量は絶対的に免疫力が落ちて、感染リスクを高めるので考え直しましょうと。そんな風に提案があり、話し合うような形ですね」

──厳しい言い方になってしまいますが、既に当日計量は行われてきました。要はライバル団体との違いを出すことが必要だったのでしょうか。

「当日計量と1階級上のクラスにすべきだという意見は、パンクラスでも以前からったんです。ただし、我々はユニファイドに拘りたい。米国では今も前日計量が行われている。そこを追求したいという部分があったのですが、試合の中身がユニファイドであれば、選手の安全を考えて前日計量に拘る理由はなかったはずです」

──その通りですね。では検査に関しては、次回大会からはどのようにしていこうと考えられていますか。

「当日に抗原検査をします」

──感染拡大予防のために陽性者が出たら大会を開けないという同じ轍を踏まないために、どのようなに前回のことを教訓にできているのでしょうか。

「前回の失敗は会場のなかで、ケージ脇で検査をしたことです。陽性者の人を会場内にいれてしまった。なぜ、そんなことをしてしまったのか。そこには感染者はいないだろうという楽観的な考えがあったことは、今となっては否定しようがないです。

次回大会はセコンドも1名だけで、マネージャーやライセンス保持者も会場に来ることはできないです。選手とセコンドの2名が会場に入る前に、会場の外のテントで抗原検査をします。

なおかつテントやテントの外に人が集まってしまうと同じになりますから、ネオブラ、プレリミ、メインで入り時間を分け、かつ赤コーナーと青コーナーを分ける。

そして、時間厳守で他の時間帯では検査は受けられないようにするということですね。都内や近郊の選手に限られてしまいますが、会場には車で来ていただき、駐車場を選手に開放して車の中で検査まで待機してもらいます。もちろん、テントの前で多少は待つようなことがあれば手指消毒、マスク装着、ソーシャルディスタンスは徹底してもらいます」

<この項、続く>

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【Pancrase】パンクラスが抗原検査・陽性者に関する事実確認と事後対処──を発表

【写真】今後も起こりうる。どの格闘技イベントでも。そのことを踏まえ最善を尽くすしかない(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

23日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催される予定だったPancrase317が出場選手に抗体・抗原検査で新型コロナウィルス陽性者が出たため中止になった件に関して、抗原検査・陽性者に関する事実確認と事後対処について以下のような発表があった。

「いつもお世話になっております。上記件名につきまして、追加報告を致します。

この度の一連に出来事について、パンクラスでは『危機管理対策及び調査チーム』を組成し、事実確認及び事後対処を徹底して行いました。その結果、「23日に発生した、抗原検査・陽性反応となった当該選手には、過去に感染記録があった事実が判明し、今回の抗原検査・陽性反応は、そうした過去の因果から発生したものと考えられ、現時点では本人に自覚症状も無く、感染中あるいは再感染している可能性は低い」という保健所からの結論を頂きました。

加えて、当該選手本人より「大会後、医療機関にて再度のPCR検査を実施し、27日には陰性結果を得た」という報告を受け、医療機関からのエビデンス(証拠・証明)も確認したことから、安全な状態であるという結論に至りました。

本件におきましては、選手・選手関係者・お客様・スタッフなど、すべての皆様にご心配をおかけしましたことを、改めて深謝申し上げます。また、こうした歴史的な未曾有の事態とも言える状況の中、医療関係者及び政府関係者の皆様のご尽力には心から感謝を申し上げます。

パンクラスでは、専属の医師及び医療機関の指導の下、新型コロナウィルスに関する検査方法・検査時期、あるいは様々な対策・対処について、『イベント前、中、後』すべてのフェーズにおいて、効率的かつ効果的な方法を目指し、最大限の努力をして参りました。

しかしながら、『いつ、誰が、どこで、どの様に感染してしまうのか、どう対策・対処すべきなのか』と言った問に対しては、未だ明確な答えといえるものがなく、『感染しない予防策、感染を早期かつ確実に検知する検査方法、感染してしまった場合の対処、感染回復後の社会復帰のケア』など、まだまだ多くの課題があり、業界や官民を問わず、すべての人が日々手探りの様な状態で試行錯誤をしながら、厳しい状況の中での生き残りを強いられているかと存じます。

パンクラスでは、今後も選手・選手関係者・お客様・スタッフなど、関わるすべての方々の『安全・安心・健康』を最優先事項として配慮しつつ、このコロナ渦に打ち勝つためにも、今まで以上の対策を講じながら歩みを進めて参りたいと存じますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

以上、本件における安全宣言と今後の活動に関する意志表明とさせて頂きます」

まさに上記のパンクラスの発表にあるように、『いつ、誰が、どこで、どの様に感染してしまうのか、どう対策・対処すべきなのか』、『感染しない予防策、感染を早期かつ確実に検知する検査方法、感染してしまった場合の対処、感染回復後の社会復帰のケア』というのは事実だ。

日本のプロモーションではUFCやONEのようなホテルを借り切り、選手や関係者をファイトウィーク中、隔離状況に置くようなことは不可能だ。またPCR検査の実施数も米国や隣国・韓国とも違う。それ故に計量のありかた、試合実施数を考え、他チーム・関係者と接触回数を少しでも減らすことに最善を尽くしかない。それでも『いつ、誰が、どこで、どの様に感染してしまうのか、どう対策・対処すべきなのか』に正解がないからこそ、陽性者が出たケースを踏まえ、大会が実施できる準備が必要なことが今回の件でより明確になったはずだ。

コロナの感染はロシアンルーレット。今回はたまたまパンクラスで起こった。そして、今後もどこのプロモーションでも起こりうる。だからこそ、予防と予防しきれなかったケースの対策がより重要になってくる。


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PANCRASE317:選手から新型コロナウイルス陽性者が出たことで直前で興行中止に。

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パンクラス317

パンクラスでは計量時に新型コロナウイルスの抗原検査を実施しているが、その中で選手から陽性者が出たとのこと。

選手を厳重に隔離しているUFCは、感染者が出た場合はその選手を欠場として実施されるが、そこまでしていない日本では、イベントごと中止にするしかないのか。その選手のみ欠場にして、他の試合を実施することで、さらに別の感染が発覚した場合のことを考えると仕方ないのかもしれないが、なんともやりきれない。

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UFC on ESPN15:ボーナス発表/総評

  • ファイト・オブ・ザ・ナイト:ペドロ・ムニョス vs. フランク・エドガー
  • パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト:シャナ・ドブソン、トレヴィン・ジョーンズ

メインはエドガーが接戦の末勝利。際どい内容とは言え、負けていたと意見も多く、エドガーが今後バンタム級で戦っていくのは楽ではないと思えた。動きは悪くなかったが、一発の重さはムニョスが上で、持ち味のスピードがこの階級だとそこまで突出していないのが厳しい。打撃の被弾もいつになく多かった。

魅津希は初めてダウンも喫しての完敗。一発の強さに差がありすぎた。ダウンを喫した1R以外は接戦だったが、スタンドで押し込んでも特にダメージを与えていないので、時間がすぎるほどに不利になっていった。テイクダウンもむしろ相手に奪われていたので厳しい。単にUFCで戦うというだけではなく、ベルトを狙うならこのレベルで躓いてはいけなかった。

直前のカード変更により、ランカーはメインに出た2人のみに。フィニッシュ決着も多かったが、その分大味だった。最近は毎回思うが、レフェリーのストップが遅くなる傾向がある。それでKO負け寸前だった選手の逆転勝ちが2試合もあったのでモヤモヤしてしまう。