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【UFC FPI06】ロバトJrをヒールで秒殺、クレイグ「ステロイド無しで、ここまで来ることはできなかった」

<アブソリュート級/10分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.1分12秒by ヒールフック
ラファエル・ロバトJr(米国)

引き込んだクレイグがニーシールド、一旦座りなおしてロバトJrのボディロック狙いを防ぐ。もう一度ニーシールドを取ったクレイグが、潜って足を取りに行く。ロバトJrが押し返すが、クレイグが一気に右足をすくって外掛け。サドルでロバトJrに尻もちをつかせると、マットから離れた右足抱えてインサイドヒールをセット。1分12秒で完勝した。

そして「俺はステロイドの力なくして、ここまで来ることはできなかった。スポンサーのエバートンがB-TEAMに5パーセントオフのクーポンをくれることを感謝している」と強烈なジョークをかました。


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【UFC FPI06】まもなくクレイグ×ロバトJr、ニッキー・ロッド✖ヒメネス。ジジにベン・エディらが競演

【写真】UFC昇格とはならず、FIGHT PASS Invitationalで実力発揮といきたいジジ・カヌート(C)LFA

3日(日・現地時間)、これから1時間半後にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC Fight Pass Invitational06が開催される。いわばMMAの最高峰が開催するプロ・グラップリング大会には毎大会強豪グラップラー、MMAファイターらが出場している。
Text by Manabu Takashima

10分間のADCC、15分間のWNO、10分間のIBJJFノーギ、12分のONEとも違い8分1R(※上位カードは10分1R)のUFC FPIは前回大会より延長になるとEBIのタイブレーク方式から、4分ないし5分のオーバータイム制が採用されるようになった。


いわば視覚的にもよりスピーディーさが求められるような空気があるなかで、今回は上位3カードが無差別の戦いでクレイグ・ジョーンズ✖ラファエル・ロバトJr、ニッキー・ロドリゲス✖ロベルト・ヒメネスなど、一言で組み技といっても戦いのフィロソフィーに明確な違いがあるマッチアップが揃った。

新足関節時代からレッスルアップ、トップゲームとウェルラウダーのなかで急激な技術の変遷があり、そこを地で行き、今や特別なステージでしか試合を見ることができなくなったといっても過言でないジョーンズ。対してロバトJrはMMAに通じるオールドスクール柔術で、Bellatorの頂点に立ち様変わりした組み技シーンに戻ってきた。

フォークスタイルレスリング&柔術の融合、現状の最先端──というべきかADCCで一番勝てる戦いができるニッキー・ロッドに対して、ロベルト・ヒメネスも23歳という年齢には不釣り合いなオールドスクール、こちらは下から創りあげる道着のない柔術を実践するグラップラーだ。

昨年6月のFPI04で対戦した時にはEBIタイブレークのファーステスト・エスケープでニッキー・ロッドに軍配が上がっているが、今回はどうなるか。

中盤と下位カードでもメイソン・ファウラー✖ペドロ・マリーニョというSUBを思わせるカード。LFAで暫定女子ストロー級王座獲得に失敗し、UFCではなく日本上陸を目論むアブダビ・プロ優勝のジジことジオヴァナ・カヌート、元祖ヒンドゥーガード&10thPlanetの鬼才ベン・エディと非常に多彩なメンツが揃ったUFC FPI06、90分後に開演となる。

■視聴方法(予定)
3月4日(日・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<アブソリュート級/10分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
ラファエル・ロバトJr(米国)

<アブソリュート級/10分1R>
ニッキー・ロドリゲス(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

<アブソリュート級/8分1R>
ニコラス・メレガリ(ブラジル)
マテウス・ジニス(ブラジル)

<215ポンド契約/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

<175ポンド契約/8分1R>
ホナウド・ジュニオール(ブラジル)
コディ・スティール(米国)

<ミドル級/8分1R>
ジェイ・ロドリゲス(米国)
マテオ・カルドナ(米国)

<女子フライ級/8分1R>
ジジ・カヌート(ブラジル)
デニージ・ゴミス(ブラジル)

<165ポンド契約/8分1R>
ベン・エディ(米国)
シェーン・シャピロ(米国)

<女子フェザー級/8分1R>
ラケル・カヌート(米国)
カロル・ホザ(ブラジル)

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【Shooto2023#06】念願の空道世界大会制し、MMA復帰。岩﨑大河─01─「勝たなければ発言権はない」

【写真】空道を生涯をかけてきわめていく武道。MMAをやり切るのは、今(C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto#06で、岩﨑大河が韓国のキム・ミンスと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2020年7月のMMAデビュー以来、無敗街道を走ってきた岩﨑は、昨年12月にラファエル・ロバトJrに敗れた。しかし今年5月には自身のルーツである空道の世界選手権の+270クラスを制し、再びMMAに戻ってくる。空道とMMAの両立、そしてMMA初黒星からの復活――岩﨑が現在の心境を語ってくれた。


(C)DAIDOJUKU

――改めて空道世界選手権、優勝おめでとうございます。決勝のフィニッシュが掴みからの頭突き連打というのは、空道らしいと思いました。

「ありがとうございます!」

――今年の世界空道選手権は出場選手が国際色豊かで、決勝で対戦したイタリアのアドリアーノ・メネゲッティはバック→足の取り方など柔術をやりこんでいる印象でした。

「そうなんです。空道で強い国といえばロシアなのですが、『最近強くなってきたな』と思う国は柔術や他の格闘技を取り入れているところが多いですね。今回目立ったのがキューバの選手で。-260クラスで優勝した選手(リディエ・ジョロン・ゴンザレス)はヨーロピアン柔術(※注)をやっていると言っていました」

注)ヨーロピアン柔術:種目によってルールは大きく異なるが、「ファイティングシステム」は寸止めの打撃技と投げ技、絞め技、関節技、抑え込み技が許されている着衣総合格闘技。初期UFCで活躍したレムコ・パドゥールは、ファイティングシステムの世界王者だった。

――キューバ勢の参戦は興味深いです。

「昔の試合映像を視ると、寝技だけの試合でもかなり強くて。僕の決勝の相手もそうですが、空道の中では対ロシアの戦略として柔術とか寝技を強化しているのだろうと思います」

――どの格闘競技でもロシアや中央アジアなど、旧ソ連圏の選手対策は必須となっていますね。対して決勝の相手は寝技だけでなく、蹴りも伸びる選手でした。

「決勝は最初、自分が押されているような印象を与える試合展開でしたよね。相手はリーチが長くて、打撃がコツンと当たる。自分としては効いていないけど、懐に飛び込むことができない。最初は打撃で勝てるものの、組むというか組みに行くぐらいの距離感で戦ったほうが自分の打撃も当たるかなと思いました。延長戦に行く前に戦術を切り替えることができて、結果的に功を奏しました」

――延長戦で岩﨑選手のパンチがクリーンヒットした裏には、そうした戦術の切り替えがあったのですね。決勝はフィニッシュこそ頭突きの連打でしたが、直前のパンチが効いていて、頭突きで心が折れたという印象でした。

(C)DAIDOJUKU

「ストレート、フック、ストレートと入った時に自分の中では『これは勝った』と思いました。

相手の動きが落ちたのも、目に見えて分かりましたから。自分が待ちの状態で、相手に入ってきてほしいけど入ってきてくれない。そこで自分から攻めていくと、相手も自分の距離に入ってきてくれたんです」

――岩﨑選手としてはMMAもやりながら、空道の世界選手権で勝ちたい――『自分が優勝しなければいけない』という義務感やプレッシャーは感じていましたか。

「プレッシャーのようなものは無かったです。自分は人に何か言われても、それほど気にしないタイプなので(笑)。ただ、他の人がどう思っていたか分かりませんが、自分で勝手に優勝することが義務のように考えていました。空道とMMAを並行してやっていることで、両方から何か言われないようにしないといけない。空道でもMMAでも、勝たなければ自分に発言権はないですから。その気持ちが自分の糧になっていました。この世界選手権に出場したこと、そして優勝できたことは間違いなく自分にとってプラスしかありません。ようやく自分の義務を果たすことができて嬉しいです」

――世界選手権を制したことで、今後も空道を続けていくのか。あるいはMMAに専念するのかという選択権を持つこともできたと思います。

「空道を辞めることはないです。ただ、しばらくはMMAに専念していきたいと思っています。実は世界選手権に専念するため、MMAのオファーも断っていました」

――4月のONE FFに出場する話もありましたよね。

「あれは対戦相手の負傷で流れてしまったんですよ。最初は3月に試合をする予定で、それが4月に延期されて……『5月に空道の世界選手権があるのに』と(苦笑)。ただ、今考えると流れて良かったと思います」

――MMAの話でいえばデビュー以来無敗街道を歩んできた岩﨑選手ですが、昨年12月の巌流島でラファエル・ロバトJr.に敗れています。

「あの試合は力負けしてしまいました。あとは最初に聞いていたリングの広さとは違っていて、作戦を変えざるをえなくなりました。ただ、負けたことは事実ですし、何を言っても言い訳になります。レコードに1敗はついたけど、そんなに気にはしていません。内容的にも悲観するようなものではなかったかな、と思っています。自分にとっては『今後も頑張らないといけない。今の自分にはコレが足りない』と気づくこともあって。ちょうど空道の世界選手権を挟んで、MMAキャリアの折り返し地点になったと考えています」

――ご自身には何が足りないと思いましたか。

「MMAの中で区分するなら、自分はストライカーです。ストライカーにとって最初は、組みの部分は二択になると思うんですよね。レスリングを鍛えてテイクダウンするようになるか。あるいは倒されても、すぐに立ち上がれるようになるか。自分の場合はレスリングを練習してみても、フィジカル負けをしたことはないです。それでもテイクダウンされることはあります。だとすれば、すぐに立つ練習をしたい。そう思ってグラップリングの練習を増やして、今は良い形になってきています」

<この項、続く>

■ Shooto2023#06対戦カード

<フライ級/5分3R>
石井逸人(日本)
堀内佑(日本)

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
キム・ウンス(韓国)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
宝珠山桃花(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
杉本恵(日本)
エンゼル☆志穂(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
上原平(日本)
磯部鉄心(日本)

<フライ級/5分3R>
内田タケル(日本)
大竹陽(日本)

<バンタム級/5分2R>
平川智也(日本)
ライダーHIRO(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
メイヘム和也(日本)

<バンタム級/5分2R>
谷井翔太(日本)
杉野光星(日本)

<新人王決定Tフライ級2回戦/5分2R>
大石航輔(日本)
神里昭吾(日本)

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BELLATOR MMA o ラファエル・ロバトJr 岩﨑大河 巌流島

【巌流島】ラファエル・ロバトJrの対戦相手がMMA無敗の空道王者・岩﨑大河に決定

23: 実況厳禁@名無しの格闘家 2022/12/04(日) 18:34:46.70 ID:Us/F+VjW0
大道塾最強を示す時が来たな


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BELLATOR o ゲガール・ムサシ ラファエル・ロバトJr

【巌流島】元Bellator王者ラファエル・ロバトJr参戦!対戦相手を公募!

12月28日に両国国技館で開催されるINOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国にBellatorの元ミドル級王者ラファエル・ロバトJrが参戦表明している事を巌流島の事務局が発表しました。ロバトJrはべラトールでゲガール・ムサシに判定勝ちして王座を戴冠したバリバリの強豪。しかも、世界柔術選手権の黒帯ペサディシモ級で優勝するなど柔術の実力も一級品。2020年に綿状血管腫と診断され、王座を返上して後進の指導にあたっていました。

それがまさかの巌流島、まさかのINOKI BOM-BA-YEとの遭遇。一体どんな接点があったのやら。巌流島のホームページによると、元々はアンドレ・ジダに声をかけたものの、ジダはアメリカでグリーンカードを申請中で出国不可。代わりにジダから紹介されたのがロバトJrだったようです。

瓢箪から駒。こんな出会いってあるんですね。得意分野の柔術ルールに臨むのか、巌流島ルールに挑戦するのか。Twitterで対戦相手や企画を募集していましたが、ロバトJrをどう料理するのか谷川貞治プロデューサーの腕の見せ所。でも、こういう何が飛び出すかわからないお祭り感こそが、日本格闘技の師走な感じがしていいじゃありませんか。続報に期待大。
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ADCC2022 MMA MMAPLANET o   カイナン・デュアルチ カイル・ベーム クレイグ・ジョーンズ ディヴォンテ・ジョンソン ニコラス・メレガリ ニッキー・ライアン ニック・ロドリゲス ユーリ・シモエス ラファエル・ロバトJr

【ADCC2022】99キロ級決勝 減点8のカイナン・デュアルチがクレイグ・ジョーンズを破り、階級変えて連覇

【写真】強い方にこれをやられると、もう手の施しようがない(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第15 回は99㌔級ファイナル=カイナン・デュアルチ×クレイグ・ジョーンズ戦の模様をお伝えしたい。

準決勝でラファエル・ロバトJrを下したカイナン・デュアルチを決勝で待っていたのは、前回大会の88キロ以下級準優勝、豪州の極め業師クレイグ・ジョーンズだ。

ニック・ロドリゲスやニッキー・ライアンと共に形成したBチームのラッシュガード──前面に大きく「メキシカン・グラウンド・カラテ」とある──を身に纏ったクレイグは1回戦で、ジョアオ・コスタと対戦した。

開始直後にクレイグは引き込んで左足に絡むと、すぐにコスタの右腕を捉えて両腕で抱え込んでヒジを伸ばす腕十字。わずか18秒で圧勝した。

続く2回戦は、初戦ディヴォンテ・ジョンソンとの接戦をレフェリー判定で制したカイル・ベームと対戦。ここでもクレイグは加点時間帯に入ってからベームが放ったダブルレッグを、アームインギロチンで切り返してタップを奪い、2戦連続の一本勝ちで翌日のベスト4戦に駒を進めた。

準決勝でクレイグは、前戦でユーリ・シモエスとの接戦をレフェリー判定で制した道着柔術最強の男ニコラス・メレガリと相対する。

この一戦は両者が積極的に仕掛け合う大激戦となる。まず引き込んだクレイグはフォールス・リープからの内ヒールに入り、メレガリが回転して逃げたところで上のポジションを取って見せ場を創る。

延長におけるスタンド戦においても、クレイグはダブルレッグからテイクダウンに成功するなど戦いの幅が広がっていることを示す。この場面ではすぐに背中を向けてから前転したメレガリに立たれてしまい、ポイント獲得こそならなかったものの強い印象を与えたクレイグがレフェリー判定をモノにして、2大会連続の決勝進出を果たした。


<99キロ級決勝/20分1R>
カイナン・デュアルチ(ブラジル)
Def. 12-0 (ペナルティ8-0)
クレイグ・ジョーンズ(豪州)

決勝戦。スタンドで先に仕掛けたカイナンがシングルレッグからボディロックを取ると、クレイグはあまり抵抗せず下になり、左に絡むハーフを作った。

その後はクレイグが下から仕掛け、カイナンがそれを盤石のベースで遮断する展開が延々と続くことに。やがてカイナンにペナルティが与えられるがそれでも展開は変わらず、カイナンは2つ目のペナルティが与えられる。

カイナンは9分経過のあたりから本格的に低く入るプレッシャーを強め、ハーフで胸を合わせることに成功。そのままクレイグの両ワキを差して上半身を殺し、じっくりと侵攻していった。

加点時間開始15秒前のところで、カイナンは絡まれている足を抜いてマウントを奪取。そのまま低く胸を合わせて抑え続けるカイナンは、加点時間が開始した後に足だけ動かしてニーオンザベリーで2点を取り、またマウントに戻ることでさらに2点を追加。これで減点が2あるものの、ポイントは4-0で逆転に成功した。

その後も、低く胸を合わせてクレイグの上半身を封じ続けるカイナン。一度足を絡ませてから、再びそれを解いてマウントに戻ることで7点目を獲得したが、同時にマイナスも一つ追加された。その後もカイナンは抑えたまま体勢を変えないため、また一つマイナスが加わり、実質3点差となった。

残り7分、カイナンの巨大な上半身に押さえ込まれ続けていたクレイグが、ついにカイナンの腰を押してスペースを作ることに成功、体勢をハーフに戻してみせた。が、カイナンは低く圧力をかけ続けてクレイグの仕掛けを遮断。残り5分のところでなんと5つ目のペナルティを受け、点差は2点となった。

それでもポジションを変えずに膠着し続けるカイナンは、残り3分半でまたペナルティを受けてしまい、1点差に。クレイグは下から右腕を狙うが、カイナンは難なく防御する。

残り2分。上からの膠着を続けるカイナンに7つ目のペナルティが宣告され、ついに試合は同点に。見応えのあるアクションが起きているわけではないこの試合だが、マウントを奪って相手の動きを制し続けている側がペナルティを受け続け、とうとう終盤同点に追いつかれてしまうという前代未聞の展開自体は、シュールかつスリリングだ。

なんとか展開を作りたいクレイグは上半身を起こすが、カイナンもまた上半身の圧力を使ってそれを押し戻して潰す。さらにカイナンはジョーンズの右ワキと首を制して潰して体勢を固める。ここでクレイグに8個目のペナルティが入る。なんと相手をほぼ完全に制圧しているにもかかわらず、カイナンは逆転されてしまった。

下から再び距離を作るクレイグ。残り1分半で点を取らなくてはならないカイナンは立ち上がると、改めて低くプレッシャーをかけてゆく。そしてクレイグの右足を潰したカイナンは、そのまま横に動いて上四方へ。そのままジクレイグを抑え込んでパスに成功。3点を獲得し、土壇場で再逆転してみせた。

クレイグは下から距離を作って立ち上がる。逆転のためにはテイクダウンが必要な場面だが、レスリング力で勝るカイナンの前になかなか仕掛けられない。それでも力のないシュートインを試みたジョーンズだが、カイナンはそれを跳ね返すように倒してゆく。 クレイグはスクランブルをすることもできず下になった。

残り数秒でスコアが実質12-8 =4-0(クレイグの8Pは全てカイナンのペナルティによるものだ)となったところで、クレイグは勝負を諦めてカイナンに握手の手を差し出した。

こうして前代未聞の展開を見せた試合は終了し、カイナンが前回大会の99キロ超級に加えて2連覇を達成。前回大会88キロ以下級準優勝、他の多くの大会でも準優勝が多く、インスタグラムにも「全てにおいて2位」と自虐的なプロフィールを載せているクレイグは、またしても今回準優勝に終わってしまった。

カイナンの優勝インタビューがはじまると、場内の一部からはブーイングが。そんな状況でツータイムス王者は「みんなありがとう。ハッピーだよ。まあもっといい試合ができたとは思うけどね。でもね、この試合場に上がってこれるのは本当にベストの選手だけなんだよ。そして選手はみんな異なった柔術スタイルや性格を持っているんだ。僕は今回勝たなくてはならなかった。まあみんなを喜ばせることはできないよね。僕はここに参加したすべてのアスリートにおめでとうと言いたいよ」と釈明。

さらに「クレイグよ、俺は絶対にお前のように2位にはならないんだぞ!」とジョークを飛ばしたに「僕は(2回戦の)モンストロ(=エルダー・クルズ)との試合でバックを奪ったところで膝を怪我してしまっていたんだよ。だからネガティブな気持ちや心配もあったけど、人生と同じだ。やらなくてはならなかったんだ」と、2日目は万全の体調ではなかったことを明かした。

ヒザの負傷を抱えつつ、世界の超強豪たち相手にレスリングの攻防で優位に立ち、今回も猛威を振るったクレイグの極めの仕掛けも遮断。じっくりプレッシャーをかけて複数回パスを奪ってみせたカイナンの技量はまさに圧巻で、世界一の座に相応しいものだ。

同時に、相手を抑え込み動きを止めようする戦い方に対して、(決して失格を宣告することなく)アグレッシブなまでにペナルティを与えてアクションを促した競技運営陣は、動きの少ない展開に奇妙なスリルとドラマを持ち込むことに成功したといえるのではないだろうか。

なお3位決定戦は、7月のWNO 14の再戦となったメレガリ×ロバトJr。前回テイクダウンを奪って快勝していたメレガリは、今回は加点時間帯前に座って下攻めを選択。

そのガードをロバトJrが攻めあぐねる展開が続いた。結局ロバトJrはペナルティを二つ宣告されてしまい、挽回できず。メレガリが初出場にして初メダルを獲得した。

99キロ級リザルト
優勝 カイナン・デュアルチ(ブラジル)
準優勝 クレイグ・ジョーンズ(オーストラリア)
3位 ニコラス・メレガリ(ブラジル)

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o   エルダー・クルーズ カイナン・デュアルチ ボクシング ラファエル・ロバトJr

【ADCC2022】99キロ級 出場7度目、5度目のセミファイナル出場のロバトJrを破ったカイナンが決勝へ

【写真】3年前の大会で+99キロ級を制したカイナン。2021年と2022年はムンジアルのヘビー級王者は大ベテランを破って決勝進出を決めた(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第14 回からは99キロからカイナン・デュアルチのラファエル・ロバトJrの勝ち上がりと両者の準決勝戦の模様をお伝えしたい。

前回大会99キロ超級の覇者にして、今年の世界柔術も制している優勝候補筆頭のカイナン・デュアルチは、1回戦で英国のオーウェン・リヴシーと対戦。加点時間帯にクローズドガードから両ワキを差し、リヴシーの体を引きつけて伸ばしてからスクランブルで上を取る見事な技術で2点を獲得。その後も低く体重を預けてサイド、マウントとポジションを制し8-0で快勝した。

2回戦は、そのレスリング力故にダークホースとも見られたエルダー・クルーズ──初戦は世界柔術で2度準優勝を果たしているパトリック・ガウジオと対戦し、スタンドの積極性で上回って延長レフェリー判定勝ちを収めた──と対戦。

クルーズのダックアンダーを迅速の反応でスプロールすると、背後に回って四の字フックを完成。そのままマウントも取って先制し、クルーズに体勢を入れかられるものの、5-2で快勝。順当に2日目に勝ち上がった。

デュアルチの準決勝の相手は、大ベテランのラファエル・ロバトJrだ。2013年の88キロ以下級準優勝者のロバトJrは、2007年に初出場以来なんとこれが7度目のADCC世界大会出場だ。初戦では、フィンランドのペルトゥ・テポネン相手に四つから脇を潜ってバックを奪うと、フェースロックで快勝している。

2回戦は昨年の準優勝者のヴィニシウス・フェレイラと対戦したロバトJr。本戦終盤にフェレイラのボディロックからのテイクダウンを切り返す形で上を取り、2-0で勝利。実に5度目のADCC世界大会準決勝進出を決めた39歳のレジェンドは「今回が最後となるかもしれない。僕はもう父親になったし、人生の次のフェイズに入ろうとしているから。そんな今でも世界のトップの選手たちと戦えて感無量だよ」と涙を流した。


<99キロ級準決勝/10分1R+ExR>
カイナン・デュアルチ(ブラジル)
Def.ExR by Ref Decision
ラファエル・ロバトJr(米国)

迎えた両者の準決勝。積極的にフェイントを仕掛けるカイナンは、1分ほどのところでダブルレッグでテイクダウン。加点時間帯前とあって、ロバトJrはあまり抵抗せず下のポジションを受け入れた。

ここからカイナンは低くプレッシャーをかけていくが、右足に絡んだロバトJrがニーシールドと腕のフレームで阻止。この攻防が延々と続き、加点時間帯を超えても展開は変わらず。試合は延長戦に持ち込まれた。

スタンドから再開された延長戦。軽快なフットワークのカイナンは序盤同様に細かくフェイントを入れては、ロバトJrの首を掴んで押し下げてそのスタミナを奪いにかかる。が、お互いなかなかテイクダウンは仕掛けられず、両者にマイナスポイントが与えられる展開に。

以後もカイナンはアウトボクシング的スタンドレスリングとでも呼びたくなるようなフットワーク&フェイントで、ペースを支配。動きが明らかに落ちてきたロバトJrもテイクダウンを試みるが、カイナンは軽く距離を取って回避した。

残り45秒。相変わらず軽快な動きのカイナンがダブルレッグを仕掛けると、そのままドライブしてテイクダウンに成功。が、倒されたロバトJrはいったん背中を向けて亀になってから正対し、失点は回避して見せた。さらに下からアームドラッグを仕掛けるロバトJrだが、強力なベースを誇るカイナンは崩れない。

ならばと立ち上がったロバトJrの右足を抱えるカイナン。ここは足を抜いて距離を取ったロバトJrは、残り7秒でシュートイン。が、カイナンはここも距離を取って試合終了した。

レフェリー判定は、終始ペースを支配して最後にはテイクダウンの見せ場も作ったカイナンに。後に、前日のクルズ戦でバックを奪った場面でヒザを怪我してしまったことを明かしたカイナン。あまりリスクを負わず、それでも要所で確実にポイントを取る賢い戦い方を貫いて、2連覇に王手をかけた。

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o UFC   アンドレ・ガルバォン エドガー・クルーズ カイナン・デュアルチ ゲガール・ムサシ ゴードン・ライアン ニコラス・メレガリ ニック・ロドリゲス ラファエル・ロバトJr リョート・マチダ 堀内勇 平本蓮 高橋SUBMISSION雄己

【ADCC2022】高橋サブ&堀内勇がADCCを深掘り─04─。組み技界の平本蓮=ゴードン・ライアン

【写真】ゴードン・ライアンこそが、ミスター・グラップリングなのだる。ガルバォンとの物語も終幕を迎える(C)SATOSHI NARITA

いよいよ、スタート直前。17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターで開催される2022 ADCC World Championship。2年に1度のグラップリング界最大のトーナメントが、コロナの影響で3年振りに開催される。

グラップリング界においても特殊なポイント制が用いられながら、世界最高峰の組み技の祭典を高橋Submission雄己とMMAPLANETグラップリング・ライター堀内勇氏が、独断と偏見と愛情をもって深堀り。最終回は66キロ級と77キロ級以外の気になる選手について話を続けてもらうと、ゴードン・ライアンとグラップリングの今後という落としどころが見つかった。

<高橋Submission雄己&堀内勇、ADCC深堀対談Part.03はコチラから>


──66キロ級と77キロ級を相当に深く話していただきましたが、ここからは階級に関係なく気になる選手を挙げていただけますか。

高橋 僕は99キロ以下級のエドガー・クルーズが気になっています。

立ち技が強い、27歳で最近黒帯になった選手です。ニック・ロドリゲスに勝っているんですよね。レスリングで攻めて、良い場面を創って。寝技にはあまりならないで99キロ級の上位入賞候補のニック・ロッドに勝っていることと、ADCCルールというところを考えると、クルーズはダークホース的に上にくると見て良いのではないかと。

堀内 その99キロ級では最近、ノーギを始めたニコラス・メレガリがどこまでいけるのかというのは興味あります。

ダナハーのところで練習して、あえて立ち技の練習をずっとしているような。一番最近の試合では、ラファエル・ロバトJrにボディロックで2度テイクダウンを奪っています。いわゆるレスリングではなく、ADCCで取れるようなテイクダウンでした。道着柔術では世界最強の1人なので、ノーギも着実に成長しているので。カイナン・デュアルチもこの階級にますが、道着だとメレガリが少し上だと思います。ただし、ノーギだとまだカイナンの方が有利かなと。そこを踏まえて、メレガリがどれぐらいトップに肉薄できるか楽しみです。

──しかし、ラファエル・ロバトJrはノーギでリョート・マチダにテイクダウンされているじゃないですか。

堀内 アハハハハハ。2006年、LA SUB Xですね(笑)。もの凄い昔の話で嬉しいです。

リョートが空手でなく、相撲で勝ったという。いきなりグラップリングの試合に出て、ロバトJrに勝つって……でも凄いネタをぶち込んできましたね(笑)。でも、あのあとMMAをやってゲガール・ムサシからテイクダウンを取っているし(笑)。ロバトJrも進歩しています。

──当時カリフォルニア在住、歴史の証人がここにいるということで(笑)。ではロバトJrネタはこれぐらいにして、他に注目の選手は?

堀内 やっぱり、ここ数年北米的グラップリングという短いサークリングのなかを引っ張ってきたのはゴードン・ライアンなので、やっぱりゴードンは見たい選手です。SNSを駆使し、WNOでは試合前にフィニッシュの仕方を書いた紙を渡して実際にその技で勝ってしまうとか、色々と話題を提供してきました。

アンドレ・ガルバォンに張り手をかますとか。その集大成が今回のADCCだと思います。ゴードンはSNSでガルバォンを精神的に攻撃し続けてきました。ついに頭にきたガルバォンが直接文句を言うと、叩かれたという流れで。ガルバォンは最近、これまでの流れを振り返って「ゴードンのトラップにハマってしまっていた自分を認める。SNSでATOSの仲間も攻撃され、コロナもあって心がおかしくなっていた。結果、ゴードンの煽りにまんまとハマってしまい、神から心が離れてダークサイドに落ちてしまった。SNSから離れられなくなって、携帯を何時間も見て夜も眠れない日が続いた」って動画で発表しました。

「私はゴードンを許す。これからは皆でハッピーに生きよう」という締めから、なぜかATOSのプロダクトは全て50パーセントオフのセールだっていう商売に行き着いていましたよ(笑)。

──もうギャクじゃないですか(笑)。

堀内 いやいや。『もう戦うだけだ』って集中しているという話をしたかったので(笑)。対してゴードンは相変わらず「俺は精神的にヤツをコントロールしている。俺はSNSでふざけて遊んでいるけど、計算ずくなんだ。SNSから離れられなくなるのも、離れるのも術中にハマっているんだ。格闘技でも勝てるけど、格闘技を使わなくても相手をやっつけることができる」って言っているんですよね。

日本だと平本蓮選手なんかが駆使していますが、SNSも含めた具体的なストーリーラインをゴードンは創っていて。その彼とガルバォンとの物語を一つの区切りとして見てみたいです。

──しかし、ガルバォンが敬虔なキリスト教徒振りを発揮していますが、彼の信じる神はステロイドの使用を認めてくれるのですね。『そこは良いんだよ』って言ってくれる神様と。

堀内 アハハハハ。

──それにしてもゴードン・ライアンは、そこまで注目を集める活動もしているのですね。

堀内 ジョン・ダナハーが「なぜ、ゴードン・ライアンはSNSでこれほど大きな存在になったのか」ということを語っていて。「世の中の人はほとんど劣等感、あるいはそれに似たモノを持って生きている。そこでゴードンのように圧倒的に自信しかない人間を見ると、2つの反応が起こる。強烈に憧れを抱くか、あるいは凄く嫌悪感を持つか。どちらにしてもゴードンから離れられなくなる」と機械的な声で言っていました。

高橋 グラップリングが発展していく行き先とはどこにあるという点において、やっぱり柔術と同じで見るより、やって楽しむDo Sportsなんじゃないかという話になるのですが、ゴードンがプロスポーツ的な目線で売ろうとしているのは、凄く興味深いです。新しいビジネスモデルを持ちこんでいる気がします。それをやって何かが動く土壌がもう米国にはあるということだし。

──ところでゴードンのSNSには、ジェネラルも反応するものなのですか。平本選手はそういう層を転がしているわけじゃないですか。

堀内 そこはゴードンも向うのインタビューで尋ねられて「グラップリングはDo Sportsだ。UFCはジムで殴り蹴りをやっていない人間が視るけど、グラップリングの会場にいるのは実際にやっている人間とその家族だけだ。そういう人たちがどんどん増えるというところまでは持って行けるけど、そこは限界がある」と言っています。でも、SNSの活動だけでなく、絶対的な強さあって教則動画を販売して相当な額を稼いでいます。だから「メイウェザーとかマクレガーにはなれないけど、一般レベルでいえば断トツのお金持ちレベルにはなれる」とも言っていますね。

広めるには限界のあるなかで、すそ野を広げて、そのなかでコンペティションだけでなく、収入面でもトップを取るのがゴードン・ライアンですよね。

高橋 そのピラミッドのなかで、どれだけ盛り上げるのか。本質はDo Sportsとしての裾野をどれだけ広げることができるか──ということなのでしょうね。そして、米国はピラミッド自体が大きくなっているといことですね。

──押忍、最後はグラップリングの未来をゴードン・ライアンから学ぶという良い締めになりました。高橋選手と堀内さん、今日はありがとうございました。ADCC世界大会を楽しみましょう。

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【WNO16】ADCCへ。スーパー前哨戦=ゴードン・ライアン×ペナ。柔術の神の子ミカやJ・ロッドも出場

【写真】ADCC世界大会の前に世界一が決まるような一戦だ(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

7日(日・現地時間)、テキサス州オースチンのスポーツアカデミー・アット・スターでWNO16「Ryan vs Pena」が開催される。

ADCC世界大会を翌月に控え、最終調整なのか前哨戦なのか。本番におおきに影響を与えるであろう真剣勝負、ゴードン・ライアン×フィリッピ・ペナの時間無制限マッチが組まれた。


2017年ADCC世界大会、2016年スタジオ540スーパーファイトと帝王ライアンにとって、ペナは2敗を喫しただけでなく、初戦はRNCで敗れたという因縁の相手だ。

ADCCイヤー、昨年末の2021年ムンジアルで無差別級制覇も禁止薬物使用で失格となった柔術界最強の男ペナは、9月の世界大会にはライアンと同じ99キロ超級で出場予定だ。全く正しくはないが、それだけADCCに賭けて体を創っているともいえる。

ライアンは驚くべきことだが、99キロ超級だけでなくスーパーファイト王者アンドレ・ガルバォンに2019年無差別級王者としてチャレンジする。

ところでADCCイヤーのWNOで見られる顕著な傾向は、テイクダウンとスクランブルが増えていること。そんなADCC世界大会はペナもテイクダウンが鍵を握っているという。「テイクダウンでは僕が完全に上回っている」と言うペナは、今回はそれ故にノーポイント&サブオンリーで、ジャッジの裁定がない時間無制限をライアンが欲したとしているが――果たして……。

ライアン×ペナ以外にも、7月にWNO初陣を戦ったニコラス・マレガリが、ラファエル・ロバトJrと新旧ムンジアル王者対決を戦うという注目の一番が用意されている。両者揃ってADCCでは99キロ級に参加が決まっているが、39歳になったロバトJrは試合の2日前に地元オクラホマシティ郊外のショーニーで開催されたLFAで、教え子のセコンドに就いた際にバキバキボディが確認されている。

さらに柔術の神の子ミカ・ガルバォン×10thPlanetのアラン・サンチェスと戦う。

道着、ノーギ、ポイント制、サブオンリーとまさにオールラウンダーのガルバォンが、ADCC世界大会77キロ級でミスターADCCといえるJT・トーレス打倒を目指す直前に、エディ・ブラボー流柔術の使い手を相手にどのようなファイトを見せるか。

さらにさらに88キロ級で注目のJ・ロッドことジェイコブ・ロドリゲスが、ジェイコブ・カウチと相対する一戦も見逃せない。

レスリングと柔術、グラップリングの融合体でありながら、レスリング能力が高い最新グラップラーの代表格J・ロッドが足関使いに、本番前の試し斬り。その切れ味のほどを確認したい。

またプレリミでファビアン・ラミレスと戦うファブリシオ・アンドレイはADCC世界大会66キロ出場の新鋭だ。

現在はドリームアート所属のアンドレイだが、ミカの父メルキの指導を受けていただけあって柔術のストロングベースを持ちながらノーギ(ルタリーブリ)、レスリングと全てにおいて穴のない。いわゆるブラジルのニュージェネレーション系グラップラーの代表格だけに、ADCC前に予習しておきたい。

■視聴方法(予定)
8月8日(月・日本時間)
午前7時30分~Flo Grappling

■ WNO16対戦カード

<110キロ契約/No Time Limit>
ゴードン・ライアン(米国)
フィリッピ・ペナ(ブラジル)

<15分1R>
ニコラス・マレガリ(ブラジル)
ラファエル・ロバトJr(米国)

<15分1R>
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
アラン・サンチェス(米国)

<15分1R>
ベア・メスキータ(ブラジル)
エリザベス・クレイ(米国)

<15分1R>
ジェイ・ロドリゲス(米国)
ジェイコブ・カウチ(米国)

<15分1R>
ファブリシオ・アンドレイ(ブラジル)
ファビアン・ラミレス(米国)

<15分1R>
ディエゴ・ヘイス(ブラジル)
エステファン・マルチネス(米国)

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MMA Polaris17 クレイグ・ジョーンズ ダヴィ・ハモス ラファエル・ロバトJr

【Polaris17】優柔不断レフェリーをスルー、勝手に試合を再開したクレイグが戦わないハモス相手に王座防衛

<Polarisノーギ・ミドル級選手権試合/10分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.3-0
ダヴィ・ハモス(ブラジル)

座ったクレイグがZハーフガード、ハモスは右腕を差しにいく。グラウンドでの組み手争いはハモスが立ち上がり、仕切り直しに。すぐに同じ形とならい、潜ろうとするクレイグをハモスが制する。再び立ち上がったハモスのパス狙いに対し、クレイグは右足をすくいつつ右足でニーシールドを創る。Kガードからクローズドを取ったクレイグ、ハモスはガードの中で内側、内側へと左右の腕を差しいれていく。

再度クレイグは足関節のエントリーもラモスが走って足を抜く。スクートで圧を掛けるクレイグが、座ったままで足を払いハモスが姿勢を乱す。Zガードのなかでヒザをついたハモスは、ニーシールドから足を絡まれそうになり急ぎ距離を取る。

デラヒーバもカカト抱えられそうになると、大きく足を挙げて防御するハモス。ここまで攻防ではなく、クレイグの攻、ハモスの防という試合展開が続き、試合時間は残り5分半に。Zハーフからヒザ裏をとりにいくクレイグに対し、とにかく足を腕では触らせないハモスは抜いて離れる。ならばとスクートでアンクルピック狙いのクレイグは、Zハーフを取ると2度目のアイポークがあったとアピールする。

再開後、頭を下げてパスの圧を高めるかと思われたハモスが、立ち上がって間合いを取り直す。カカトを両手で取られたハモスは、足を振り上げて抜こうとすると、これが前蹴りのような形となり、観客から非難の反応が起こる。直後に飛び込みつつ、ヒールでカカトを抱えようとしたハモスだが、取れずに離れようとしたところでクレイグが起き上りバックを伺う。前転から座ったハモスに対し、初めてトップを取ったクレイグはパスやスクランブルでバック狙いの圧力を掛ける。

ハモスが蹴り上げで場外に出て、試合はマット中央で再開される。シッティングのハモスはヒザの裏を取られた姿勢での再開を断固拒む。と、何と同体での再開を諦めたレフェリーがスタンドでの再開を指示する。

なんともナンセンスなレフェリーの判断に、クレイグは両手を広げて不満のアピール。観客からはブーイングが起こる。するとレフェリーは再び、ハモスに座るように指示を出すという優柔不断ぶりを見せる。となるとハモスが徹底的に抵抗の構えだ。さらにハモスは、なら場外際で再開とばかりに、マットサイドに出て寝転がる。

勝利への執念か、審判への意地か──全く潔さのないなかに、リアルさが垣間見えるシーンが続く。マット中央に戻されても、座らないハモス。ここでモニターでリプレイが流されるが、痺れを切らしたクレイグは自分が座るよとシッティングを取り、試合が再開される。全くもって自らの役割を全うできないレフェリーは心なしか両者から離れた位置に立ち、クレイグは構わずKガードを狙うとハモスが離れる。

タイトに組もうとせず、トップから離れるという動作に終始するハモスは、足を取られて下がるという動きに終始すると勝ち目はない。ADCCのようにスクートに対し、下がるとマイナスポイントというルール設定がないだけに、ハモスの負けない動きを否定することはできないが、勝ちにいかない姿勢は否定できる。

このまま試合はタイムアップとなり、Zハーフから足関節の機会を伺い続けたクレイグがレッグロックゲームには徹底して付き合わなかったハモスを3-0で下して王座防衛に成功──「みんな、この試合はクソ退屈だったろうね。以前はジャンピングしてから攻撃するとか、彼はリスキーでワイルドな動きを見せていたけど、今日は歴史上はじめてトップを取ってレフェリーを抗議する人間になったね(笑)。ポラリスでは次はライトヘビー級王座防衛戦をラファエル・ロバトJr相手にしないといけない。皆、今日は本当に超退屈な試合になってしまい申し訳ない」とマイクで話した。


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