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【WNO22】ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─02─「これからのことは一切考えていない。どうでも良い」

【写真】この試合後のことは考えていない。ルックスもどうでも良い。そんな岩本健汰でした(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサはOCフェアー&イベントセンター内ザ・ハンガーで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」で、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する岩本健汰インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

柔術の神の子への挑戦が降ってわいたように巡ってきた岩本は、この完全無欠のグラップラーを相手に勝つには「どうすれば良いんだ」と笑う。が、インタビューを進めていくと笑顔の裏にADCC世界大会イヤーでありながら、全てを賭ける気持ちがヒシヒシと伝わってきた。

ワールドステージで戦う岩本、その覚悟のほどを知って欲しい。

<岩本健汰インタビューPart.01はコチラから>


──とはいえウィリアム・タケットをパスしまくったという状況も、WNOだとパスもポイントにならないので極めを防げる選手は、IBJJFルールのように絶対にパスを許さないという姿勢では望んでいないかもしれないです。

「そこもあるかもしれないですね」

──グラップリングといってもサブオンリーのWNO、ポイントがありスクランブルが欠かせないADCC、ポイント制のIBJJFノーギとルールの違いが戦いをまるで変えるものかと、と。いくら技術は共通でも。

「WNOルールだと確かにミカは強いなって。どうやったら勝てるのか。まぁ全力でやるしかないですね(笑)」

──結果、ベストを尽くすと。とはいえ、どのルールでも防御力が絶対かと思うのですか。

「サブミッションエスケープは、僕は得意な方だと思います。なので、そこは気にせずに戦うことができるのですが、エスケープは印象点を悪くするので。だから入らせない。入られたら、すぐにカウンターでいくというマインドで行くしかないですね」

──ドロドロになってきたら、チャンスが増えるのか。

「う~ん、ドロドロ……そうっすね。ミカってヨーロピアンに出ていますよね」

──ハイ。ミドル級決勝でアンディ・ムラサキを腕十字で破り優勝しています。

「ヨーロピアンって、ドーピング検査ないんですかね?」

──あっ、そこですか。

「そうなんですよ。WNOはチェックはないですけど、ヨーロピアンに出ていたら抜けている可能性がある」

──そうしたら、使い続けている岩本選手の方が有利だと。

「ハイ(笑)」

──アハハハハハ。勘弁してください。

「でも本当にミカには、以前のようなパワーがない可能性はあります」

──なるほどです。そこは当日の楽しみとして、岩本選手は今回もB-Teamで調整をしてきました。

「ハイ、香港でのセミナーが終わってそのまま来ました。ニッキーやクレイグが不在だったのですが、まだ名前がないB-Teamのメンバーがめちゃくちゃ強いです。めっちゃ強い。ここでやっていることが、自分のバロメーターになります。初めて来た時から比べると、強くなっていると思います。でも回りも強くなっているし、紫帯でもメチャクチャ強い人もいて。ほぼ無名で強い人が、結構います。ここで練習をしていると、力がつきます」

──これはまるで別件なのですが、ケイド・ルオトロとトミー・ランガカーの日本での試合は視聴されましたか。

「ハイ。ケイドが圧勝しましたね、凄い試合でした。ケイドは凄いです。本当に世界一だと思います」

──実はこの試合が決まるまで、岩本選手の位置関係としてアンドリュー・タケットやジョセフ・チェンとのライバルストーリーが綴られていくことが楽しみでした。ただミカと戦うことで、岩本選手の存在がケイド、ミカというところにやってきたのかと。

「ここで勝てば、そうです」

──それがまさに今大会でのタイトル挑戦に表れているのかと。メインがニッキー・ロッド✖ヴィクトー・ウゴ。他にダンテ・リオン✖ディエゴ・パト、タイナン・ダルプラ✖オリヴィエ・タザ、ジェイコブ・カウチ✖セブ・ロッドという面々の中に日本人グラップラーが出場する。それこそUFC300で日本人ファイターがタイトルに挑戦する……NBAやMLBのオールスターに日本人プレイヤーが出場するようなもので、グラップリング界での快挙かと。

「まぁ……それは難しいことじゃないと思います。勝たないと意味がないので」

──ただし一部のグラップラーしか出場できないイベントです。それだけケンタ・イワモトは世界で評価されていることかと。

「そうですね。知名度的に僕が高いから、選ばれたというのはあるかもしれないです」

──ここでインパクトを残せば、今後のレギュラー参戦もあるのかと期待が膨らみます。

「きっと僕は良い試合ができることを期待されているんだと思います。攻防が多い、スクランブルが多い試合。ミカと相性が良い試合になると思われているのかと。でも、この試合に限らず……ですけど、一つひとつの試合が一つの終わりと心得ているので」

──というと?

「むしろ、この試合が僕にとって最後の戦いだという感覚です。もう後のことは考えていない」

──つまり今回の試合はRoad to ADCC世界大会ではないと。

「ハイ。キャリアとかこれからのことは一切考えていないです。これが最後だと思ってやっています。帰りのチケットも買っていないです。試合までのことしか、考えていないので。そこしか見ていない。カリフォルニアから戻ることは今、頭にないです。とにかくミカとの試合に集中しています。終わってからのことは、どうでも良い。米国から帰国するチケットもキャンセルできるやつを買って、こっちに来ているので」

──凄まじい覚悟のうえでのミカへの挑戦ですね。

「もう、この試合で終わりです。それからのことは一切、考えていないです」

──押忍。そんな岩本選手を応援している人々に一言お願いします。

「うん……えぇと……。勝つことしか考えていないです」

──痺れる想いを持つ岩本選手ですが、最後に一つスミマセン。気になったことがあります。

「えっ、何ですか」

──岩本選手、インタビューの受け答えは英語の方が上手くないですか。あのFLOに挙がっているインタビューとか、凄く流暢で。

「アハハハハ、そんなことないですよ。英語より日本語の方が……多分、大丈夫です。今日は……最近、日本語を使っていないので。もうカタコトになって、表現力がないなって自分でも思っていました(笑)。本当に日本語をしゃべったのが、久しぶりだったので申し訳ないなって(笑)。言葉が上手く回らなかったです」

──それだけ動きは上がっていると、期待しています。

「ハイ。ありがとうございます。口はこうでも、体は動くので。そして日本語、勉強しなおします(笑)」

■視聴方法(予定)
2月10日(日・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

■ WNO22対戦カード

<ヘビー級/15分1R>
ニック・ロドリゲス(米国)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<WNOウェルター級選手権試合/15分1R>
[王者]ミカ・ガルバォン(ブラジル)
[挑戦者]岩本健汰(日本)

<WNO級ライト選手権試合/15分1R>
[王者]ダンテ・リオン(カナダ)
[挑戦者]ジエゴ・パト・オリヴェイラ(ブラジル)※フェザー級王者

<女子フライ級/15分1R>
アマンダ・アレキン(米国)
アデーレ・フォーナリノ(豪州)

<ミドル級/15分1R>
タイナン・デルプラ(ブラジル)
オリヴィエ・タザ(カナダ)

<ミドル級/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
セバスチャン・ロドリゲス(米国)

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【WNO22】世界の頂=神童ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─01─「じゃあ、どうするんだって(笑)」

【写真】B-Teamで練習中の岩本。世界に挑む、日本の格闘家(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」に岩本健汰が出場し、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する。この一戦はある意味、タケルがスーパーレックと戦う、あるいは日本人がショーン・オマリーと戦うのに等しい──ただ単に世界と戦うということでなく、世界の頂点と戦う一戦となる。
Text by Manabu Takashima

神童ミカ・ガルバォンは2003年10月生まれの20歳。父マルキの指導の下、柔術とルタリーブリで黒帯を巻く。キッズ時代から輝かしい成績を残し、2019年のムンジアルではジュベニウで階級別と無差別を制覇し、アダルトへ。時代はコロナ禍を迎え柔術トーナメントが動きを止めるなか、ミカは配信大会で頭角をグングンと表し、一気に黒帯のトップ選手として認知されるようになった。

2022年のムンジアル制覇はドラッグテストで黒となり抹消され、その年のADCCでは77キロ級決勝でケイド・ルオトロにヒールフックで敗れるも、今や時代の寵児となったルオトロ兄弟よりも前評判は高かった。その後、BJJスターでイザッキ・バイエンセとフィリップ・アンドリューに敗れてはいるが、目下のところ24連勝中だ。

WNOは2021年の第9回大会から出場し、アンドリュー・タケット、オリヴィエ・タザに勝利すると、チャンピオンシップトーナメントでウィリアム・タケット、ジェイコブ・カウチを破り、決勝でタイ・ルオトロに敗れた。その後もダンテ・リオン、アラン・サンチェスに勝利し、昨年10月に王座決定トーナメントでジェイ・ロドリゲス、PJ・バーチを下し、ウェルター級のベルトを巻いた。

さらに12月にコディ・スチールをRNCで倒して王座初防衛に成功、今回は岩本と2度目の防衛戦を戦うことに。そのうえで1月の最終週にはヨーロピアンにミドル級出場したミカは、3試合連続で一本勝ちし決勝でアンディ・ムラサキと相対した。結果スイープを許し、パスのプレッシャーを受けるなか、左足でムラサキの左足を制し、右足で肩と頭をロックしつつ腕十字を極めるという神童の名にふさわしいフィニッシュで優勝を果たしている。

岩本にとって間違いなく過去最強の相手。ミカが持つベルトに挑む岩本──テキサス州オースチンのB-Teamで最後の仕上げを行うところでリモート取材を試みた。


──当初の予定ではニッキー・ライアンが挑戦するという話だったのですが、いつの間にか岩本選手が挑戦者になっていました。いつ頃、この試合が決まったのでしょうか。

「12月末ぐらいだったと思います。年末ですね、『どうか?』っていう連絡が来たのが。1度OKを出したのですが、それが無しになって。正月をゆっくりと過ごしていたら、またオファーがきてやることになったんです」

──それはニッキー・ライアンの出場がなくなったから、オファーがあったということですか。

「ハイ。最初の時はそうでした。ただ1度なくなった理由は分からないです(笑)。交渉の段階でなくなって、『やっぱりどうか?』という連絡があってからお金の話など、契約交渉の段階に入りました」

──とはいえADCCアジア&オセアニア予選で優勝した直後には、ADCC世界大会のトーナメント枠を良くするためにPJ・バーチなどと戦って結果を残すと言っていました。そしてミカへの挑戦、余りに言動が不一致です(笑)。

「アハハハハハ。最初はADCC世界大会でいきなりケイド・ルオトロやミカ・ガルバォンと当たらないためにもうちょい下の人を倒したいというプランでした。なので、まさかその本人が出てくるとは思わなかったです」

──ADCC世界大会に向けて、プランが変わる試合のオファーに躊躇はなかったですか。

「最初は『ミカか……』という感じはありました。2月の9日だと、準備期間も少ないですし。1月の15、16日に香港でセミナーがあり、その間はあまり練習ができない。ミカが相手なら、もうチョイ準備したいという気持ちがあったのですが、迷った末にやることにしました」

──目の前にミカというオファーがあれば、無視することはできない?

「う~ん、僕から求めていたわけじゃないですけど、舞い降りてきたチャンスを逃すことはできなかったです。頑張ってきたらチャンスは巡ってくる──そう思って、受けることにしたんです。僕的には勝ちたい。でもミカって一番強いから、他の選手と比べると勝つのは難しい。でも『良い試合をしたな』っていうことで終わってしまうのが、一番嫌なんです」

──ONE165でのケイド・ルオトロへの挑戦も断った。でもミカとは戦いたいというのは?

「それは契約の縛りの話があったからです。ONEは縛りがあって、縛りがなければやっていました」

──しかし、どうすればミカ・ガルバォンに勝てる見込みがあるのか。それは正直なところ思うところではあります。

「確かにWNOのルールはサブミッションの仕掛けを重視しています。以前、ミカとダンテが試合をしたときにダンテが何回もテイクダウンを奪ったのに、最終的にミカが一度腕十字の態勢に入ったことで勝てたんですよね。サブミッションが凄く重視されるので、ミカをWNOのルールで倒すというのは──勝ち筋を見つけるは難しいところがあります。

かといって何も見えない相手ではないです。僕が勝てる部分があるので、そこを利用して勝ち筋を見出すしかないです」

──勝てる部分というのは、どこになると考えていますか。

「立ち技とかだったら、行けるかなと」

──とはいえサブオンリーなので、ミカは立ちで敵わないとみると引き込んでくるのではないでしょうか。

「引き込んでくる可能性はありますね。印象を悪くしないために」

──テイクダウンされるより、引き込みの方が自分の形で組手を創れるような気もしますし。そうなると、引き込んでも攻撃になる。

「ハイ。そこはADCCとは違いますよね。ADCCルールの方が今の僕には合っていることは合っています。でも……う~ん、そうっすね。まぁ、う~ん。ミカをパスできないですもんね。ヘヘヘヘヘヘヘ」

──いや、笑いごとではないかと。

「じゃあ、どうするんだっていう話になるんですけど(笑)」

──ハイ……。

「だから、まあ……そのう……だから、まぁ……なるべく遠い距離で立っても良い感じでやるのか。それだとネガティブになっちゃいますよね」

──逆に岩本選手が引き込むということは?

「それはチョットきついです。プランにはないです。冗談ではあるかもしれないですけど。ミカはパスが強いですからね(笑)。ウィリアム・タケットを結構パスしていたので。ハハハハ」

──笑っている場合ですか!!

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

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F1 JT・トレス MMA MMAPLANET o YouTube   ウィリアム・タケット グラント・ボクダノフ ゴードン・ライアン ジオゴ・ヘイス ジョセフ・チェン ダンテ・リオン ダヴィ・ハモス 世羅智茂 岩本健汰 森戸新士

【Fight&Life & ADCC Asia & Oceania Trial】ADCC予選へ、森戸新士「家族や仲間の存在が自分の力に」

【写真】競技として柔術とグラップリングは別モノであると思いますが、グラップリングを修めようといういう姿勢は生き方として柔術家だと感じます(C)MMAPLANET

現在発売中のFight&Life#99で11月25日(土・現地時間)にシンガポールはジュロンイースト・スポーツセンターで開催されるADCCアジア&オセニア予選に出場する森戸新士のインタビューが掲載されている。

岩国と広島に柔術道場を持つ。経営&指導でありながら、毎月のように道着&ノーギ、プロ&アマ・トーナメントに数多く出場する森戸にとってADCC出場の意義と、柔術家として取り組みを尋ねた同インタビューを全文掲載したい。


──昨日の全日本柔術選手権、ライト級と無差別級で3位でした。

「階級別も無差別も初めて試合をした大浦マイケ選手、グラント・ボクダノフ選手に準決勝で負けてしまいました。マイケ選手は茶帯で勝ちまくっていた選手で、自分の形を創る前に崩されてしまいした。素直に完敗でしたので悔しくて、やり返したい気持ちでいっぱいです(苦笑)」

──無差別の準決勝はポイントを取り合って同点でレフェリー判定負けだったと。マイケ選手もグラント選手も年下です。国内において下の世代が上がってきたことに関しては、どのように捉えていますか。

「そういう年齢になってきたな、と(笑)。僕が黒帯になったのが2018年、あの時には『やっと黒帯の強い選手を倒しにいける』と思っていました。思ったことを実現してきて、今は茶帯から上がってきた強い選手を倒す立場になった。でも今回は倒されたから、やり返したいです」

──それにしても1週間前にグラジエイターで暫定王座決定戦を戦い、世羅智茂選手を破って王者になったばかりでした。ケージ・グラップリングと畳の道着、もう完全に別モノかと。強行スケジュールで、どちらに比重を置いていたのですか。

「今回はノーギの方でした。ただ普段からノーギの試合前でも道着の指導をしていますし。そのままスパーにも加わっているので、どちらも練習しています。ただフォーカスしていたのはノーギですね。道着の方は3、4回ほど練習しただけでした。なので全日本は出場するかどうか迷ったんですけど、これでは来年のムンジアルで勝てないと思い知らされたので、出て良かったです」

──たまたまグラップリングの試合が前だったから、比重を置いていたのでしょうか。

「今回はタイトル戦で、世羅さんにはノーギで1度負けているので。ちゃんと取り返しておきたいというのがありました」

──4-2でしっかりと確実に勝った。そういう印象の試合でした。

「ルール的に上の取り合いになると分かっていましたし、そのつもりで準備もしていました。しっかりと勝てたことは良かったです」

──それにしてもグラジエイター、FINISHというグラップリングのプロマッチ、プロ柔術でもKITとART。そして全日本やアジア、全日本ノーギともの凄い数の試合に出場していますね。

「基本的には月に1度は試合をしていると思います。でも僕は試合が終わると、もう過去のことになっちゃうんです(笑)。次のことしか考えないので」

──現役生活と指導者生活、これだけ試合に出ていてなお、バランスが取れているのですね。

「基本、オファーがあったら断らないようにしています。呼ばれているうちが華なので。大きな舞台で活躍したいですし、その過程でもあるので数もこなしていきたいです」

──そういうなかで旅費、出場費を払うトーナメントと足代が出てファイトマネーのあるプロの試合では、捉え方は違ってきますか。

「試合は始まれば同じなので、あまり違いとかは考えないです。エントリー費用で1万円払うのも経験値を積んで、実績を創るためです。それにトーナメントは試合数が多くて、その分練習で取り組んできたモノを試せて成長できます。勿論、ファイトマネーが少しでも多い方が良いですけどね(笑)。それにプロの試合は旅費の負担がないのも助かります。そこに呼んでもらえていることが、有難いです。そういう舞台で戦うと名前も売れますし、ジムの宣伝にもなるので。プロマッチは相手が強い人しかいないのも良い点です」

──森戸選手はいつ頃からグラップリングの試合に出て、ADCCを目指すようになったのですか。

「初めてグラップリングの試合に出たのは2019年のADCCアジア・オセニア予選でした。岩本健汰選手が66キロ級で代表になった時です。僕は77キロ級に出場し2回戦でラクラン・ジャイルスに内ヒールで負けました」

──ラクランはその年の世界大会では無差別級で3位になるなど、足関節で旋風を巻き起こしたグラップラーですし、初のグラップリングでは致し方ない結果かと。

「あの時は柔術の練習の時に道着の上だけ脱いで藤田(善弘。藤田柔術代表)先生とチョロッとやっただけで出ていました。で足関を創られて、逃げ方も分からず足首とヒザを少し鳴らされてタップしました」

──なぜ予選に出ようと?

「当時はまだ会社員で、仕事をしながらでも選手として活躍したいともがいていた時期で、大きな大会は全て出ようとしていました。それで、取りあえず出てみようと。振り返れば、まぁ……どうやって勝つつもりだったんだろうとは思います。同時にそれぐらいのマインドを持っていないと、ああいう舞台には出ていなかったでしょうし。僕は試合に出て、課題に直面して直していくようにしているので」

──柔術では禁止されている内ヒールで敗れて、これは別モノだから構わないという気持ちには?

「ならなかったです。あの後のラクランの活躍も見て、自分もグラップリングを頑張ろうというきっかけになりました」

──別モノだという考えにはならなかったということですね。

「別モノという考えもあると思います。ただADCCの入賞者を見ても柔術家が多かったです。コブリーニャ、ダヴィ・ハモス、2連覇のJT・トレスと。柔術家がADCCルールに対応するために練習をして結果を残している。つまり柔術はグラップリングで生きているということじゃないですか」

──ハイ。

「グラップリングを戦う上でも柔術の練習が無駄になるとは思わないので、それほど分けて考えることはないです。ただし、グラップリングに特化して練習した方がADCCでは結果を残せるとは思っています。ムンジアルとADCCの両方を狙うよりも、どちらかに集中した方が成果は出しやすい。それでもミカ・ガルバォン、ジオゴ・ヘイス、ファブリシオ・アンドレだとか、ルオトロ兄弟もそうですが、両方で活躍している柔術家も多くて。僕が目指したいのはそういう選手です」

──まさにその言葉通りの活躍を国内ではできています。両競技に出る利点はどこにあると考えていますか。

「利点……利点というか、両方とも楽しいです。道着もアジアの前に集中して練習していると、掘り下げる分だけ新しい技術が見つかって。その時は道着にハマります。でもノーギの大会前はレスリングもそうだし、新しい技術にハマります。一方に集中した方が、競技者としては上達すると思いますが、両方とも楽しいから、今のところは両方で頑張りたいという気持ちです」

──コンペティションに出る理由も楽しいからでしょうか。

「そこに対する取り組みも、ですね。もちろん、試合だから精神的に負担もあります。ただ挑戦していること自体は楽しいです」

──楽しめなくなる。それも競技者生活の一面ではあります。

「注目が集まり過ぎると、そうなるんじゃないでしょうか。マイナー競技だから、楽しめているのかもしれないです。ただゴードン・ライアンが楽しめているとは思えないですね(笑)。ウィリアム・タケットも『試合に出ることはストレスだから、ずっと競技者をやっていこうとは思っていない』と言っていました。弟のアンドリューは、ただ楽しいって感じですけど(笑)」

──なるほどぉ。これは絶対的に否定していることではなくて──。森戸選手が全日本柔術の週末に子供さんの運動会に行かれていたことは、正直驚きました。

「日程的に可能であれば、どんな大きな大会前でも娘の運動会には行きますっ!! 」

──かつかつに体重を落とすわけでないですし。そういえば、MMAでも計量後に運動会に駆けつけている選手もいました。

「僕は減量を余りしないのですが、そりゃあ娘の運動会は大切です。むしろ、そこから活力を得ないといけない。そのために日々を頑張っているので」

──昭和親父として、頭が下がります(苦笑)。

「競技を続けることは当然、楽しいだけではないです。今の僕は道場経営で生活を成り立たせているので、自分の実績も今後の経営に関係してきます。何より応援してくれる家族、生徒さんやスポンサーさん達の生活も僕が活躍することで豊かになってほしいし、自分の心も豊かになれるので競技を頑張りたいです」

──今年は1月にジョセフ・チェンに完敗を喫しました。自らの努力を否定されかねない敗北だったかと思うのですが、心を豊かにするのとは真逆で絶望感を持つことは?

「自分がジョセフの域まで達していないだけで、でも強くなっている実感があります。これだけ強い人がいるのだから、もっと頑張ろうという気持ちになりました。強い選手と肌を合わせられて良かったと思います。戦う舞台が世界になると、ああいう選手が揃っているので。現にジョセフはノーギだと過去一で強かった。ジョセフ・レベルの選手がADCCの世界大会に出る。そういう選手と日本で試合ができて、差も分かりました。そこをどう埋めていくのかという過程に今はいます」

──あの試合以降、森戸選手のグラップリングは技術的に変化しました。ラクランの足関から始まったグラップリング挑戦ですが、この競技自体に技術変遷が見られます。

「今では足関は必須科目です。主流の技術が代わり、その技術を修得していく過程はやはり楽しいです。強くなることが実感できるので」

──その成果を発揮する舞台が、 11月25日のADCCアジア・オセアニア予選です。

「ADCC世界大会は僕の目標とする大会の一つです。招待選手でもない僕は、そこに出るには予選で勝つしかない。もちろん、そこに賭ける想いはあります。そのために練習をしているので」

──その練習環境としては広島&岩国だと、首都圏のコンペ練習がある道場とはまた違ってきます。首都圏ではMMAファイターのプロ練習に参加する選手もいますし。

「練習環境の差はどう見てもあります。でも僕はこのジムを自分で起ち上げて、通ってくれる生徒さん、出稽古で来てくれる練習仲間──皆で強くなっていこうという気持ちでやっています。取り組み方次第で、練習環境の差は埋めていける。結果を残して、ソレを示していきたいという想いでやっています」

──アジア・オセニアニア予選、豪州、あるいは中央アジアからどのような選手が出てくるのか分からないですが、前回優勝の岩本健汰選手が優勝候補一番手だと思われます。東京やB-Teamで練習する岩本選手を相手にして、今の言葉を実践できるのか。大勝負ですね。

「う~ん、ADCCルールの実力でいえば向うの方が全然上です。ジョゼフに勝ち、ウィリアム、ダンテ・リオンという世界のトップと張り合える選手との試合を見ても、岩本選手はめっちゃ強いです(笑)。でも、そこに挑んでナンボなんで。やるからにはもちろん、自分の持っているモノを全部出して勝ちに行きたいです」

──岩本健汰になくて、森戸新士にある長所とは?

「柔術の極め。岩本選手もスクランブルが強いですけど、自分も意外と得意なので、そこで驚かせることもないことはない。そういうところでチャンスを創りたいです。僕はコロナの時に米軍基地での指導という仕事を失って、あの時に柔術を教えていた生徒さんの助けがあって、家族と生き抜くことができました」

──……。

「LEOSを創る前、結婚をする前、子供が生まれる前は自分のことしか考えていなかったです。今は柔術だと試合会場に仲間と一緒に行き、プログレスとか自分だけの試合でもセコンドで仲間が来てくれます。試合直前まで支えてくれて、応援してくれる家族や仲間の存在は、明らかに自分の力になっています」

──圧倒的な実力差があるケースを抜きにして、競り合った時にその想いが森戸選手のエネルギーになりそうですね。

「より一層負けられないという気持ちが大きくなります。試合前も娘の写真を見て……だから運動会にも行くし(笑)。奥さんから娘が『頑張ってねぇ』と言っている動画が送られてきます。道場の皆のメッセージを読んで、動画を見ると良い感じで緊張が取れて『やるぞ』と気持ちを切り替えることができるし。そんな皆のためにも頑張りたいです」

──では改めてADCCアジア・オセニア予選に向けて、意気込みの程をお願いします。

「ADCCアジア・オセアニア予選はレベルも凄く上がっていて、メンバー的にも過酷なモノになると思います。インターバルも短く体力的にも厳しいです。勝ち上がれば勝ち上がるほど厳しい状況になりますが、一つひとつ勝ち進んで──代表権を掴み取りたいと思います」

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【ADCC2024 European Trial01】ジョセフ・チェンが77キロ級を制し、初の世界大会出場を決める!!

【写真】危なげないといっても過言でない戦い振りで、世界大会出場を決めたジョセフ・チェン。11月25日にはオセアニア・アジア予選が実施される (C) FLO GRAPPLING

16日(土・現地時間)、ポーランドのワルシャワにあるアレナ・ウルシヌフ・ホールで第一次ADCCヨーロピアン予選が行われ77キロ級でジョセフ・チェンが優勝を果たしている。
Text by Takashima Manabu

台湾人の父と南アフリカ系ドイツ人の母を持つジョセフは、ドイツのパスポートを保有しており、中東及びアフリカ諸国のグラップラーも出場できるヨーロピアン・トライアルに出場した。


ジョセフは1回戦で昨年のADCC世界大会でウィリアム・タケットをストレートフットロックで破ったマテウス・シュゼシンスキと対戦し、序盤から代名詞といえる上攻めを続ける。シュゼシンスキに足関節をセットさせなかったが、本戦7分で足を越すこともできず試合は3分間の延長戦へ。

ジョセフは小内刈りからダブルレッグで尻もちをつかせ、バックへ。フックをさせなかったシュゼシンスキが、引き込んだことでポイントは獲得ならなかったがレフェリー判定をモノにし準決勝に駒を進めた。

セミファイナルの相手は欧州柔術界、北欧グラップリング界の雄トミー・ランガカーだ。まずランガカーが座り、ジョセフのパスのプレッシャーに負けじと足関節、スイープのセットをする。そんなランガカーに対し、ジョセフはポイント獲得時間になるとまずハーフから足を抜いてマウント奪取で、3 Pを奪取。足を戻され、もう一度抜いてマウントで3Pを追加したジョゼフは、バックマウントも奪い9-0でランガカーに快勝した。

続いて10分&延長4分となる決勝でオリバー・タザと相対したジョセフは、支えつり込み足をシングルレッグで切り返してトップを取ると、過去2試合以上に強いパスの圧をかける。

タザもスクランブルに持ち込み、トップを取れずとも50/50 に入れるなど下からコントロールをはかり、両者譲らず試合は延長へ。ジョセフはテイクダウン狙いの際に、バランスを崩して場外でタザにバックを譲ると、足をフックさせていない状態&仰向けでマット中央で試合が再開される。

その刹那、ジョセフは一気に胸を合わせてバックを狙う。前方に落とされながら、ジョセフは両ワキを抱えた状態で頭を支点に、後転するようにタザのバックを制し両足をフックしてみせる。これで3Pを手にすると、タザの反撃を遮断して昨年は、オセアニア&アジア予選で岩本健汰に阻まれた世界大会出場の切符を19歳&茶帯で成し遂げた。

この他の階級で最速世界選手権出場を決めたのはジョセフ以外の選手は──66キロ級で英国のオーウェン・ジョーンズ。88キロ級はフィンランドのサンテリ・リリウス、99キロ級は南アフリカ国籍のルーク・グリフィン、そして+99キロ級もフィンランドのヘイキ・ユシラと北欧勢が2つの枠を獲得している。

女子は新設された55キロ級でノルウェーのヨセフィーナ・ムーテ、65キロ級はフィンランドのサニ・ブランフォルス、65キロ超級でノルウェーのアーネ・スヴェンソンが世界大会出場を決めた。オーウェンとブランフォルスが紫帯、グフィリスとムーデがジョセフと同様に茶帯で欧州予選を制している。

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FINISH10 MMA MMAPLANET o UNRIVALED UNRIVALED02 YouTube   ウィリアム・タケット コンバット柔術 ジョセフ・チェン 上久保周哉 吉岡崇人 寒河江寿泰 岩本健汰 日沖発 杉山廣平 村田卓実 森戸新士 江木伸成 白木アマゾン大輔 石橋佳大 竹浦正起

【Unrivaled02&Finish10】吉岡崇人に勝利、石橋佳大戦へ上久保周哉─01─前に岩本×タケット感想戦??

【写真】自分がある、あり過ぎる上久保は自分の言葉を持っています(C)MMAPLANET

2月26日(日)、東京都世田谷区のiTSCOMA STUDIO&HALL二子玉ライズで開催されたUnrivaled02で、上久保周也が吉岡崇人に勝利した。

その上久保、5日(日)には東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開かれるFinish10で石橋佳大と対戦することが決まっている。僅か1週間のインターバルで柔術黒帯に続き、元MMAファイターとグラップリングで戦う。かたやマットでポイント制、もう一方はケージでサブオンリーと違いがあっても、MMAで強くなるために組み技戦に挑む上久保のやるべきことは変わらない。

そんな上久保に吉岡戦の手応え、石橋戦の抱負を訊こうとしたところ、直ぐ隣にメインを戦ったばかりの岩本健汰の姿があり、自然発生的に両者に話してもらうこととなった矢先、岩本とで激闘を繰り広げたばかりのウィリアム・タケットが挨拶にやってきた。結果、岩本とタケットの歓談から、上久保の話を振ることとなった。


──せっかくなので本人を前にして、メインの感想をお願いできますか。

岩本 あっ。僕、上久保選手の試合が見られなかったので。勝った……15分がやりきったと聞いています。

「もう、いつのもヤツですよ(笑)。15分間、相手を固定していたス」

岩本 壁が無いから。

「そう……。でも、岩本君が負けたのショックだった、そうは言っても」

岩本 あと1年あれば、絶対に勝てそうです。

──おおっ!! 森戸選手とジョセフ・チェンの試合を見て、そして今日のウィリアム・タケット戦を見て、改めて岩本選手の強さが認識できた次第です。

岩本 正直、最初に組んだ時、レスリングは余裕だなって思いました。行ける……入ったら倒せると思いました。

「上の組手は、全然勝てそうだったよね」

──実は試合の試合前にケガをして、岩本選手からはレスリングに行けないという話を聞いていました。

「えっ、そうなの?」

岩本 ハイ。専修大レスリング部で水曜日に練習して、テイクダウンに入られた時に相手の指が食い込んで。それで、ブチって。速攻で帰宅して、ずっと休んでいました。だから四つ組みとかはやらなかったです。でも、レスリングでは絶対に勝てると思います。

──昨年のADCCオセアニア・アジア予選、ジョセフ・チェンを破ったのは延長サドンデスでした。今日、終盤パスを取って同点、そしてサドンデスになれば行けたかも……と。そして、そのパスももう少しという風に見えました。

岩本 毎回、僕の場合は……。

ウィリアム・タケット(がやって来て) アリガト。

岩本 凄く勉強になったよ。今回の試合前にBチームで練習したの?

タケット 1度だけね。そんなに行ってない、1度だけだよ。でもニッキー(ライアン)達と良い練習ができた。いやぁ、でも疲れたよ。日本に来るまで試合は10分だと思っていたんだ。

──えっ、そうなのですか。

タケット そうなんだ。だから、もう10分を過ぎるとホントもう動けなくなってしまった。

──77キロで2人の再戦が見たいです。できればADCC世界大会で。

タケット 次のアブダビには、僕は88キロでエントリーする予定なんだ。

岩本 じゃあ、今度はアンドリューが77キロで?

タケット そうなんだ。前回、アンドリューは西海岸予選に66キロで出て、減量し過ぎて力を発揮できなかったから。だから、僕はこれから体を大きくしないといけない。ケンタは体重、どれぐらいなの?

岩本 80キロ付近だよ。

タケット 僕もそれぐらいなんだ。

岩本 それよりヒザのケガの方は問題なかった?

タケット 大丈夫。まだ少し痛いけど。

岩本 でも、本当にヒザが柔軟だったよ。

タケット そうじゃないと戦えない(笑)。ただ、まだ100パーセントじゃないんだ。去年のADCC世界大会でデマテウス・シュゼンスキにやられて。

岩本 ああ、アオキロックでヒザをやったんだ。

タケット そう、アオキロックだった。カカトが捻る形だったから、ヒザがやられた。

岩本 ヒールフックみたいに極まったんだね。

タケット タップしたけど、間に合わなかった。いや、とにかく今日は戦えて光栄だったよ。本当にありがとう。アブダビでは77キロ級に僕がいなくても、アンドリューが必ず出るから。

岩本 楽しみにしているよ。こちらこそ、ありがとう。

タケット またオースチンにやってくるんだろう?  その時に!!

──という戦った者同士の会話でした。

岩本 スミマセン。質問の返答の途中だったのですが、最後のパスは普通の相手なら抜けていたと思います。でも、凄く柔らかくて。

「そんなにずらしている感じじゃなかったよね。見ている限りは」

岩本 足だけがふにゃっとしていました。普通だったら、あそこから行けるんですけど。

「岩本君のパスを耐えているって、見ているだけでも勉強になるから。でも、スタンドでテイクダウンが取れると思っていた」

岩本 今日のコンディションだと、あそこで攻められないのは仕方なかったです。

──ケガがなければ、と。そんななか、上久保選手は来週はFINISHで石橋佳大選手とのサブオンリーが控えているなかで、今日は吉岡崇人選手の引き込み2つのペナルティ4Pで勝利しました。

「完封したいという気持ちはずっとあったので。トップを取って、トップをキープする。パンチを落とせる場所にいることを意識して、相手の仕掛けは切りつつ自分の時間を長くすることを考えていました」

──上久保選手はMMAで強くなるためにグラップリングに出ています。

「ハイ」

──組み技系のグラップラーでも柔術黒帯の吉岡選手に対して、トップにいて噛みつきと担ぎパスを狙い続けるという戦い方を選択する選手がどれだけいるのか。ずっと吉岡選手のフィールドで戦い続けましたね。

「Unrivaledのルール上、-2Pが入った時点で付き合わないで、相手の回りをぐるぐると動いていれば勝てます。でも、自分は相手を削りに行くポジションにいることが一番落ち着ける。触ってこそ、だし。試合のなかで、そういう練習をしたいと思ってやっています」

──相手が、入れば足関節を使いこなす。そういう相手でも、やはりトップにいる戦いを選択できる……だけの自信がありますか。

「それをやりたい……というか(笑)。最優先は勝つことであること。それは間違いないです。仕掛けられると、しっかりと切らないといけないのも当然です。当然なんですけど、じゃあ遠くでグルグルとランニングしていれば良いのか、と。それは自分がMMAで勝つためには必要ないので」

──その理屈でいえばグラップリング界の強豪と戦って、そういう戦いを仕掛けることが上久保選手のMMAファイターの成長につながるということですね。

「そういう選手から上を取って、削っていかないと。柔術の強い選手と試合をして、テイクダウンにいかないで試合に勝とうと思ったら、その時点で自分の持っているカードが減ります。それはしたくない。自分の強いところで勝負できる──そういう強さと自分が欲しいから、グラップリングの試合にも出ているので」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■対戦カード

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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MMA MMAPLANET o UNRIVALED UNRIVALED02 ウィリアム・タケット 岩本健汰

【Unrivaled02】岩本健汰、終盤は攻め込むがウィリアム・タケットに2P届かず。世界レベルの試合で惜敗

【写真】世界レベルのグラップリンをしっかりと魅せてくれた(C)MMAPLANET

<ミドル級/15分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
Def.8-6
岩本健汰(日本)

「レスリングの展開が多くなる」という試合前の岩本のコメントにあったように、序盤は力強い立ちレスの攻防となり、タケットに左腕を差して押し込む。マット際で組み的には不利になった岩本は、中央に戻ってからも組み負け──前方に崩すようにテイクダウンを奪ったタケットが、バックに回る。

岩本は前方に落とそうとしたが、耐えたタケットが両足をフックして4Pとする。

前方に落とせず、仰向けにされた岩本はスロエフストレッチを許さず、亀になりワキをすくってきたタケットを、落としてトラックポジションでバックを伺う岩本はトップに切り替え、腰を引いて柔術立ち。

岩本が2Pを挽回した。タケットは50/50にとり、岩本の左足を右ワキから左ワキに抱えようとする。岩本はヒザを立て、足の裏全てをマットについて外ヒールを防御、同時に逆足を取られないように立ち上がる。タケットは上体を起こし、立ち上がることでリバーサル=2Pを加える。

足の取り合いから、取ったタケットの足を跨ぐように座り、背中を見せた状態から向きあった岩本が、リバーサルで2P差に詰めよる。

パスの圧力を強める岩本に対し、タケットはKガードから足関をエントリー。岩本は足を抜いて上四方で抑えようとし、足を戻されたがリバーサルで6-4に。50/50から足関節狙いのタケットに対し、岩本は足を抜いて左足を掴み、マット際から中央に試合を戻す。

ハーフバタフライのタケットに対し、岩本はボディロックでパスの圧力をかける。嫌がって背中を見せたタケットは前転してヒザ十字、50/50ガードに。潜って、逆足を取りにくるタケット。

岩本は上体を起こして正対し、立ち上がる。パスを圧力をかけ、取りに来る足もスプロールで外すと、バックを狙う岩本は前方に落とされそうになり腕十字を狙う。

岩本を跨いで防いだタケットが、上を取りスコアは8-4 となる。タケットは腹固め、落とされそうになり仕掛けたキムラ狙いも防がれ、岩本が上を取って8-6と再び2点差となる。

パスかバックで同点=延長サドンデスに持ち込めば、タケットは完全に疲れており岩本が有利になる。その岩本はパスの圧力に対し、タケットが必死でオモプラッタに入り、左足を抱える。体を押して解除した岩本は担ぎパスへ。

嫌がって背中を見せたタケットのバックに回るが、足はフックできず15分間が終了。結果、2Pが届かず岩本は惜敗──も、岩本はADCC北米トライアル優勝者に一歩も引けを取らないグラップリングを披露した。

ADCCでは弟アンドリューに77キロ級を譲り、ウィリアム・タケットは88キロでトライアルに挑戦するということが、77キロもしくは80キロぐらいで再戦が見てみたいと思わせる激闘だった。


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MMA MMAPLANET o ONE UNRIVALED UNRIVALED02   アンドリュー・タケット イゴール・タナベ ウィリアム・タケット ジェイコブ・カウチ. ブログ

【Unrivaled02】イゴールと対戦、ジェイコブ・カウチ「グラップラーは100万ドル稼げるようになる」

【写真】1997年2月3日生まれ、26歳になったばかりのカウチ (C)MMAPLANET

いよいよ明日26日(日・現地時間)に東京都世田谷区のiTSCOMA STUDIO&HALL二子玉ライズで開催されるUnrivaled02。

ウィリアム&アンドリューのタケット兄弟とともに、ジェイコブ・カウチが米国から来日しイゴール・タナベと対戦する。

デイジー・フレッシュことペディゴ・サブミッション・ファイティング所属、2021年9月にロベルト・ヒメネスをヒールで破り、一躍名を挙げたカウチ。彼が思い描く、グラップラーの未来像とは。


――日本に到着したのはいつですか。

「月曜日、いや火曜日? 月曜日か火曜日だよ(笑)。今も時差ボケが残っていて、ハッキリしていない(笑)。それでも時差ボケの方はマシになっている。まぁ時差ボケは誰にもあることだし、それよりも週末のファイトが楽しみでならない。

試合は試合。米国で戦うのも、日本で戦うも同じ。ただ戦い、自分の柔術をするだけ。米国も東京も同じさ」

──ところでジェイコブが日本でも注目されるようになったのは、2021年9月のWNOミドル級王座決定Tの初戦でロベルト・ヒメネスをヒールで秒殺してからでした。

「あの試合のことがどういう風に日本で伝わっているのか、僕は知らない。ただ掛け率は+1500だった(笑)。100ドルかければ、15倍になる。ヒメネスはナンバーワン・シードで世界ランキングも当時2位だった。4日前に代役出場が決まった僕は、一番のアンダードッグだよ。本当に、あの試合の勝利の大きかった」

──昨年、ノーギワールド茶帯では全試合一本勝ちで優勝しました。ジャイアント・キラーはラッキーという風に捉えられることもありますが、茶帯でワールド優勝は一発屋ではできない。どちらの勝利が、ジェイコブにとって大きな勝ちですか。

「ロベルトに勝った試合は1800ドルが手に入った。ノーギワールドはメダルだけだ。そういう意味ではロベルトに勝った試合の方が大きいかな。それにロベルトに勝った試合はラッキーじゃない。高校を卒業してから、柔術に専念してきた。世界のベストを破るために。運よく勝てたとしても、それだけの準備をしてきた結果だ。プロとして、ベスト目指し、つねに準備してきた。だからこそ、勝てたんだ。あの試合も、やってきたことを出すだけだった」

──では、日曜日に戦うイゴールの印象を教えてください。

「スーパータフキッドだよ。何年か前に日本に戻ってから、米国ではイゴールのことを見ることはなくなった」

──コロナで米国遠征はできなくなりましたからね。

「あぁ、そうだね。とにかくベストを破れば、僕がベストになる。ベストの1人に勝てば、ベストに近づく。だから、常に動画を視てトップ選手のことは研究してきた。きっとイゴールは僕をガードの中に入れて戦おうとするだろう。そうだね……可能な限り、皆に良い試合を見せたいと思う」

──90キロというキャッチウェイトはどう思いますか。

「イゴールは僕より、少し大きいかな。でも、15ポンドぐらいまで体重の差は問題じゃない。大したことないよ。僕も減量をしなくて良いし。前日計量なら185ポンドで戦うのが最適だと思うけど、……計量の時しか185ポンドにはできない。当日計量だと185ポンドで戦うのは無理だから、195ポンドになる。90キロはパーフェクトだよ」

──イゴールは大きくても、敏捷性があってテクニカルです。

「ただ頑丈で、抑えつけてくる選手ではないね。大きくて速い、そして柔軟なイゴールと、僕のレスリングがぶつかるマッチアップは見ている人も楽しめるはずだ」

──グラップリングはずっと観賞用スポーツではなく、Doスポーツでした。それがここ最近の流れ、特に去年のADCC世界大会から見てもエキサイティングなスポーツに変わりつつあります。この変化をどのように捉えていますか。

「そうやって他のスポーツのように金が稼げるようになれば、優秀な選手は戦って食べて行けてジムを開く余裕もできる。そして優秀な指導者も増える。結果、周囲から尊敬されるようになる。だから、何も悪いことはない。良いこと尽くめだ。

ONEで戦っていると、5万ドルのボーナスとかあるしね。グラップリングはもっとエイターテイメントになれるよ。時間は掛かるだろうけど、主要な選手はNBAやNFLのように100万ドルを稼げるようになるに違いない。僕はそのつもりでいる。僕のキャリアが続く間にそうなる。誰も10年後のことなんて、分からないけどね。分からないからこそ、そうなるって信じているんだ」

師匠のヒース・ペディゴはヒクソン・グレイシーの黒帯ホドリゴ・バギの教え子。HnSで戦うMMAファイター時代は、修斗アメリカス・ライト(※当時はウェルター)級のランカーだった

──なるほど、大きな夢です。

口にすることも大切だと思います。では、そんな将来のためにも月曜日はどのような試合を皆に見せたいですか。

「少しでも早く極めて、会場を出る。そしてラーメン、寿司を食べるんだ(笑)。日曜日の試合が最後じゃない、必ずまた日本で戦いたい。その時はアンライバルドに90キロのタイトルを創って欲しい。日本でチャンピオンになりたいんだ」

■視聴方法(予定)
2月26日(日)
午前11時00分~ スポーツブル

■ UNRIVALED02対戦カード

<ミドル級/15分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
岩本健汰(日本)

<90キロ契約/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
イゴール・タナベ(ブラジル)

<ウェルター級/15分1R>
アンドリュー・タケット(米国)
ムリーロ・タケシ・ソウザ(ブラジル)

<バンタム級/15分1R>
猿田洋祐(日本)
石黒翔也(日本)

<フェザー級/15分1R>
野村優眞(日本)
伊藤盛一郎(日本)

<フェザー級/15分1R>
上久保周哉(日本)
吉岡崇人(日本)

<ライト級/15分1R>
河名マスト(日本)
須藤拓真(日本)

<ライト級/15分1R>
樋口翔己(日本)
村山大介(日本)

<バンタム級/15分1R>
ハワード颯真(日本)
時任飛鳥(日本)

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MMA MMAPLANET o UNRIVALED UNRIVALED02   アンドリュー・タケット イゴール・タナベ ウィリアム・タケット コンバット柔術 ジェセフ・チェン ジョセフ・チェン ムリーロ・タケシ・ソウザ 上久保周哉 伊藤盛一郎 吉岡崇人 岩本健汰 河名マスト 猿田洋祐 石黒翔也 須藤拓真

【Unrivaled02】岩本健汰&タケシ・ソウザと対戦。あっかるいウィリアム&アンドリュー・タケット兄弟

【写真】19歳と21歳、実はヘアスタイルと髭の違いだけで2人はそっくり (C)MMAPLANET

明日26日(日・現地時間)に東京都世田谷区のiTSCOMA STUDIO&HALL二子玉ライズで開催されるUnrivaled02。

国内トップ柔術家、グラップラー、MMAファイターだけでなくグラップリング先進国=米国からウィリアム&アンドリューのタケット兄弟、ジェイコブ・カウチが参戦する。

世界のトップが垣間見える大会に出場し、それぞれが岩本健汰、そしてムリーロ・タケシ・ソウザと対戦するウィリアム&アンドリューのタケット兄弟にインタビュー。心の底かあっかるいグラップラー兄弟の夢であった日本で戦う直前の心境と、これからについて尋ねた。


――今日は東京でセミナーを行いました。他の取材で終了間際のフリースパーしか拝見できなかったのですが、セミナーには満足できましたか。

ウィリアム 最高だったよ。グレートだった。本当に熱心な人達が来てくれたから。

アンドリュー そんな皆が楽しそうに、そして嬉しそうだったから僕らも凄くハッピーだよ。日本は最高だ。みんな規律を持って生きていて、凄く親切で。本当に成熟した国民性なんだって驚かされた。

ウィリアム 岩国にも行ったけど、本当に素晴らしい経験ができた。皆が大歓迎してくれたよ。

──それは嬉しい限りです。そしてもう3日後に試合は迫ってきました(※取材は23日に行われた)。

アンドリュー 日本からオファーがあって、凄くエキサイトした。僕は日系ブラジリアンのムリーロ・タケシ・ソウザと戦うけど、彼にとって日本はホームと言って良いだろう。きっと戦いやすいはず。でも日本までやってきて、色んな経験ができた僕らの方が気持ちは盛り上がっているよ。当然、自信を持って試合に臨む。

ムリーロの試合をチェックしたけど、全て道着の試合だった。彼がどれだけノーギで戦えるのは分からないままだよ。ただし、道着であれだけできる選手はノーギだってできる。ただ、ノーギに転用すれば良いだけだから。彼はヘビーガードプレイヤー。テイクダウンからパスという展開で盛り上がるに違いないよ。彼も常に一本を狙っている。僕も同じだ。絶対にエキサイティングな試合になる。自分の力をより出せるゲームプランを持ち、実行できた者が勝つだろうね。

──ではウィリアムは対戦相手の岩本健汰選手のことをどのように思っていますか。

ウィリアム ケンタはとても落ち着いていて、我慢強い試合をする選手だ。絶対にタフな試合になる。楽しみでしょうがないよ。ケンタはADCCでは同じ階級で、オセアニア・アジア予選に出ていたから、その時から試合をチェックしてきた。ジョセフ・チェンを始めとする強い選手に勝って本戦出場を決め、テキサス州オースチンのBチームで練習するようになった。

僕のジムから20分しか離れていない(笑)。だから、米国での彼の試合も見ているよ。何よりノーギワールドでアンドリューと戦っているからね(アンドリューが2-2、アドバン5-3で勝利)。

岩本に勝ち、ジェセフ・チェンと1勝1敗。スーパーな19歳

アンドリュー だからウィリアムには、個人的にケンタが如何に強いかをアドバイスできている。僕も2人の試合を見るのが楽しみなんだ。

──では引き込みに-2Pとなるルールセットはどのように感じていますか。

アンドリュー それにコントロールから逃れるとポイントを挽回できる。このポイントがあることで、ハイペースな試合になるだろう。 

ウィリアム 引き込んで、膠着すると面白くない。テイクダウンやスクランブルで動きが多くなるし、見ている人にとっても良いルールだ。それだけでなく、実際にグラップリングを戦う人間にも良いルールになっているよ。

──私の個人的な印象なのですが、サブオンリーは上の選手がリバーサルを耐えることが少なく、下に簡単になるので柔術の一つの見所であるスイープの攻防が面白くなくなる一面があるかと。

アンドリュー その通りだよ。そして、このルールはストールを許さない。立たれるとポイントを挽回されるから、トップでもずっとプレッシャーを掛ける必要があるしね。実はサブオンリーのストールって、トップの人間のホールディングで生まれることが多い。だからトップで戦い続け、ポイントを取り続けて、例え1P差でも最高の勝利が手にデキる──そんなハイペースマッチがしたい。

ウィリアム 僕は本当にエキサイティングな試合をして、皆に喜んでもらいたい。そして、8歳から13年間、ずっとハードな練習をしてきた成果を見せたい。8歳の時から日本に来ることが夢だったんだ。多くの練習、たくさんの試合を経験した。夢だった日本で、今の僕ができるベストを尽くしたい。日本のファンの期待に応えたいと思っている。

──ADCCイヤーの前の年に岩本選手と戦うことは、どのような意味がありますか。

ウィリアム 凄く良い経験になる。手強い選手と戦うことで、自分も成長できるから。ルオトロ兄弟と戦った時、良い試合ができなかった。でも、あの試合を経験してずっと強くなれたんだ。負ける度に強くなれる。それって、強い選手と戦う経験が僕を強くしてくれるってことで。だからケンタもそうだし、同じ階級の強い選手と戦うことは僕を助けてくれていると考えている。ここで良い試合をしたいし、この試合をすることで僕はより強くなれると思っている。

アンドリュー 兄ちゃんの言う通りだ。ここでの経験は絶対に将来に役立つ。それに試合をするだけでなく、日本で経験できた全てが僕のためになる。だからこそ全力を尽くして皆が気に入る試合をして勝ちたい。 

──この試合を経て、今年はどのような活動をしていこうと考えていますか。

アンドリュー 次はコンバット柔術ワールドに出るよ。

──おお、それは楽しみです。

アンドリュー アンライバルドだと引き込むと減点だ。コンバット柔術だとスラッピングが待っている(笑)。これって、同じ発想だと思うんだよ。コンバット柔術で戦うことも凄く楽しみだよ。

まだ21歳のウィリアム。でも、しっかりとアンドリューに対してお兄ちゃんでした

ウィリアム 僕はADCCオープン、そしてADCCトライアルかな。

──掌底有りは戦いたくない?(笑)。

ウィリアム アハハハ。時が来ればね。体重、ファイトマネー全てを考えて決めたいと思う。ただし、今はADCCトライアルに向けて色々な場所に行ってしっかりと練習したい。実はペンシルバニア州立大で、フォークスタイルレスリングの練習に参加する予定なんだ。そんな風に柔術とは違う文化圏の人達、競技者から学びたい。そして、どんな試合でも対応できるようになりたいんだ。そうやって練習しつつ、WNOかADCCオープンで試合経験を積んで行こうと思う。

■視聴方法(予定)
2月26日(日)
午前11時00分~ スポーツブル

■ UNRIVALED02対戦カード

<ミドル級/15分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
岩本健汰(日本)

<90キロ契約/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
イゴール・タナベ(ブラジル)

<ウェルター級/15分1R>
アンドリュー・タケット(米国)
ムリーロ・タケシ・ソウザ(ブラジル)

<バンタム級/15分1R>
猿田洋祐(日本)
石黒翔也(日本)

<フェザー級/15分1R>
野村優眞(日本)
伊藤盛一郎(日本)

<フェザー級/15分1R>
上久保周哉(日本)
吉岡崇人(日本)

<ライト級/15分1R>
河名マスト(日本)
須藤拓真(日本)

<ライト級/15分1R>
樋口翔己(日本)
村山大介(日本)

<バンタム級/15分1R>
ハワード颯真(日本)
時任飛鳥(日本)

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【UNRIVALED02】死の恐怖を乗り越えたイゴールがカウチと。上久保参戦、河名マスト✖須藤拓真も決定

【写真】イゴールがカウチ、上久保✖吉岡など4試合の追加カードがあった(C)MMAPLANET&ONE

13日(月)、UNRIVALED実行委員会から26日(日)に東京都世田谷区のiTSCOM STUDIO & HALL 二子玉ライズで開催されるUNRIVALED02の追加カードの発表があった。

ウィリアム・タケット✖岩本健汰、石黒翔也×猿田洋祐、野村優眞×伊藤盛一郎戦に加え、ムリーロ・タケシ・ソウザ、須藤拓真、吉岡崇人、河名マスト、イゴール・タナベ、アンドリュー・タケット、ジェイコブ・カウチらの出場がアナウンスされていた同大会だが、その出場予定選手のカードが──新たな参戦選手の発表とともに決まった形だ。

まず90キロ契約でジェイコブ・カウチ✖イゴール・タナベ、ウェルター級でアンドリュー・タケット✖ムリーロ・タケシ・ソウザ、ライト級で河名マスト✖須藤拓真、そしてフェザー級で上久保周哉✖吉岡崇人が決まった。


上久保はONEとの契約が満了し、マッチング期間も終了したことでUFCとの契約を目指すなか、Unrivaled初参戦が決まった。この翌週、3月5日にはFINISH10で石橋佳大と戦うことも既に発表されており、2週連続でグラップリング戦を戦うこととなる。

マット&ポイント制のUnrivaledでの黒帯柔術家との対戦から、ケージ&サブオンリーで元MMAファイターとのマッチアップと同じグラップリングとはいっても相当に性格は違ってくる。それでも上久保はかすかに笑みを浮かべながら「やることは同じです」という一言を言い放ちそうだ。ともあれ打撃がなくとも、実戦の場に上久保が戻って来ることは嬉しい限りだ。

上久保と同様にMMAを戦うイゴールは、ここでカウチという新生との戦いを迎える。「巌流島でメルビン・マヌーフと戦うことで、人生で一番の恐怖を感じ克服した」と言うイゴール。決してグラップリングを軽視するわけでなく、命を落とす怖さのないなかで世界の一流グラップラーと組み技戦を楽しむ姿勢で挑む。

MMAではフェザー級のバンタム級の河名と須藤の戦いも興味深い。ケージグラップリング& ポイント制のプログレス・フォークスタイルグラップリングで河名は自分の戦いを貫き森戸新士にポイント勝利。一方、同ルールの森戸戦で須藤は自らの戦いを続けポイント負けを喫した。河名は組んでも相手のグラップリングゲームに付き合わずトップを取ることで勝利し、須藤は下になってからの足関節の仕掛けを森戸に凌がれて敗れた。

アンライバルド・ルールは下になるとマイナス2Pで、抑え込まれた形から脱出して立ち上がると1Pを挽回できる。とはいえ抑え込んでくれば須藤も、足関節に限らず柔術で攻めることも可能だが、河名はここでタイトな寝技をするとは思えない。立ち技でも飛びつき系や引き込み系の技をセットできる状態で、河名が組むことがあるのか。その辺りのルールの使い方が、両者の技量以上に勝敗を争う鍵となりそうだ。

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【UNRIVALED02】アンライバルド再始動はウィリアム・タケット×岩本健汰から。カウチも初来日

【写真】ポイント有り、アグレッシブかつギリギリのポイントメイクが見られるか(C)CLAYTON JONES & SATOSHI NARITA

26日(木)、UNRIVALED実行委員会から2月26日(日)に東京都世田谷区のiTSCOM STUDIO & HALL 二子玉ライズでUNRIVALED02の開催とカード発表があった。

テイクダウンP有り、引き込み減点の全局面グラップリング・イベント=UNRIVALEDの第2回大会が2021年11月以来、1年3カ月ぶりにスケールアップ――いや、当初の予定通りコロナの入国制限の撤廃を受けて海外大物グラップラーを招聘して行われる。

その海外大物グラップラーとはウィリアム・タケット、アンドリュー・タケット、そしてジェイコブ・カウチの3選手だ。


ウィリアム・タケットは10代の頃からFight to Winで注目され、2021年3月にはマニュエル・ヒバマーをヒールで粉砕。同大会10勝目を挙げると、Third Coast Grappling、WNOと戦うステージを上げ、ADCC2022米国西海外予選のウィナーとなった。

しかし、世界大会ではマテウス・シュゼシンスキの前にまさかのストレートフットロックで1回戦負けに。そのタケットの再起戦の相手は、同じくADCC世界大会77キロ級にエントリーし、初戦で大健闘の末JTトレスに敗れた岩本健汰だ。

B-teamで出稽古を行い、MMAからグラップリング一本に原点回帰した岩本。先のGladitoar020で組まれたプログレス・フォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦で森戸新士を圧倒し、腕十字で王者に就いたジョゼフ・チェンを昨年のADCCオセアニア&アジア予選準決勝で、延長戦で下していることで、岩本は新ためて国内では頭抜けた存在であることを印象付けた。

気になるのは両者の試合がミドル級(83.9キロ)で実施される点だ。1年前までMMAでは65キロで戦っていた岩本が、この体重設定では何キロに調整するのか。いずれにせよタケットと岩本は新・足関時代からレッスルアップ&パスの時代へ移った史上最強の世界標準グラップリングを見せてくれることは間違いないだろう。

この他、石黒翔也×猿田洋祐、野村優眞×伊藤盛一郎という柔術家×MMAファイター対決なども決定しているUNRIVALED02にはムリーロ・タケシ・ソウザ、須藤拓真、吉岡崇人、河名マスト、イゴール・タナベ、矢野トミーらが出場することも明らかとなっている。

一番の注目はやはりジェイコブ・カウチだろう。カウチは廃コインランドリーの建物にマットを敷いた道場に寝泊りし、練習漬けの日々を送っていた組技集団=デイジー・フレッシュことペディゴ・サブミッション・ファイティングに所属している。ホドリゴ・バギの黒帯ヒース・ペディゴの指導の下、茶帯時代にWNOミドル級Tに出場し、ロベルト・ヒメネスをヒールで下し一躍注目を集めるようになった。

昨年のノーギワールズを制して、黒帯になったカウチの対戦相手が誰になるのか。続報が気になるUNRIVALED02は、FITE TVでの中継が決まっており、当日にはアマチュア大会=ALTANAも開かれる。

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