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【LFA138】8月5日に田中路教と河名マストが揃い踏み。UFC契約ファイターレベルの猛者と対戦へ

【写真】河名と田中。LFAで戦うことが、既に生き様を見せている(C)LFA&MMAPLANET

27日(月・現地時間)にLFAより8月5日(金・同)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA138に田中路教が出場し、アリ・ファリアスと対戦することが発表された。

また同大会には日本から河名マストも出場し、アライジャ・ジョンズと戦うことも決まっている。


昨年11月のヒカルド・ディアス戦以来、実に9カ月振りの試合が決まった。UFCとの再契約を目指し、LFAと契約して渡米した田中にとって、勝利を収めてなお試合が組まれないという状況は予想だにしていなかった。

米国に滞在できるビザの半分を消化してなお、実戦の舞台が巡って来ない状況に田中は、フリーランスになることさえ視野に入れるなかで、ようやくLFA2戦目を戦うことができるようになった。実際、同大会の出場は3週間以上前に確定していたが、対戦相手がなかなか決定しないなか、田中はファリアスと戦うことをツイッターで知ったという。

ラテンと米国の融合=LFAらしさの洗礼を受けているなかで、「今回も強豪を当ててもらえて、米国に来た甲斐があるなと思います。未来を切り開くために頑張ります。おそらくABEMAで放送があると思うので、今回も日本から応援して頂けたら嬉しいです」と、田中はMMAPLANETに意気込みを語ってくれた。

2018年のムンジアルでも準優勝。ジョアオ・ミヤオを準決で下しているのだから、どれだけの実力者か分かるというモノ(C)SATOSHI NARITA

そんな彼が戦うファリアスは、得意とする亀逃げが許されないファイター、いや柔術家だ。

2013年ムンジアル黒帯フェザー級幻の世界王者……アウグスト・メンデス=タンキーニョとファイナルを争った際、アドバン差で勝利を確定させたファリアスは、試合終了の合図を待たずマットの外に出て感情を爆発させた。これを違反行為とされアドバンを献上し、レフェリー判定で敗れてしまう。

自業自得といえば自業自得ではあるが、同トーナメントではイアゴ・ジョルジ、アイザック・ドーダーライン、ガブリエル・モラエス、マイキー・ムスメシ、ジアニ・グリッポも出場しており、この名だたる強豪よりも上の結果を残していることで、ファリアスがどれだけの実力者かは理解できるだろう。

2018年には決勝にマイキー・ムスメシの軍門に下ったものの、準決勝でジョアオ・ミアオに勝利しているファリアス。MMA戦績は11勝3敗で打撃には課題が残っているが、2018年のACBブラジル大会で昨年のコンテンダーシリーズからUFC入りを果たした──パンクラス来日経験もある──サイモン・オリヴェイラに勝利するなど、MMAでの力も絶対的に確かなモノがある。

粗いパンチから組んでテイクダウン及びバックテイクをさせれば、ケージの中が柔術マットの上と同じ状態となる。ゆえにバックを譲って、スクランブルを制す田中にとっても非常に危険な相手になることが想像される。

田中が1試合しか戦えなかった期間、昨年7月のプロMMAデビューから9カ月で5勝1敗と試合をし続けた河名が、早くも北米フィーダーショー・デビューを果たす。日曜日のGladiatorのProgress提供フォークスタイルグラップリング戦で森戸新士を相手に、日本の組み技界の最高峰トータルグラップリングの結晶といえる激闘を2-1で制した河名。事前インタビューを行った時点で、既に今回の試合は決まっていた。

面構えが、すでに怖い(C)LFA

対戦相手のジョンズは、LFAでフェザー級タイトル戦を経験しているファイターだ。昨年3月に現UFCのマチダ・カラテの継承者=ブルーノ・ソウザにスプリット判定負けでベルトを逃したが、ファリアスと並びUFCのプレリミに出る選手と同レベルの力を持っている相手といえる。

世界を見据えてのLFA参戦、強者と戦わないなら出場にも意味はない。またエド・ソアレスLFA代表によると、さらに日本人選手の出場の可能性もあるようだ。そんなLFA140は、田中の言葉にもあるように昨年11月大会に続きABEMAでのライブ中継が口頭では合意に至っている模様だ。

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MMA MMAPLANET o WJJC2022   イアゴ・ジョルジ ジオゴ・ヘイス ジュニー・オカシオ ブラジリアン柔術 メイハン・マキニ 嶋田裕太

【WJJC2022】メイハン・マキニ初制覇のライトフェザー級で、負傷を抱えた嶋田裕太はイアゴに一本負け

【写真】トーナメントウィークに負傷。今回の2試合で、今後に向けて何を得られたのかが大切だ(C)SATOSHI NARITA

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われた、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text Isamu Horiuchi

レビュー第2回は、NYのマルセロ・ガウッシア道場で長期修行を行なっている嶋田裕太の戦いぶりを中心にライトフェザー級の模様をレポートしたい。


<ライトフェザー級1回戦/10分1R>
嶋田裕太(日本)
4-4 アドバンテージ4-2
ジュニー・オカシオ(米国)

まずは引き込み合う両者。お互い相手を掴まずに座ってしまい2度ペナルティを受けた後、嶋田は前に出て一瞬座ってから上を選択することで、アドバンテージを獲得した。

オカシオは嶋田の右足首に絡むが、嶋田は崩れない。ならばとクローズドガードを作ったオカシオは横回転で崩しにかかる。ここも嶋田はスプロールしてバランスをキープする。ガードを閉じているオカシオを持ち上げた嶋田は、左足を押し下げてから胸を合わせにかかるが、オカシオが対処してクローズドに戻る。

その後オカシオはガードを開いて足狙いも見せるが、ここも嶋田は回転して対処してみせた。ラッソーを作ったオカシオは、嶋田の右足を内側から抱えて回転すると、さらにベリンボロに移行を狙う。腰を切って抑え込もうとする嶋田だが、ここでオカシオはその勢いを使って回転して上に。

距離を取って立とうとする嶋田だが、オカシオはその背中を取りながら上になり、2点先制した。そのままサイドで嶋田を抑えたオカシオは、ニーオンザベリーさらに2点追加。嶋田は残り6分ほどのところで4点差をつけられてしまう。

嶋田はエビの動きでオカシオのヒザから逃れるが、ここで嶋田が苦しそうな様子をしたことで、レフェリーが一旦試合を中断。ワキ腹を抑えている嶋田だが、少々のやりとりの後で試合は再開された。

サイドに付いているオカシオは左腕で枕を取ると、嶋田の襟を引きつける。嶋田が足を戻そうとしたところで上からダイブしてのベリンボロ狙いへ。嶋田がマットに背中を付けて守ると、その左足にストレートフットロックを仕掛けてゆく。

それを防いだ嶋田が立とうとすると、オカシオはすかさず背中に回り、嶋田の襟を右で取ってコントロールする。嶋田は動いて体をずらそうとするが、襟を掴んでいるオカシオは巧みに背中に張り続け、キープしていった。

残り4分。それでも動き続けた嶋田は、なんとか距離を作ってクローズに戻すことに成功すうr。ここでオカシオのラペルをその右腕に巻きつけた嶋田は、下から腕十字一閃。うつ伏せになりながら極めにゆき、腕を伸ばし切ったかに見えたが、オカシオは回転して嶋田の体を跨いで脱出。

が、嶋田はその勢いで上になることに成功し、アドバンテージを獲得するとともに2点を返してみせた。さらにサイドを狙う嶋田だが、オカシオはスクランブルして上の体勢に。この動きはスイープではなくリバーサルとみなされ、得点は与えられなかった。

残り約3分で2点リードを許している嶋田。が、アドバンテージでは2つリードしている。シッティングからオカシオの右足に道着を通して掴んだ嶋田は、殿下の宝刀シングルレッグへ。距離を取ってがぶるオカシオだが、グリップをキープしている嶋田は再び勢いをつけてスクランブルから立ち上がる。そのままシングルにつなげる。粘るオカシオをついに倒し切って2点獲得。残り2分半にて逆転に成功した。

一度ガードを閉じたオカシオは、ラッソーに移行する。嶋田はワキを締めて守る。オカシオは回転して煽るが、嶋田はヒジをうまく使って腰を引いて防御する。その後も嶋田は終了まで上をキープし切り、アドバンテージ2つのリードを守り抜いた。

伏兵オカシオに先制点を許し、さらに中断を余儀なくされる状況に追い込まれた嶋田だが、執念の逆転勝利。勝負所で磨き抜いたシッティングからのレッスルアップを決め、最後はミヤオやソドレといった世界屈指のオープンガードプレイヤー達と凌ぎを削ってきた経験を活かして守り切った。

こうして苦境を克服した嶋田は、初日のヤマであるイアゴ・ジョルジ戦に駒を進めた。

<ライトフェザー級2回戦/10分1R>
イアゴ・ジョルジ(ブラジル)
Def.5分43秒 by 襟絞め
嶋田裕太(日本)

嶋田が前に出ると、ジョルジはすぐに引き込む。続いて左でラッソーを作ったジョルジは、そのグリップで強烈に引きつけて嶋田を左に崩してのスイープ。見事に2点を先制してみせた。

上を取ったジョルジは、左右に動いてのパスの猛攻へ。サイドに付けかけられた嶋田は、アドバンテージを一つ献上するもなんとか左足に絡んでみせた。

が、ジョルジはすぐにその左足でニースライスへ。ここも戻す嶋田だが、またしてもアドバンテージを取られてしまう。さらにジョルジは侵攻を続け、ついにヒザを抜いてパスに成功。開始僅か1分半で、点差を5-0と広げた。

サイドについたジョルジは、あえて左足を動かして隙間を作り、半ば意図的に嶋田がそこに絡むことを許してから、再びニースライスへ。さらに逆サイドに飛んでパスを決めて、8-0とリードを広げた。

その後ジョルジは、再び嶋田に一旦足を絡ませてから抜いてみせ、さらにニーオンザベリーも決めて13-0とすると、嶋田の襟首を右手で掴んで上体を起こさせてバックに付き、両足フックを入れて17-0とリードを広げる。ここから送り襟絞めに入ると、嶋田がタップ。5分43秒、一方的に嶋田を攻め続けたジョルジの完勝に終わった。

試合終了後もダメージでなかなか立てなかった嶋田。試合直前の練習で脇腹を負傷してしまっていたとのこと。今回は自分の力を出しきれずに終わってしまったが、その状況でマットに上がり、一回戦を逆転勝利した経験は必ずや今後の糧になるだろう。

嶋田を倒したジョルジは、次戦も突破して最終日へ。準決勝にて優勝候補のメイハン・マキニとのリベンジ戦に臨んだ。が、マキニはスタンドでは小内、小外でジョルジを倒し、上からは凄まじいスピードのトレアナパスを2度決め、最後は腕十字。僅か2分半、恐るべき強さを見せつけた末に圧勝して決勝進出した。

もう一方の山は、予想通り前年度覇者のパトことジエゴ・オリヴェイラとジエゴ・ヘイスの両者が勝ち上がった。この準決勝は、残り1分で50/50を作って上を取ったオリヴェイラがトップを守り切って作戦勝ち。

かくて決勝はマキニ×オリヴェイラ、昨年も死闘を繰り広げた両者の再戦となった。今年からオリヴェイラがドリームアートに移籍したため、同門同士の世界一決定戦だ。

上攻めのマキニと、下攻めのオリヴェイラ。凄まじいスピードと技のキレを持つ両者は、昨年に続いて互いに一歩も譲らない世界最高峰の凌ぎ合いを展開した。スコアは全くの同点、割れるかと思われたレフェリー判定は意外にもユナニマスでマキニを支持。21歳の新世界王者が誕生した。

マキニとオリヴェイラとヘイス──恐るべき強さを誇る新世代がライトフェザー級を席巻している。

そのとてつもなく高い頂に、今回の試練を戦い抜いた嶋田はいかに挑んでゆくのだろうか。

【リザルト・ライトフェザー級】
優勝 メイハン・マキニ(ブラジル)
準優勝 ジエゴ・オリヴェイラ(ブラジル)
3位 ジオゴ・ヘイス(ブラジル)、イアゴ・ジョルジ(ブラジル)

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【WJJC2022】嶋田裕太の茨の道=ライトフェザー級。オカシオ,イアゴ&昨年準優勝者撃破で表彰台&三強戦

【写真】嶋田のハーフ、レッスルアップ、スイープはワールドクラスだ(C)SATOSHI NARITA

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われる、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text by Isamu Horiuchi

プレビュー第2回は、NYのマルセロ・ガウッシア道場で長期修行を続ける嶋田裕太が出場するライトフェザー級の見どころを紹介したい。


強豪揃いのこの階級だが、他の選手から頭一つ抜けた優勝候補と呼べる選手が3人いる。まずは前回優勝のパトことジエゴ・オリヴェイラ。

続いてそのパトと昨年の準決勝で大死闘を演じ、4月のパン大会で優勝を遂げたメイハン・マキニ。3人目は、ADCCブラジル予選にてノーギながらパトを下したジオゴ・ヘイスだ。

ヘイスとマキニは昨年のワールドプロ予選で対戦。この時はヘイスが競り勝ちそのまま本戦優勝を果たしているが、4月のパン大会での再戦時には、50/50シーソー戦の末に12-10でマキニが勝利し、その後も優勝を果たしている。パトが23歳、マキニは21歳、そしてヘイスに至ってはまだ20歳になったばかり。すでに圧倒的な若き力により席巻されているのがこの階級の現状だ。

この3人に加え、昨年の世界大会で組み合わせに恵まれたこともあり決勝進出を果たした米国のマラチ・エドモンドも出場。そして19年の世界大会優勝者の一人である──この時は前人未到の同門4人によるクローズアウトだった──イアゴ・ジョルジ、4月のパンナムにてそのジョルジにストレートフットロックを極めて準優勝を果たしたルーカス・ピニェーロら強力ベテラン勢もエントリーしている。

このような過酷なトーナメントに挑む嶋田は、4月のパン大会以来の試合となる。同大会ではひとつ上のフェザー級にエントリーし、一回戦を順当勝ちした後、僅か10分少々のインターバルで過去2連敗を喫している強豪アレクサンドロ・ソドレと対戦。最初の上選択をアドバンテージと判定してもらえない不運もあり惜敗したが、シッティングガードからの鋭い仕掛けからシングルに移行して倒し切る等、その動きが世界最高峰に十分通じるところまで来ていることが見て取れる内容だった。

(C)FLOGRAPPLING

今回の嶋田の一回戦の相手は、ユニティ柔術のエドウィン・オカシオに決まった。

ジュニーの愛称でWNO等ノーギグラップリングの大会での活躍し、ジオ・マルティネスや今成正和等のビッグネームから勝利を挙げている。シッティングガードから足を絡めてのヒールフックを最も得意とするが、今大会はそれが禁止された道着着用ルール。この分野の頂点を目指す嶋田としては負けられない相手だろう。ちなみにオカシオは4月のパン大会にもエントリーし、初戦で橋本知之と戦う予定だったが欠場している。

次に嶋田を待っているのは、第5シードのイアゴ・ジョルジだ。

2019年には前述したクローズアウトでの世界制覇を含め、メジャー5大会全制覇という偉業を成し遂げた経験を持つ世界的超強豪だ。近年マキニ&ヘイスの超新星2人には連敗を喫しているが、その実力は健在だ。強烈なパスガードの持ち主のジョルジに対し、やはり上攻めを得意とする──同時にシッティングからのレッスルアップにも一段と磨きがかかっている──嶋田がいかに自分のペースで試合を運べるか。

今から9年前、2013年のブラジレイロ紫帯ライトフェザー級決勝で、ジョルジに勝利している嶋田だが、茶帯以降は対戦がなくても実績という点でリードを許している感は否めない。翌日の準決勝進出=世界のメダル獲得に向けて、最初にして最大の山場がこの試合となりそうだ。

このジョルジを倒せて、はじめて準々決勝に進める嶋田に立ちはだかる可能性が高いのは、昨年準優勝のマラチ・エドモンド。楽な相手であるはずはないが、エドモンドは黒帯での試合経験がまだ少なく、4月のパン大会でもルーカス・ピニェーロにチョークで完敗している。ジョルジに比べれば与し易いと言えるかもしれない。

ここも超えることができた場合、翌日の準決勝で嶋田を迎え撃つのはおそらくメイハン・マキニ、そしてさらに決勝で当たるのはパトことジエゴ・オリヴェイラとジオゴ・ヘイスの勝者だろう。つまり最終日には、現在この階級を席巻する真のトップの3人のうちの2人との連戦が嶋田を待っていることとなる。

頂点への道のりは目眩がするほど険しいが、4月の見事な戦いぶりから判断する限り、最終日に世界最高峰と渡り合う嶋田の勇姿を我々が見られる可能性は大いにあるだろう。

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