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【ONE FN20】正真正銘、絶対的世界一=マイッサと対戦、山田海南江「誰かのせいにはしたくない」

【写真】ゴミゴミした中心部と違い、スッキリしたラートプラーオ。5月のADCCアジア&オセアニア予選はバンコク郊外のランシットで行われるため、この空気を知っておくことも貴重な経験になるはず(C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、タイのバンコクにあるルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night20「Todd vs Phetjeeja」で、山田海南江がマイサ・バストスと対戦する。8日のInternational Women’s Dayに合わせたタイミングで実施されるオール女子大会で、唯一組まれたサブミッショングラップリング戦で、世界最高峰と戦う山田。
Text by Shojiro KameikeText by Shojiro Kameike

黒帯ルーキーに、突然ビッグチャンスが舞い込んだ。ムンジアル4連覇中のマイッサ・バストスとONEサブミッショングラップリング戦で対決する。ムンジアルはもちろんパン選手権、ヨーロピアン、アジア選手権やブラジレイロ優勝など、マイッサの国際大会の実績を挙げればキリがない。そんなマイッサとの対戦を控えた山田は、リモート画面の向こうで喜びを露わにした。ONEのリングで、世界一の柔術家が待っているから。


――山田選手にとって、海外のプロ興行に出場するのは今回が初めてなのですか。

「初めてです。現地での公式スケジュールが凄いですね。拘束時間も長いから『皆はどのタイミングで練習するんだろう?』って。今までレスリングや柔術だと、直前に近いぐらいの日まで調整してから試合に臨んでいたんですよ。でもONEの公式スケジュールを見ると、写真撮影やインタビューなどもあって……その状況に慣れていなさすぎて、どうしようかと思っています(笑)」

――昨年11月に出場したADCCアジア&オセアニア予選も、そういった公式スケジュールはなかったわけですよね。

「はい。あの時は自分たちで現地の練習場所を見つけて、試合前にMMAPLANETさんがインタビューしてくださった以外は、特に予定もなかったです。アハハハ。逆にONEはホテルと、体を動かす場所を用意してくれているのは安心でした。問題は体を動かすタイミングですね。でもその場所を使って体を動かしている選手も多くなくて」

――MMAの場合は大幅な減量をしている選手もいますし、特にONEはハイドレーションテストもあるので試合直前の調整方法も異なってくると思います。

「ハイドレーションテスト! それが一番の心配です。自分は今回、減量幅も少ないので問題はないとは思いますが……。日本で三浦彩佳選手にハイドレーションテストのことを聞いて、いろいろ勉強してきました」

――何もかも手探りで、調べながらのONE初戦なのですね。

「昨日の夜(※取材は6日に行われた)タイに着いて、そこからの公式スケジュールは先に届いていたんですよ。でも英語だし、私個人のスケジュールではなく全体のスケジュールで。その中から私が関わるものを自分で探すという感じでした。どう動けば良いのか、分からないことが多いです」

――聞いているだけで大変な状況であることは分かりますが、それでも山田選手が楽しそうにしているのが印象的です。

「アハハハ。試合が楽しみです。あのマイッサ・バストスと対戦することができるなんて」

――今回のバストス戦が発表されたのは3月に入ってからでした。かなり急なオファーだったのではないですか。

「お話があったのは2週間前ぐらいかなぁ……。すぐOKって返答しました。でもビザの申請とかあって、正式発表も遅くなったんだとは思います。私としては本当にマイッサ・バストスと試合できるのが嬉しくて(笑)」

――その言葉が決して嘘ではないと思えるほど、笑顔に満ち溢れています。

「そうなんですよ。マイッサって今年1月、柔術グランドスラム東京大会に出て優勝していたじゃないですか(女子茶黒ルースター級で優勝)。私もあの大会に出る予定だったんです。でも年末に怪我をしたために出場をキャンセルしたら、その後にマイッサが飛び込みでエントリーしていて。『うわぁ~』って思いました。

私も今年に入って黒帯になったので、もうIBJJFの世界大会はポイントがないと出場することができないんです。そんななかでマイッサと、しかも日本で戦えるチャンスなんて今回しかなかったのに――と。グランドスラムの大会当日は、会場の上のほうからずっとマイッサの試合を眺めていました。『マイッサと対戦できる選手、良いなぁ』って(笑)」

――確かにギ、ノーギを問わずマイッサの試合は自然と魅入ってしまうものがあることは分かります。

「あの強さは何でしょうね……。2019年に初めてムンジアルで優勝してから、ずっと勝ち続けているじゃないですか。ムンジアルのあとに主要な大会で負けたのは、2021年のパン選手権と今年のヨーロピアンぐらいで。その間ずっと強さが安定していて、つけこむ隙がないんですよ」

――ムンジアル4連覇をはじめ、ギでもノーギでも国際大会で勝ち続けている。分かりやすいところでいえば柔道の谷亮子さん、レスリングの吉田沙保里さんや伊調馨さんのような実績ですよね。

「そう! 本当にそうなんですよ。だから今回の試合も、まずONEとしてはマイッサに出場してもらいたかった。その相手を探して私にオファーが来たって捉えています。そういう扱いに対して思うところはあるというか。ONEとしてはマイッサが勝って、いずれダニエル・ケリーと対戦させたい――というようなプランもあると思うんですよ。でも私は、そんなことを気にしていなくて。何より私自身がマイッサと対戦したかったです。

もちろん『マイッサの相手』という扱いじゃなくて、いずれ私という選手にオファーが来るような試合を見せたいです。今回だけでなく世界を目指すために、それだけの強さを身につけていかないといけないですし」

――なるほど。今回はノーギでの試合となります。ギとノーギで試合の印象も異なりますか。

「ギのほうがベリンボロとかの固定力は強いと思うんですよ。掴むところがあるので。もちろんノーギでも強いけど、私としてはノーギのほうが対策もできると思っています。今回の試合でも凄い技数で攻めてくるでしょうし、その対策を講じながら自分の得意なところに持って行く。私としては、その試合展開しかないと考えています。マイッサとの試合のなかで、私にチャンスが巡ってくることは少ない。その少ないチャンスにつけ入るしかないですね」

――マイッサもギよりノーギのほうが展開も速いし、何よりサブミッションを狙い続けています。ONEサブミッショングラップリングでも強いタイプなのだろうとは思いますが、それだけ展開が速い相手のほうが手は合うのではないでしょうか。

「そういうタイプのほうがやりやすいです。これまでも強い選手と対戦したほうが、私のレベルも上がるというか――私自身、試合が楽しくなるんですよ。強い相手との試合だと、自分が持っている以上のものを出せるみたいで。

去年11月のADCCでは、決勝でアデーレ・フォーナリオには負けてしまいました。でも試合写真や映像を視ると、よほど試合が楽しかったんでしょうね。ずっと笑っていて……私ってヤバいヤツなんじゃないかと思いました(笑)」

――それはファイターにとって素晴らしい素質であり、才能だと思います。ADCC直後の前澤智戦も楽しかったのではないですか。

「楽しかったです! 自分では分かっていなかったんですけど、入場の時から笑っていて。会場へ応援に来てくださっていた方からは、『後ろの席から、あの子笑っているよ……っていう声が聞こえた』と言われました。まぁ、変な人間ですよね」

――いえいえ。ADCCや前澤戦と同じく、あるいはその時以上に楽しそうな山田選手を見て、マイッサ戦にも期待することができるのは確かです。

「ありがとうございます。もともと試合に対して不安や恐怖とかって無いタイプなんですよ。もしかしたら、気づいていないだけで不安や恐怖は感じているかもしれません。でもそれ以上に、『ここまでやってきたから大丈夫だ』って納得できるほど取り組んでいるので。

私の中では、去年のムンジアルで負けたことが一番大きいです。茶帯の2回戦で逆転負けを喫してしまって……『私はこのままで良いんだろうか?』と思いました」

――……。

「紫帯で3位になった時は、『今までのやり方を続けていけば大丈夫だろう』という確信があったんです。でも、そう思ったやり方を1年間続けた結果、茶帯で負けてしまって。『何が悪かったんだろう? このままじゃいけない』と考え始めたんですね。『これは海外で練習したら解決するものだろうか』とか、いろんな気持ちが生まれていました。

それで去年の秋から、自分の練習については自分自身で考えるようにしたんですよ。それまではパーソナルで指導してもらったりしていて。もちろん自分の負けを、教えてくださっていた人たちのせいにすることはないです。ただ自分自身で考えたほうが、試合で勝っても負けても納得できるんじゃないかと思ったんですね」

――誰かのせいにはしたくない。でも、このままだと誰かのせいにしてしまうかもしれないし、そんな自分が許せないという気持ちもあったのではないですか。

「……そうかもしれないです。今までもそうだし、今後もし負けた試合でも誰かのせいにはしたくない。自分で決めた目標だから、自分の気持ちも曲げたくはないですからね。まさか黒帯デビュー戦の相手が世界一のマイッサだとは思わなかったけど(笑)」

――それこそ初めてのオリンピックで、1回戦で吉田沙保里さんや伊調馨さんと戦うような。

「本当にそんな感じです(笑)。もう最高ですよ。今、私に良い風が吹いているんじゃないかって思います。マイッサには――もちろん今のままではギだと歯が立たないし、ノーギでも怪しいですよ。自分の100パーセントを出しても勝てない。それこそ120パーセントまで自分を引き上げないと勝てないです。だからこそ試合が決まった瞬間、どうやって120パーセントを引き上げるかって考えるのが楽しくて」

――そうして強くなる、強くなろうとする瞬間が楽しいわけですね。まさに根っからのファイターです。

「正直『これからはSNSも活用して自分のことをもっとアピールしていかないといけない』とは思っています。強いことはもちろんだけど、強い選手は世界にたくさんいますからね。その中から、どうやって自分が試合に呼ばれるようになるかっていうことも考えるんですよ。でも自分の中では強くなりたい……強くなることが一番で。

今年はADCC世界大会と、IBJJFノーギワールドにも出たいです。ノーギワールドもポイントが関わってきますけど――さっき言ったとおり、ここでマイッサ戦が決まるのは私に良い風が吹いてきているとは思います。でもそのチャンスを掴むためは、強くなるしかないから。格闘技をやる限り、その気持ちは絶対に変わりません」

■放送予定
3月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT


■ ONE FN20対戦カード

<ONEキックボクシング世界女子アトム級王座統一戦/3分5R>
[正規王者] ジャネット・トッド(米国)
[暫定王者] ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)

<ONEムエタイ世界女子アトム級選手権試合/3分5R>
アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ130ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
マルティニ・ミケレット(イタリア))

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジヒン・ラズワン(マレーシア)
澤田千優(日本)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)
マルティナ・キエルチェンスカ(ポーランド)

<ムエタイ・アトム級/3分3R>
ララ・フェルナンデス(スペイン)
ユウ・ユウペイ(香港)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)
ノエル・グホンジョン(フランス)

<サブミッショングラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/10分1R>
マイッサ・バストス(ブラジル)
山田海南江(日本)

<ムエタイ・アトム級/10分1R>
シール・コーエン(イスラエル)
テオドラ・キルオバ(ブルガリア)

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【Special】J-MMA2023─2024、三浦彩佳「国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」

【写真】三浦にここまで言わせる──やはり、凄まじいマッチアップだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第十三弾は28日のONE日本大会で平田樹戦に臨む三浦彩佳に話を訊いた。昨年4月のモン・ボー戦で2年6カ月振りとなる勝利を挙げた三浦は、その2カ月後にONEアトム級で平田と対戦することに。「山本アーセンの元カノ&今カノ対決」という煽り、ONEストロー級で戦い続けてきた三浦がアトム級で戦う現実——複雑な気持ちを吐露した。それでも三浦は、前を向いて戦う。シャオ・ヂィンナンとの再戦を目指して。

■2023年三浦彩佳戦績

2月25日 ONE FN07
●0-3 ダニエル・ケリー(米国)※サブミッショングラップリング戦

11月3日 ONE FN16
○1R2分09秒 by スカーフホールド・アメリカーナ モン・ボー(中国)


――改めて2023年は、三浦選手にとってどのような1年でしたか。少なくとも2023年より、2024年は良い気持ちで迎えることができたのではないでしょうか。

「う~ん……」

――えっ、意外と暗いトーンですね。

「ギリギリですね。ギリギリ良い気持ちで2024年を迎えられたとは思います。MMAを1試合戦って、勝ててホッとしました」

――平田戦のオファーが届いたのは、モン・ボー戦の直後だったのですか。

「あの時はまだ『話があった』というぐらいで、私としてはシャオ・ヂィンナン戦があると思っていました。シャオ・ヂィンナン戦と平田戦っていうお話があり、正式なオファーは平田戦だったので『何でかなぁ?』と……」

――その部分で複雑な気持ちのまま新年を迎えたのですね。

「そうですね。1月末が試合なので、年末年始も落ち着いて休むことはできませんし」

――三浦選手にとっても予想外すぎたマッチメイクだったのでしょうか。

「一番意外だったのは、アトム級での試合という点です。以前から言っていたとおり、私はストロー級でシャオ・ヂィンナンと再戦するのが目標で。それが平田選手とアトム級で対戦する、というのは……ビックリしました」

――そのオファーを断るという選択肢はなかったのですか。

「……ここで断ると、いつ次の試合があるか分からないので」

――どちらかといえば平田選手との対戦よりも、アトム級でのオファーに対して合点がいかないということですか。

「私はONEストロー級の選手なのに、なぜアトム級のオファーが来るんだろうって……。自分としてはストロー級でもアトム級でも戦えます。ダニエル・ケリー戦は119ポンド契約で、期間もあったので落とすことはできました。それが1月28日にアトム級というのは――」

――前回のインタビューでもONEストロー級が自分に合っていると仰っていました。おかげで調子が出て来た、と。しかしアトム級で平田戦というのは、つまり平田選手を軸に組まれた試合ということです。

「はい。『こう来るんだぁ……』という気持ちはあります。とにかく胃が痛いですね(苦笑)」

――公式トレーラーで、三浦選手は「私がやってきたことはエンタメではない」と発言していました。山本アーセン選手の元カノ&今カノ対決という煽りも含めて、エンタメといいますか……。そこで今の三浦選手の言葉を聞いていると、この試合に対するモチベーションはどこにあるのかと気になります。

「ひとつは、すぐにONEが試合を組んでくれたことは嬉しいです。たとえ前回はモン・ボーありき、今回は平田選手ありき――であったとしても。試合は試合として、私は勝つと信じています。だからまず試合が組まれたことには感謝しています。

それとポジティブに考えるなら、『私はストロー級とアトム級、どちらでも戦えるぞ』とアピールする機会だと思うんですね。減量に関しても、アトム級というお話があった時にトレーナーさんに相談したら『絶対にアトム級の体をつくることができる。安心しろ』と言われて。その言葉を信じて、この試合は『私はいつでも何処でも戦える』とアピールできるチャンスだと考えることができるようになりました」

――ということは平田戦に向けて減量も順調なのですね。

「すごく順調に落とすことができています」

――なるほど。この試合で平田選手に勝利し、ストロー級でもアトム級でも戦えるとアピールした先に何があると思いますか。

「ストロー級でヂィンナンと再戦したいです。でも今は、とにかく与えられたことをやっていこうと考えていますね。それと平田選手は注目度が高いし、私が勝ってちゃんと……」

――ちゃんと?

「いや、ちゃんと――ではないですね。SNSで注目を集めるということが、よく分からないんですよ。TRIBEにはSNSをやっている人が少なくて(笑)」

――アハハハ。

「TRIBEには強いのに認知度が低い選手が、たくさんいると思うんです。だから私が注目度の高い平田選手に勝つことで、もっとTRIBEが認知されて、ONEという大会が日本でも注目されたら――と思っています。

私って、『没頭する力』は人より高いとトレーナーさんにも言ってもらえていて。そういうポジティブな言葉を信じて、今は試合に向けて練習しています」

――ポジティブな気持ちを持っていても、インタビュー映像で泣くのはデフォルトになっているのですか。

「アハハハ! あれって確か、カットと言われたあとに泣いているんですよ。だから『撮っているんかい!』と思って(笑)」

――三浦選手が泣くのを待っていたのかもしれません。

「そうなんでしょうねぇ(笑)」

――試合の話に戻すと……もともと階級も違いましたし、この試合のオファーが来るまで平田選手は視野に入っていなかったのですよね。

「視野には入っていなかったです。正直、平田選手にはファイターというイメージを持っていなくて。ファッションやSNSとか『今時の子』という印象でした。今回、煽り映像のインタビューでも『日本の女子MMAナンバーワンを決める』みたいなことを訊かれたんですよ。私は、全然そんなことは思っていなかったです。国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」

――……。

「だから――何とも言えないところはあります。今回は自分自身への挑戦だと思っていて。かといって相手のことをナメているとか、そういう気持ちは一切ありません。ちゃんと集中して試合に臨む。それは今までの試合と変わらないし、これからもずっと同じです」

――対戦が決まるまで、平田選手の試合は視ていましたか。

「全部ではないけど、視ている試合もあります。でもハム・ソヒ戦は何がしたいのか分からなかったし、他の試合も――与えられている環境はすごく良いし、素質もある選手なのに『アレッ?』という感じで。いつも綺麗に戦おうとしすぎているというか。そこが皆さんも『う~ん……』と思う要因なのかもしれないですけど」

――確かに今は、デビュー当時ほどの爆発力は感じられなくなっています。

「指導者が固まっていなかったという理由もあると思うんですよ。私もいろんなところへ出稽古に行きますけど、最後は長南(亮TRIBE代表)さんが締めてくれるので。周りに厳しく言ってくれる人が多くて、ありがたい環境だなって実感しています」

――体重を落とすことはできたとしても、アトム級でもストロー級と同じ出力で戦えるかどうかという不安はありませんか。

「今もパワーは落ちていなくて、練習で男子選手を極めることがあります。だから、その点で不安はないですね。むしろ今までやってきたこと――体の使い方とか繋がってきたものもあるので。堀江(登志幸)トレーナーが、トレーニングの年間スケジュールを立ててくれているんですよ。ここまでに、これができるようになる。次は……って。階級は別として、そうやって繋がってきたものを次の試合で見せることはできるんじゃないかと思います。反対に『平田選手のほうがアトム級まで落とせるのかな?』って、よく言われますね(苦笑)」

――では対戦相手として、ファイターとしての平田選手の印象を教えてください。

「私よりも柔道の素質はあると思います。でも、どうなんですかねぇ……。勝ちにこだわる執念は、絶対に私のほうが上だと思います。私は勝てれば良い。綺麗に戦おうとは思っていないので。もし1Rでグチャグチャした展開になっても、2Rでスクランブルになったら私のほうが強いんじゃないかと考えていますね。

先ほども言いましたけど、油断はしていません。『もしかしたら、すごい武器を持っているんじゃないか』という最悪のケースまで想定して、一切の油断なく仕上げていますから」

――平田選手にとっては10カ月振りの試合になります。この10カ月の間に新しい武器を身につけている可能性はあります。

「彼女がMMAに対して本気で向き合っていた10カ月間であれば、その可能性はありますよね。本気で向き合っていたとしたら――ですよ。ただ、MMAを知っている方は分かってくれると信じています。とにかく1月の試合が無事に終わってほしい(苦笑)。いろんなことがありすぎるので、私も勝って少しゆっくりしたいです」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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【ONE FN16】三浦彩佳が2年半振りの勝利を振り返る─01─「あの距離で入るのは2度とやらないほうが良い」

【写真】あの入り方を本人解説、これは本人にしか解説できないと思います(C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されたONE Fight Night16で、三浦彩佳がモン・ボーにアヤカ・ロックを極めた
text by Shojiro Kameike

三浦にとっては2021年月のハイアニ・バストス戦以来となる勝利――フィニッシュは同じアヤカ・ロックでも、袈裟固めで抑えるまでの展開に違いがあった。そこで三浦自身に試合の振り返りと、今回のアヤカ・ロックについて解説してもらった。


――モン・ボー戦での一本勝ち、おめでとうございます。

「ありがとうございます! 今回はすごく調整もうまく行きました。タイでの追い込みも――」

――海外で試合をする場合、現地で追い込み練習を行うのですか。

「はい。普通は、現地入りしてからは調整程度に動くか、体を休めておく人が多いと思います。でも長南さんの場合……現地入りしてからも1日1時間ぐらい、いつもの練習と変わらないぐらい動くんですよ。TRIBEの選手にとっては、それが当たり前で。それが今回は特に調子が良くて、現地の練習でも出力が凄かったんです。出力が凄すぎて、少し体が痛くなるぐらいでした。今まで試合をしてきたなかで一番、調子が良かったかもしれません」

――まず、それだけ現地で体を動かすのですね。減量のために体を動かす選手は多いと思いますが……。

「私の場合は、ONEのフライ級だと減量の心配がないですからね。今回もずっと体重はアンダーで、ご飯もしっかり食べていました。そのなかでも今回は特に調子が良かったです」

――それだけ試合直前に動いて、試合までに疲労は抜けるのですか。

「もちろん体を動かしながら、疲労は抜いて――ということを繰り返します。今回はホテルの近くにタイマッサージのお店があって、そこで毎日オイルマッサージを受けていました(笑)。あとは日本からお風呂を持っていって」

――お風呂を持って行く!?

「膨らまして、お湯を溜めることができるタイプのお風呂です。減量がなくても、もともとお風呂が好きなので(笑)。海外のホテルだとバスタブがないところも多いですし、毎回お風呂は持って行きます。サウナよりもお風呂に入ってボーッとしているほうが、疲れは取れますね」

――ということは、試合当日までストレスも少なく、コンディションも良かったわけですね。

「コンディションが良い分、ストレスもなかったです。2月の試合(ダニエル・ケリーとのグラップリングマッチ)はいつもより3キロぐらい軽い契約体重でしたし、現地に日本人スタッフの方がいなかったんですよ。そういう面で不安がありました。でも今回は日本人スタッフもいましたし、私も試合当日は朝5時に起きて一人で散歩したりとか。それぐらい不安もストレスもない状態でした」

――もうそれほどONEというイベントに溶け込んでいるのではないですか。

「いやぁ、どうなんでしょう……。今回は長南さんと一緒にいる時もありましたけど、一人でいる時のほうが多かったかもしれないです」

――長南さんがいないほうがストレスにならないわけですね(笑)。

「そんなことは言っていません! でも長南さんが出かけて私一人になる時でも、『まぁ良いか』と思えるぐらいリラックスできていたことは確かです。普通は海外に行って、一人で散歩することは、なかなか無いと思うんですよ。しかもWi-Fiが繋がっていない状態で」

――それは……できることなら避けたい状態ではあるでしょうね。

「そうですよね。しかも私は方向オンチですし(笑)」

――よく一人で出かけましたね! しかも試合前に。

「アハハハ。まぁ何とかなるかなっていう感じで」

――前日計量でモン・ボーと向かい合い、相手の体格が大きくて不安にはなりませんでしたか。

「大きかったですね! もともと大きい選手ですし、あと減量もギリギリのところを攻めているのか……。試合の時はリカバリーしていて、さらに大きく感じました。威圧感はありましたね」

――試合では開始早々、遠い距離からシングルレッグで入りました。遠い距離から飛び込むことになったのは、相手の威圧感も影響していたのでしょうか。

「いえ、単に私の入る位置が遠かっただけです(笑)。ただ、あれも練習していたパターンだったんですよ。遠い距離から入ったパターンも練習していました。とはいえ、あの距離で入るのは二度とやらないほうが良いと思いました」

――相手との体格差もありますし、トップから潰されてパンチを落とされたら……とは考えなかったですか。

「あっ、あれは作戦でした。相手にトップを取ってもらったという感じです」

――つまり、どのような形でも組んでしまえば相手の首に腕を巻き付け、どうにかできるという自信があったわけですか。

「そうなんですよ。モン・ボー選手もあの形にはならないと予想していたと思うんですね。でも私としては、モン・ボー選手はRNCが得意だからバックやサイドを取れるような状態になれば、相手のほうから組んできてくれると考えていました。案の定、彼女はサイドから抑えに来て。

反対に私はあの形が得意で、しかもモン・ボー選手の腕が空いていたから、まず裏アヤカ・ロック(サイドを取られた状態で極める)を狙おうと思って。それがダメでも、相手はそのままサイドで抑え込み続けるでしょうからクルッと回して、アヤカ・ロックを極めようと考えました」

――それだけの自信があるポジションと極め技を持っていることは、心理的な面でも大切ですね。

「同じ階級の選手が相手なら負けないという自信はあるし、『これで勝てなかったら私は終わりだな』と腹は括っています。あとモン・ボー選手も打撃でKOするパワーはあるとは思いますけど、組み力はそれほどでもなくて。だから怖さもなく安心して、アヤカ・ロックの状態まで持って行くことができました」

――なるほど。とはいえ、サイドを取られた状態から首投げのような形でトップを取るというのは、なかなか見られません。

「実は大きい相手用の投げ方もあるんですよ。でも今回は、大きい相手用の投げ方でなくてもクルッと回りました。普段は自分より大きな人たちと練習していて、その人たちを回せるように練り上げてきている技ですから」

<この項、続く>

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【ONE FN16】モン・ボー戦へ、三浦彩佳─02─「誰も知らない場所で誰も知らない強い選手と」

【写真】本人は負けたことで評価されたくない風の三浦だが、組み技でダニエラ・ケリーに取らせず、袈裟に入ったことはMMAで彼女と戦う対戦相手は組みの強さが頭に残っているはずだ(C)ONE

4日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night16で、モン・ボーと対戦する三浦彩佳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

現在、ONEと契約しながら試合の機会に恵まれないファイターは多い。今年に入ってONEを離れるファイターも増えている。そんななかで三浦がONEでの試合を望んだ理由と、彼女の覚悟とは。

<三浦彩佳インタビューPart.01はコチラから>


――結果、ですか。現在グラップリングマッチも含めてONEで3連敗中という結果は、どのように受け止めていますか。

「ヂィンナン戦でベルトを獲れなかったあとのダヤニ・ソウザ・カルドゾとの再起戦で、今までで一番の絶望を感じました。まさか試合中に肩を脱臼するとは思っていなくて――。そのあとも小さな怪我が重なることもありました。その時に『ヤバいな』と思ったんです。もう年齢も年齢だし、初めて連敗を喫していたので。

結構苦しい時期が続いていたなかで、ダニエル・ケリーとグラップリングで戦いました。試合中に分からないことが多くて、またパニックになり、結果も負けで――なかなか試合が組まれないことも含めて『もうどうしようかな……』と思うことは多かったです」

――……。

「TRIBEに入って10年の間で初めてじゃないかっていうぐらい、長南さんともちゃんと話ができない時期が続いていました。一番の理由は、ONEで試合が組まれないことです。なぜMMAの試合が組まれないのか……。それを長南さんに言っても仕方ないことは分かっているのに。……グスッ、グスッ」

――嫌な時期を思い起こさせてしまったようですね。ここで涙を……。

「いえ。いま鼻をすすったのは、花粉症です(笑)」

――えぇっ!?

「嘘をついているわけじゃないですよ。今回はABEMA TVのインタビューでも、ワーッと泣いちゃって。もっとカッコ良くインタビューを受けたいです!」

――アハハハ。長南さんと話ができない時期というのは、どういった状態だったのですか。

「まず長南さんに『試合がしたい』と伝えたんです。すると長南さんから『ONEで試合が組まれていないのは、お前だけじゃないんだ』と言われました。でも私は試合がしたい、ということの連続でした。もちろん何もなかったわけじゃなくて。ただ、試合の話があっても正式決定にならない――ということが繰り返されて。それでTRIBEを離れるというわけじゃないです。でも長南さんと意見が食い違うことはあって、すごく苦しかったです」

――そこでTRIBEを離れることはなくても、ONEを離れるという選択肢はなかったのですか。三浦選手の実績であれば、国内プロモーションからオファーは殺到するでしょうし、少なくとも試合がないという状態にはならないように思います。

「正直、国内で戦うことを考えなくはなかったです。やっぱり私としては、自分がずっと練習しているなかで試合がなく、他のTRIBEの選手はどんどん試合をしている。私自身もすごく調子が良いのに、でも負けているから大きなことは言えない――と思っていて。

それで『どうしようかな……』と考えている時に、村田夏南子選手、魅津希選手とスパーリングする機会があったんですよ。二人ともグラップラーと試合をするからと、私をスパーリング相手として呼んでくれて。そこから毎週のようにスパーリングしているうちに、『MMAをやるかぎりは、どうせなら誰も知らない場所で誰も知らない強い選手と試合がしたい』と思ったりしました。UFCファイターと練習していると、すごく刺激にもなりましたし。だから、長南さんから『どうする?』と訊かれた時に言ったんです。『私、ヂィンナンと再戦したいです』って」

――「安西先生、バスケがしたいです……」という状態ですね。

「……私が目指しているのはONEのベルトだし、ずっとヂィンナンと再戦したいと思っていました。それで長南さんにも『ONEでやりたいです』と伝えたんです。すると『本当にそれで良いんだな?』、『覚悟を決めました』って」

――なるほど。それほどの覚悟を決めて臨むモン・ボー戦ですが、この相手に決まった時の気持ちを教えてください。今はONEで連勝中で、タイトルコンテンダーの一人です。

「モン・ボー選手の名前を聞いた時、『おぉっ!!』と思いました。試されているなぁって、嬉しかったですね。個人的にはモン・ボー選手は、次の試合でベルトに挑戦すると思っていて。そんな相手との試合が決まり、長南さんからも『決まったからな。あとはゴチャゴチャ言わずに、やるだけだぞ!』と言われました。私も『ありがとうございます!!』って。

客観的に見ても、私とモン・ボー選手だと面白い試合になるんじゃないかなって思います。女子であれだけKOできる選手はいないと思うし、デビュー戦でジャン・ウェイリにも勝っていて、すごく強いファイターです」

――特にあれだけ至近距離で強く右を打ち込める女子ファイターも、なかなかいませんね。

「やっぱり打撃×寝技っていう見方はされると思います。そのモン・ボー選手に組みつくための方法は堀江トレーナーさんと一緒に、いろんなバリエーションを体に染み込ませています。今までも練習していたことではありますけど、何をどう出すかは実際にモン・ボー選手と向き合ってみなければ分からないです。でも今回はスパーリングも、相手にモン・ボー選手を想定した動きをしてもらったりとか。当日は今までとは違う動きも見せられるかと思っています」

――それは楽しみです。

「……ダニエル・ケリー戦も『あやかロックは出さない』と言いながら、結局は出してしまいましたからね。だから最終的にはどうなるか分かりません(苦笑)」

――もちろん自分が最も得意な形を完全に封印して戦う必要はないでしょう。ただ、今は「あやかロックしかない」のではなく「あやかロックもある」とバリエーションが増えているということですよね。

「そうですね。気持ちの面でも、落ち着いて戦えるようにもなりました。普段からBellatorファイターの渡辺華奈さんと練習していて、UFCファイターの村田夏南子選手と魅津希選手のファイトキャンプにも参加させていただいたし、本当に良い経験ができていると思っています。今回こうして試合ができるのは、応援してくださる皆さんのおかげです。まずは次の試合に勝って、ヂィンナン選手とベルトを賭けた再戦まで辿り着きます」

■放送予定
11月4日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN16対戦カード

<ONEキックボクシング世界バンタム級王座決定戦/3分5R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEサブミッショングラップリング世界ウェルター級(※83.9キロ)王座決定戦/12分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
マゴメド・アブドゥルカディロフ(ロシア)

<ムエタイ140ポンド契約/3分3R>
サクセン・オークワンムアン(タイ)
カリム・ベイーノ(アルジェリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ハリル・アミール(トルコ)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ムーシネ・チャフィ(スペイン)

<キックボクシング・ストロー級/5分3R>
ジェン・ペイメン(中国)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
モン・ボー(中国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ベン・タイナン(カナダ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

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【ONE FN16】正念場、三浦彩佳─01─「少しずつ普通の人と同じことができるようになってきているんです」

【写真】インタビューの一番下にあるABEMAのバナーとも、全く違います。三浦選手は長南さんだけでなく、ABEMAの担当の人にも文句を言って良いでしょう(笑)(C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night16で、三浦彩佳がモン・ボーと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在はグラップリングマッチを含めて、ONEで3連敗中の三浦が1年8カ月振りにMMAを戦う。相手はストライカーで、ベルト挑戦も近いであろうモン・ボーだ。そんな強豪との試合を控える三浦が日本を経つ前日、現在の練習環境と自身の成長について語ってくれた。


――リモート画面が繋がった瞬間、髪の色とコーンロウのために別人かと思いました(笑)。

「アハハハ。前回のMMAが去年の4月で、その時は試合の2週間前に練習で頭をカットしてしまいコーンロウが編めなかったんです(苦笑)」

――そうだったのですね。よく長南亮TRIBE代表のSNSに登場する姿と違うので驚きました。

「長南さんのSNSは、もうちょっとカワイイ姿を乗せてほしいですよね(苦笑)。いつもブッサイクな姿ばっかり……。もう10年もTRIBEにいるからか、そんなところばかり狙っていて」

――もうTRIBEに入って10年になるのですか。長南さんが現役を引退してから、ちょうど10年になります。

「おそらく男女含めて――コンスタントに試合に出ている選手の中では私が一番、TRIBE歴が長いと思います。それにしても、もう長南さんが引退されてから10年も経つんですね……。その頃にTRIBEが出来て入会し、長南さんの引退試合の2週間後に私がグラップリングの試合でデビューしていて」

――10年もの年月を過ごしてきたTRIBEとは三浦選手にとって、どういう存在ですか。

「もう自分の家に近いというか……。自宅は帰って寝るだけのもので、家よりもTRIBEにいる時間が長いかもしれないです」

――女子選手が多いMMAジムも増えてきました。特にTRIBEはあれだけ屈強な男子選手が集まる中で、三浦選手がTRIBEそして長南代表についてきた一番のポイントは何ですか。

「長南さんって、男女の区別がないんです。男だろうと女だろうとファイターとして、やるべきことをやっていないと注意される。練習も動けていないと檄が飛ぶ。今は他のジムへ出稽古に行くようにもなりましたけど、やっぱり自分が強くなるためには長南さんが指導してもらうことが一番なんだろうと思っています。長南さんも自分に厳しく接してくれるし、私も自分自身に対して厳しくできるといいますか」

――なるほど。出稽古といえば、現在は渡辺華奈選手とも練習しているのですね。

「はい。YouTubeでのコラボがキッカケですね」

――YouTubeでのコラボとは……。

「YouTubeの企画で渡辺華奈さんは柔道の乱取り稽古をお願いしたんです。そのあとTRIBEへ行ったら長南さんから『渡辺華奈さんとの企画どうだった? 勝てたのか?』と聞かれて。私が『いやぁ、勝てなかったです』と答えたら、『じゃあ勝てるまで渡辺華奈さんのところに行って来い』って(笑)」

――アハハハ、勝てるまで(笑)。

「強い女子選手と練習できる機会は少ないから、お願いしよう――と。それがキッカケで今は華奈さんとスパーリングはもちろん、フィジカルトレーニングも一緒にやらせてもらっています」

――そうしたなかで、最近ご自身の中で伸びていると感じられる部分はありますか。

「えっと……10年も格闘技をやっていると、なかなか伸びているところってパッと目に見えにくいと思うんです。もともと私はすごく運動神経が悪くて、他の人が当たり前にできることが、私はできないということも多かったんですよ。それがTRIBEの堀江登志幸さんというトレーナーさんのおかげで、すごく足が速くなりました」

――……足が速くなった!?

「800メートル走で20秒ぐらい縮まりました。あとは球技も全然できなかったのに、ちゃんとボールを投げられるようになって。するとシィオン・ヂィンナン戦で少しパンチが当たるようになったりとか。少しずつ普通の人と同じことができるようになってきているんです」

――それだけバランスや体の使い方が向上してきたということですね。

「そうです、そうです! ボールの投げ方なんて、いつも他の人に笑われるレベルでした。『お前には他の人のフォームが、どういうふうに見えているんだ?』って(苦笑)。でも堀江さんは『彼女の頭の中では、こう見えている。だから、こう修正すれば正しく投げられるようになる』と、しっかり教えてくれて。それが少しずつMMAにも生きてきていると思います」

――シィオン・ヂィンナン戦でパンチが当たったこと以外に、トレーニングの効果を感じた時はありますか。

「できることが増えてきて、一つのことに固執しなくなりました。もちろん最終的には、やることを一つに絞ることもあるとは思います。でもその時にパニクることなく、考えることができるようになったんですよ」

――一つのこと……それは「あやかロック」、首投げから袈裟固め→アームロックという極め技のことですね。これまでの試合では、あやかロックが極まらない場合に焦ることも多かったのですか。

「必死すぎてパニクっていることにすら気づいていなかったのですが、周りから見ると十分にパニクっていたそうです(苦笑)。それが今は他の動きもできるし、セコンドの声も聞こえるようになる――試合中にパニクると長南さんの声すら聞こえなくなっていて」

――その状態で6連勝してONE世界王座に挑戦していたわけですよね。素質で戦っていた部分のほうが大きかったのでしょうか。

「はい、そういうことかもしれません。今の私は違うと信じたいです。でもそれは結果で示すしかなくて。ダニエル・ケリーとのグラップリングマッチも、周りから『良い試合だったね』と言われることが多いんですよ。そう言ってくれるのは嬉しいけど、私としては勝っていないので……。今はMMAとグラップリングマッチで3連敗中という状況ですから、とにかく次の試合は勝って落ち着きたいです」

■放送予定
11月4日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN16 ジェネリン・オルシム ダニエル・ケリー ダヤニ・ソウザ チャンネル モン・ボー ライカ ルンピニー 三浦彩佳

【ONE FN16】三浦彩佳が1年8カ月振りのMMAでモン・ボーと対戦。TD&袈裟固めで削り、勝負は終盤か

【写真】三浦にとっては、ここで勝てば再びタイトル戦線に浮上できるであろうモン・ボー戦だ(C)ONE

11日(火・現地時間)、11月4日(土・同)にタイのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night16で、三浦彩佳がモン・ボーと対戦することが発表された。
Text by Kameike Shojiro

三浦にとっては今年2月のダニエル・ケリーとのグラップリングマッチ以来の試合。MMAでは、昨年4月にダヤニ・ソウザ・カルドゾと対戦してから1年8カ月振りとなる。


三浦は2019年のONE初出場からMMAで4勝3敗の戦績を残しているが、昨年はシィオン・ヂィンナンとの世界ストロー級選手権試合、さらにソウザとの復帰戦で星を落としており、タイトル戦線で生き残るためには、このモン・ボー戦が正念場となる。

対するモン・ボーは現在、ONEで2連勝中のストライカーだ。昨年12月のジェネリン・オルシム戦は10ポンドもの計量オーバーからのKO勝ちではあったが、続くカルドゾ戦では判定勝ちを収めている。

今回は前戦でカルドゾに勝利しているモン・ボーと、カルドゾに敗れた三浦が対戦することに。三浦はカルドゾ戦で開始早々に右を被弾し、得意の袈裟固めで抑えきることができず。2Rに右肩を負傷してTKO負けとなった。とはいえカルドゾのパンチを受けながらも、テイクダウンとグラウンドの展開には三浦らしさを見せた。

一方、モン・ボーはカルドゾを相手に打撃戦を展開し、得意の右を中心に攻め込んだ。タフファイトの末に判定勝ちを収めたものの、カルドゾのローと組みの前に苦戦を強いられ、終盤はスタミナを失っていたのは誰の目にも明らかだった。

もちろん単純比較はできないことは承知のうえで――互いの前戦の内容から考えれば、まず三浦にとってはカルドゾ戦のように右を被弾しないこと。そして得意のテイクダウンと抑え込みで削り、終盤でフィニッシュを狙うことが勝利のカギとなるか。

なお、プレスリリースに添えられていた三浦のコメントは以下の通りだ。

三浦彩佳
「オファーがあったときはすごく燃えました。打撃✖寝技の対戦カードで、見ている方に楽しんでもらえる試合になると思っています。何度も試合があるかないか分からない状況が続いていたので、試合ができる準備はずっとしていました。打撃、寝技、全ての局面でレベルアップしています。前回の試合からここまで、本当に苦しいことがたくさんありました。仲間たちの試合を見ていて、自分自身の存在も、このままで良いのだろうか、と自問自答する日々が続きました。この試合が決まるにあたり、たくさんの人々に協力してもらいました。本当に感謝しています。勝ってしっかり言いたいことを言います。ファンの皆さん、ずっと待っていてくれてありがとうございます。辛いとき、苦しいときも耐えてこられたのは、皆さんのおかげです。やっと復帰戦の発表ができました。最後に笑うのは私です。勝手感謝を伝えたいです。」

■視聴方法
11月4日(土・日本時間)
午前9時~ABEMA格闘チャンネル

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN14 ジェッサ・カーン ダニエル・ケリー

【ONE FN14】カーンがバック奪取&足を狙うも、最後に肩固めを狙ったケリーがSG世界女子アトム級王者に

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/10分1R>
ダニエル・ケリー(米国)
Def.3-0
ジェッサ・カーン(米国)

開始早々、ケリーが距離を詰めて、手四つからカーンをケージに押し込んでいく。カーンが跳びついたが引き込むことはできず、スタンドのままケリーがカーンの背中をケージに着けた。腕のクラッチを外したカーンが体を下げるもケリーは動じず。マットに背中を着けたカーンがケリーの左足を狙うも、ケリーがトップから座って足を抜き、再びトップに戻る。カーンは狙いを右足に切り替えてバックを狙うも、ここはケリーがすぐに立ち上がって、トップに戻るとニースライスでパスを仕掛けていく。

パスできないとみるや下になったケリーがアームドラッグへ。ここでカーンがバックマウントから四の字ロックで組んだ。右腕をケリーの首に巻き付けていく。フェイスロック気味に絞め上げたが、ここは極めることはできず。しかしカーンの背中がケージに着き、動きづらくなったところでケリーが反転してトップに回る。カーンがくぐってバックに回ろうとしたところで、ケリーがアンクルへ。さらにヒールに移行しようとすると、カーンが足を抜いた。

カーンはケリーの右足をストレートフットロックで抱えるも、下になったケリーがカーンの右腕を狙う。カーンが立ち上がると合わせてケリーも立ち上がった。またも飛びつくカーンと、スタンドのままケージに押し込むケリー。この状態が続いたためレフェリーがブレイクをかけた。再開後、ケリーがケージへドライブ。足を狙いに来たカーンを潰し、自身も足を狙うも抜かれたためトップに戻る。バックを狙いつつリバーサルに成功したカーンは、残り30秒でケリーの右足を取ってストレートフットロックへ。すぐに足を抜いたケリーが肩固めを仕掛けたところで試合終了のゴングが鳴った。

ケリーは裁定が下る前に、自身の勝利を確信したか涙ぐむ。飛びつきクローズドで組んだカーンに注意が与えられたことが響いたか、ユナニマス判定でケリーが王座を獲得した。


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【ONE FN14】暫定世界女子アトム王座決定戦へ。スタンプ「腕は金網で傷だらけになってしまった」

【写真】もう半日後には戦っている両者(C)ONE

30日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE Fight Night14「Stamp vs Ham」が開催され、ハム・ソヒがスタンプ・フェアテックスとONE暫定世界女子アトム級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

アンジェラ・リーの長期戦線離脱より設けられた暫定王座を狙うハム・ソヒは、今年の3月で36歳を迎えている。MMAデビューから15年が過ぎ、女子MMAの歴史を紡いできたと言える彼女にとって、このベルトの意味とは──。


――スタンプ、ハム・ソヒと暫定王座を賭けて戦います。今の気持ちを教えてください。

「2度目のタイトル戦だし、凄くエキサイティングしているわ。今回は絶対に勝ちたいから、プレッシャーも感じているけど(※英語で返答)」

――キャンプの出来栄えには満足していますか。

「ムエタイを含め、しっかりと調整してできたわ。ハム・ソヒは前に出て詰めてくると思うから、特にケージに押し込まれた時にいかに逃れることができるか。そこは重点的に練習できたわ」

――つまりケージレスリング、テイクダウンディフェンスを強化してきたということですね。その際、首相撲との融合などは考えていますか。

「リングだとコーナーを使っていたことを、今回はケージを使ってやってきたの。ケージに押し込まれた状態というのは、常に想定して練習してきているけど、今回はハム・ソヒのスタイルを考えてより力を入れてやってきたわ。だから今、私の腕は金網で傷だらけになってしまったの(笑)。

首相撲に関しては状況次第ね。MMAファイターは、しっかりと胸に頭をつけてくるので首相撲に取れるかどうか。でも、エルボーやヒザが大きな武器になるのは確かね」

――ではハム・ソヒの打撃に関しては、どのように評価していますか。

「彼女のパンチは常に効果的だし、とても危ない。私は過去6年、ほぼMMAの練習に専念したけど、彼女は私の人生ぐらいやってきたわけで。でも私は若くてエネルギーがあるから、彼女を倒すことができると思っている」

――ハム・ソヒは「年齢はただの数字。若い選手よりスマート」と言っていました。

「確かに年齢は、ただの数字という意見には同意するわ。どれだけ練習できているのかが大切になってくるわけだし」

――ではハム・ソヒに対し、スタンプのアドバンテージは何だと考えていますか。

「さっきもいったけど、若さ。それから、打撃は私の方が上ね。彼女のパンチは危険だけど、私はエルボーを織り交ぜて戦うことができるから」

――昨年3月にアンジェラ・リーに挑み敗れました。あれから18カ月、MMAファイターとして最も成長した部分はどこだと考えていますか。

「BJJとレスリング、テイクダウンのディフェンス面ね。アンジェラ・リーに負けてから、ディフェンスの練習に重点を置いてきた。防御面が伸びたことで攻撃がより強力になり、安全に戦えるようになったわ。でもハム・ソヒと戦うにあたっては、打撃に対するディフェンスも強化してきたの。彼女のパンチに対して、ね」

――ムエタイ、キックに続き、MMAの世界のベルトを巻く。この試合はどれだけ重要でしょうか。

「MMAのベルトを巻けば、世界で初めてキックボクシングとムエタイ、MMAのメジャーな世界タイトルを獲得した女性になり、歴史を創ることになるわ」

――ONE FFが始まり、賭けの無いファイトをムエタイ・トップファイターが歓迎の意を表しています。この変化をスタンプはどのように捉えていますか。

「今、ムエタイはリアルスポーツに昇華している最中にあるわ。ルンピニー・スタジアムで賭け事が行なわれないONEルンピニー大会は最高よ。見ている人は賭け事でなく、スポーツとして、アスリートとムエタイの技術を追うようになった。それは凄く嬉しいことよ。ONEルンピニーが賭け事を禁じたことで、ムエタイはスポーツとしての価値が上がったのは絶対よ」

――ムエタイのタイトルをルンピニーで再び手にしたい?

「もちろんっ!! またムエタイのベルトをこの腰に巻きたい」

――ではルンピニーでのムエタイ世界戦、米国でのMMA。今はどちらを選ぶでしょうか。

「今は米国でMMAを戦うことを選ぶわ。タイは私の母国で、試合をする機会も多い。でも米国での試合は、そうじゃない。だから今は米国で試合をしたいと思っている」

――では、土曜日のお昼。何を世界に見せたいと考えていますか。

「ベルトを頭の上に高々と掲げているところかな(笑)」

■放送予定
9月30日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN14対戦カード

<ONE暫定世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/5分5R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ハム・ソヒ(韓国)

<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座決定戦/3分5R>
スミラ・サンデル(スウェーデン)
アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/10分1R>
ダニエル・ケリー(米国)
ジェッサ・カーン(米国)

<女子ストロー級スペシャルルール/3分3R>
シィオン・ヂィンナン(中国)
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
スティーブン・ローマン(フィリピン)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アミール・カーン(シンガポール)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
ポール・エリオット(英国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ブレイク・クーパー(米国)
モーリス・アベビ(スイス)

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【ONE FN14】スタンプと暫定王座を賭けて戦う、ハム・ソヒ「36歳にして、辿り着いた」ベルトの意義

【写真】本当にいつも礼儀正しく、こちらを尊重して話してくれるハム・ソヒ。と同時に、しっかりと自分の意見を口にしてくれます(C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE Fight Night14「Stamp vs Ham」が開催され、ハム・ソヒがスタンプ・フェアテックスとONE暫定世界女子アトム級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

アンジェラ・リーの長期戦線離脱より設けられた暫定王座を狙うハム・ソヒは、今年の3月で36歳を迎えている。MMAデビューから15年が過ぎ、女子MMAの歴史を紡いできたと言える彼女にとって、このベルトの意味とは──。


――ハム・ソヒ選手、今週土曜日にスタンプ・フェアテックスと暫定女子アトム級王座を賭けて戦います(取材は27日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「凄く調子は良いですが、どの試合でもナーバスになるもので。今回もそういう緊張を乗り越えてきました」

──ここまで経験があっても、試合前にナーバスになるモノなのですか。

「確かにこれだけやってくると練習している日々のなかで、毎日のようにナーバスになるということはなくなりました。でも入場しているところ、ケージに入る瞬間を考えるとやはり緊張してしまいます。同時に適度に緊張することは大切で、全くリラックスしていると集中力が落ちるとも考えています。だからこ、この緊張している状態も戦う上でとても大切だと捉えています」

──3月に平田樹選手に完勝し、それから半年間試合がなかったです。これだけ試合が空いたことをどのように感じていますか。

「本来6カ月間も試合がないことは、私にとっては長すぎるインターバルです。ただ今回はこの半年の間に小さなケガを直し、家族との時間を創ったことで気持ちを休めることができました。それにこの試合は暫定王座が懸かった試合です。その分だけしっかりと休み、しっかりと準備ができたのでポジティブな期間でした。今回の6カ月間は、これまでのレイオフ期間とは違う意味合いでした」

──そのトレーニングキャンプの手応えは?

「私は年を重ねました。それだけ練習をしなければいけないです。年を取った今、若い頃より練習量は増えています。そうすることによって、常に自信を持ち続けることが可能になります。なので今回の試合は、凄く自信があります」

──今も韓国MMAは女子選手が多くなったとは言い難いです。そのなかでハム・ソヒ選手は女子選手とどれぐらい練習しているのですか。

「以前も今も同じです。韓国で女子選手が少ないという事情は変わっていないです。今回のトレーニングキャンプでも、男子のチームメイトと練習してきました。ただ、つい2年前まで韓国の女子MMAの状況に悲観的で、もっとレベルの高い女子選手が増えて一緒に練習したいという想いでいました。でも今は違います。自分がどういう風に練習すれば良いのか、しっかりとシステム化できるようになったんです。だから男の選手との練習で、十分な準備ができているようになっています」

──もう10年ぐらい前ですが、プサンに行ってチームMADの練習を取材させていただいた時に、ハム・ソヒ選手が男子選手とのグラップリングのスパーリングでヒジをケガした場面に出くわしました。そのまま病院に行き、練習も終了というあのシーンが忘れられなくて。

「あぁ……あの時にケガをしたヒジは、今も痛いです(笑)」

──おお、なんてことですか。

「若い時って、自分がずっと若いままだと想いがちです。だから体のこと、ケガのことなど気にしていなかった。すぐに直る、だからハードに練習する──そんな感じでいました。年を取ったり、体が弱くなるなんて考えたこともなかったので。でも、今ではトレーニングを一度するたびに、体が痛いです(笑)。さきほど、今の方がトレーニング量が増えたと言いましたが、それはスマートにトレーニングするようになったからです。体のことはしっかりとケアしていますし、休息も取るようにしています。だから練習量も増え、つまりは効果的な練習ができているということですね」

──スタンプは、まさに年を取るなんて思っていないでしょうね。

「きっと、後悔する日が来るでしょうね(笑)。小さなケガが続き、そんな風に練習毎に感じるはずです。まさに、今の彼女はあの頃の私のようで(笑)。スタンプのベースはムエタイで、キックとムエタイで世界チャンピオンになった後、MMAを戦うようになりましたが、スムーズに移行できたようには思えなかったです。

今も彼女はムエタイファイターであって、MMAファイターになり切っていない。だからといって私に明白なアドバンテージがあるわけではなくて。でも、この試合はMMAだし、MMAでいえば私の方がより完璧に近い。MMAは本当に予期できないことが起こるので、私はどのような状況にも、より自然と的確に対応ができると思っています」

──スタンプのフィジカル、フレームをどのように思いますか。

「えっ、彼女の方が大きいですか? 公式プロフィール的には違いがないはずですが」

──きっと彼女がナチュラルで、ハム選手はこの体重で戦うために大きくしてきたので、そんな風に思い込んでしまっているのかもしれないです。

「う~ん、公称で違いないですし、フィジカルやサイズの違いを気にすることはないです。試合の準備をしている時も、そこは考えてこずにやってきました」

──押忍。では女子MMAがまだ形になっていなかった頃から、このスポーツと共に人生を歩んでいたハム・ソヒ選手が、36歳になって挑むONE暫定世界アトム級王座の意味とは何なのでしょうか。

「確かに私がMMAを始めたころと比較すると、今は多くの若い選手が世界中で育っています。スターが生まれ、新しいチャンピオンが出てきます。だからこそ、36歳になってチャンピオンになるということに意味があります。私の周囲には引退を話題する人が多いです。そして実際に引退を考える、既に引退する人がいる年齢になりました。でも、このベルトを取ると、そういう空気を私の周りから取り払うことができます。

それが私のモチベーションにもなっています。年齢はただの数字です。36歳はまだ若いです。年齢に関わらずパフォーマンスに納得がいかずに敗北を重ねたり、自分が望む結果を手にすることができない選手には、私が戦ってベルトを取ることでモチベーションを保てるはずです。『まだまだ時間はある』、『やれる』、『諦めない』と。私は36歳にして、ここに辿り着いたのだから。そういう風に今、上手くいっていない選手に好影響を与えることができる。それこそが、今回ベルトを取る意義です」


■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN14対戦カード

<ONE暫定世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/5分5R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ハム・ソヒ(韓国)

<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座決定戦/3分5R>
スミラ・サンデル(スウェーデン)
アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/10分1R>
ダニエル・ケリー(米国)
ジェッサ・カーン(米国)

<女子ストロー級スペシャルルール/3分3R>
シィオン・ヂィンナン(中国)
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
スティーブン・ローマン(フィリピン)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アミール・カーン(シンガポール)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
ポール・エリオット(英国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ブレイク・クーパー(米国)
モーリス・アベビ(スイス)

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【ONE FF07】判定負けも三浦彩佳、100点満点。自己流組み技をやり抜き、ケリーは動揺&狂暴化

<サブミッショングラップリング119ポンド契約/10分1R>
ダニエル・ケリー(米国)
Def.3-0
三浦彩佳(米国)

体格差は明白な両者。実はレスリングベースのケリーが、すぐに引き込まない。50秒経過したところで引き込んだケリー、三浦は足を抜いて抑えにかかる。当時にケリーが立ち上がり、コーナーに三浦が押し込む。ここでもケリーが引き込むと、フリーズが掛かりリング中央で再開される。右腕を差したケリーのバック狙い、首を巻いて袈裟で抑えた三浦は腰をコントロールされて倒される。

それでも首に手を巻き続け、腰に乗せる形で抑えた三浦が足を抜いて腕を狙う。腰を上げたケリーは、逆に右足をフックしに掛かり、懸命に左腕を引き抜こうとする。手首を掴んで許さない三浦は、腕を抜かれると同時に頭も抜かれてバックを許す。マウントに切り替えたケリーに対し、三浦はまたも首を抱えてヘッドロックポジションへ。

ケリーは頭を抜き、三浦がスタンドに戻る。残り4分を切り、大健闘の三浦は引き込んだケリーから離れて立ち上がる。ロー気味の足払いの三浦は引き込みに足を絡ませずに、スタンドに戻る。判定勝ちも見えてきた三浦は、足を取らせずがぶりにいく。ここでタイトな引き込みを見せたケリーは、リバーサルから一気にマウントを奪う。

センターで再開となり、頭を抱える三浦だったが頭を抜かれバックを許してしまう。ケリーのRNC狙いを耐える三浦──残り1分を切る。手首を掴み、アゴを引く三浦の鼻をフィッシュフック気味に引き寄せて腕を喉の下に通したケリーがRNCクラッチへ。ヒジを押して耐えた三浦、ここはキャッチが入ったのか。

最後に胸を合わせた三浦は、時間と同時に両手を挙げて勝利をアピール。対してケリーは苦笑い──そして困惑の表情に。それでもジャッジの裁定は3-0でケリーに。判定は妥当、それでも三浦は株を挙げる戦いをやってのけた。

「彼女は強かった。シット!!」と一声発したケリーは「私は柔軟だから」と腕関節は大丈夫だったとアピールし、3本目のグラップリング王座を創ってほしいと話した。


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