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45 DEEP DEEP118 MMA MMAPLANET o キック ロッキー・マルチネス 酒井リョウ

【DEEP118】酒井の猛追も及ばず。流血戦の末、マルティネスが判定勝ちでメガトン級王座を統一

【写真】傷だらけの決闘を終えた両者(C)MMAPLANET

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
ロッキー・マルチネス(グアム)
Def.5-0:28-28.28-28.28-28.28-28.28-28.28-28.
酒井リョウ(日本)

※ジャッジ5名がドロー、マストシステムでマルチネスの勝利とした

マルチネスが左右のローを当てる。酒井は右ストレートから右ローを返した。マルチネスの右カーフキックで酒井がバランスを崩すも、右ショートを受けたマルチネスも体勢が崩れた。ローを軸に距離を保つ酒井は、マルチネスのローに右を合わせていく。左ジャブを突く酒井に対し、マルチネスも左ジャブとローからプレスを強めていく。スイッチしながらジャブを突いていく酒井は、左ジャブをボディにも伸ばす。さらに右でマルチネスを下がらせた。マルチネスも右ストレートを打ち込む。

打ち合いからマルチネスが組みつき、ケージに押し込むもすぐに酒井が離れた。残り2分のところで酒井の左フックがマルチネスの顔面を捉える。マルチネスは鼻のあたりが赤くなってきた。左フックを受けたマルチネスが酒井をケージに押し込むも、ここも酒井が離れてケージ中央に戻った。左ジャブ、左フック、左ボディストレートと左でコントロールする酒井。マルチネスは鼻のあたりから出血が見られるように。最後はケージに押し込んで初回を終えた。

2R、酒井がローを見せる。左を突き続ける酒井に対し、マルチネスが連打からダブルレッグで組みつき、背中を着かせた。ハーフガードで守る酒井の顔面に前腕を押し付けるマルチネスは、パウンドとヒジの連打に切り替えた。立ち上がる酒井のバックに回るマルチネス。酒井は離れるも、マルチネスが再びダブルレッグを狙う。

スタンドに戻ると、互いのフックが当たる。流血が見られる酒井をテイクダウンしたマルチネスは、左のパウンドとヒジを落としていく。亀になった酒井にサッカーボールキックを浴びせるマルチネスだが、ここは酒井が立ち上がってパンチを打ち返した。組みついたマルチネスがケージに押し込み、左前腕を押し付けながら右アッパーを繰り出すなど優位な体勢で2Rを終えている。

最終回、酒井の負傷に対してドクターチェックが入ったあと、再開される。酒井はパンチを振るうも、マルチネスのパンチが正確に酒井の顔面を捉えている。シングルレッグからケージに押し込んでいくマルチネス。しかし酒井が右の小外掛けでテイクダウンを奪った。ハーフガードのマルチネスが下から酒井を抱え込む。右腕を枕にして抑え込む酒井は、マルチネスの顔面とボディにヒジを落としていく。腰を上げてサッカーボールキックを連打しながら立ち上がった酒井を、マルチネスがケージに押し込んで試合を終えた。

採点はジャッジ5名が全員28-28のドローにつけたが、マストシステムで5名全員がマルチネスの勝利とした。ヘビー級王座を統一したマルチネスは「15年もの間、日本で試合ができて嬉しいです。酒井選手がタフな相手で、良い試合になったと思います。ありがとうございます」と挨拶した。


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45 ACA DEEP DEEP118 MMA MMAPLANET o キック 神田コウヤ 青井人

【DEEP118】TDを決めた神田×飛びヒザを当てた青井、接戦を制した青井がDEEPフェザー級王座戴冠

【写真】一つの攻防で試合が決まるような接戦、青井が勝利した(C)MMAPLANET

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[挑戦者]青井人(日本)
Def.3-2:29-28.28-29.28-29.29-28.29-28
[王者]神田コウヤ(日本)

サウスポーの神田が細かく構えをスイッチし、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。青井はケージに背中を預けてヒジを落とし、立ち上がると逆に神田をケージに押し込む。神田が態勢を入れ替えると青井が肩パンチを入れてブレイクとなる。再開後も神田が小刻みにスイッチし、前手のパンチとローを見せる。

青井は右のロングフックと右ミドル、再び神田が前手のパンチからダブルレッグで組みつく。神田は右腕を差してケージに押し込んで左のヒジ。距離が離れると青井が右ミドル、神田も右ハイを返す。青井はガードを上げてインロー、ジャンプキック、右ミドルと蹴りで攻めた。

2Rも神田は構えを細かくスイッチする。青井はジャブを見せつつ、神田がオーソドックスになると右ボディと右カーフ。神田は左ミドルとインロー、青井は前に出てくるところに左アッパーを狙った。神田はサウスポーから右フックとインロー。青井が右ストレートを見せると、神田がそれに合わせて組みついてテイクダウンする。

青井は背中を見せつつ立ち上がり、神田もバックコントロールしようとするが、青井は右腕を差して正対。神田がケージに押し込む形でブレイクとなった。再開後、インローの蹴り合いから青井が右ボディ。神田は前足にローを蹴り、青井はボディへの右のヒザ蹴りと右フックを見せる。

3R、サウスポーの神田が右から左ストレート、青井も右ストレートを振って前に出る。神田は距離を取りながらインローを蹴って、シングルレッグでテイクダウンを狙う。離れた青井は右フックを見せる。ここでレフェリーは両者に試合が消極的だとして警告を与えた。再開後、先に前に出るのは青井。右ストレートとインローを散らしつつ、右の飛びヒザ蹴り。これで神田の足が止まる。

青井はパンチで前に出つつシングルレッグも見せる。神田が組み付こうとするが青井は距離を取る。青井はジャブ・左フック、ボディへの右のヒザ蹴り。神田もパンチを振って前に出た。判定は5人のジャッジすべて29-28で、3人が青井を支持。青井がDEEPフェザー級のベルトを巻いた。

試合後、青井は「結果には納得いってないんですけど、ベルトを取れて、応援してくれるファン、家族、仲間、友人、ジムのメンバー、代表の中蔵さん、DEEPの佐伯さんと関係者の方々…みなさまのおかげで笑ってここに立たせてもらっています。ベルトを巻くことができましたが納得いかない結果なので、もっともっと強い青井人を見せられるように頑張ります」と周囲に感謝の言葉を述べた。


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45 DEEP DEEP118 MMA MMAPLANET o イ・ソンハ 江藤公洋

【DEEP118】左ストレート&TD防御のイ・ソンハに、江藤がRNCを極めてDEEPライト級王座を獲得

【写真】チーム全員、会心の笑顔だ(C)MMAPLANET

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
江藤公洋(日本)
Def.2R2分07秒 by RNC
イ・ソンハ(韓国)

サウスポーのイ・ソンハがサークリングする。ともに前手で探りながら、イ・ソンハが右ジャブを見せると、江藤は左ボディを突き刺す。イ・ソンハも左ストレートを当てた。さらに左を当てたイ・ソンハはスイッチして右ミドルを繰り出すも、これは江藤が掴みに行く。離れたイ・ソンハの顔面を、江藤の左フックが捕らえる。至近距離で江藤の右フックが当たる。江藤は飛び込みながら、相手の離れ際に右ハイを見せた。ケージを背負ったイ・ソンハにダブルレッグで入った江藤だったが、ここはイ・ソンハが離れる。

互いにスイッチしながら、江藤は右ストレートから右ハイへ。イ・ソンハが前に出て来ると、ダブルレッグで入ったが、すぐにイ・ソンハが離れた。イ・ソンハが左ストレートから右フックで江藤のアゴを跳ね上げる。江藤がシングルレッグで組みつき、離れる相手に対してダブルレッグに切り替えてバックに回った。左手をイ・ソンハの首に回すも、なんとイ・ソンハもここで立ち上がる。スタンドに戻るとイ・ソンハは前蹴りと関節蹴りで距離を取り続けた。

2R、江藤のシングルレッグをカットしたイ・ソンハは、江藤の立ち際に左ハイを繰り出す。スタンドに戻り、イ・ソンハが右ハイを放った瞬間に足を滑らせた。サークリングするイ・ソンハに対し、ダブルレッグで組んだ江藤が尻もちを着かせた。

さらにバックへ回りフェイスロック気味のRNCを狙うが、イ・ソンハが凌ぐ。なおも江藤はRNCを狙い続ける。自身がケージに背中をつけ、左腕でアゴから絞め上げるとイ・ソンハがタップした。

試合を終え、笑顔で抱擁する両者。ベルトを巻いた江藤は涙を流す。「子供が生まれてから5連勝で、ここで負けたら現役引退も考えていました。今回しっかり覚悟を決めて一本勝ちできたので、安心しています。DEEPのベルトを持って、世界の強豪と戦っていきたいです」と語った。


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45 DEEP DEEP118 F1 MMA MMAPLANET o 福田龍彌 雅駿介

【DEEP118】福田がバンタム級転向初戦で雅をパウンドアウト!「元気いっぱいの僕はこんな感じ」

【写真】バンタム級でも”倒せる”力を見せつけた(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
Def.1R by TKO
雅駿介(日本)

サウスポーの福田がジャブを振って、外にステップして左ボディフック。雅もジャブを見せて右ミドルを蹴る。福田はジャブ・右フックを細かく突き、雅は右ミドルを蹴り、福田のパンチにシングルレッグを合わせる。これを切った福田は左フックを効かせて、今度は右フックを打ち込む。これで雅の動きを止めるとパンチで突進。そのまま福田がトップポジションを取ると、中腰の状態から右のパンチを連打する。これで雅の動きが止まり、福田がバンタム級転向初戦で見事なTKO勝利を収めた。

試合後、福田は「やりましたー!あけましておめでとうございます。減量苦から解放されて元気いっぱいの僕はこんな感じっす。僕は日常の全部を戦うことに費やして頑張ってます。セミで弟分の(青井)人がベルトに挑戦します。彼もヒリヒリした戦いができる選手なのでチェックお願いします。で、バンタム級の僕もお願いします。オブリガード!」とファンにメッセージを送った。


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45 DEEP DEEP118 MMA MMAPLANET o 五明宏人 修斗 木下カラテ

【DEEP118】木下が五明を左ストレートから左ヒザ蹴りでKO「押忍! これが空手だ、バカヤロー!!」

【写真】テイクダウンの攻防からパンチ→首相撲→ヒザ。空手出身者によるMMAだ。(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分2R>
木下カラテ(日本)
Def.1R1分35秒 by TKO
五明宏人(日本)

ともにサウスポー。いきなり五明が右ハイで飛び込むと、木下も右フックを返した。木下が組合から両腕を差し上げケージに押し込む。五明がウィザーで耐える。木下が右ヒザを連打で突き上げた。五明が投げを打つも、これは木下が防ぐ。木下が離れると五明は右ハイを見せたが、足を滑らせてしまった。

ケージ中央に戻ると、木下の左ストレートがクリーンヒットする。さらに右フックを受けた五明がグラつき、マットに手を着きながらシングルレッグに移行しようとした。しかし木下が左右のパンチを浴びせ、立ち上がった五明を首相撲で捉える。左ヒザを一発入れたあと、首相撲で回し、顔面に左ヒザを突き上げると五明が崩れ落ちた。

KO勝ちを収めた「押忍! これが空手だ、バカヤロー!! ……いろいろあったんですけど。試合前って大切じゃないですか。大変だったけど頑張って勝ちました。修斗の時はダダスベリしていたんですけど、DEEPのお客さんは暖かいんで好きです。この後に出て来る江藤は勝つにふさわしい選手です。大声援をお願いします」と挨拶した。


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DEEP DEEP118 MMA MMAPLANET o RIZIN 平松翔 魚井フルスイング

【DEEP118】平松が魚井にフルスイングさせずギロチンで勝利「DEEPの上位陣、RIZINでも勝負できる」

<バンタム級/5分2R>
平松翔(日本)
Def.2R by ギロチンチョーク
魚井フルスイング(日本)

サウスポーの魚井に対し、平松が左手を前に出してプレッシャーをかける。魚井はインローを蹴り、平松はけり上げるような右の前蹴りを見せる。魚井が踏み込んで左ストレートや右フック、平井はバックステップでかわして先ほどと同じような右の前蹴りを飛ばす。

平松がスイッチすると、魚井がすぐに左右のフックで飛び込み、ニータップも見せる。さらに魚井は左ストレートと左ハイ。平松は構えを戻して右ミドルを蹴る。魚井は左ミドルからシングルTレッグも見せるが、平井もそれに対処し、右ハイとインローを蹴る。魚井は平井の蹴りに左フックで思い切り飛び込んだ。2R、魚井がインロー、ニータップからテイクダウン。ここで平松がギロチンチョークへ。これで平松が魚井を絞め落とし、一本勝ちを収めた。

試合後、平松は「殴り合い上等といいながらフルスイングにビビってしまいました。一本勝ちやったんですけど、RIZINで試合をしている魚井選手を仕留めることが出来たんで、DEEPの上位陣やRIZINでも勝負できるかなと思います。RIZIN神戸大会も全然出られるんでオファー待ってます」と語った。

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45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP118 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN YouTube イ・ソンハ ロッキー・マルチネス 中村K太郎 五明宏人 力也 北岡悟 川名 TENCHO 雄生 平松翔 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 酒井リョウ 雅駿介 雑賀ヤン坊達也 青井人 青木真也 魚井フルスイング

【DEEP118】イ・ソンハに挑戦、江藤公洋「面白い試合云々っていうなら、ちゃんと頑張って逃げてね」

【写真】穏やかな自信(C)MMAPLANET

本日9日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactで江藤公洋が、DEEPライト級王者イ・ソンハに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

レスリングからMMAに転向した当時から、そのポテンシャルの高さは認められてきた。しかし、その強さを発揮しきれない。試合になると、気持ちで前に出られないということも指摘された。そして勝てば、コントロールで地味というレスリング&コントロールファイターに付きまとう問題も、江藤は持ち続けてきた。

その江藤が2020年9月に青木真也に完敗を喫して以来、ここまで5連勝でタイトル挑戦権を獲得した。ハマれば超絶に強かった江藤が、自分の嫌な展開でも試合を創れるようになった。その背景に指導、中村K太郎のマンツー・スパーが存在した。


──HEARTSでレスリングクラスを持っていると聞いて見学させていただいたのですが、MMAグローブを着用してMMA用のレスリングを指導されていました。

「そうですね、大沢さんからMMAのレスリングとグラップリングを重点的にプロ選手に指導してほしいと2カ月ぐらい前に尋ねられて、やらせてもらうようになりました。HEARTSの底上げという目的もあって、始めた感じです。ピュア・レスリング、ピュア・グラップリングではなく、MMAにアジャストした形でやらせてもらっています。

ピュア・レスも大切なのですが、やはり組んだ距離でMMAの間合いと違ってきます。間合いの設定が違うと、切り崩し方も違ってくるので。そういうところでMMAレスリングの指導を心掛けています」

──MMAレスリング=壁レスとなりがちですが、今日はそうでない場所での指導でした。

「壁も大切です。でも中央で相手を制することも大切で。壁だけでなく、両方でやっていますね。中の動きと壁の動き、壁という要素が加わってもベースは共通しています。中央でやることを、壁を使ってやりましょうという意識を持っています」

──しっかりと伝える言葉も持たれていました。

「パーソナルの指導なども続けてきて、その時に自分だけの視点ではなく、色々な視点があることを頭に技術を修得するようになりました。一つのアプローチだけでなく、多方向の視点を持つことが大切だと思うと、指導する時に色々なアプローチから説明できます。そこがファイターとしての自分の成長に繋がっていると思います」

──指導することで、自ら成長できたと。

「色々な視点で見ることで、崩し方や動きに対してアプローチの種類が増えました。特に相手の特性も理解できて、思考が分かるようになったことが大きいです」

──なるほどぉ。指導で得たことを自らの練習で試す?

「ハイ。それで自分が使う場合は、無理だと判断して切り捨てることもあります。でも、指導するうえで切り捨てる知識はない。それを知ることでも、自分の成長になります」

──現在、5連勝です。その指導をすることが、好調の要因にもなっていますか。

「青木さんと試合をするまで(2020年9月)、ただ練習をしていると強くなるという風で考えていなかったです。あの敗北から色々と変えないといけないと思うようになりました。メンタル面でも変に気合を入れるとか、良いところを見せようとして逆に迷ってしまって普段通りの力を出せない。そんな自分を認めたくなかったのが、あの試合で何もできないことで──そんな自分が恥ずかしくて、格闘技を辞めた方が楽だという気持ちにもなりました」

──ハイ。

「でも楽な方を選ぶと、それは簡単ですよね(笑)。あそこで自分の色々なモノを壊して自分を創りなおした方が人間として成長できると思って、ここまで取り組んできました。5連勝の裏で試行錯誤して、なかなか上手くいないこともありました。そのなかで一つ一つを噛み砕いて、検証することでここまで来ることができました。今もまだ過程ですけど、今の自分をぶつけることが凄く楽しみです。日常を切り取った部分で、今回の試合では皆に見て欲しいという気持ちがあります」

──RIZIN LANDMARKの雑賀ヤン坊達也戦と、DEEPの北岡悟戦。前者の方が良い試合だと思われるかと思いますが、個人的には後者の方が恐怖とも向き合っていた感があります。

「そうですね……落とせないという気持ちもありました。それが自分の弱さだと思います。決め切れないところは課題で、でも試せたことはプラス。まだ僕は完成していないので。怖さも自分のなかで受け入れていますし、やってきたことをやる。回りの目を気にすること……そこも大切なのですが、そこも含めて自分のやってきたことが出せるか。練習の方が強い自分がいる。そこに近づくために、もがいている自分が今もいます。それが徐々に良くなっているので。人にチヤホヤされたくて格闘技をやってきたわけじゃなくて、強さを追求するためにやっている。そこはブレないようになりました。良い試合だった──で良いのか。積み上げて来たものを出す方が、大切だと自分は思っています」

──その積み上げるなかで中村K太郎選手とのマンツーマンのトレーニングの意味合いが大きいと聞いています。

「ハイ。自分が成長できる一番のパートナーです。K太郎さんとの練習は思い描いたことできない。テイクダウン、スクランブル、打撃とコントールできないから、際の攻防の練習ができる。

打撃、組み技、寝技とどの局面でも練習ができて、K太郎さんという自分が日本で一番強い選手とやれている。そこが自分の自信になっています。試合より厳しいことをやっている。相手より強い選手とやっていることは絶対ですし。

試合なので、一発貰うこともある。でも、そこ以外だったら絶対に競り負けないという気持ちになれました。どんな展開でも引かない。気持ちの強さは、K太郎さんとの練習で身に着けられたものです。練習で試合よりしんどいことをやって、試合でしんどいことを相手にさせます」

──そのなかでDEEPライト級王座に挑戦。チャンピオンは韓国のイ・ソンハで国際戦となりました。

「流れが変わってきましたね。対日本人でなく、今だと対アジアに。それって大切なことだと思います。だから自分はONEにチャレンジしたし、対日本人でなく対世界を見据えて色々な技術を修得してきたので」

──ではイ・ソンハの印象を教えてください。

「手足が長く、打撃も組み技もできる。だから、面白い。このところ、勝ってホッとすることばかりで。なんか熱くなることがなかった。その点、今回はどうなるのか楽しみです。どれぐらいかは、組んでみないと分からない。勝ち筋はある程度思い描けていますが、それが実際に戦ってどうなるのか。その面白さはありますね。打撃、テイクダウン、寝技、全部で勝負したいです」

──イ・ソンハは「自分が面白い試合をするので、そこは気にしないでください」ということ言っていました。

「まぁコントロールされない自信がるからって、その後の攻防を自分ができないと思っているなら間違っています。仮にテイクダウンからコントロールができなかったら、その先を見せることができるので、それは必然と面白くなるでしょうね。

ただ僕がコントロールできてしまうと、殴り合いも何もない面白くない試合になるということですよね。じゃあ、頑張ってねっていう話です。面白い試合にしたいなら、コントロールされないように頑張って。そうなっても、その先を見せるから」

──ブラボーです。

「だって動けない奴が悪いわけで。動けてスクランブルの攻防まで持ち込めば良いじゃないですか。なんでコントロールできているこっちが、わざわざ動かないといけないのか。動けない、お前が悪いんだよってことですよ。コントロールされて、時間がきてブレイクって──それは審判に助けてもらっているだけ。まぁ、面白い試合云々っていうならちゃんと頑張って、逃げてねって」

──長い年月を掛けて、一皮剝けた。言葉にすると簡単になってしまいますが、凄く重みのあることだと感じました。

「変われたかな……ただやっていれば結果が出る。そんな風に思っていましたけど、それじゃあ体が強くなるだけ。そして色気をもって戦って、自分を出せない。そういう弱い自分を飲み込んで、克服するにはどうするかを考える。そこで練習環境、練習内容を組み立てることができてきました。強くなるための過程にあるなかで、今回の試合でどこまでできるのか。やっぱり、そこは楽しみです。今回のタイトル戦は、対アジアに到達しているのか。その査定試合になります」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP118計量結果

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス:108.5キロ
[暫定王者]酒井リョウ:106.9キロ

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ:65.7キロ
[挑戦者]青井人:64.7キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ:70.3キロ
[挑戦者]江藤公洋:70.35キロ→70.15キロ

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌:61.5キロ
雅駿介:61.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.2キロ
木下カラテ:66.1キロ

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生:70.55キロ
倉本大悟:70.8キロ

<バンタム級/5分2R>
平松翔:61.65キロ
魚井フルスイング:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.6キロ
小崎連:61.55キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空:66.05キロ
菅涼星:66.15キロ

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45 AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP118 MMA MMAPLANET o RIZIN YouTube イ・ソンハ ブラック ロッキー・マルチネス 五明宏人 力也 川名 TENCHO 雄生 平松翔 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 酒井リョウ 金原正徳 鈴木千裕 雅駿介 青井人 魚井フルスイング 鶴屋浩

【DEEP118】計量よもやま話。青井&福田は新幹線に缶詰め&神田はバスタブ壊れる。次回Black Combatは…

【写真】ただ一人再計量となった江藤だが、余裕でクリア。なお、この時点で青井と福田はまだ計量会場に到着していなかった(C)MMAPLANET

明日9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 IMPACTの計量が8日(土)に新宿区ホテルローズガーデンのオークルームで行われた。
Text by Manabu Takashima

メガトン級王座統一戦、フェザー級&ライト級と3階級のタイトルマッチが組まれている大会の計量は、フェザー級選手権を戦うチャンピオン神田コウヤとチャレンジャー青井人が揃って開始時間に姿を見せないという予想外の状況でスタートが切られた。


神田に挑戦する青井と雅駿介と対戦する福田の関西組は、人身事故の影響で何と米原で1時間に渡り新幹線の中で缶詰状態に。今回はバンタム級に挑む福田は、この4キロ強の減量幅の違いに命拾い。「フライ級やったら、ブチ切れていましたよ」という言葉も、そのフライ級での計量直後のようなかすれ気味の声でなく力のあるものだった。

そんな福田とともに東京駅からタクシーで計量会場に移動しても疲れを見せなかった青井の挑戦を受ける神田も、予期せずアクシデントに見舞われていた。自宅で水抜きに入った神田だが、なんとバスタブの栓が壊れており、お湯が溜まらないという状況に追い込まれる。

その影響で体重を落としきれなかったチャンピオンは、計量会場近くのサウナで最後の1キロを落とし、クリア後もその表情からは安堵と疲れが感じられた。

そんな神田に対し、Black Combatの撮影チームは容赦なくインタビューを始め「フェザー級王者が神田選手との対戦を求めています。どう思いますか」等と明日の防衛戦もお構いなしの質問をする。これには神田に帯同していたパラエストラ千葉ネット代表もラストウィークに入った鶴屋浩代表も苦笑いを浮かべるしかなかった。

そのBlack Combatのブラック代表の姿も計量会場で見られたが、氏は2週間後のDEEP JEWELSにも来日するとのこと。中国のWLFとの対抗戦の計画も進むBlack Combatの次回大会は4月20日に予定されており、ブラック代表によるとDEEPから4人の日本人選手を招聘する予定だという。

イ・ソンハの持つDEEPライト級王座に挑む江藤公洋は、本計量では50グラム・オーバーだったが、最計量では200グラムも落とし余裕でクリア。江藤が所属するHEARTSからは木下カラテ、魚井フルスイングも今大会に出場しており、計量会場にも出場選手だけで現れ、魚井がかいがいしく江藤のサポートをしていた。

またメディアよりも撮影に懸命なパラエストラ八王子の塩田歩代表に4月29日のRIZINフェザー級選手権試合に関してコメントを求めると──。「もう独立していますけど、金ちゃん(金原正徳)と今指導している千裕(鈴木千裕)君があの舞台でベルトを賭けて戦うというのは、本当に嬉しいです。ただ僕はもう100パーセント、千裕君のサポートですから」と言葉が聞かれた。

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP118計量結果

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス:108.5キロ
[暫定王者]酒井リョウ:106.9キロ

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ:65.7キロ
[挑戦者]青井人:64.7キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ:70.3キロ
[挑戦者]江藤公洋:70.35キロ→70.15キロ

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌:61.5キロ
雅駿介:61.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.2キロ
木下カラテ:66.1キロ

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生:70.55キロ
倉本大悟:70.8キロ

<バンタム級/5分2R>
平松翔:61.65キロ
魚井フルスイング:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.6キロ
小崎連:61.55キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空:66.05キロ
菅涼星:66.15キロ

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【DEEP118】バンタム級進出の福田龍彌─02─「雅選手は努力家。だから僕は試合を楽しむことができる」

【写真】プロフェッショナルファイターとして、MMAを戦う職人としての福田の言葉から気づかされることは多い(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118にて、雅駿介と対戦する福田龍彌がインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

福田は1月の平良達郎との練習で「殴り合いの強さ」を再確認したという。殴り合いの強さを生み出す理由の一つは、福田の練習への取り組み方にある。その最たるものがボクシンググローブとMMAグローブの違いだ。バンタム級の戦いでも、殴り合いの強さを発揮できるか。雅のムエタイMMAとの邂逅で、そうした技術ポイントにも注目してほしい。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――殴り合いといっても、福田選手の場合はパンチをブンブン振り回しているわけではないですよね。振り回す相手に対して、カウンターでインサイドから急所を突くことができる。

「そういう能力がある、とは自分でもそう思っています。みんながガムシャラに打ち合っちゃうときに、ちゃんと相手の動きを最後まで見ることができるというか」

――しかも、そんななかで正確に自分のナックルを当てきることができる。たとえば2月18日のパンクラス大阪大会では、メインとコメインは正確な左ジャブの積み重ねがフィニッシュに結びつきました。

「あぁ、なるほど。まさに基本どおりで」

――はい。UFCを見ると、その正確性は究極的に高まりますよね。試合写真も左ジャブがまっすぐ伸び、ナックルが相手の鼻突を捉えているものばかりで。国内のファイターの中で福田選手は、右ジャブも左ストレートもその正確性が飛び抜けていると思います。

「そうですね。やっぱりパンチについては――僕、ボクシンググローブを着けて練習することが、ほとんどないんですよ。ボクシンググローブでスパーするのは止めました。ボクサーやキックボクサーの人と、ボクシンググローブをつけてマススパーをやることはありますよ。でもガチで倒し合うスパーはやらないです。しっかり当てる練習をする時ほど、MMAグローブでやらな意味ないと思っているんで」

――ボクシンググローブを使わなくなったのは、いつ頃からでしょうか。

「3年前ぐらいじゃないですかね。そもそもパンチの練習って、そんなにスパーは必要ない。MMAファイターはスパーリングをしすぎやと思っています。ボクシンググローブの練習に時間を割きすぎても良くない。確かにそのバランスは難しいところではありますけど、ちゃんと考えて練習しているファイターもいるから。MMAグローブでフォームや当てる時のインパクトの練習をするほうが大事じゃないですか。本来、MMAってジムに持って行く練習用具が少ないはずなんですよ」

――というと?

「持って行くのはMMAグローブ、マウスピース、あとファウルカップぐらいじゃないですか」

――レガースは持って行かないのですか。

「僕はレガースを着けないです。レガースを着けていると、組まれた時の足の抜き方も違ってきますからね。スパーリングで相手に生のスネで蹴られても文句は言わないし、僕も生スネで蹴ります。パンチと同じように蹴りでも思いっきりやらないというか、練習に威力は必要ないと思うんですよ。どちらかといえばフォームやタイミング、距離感、角度のほうが大事で。スパーでそれらを掴むことができていたら問題ないです」

――柔道やレスリングなど組み技競技は乱取り稽古がある影響で、MMAでもいわゆるガチスパーが多くなっているのでしょうか。ジムの指導方針にもよりますが、ボクシングやキックボクシングの場合は練習の中でガチスパーの割合は高くないですよね。

「もちろんガチスパーも大切ではありますよ。でもその割合をMMAに適用するのはどうかな、って思います。ファイターのタイプにもよるけど。組技でも乱取りだけでなく打ち込みがあって、スパーリングばかりしているわけじゃない。でもMMAはスパーが多くなるという面はあって」

――福田選手がタイにいた頃のムエタイジムはどうでしたか。

「スパーはやりますよ。でもスパーの中で、騙し合いみたいなものをメインにしていました。ガツガツと倒し合うスパーは週2回ぐらいったかなぁ。もうだいぶ昔の話ですけど。タイの場合は特にトレーナーさんがミットを持ってくれる量がハンパないから。トレーナーさんがミットで受けながら、しっかりと打ち返してくれるじゃないですか。ミット打ちの中にスパーに近い要素がありますよね。僕とウエタユウ(MIBURO代表)さんのミットも、そんな感じで。自分のファイトスタイルが固まっている選手であれば、実戦に沿ってそのスタイルの質を上げるための練習をするべきやなって思います」

――国内でいえば、リオン武選手はMMAグローブでナックルの当て方が最も巧いファイターの一人だと思います。これは10年前に取材で訊いたことではありますが、リオン選手もボクシンググローブで練習したことはなかったそうです。そして、拳を骨折したこともないという。

「リオン選手は巧いですよねぇ。ボクシンググローブを使わないのも、よく分かります。何が一番違うかといえば、ボクシンググローブってしっかりと握りこまないんですよ。というか、握り込めない。特に親指が浮いた状態になって――その感覚やとMMAグローブでは、しっかり殴れないです。あと骨折も自分は一度ぐらいで、それ以外は怪我をしたことがなくて。

サンドバッグもMMAグローブでやったほうが良いですよ。ボクシンググローブでやると、どうしても腕の振りだけで強く当てようとしますから。すると『バーン!』という表面的な音だけで、みんな酔いしれてしまう。その打ち方では、頭やヒジとか堅い箇所に当たると拳が折れてしまうんです。正確にナックルを当てる感覚も、微妙な拳の握り具合の感覚も身に着かない。僕のことを理解して、大切にしてくれている人にはOFGの練習を推奨していますね。……今日、こういう話で良いんですか?」

――そうした練習の取り組み方こそが、プロフェッショナルファイターの証ではないでしょうか。以前のインタビューで福田選手が仰っていた、「料理している姿を見ていているだけでも面白い」という料理人さんの姿と同じで。

「なるほど。その所作が重要ですよね。ブンブン振り回してKOしているところを切り抜いただけでは、『オレも勢いだけで行けるんちゃう?』と勘違いされてしまう。僕は試合で『福田のテクニックって凄いなぁ』と思ってもらえるようなものを提供したいです。それがプロフェッショナルやし、プロとしてこだわる部分じゃないですかね」

――なるほど。貴重なお話をありがとうございます。そこで次の試合に関してですが、最初のオファーからバンタム級で雅選手と対戦というお話だったのですか。

「最初は1月のBlack Combatが終わるまで分からへん、って感じでした。もちろん雅選手との試合という案も最初からあったでしょうし、たぶんユ・スヨンの試合がどうなるかによって変わるのかなと思っていて」

――今回の試合で重要なポイントは、対戦相手が雅選手であることはもちろん、福田選手がバンタム級で戦うという点だと思います。

「現状、神龍君とのフライ級王座統一戦はないでしょうからね。GPが終わって、フライ級で戦いたい相手もおらへんし。それと最初の話にもあったように、やっぱりカザフスタンの試合からダメージが残っていて。ここでフライ級まで落とすために労力を使うのも違うのかなと思ったんですよ。

僕も30歳を過ぎて、フライ級まで落とした翌日にベストコンディションで試合できるかどうかは――正直言って自信はないです。カザフスタンの経験も生かしたうえで、多少は体格が小さくてもバンタム級で試合をしようと決めました。

もしかしたらバンタム級では組んでグシャグシャにされるかもしれないし、『やっぱりフィジカル差があるよね』と言われるかもしれない。でも僕にとってのMMAは、そういうものだけじゃないと思っているので」

――実際に試合をしてみないと分かりませんが、グシャグシャにされるかどうかは当日のコンディションに依るところも大きいのではないですか。先ほど福田選手ご自身が言われたとおり、フライ級まで落とした翌日のコンディションと、バンタム級で臨む当日のコンディションも違うでしょう。

「ぶっちゃけフライ級の時は、翌日までにコンディションを戻せる自信はなかったです。GP決勝戦はコンディションも最悪で……。体の中で何かが固まっている感覚があったんですよ。呼吸も浅くなっていたりとか。計量後にそれほど食べたり飲み物を摂取していたわけでもないのに。

そこまでの減量をしてまで、フライ級にこだわる気持ちはなかったです。僕はもう名声やタイトルは求めていないわけですよ。とにかく戦うことを生業として、戦いを楽しみたい。でもフライ級で続けると、戦いを楽しむことができないと思って」

――……。

「決してバンタム級をナメているわけじゃないです。バンタム級だと相手の体も大きくて、強い選手も多い。そっちのほうがヒリヒリした試合ができるんじゃないかと思っています。次の対戦相手の雅選手なんて、特に最近は良い勝ち方をしているじゃないですか」

――雅選手もムエタイを生かした自分のMMAスタイルが固まってきて、一気に勝ち星が増えてきたと思います。

「そうそう。ナックモエとかじゃなくて、完全なMMAファイターになっている。レスリングもしっかりしているじゃないですか。最近は首相撲よりレスリング技術のほうが印象に残っていますね。MMAを始めて、本当に一つひとつ積み上げてきたんやなって思います。雅選手は、そういう努力家の面が試合で見えるファイターで。だから僕としては純粋に試合を楽しむことができると思いますよ。雅戦は良いセッションにしたいです」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ 対戦カード

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス(グアム)
[暫定王者]酒井リョウ(日本)

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ(日本)
[挑戦者]青井人(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ(韓国)
[挑戦者]江藤公洋(日本)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
雅駿介(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生(日本)
倉本大悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
平松翔(日本)
魚井フルスイング(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
小崎連(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空(日本)
菅涼星(日本)

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【DEEP118】鹿志村仁之介と対戦、17歳=秋元強真「怜君と同じ場所? 今は無理でも自信はあります」

【写真】伊予はまだぁ──の17歳。凄まじい時代になってきた(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118で、秋元強真が鹿志村仁之介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2022年6月のデビュー戦

現在17歳の秋元は2022年にグラジエイターでプロデビューし、4連勝中。

昨年はDEEPで3試合連続1Rフィニッシュと勢いに乗っている。そんな秋元に、自分自身への勘違いから始まったというMMAキャリアについて訊いた。Where there is a will, there is a way. 意志あるところに道は開ける――。


――本日は宜しくお願いします。……今、自宅にいらっしゃるのですよね。自宅に次の大会のポスターを貼っているのですか。

「えっ、はい。毎回貼っています。試合が終わったら剥がして、次の試合が決まったら新しいのを貼っていますね」

――自宅でリモート取材を受けてくれるファイターも多いなか、ジムに自分が出る大会のポスターが貼られていることはあっても、自宅に貼っているケースは珍しいと思います。

「そうなんですか。あんまり意味はないけど――練習に行く時、このポスターを見てから自宅を出ると気合いが入るかなと思って、毎回ポスターを貼っています」

――素晴らしい心構えだと思いますし、ぜひ今後も続けてほしいです。秋元選手は現在17歳で、MMAを始める前はサッカーをやっていたのですね。

「はい。でもサッカーを始める前に、幼稚園の時に少しだけボクシングジムに通っていたんですよ」

――幼稚園の時にボクシングを!?

「ほんの少しの間だけですけどね。すぐサッカーを始めたので。家族の中で『何かスポーツやったほうが良いよね』という話になり、その時は自宅から近かったボクシングジムに行ったという流れだったと思います。でも兄がサッカーをやっていて、僕もサッカーってカッコ良いなと思ってしまって(苦笑)」

――そこからサッカーチームに入るのですか。

「地元のサッカークラブに入って、中学卒業まで8年間サッカーをやっていました。でも自分は中学に入った頃から格闘技をやりたくて……。親にも『格闘技をやりたい』と伝えたら、『このままサッカーを続けろ』って反対されました」

――親として子供に対しては殴り合うMMAよりも、世界的メジャースポーツであるサッカーを続けてほしいと願う気持ちは分かります。

(C)KYOMA AKIMOTO

「あと、当時の自分はグローブをつけて殴り合えるような感じの子ではなくて」

――アハハハ。当時のお写真を見ると、それも理解できます。

「まだ所属していたサッカークラブのホームページには写真が掲載されていますよね。今とは違いすぎて早く削除してほしいです(笑)。小学校の時はサッカーが大好きで続けていたんですけど、中学に入るとRIZINを見て『やっぱり格闘技をやりたい』と思うようになりました。

特に朝倉未来選手は、MMAを始めたのがそんなに早くはなかったじゃないですか。だけどあそこまで昇り詰めていて――そんな朝倉選手を見て、自分もいけるんじゃないかと。そう思って親に『高校には進まず、MMAをやりたい』と伝えたんです。

最初は高校でもサッカーを続けようと思っていて、受験もして合格していました。でも、どうしてもMMAをやりたくなって――親に反対されても頑なに」

――ご自身の中では、『MMAで食っていく』という腹は決まっていたわけですね。

「いや、なんか……凄く自信があったんです。マジでいけるなって」

――その自信の根拠は何だったのでしょうか。

「YouTubeでいろんなMMAの動画を視ていて、『自分のほうが強いんじゃないか』と勘違いしていました(笑)」

――アハハハ!

「その時点では勝てなくても、自分がMMAを始めれば将来は――と思っていました。あの変な勘違いは何なんでしょうね」

――その勘違いがMMAを始めるキッカケになったので、良かったのではないでしょうか。そして中学を卒業してパラエストラ柏に入るわけですね。

「友達の友達がパラエストラ柏に通っていて、いろいろ訊いて自分も入ることに決めました。でも初めて行った時は、なんか気まずかったです。『こんな中学を卒業したばかりの自分が来て良いのかな』っていう感じで(苦笑)。でも体験入会で行った時にクラスを担当していたのが神田コウヤさんで、凄く丁寧で分かりやすく教えてもらえて嬉しかったです」

――元MMAファイターの根津優太さんは高校までサッカーをやっていて、和術慧舟會に入った時すでに足さばきや体の使い方が良かったので、すぐプロ練習に参加させたという話を当時の慧舟會の方から聞いたことがあります。秋元選手の場合は、いかがでしたか。

「サッカーって体幹トレーニングが凄いので、体幹は自信がありましたね」

――なるほど。パンチのラッシュを仕掛けた時も、左を打ち込む時も姿勢が全く崩れない。デビュー間もない選手であれば、特にラッシュの時は体勢が崩れても仕方ないですが……。

「それもサッカー時代の体幹トレーニングの影響は大きいかもしれないです。でもMMAの場合――パラエストラ千葉ネットワークって、キッズレスリング出身の子たちが多いじゃないですか。自分は入って2カ月で、投げられた時に受け身も取れず骨折しました。しばらくジムに行けず、周りの人たちには『入ってすぐ心が折れて退会した』と思われていて」

――骨ではなく心が折れたと思われていたのですね。

「アハハハ! でも心は折れなかったです。骨折したことは嬉しいわけじゃないけど、MMAができる嬉しさというか。復帰してからは、もう毎日ジムで練習しました」

――現在、秋元選手はパンチを得意としています。幼稚園の頃にボクシングを習っていたとはいえ、さすがに10年も経つと覚えていなかったのではないですか。

「それが――ジムに入った時からパンチは結構できていました。自分の場合は、よくノーモーションの左ストレートを褒められるんですけど、あれも気づいたら打っていた感じで。ただ、毎日ジムに行って一人でもサンドバッグを打ち続けていました。そういうことが活きているのかなって思います」

――もともと出そうと思って出したパンチではないのでしょうか。

「いえ、左ストレートはずっと得意で。前回の試合(昨年11月、田口貴規にKO勝ち)は相手が前に出てきて射程圏内に入ったので、左を出したら綺麗にアゴに入りました。でもあれほど綺麗に入るとは思っていなかったですし、一発でダウンを奪えたのも驚きました。後ろ重心でパンチを打っていたので。どちらかといえば高柳戦(昨年2月、高柳京之介にKO勝利)のほうが、ラッシュをかけてから左ストレートでKOしたので手応えはありました」

――それとノーモーションの左一発で相手を沈めることができるということは、拳が硬いと言われませんか。

「それは言われます! でも左の拳については最近の話で、ずっと右ジャブが硬いって言われていました。自分の場合は右を広く使いながら左を真っ直ぐ出したりするので、どちらも入りやすくなっているのかもしれないです。パンチの打ち方については、那須川天心選手を参考にしています」

――一方で組み、レスリングや寝技の面も手応えを感じていますか。

「組みに関しては、技術が身についてきたのが最近という状態で、なかなか……」

――しかし朝比奈龍希戦では、シングルレッグでケージに押し込まれながら、レスリングでいうレッグホールドで返してからRNCを極めるまでの流れはスピーディでした。あれはレスリングと寝技ができない選手の動きではないと思います。特に壁際の練習が、しっかりできるのではないかと。

「それは、しっかりレスリングの練習をさせてもらっているからだと思います。柏の昼練は組みが中心ですし、まず組みを練習しない日はなくて。今は週3回、柔術の練習もやっています。

やっぱりチームメイトの人たちが強いので、今でも壁際どころか組みの練習で何もできないんですよ。それこそ最初の頃は、プロ練だと組みができなさすぎて。自分から他の選手にスパーをお願いすることもできず、プロの選手からすれば練習相手にもならないから、わざわざ自分と組もうなんて思われなかったでしょうし。それが1年ぐらい前から、ようやく練習できるレベルになった感じですね」

――この1年間は、まさに急成長だったのですか。

「17歳になってから体も出来上がってきて、ある程度は『いけるな』って思えるようになりました。最初はキツかったけど自信はあったので。『今はダメでも練習し続けて18、19歳になれば突き抜けることができる』と。自信があったというか、そう自分に言い聞かせて練習してきました。

実は、この年齢でプロ練習にガンガン参加できるようになるとは思っていませんでした。プロデビューも18か19歳ぐらいかな、って。自分が考えているよりも早く進んでいます」

――では、何歳までにどのポジションにいて、ベルトを巻きたいといったビジョンを持っているのでしょうか。

「前回の試合後にも言ったように、10代のうちにDEEPのベルトを巻きたいです。それとMMAを始める前から、20歳までにはRIZINに出たいと思っていました。でも、今は勝っているから手応えもあるんですけど、練習ではメチャクチャやられるので、どうなるか……」

――誰に一番やられるのですか。

「やっぱり鶴屋怜君が凄いです。メチャクチャ組みが強くて。Road to UFCで優勝してUFCとの契約したのも流石だなって思うし、怜君なら当然だよなと思うところもありますね」

――鶴屋選手と対戦経験のある上田将年選手も同じことを仰っていましたね。ご自身は鶴屋選手と同じ場所まで辿り着きたいと思いますか。

「もちろん今は無理ですけど、自信はあります。このまま続けていけば――と。高柳戦は自分からラッシュしていきましたけど、田口戦は相手を見ながら戦うことができて。そういう面でも試合をするごとに自分の成長を感じることはできています」

――ではベルト獲得に向けた2024年初戦、対戦する鹿志村選手の印象を教えてください。

「ここ2戦は同じ大会に出ていて、控室も同じだったんですよ。だから、凄く良い人っていうのは分かっています(笑)」

――アハハハ。選手としての印象をお願いします(笑)。

「やっぱり寝技の強さですよね。でも柔術やグラップリングではなく、MMAなら自分のほうが強いって思います。自分から寝技に付き合うことはないですね。打撃のほうが試合も盛り上がるでしょうし。自分のプランとしては、1R以内にKOします。ここで勝って、できるなら年内にベルトに挑戦したいですね」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

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