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JJ Globo Report WNO08 ジルベウト・ドゥリーニョ ブログ ラファエル・ロバトJr

【WNO08】勝負所でローリング・バックテイク!!!! ドゥリーニョがラファエル・ロバトJrに快勝!!

30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、制限を設けた有観客大会として開催されるWNO 08。

注目のカードが数多く見られる同大会のプレビュー最終回は、柔術とMMAの両分野で世界のトップに君臨してきたジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ✖ラファエル・ロバトJrの一戦をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<205ポンド/15分1R>
ジルベウト・バーンズ(ブラジル)
Def. 3-0
ラファエル・ロバトJr(米国)

まずロバトJrがシングルレッグを狙うが、ドゥリーニョことバーンズは距離を取る。やがて座ってシッティングガードを取ったロバトJrは、ドゥリーニョの右足に絡んでのハーフガードへ。ロバトJrの仕掛けを警戒したドゥリーニョは距離を取ってから改めて低く侵攻しようとするが、ロバトJrは左右のニーシールドや腕のフレームを駆使して許さない。

その後、ロバトJrの下からの仕掛けを警戒するドゥリーニョが、たまに低く入ろうとするものの、ロバトJrのシールド&フレームに阻まれる展開が続く。中盤、ロバトJrがキムラ狙いからオモプラッタを仕掛ける場面があったが、ここもドゥリーニョはすぐに腕を抜いて危険を回避した。

残り3分半。右のニーシールドを立てた状態のロバトJrが、下からドゥリーニョの右腕をたぐる。と、その瞬間にドゥリーニョは素早く左にダイブ。見事にロバトJrの左足を超えてサイドについてみせた。すぐに距離を作ってスクランブルを試みるロバトJr。するとドゥリーニョはロバトJrの背中に飛び込んでいって一緒に前転してのローリング・バックテイク!!

さらにそのまま両足フックを完成し、4の字ロックに移行してみせた。この見事すぎる動きで、ドゥリーニョはそれまで膠着気味だった展開を一挙に自分のものに持っていった。

そのままチョークを狙っていくドゥリーニョ。ロバトJrはディフェンスしながら体をずらしてゆくと、ドゥリーニョはフックを解除してのマウント狙い。が、ロバトJrはすかさず隙間を作ってシティングに戻った。

残り2分。時間のないロバトJrはベリンボロや内回りを仕掛け、さらに足も狙ってゆくがドゥリーニョは無理せず距離を取って回避。さらにロバトJrはギロチンを狙うが、ドゥリーニョに首を抜かれたところで試合終了した。

判定は3-0でドゥリーニョに。自分より大きい相手にミスを犯さないように気をつけて戦い、勝負所を逃さず一気に爆発的に畳みかけて決定打を奪う。MMAでは強烈な打撃で畳みかけることができるUFCトップコンテンダーならではの勝負強さを見せつけた──見事な勝利だった。

「とにかく疲れたよ。ラファエルは大きかったからね。キムラには気をつけていたんだ。少しの隙を逃さずにサイドについて、バックを取れた。あれは僕の一番強いポジションなんだ」と語ったドゥリーニョは、グラップリングに戻ってきた理由については「(2月のカマル・ウスマンとの)タイトルマッチで負けたのが理由だよ。あの敗戦からしばらく落ち込んだけど、その後自分のルーツに戻りたいと思ったんだ。そこで道着着用の練習をたくさんして、そうしたら指を痛めちゃったからノーギの練習もした。そんな時にWNOから話をもらったから、ぜひやるよと答えたんだ。ジョシュ・ヒンガーとの試合にも興味があったけど、ラファエルが相手だと言われて、さらにやる気に火が着いたんだよ」とコメント。

失意の敗戦から2ヶ月半、最高の形での復活の狼煙を上げたドゥリーニョ。7月のUFCにおけるスティーブン・トンプソン戦では再び強い姿が見られそうだ。

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JJ Globo Report WNO08  ケイリン・メデイロス ウィリアム・タケット タイ・ルオトロ ブログ

【WNO08】タイ・ルオトロ強し。代役タケットをポジションで圧倒──クレイグ・ジョーンズ戦に自信!!

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第5回はケイドに続きコ・メインに登場した──ルオトロ兄弟のタイとクレイグ・ジョーンズの代役ウィリアム・タケットとの10代対決の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<185ポンド/15分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def. by 3-0
ウィリアム・タケット(米国)

スタンドで首を抱え合う2人。タイがアームドラッグから小外刈りでタケットを豪快に舞わすが、タケットもすぐに立ち上がる。

引き込んだタケットがシッティングガードを取ると、タイは右で迅速のニースライスへ。タケットはすかさず距離を作って正対するも、タイがもう一度ニースライスを仕掛ける。

タケットはそのヒザに左腕をねじ込み、両足を絡めてヒザ固めへ。タイが足を押し除けて右足を伸ばし、タケットはすかさず外掛けに。さらにヒールを狙うがタイはすぐに回転して取らせない。

やがてタイはタケットの左足のフックを外しながら立ち上がると、自らマットに倒れ込みながら、タケットの背中とマットの間に入り込んでのバック狙いに。背後からたすきを取るが、タケットは体をずらして脱出する。

下になったタケットは再びタイの右足に絡もうとするが、タイもすぐに上から飛び込んでバック狙い。タケットはまたしても体をずらして逃げた。

攻撃の手を休めないタイは、さらに右ヒザでニースライスへ。タケットはタイの右ワキを差して立ち上がると、ボディロックからリバーサルに成功した。さらに低く体重をかけて右足を越えようとするタケット。が、タイはすかさず距離を取って立ち上がった。

また引き込んだタケット。タイが今度は左右にパスを仕掛けてゆくが、インヴァーテッドで対応するタケットは、下からタイの右足を捉えて内掛けで絡む。タイが極めさせないように回転すると、タケットは組み方を外掛けに変化。そこからヒールを狙うが、タイはその動きを察知していたかのようにすぐにダイブして回転し、足を抜いてみせた。

その後もタイはタケットの足首を抑えて左右にパスを仕掛け、タケットが対応すると右のニースライス。ヒザのシールドと腕のフレームでタケットが守る。

7分過ぎ。タイは右のニースライスと同時に左足を大きくサイドにステップオーバーし、一瞬でサイドに。と思いきや、次の瞬間その左足をステップオーバーで戻し、マウントまで奪取する。上からプレッシャーをかけ続けたタイが、一瞬の早技で制圧に成功した。

体勢を低くしてタケットにぴったりと密着したタイは、自らの両腕を用いてタケットの両ワキを開けさせ、肩固めや左腕へのアメリカーナ狙いへ。タケットがしぶとく守ると、タイは右のニーオンザベリーに移行。さらにサイドに移行したところで、タケットが隙間を作って正対に戻すことに成功した。

上のタイは再び右のニースライスを仕掛けると、次は立ってタケットの両足首をコントロールして横にパス。タケットの頭側まで回り、そのまま低く体を預けてあっさり再びパスに成功してみせた。そのままタイはノースサウスチョークを狙うが、タケットが耐える。ならばとタイはニーオンザベリーに移行してダースを狙うものの、ここもタケットは距離を作って凌いで正対する。

俄然優勢のタイは、またしてもパスのプレッシャーをかけてゆく。タケットはその右足に絡もうとするが、タイは低く体重を預けてそれを潰し、上からベースボールチョークで首を圧迫する。それを凌いだタケットは再び下から外掛けを作るが、タイはここでまたしてもダイブしてのベリンボロ流のバックテイク。そのままトラックポジションからバックを奪ってみせた。

さらにバックからのチョークを狙うタイだが、タケットは体をずらす。残り1 分のところで再びマウントを奪ったタイは、ギロチン狙いから再びワキをあけさせに。タケットが簡単には諦めず時間が足りないと見るや、ヒール狙いに切り替えるタイ。それを逃げられると再び上から飛び込んでのバック狙いへ。それを逃げたタケットが逆に足を狙ったところで、試合は終了した。

判定は当然3-0でタイに。クレリンステンに一本勝ちした双子の兄弟ケイド同様、上から飛び込んでのベリンボロを駆使することで、タケットの足関節を完全に封じ込めてカウンターのバックを奪取。さらに絶え間なく仕掛け続けるパスの連続攻撃で、タケットの足を何度も超えての完勝だった。

試合後のインタビューで、当初はクレイグ・ジョーンズと対戦予定だったことに関して「今回対戦相手が変わっても、あまりゲームプランは変わらなかったよ。クレイグとウィリアムの戦い方は似ているから。たくさんパスを仕掛けて、足関節を防いでってね。クレイグには早く治ってほしいね。今日の試合で見せたのと、同じことをやってやるつもりだから」と堂々のコメントを残す。

階級上のタケットとのゴールデン・ティーンネイジャー決戦で、予想を超えた力の差を見せつけたタイ。さらに大きな体格差があり不利は否めないと予想されたクレイグ・ジョーンズとの対戦が改めて実現したとしても、十分に勝機があるのではないかと思わせるような圧巻のパフォーマンスだった。

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JJ Globo PJ・パーチ Report WNO08 ニッキー・ライアン ブログ

【WHO08】ニッキー・ライアン、重厚さ増した組みでBJ・パーチに「なぜか」スプリット勝利

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第4回は若手の台頭が目立つグラップリング界にあって忘れてはならないニッキー・ライアンが、10thPlanetのPJ・バーチを相手に見せた重厚な一戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<175ポンド/15分1R>
ニッキー・ライアン(米国)
Def. 2-1
PJ・バーチ(米国)

当初「自分はいつも下から足関節を極めて勝つから、今回はできる限りそうせずにレスリングで勝負したい」と語っていたニッキー。すぐに座ると、バーチの右足に両足を絡めて崩しながら左足を取って立ち上がり、シングルレッグ狙いに。バーチはすかさずキムラロックのグリップから後方へ投げてカウンター。その動きについていってバックを取りかけるニッキー。だがバーチもすかさずスクランブルで振りほどいて距離を取ってみせた。

再び座ったニッキー。今度はバーチの右足を取ってのシットアップを狙うが、バーチはすかさず距離をとって回避。バーチは改めて右ヒザを前に出してのパスを狙おうとするが、ニッキーがそこにすかさず足を絡めてゆくと、距離を取ることを余儀なくされる。

その後もニッキーが下から足を絡めて仕掛けてゆき、バーチがそのたびに回避する展開が続く。バーチの方はニッキーのヒザと腕のフレームに阻まれてほとんどパスを仕掛けられない。ニッキーはバーチが立つと常に足でコネクションを作って崩し続け、逆にバーチが低く攻めようとすると鉄壁のシールドとフレームで距離を取る。そして常にニッキーはバーチに正対してそのセンターを取り続けている。

途中、ニッキーが下からバーチの左腕を肩にかけて伸ばしかける場面を作るが、バーチは距離を取って回避。またニッキーは下からバーチの右ヒザを抱えて立ち上がってシングルレッグで上を取りかけるが、D1レスリングベースを持つバーチはそのたびにスクランブルに成功した。

残り時間が少なくなっていくが、バーチはニッキーのシールドとフレームを超えられない。逆にニッキーの方も下から足を取りに行くものの、バーチに早めに距離を取られていい場面を作れない状況が続くなか、試合は終了した。

ジャッジは2-1でニッキーを支持。フィニッシュに迫る場面こそ両者ともなかったものの、ニッキーが常に相手のセンターを取って試合を支配し、何度かバーチを崩して上を取りかけ、さらに一度バーチの左腕を伸ばす体勢まで作ったことを考えると、割れたのが意外な判定だった。

試合後勝者は「こちらのテイクダウンに対する彼(バーチ)の反応が予想以上に良かったんだ。キムラロックを狙ってくるのは分かっていたんだけど。僕は練習では相手を抑え込めるんだけど、彼のことは抑えこめなかった。正直この試合の出来には満足できないよ。僕の最悪のパフォーマンスの一つだったと思う。サブミットできなかったし、脅かす場面すらも作れなかった。今後はもっと抑え込みを強くしないと」と語った。

確かに今回派手な勝ち方はできなかったものの、それは得意技に頼らず、試合を通して課題を克服しようとした結果。強豪を相手に目先の勝利だけでなく将来まで見据えた戦いをし、完勝してなお反省する19歳の未来は、明るい。

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JJ Globo Report WNO08 アレックス・グエン グレース・ガンドラム ブログ

【WNO08】攻守に柔軟さが見られた──ノンストップファイトで、グレースがグエンから残り18秒一本勝ち

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第3回はメインカードで組まれた唯一の女子マッチ=グレース・ガンドラム✖アレックス・グエン戦──柔軟さ故に女子独特の動きが多分に見られた一戦の模様をお届けしたい。


<女子115ポンド/15分1R>
グレース・ガンドラム(米国)
Def. 14分42 秒 by リバーストライアングル・アームバー
アレックス・グエン(米国)

グエンがます座り、バタフライガードから足を越えられると、残った足を抱えてシットアップ&スイープに成功する。ガンドラムが待っていましたとばかりに下から仕掛けをスタートする──が、グエンもニースライスからパスの圧力をかける。

頭を抱えて足を抜きに掛かるグエンは、逆側にステップオーバーもこれは自ら下になろうとした選択か。ガンドラムがその動きに合わせて動くと、逆ハーフで自然とトップなるが上にはいかず足を取りに行く。

結果、ガンドラムは下を維持し、グエンがパス狙いに転じる。ガンドラムはロックダウン&アンダーフックの10thPlanet基本姿勢に。グエンはクロスフェースで圧力をかけ、ハーフガードをルーズにしようと心掛ける。ガンドラムは潜り、ディープハーフ、エレクトリックチェアーへ。

相当に股関節が柔軟なのか、グエンは胸を合わせに行く。が、同時にポスチャーをなくし、ガンドラムがスイープに成功する。とグエンは上体を起こして立ち上がって離れる。すぐさまヒザをいれてきたグエンを後方へスイープしたガンドラム。ここはグエンが下を望んで耐えることはなかったか。

ベリンボロのガンドラムに対し、トーホールドで背中を譲らなかったグエンは急遽出場とは思えない大健闘ぶりを見せている。それでもトップになったガンドラムは、短時間ながらレスリングの経験を活かしように屈強なトップゲームを展開。

グエンは外ヒールを仕掛け、ストレートフットロックから上を狙ったが、ガンドラムも譲らず外ヒールから立ち上がってトップを維持する。パス狙いのガンドラムは担ぎパスの圧力を強め、グエンが嫌がって亀になると一気にトラックポジションに変化していく。グエンもすかさす自ら背中をつけて反応すると、ガンドラムは絡めていた足を抜いてサイドを奪取。

グエンも動きを止めず腹ばいになると、再びトラックポジションをガステラムが狙う。ここからボディロックに取られたグエンは、再びうつ伏せをチョイスし、レスリングのファイヤーキャリー張りにリフトし落とす。

下から足を捻るようにスイープを仕掛けたガンドラム、グエンは足を抜かれても即戻してガードを取り直す。ガンドラムが足を絡ませた状態を創り、グエンは内掛けでヒールを仕掛けつつ、解除してトップキープ。左腕を差したガンドラムの横回転からのスイープに対し、グエンは足を取りに行きヒザ十字を狙う。

ガンドラムが腰を引いて足を抜き、シットアップしてスイープを完成させ、グエンのバタフライガードを越えていく。

健闘も押される場面が増えてきたグエンが懸命に外掛けヒールを狙うが、ガンドラムはここもヒザを押して解除して反転、サイドで抑えていく。ハーフに戻されても、右腕を差してパスのプレッシャーを強めるガンドラムが、左腕も差してダブルアンダーへ。足をきかせてきたグエンに対し、一旦スペースを創ったガンドラムはヒザを入れていく。

グエンはハーフバタフライで浮かせて足関節へ。すかさず反応して足を抜いたガンドラムがステップオーバーからパスへ。グエンも必死に右足でフックし、パスを許さない。と、ガンドラムは左右に自在に動いて、ついには完全にパスしサイドで抑える。体を捻りシングルに来たグエンに対し、ガンドラムがノーフックで襷からRNCへ。

絞めのグリップを支点にして、両足をこじ入れてフックさせると、ガンドラムは腕十字狙いにスイッチ。ここから右足をグエンの顔も前に置き、後ろ三角の形に入る。そして──左腕を伸ばすと、ヒジがえげつない角度で反ったグエンが観念したようにタップ。残り18秒で、ガンドラムが一本勝ちした。

「嬉しいけど、疲れた。残り時間は分かっていなかったけど、トライアングルの形に入った時に、コーチから残り時間を告げられたの。あまり試合展開は覚えていなくてハーフからロックダウン、エレクトリックチェアーをして……なんだかあって上を取ったわ(笑)。あとはバックね……でも、ホントに覚えていないの。私は自分の試合を見返すのも好きじゃないし、上手くいかないところを見るとフラストレーションになってしまって……」と独特な雰囲気でインタビューに答えた。

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JJ Globo Report WNO08 イサン・クレリンステン ケイド・ルオトロ ブログ

【WNO08】ケイド・ルオトロ、オールタイム=柔術の全エッセンスを取り入れクレリンステンにリベンジ

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第2回はルオトロ兄弟のケイドとイサン・クレリンステンの間で繰り広げれらた、凄まじい一戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<155ポンド/15分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def. by ダースチョーク
イサン・クレリンステン(カナダ)

注目の再戦。前回二度マウントを取る等優勢に試合を進めたクレリンステンは、すぐに座って前進。ケイドに近づくとすぐにその左足を抱えて立ち上がり、ワキを差してのテイクダウン狙いへ。ここでケイドが豪快に小手投げを放ち。両者は再びグラウンドに。

ケイドは下になりながらも右足を狙いにゆくが、クレリンステンもすぐにヒールで切り返しにかかる。即座に回転して極めを回避したケイドは、立ち上がって50/50で絡んでいる右を抜きに。するとクレリンステンはその足を掴んで立ち上がってテイクダウンへ。が、ケイドは自らダイブするようにスクランブルして逃れてみせた。

ここまで開始からわずか1分。両者が文字通りノンストップで仕掛け合うすさまじい攻防だ。

闘志を前面に出すクレリンステンは、今度はスタンドで前に出てシングルを狙う。が、それを切ったケイドはクレリンステンの首を掴んで崩して上に。クレリンステンは得意のバタブライガードからケイドの体を跳ね上げるが、ケイドは見事なボディバランスで上を保つと、前傾でプレッシャーをかけてゆく。

クレリンステンは右ヒザを立てて侵攻を止めるが、ケイドはそれを飛び越えるようにパス狙い。反応して正対したクレリンステンは、ケイドの右ヒザを抱えてシットアップを狙う。するとケイドが上からダースチョークでカウンター。これを嫌ってクレリンステンが動いたところで、ケイドは左足で大きくステップオーバーすると、顔面からマットにダイブするような形で、クレリンステンの右腕に腕十字を仕掛ける。

そのままクレリンステンの体を返して、完全に右腕を伸ばしたケイド。見事な仕掛けで勝負ありかと思われたが、クレリンステンは動き続け、角度をずらしてなんとか腕を抜いてみせる。フィニッシュに限りなく近いところまでいったビッグポイントだ。

下になったケイドの攻勢は止まらない。クレリンステンの左足を取ると、対角線に流してのバック狙い。体をずらしたクレリンステンは下から足を絡めてケイドの左足を狙う。が、ケイドはすぐに上からダイブしてのベリンボロで切り返し、上のポジションに戻った。

ならばとばかりにクレリンステンはワキを差し、そのまま立ち上がって上に。が、ケイドは下になりながらもクレリンステンの右足に外掛けで絡むと、シットアップして上を取り返してみせた。

下になったクレリンステンは、内掛けからケイドの右足を狙うが、ケイドはここもアナコンダからダースチョークでカウンター。クレリンステンがなんとか頭を抜くと、ケイドはすかさず左に動いてのパス。それをクレリンステンが防ぐと、ケイドは再びダースでプレッシャーをかけてゆく。

クレリンステンはケイドの左足を狙うが、ここもケイドは上からのベリンボロでカウンター。トラックポジションからバックを狙うが、クレリンステンはなんとか体をずらす。攻撃の全てを遮断され、さらにノンストップで攻めこまれて打つ手がだんだんなくなってきているようだ

クレリンステンは再び内回りから足を取りにゆくが、距離を取ったケイドはすぐに右でニースライスを仕掛ける。クレリンステンがその右足を抱えにいくと、ケイドはまたしてもダースチョークに。先ほどはここから腕十字を極めかけたケイドだが、今回はダースを深く入れる。そのままケイドが仰向けになって絞めあげると、ついにクレリンステンがタップした

前回の対戦では押され気味だったケイドが、今回は文句なしの一本勝ち。テイクダウン狙いにはスクランブル、ヒールを狙ってくると上からのベリンボロ、下から足を抱えてくるとダース狙い。クレリンステンのすべての仕掛けに対してカウンターを用意して手詰まりにさせ、さらに攻撃の手を緩めず疲弊させての完勝。18歳が恐るべき成長を見せつけた。何より決着がつくまでの時間、止まることなくオールドスクールの基本技、モダン、10thPlanet、ダナハー流、そしてスクランブルとオールタイム柔術の技術をノーギで際限極まりなく再現し続けた両者、北米グラップリングはとんどもない領域に足を踏み入れていることが実感されるスーパーバウトだった。

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JJ Globo Report WNO08 アンドリュー・ウィルツィ デヴィッド・ガルモ ブログ

【WNO08】アンドリュー・ウィルツィ、ガルモの左腕を制しシングルアームでRNCを極める!!

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

ここでは日本でも活躍したデヴィッド・ガルモ✖アンドリュー・ウィルツィの一戦の模様をお届けしたい。


<185ポンド/15分1R>
アンドリュー・ウィルツィ(米国)
Def. 9分38秒by RNC
デヴィッド・ガルモ(米国)

ウィルツィはアームドラッグを仕掛け、ガルモが反応するとシッティングガードからシングルを狙う。ここもガルモが防ぎ、再び座ったウィルツィがスイープを狙う。ハーフのガルモはアームドラッグからバックを譲り、ウィルツィが反転してトップを取りきに来たところで立ち上がる。

シントゥシンのウィルツィのガードを越えることができないガルモは、外ヒールの仕掛けは腹ばいになり足を抜く。ウィルツィの仕掛けが多い展開のなかで、もう1度ヒールを狙う。3度のヒール狙いから、立ち上がってボディロックでリバーサルしたウィルツィ。ガルモがすぐに立ち上がり、ウィルツィはすぐにシッティングを選択する。

シントゥシン、ニーシールド、バタフライガードを越えることができないガルモは得意のギロチン狙いから前転も、頭が抜けて一回転した形でスタンドに戻る。残り8分30秒でガルモが右足首を気にする仕草を見せると、かつての練習仲間でもあるウィルツィは準備が整うまで待つというクリーン振りを見せる。

直後にガルモがヒザをついて正対すると、ウィルツィは一気にバタフライガードを決めて上を取るや、瞬時にしてパスガードに成功する。ウィルツィはサイドで抑え、ニーインからマウントを伺う。ブリッジに合わせてマウントを取ったウィルツィは、腕をクロスに組んで防御態勢のガルモの動きに合わせてバックに回りシートベルト、そして両足をフックする。

残り6分、ガルモの左腕の上から左足をフックしたウィルツィは、右手首を掴まれても左腕をアゴの下に差し込んでいく。ガルモの右肩を掴みシングルアームで絞めを完成させたウィルツィが、見事な一本勝ちを手にした。

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JJ Globo Report WNO08 スローン・クライマー ハイサム・リダ ブログ

【WNO08】ハイサム・リダ──初陣でテイクダウンを2度目決め、ジャッジ判定3-0勝利

<205ポンド/15分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def. Judge Scoring 3-0
スローン・クライマー(米国)

頭一つ長身のハイサム、立ちレスが続き1分が経過したころにクライマーがジャンピング・ギロチンを狙う。ハイサムも、もうこの技に掛かることはなくクライマーが笑顔を浮かべる。2分半が過ぎ、ハイサムがジャンピングガ―ドから引き込みボディトライアングルに取る。

と、ハイサムはレフェリーに何やらアピール。滑りやすいということで、レフェリーがクライマーの体をタオルで拭いて試合は同じ形から再開され、ガードが開くとクライマーが立ち上がりハイサムもスタンドに戻る。ここから立ちレスが続き、ハイサムがニータップのフェイクを見せる。

頭を取られたクライマーが離れ、スタンドの展開が4分続き、ハイサムが粗い動作で頭を掴みに行く。手を合わせた両者、ここから右手でクライマーの頭を取ったハイサムが小外刈りを決める。トップを取ったハイサムに対し、クライマーはロックダウン&ボディロックという10thPlanetムーブからスイープを狙う。ハイサムは必死に左足を抜きにかかるが、トップキープを諦め立ち上がることを選択した。

残り4分からスタンドレスリング、2分が経過しハイサムが足払いでテイクダウン。座ったクライマーに対し、ハイサムは寝技を続けずスタンドへ。クライマーも勝負を賭けて最後の20秒でスライディング・ガードをからバタフライガードも、ハイサムがワキ差しパスのプレッシャーをかけたところでタイムアップに。ジャッジは3者ともハイサムを支持しWNO初陣を勝利で飾った。

「柔術イベントの最大の一つの大会にデビューできてエキサイトしている。今はただエキサイトしているよ。以前もいったようにここにきて、今も勉強中で。米国にいることがビッグディールなんだ。いつの日かベストになるために毎日、練習している。彼がタフなことは知っていたし、試合が始まってからは少しスリッピーで。でもいつものように足払いでテイクダウンできた。ファンが期待した試合にはならなかったかもしれないけど、ハイレベルな戦いでは一つのミスが勝利を遠ざけてしまうから、今回は慎重に戦った。自分の階級でトップ10を破りたい」と試合を振り返ったハイサムは、最後に日本語で「カルペディエム・ファミリーの皆さん、日本の皆さん、いつも応援ありがとうございます。色んなメッセージをいつももらって、それを見て『頑張ろう』となっています。またいつか皆の前で試合ができること期待しています。押忍」と話した。


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JJ Globo Preview WNO08 グレース・ガンドラム デヴィッド・ガルモ ハイサム・リダ ブログ

【WNO08】プレリミに──飛躍を賭けて、ハイサム・リダ登場。ガルモ、10thPlanet柔術の申し子女子も

【写真】デトロイトのアッセンブリ柔術ではノーギが主流で、足関節の修得やフォークスタイルレスリングも採り入れ飛躍の時を待つハイサム(C)RIDA HAISAM

30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、制限を設けた有観客大会として開催されるWNO 08。

注目のカードが数多く見られる同大会のプレビュー最終回は、10thPlanet柔術の申し子女子の試合と、日本とも関係の深い2人のグラップラーがステップアップを掛ける試合の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi


2019年に東京で行われたQUINTET FIGHT NIGHT 3にて湯浅麗歌子と大激闘のドローを演じ、日本でも一躍名を挙げた10th planet柔術の18歳のグレース・ガンドラムがメインカードに登場。当初はAOJの新星、ジェサ・カーンとの注目の一戦が実現する予定だったが、カーンの怪我により対戦相手は昨年のパンノーギ大会の茶帯の部を制しているアレックス・グエンに変更された。

グエンの実力は未知数な部分が多いが、ガンドラムは昨年のF2W 155でパトリシア・フォンテスにデッド・オーチャードからの腕十字で圧勝。さらにWNO 05では、2019年に湯浅を倒して女子最軽量級世界新女王となったマイサ・バストスとノーギで対戦。僅差の判定で敗れたものの一進一退の攻防を展開、世界レベルの実力を示している。

ガンドラムといえば男女通してロックダウン~エレクトリックチェアーの最高の使い手と言われおり、10th planet ならではの、柔軟な下半身を活かしたガードワークからの仕掛けは必見だ。

また、かつて日本のカルペディエムに所属し、QUINTET等でも活躍したデヴィット・ガルモもメインカードに登場。米国デトロイトに拠点を移し、今年に入ってF2W 161にてエイドリアン・ベナヴィデスに、F2W 167ではソウル・ヴァイアラに勝利したのが評価されて大舞台への抜擢となった。

対戦相手は2019年のノーギワールズ茶帯王者にして、2020年のパンノーギも制している19歳の新鋭アンドリュー・ウィルツィだ。近年はジョン・コムズやPJ・バーチといった有力選手にノーギルールで勝利しており、北米における実績ではすでにガルモを上回る。ウィルツィ有利と予想する向きが多いと思われるが、それゆえにメインカード出場のガルモにとって、全米に名前を売る大きなチャンスだ。

そして、YouTubeとFacebookでライブ中継されるプレリムカードには、アラバンカ~カルペディエムと日本で柔術家としてのエッセンスを身につけたハイサム・リダが登場する。

ハイサムの対戦相手は、キーナン・コーネリアスがサンディエゴに創設したリージョン柔術のインストラクターを務めるスローン・クライマーだ。以前はブギーマンことリッチー・マルチネスの下で10th planetのシステムを学び、ハーフガードでロックダウンを作ってからの攻撃を得意とするクライマーだが、まだ目立った存在ではない。

ハイサムとしてはぜひここでインパクトのある勝ち方を見せて、F2WやWNOのメインカードにおいて大物との対戦を実現させたい──だけに、キャリアアップで非常な意味合いを持つ一戦となる。

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【WNO08】ダナハー軍のニッキー・ライン&クレリンステンが、10thPlanet&ATOS勢と組技の宴

【写真】1年半前のADCCでは66キロ級でシェーン・ヒルテイラーに勝利のニッキー・ライアン。今回の試合は175ポンド契約、実に79.37キロだ!!(C)SATOSHI NARITA

30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、制限を設けた有観客大会として開催されるWNO 08。

純粋にプログラップリングイベントとしてプレリミアム感を醸し出し、注目のカードが数多く見られる同大会──ここではダナハー軍団と10thPlanet、ATOSの精鋭がぶつかる2試合の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi


<ノーギ/15分1R>
ニッキー・ライアン(米国)
PJバーチ(米国)

現在世界最強のノーギグラップラー、ゴードン・ライアンを兄に持つニッキーは、現在19歳。ダナハー軍団らしくシッティングガードからの足関節を中心とした多彩な仕掛けを持つ。2018年にQUINTET 3 で所英男を、Polaris 8で今成正和をチョークで下し、日本のファンにもその実力を知らしめた。

また2019年のADCC世界大会では、1回戦で柔術世界王者シェーン・ヒルテイラーに僅差の勝利を挙げている(続く準々決勝でパウロ・ミヤオに惜敗)。

対するPJ・バーチは、ハイスクール&カレッジのレスリングを経験した後、ブギーマンことリッチー・マルチネスの道場で10th planet系の技術を身につけて頭角を現した。そして2018年のQUINTET03において、柔術レジェンドのヴィトー・シャオリン・ヒベイロから内回りでバックを奪い、腕十字で一本勝ち。世界を驚かせた。

今年に入ってからもジョン・コムズを内ヒールで仕留める等、高い極め力を誇るバーチ。だがこれまでダナハー軍相手には分が悪く、ゴードン・ライアンにはチョークで、オリバー・タザには内ヒール、そしてイサン・クレリンステンにはEBI式オーバータイムで敗れている。

バーチが所属する10th planet柔術の総帥エディ・ブラボーは、自らが創設したEBIで大活躍したダナハー軍の足関節を中心としたシステムを常に絶賛。徹底的に研究した上で自らの技術体系に取り入れていることを認めている。当然その打倒法の探究にも余念がないはずだ。今回バーチは、どのような方法で精緻きわまりなく──かつ急激に大きくなっているニッキーのシッティングガードに対抗するのだろうか見ものだ。

<ノーギ/15分1R>
イサン・クレリンステン(カナダ)
ケイド・ルオトロ(米国)

クレリンステンはカナダのモントリオール出身の27才。メガジムとして有名なトライスタージムにて名伯楽フィラス・ザハビの下で柔術を学び、やがてザハビの師匠であるダナハー門下に加わった。

2020年末に共に黒帯昇格したチームメイトのニッキー・ライアン同様、シッディングガードからの仕掛けを中心に試合を組み立てる技師だ。

対する18歳のケイド・ルオトロは、双子の兄弟であるタイとともに幼少時から注目を浴びていた次世代グラップラー。タイ同様にトップからダイナミックに動きノンストップにパスを仕掛け続ける戦いを身上とする。

この両者は昨年のWNO大会で一度当たっており、その時はしきりに下から足を絡めて足関節を狙うクレリンステンが、二度にわたってスイープからマウントを奪取する等、ポジション争いでも明らかに優位に立った。

が、判定では意外にも3人ともケイドを支持。サブミッションの仕掛けを最大重視するという指針のもとで、ケイドの下からのアームロック狙いや終盤に仕掛けたエスティマロックが評価された形となった。

当然のように多くの異論が出たこの判定を機に、WNOは判定基準を見直すことに。ポジションの優劣を評価に組み入れつつ、サブミッションは深く入ったもののみを大きく扱うという形に変更された上で、今回の再戦となる。

今回も「下攻めのクレリンステン対上攻めのケイド」という構図は変わらないだろう。前回苦戦を強いられたケイドが、絡んでくるクレリンステンの足をいかにさばいて突破してゆくかが見どころだ。

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JJ Globo Preview WNO08 ウィリアム・タケット タイ・ルオトロ ブログ

【WNO08】クレイグ欠場で、ゴールデン・ティーンエイジャー対決=タイ・ルオトロ✖タケットが実現

【写真】10代グラップラーの台頭が目覚ましい北米組技界を代表するルオトロ兄弟が、同世代とトップの舞台で戦う。考えてみると恐ろしいことだ(C)SATOSHI NARITA

30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、制限を設けた有観客大会として開催されるWNO 08。

純粋にプログラップリングイベントとしてプレリミアム感を醸し出し、注目のカードが数多く見られる同大会──ここではクレイグ・ジョーンズ欠場で実現するウィリアム・タケット✖タイ・ルオトロ戦の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi


<ノーギ/15分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
タイ・ルオトロ(米国)

(C)F2W

クレイグ・ジョーンズの負傷欠場により、急遽代打としてルオトロの相手に名乗りを上げたのはウィリアム・タケット。

この変更によってメインからセミに降格してしまったが、体格差のある当初のカードよりもむしろ勝負論は増しており、今大会最注目のカードと言える。

19歳のタケットは、F2Wを中心に毎月のように北米の組技イベントのメインに登場するグラップリング界のニュースターだ。とにかく積極的に極めを狙うスタイルを身上とし、特に3月のF2W166でマニュエル・ヒバマーをカニバサミからのヒールで秒殺した試合は見事の一言に尽きた。

4月の3CGでは、最重量級の実力者ヴィクトー・ウゴにOTで敗れたものの、シングルレッグで先制点を奪って見せている。そして先週のF2W 171ではヴァグネウ・ホシャと対戦。ホシャのトップからのプレッシャーに下からの仕掛けで対抗したタケットは、試合後半には内ヒールを極めかける場面を作った。試合終了寸前にはホシャのニースライスパスでヒザを抜きかけられたが、守り抜いて試合終了。

F2Wの判定基準が「深く入ったサブミッションの仕掛け」を最重要視するものなので勝利は堅いと思われたタケットだが、地元のホシャへの大声援にジャッジが惑わされたせいか、1-2の判定負け。

それでも、中重量級の世界トップの一角であるホシャと互角に渡り合う実力を証明した。そして今回、なんと今月3度目のメジャーグラップリング大会登場だ。

対するタイ・ルオトロは現在18歳。双子の兄弟であるケイドと共にアトス新世代を代表するグラップラーとして幼少時から脚光を浴びていた。そして2019年のADCC世界大会66キロ以下級に弱冠16歳で参戦。無尽蔵のスタミナをもってノンストップにパスを仕掛け続ける戦いぶりで、大先輩のブルーノ・フラザトとパブロ・マントヴァーニに連勝して4位入賞し、世界にその名を知らしめた。

その後もタイはさまざまなプログラップリングイベントで活躍。なかでも出色は昨年のWNOにおけるニッキー・ライアン戦だ。ニッキーの下からの足関節の仕掛けに素早く対処したタイは、後半にはニッキーの両足をレッグドラッグで潰してのパスを2度決めて完勝している。

下からも上からも極めにゆくタケットと、もっぱらトップからのパスの波状攻撃を身上とし、下になったらすぐさまスクランブルで上を取り返すタイ。新世代グラップリングを象徴するノンストップバトルが繰り広げられるのは間違いないこの10代対決、動き勝つのはどちらか。

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