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【UFN194】ティム・エリオットの突進力を無力化。見事にアジャストしたマテウス・ニコラウが3-0で快勝

<フライ級/5分3R>
マテウス・ニコラウ(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ティム・エリオット(米国)

試合はニコラウのインサイド右ローでスタート。さらに左ボディストレートを伸ばすニコラウは、エリオットの荒いフックをかわしジャブを入れる。距離を詰めることができないエリオットは、何やら指差しで声を出す。思い切り前に出るエリオットに対し、回ったニコラウがバランスを崩し尻もちをつく。ここでエリオットはサッカーボールキックのような勢いで、ボディを蹴る。すぐに立ち上がったニコラウは慎重に左に回りつつ、スイッチを織り交ぜ距離をキープ。

突進し、右を被弾しながらシングルレッグ&軸足払いでテイクダウンを決めたエリオットが、スクランブルでバックに回る。正面につきダブルレッグを狙ったエリオットは、ニコラウの反応に合わせてバック、正面と優位なクリンチを続ける。小外を防いで離れたニコラウは変則的なエリオットのパンチをかわして、右オーバーハンドから左フックを放ち初回が終わった。

2R、ニコラウの左に組みついたエリオットがバックに回る。後方から細かいパンチを受けたニコラウが正対して離れると、強振し姿勢を乱したエリオットに左を入れる。左ローから、ワンツーのコンビネーションを入れたニコラウは、右のカウンターを打ち込む。頭から突っ込むエリオットだが、腹、ローと攻撃を散らされクリンチもすぐに離れたニコラウが左ボディを決める。

この左ボディを連続で決めたニコラウは、しっかりと距離をとりエリオットの組みの圧力を軽減させ、着実にカウンターを入れて攻勢を続ける。打ち終わりにパンチを被弾し、笑みを見せたエリオットは残り1分のダブルレッグも切られ、ニコラウの右オーバーハンドを被弾しそうになる。ダブルレッグをウィザーで崩し、倒されないニコラウが離れると、距離を保ってラウンド終了を迎えた。

最終回、左オーバーハンドを当てたニコラウが、カウンターの右をヒットさせる。エリオットも左リードフックを決めるが、続く突進からのパンチにクリーンヒットはない。自らも当てるつもりはなかったような前蹴りが決まったエリオットは、パンチから距離を詰めてクリンチへ。ケージを背負ったニコラウはウィザーで小外を耐え、しっかりと時間を使ってから離れ、左ボディを打ち込む。

効かされたエリオットは、逆にダブルレッグでテイクダウンを許し万事休す。クローズドの中に納まり、時折りスラムを繰り返したニコラウは胸を合わせてしっかりと抑え込む。エリオットはクローズドを続け、ラバーを狙う。肩を押し込んで許さないニコラウは、足が開くとニーシールドに立ち上がり時間に。

エリオットの突進力を無力化させ、組まれても倒されないファイトを3Rに渡り遂行したニコラウが、29-28✖3票をとし判定勝ちを手にした。

「ノヴァウニオンではいつも危険なポジションでの練習を積んできた。そして2Rと3Rは修正できた。僕のゴールは純粋にチャンピオンになること。誰という個人名は挙げられないけど、上位ランカーと戦い」と勝者は語った。


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【UFN194】計量終了 闘志満々マッケンジー✖ホドリゲス。グティエレス、エリオット✖ニコラウに注目

【写真】身長差がなかなかあるホドリゲスとマッケンジー(C)Zuff/UFC

8日(金・現地時間)、 9日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN194:UFN on ESPN+52「Dern vs Rodriguez」の計量が行われた。

今大会のメインはマリナ・ホドリゲス✖マッケンジー・ダーンの女子ストロー級マッチ。両者揃って問題なく計量をパスしているが、よりナーバスに見えたのはホドリゲスで、パスをすると安堵の表情を浮かべ、両手を合わせた。

一方のマッケンジーは、パス後に笑顔を浮かべてガッツポーズ、フェイスオフでも笑顔で握手をしつつ、いざ視線を合わせスト決して目を逸らさない気の強さが見え隠れしていた。

そのマッケンジーは現在4連勝中で、ホドリゲスはアマンダ・ヒーバスとミッシェレ・ウォーターソンという猛者に連勝中。両者にとって、ここを勝ち残ることで11月16日の世界女子ストロー級選手権試合=王者ローズ・マナジュナス✖挑戦者ジャン・ウェイリ戦の勝者への挑戦権が見えてくる大切な一戦となる。


コ・メインのウェルター級ではランディ・ブラウンと対戦するジャレッド・グーデンが 4ポンド超過でキャッチ戦として行われる。

またUFC唯一のカザフスタン女子ファイターのマリヤ・アガポワは事前のインタビューで順調に体重が落ちていることを明言していたが、その言葉通り胸の狼のタトゥーが際立つバキバキボディを披露し、フェイスオフでも終始笑顔を浮かべていた。

プレリミ4試合、メイン5試合のコンパクトな大会で気になるのはメインカードの火蓋を切って落とすバンタム級のクリス・グティエレス✖フィリップ・コラレスの一戦と、フライ級のティム・エリオット✖マテウス・ニコラウのマッチアップだ。

LFAからUFCにステップアップしたグティエレスは、スムーズなパンチと蹴りのコンビネーションを主体に無駄な移動が少ない攻撃で、1分を挟んで4連勝中の上昇基調にある。

グティエレスの特徴は、動きが大きくないこと。移動や体を振った「ため」でパワーを創り出す攻撃でなく、定置で養成したパワーを移動させる打撃を有効活用できている。

グティエレスが安定しているのは、入って来る相手に適切なパンチや蹴りを入れることで、自身の力が伝わる距離で戦えていること。つまり、自分の間で戦うことができるというわけだ。

そんなグティエレスの攻撃を受けても思い切り入るのか、自らは出ずに誘い出すことができるか。コラレスの勝機は、グティエレスの間で戦わないことで訪れる。

フライ級のニコラウ✖エリオットは、前者がオクタゴン2戦目なのに対し、後者は実に16戦目という新旧対決だ。エリオットはスクランブルに持ち込んで、削って競り勝つことを狙うことが予想される。その執拗な攻撃に対して、ニコラウは耐久力とダースやジャパニーズネクタイというフロント系のチョークによる遮断力を持ち得ているのか。

ニコラウもジョン・モラガがマネル・ケイプにスプリットで競り勝っており、ミスを犯さないファイトには長けている。攻めるエリオット、受けて外すニコラウという展開になることが予想されるが、前述したようにニコラウの遮断力=極め力によって勝敗の行方が左右される一番となりそうだ。

■視聴方法(予定)
10月10日(日・日本時間)
午前2時30分~UFC FIGHT PASS

■UFN194計量結果

<女子ストロー級/5分5R>
マリナ・ホドリゲス: 115ポンド(52.16キロ)
マッケンジー・ダーン: 114.5ポンド(51.94キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ランディ・ブラウン: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャレッド・グーデン: 174ポンド(78.92キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 125.5ポンド(56.92キロ)
マテウス・ニコラウ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マリヤ・アガポワ: 125ポンド(56.7キロ)
サビーナ・マゾ: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス: 135ポンド(61.24キロ)
フィリッピ・コラレス: 136ポンド(61.69キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ロマノフ: 260ポンド(117.93キロ)
ジャレッド・ヴァンデラ: 265.5ポンド(120.42キロ)

<フェザー級/5分3R>
チャールス・ロサ: 145.5ポンド(66.0キロ)
デイモン・ジャクソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス: 115.5ポンド(52.38キロ)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 114ポンド(51.7キロ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・オンテヴェロス: 155.5ポンド(70.53キロ)
スティーブ・ガルシア: 155ポンド(70.31キロ)

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【UFN194】オクタゴン唯一のカザフ女子、マリヤ・アガポワ「MMAで私が何者かを見せてやるだけ」

【写真】この2年で、すっかり英語でコミュニケーションが取れるようになった(C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN194:UFN on ESPN+52「Dern vs Rodriguez」で、UFC唯一のカザフスタン女子選手マリヤ・アガポワがサビナ・マゾと対戦する。

(C)Zuffa/UFC

サウスポー、右ストレートを伸ばして左ハイというビューティフルコンビネーションを持つ中央アジアの女子MMAファイターは、母国でボクサーとして活躍する一方で不遇な境遇にあった。

カザフスタンはイスラム教徒の国でありアガポワのような女性が格闘技はおろか、スポーツをするのも高いハードルが存在したという。「誰も私をコントールできない」──MMAの試合展開ではない。マリヤ・アガポワはフロリダに拠点を移した自身の現状について、そんな風に語った。


──土曜日にサビーナ・マゾと対戦します。今の気持ちを教えてください。

「最高よ。キャンプはとてもスマートに行うことができたし、しっかりと準備できたことが凄く嬉しいわ。あとは減量が上手くいってくれれば……ね。今は順調に落ちてきているから、もう試合が待てないわ」

──カザフスタンやキルギス、中央アジアはMMAの新しいパワーハウスです。特にカザフスタンはロシアに続けとばかりに強い選手を輩出していますが、女子選手はマリヤ以外にほとんど聞いたことがありません。

「そうね……女子選手もいることはいるけど、私のようなレベルにある選手はまだMMAでは出ていないの。女子選手が強くなるには、もう少し時間が掛かるし政府にもアスリートをサポートしてほしいわ。

カザフスタンでは普通の人は女がコンバットスポーツを戦うことに、まだ否定的な風潮が残っていて。彼らが分かってくれるようになるまで、時間が必要ね。格闘技というか、カザフスタンは男社会で、彼らは女がスポーツをすることすら好ましく思っていないのよ」

──そんななかでマリヤは、なぜMMAを戦うようになったのですか。

「私はアクションムービーの影響と、学校で虐められていたから自分のことは自分で守ろうと7歳の時にボクシングを始めたの。目標はオリンピック出場だった。でもカザフスタンの連盟は私にその機会を与えてくれなかったわ。世界選手権もスパーリング・パートナーとして帯同されただけで。

7年間、私には十分な力があったけどチャンスすら回ってこなかったの。結果的に女子選手の五輪への派遣も取りやめられ、アスリートへのサラリーも打ち切られた。あの時、もうボクシングを続けるのが嫌になって。どうせなら、楽しく、希望を持って生きたいじゃない?」

──その通りですね。ただ、そこまでの状況だったとは……。

「あの環境でボクシングを続けるのは、無理。だからMMAを始めたの。私は自分の能力を証明したかった。その機会を連盟が与えてくれないなら、私は自分で力を見せつけてやろうって。五輪に行けるチャンスがないなら、MMAで私が何者かを見せてやるだけだし。結果的に私は今、フロリダで自立している。誰も私をコントロールなんてできないわ」

──その時に女子がMMAの練習をする環境にあったのでしょうか。

「正直、男子選手のなかには私とスパーリングをしたがらない選手もいたわ。それに当時はまだカザフスタンのMMA自体が、そこまで進んでいなかったから、練習方法もスパーリングも今の米国での環境と比較すると、全然整っていなかったと言わるわね」

──それはやはり宗教的なことも関係しているのではないですか。

「そうね……やっぱりカルチャーが違うし、私は仏教徒だけど全ての宗教を尊重している。ただカザフで多数を占めるムスリムは、古くからの伝統で女性は家にいるもので、男に守られている存在だという考えが強くて。でも、その人が死んだら誰に守ってもらうの? 自分で自分のことは守らないと。

私が幸運だったのは、リナット・サディコフという素晴らしいコーチに出会えたことね。ただのボクサーだった私にレスリングを徹底して指導してくれた。リナットは私がMMAで戦うための全てのスキルを授けてくれたから、ATTでの練習についていけたし、成長できたと思っているわ」

──米国に拠点を移したのは、練習するためですか。

「私は米国に住むつもりは一切なかったわ。2年前にコンテンダーシリーズに出場するために米国にやってきて、その時にマネージャーから『米国に住んで、練習してみる気はないか?』って誘われたの。もちろん、『ノー』なんていう選択はなかったわ」

──家族は反対しなかったですか。米国に1人で住むなんて、凄く心配だったでしょうし。

「両親に伝えた時も『OK、ハッピーになりなさい』ってあっさりしていたわね(笑)。『あなたの幸せが、私たちの幸せだから』って言ってくれて」

──素晴らしいご両親です。そしてATTでの生活が始まったと。

「本当に強い選手が多くて、優秀なコーチも揃っている。そこがカザフスタンと米国の違いね。私自身、レスリングと柔術は本当に成長できたわ」

──前回の試合でシャイナ・ドブソンに敗れたため、今週末のマゾ戦は非常に大切になってきます。

「前回の試合は、準備期間も十分じゃなかったし、体調も崩していて……。あの時からライフスタイルを見直してきたし、今回は本当に自信がある。必ず勝つわ。サビーナとの試合はハードファイトになるだろうけど、良いファイトになるはずよ。全ての力を使って、試合を支配する。そして素晴らしい勝利を手にするわ」

──マリヤ、ありがとうございました。最後に日本のMMAファンに一言お願いします。

「オハヨォ。トモダチ(笑)。 これはキョージさんが教えてくれたの(笑)。私は今、ココナッツクリークのATTヘッドクォーターでなくて、ATTサンライズでロジャー・コラールの下で練習しているけど、キョージは私の友人よ。今も色々とアドバイスをしてくれるわ」

■視聴方法(予定)
10月10日(日・日本時間)
午前2時30分~UFC FIGHT PASS

■UFN194対戦カード

<女子ストロー級/5分5R>
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ランディ・ブラウン(米国)
ジャレッド・グーデン(米国)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
マテウス・ニコラウ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
マリヤ・アガポワ(カザフスタン)
サビナ・マゾ(コロンビア)

<ミドル級/5分3R>
フィル・ホーズ(米国)
デロン・ウィン(米国)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
フィリッピ・コラレス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)
ジャレッド・ヴァンデラ(米国)

<フェザー級/5分3R>
チャールス・ロサ(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・オンテヴェロス(米国)
スティーブ・ガルシア(米国)

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