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DEEP95 J-CAGE Report ブログ 佐藤洋一郎 未分類 阿部大治

【DEEP95】序盤優勢、粘られ失速という悪循環からの脱却。阿部大治が佐藤から価値ある勝利

【写真】最後の粘り。今後の阿部にとって非常に意義深い勝利となった(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
佐藤洋一郎(日本)

ジャブから右を振るう阿部、佐藤のローが急所に入り試合が中断する。再開後、阿部のワンツーに下がらないでパンチで対抗しようとした佐藤だが、阿部が的確にストレート系の右、左フックやジャブを当てていく。ワンツーを受けて下がった佐藤が懸命に距離を取ろうとするが、阿部も冷静にエルボーを繰り出す。ローに右を合わせた阿部が左から右へ。佐藤が左フックを返すが、空振りになる。

佐藤が左ミドル、阿部はやや狙い過ぎて力が入るところも見られる。鼻血を流す佐藤は、右ショートアッパーを被弾し、ローの蹴り合いから首相撲&ヒザを狙う。ミドルをブロックして返しのパンチを伸ばした阿部がスイッチする。佐藤は右ハイを蹴り、ラウンド終了となった。

2R、終盤は精度が落ちた阿部──スタミナに課題が残った海外挑戦から、仕切り直しで同じ轍は踏めない。蹴り足を掴んで倒した阿部は、スタンドで待ち受ける。そのまま右を入れて、投げを打った阿部に対し、佐藤は寝技を望むかのように下になる。ここも立って待っていた阿部は左ジャブ、頭が落ち疲弊してきた佐藤のシングルを切った阿部がアッパーを見舞う

右ローを蹴る佐藤に対し、阿部はカウンター狙いからワンツー、右アッパーを打っていく。右オーバーハンドの打ち終わりに右アッパーを合わせた阿部が左フックを振るう。佐藤も左フックで前に出ると、右オーバーハンド、左ジャブに左リードフックを振るう。右を当てた佐藤、阿部は疲れてきたか。右を打って組んだ佐藤がボディロックから小外掛けでテイクダウンを決める。下になった阿部に対し、佐藤はパンチから肩固めへ。再びパンチに切り替え、ボディを連打した佐藤。阿部はスタミナが切れたか。

最終回、阿部が右フックを振るい、佐藤も右を返し蹴りも見せる。左をフックで体が揺れた阿部は、組まれてギロチンへ。頭を抱えている状態で、防御の阿部は頭を抜かれて背中をつける。立ちあがった阿部だが、佐藤はシングルで組みついてバックへ。ワンフックバックから上を取り、肩固めに入った佐藤は技を解いてハーフで抑える。エビから足を戻した阿部はスイープからスタンドへ戻る。

残り90秒、立ち技の間合いは両者が慎重な動きに。左右のフックを振るう阿部、佐藤がマウスピースを吐き出す。再開後、左フックを避けた阿部が左を狙う。パンチから右ミドルを見せた阿部が右を伸ばす。さらに右ハイから左ストレートを阿部が見せると、タイムアップに。

ジャッジの裁定はスプリットで阿部に。意地を見せた佐藤の前に最終回に下になっても、阿部はスタンドに戻り自ら手を出すなど気持ちを切らせなかった。最後の粘りは大きな収穫になる違いない。ポテンシャルは今もピカ一の勝者は「メインはKOじゃないといけないのに、KOで勝てなくてスミマセンでした。DEEPを盛り上げます」とマイクで話した。


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DEEP95 J-CAGE Report ブログ 酒井リョウ 関根シュレック秀樹

【DEEP95】テイクダウン→マウント&パンチの関根、凌がれると失速し酒井が逆転パウンドアウト

【写真】最後は完全にスタミナ切れか。背中が伸びた関根はパウンドで敗れた(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<メガトン級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
Def.2R by TKO
関根”シュレック”秀樹(日本)

距離を取る両者。遠い位置から組みに行った関根、かわした酒井は組まれないように距離を取る。ローに組みついた関根がテイクダウンに成功し、酒井はケージを背に立ち上がろうとするが、両足を関根が束ね肩で圧して背中をつけさせる。そのままマウントに入った関根がボディにパンチを入れる。頭がケージに詰まった酒井の頭をずらして、右手を後ろ手で取り右のパンチを打っていく。

背中を向けた酒井は、亀に。関根は上を向かせて右腕を喉下に入れる。RNCグリップも極めきれなかった関根、後方からパンチも時間となった。

2R、右を入れ組みにいった関根だが、酒井は下がりながらパンチを入れる。低い体勢でダブルレッグの関根がケージに酒井を押し込む。太腿の後ろに腕を回した関根がテイクダウンから、立ち上がろうとした酒井をサバ下りのように崩しマウントに入る。ケージキックもマウントをキープした関根がアメリカーナを仕掛ける。

リリースしパンチをワキ腹、顔面に入れた関根が上体を起こしてパウンドへ。ケージを蹴ってブリッジから立ち上がった酒井がフックを振るい左の蹴りを繰り出す。テイクダウンを切られ、右の蹴りを被弾した関根のダブルレッグは背中が伸びてしまい──万事休す。パウンドをまとめた酒井が逆転TKO勝ちを決めた。


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DEEP95 J-CAGE KINGレイナ Report ブログ 熊谷麻理奈

【DEEP95】KINGレイナ、懸命にキックに挑み熊谷からスプリット判定勝ちも──裁定は不可解

【写真】キックとして上回っていたのは、熊谷だったが……(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<キック63キロ契約/3分3R>
KINGレイナ(日本)
Def.2-1:29-28.28-29-28.28-29
熊谷麻理奈(日本)

蹴りを掴んでパンチを見せるKINGレイナ。熊谷が前蹴り、ヒザを入れ、右を当てる。前進して距離を潰すKINGレイナだが、熊谷はジャブを差し込んで右ストレートを打っていく。KINGレイナのローにもジャブを合わせる熊谷がワンツーをヒットさせ、さらにジャブから右を打ち込む。KINGレイナはジャブとストレートに前進を拒まれるが、それでも突進してパンチを集中させる。ヒザを突き上げ、距離を取り直した熊谷がステップジャブ。右ミドルハイから右をみせた熊谷のラウンドとなった。

2R、ジャブを入れ跳びヒザの熊谷だが、着地後に距離が近づくとKINGレイナがパンチを振るっていく。前進にヒザを受けたKINGレイナは、オーバーハンド気味の右も乱打戦に持ち込むことができない。離れた熊谷は右ストレートをヒットさせるも、ケージに押し込まれると右を被弾してしまう。回って左ジャブを当て、右ストレートを的確に打ち込んだ熊谷が前蹴りを繰り出し、この回も取った。

最終回、熊谷は左ハイから右ストレート、KINGレイナはローからフックを振るうが離れた熊谷がテンカオを決める。ボディにもパンチを入れた熊谷に対し、KINGレイナはスーパーマンパンチを狙う。ワンツーからパンチをまとめたKINGレイナだが、回った熊谷が左ハイを蹴り込む。クリンチで逃れたKINGレイナは、近い距離で連打を見せるも左を受け、ヒザを腹に突き刺される。

熊谷はさらに右ストレートを打ち込み、左ジャブを当てる。残り20秒を切り、押し込んだKINGレイナが最後は足を止めての打ち合いも、熊谷も怯まず左右のフックを打ち返してタイムアップに。キックとして試合をリードしたと思われた熊谷だが、スプリット判定負けを喫した。

KINGレイナは不慣れなルールで懸命に戦った。だからこそ、この判定は必死に戦った2人の選手と、格闘技に対する尊厳が感じられない結果に思える。


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DEEP95 J-CAGE Report ブログ 大原樹里 鈴木琢仁

【DEEP95】ペダラーダ!!!!! 大原樹里、蹴り上げで鈴木琢仁をKO!!! 「ジムの皆の勝利!!」

【写真】このKO勝ちはインパクトが大きい(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<ライト級/5分2R>
大原樹里(日本)
Def.1R by KO
鈴木琢仁(日本)

左フック、左ボディを入れた鈴木が左ミドルを蹴る。大原が右を入れると、鈴木がクリンチから離れて左右のフックを連打する。ヒザ蹴りを見せた大原、ダメージが合ったように見えた鈴木だが、これをキャッチしてテイクダウンを奪う。直後に大原が蹴り上げを見せると、鈴木はモロに受けて前方に崩れる。

蹴り上げでKO、衝撃的な勝利をした大原は「この勝ちはジムの皆の勝利」と話した。


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DEEP95 DEEP96 J-CAGE News ブログ 佐藤洋一郎 大原樹里 川原波輝 笹晋久 越智晴雄 鈴木琢仁 阿部大治 高野優樹

【DEEP95&DEEP96】計量終了 阿部大治、佐藤洋一郎、越智晴雄、川原波輝、KINGレイナ計量パス

【写真】前日計量を行った選手は全員がパスしている(C)DEEP

22日(土)、明日23日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP95及びDEEP96の計量が中野区中野サンプラザ15Fエトワールで行われた。

昼の部=DEEP95のメインは阿部大治のDEEP初陣となる佐藤洋一郎戦。この他、キックルールでKINGレイナが熊谷麻理奈と対戦、2回戦ながら要注目のライト級マッチ=大原樹里✖鈴木琢仁が組まれている。


夜の部=DEEP95は、DEEPストロー級選手権試合=王者・越智晴雄✖挑戦者・川原波輝をメインに、3回戦ではバンタム級の昇侍✖CORO、高野優✖笹晋久、フライ級の村元友太郎✖鮎田直人がマッチアップされている。

2大会合わせて17試合、メガトン級の関根シュレック秀樹のも当日計量となっており、他33名のファイターに体重オーバーはなかった。

■ DEEP96計量結果

<DEEPストロー級選手権試合/5分3R>
[王者]越智晴雄:52.1キロ
[挑戦者]川原波輝:52.15キロ

<バンタム級/5分3R>
昇侍:61.45キロ
CORO:61.4キロ

<フライ級/5分3R>
村元友太郎:56.9キロ
鮎田直人:57.15キロ

<バンタム級/5分3R>
高野優樹:61.65キロ
笹晋久:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
島袋チカラ:56.95キロ
松丸息吹:56.95キロ

<バンタム級/5分2R>
橋本優大:61.55キロ
ヒロヤ:61.65キロ

<フェザー級/5分2R>
岩永翔吾:65.25キロ
西谷大成:66.15キロ

<ライト級/5分2R>
レバナ・エゼキエル:69.7キロ
畠山祐輔:70.55キロ

■ DEEP95計量結果

<ウェルター級/5分3R>
佐藤洋一郎:77.5キロ
阿部大治:77.35キロ

<メガトン級/5分3R>
関根”シュレック”秀樹:─キロ
酒井リョウ:101.5キロ

<キック63キロ契約/3分3R>
KINGレイナ:63.0キロ
熊谷麻理奈:61.95キロ

<ライト級/5分2R>
大原樹里:70.5キロ
鈴木琢仁:69.85キロ

<ライト級/5分2R>
LUIZ:70.8キロ
大木良太:70.8キロ

<95キロ契約/5分2R>
ジョシュア・ロビンソン:94.95キロ
中村圭佑:94.2キロ

<フェザー級/5分2R>
高塩竜司:65.85キロ
鬼山反猫:66.0キロ

<フライ級/5分2R>
渋谷カズキ:56.85キロ
加藤瑠偉:56.6キロ

<ストロー級/5分2R>
林豊:52.6キロ
キンタ・ジ・エンド:52.35キロ

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【DEEP95&DEEP96】阿部大治初参戦、越智✖川原II、KINGレイナキック戦など、PPV配信決定

【写真】1年5カ月ぶりの再戦となる川原と越智。DEEP96のメインで組まれている(C)MMAPLANET


11日(火)、DEEPより8月23日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP95&DEEP96がPPV配信されるという発表があった。

正午試合開始となるDEEP95では2試合の3回戦、UFC&ONEベテランの阿部大治✖佐藤洋一郎のウェルター級戦、メガトン級は関根シュレック秀樹✖酒井リョウに加え、2回戦はライト級の鈴木琢仁✖大原樹里など6試合、またKINGレイナが熊谷麻里奈と戦いキックルール3分✖3Rの計9試合が組まれている。


午後6時開始のDPPE96ではDEEPストロー級選手権試合=チャンピオン越智晴雄✖チャレンジャー川原波輝戦以外にも、バンタム級で昇侍✖CORO、高野優樹✖笹晋久とフライ級では村元友太郎✖鮎田直人と3回戦が3試合と2回戦・4試合がマッチアップされている。

この両大会、既にチケットはソールドアウトとなっており、PPV配信が行われることとなった。両大会とも個々の視聴価格は2500円となっているが、前売り予約のみ2大会セット=4000円で視聴も可能だ。また2大会とも試合開始までは過去の試合映像や見所などが無料で視聴できるようになっている。そして、PPV購入者の中から抽選で20名に2大会の出場主要選手のサイン入りパンフレットがプレゼントともあるという。

タイトル戦、初参戦、3回戦級の2回戦と──ライブで楽しむためのPPV購入はコチラから。

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【DEEP95&96】DEEPが8月23日にニューピアでダブルヘッダー。阿部✖佐藤、越智✖川原等が組まれる

【写真】カード発表の際、パッと目に留まったカード──それが高野✖笹、そして大原✖鈴木だった(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

6日(月・現地時間)、DEEPが8月23日(日)に東京都港区のニューピアホールでDEEP95とDEEP96のダブルヘッダーを開催することを発表した。DEEPは3月1日の後楽園ホール大会以降、4月の大阪大会と5月6日のJEWELSとのダブルヘッダーを中止とし、今月23日にJEWELS新宿FACE大会で活動再開──そして、今回のダブルヘッダーでケージMMAが復活する。

両大会とも予防対策として、観客はマスク着用で入場時に検温(※2度に渡り37.5度以上の発熱が確認されると入場できない)、また接触確認アプリに登録もしくはチケットの半券の裏に指名と住所、連絡先を記入することとなっている。加えて手指の消毒のために会場各所に消毒液が設置されるとのこと。

そのうえで感染拡大状況によってイベント中止もあるという一文がリリースには添えられている。

そんなニューピア・ダブルヘッダー、正午試合開始となるDEEP95では5月大会からUFC&ONEベテランの阿部大治✖佐藤洋一郎のウェルター級3回戦がスライドされ、3回戦ではメガトン級の関根シュレック秀樹✖酒井リョウ、2回戦で関根の同門=鈴木琢仁が大原樹里とライト級の一戦がマッチアップされている。

4月の大阪大会からは95キロキャッチウェイト2回戦=ジョシュア・ロビソン✖中村圭佑が再マッチメイクされた。さらにZSTグラップリング=GTF04出場権が掛った昨日の予選大会で見事に2試合連続一本勝ちし60キロ級本戦出場を決めた渋谷カズキが、加藤瑠偉と戦うフライ級2回戦も組まれた。

午後6時開始のDPPE96ではDEEPストロー級選手権試合=チャンピオン越智晴雄✖チャレンジャー川原波輝戦、3回戦では昇侍✖COROのバンタム級、フライ級の村元友太郎✖鮎田直人、バンタム級はもう1試合=高野優樹✖笹晋久の対戦が発表された。

越智✖川原は昨年3月以来、1年5カ月ぶりの再戦で王者は昨年末のジャレッド・ブルックス戦の黒星から再起を賭け、返り討ちを狙う。村元はRIZINで敗北を喫して以来1年振り、DEEPは2年のインターバルを空けての再登場、対する鮎田は昨年12月に伊藤裕樹を破ったのに続きアップセットを目指す。

高野✖笹はHEARTS→Fight Farm=高野、Tribe Tokyo MMA→パラエストラ柏=笹という母体を変えて再上昇を目指す者同士の興味深い顔合わせだ。


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DEEP95 Interview J-CAGE しなしさとこ にっせー ブログ

【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─02─「家でデキることをエンジョイ」

Shinashi【写真】取材をした日の夜の献立はビーフシチューとズッキーニカルパッチョ、塩麹チキンと紫タメネギのサラダ。ご飯も土鍋で炊いている凝りようだ(C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、にっせーと対戦予定だったしなしさとこインタビュー後編。

大会は中止となったが、それまで息子と離れて生活し、練習を続けていたという彼女は、試合がなくなったことに関しては淡泊なほどに「しょうがない」という感情しかなかったという。

家族と離れてまで練習をする──しなしの格闘家として性とは、正反対のように試合がなくなるとステイホームの楽しむ性質。コロナのある時代の日常生活と格闘技への取り組み方、常にベストを尽くす──しなしさとこの生態が明らかになった。

<しなしさとこインタビューPart.01はコチラから>


──それでも事態が変わってくるなか、中止に至るまで色々と気持ちがブレることはなかったですか。

「試合がある、ないに関係なく練習はしていました。今回はコロナウィルスという問題が加わりましたけど、私は小さいし、年はいっているし、弱いから常にケガに気を付けて、自分がやらないといけないことをしっかりとやるという気持ちでやってきました。

練習はサボらないこと。息子と離れていても、勝ちたかったです。でも私、ヤバイですよね(笑)」

──ヤバイですねぇ(笑)。ただ、中止になった時はホッとしたとかはなかったですか。

「K-1が開催されて、色々と叩かれた時点で大会は絶対にないと思っていました。だから、中止決定の時に感情のブレはなかったですね。自分は自分、それまではやることをしっかりとやるしかなかったですし。いつでも戦える準備をしておかないと、試合を戦うことはできないですから。命が大切だということは当然ですし、だから中止が決まった時も『しょうがない』と思っただけです。

それからはデキることをやる方向に切り替えましたけどね。実家の道場を使ったり」

──普段の生活も変わったのではないですか。

「だって犬としか会わないですから(笑)」

──アハハハハ。

「あとは家にこもって、掃除と料理を徹底してやっています。今は特に料理に走っていますね。スコーンとかマフィンまだ家で焼くようになりました」

──それは凝り性ですね(笑)。素敵なステイホーム方法だと思います。

「料理って……普段の生活では、そこまでできないから。もう、こんな時だからこそデキることで楽しもうかなって思っています。暗い話ばかりしてもしょうがないですしね。既に世界にはコロナが存在しているので。私自身は現状を見ると、年内は試合ができないかもしれないと思っているし」

──無観客大会を開くところ、そうでないところと2つの流れが日本の格闘技界も出てきそうですね。

「私はお客さんに来てもらわないと収入にならないので、今は試合をしなくて良いかと思っています」

──にっせー選手にリベンジしたいという気持ちも、それで抑え込むことができるのですね。

「う~ん、それとこれとでは問題が違いますからね。今はそういうことを言っている時期ではない。ただ試合がしたいという年齢でもないですし、世間体も大切です。これからコロナで不景気になることは間違いないですから。

そうなると一般の人が家計から削るのは、娯楽ですよね。格闘技観戦は娯楽で、今は皆がそこを楽しむ余裕がないです。ワクチンができるまでは、格闘技の大会があるのはそういう世間に対してイメージ的にも良くないと思います。人が一か所に集まるということを考えると、試合はしない方が良いと思っています。

私自身、道場には行っても実家にも寄らないですし。最悪の状況を考慮するからこそ、親とも2カ月半とか3カ月近く会っていないです。だから今、家でデキることをエンジョイしようと思って料理に凝っている感じですね(笑)」

──コロナがある時代だからこそ、できることを楽しむということですね。しなし選手は。

「ハイ。家で、できて。他の人の感染リスクを高めないなら、何でも良いと思いますよ。だから私は料理以外でも、映画を凄くたくさん視ています」

──あぁ、我が家でも娘も家内もNetflixで映画を視まくっていますよ。

「あのう……私はDVDです。私、そのネット系とか弱くて(笑)。BSとかWOWOWは視ているんですけど!!」

──Netflixの料理番組とか、凄く楽しいですよ。

「ネットフリックスぅ?? 私、アナログなんですよ。ちょっと調べてみますね。それで申し込みます」

──申し込むことは決定ですか(笑)。いやぁ、しなしさとこ面白いですね。一応、DVDもデジタルですけどね。DVDのDはデジタルですしね(笑)。

「アハハハハ。私、毎日のようにレンタルしに行っていました(笑)。早朝に行くと、人も少ないですし。今、早寝早起きなんです。朝5時に起きて、2度寝して7時に起きて料理を始める感じで」

──料理を趣味にしていると、バターが買えなくて困ったりしませんか?

「えぇ? 売っていないですか?」

──自分の家は基本は生協の宅配なんですが、足らないモノは人を避けてスーパーの閉店2時間ぐらい前に行くようにしているんです。1時間前からまた駆け込みで込んでくるので。

「あぁ、夜だからバターとかないんですね」

──はい。粉モノも。

「でも子供の時間に合わせていると、すぐに昼になってしまいますよね。分かるぅ、ソレ(笑)。私は夕方は行列が凄いので、その時間にスーパーに行くことはないです。午前中にすべきことを済ませ、それから出るのは犬の散歩ぐらいですね(笑)。

こんなこと言うと不謹慎かもしれないですけど、家から出ないのも結構良いものですよ。だから格闘技のファンの皆さんも、今、家でできる楽しいことを見つけて乗り切って欲しいです。そして、コロナが終息すれば格闘技を思いっきり応援してもらえればと思います」

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DEEP95 DJ.taiki Interview J-CAGE ブログ 小見川道大

【DEEP95】5月6日のDJ.taiki戦が無くなった小見川道大─02─「格闘技を不要とは言われたくない」

Michihiro Omigawa【写真】これが小見川パイセンの山の中、野獣トレだ(C)MMAPLANET

DEEP95でDJ.taikiと対戦予定だった小見川道大インタビュー後編。

コロナウィルス感染拡大、緊急非常事態宣言下、大会が中止され、道場が閉められても小見川は山を駆け回り、トレーニングを続けている。

そんな小見川にとって、コロナ時代の格闘技とは何かを引き続き尋ねた。そして「皆、格闘技は必要でも我慢しているんだ。不要ではない」という言葉が訊かれた。

<小見川道大インタビューPart.01はコチラから>


──今も対人練習ではなくても、トレーニングを続けている小見川選手ですが、大会が中止になった時はどのような気持ちでしたか。

「中止が決まった時は、無理やりやることはないんだとホットしました。あの状況では大会は開けないので、素晴らしい判断だと思いました。それに大会が決行されるなら、自分から辞退しようと考えていたので」

──そうだったのですね。いずれにせよ、4月7日に中止の発表があり、そこからの世の中の進み方は急でしたしね。

「僕が柔道から教わったのは、攻めから入らないこと。受け身、自分の体を守るということなんです。どうしても自分の体、家族のこと、道場生のことを考えると、このタイミングの大会で試合はできなかったです」

──では17日にRoad to ONE02が開催されたことは、どのように感じましたか。

「あの大会はABEMAで見ているとケージの回りに防護服を着ている人がいて、凄いなって思いました。記事を読んだり、話を聞いた限りでも相当な覚悟をもって開いていたことは分かりました」

──この状態が続くと、ああいう形でしか大会は開けないかもしれない。そのために準備をするという考えがあったと思います。『科格闘技大会は仮死状態が続くと、そのまま死んでしまう』という言葉も聞かれました。

「そこまで思ってやっているなら、凄いですね。世の中には。そうでもない人もいますからね。まぁ、やりたいならやりたいなりにそれぐらいの覚悟をしてやっているということですよね」

──ただし、是非は人それぞれだと思います。

「出ている選手の気持ちは伝わってきましたよ」

──今後DEEPでも、他の大会でもあのような状況で大会が開かれオファーがあった場合はどうされますか。

「戦いたいというのはあります。何もなけりゃ、戦いたいです。僕は戦うのが好きなので。格好良くなれる瞬間だし。それでも道場もあるし、家族もいるから……コロナがどんなものかも分かっていないので……。

でも僕らは格闘家で。格闘技を不要とは言われたくないです。みんな、格闘技が必要なのに我慢しているんですから。そこは分かって欲しいです」

──まったくもって、その通りですね。

「山とか走っていて思うんですけど、俺は戦いたい派なんです。でもコロナ騒動でずっと戦えないなら、俺は山の中に相手を呼んで一対一でやっても良いんじゃないかっていう気持ちになってくるんですよ(笑)。レフェリーがいないと示しがつかないから、3人でやって。

誰かが動画で撮影して。それでも戦いたいなって思っちゃうことがあるんです。本当にこれから、どうなるのか……ってことですからね」

──そこも批判されてしまいますけどね。

「そうですね。この間の大会もそうですけど、格闘技界からは反対の声はあまり出ないです。でも一般社会から見ると、それは違いますしね。

山で4人でやっても、そこに無症状の感染者がいて、そこでうつることもありえますからね」

──そこで2週間、隔離してまで試合ができるのか。そういうことと向き合う時代になったかもしれないです。格闘技を続けるには。

「いや、本当にそうですね」

──11✖11で90分、ボールを追うのも。10人ぐらいの集団で、10キロ、20キロ走るのも、皆、そういうリスクがある世界。でもワクチンがあれば、インフルエンザと同じになるかもしれないです。

「そう考えると、格闘技は一対一ですからね。とにかく覚悟ですよね。覚悟」

──ではパイセンも、覚悟をもってDJ.taiki選手と山の中での試合を(笑)。

「一対一で(笑)。でも、ホント許されるなら、それでも戦いたいですよ。僕が柔道から格闘技を続けているのは自分自身が格好良くありたいからです。格好良い人間、それは強い人間だと思っています。

だから、また戦える時がきたらビンビンでやります」

──今はビンビンは控えてくださいね。濃厚接触はキケンです。

「アハハハハ。最後はそっちですか(笑)。了解しました。消毒して……ね」

──バカヤロー!!(笑)

「アハハハ。でも、高島さんもこんな時ですから、本当に体に気を付けてくださいね」

──押忍、ありがとうございます。

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DEEP95 Interview J-CAGE しなしさとこ にっせー ブログ

【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─01─「息子と別々に暮らし練習していました」

Shinashi【写真】なぜ、この写真なのかは──後編で明らかになります (C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP95=後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、ニッセーと対戦予定だったしなしさとこ。

大会は中止となったが、昨年4月にキャリア3戦目のにっせーに負けた事実を彼女はどのように捉えていたのか。そして、再戦に向けコロナ感染拡大が続くなかでの練習への取り組み方──中止決定後の生き方について──自由人しなしさとこに尋ねた。


──まず昨年12月に、にっせー選手に敗れてから4カ月。再戦する予定だった大会が中止になりましたが、まずキャリア3戦目の選手に敗れたことについて、どのように捉えていましたか。

「あの時は……交通事故にあっちゃったみたいな感じでした。勝ち続けないといけないっていうプレッシャーは格闘技を始めてから持ち続けてきたのですが……あの試合は、やっちゃたなって」

──周囲はどのような反応でしたか。

「(練習パートナーで、セコンドを務める若林)次郎さんは、『負けたんだから、またやって勝てば良いだろう』っていう感じで凄くクールでしたね。私は勝ち負けに拘り過ぎる人間で、常に勝たないと我慢できない性格なので……」

──分かります(笑)。

「なので、試合後に顔が腫れて次郎さんが『とりあえず氷を当てて』と言ってくれても『氷なんて要らないっ』、『キーっ』って感じで」

──キーっですか(笑)。

「ハイ、もう悔しいし負けを認めなくないし。そうしたら次郎さんは『まぁ今は考えられないかもしれないけど、次にやって勝てば良いのだから。今はとにかく休んで』っていう風でした」

──プロ練習に参加しているグランドスラムの勝村周一朗代表は?

「周ちゃんは会場にはこられなかったのですが、あとから会った時に『やっちゃったね』みたいな感じでした。それと『女子と練習する時間を増やして』と言ってくれて、5月の試合の準備をしているときも、周ちゃんところの女子選手と練習をするようになっていたんです」

──グランドスラムでは女子選手と練習できる環境が今あるのですか。

「あの試合に負けるまでは沙弥子がプロ選手ではいるのですが、彼女は日中に働いているからプロ練習に参加できることが少なくて。私は子供がいて逆に夜の練習に通うことはできないから、ほんの少ししか練習したことはなかったです。でも、あれからはアマチュアの子とも一緒に練習しています」

──しなし選手が女子と練習するのは、もう2000年代の序盤移行は印象がないです。

「でも滝本美咲ちゃんは近所に住んでいたので、週末は一緒に練習させてもらっていましたよ。今は道場が閉まっていてできないですが、今年はグランドスラムで女子とする練習は増えていました。女子とやるときは、なんか気持ちの持ちようが違いますね。やっぱり女子は女子と練習すべきだったんだって改めて思うようになりました」

──気持ちが違うというのは?

「ピリピリ感が違いますね。なんか私、子供を産んでからピリピリ感を失っていたなって。やっぱり人と揉めることが嫌いになるし、角が取れて丸くなってしまっていて。居心地良い生活を求めると、自分の世界が居心地の良くなっちゃっていて」

──ある意味、当然なのですが。

「ハイ、普通に生活しているなら当然です。でも私はまた戦うようになっていたし。それなのに練習中に他の人とぶつかると『大丈夫?』って気遣ったり、合間に笑顔で話すとか、そんなもん練習中に必要ないのに。

ピリピリしていないと、私は体が小さいから労わってって思ったりして(笑)。何のための練習だったのって。それがキャリアの少ない女子選手が、200パーセントで向かってきてくれて。組んじゃうと差があるので、打撃でガンガン来てくれるのが、今の私に必要な練習になっています。

もちろん次郎さんと繰り返して反復練習をするという軸は崩さないで、そこに女子選手とのスパーリングを取り入れて、凄く良い練習ができていました」

──女子、体格の二重苦をようやく解消しつつあったと。

「ハイ。そうやって練習していると、前の負けも吹っ切れちゃって。だって誰だって負けるのに。無敗なんて無理ですから。今からすると、ようやく自分の階級ができたことで浮かれていて集中力が欠けていたかもしれないです。でも、タイトルマッチでもないし普通の試合で、やっちゃっただけだから」

──負けの認め方も、負けず嫌いじゃないですか(笑)。

「アハハ。そりゃ1つの負けで、全てを持っていかれるのは嫌だなって思いますよ」

──ただ交通事故とはいっても、あの前蹴りはにっせー選手が練習してきた技で。そこを貰ってからペースが崩れたというのはあります。

「そうですね、見えていなかったです。(渡辺)久江の時のように一発でやられていたら納得できるのですが、それがないから『なんで止めるの?』とはなっちゃいました。

vs Nisse組んで大内に行った時にケージを掴まれて。それも想定していたのに、慌てていたから右フックとかもらっちゃいましたし。でも、離れ際のパンチとか足関節の対応とかはしっかりと対策を練られていたなって思います」

──いや、やはりメッチャ悔しそうですよ。

「そうそうそう(笑)。でも、良いことでしょ?  悔しいって。まぁまぁまぁ負けちゃったから、しょうがないですけど腹の底からクゥーってなりましたからね。私ってキキキキっていうオバサンの怒り方じゃなくて、クゥーっていう怒りが勝つまでずっと続くんですよ。それがあったから、なんか私はまだまだできるなって思いました」

──そして再戦が決まったのですが、格闘技に限らずスポーツ、エンテーテイメントが軒並み中止になるなかで、コロナ感染の恐怖などはなかったですか。

「ハイ、格闘技の対人練習は濃厚接触ですからね。そこは……ですね。私には息子がいるし、あの子に感染させちゃ絶対にダメだと思っていました。かといって私が実家へ行っても両親も高齢ですから、寝泊りなんてできない。だから小学校が休みになった時点で息子と別々に暮らして、練習をしていたんです」

──えっ? いや……しなし選手、それは正気の沙汰ではないですね。

「ですよね。でも、勝ちたいから練習をしないわけにはいかないし」

──う~む……。

「そうしたら、犬を飼うようになっちゃいました(笑)」

<この項、続く>