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【UFN239】唯一のUFCキプロス人戦士は井上&平田=ダブル直樹の練習仲間、ハラランポス・グレゴリユウ

【写真】(C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN239:UFN on ESPN+97「Tuivasa vs Tybura」が開催される。そのオープニングバウトでオクタゴン・デビュー戦を戦うハラランポス・グレゴリユウは現在、唯一のキプロス人UFCファイターだ。
Text by Manabu Takashima

昨年8月にコンテンダーシリーズからUFCとサインしたグレゴリユウは、コスタ・フィリッポウに続く史上2人目のUFC契約下選手でもある。エーゲ海に浮かぶ島、そんなイメージしかないキプロスで如何にグレゴリユウはMMAファイターとなり、世界の最高峰に辿り着いたのか。チャド・アンヘリガー戦を控えたグレゴリユウに初インタビューを試みた。


──今日はインタビューをさせていただきありがとうございます。最初に名前の発音を教えていただけないでしょうか。

「ファーストネームはハラランポス。ラストネームはグレゴリユウだよ」

──チャラランポスではないのですね!!

「ギリシャ語ではハラランポスで、ヨーロッパではハラランポスと呼ばれるんだけど、米国にくるとチャラランポスになってしまうんだ(笑)」

──なるほどです。米国では英語流の発音に改められることがほどんどですね。ところでキプロスの格闘技、MMAに関して全く知識がありません。ハラランポスがMMAを始めたきっかけを教えてもらえますか。

「僕は6歳の時に松濤館空手を学び始めた。黒帯になり、キプロスやギリシャのチャンピオンになった。ヨーロピアン選手権では5位になり、もっとアクションのある戦いを欲したら、父に空手を辞めたいと伝えたんだ。でも父からは『お前が空手を続けるのに、どれだけお金を使ってきたと思うんだ』と言われ、他のコンバットスポーツをやることを許してもらえなかった。しょうがない。僕は戦いをストリートに求めたんだ」

──……。なんとも。

「毎週のようにポリスが家にやってくるもんだから、ついに父は『もう外で暴れるのは止めろ。何がしたいんだ』と言って来たよ(笑)」

──空手で何を学んだことやら……。

「ハハハハハ。父にはプロファイターになりたいと伝え、キックとムエタイを始めた。腹を殴ることしか認められない空手に満足できなくなっていたんだ」

──MMAを始めてから、長い距離にあるポイント空手は生きることはなかったですか。

「う~ん、空手は蹴りを多用するから距離が遠くなるけど、またMMAとは違うよ。まぁ、UFCでも空手がバックグラウンドの選手は距離を取って戦ってきたけどね」

──押忍。ではキックやムエタイでも空手時代のように欧州を舞台に戦ってきたのですか。

「ノー。キプロス国内だけだ。キプロスでキックの王者になり、もっともっとアクションを欲した。結果、MMAを戦うようになったんだ。ただキプロスは打撃のレベルは高くても、MMAのレベルは低かった。すぐにキプロスのMMAチャンピオンになり、より高度な練習が必要だと思って米国に移り住むことにした。僕の目標はUFCファイターになることだったから。

米国にやってきて、まずは友人が持っていたジムで練習を始めた。でも彼がジムを閉めて違うジムに移ったけど、そこでは僕が一番強かった。そんな環境では成長できないから、ロンゴ&ワイドマンを訪れた。アルジャメインとスパーリングをして、ここで練習しようって決めたんだ。2018年のことだよ」

──ロンゴ&ワイドマンだと、日本人選手との交流もあったということですね。

「ミズキ(魅津希)、ナオキ(井上直樹)、ササキ(佐々木憂流迦)、皆、僕の友達だよ。イツキ(平田樹)と一緒にもう1人のナオキ(平田直樹)もやってきた。背の高い方のナオキとは、本当によく練習した。日本の選手はとても優れているけど、彼は本当に良いファイターだよ。もう1人のナオキとは、試合でフロリダにも一緒にいった。彼もタフな素晴らしい可能性を持った選手だった。

また、2人のナオキと練習をしたいね。日本の選手が僕らのジムにきて練習することを歓迎するよ。もっともっと多くの日本人選手と一緒に練習したい」

──ところでハラランポスがUFCとサインをしたことに対して、母国での反響は?

「マイ・ゴッド!! 唯一のキプロス人UFCファイターを国中あげて応援してくれている。僕自身、キプロスを代表して戦うことに誇りを持っているし。その想いを胸に今週末も戦うよ」

──UFCには以前、コスタ・フィリッポウが在籍していました。当時とはキプロスも様子が違うのでしょうか。

「彼も僕と同じようにキプロスから、米国に渡ってUFCで活躍していた選手だ。ただ10年前は、UFCやMMAの認知度が今とは違っていた。当時、キプロスではMMAが浸透していなかった。それが今では、UFCのドキュメンタリー撮影のために3日間帰国したら、毎日のように僕はテレビやラジオに出演していた。

キプロスのMMA熱が高まり、米国に追いつけるようになるのが僕の夢であり、使命だ。まだ口にするのは早いかもしれないけど、UFCで活躍して僕がUFCキプロス大会を開く原動力になる。コスタ・フィリッポウは過去、僕は現在。そして、未来になるつもりで努力している」

(C)Zuffa/UFC

──そんなハラランポスですが、今週末にチャド・アンヘリガーと対戦します。

印象を教えてもらえますか。

「彼は今回が契約最後の試合だから、必死に戦ってくるだろうね。ただ、僕が心配するようなことは一切ない。どの局面でも、気になる攻撃や技術を持っていない。ただタフでスタミナがあるだけだ。立ち技でも、寝技でも勝てる。何も問題ない。どこでも戦える。気の毒だけど、彼のUFCキャリアは土曜日の夜に終わるよ。

打撃、パワー、自分のスキルを信じている。誰も僕のようなパワーのある打撃を使うことはできない。パンチ一発で、試合を終らせる。そして、僕の名前と同時にキプロスという国を世界中にアピールしたい」

■視聴方法(予定)
3月17日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■ UFN239対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
タイ・ツイバサ(豪州)
マルチン・ティブラ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
アンジェ・ルーザ(スイス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)

<フェザー級/5分3R>
クリスチャン・ロドリゲス(米国)
アイザック・ドルギャリアン(米国)

<バンタム級/5分3R>
パニー・キンザッド(スウェーデン)
メイシー・シェエソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート(米国)
ブライアン・ベルベレナ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・デイヴィス(米国)
ナタン・レヴィ(イスラエル)

<女子バンタム級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス(ブラジル)
チェルシー・チャンドラー(米国)

<フライ級/5分3R>
オーデ・オズボーン(米国)
ジェフェウ・フィリョ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・クリバオ(豪州)
ダニー・シルバ(米国)

<ライト級/5分3R>
チアゴ・モイゼス(ブラジル)
ミッチ・ラミレス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ(英国)
ジャケリン・アモリン(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
チャド・アンヘリガー(カナダ)
ハラランポス・グリゴリユウ(キプロス)

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【ONE FN16】モン・ボー戦へ、三浦彩佳─02─「誰も知らない場所で誰も知らない強い選手と」

【写真】本人は負けたことで評価されたくない風の三浦だが、組み技でダニエラ・ケリーに取らせず、袈裟に入ったことはMMAで彼女と戦う対戦相手は組みの強さが頭に残っているはずだ(C)ONE

4日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night16で、モン・ボーと対戦する三浦彩佳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

現在、ONEと契約しながら試合の機会に恵まれないファイターは多い。今年に入ってONEを離れるファイターも増えている。そんななかで三浦がONEでの試合を望んだ理由と、彼女の覚悟とは。

<三浦彩佳インタビューPart.01はコチラから>


――結果、ですか。現在グラップリングマッチも含めてONEで3連敗中という結果は、どのように受け止めていますか。

「ヂィンナン戦でベルトを獲れなかったあとのダヤニ・ソウザ・カルドゾとの再起戦で、今までで一番の絶望を感じました。まさか試合中に肩を脱臼するとは思っていなくて――。そのあとも小さな怪我が重なることもありました。その時に『ヤバいな』と思ったんです。もう年齢も年齢だし、初めて連敗を喫していたので。

結構苦しい時期が続いていたなかで、ダニエル・ケリーとグラップリングで戦いました。試合中に分からないことが多くて、またパニックになり、結果も負けで――なかなか試合が組まれないことも含めて『もうどうしようかな……』と思うことは多かったです」

――……。

「TRIBEに入って10年の間で初めてじゃないかっていうぐらい、長南さんともちゃんと話ができない時期が続いていました。一番の理由は、ONEで試合が組まれないことです。なぜMMAの試合が組まれないのか……。それを長南さんに言っても仕方ないことは分かっているのに。……グスッ、グスッ」

――嫌な時期を思い起こさせてしまったようですね。ここで涙を……。

「いえ。いま鼻をすすったのは、花粉症です(笑)」

――えぇっ!?

「嘘をついているわけじゃないですよ。今回はABEMA TVのインタビューでも、ワーッと泣いちゃって。もっとカッコ良くインタビューを受けたいです!」

――アハハハ。長南さんと話ができない時期というのは、どういった状態だったのですか。

「まず長南さんに『試合がしたい』と伝えたんです。すると長南さんから『ONEで試合が組まれていないのは、お前だけじゃないんだ』と言われました。でも私は試合がしたい、ということの連続でした。もちろん何もなかったわけじゃなくて。ただ、試合の話があっても正式決定にならない――ということが繰り返されて。それでTRIBEを離れるというわけじゃないです。でも長南さんと意見が食い違うことはあって、すごく苦しかったです」

――そこでTRIBEを離れることはなくても、ONEを離れるという選択肢はなかったのですか。三浦選手の実績であれば、国内プロモーションからオファーは殺到するでしょうし、少なくとも試合がないという状態にはならないように思います。

「正直、国内で戦うことを考えなくはなかったです。やっぱり私としては、自分がずっと練習しているなかで試合がなく、他のTRIBEの選手はどんどん試合をしている。私自身もすごく調子が良いのに、でも負けているから大きなことは言えない――と思っていて。

それで『どうしようかな……』と考えている時に、村田夏南子選手、魅津希選手とスパーリングする機会があったんですよ。二人ともグラップラーと試合をするからと、私をスパーリング相手として呼んでくれて。そこから毎週のようにスパーリングしているうちに、『MMAをやるかぎりは、どうせなら誰も知らない場所で誰も知らない強い選手と試合がしたい』と思ったりしました。UFCファイターと練習していると、すごく刺激にもなりましたし。だから、長南さんから『どうする?』と訊かれた時に言ったんです。『私、ヂィンナンと再戦したいです』って」

――「安西先生、バスケがしたいです……」という状態ですね。

「……私が目指しているのはONEのベルトだし、ずっとヂィンナンと再戦したいと思っていました。それで長南さんにも『ONEでやりたいです』と伝えたんです。すると『本当にそれで良いんだな?』、『覚悟を決めました』って」

――なるほど。それほどの覚悟を決めて臨むモン・ボー戦ですが、この相手に決まった時の気持ちを教えてください。今はONEで連勝中で、タイトルコンテンダーの一人です。

「モン・ボー選手の名前を聞いた時、『おぉっ!!』と思いました。試されているなぁって、嬉しかったですね。個人的にはモン・ボー選手は、次の試合でベルトに挑戦すると思っていて。そんな相手との試合が決まり、長南さんからも『決まったからな。あとはゴチャゴチャ言わずに、やるだけだぞ!』と言われました。私も『ありがとうございます!!』って。

客観的に見ても、私とモン・ボー選手だと面白い試合になるんじゃないかなって思います。女子であれだけKOできる選手はいないと思うし、デビュー戦でジャン・ウェイリにも勝っていて、すごく強いファイターです」

――特にあれだけ至近距離で強く右を打ち込める女子ファイターも、なかなかいませんね。

「やっぱり打撃×寝技っていう見方はされると思います。そのモン・ボー選手に組みつくための方法は堀江トレーナーさんと一緒に、いろんなバリエーションを体に染み込ませています。今までも練習していたことではありますけど、何をどう出すかは実際にモン・ボー選手と向き合ってみなければ分からないです。でも今回はスパーリングも、相手にモン・ボー選手を想定した動きをしてもらったりとか。当日は今までとは違う動きも見せられるかと思っています」

――それは楽しみです。

「……ダニエル・ケリー戦も『あやかロックは出さない』と言いながら、結局は出してしまいましたからね。だから最終的にはどうなるか分かりません(苦笑)」

――もちろん自分が最も得意な形を完全に封印して戦う必要はないでしょう。ただ、今は「あやかロックしかない」のではなく「あやかロックもある」とバリエーションが増えているということですよね。

「そうですね。気持ちの面でも、落ち着いて戦えるようにもなりました。普段からBellatorファイターの渡辺華奈さんと練習していて、UFCファイターの村田夏南子選手と魅津希選手のファイトキャンプにも参加させていただいたし、本当に良い経験ができていると思っています。今回こうして試合ができるのは、応援してくださる皆さんのおかげです。まずは次の試合に勝って、ヂィンナン選手とベルトを賭けた再戦まで辿り着きます」

■放送予定
11月4日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN16対戦カード

<ONEキックボクシング世界バンタム級王座決定戦/3分5R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEサブミッショングラップリング世界ウェルター級(※83.9キロ)王座決定戦/12分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
マゴメド・アブドゥルカディロフ(ロシア)

<ムエタイ140ポンド契約/3分3R>
サクセン・オークワンムアン(タイ)
カリム・ベイーノ(アルジェリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ハリル・アミール(トルコ)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ムーシネ・チャフィ(スペイン)

<キックボクシング・ストロー級/5分3R>
ジェン・ペイメン(中国)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
モン・ボー(中国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ベン・タイナン(カナダ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

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DJ.taiki MMA MMAPLANET o Special UFC UFN UFN228 ハナ・ゴールディ フランキー・エドガー ヴァネッサ・デモパウロス 大沢ケンジ 水垣偉弥 魅津希

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月魅津希×ゴールディ「練習してきたことを試合で出せるセンス」

【写真】オクタゴンで、しっかりと勝てる。素晴らしいことだ(C)Zuffa/LCC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年9月の一番──9月23日に行われたUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」での魅津希×ハナ・ゴールディ戦について語らおう。


――今回水垣さんにはUFN228での魅津希×ハナ・ゴールディを選んでいただきました。

「魅津希選手は約3年のブランクがあって復帰戦が組まれて、UFCなので相手のレベルも高いですし、大変な状況だったと思うんですけど、本当にいい勝ち方をしたと思います。UFCにおいて日本人がなかなか勝てないという状況が続いている中で、同じ日本人としてうれしい勝利でしたね」

――僕も試合を見ていて、ブランクを感じないほど序盤から身体が動いていたと思いました。

「すごく動きが良かったですよね」

――それだけ準備が出来ていたということでしょうか。

「UFC PIも利用してリハビリに向けたサポートをしっかり受けることが出来たのが大きいんじゃないですかね」

――結果的に時間をかけて治療、リハビリ、練習したうえで復帰したことがよかったのかもしれませんね。

「特に彼女の場合は小さい頃から格闘技をやっていて、年齢と比較して競技生活が長いと思うんですよ。それで細かい怪我も多かっただろうし、一度しっかり休んで怪我を治すことが出来たのは、これからに向けても大きなことだったと思います」

――技術的な部分についても聞かせてください。1Rはテイクダウンを狙うゴールディを首相撲でコントロールしたり、組みの攻防にイニシアチブをとっていました。

「あの首相撲もそうですし、自分殻をワキを差してゴールディにケージを背負わせたり、レスリング力がかなり向上しているなと思いました。下になる場面は2Rに1回あったぐらいで、あの時もすぐにスクランブルを仕掛けて、立ち上がっているんですよ。それまでの魅津希選手は打撃が出来て寝技も強いタイプで、テイクダウンされると下から勝負することを選択することが多かったと思うんです。でも今回は下になっても立つ、上を取り返すという意識が強くなっていて、MMAファイターとしての進化を感じました。ただ怪我を治して元の状態に戻って復帰するのではなく、それにプラスアルファで自分に足りなかった部分を補ってきたんだなと思いました」

――フィニッシュを狙う印象が強かった魅津希選手のMMAファイターとしての進化が見られた試合ですね。

「そうですね。やはりこういう戦い方ができると判定を拾いやすくなるので、判定も拾えてフィニッシュも狙える。それが出来るようになるんじゃないかなと思います」

――判定はジャッジ3名が29-28ながら、どのラウンドにポイントを付けるかがばらつきました。これについてはいかがでしょうか。

「僕は30-27でもいいかなと思いました。強いて言うなら2Rに一度グラウンドで上を取られましたけど、逆に上を取り返していますし、僕は完勝と言っていい試合内容だったと思います」

――今回の試合に限らず、魅津希選手のファイターとしての長所はどこでしょうか。

(C)Zuffa/UFC

「すごくファイトIQが高い選手だと思います。

スタンドでは細かいフェイントをかけるのが上手いですし、抑えるべきところをしっかり抑えて戦っている。ちゃんと相手を研究して戦って、試合を作ることが出来ますよね。唯一懸念していたのが、先ほどのグラウンドで下になった時にスクランブルを仕掛けるのではなく落ちついてしまうところだったので、そこはまさに改善されつつあると思います。

あとはフィジカルですね。今回の対戦相手はめちゃくちゃゴツくて、ちょっと力負けするんじゃないかと思っていたんです。そういう相手にも力負けしていなかったことも進化の一つですよね。あと僕は村田夏南子選手の存在も大きいと思っていて、村田選手のレスリングとフィジカルは世界に通用するものですし、一緒に練習していることがかなりプラスになっていると思います」

――これまでNYのセラ・ロンゴ・ファイトチームで練習していた魅津希選手ですが、この1年は日本を練習の拠点とし、山﨑剛代表のリバーサルジム新宿 Me,Weをべースに村田選手、CUTEで上田将勝さんと練習していたそうです。

「基本的に山﨑さんのもとで練習しつつ、村田選手と対人練習して、上田さんから細かいレスリング技術を教わって、そういう取り組みが出た試合だと思います。あと僕が『月刊、水垣偉弥のこの一番』に選んだ一番の理由でもあるんですけど、練習でやってきたことをちゃんと3年ぶりの試合でも出せるというところですね。それは彼女が持っているセンスであり、試合勘の良さなのかなと思います。

どれだけ練習で出来ていても、無鉄砲にいくだけだったら試合で出せないと思うんですよ。しかも魅津希選手の場合は新しい技術を学んだうえでの試合で、本番で今までやってこなかったことを出すのは簡単ではないし、それを3年ぶりの試合で一発で出してくるところはさすがだなと思いました」

――それも一つの才能であり、センスですよね。

「一言でそう言ってしまうと、乱暴ではあるんですけど、試合になった時に落ちついて戦えるメンタルなのか。普通は練習で出来ていても試合で出せない選手の方が多いと思うんですよ。でもそれが出来てしまう、しかも復帰戦で出来てしまうというのは………やっぱりセンスなのかな(笑)。いずれにしても魅津希選手の中で、動きの感覚みたいなものがあるのだと思います」

――ちなみに魅津希選手の2週間後に復帰した村田選手の試合(ヴァネッサ・デモパウロスに判定負け)はどう見ましたか。

「僕は率直に試合を見終わったときに判定負けしたと思いました。最近のUFCの傾向としてトップを取っていてもキープだけでは評価されない。もう少しトップを取ったところで殴って攻勢を印象付けていたら判定も違っていたと思います。実際に3Rはそれが出来ていたと思うし、2Rはデモパウロスのガードポジションからの攻めの方が村田選手のトップキープよりジャッジの印象がよかったですよね。ただこれは技術的に劣っていたわけではないし、試合中の意識を変えればいいだけだと思うんですよ。

あとは先ほどの魅津希選手とは逆で、村田選手のステップワークやフェイントのかけ方が魅津希選手とそっくりだったんですよ。お互いにお互いが足りないところを補い合っていて、この」2人はすごくいいチームだなと思います」

――まだ練習を始めて1年とは思えないほど息が合っていますよね。

「はい。今回2人に事前にインタビューさせてもらったのですが、その時もすごくいい雰囲気だったので、今後どういった形になるかは分かりませんが、一緒に切磋琢磨して強くなって欲しいです」

――2人はこのままラスベガスに残って一緒に練習するとのことです。

「2人ともUFCでトップを狙えるポテンシャルを持っていると思うので、これからの2人の活躍には期待しています」

――ちなみに水垣選手は海外で長期合宿を行ったことはあるのですか。

「僕はジェフ・カランのジムに一カ月間半ほど行ったのが最長ですね。DJ.taikiさんとマキシモ・ブランコと相部屋という強烈なメンバーでした(笑)」

――日本と米国の練習環境、水垣選手はどのようにお考えですか。

「どちらを拠点に置くかは人それぞれだと思うのですが、僕の場合は日本の慣れた環境で練習する方が合っていましたね。海外で練習すると、良くも悪くも格闘技しかやることがないので、それがストレスになっちゃうので。あとは日本で出来ないなら海外でやるしかないと思っていたのですが、フランキー・エドガーの練習を見たときに、彼は自分で各分野の専門のジムに足を運んで練習してたんですよ。

マーク・ヘンリーに打撃を教わって、ヘンゾ・グレイシーのジムで組み技をやって、大学でレスリングをやって、ヒカルド・アルメイダのジムでMMAのスパーをやって、と。米国の選手がみんなメガジムで練習しているわけではないですし、エドガーの練習スタイルを見たときに、これだったら日本でもできることがあると思って、僕は日本で練習することを選びました。もし僕が米国で練習するなら、日本と米国を行き来せずに完全に米国に住んで拠点を変えます」

――日本と米国どちらがいいというわけではなく、自分に何が必要かを見極めて、取捨選択することが必要ということですね。

「そう思います。僕は自分に何が足りなくて、どこでそれを学べばいいかを考えることも才能やセンスだと思っていて、魅津希選手はそこも優れていると思います。試合で何をやるかだけでなく、試合に向けて何をやるか、試合のためにどんな準備をするか。自分の練習環境をどう整えるのか、どう普段のスケジュールや試合前のスケジュールを組み立てるのか。そういう部分まで意識して練習をすることが求められると思いますね」

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【UFN229】デモパウロス戦へ、村田夏南子─02─「相手の気持ちを折りに行く試合をしたい」

【写真】とにかく雰囲気の良さが伝わるMe,We (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」で、ヴァネッサ・デモパウロスと対戦する村田夏南子のインタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

2年4カ月振りの試合、トラウマになりかねないタイでの負傷を乗り越えて、再びオクタゴンの頂点を目指す村田は負傷前より強くなったと力強く──いや、いつものようにボソボソと語った。

<村田夏南子インタビューPart.01はコチラから>


──筋量自体が減ってしまっていた形ですか。

「筋量は測っていないので分からなかったですが、動くのが辛かったです(笑)。年が明けるとやって良い練習がどんどんと増えて行って。最初はそれでも軽いモノからだったのですが、マウスピースを創ってもらってヘッドギアをつけていたらグラップリングも打撃もマスがOKになり、そこまでガチじゃないですけど普通に練習ができるようになったのは1月の終わりぐらいですね。2月になってから、どんどん強度を上げてやってきました」

──練習を再開するうえで、理不尽なケガの仕方がトラウマになることはなかったですか。

「怖いです。やっぱり試合だったらしょうがないですけど、練習で知らない人に打ち抜かれたので。ただ自分がスパーリングをしているよりも、他の人のスパーリングを見ている方が怖くて。やっぱりヒザを合わされているところとかあるので。怖いッスね。練習はヘッドギアを必ずして、毎週のように歯医者さんに通っていました」

──そうだったのですね。

「揺れの確認や、神経が生きているのかそうじゃないのか、ずっと分かっていなかったので。先生も神経を少しでも残したいと思ってくれていたので、神経の反応を毎週のようにチェックしてくれて。時間は掛かりました」

──練習の強度を上げるイコール試合がしたいということだったのですか。

「練習がちゃんとやれるようになったら、その気持ちは強くなりました。でも長い間、試合をしていなくてスパーリングでも感覚が掴めないところあったので、感覚を戻そうとやってきました」

──そして、今日の練習のように弾けるような動きが見られるようになったと。

「でも、上手くいかないことの方が多いです」

──それは負傷前と比較して、ですか。

「いえ、新しいことを取り入れているからです」

──底上げをしているということですね。

「ラスベガスに行ってジェシカ・アンドレジとかと練習したり……、最終的にNYに行ってと一緒に練習していたんですけど、打撃が上手で。魅津希ちゃんにその打撃の部分を教えてもらって、自分はレスリングを教えて……みたいな感じで。打撃が伸びて、寝技はMe,We、IGLOOの山田海南江選手と練習をして底上げをしてきました」

──では復帰戦の相手、デモパウロスに関してどのような印象を持っていますか。

「これまで自分より背の高い人との試合が多かったのですが、同じぐらいの身長で珍しいです。タフで勝っても負けても頑張っている印象があります。だからこそ、相手に負けない強い気持ちを持たないといけない。相手の気持ちを折りに行く試合をしないといけないです」

──この間の苦労を経験したことで、より強い想いをもってオクタゴンに足を踏み入れることができるのでしょうか。

「それは思わないです。う~ん、練習をしていたら勝ちたいという気持ちが強くなります。試合は絶対に勝てるモノではなくて、練習をするのは勝率を上げるためです。練習をして確率を上げて……でも、相手もやっていて。自分も打撃の部分、寝技の部分、全ての面で底上げしてきたので。相手のパンチが見えてきたから、テイクダウンのカウンターも合わせることができます。それができるようになってきました。組んだら前以上にできます。それに気持ち的にも強くなったかと(笑)」

──トップ10、トップ5にステップアップするために、今回はどのような試合をしたいと思っていますか。

「ここで勝つのと負けるのでは、次の相手が代わってきます。上に行くために勝たないといけない相手──気持ちを折りに行く試合をしたいです」


■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229対戦カード

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
ライアン・グレン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子(日本)
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)

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【RIZIN】速報中!RIZIN.44 クレベル・コイケ×金原正徳

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格闘技の日。UFCで魅津希の試合を堪能した次はRIZIN。さいたまスーパーアリーナでRIZIN.44が開催されます。メインはクレベル・コイケ×金原正徳のフェザー級ワンマッチ。日本のMMAの冬の時代を支え続けてきた金原がついに表舞台のメインに登場。絶対的な強さを誇るクレベルに挑みます。日本フェザー級最強の呼び声も高い金原がクレベルの首を取る事が出来るのか。その他にも牛久絢太郎×萩原京平、摩嶋一整×横山武司など玄人好みの好カードが連発。本日はU-NEXTを観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 MMA フライ級(57kg)】
×征矢貴(パラエストラ松戸)
(1R TKO)
○ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン/ムラドフ・レギオンチーム)
1R、開始直後からプレスをかけるのは征矢。単発ながらパンチをヒットさせるとテミロフはグラつく。一気に仕留めにかけるがテミロフも左右のパンチを振り回す。すると征矢にヒットし今度は征矢がグラつく。テミロフは亀の征矢に対してパウンドを打ちながらチョークを狙う。しかし征矢はすぐに立ち上がってスタンドに戻るとやや試合が落ち着く。するとテミロフは後ろ回し蹴りを挟みつつ、左右の連打が止まらない。征矢は被弾して棒立ち。テミロフはさらにパンチを打ち込むと征矢はダウン。ついにレフェリーが試合を止めた!テミロフが激闘を制した!


【第2試合 MMA ヘビー級(120kg)】
○シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島)
(1R ヒールフック)
×ヤノス・チューカス(ハンガリー/GK1ストライキング/グレードブリテントップチーム)
1R、カーフキックでリズムを作るシビサイ。それに対してチューカスは前進。右フックを放つとチューカスはグラつく。嫌がったチューカスは片足タックル。しかしチューカスの腰は重い。側頭部にパウンド。倒れないと思ったかチューカスはグラウンドに引き込んで下になる。足を取ってヒールフック。耐えていたチューカスだがついにタップ!シビサイがピンチを乗り越えて一本勝ち!


【第3試合 MMA バンタム級(61kg)】
○中島太一(ロータス世田谷)
(判定3-0)
×岡田遼(パラエストラ千葉)
1R、中島のカーフキックが的確にヒット。意識を下に引き付けて右フック。岡田はグラつく。中島はプレッシャーを強めるが岡田は組み付く。しかし逆にテイクダウンしたのは中島。だが岡田もすぐに立ち上がる。スタンドに戻ると岡田は一気に間合いを詰めて組み付くと簡単にテイクダウン。じっくりサイドからバックを狙うが中島は立ち上がって正対。岡田は飛び付き腕十字を仕掛けるがこれは不発。最後はスタンドのパンチを交差させてラウンドを終えた。
2R、左右のワンツーとカーフキックを軸に前に出る中島。対する岡田は組み付いてテイクダウンを狙うが中島は難なく何度も回避。岡田は時間を経る毎にスタミナをロスしていく。中盤には中島のカーフで岡田はグラつく。さらに右フックを当てて攻勢。終盤に岡田は組み付く場面はあったが中島はテイクダウンを許さずラウンド終了。
3R、遮二無二前に出てパンチを振るう岡田。しかし中島は冷静に捌くと左ジャブを的確にヒット。岡田の攻撃を完全に見切った様子。岡田のタックルを潰した中島は亀の岡田に膝蹴り。さらにバックに周って側頭部にパウンド。マウントを狙いつつ肩固め。完全に決まったかと思いきや岡田は耐える。すると中島は腕を外してパウンドからの踏みつけなど猛攻を見せるが岡田が耐え抜いてタイムアップ。判定はもちろん中島。実力差を見せつけて圧倒です。


【第4試合 MMA フライ級(57kg)】
○福田龍彌(MIBURO)
(3R TKO)
×山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)
1R、山本は左のカーフを多用。的確にヒットさせて終盤には福田がグラつく場面も。ストライカーの福田に対して真っ向からスタンドで勝負する。中盤に一度タックルに行くが福田は足を抜いて脱出。終始スタンドの状態が続く。福田は左ジャブを軸に試合を組み立てるが思ったよりも主導権をに握れないまま進行。想像以上に山本がスタンドに対応している印象のままラウンドを終えた。
2R、山本は引き続きカーフキックを効かせる。対する福田は得意の右のジャブを蓄積。これが時間を追う毎に的確にヒット。徐々に山本の目が塞がっていく。山本は要所で組みにいくが福田の腰は重い。このラウンドも終始スタンドの展開。打ち合いになると山本もフックを振り回してあわやの場面を作ってラウンド終了。
3R、ドクターチェックが入った後にラウンド開始。山本もフックで福田をグラつかせる。それでも福田は怯まずに前進。右ジャブを的確にヒットさせて左フックも強振。コーナーに追い詰め左右の連打を振り回すが山本も寸前で回避。しかしここでドクターチェック。山本の顔面の裂傷が酷くドクターストップ。福田が得意のボクシングで勝利。しかし山本の健闘も光った。


【第5試合 MMA 66.2kg契約】
○摩嶋一整(毛利道場)
(判定3-0)
×横山武司(teamセラヴィー/スウェルズ柔術ジム)
1R、開始直後に横山は飛び膝。しかし摩嶋は冷静に回避して右フックを当てる。横山が寝転がって猪木アリ状態になると横山は下から足を取りに行く。摩嶋は上のポジションを取って試合を落ち着ける。膠着する中、摩嶋は距離を作ってパウンドを狙う。横浜は身体を密着させてチャンスを窺うがブレイク。スタンドに戻ると横山はカーフ、回し蹴りを繰り出す。攻防の中からスリップした摩嶋に横山が組み付くが、摩嶋は抱えてテイクダウンしてところでラウンドを終えた。
2R、横山の飛び膝をキャッチした摩嶋がテイクダウン。横山は下からラバーガード。摩嶋は身体を引き剥がして上をキープ。またもやや膠着するが摩嶋は上から肘とパウンドでじわじわ削る。横山は鼻から出血。膠着してブレイク。スタンドに戻ると打撃の交差から横山が組み付いてグラウンドに引き込む。ラバーガードからコントロールを狙う。しかし摩嶋は付き合わずに立ち上がって猪木アリ状態のままラウンド終了。
3R、打撃の攻防から摩嶋がカウンターの胴タックルでテイクダウン。上をキープすると肘打ち。横山も蹴り上げで対抗。猪木アリ状態から摩嶋がパウンドを放ってから上を固める。さらに摩嶋は足を抜いてハーフに移行。ガッチリと上を固めて側頭部にコツコツとパウンド。このまま試合終了。判定は上を取って攻めた摩嶋に軍配。


【第6試合 MMA フェザー級(66kg)】
○中原由貴(マッハ道場)
(判定3-0)
×白川陸斗(トライフォース赤坂)
1R、互いにハイを出し合って牽制し合う立ち上がり。打撃戦から思いきや、中原は片足タックルでコーナーに追い詰める。不完全ながら白川に膝を突かせてボディに小刻みなパンチ。さらにしつこく片足タックルでテイクダウンを狙う。白川も完全に背中をつかせないが中原がグラウンドをコントロール。残り30秒でブレイクがかかてスタンドに戻るが大きな展開なくラウンドを終えた。
2R、スタンドの静かな攻防。中原はタックルで組み付くが白川の腰が重い。身体が離れると足を止めての打ち合い。中原がタックルにいったところに白川の膝がヒット。中原はグラつくが意識はある。そのまま組み付いてなんとかテイクダウン。サイドバックに周って側頭部にパウンド。終了間際には白川に背中をつかせてラウンド終了。終了後にロープ掴みのためイエローカードが出される。
3R、序盤はスタンドの展開。中原はワンツーが的確にヒット。左ストレートがよく伸びる。有効打、手数ともに中原が優勢。打撃を十分に意識させたところでタックル。不完全ながら白川をコントロールして優位に試合を進める。終了間際にもしっかりパンチをヒットさせてからタックルでテイクダウン。立ってくる白川をガブって膝を打ち込んで試合終了。判定は中原に軍配。


【第7試合 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 70kg契約】
○安保瑠輝也(MFL team CLUB es)
(判定3-0)
×宇佐美正パトリック(Battle Box)
1R、開始直後から間合いを詰めて手数を出す宇佐美。ロープに追い詰めて左右の連打を振るう。しかし安保もガードを固めて顎を押して距離を取る。さらに離れ際に打ち返す展開。宇佐美も危機を察知してか深追いしない。想像以上に宇佐美がキックルールに順応している印象。
2R、前に出てパンチを出す宇佐美に対して安保は距離を取ってキック中心に試合を組み立てる。ロー、ミドル、前蹴りを要所でヒット。ボディが効いたか宇佐美の動きが落ちる。しかし安保の追撃の攻撃がローブローになって試合は中断。再開するとダメージから回復した宇佐美がパンチを振るってラウンドを終えた。
3R、前に出てくる宇佐美に対して安保のパンチがヒットし始める。動きが止まった宇佐美に対してショートレンジのフックがヒットしたのか宇佐美は膝をついてダウン。なんとか立ち上がる。決めに来る安保は膝蹴りを放つがローブローになって宇佐美は悶絶。長らく試合は中断。安保にイエローカードが出されて再開。お互い気持ちが前に行き過ぎて至近距離での打ち合いから組み付いてブレイクという展開が続く。このまま終了かと思いきや、安保の左ミドルがボディをえぐって宇佐美はダウン。なんとか立ち上がったところで試合終了。判定は2回のダウンを奪った安保に軍配。試合後はリングサイドにいた木村フィリップミノルがいきり立ってTシャツを脱ぐ場面も。。。しかしリングに上がる事は許されず安保のマイクは終了。


来週の名古屋大会で悲報。唾液の線に石が出来る病気が回復しないため井上直樹の欠場が発表されました。代役はONEなどで活躍してきた佐藤将光!太田忍との対戦が決定しました。さらに名古屋大会が危ないという状況を受け、榊原信行CEOは朝倉海を呼び込み、リング上からサプライズで皇治に電話。朝倉海×皇治のMMAマッチが決定しました。


【第8試合 MMA ライト級(71kg)】
×スパイク・カーライル(米国/キングスMMAアナハイム/トレーニングラボ)
(判定0-3)
○堀江圭功(ALLIANCE)
1R、スタンドの静かな立ち上がり。打撃の交差からカーライルが低空の片足タックル。コーナーに追い込んで倒しにかかるが堀江の腰は重い。ブレイクがかかる。再開すると互いにパンチ、ミドルを入れて一気に緊張感が高まる。するとカーライルがまたも片足タックル。コーナーに押し込むとスタンドでバックに周る。しかし堀江も耐え切ってラウンドを終えた。
2R、堀江はジャブ、フックを的確に当てて先手を取る。するとカーライルは一気に間合いを詰めて強引にフックを振るう。さらに組みついて側頭部にパンチを入れるが堀江はなんとか耐える。身体が離れると堀江はボディをヒット。嫌がったカーライルは組んでくるが動きなくブレイク。身体が離れて再開すると堀江のパンチ、ミドルが的確にヒット。カーライルがパンチを振るいながら組み付くが堀江はテイクダウンを許さずにラウンド終了。カーライルは膝に手をついて疲れた様子を見せているがどう出るか。
3R、開始直後にカーライルは左右のフックを振るう。このまま組み付いて差し合い。コーナーで膠着してブレイク。再開すると打ち合いからまたしてもカーライルは低空タックル。堀江の体勢を崩すと背中に張り付いて強引に首を狙う。極まらないと見るやパウンドを乱射。これが後頭部に入ってしまい試合は中断。カーライルにはイエローカードが出させる。これは大きい。スイッチが入ったカーライルは再開するとパンチを振り回す。危ない展開だがしっかりとディフェンス。カーライルはタックルに来るが堀江はしっかり切って試合終了。判定は堀江!ライト級転向初戦で外国人相手に勝利したのは本当に大きい!!!


【第9試合 MMA フェザー級(66kg)】
○牛久絢太郎(アメリカントップチーム)
(判定3-0)
×萩原京平(SMOKER GYM)
1R、プレッシャーを掛けるのは萩原。じわじわと打撃を出す。距離を取った牛久は豪快なタックル。テイクダウンしかけたが萩原はすぐに立ち上がる。身体が離れて再開するとまたもプレスを掛けるのは萩原。打撃の交差から牛久は組み付く。だが萩原も組みでも負けていない。膠着してブレイク。再開するとスタンドの打ち合い。萩原が前に出るが牛久もパンチを打ち返してグラつかせる場面も。大きな動きがないままラウンドを終えた。
2R、開始直後のスタンドの攻防。牛久は片足タックル。これでついにテイクダウンに成功。萩原にしっかり背中をつけさせる。サイドからバックを狙うが萩原は立ち上がる。萩原はスタンドでバックに張り付けてコントロール。だが萩原は正対して脱出。身体が離れると静かなスタンドの展開から牛久が片足タックル。テイクダウンすると完全にマウントを奪取。パウンドを落としてバックに周るとチョークを狙うがタイムアップ。萩原が主導権を握り始めた。
3R、前に出る萩原に対して牛久は片足タックル。これでテイクダウンして背中をつけさせる。牛久はハーフからグラウンドをコントロール。さらにバックに周ると萩原はおんぶの状態で立ち上がる。背中に張りついて牛久はバックチョーク!萩原は必死でディフェンス。牛久は左右変えながらチョーク、フェイスロックを仕掛ける。萩原はどうにも脱出出来ずにこのまま試合終了。判定はもちろん牛久。連敗脱出!マイクを握った牛久は階級変更を示唆。バンタム級?騒がしくなるぞ。


【第10試合 MMA フェザー級(66kg)】
×クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)
(判定0-3)
○金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)
1R、開始直後に単発ながら金原のパンチがヒット。クレベルがグラつく。嫌がったクレベルは距離を詰めていくが金原はいなしてパンチを打ち込む。クレベルもコーナーに追い込まれるとパンチで応戦。さらに膝を入れるとこれが効いたかクレベルは足を掛けてテイクダウンに成功。マウントを奪うが金原は冷静に対処。立ち上がったところをクレベルがギロチンを狙うが金原は首を抜く。このまま上をキープしたままパウンドで削ってラウンドを終えた。金原がクレベルの寝技にも対応している。
2R、金原はミドルをヒット。クレベルがパンチを振るって前に出ると膝をボディに入れる。コーナーでの攻防も身体を入れ替えて距離を作ると打撃の攻防から胴タックルでテイクダウンに成功。クレベル相手に寝技勝負を挑む。するとパスしてハーフガード。肩固めを狙うがクレベルのガードは当然固い。金原は上からコツコツとパウンド。残り10秒で強めのパウンドを入れてラウンド終了。金原が完全に主導権を握った。
3R、開始直後の打撃の交差。金原は組んで足を掛けてテイクダウンを狙う。グラウンドにもつれ込むとスクランブル。一進一退の攻防から金原が上になるとバックに周る。クレベルもスイープを狙うが金原も素早く対応。立ち上がったクレベルを寝技に持ち込んで上をキープ。絶妙のボディバランス。残り1分でハーフガードからパスを狙う。このまま上をキープして試合終了。判定は金原!!!!グラウンドでクレベルを圧倒してアップセットをやってのけた!!!
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F1 MMA News o ONE UFC ティム・ミーンズ 魅津希

UFC on ESPN+86:ポストファイトボーナス/総評

・ファイト・オブ・ザ・ナイト:ティム・ミーンズ vs. アンドレ・フィアリョ

・パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト:シャルル・ジョーデイン、マリナ・ロドリゲス

メインはこれからというところで終わってしまい残念。1Rのジャッジは三者フィジエフだったし、負傷も蹴った足ではなく軸足の膝を痛めてのもので完全なアクシデント。とはいえフィジエフは負傷からの回復にしばらくかかるだろうし、決着としてはTKOなので、すぐに再戦を組むわけにもいかないか。両者ともにタイトルに絡む位置まで行ってからの再戦に期待。

マルクーンはハーフバックで完全にコントロールした状態から、一発の肘が後頭部に入っただけで反則負けに。その前の攻防で何発かマルクーンの鉄槌が後頭部付近にヒットしていたので、もしかしたらそこでレフェリーから注意が入っていたのかもしれない。ただそれでもノーコンテストではなく反則負けなのは厳しい。ブランデージの本人申告の戦闘不能もどこまであてになるのか。ダメージ的には最後の肘よりその前の鉄槌の方が大きいようにも見えたし、スッキリしない裁定だった。かと言って、内容はマルクーンが圧倒していたので、再戦が見たいとは思えないが。

魅津希はUFC1勝3敗(3試合はフライ級でのものだが)のゴールディ相手にフィジカルで押されて楽な試合にはならず。3Rの動きを見ると、序盤はブランクで動きが固かったのかもしれない。

ジャッジ3人はそれぞれ1Rから3Rまでをゴールディに入れているが、メディアのジャッジは大半が30-27のフルマークでの魅津希支持。ただ、どのラウンドも僅差だったことは確か。

mmadecisions.com

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MMA MMAPLANET o UFN UFN228 キック ハナ・ゴールディ 魅津希

【UFN228】魅津希がゴールディのTDを切り返して打撃で優位に。3年ぶりのオクタゴンで判定勝ち

<女子ストロー級/5分3R>
魅津希(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
ハナ・ゴールディ(米国)

ガードを固めるゴールディのパンチに対し、魅津希が左右にステップを踏みながら右ストレートをカウンターで合わせる。左前蹴りから右ストレート、距離が近くなると首相撲に持ち込んだ魅津希は、右腕を差し上げてケージへ押し込んでいく。四つからヒザで削る魅津希が、ゴールディをケージに押し込みながら左腕も差し上げた。すぐにゴールディも右腕を差し返す。ゴールディが差し返すも、すぐに戻した魅津希が揺さぶったが倒れず。ここで魅津希が離れた。

ゴールディが右カーフキックを当てる。魅津希は右を伸ばす。ゴールディの右がクリーンヒットした。左ミドルからワンツーを見せる魅津希は、ゴールディの右ローの蹴り足をキャッチした。しかしゴールディが組んで首相撲へ。魅津希が内側を取ってヒザを突き上げる。ゴールディが左腕を差し上げてケージに押し込むも、ここは魅津希が耐えた。

2R、ケージ中央でゴールディが左ローを見せる。魅津希のワンツーがゴールディの顔面を捕えた。ゴールディはシングルレッグへ。スプロールした魅津希がバックを狙うもゴールディが右腕を差し上げてクラッチした。テイクダウンに来たゴールディに対し、反対に魅津希が足をかけてクリーンテイクダウンを奪う。足を上げてくるゴールディに対してパスを仕掛けた魅津希だが、スクランブルからガブられてしまう。それでもケージに押し込んでいく魅津希が、ギロチンを狙うゴールディのクラッチを切った。

四つの展開からグラウンドに持ち込んだのはゴールディだ。魅津希はハールガードで守りながら、ガードに戻してスクランブルへ。立ち上がったゴールディが四つからヒザを突き上げると、魅津希もヒザを返す。ケージに押し込まれながら魅津希がウィザーから四つに戻したものの、再びゴールディにケージへ押し込まれてしまう。ここでゴールディのテイクダウンを切り返した魅津希が背中を着かせ。スクランブルから魅津希がガブり、ボディにヒザを打ち込んでいった。

最終回。低く構える魅津希が左インローを放つ。ゴールディの右が当たる。魅津希も右クロスを返した。さらに左フックをヒットさせるも、ゴールディがプレスをかけてくる。魅津希の右をかわしたゴールディがダブルレッグからドライブした。テイクダウンを防いだ魅津希がケージ中央で左ジャブ、右フックを当てていく。さらに左ボディから左フックへのコンビネーションを見せる。ようやく3Rに打撃のリズムを取り戻してきたか。ここでゴールディが組んでドライブした。左足を差し入れ、両腕を差し上げた魅津希がケージから離れる。ゴールディはすぐにシングルで入ってドライブしたが、魅津希が組み返した。ゴールディがカンヌキで魅津希を離さない。魅津希はケージ中央へ押し返し、左ヒジを打ち込む。残り1分で再び四つの状態に戻った両者だが、魅津希が離れた。ゴールディのシングルレッグを切ってはパンチを打ち込む魅津希が、残り30秒でケージに押し込みながらパンチを連打した。

裁定はジャッジ3者とも29-28で魅津希の勝利を指示。魅津希は「3年ぶりの試合で怖さもあった。もっと良いパフォーマンスを見せたい」と語った。


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【UFN228】展望──世界最高峰の異種格闘技戦。打=ラファエル・フィジエフ✖組=マテウス・ガムロ

【写真】UFCで戦うストライカー、そしてグラップラーがどういうストライカーであり、グラップラーなのか堪能して震えたい (C) Zuffa/UFC

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC ApexにてUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

その名称の通り、本大会のメインはライト級6位のラファエル・フィジエフと7位のマテウス・ガムロによるサバイバル戦だ。


フィジエフはカザフスタン生まれで、育ちはキルギス。現在は父親の地であるアゼルバイジャン国籍を有すストライカーだ。そのキルギスで11歳の頃からはじめたムエタイで国際的な活躍を見せ、2017年にはバンコクのムエタイエクストリーム大会にて、当時ルンピニースタジアムスーパーウェルター級王座を返上したばかりのヨドパヤック・シッソンピーノンからKO勝利を収めるなどの実績を挙げている。

同時に韓国のRoad FCなどMMAでも活躍し、プロ5戦全勝の戦績をもって2019年からUFC参戦。初戦は敗れたもののその後連勝を重ね、昨年9月には元ライト級王者のハファエル・ドス・アンジョスと5R戦で対決、最終Rに左フックをスマッシュヒットさせてKO勝利を挙げた。

続いて今年3月には当時ランキング3位のジャスティン・ゲイジーと3R戦で激突。事前の期待を裏切らないMMA最高レベルの打撃戦にて序盤は互角以上に渡り合ったものの、最終Rに失速してジャブやアッパーを被弾、0-2で惜敗している。

対するガムロはポーランド出身のグラップラー。10歳の頃に始めたレスリングではポーランドのジュニアナショナルチームの一員として国際的に活躍し、2012年にMMAデビュー。2016年5月にはフランスの寝技師マンスール・ベルナウイを倒してプロ11戦無敗のままKSWライト級王座に就いた。

(C)KSW

2018年12月にはクレベル・コイケとのフェザー級王座決定戦に臨み、クレベルの下からの仕掛けを完封して判定勝利して二冠王に輝いている。

ちなみにグラップリングにおいてもADCCヨーロッパ大会では複数回優勝を果たし、2019年にはADCC世界大会にも出場するも、初戦で3位入賞したゲイリー・トノンにチョークで敗れている。

KSWでノーマン・パークとの因縁に蹴りをつけ、コロナ禍の2020年10月からUFCに参戦開始。フィジエフと初戦は惜敗したもののその後連勝を重ねてランキング入りし、昨年10月の6位のベニール・ダリューシュ戦に臨んだ。1Rはポジションが目まぐるしく入れ替わるハイレベルグラップリング戦にて優位に立ったガムロだが、2Rから戦法を変えたダリーシュにテイクダウンを切られ、3Rに左ストレートでダウンを奪われ判定0-3で敗れた。

ガムロはその後、今年3月には僅か10日前のオファーを受けてランキング10位のジェイリン・ターナー戦に望んだ。ライト級屈指の長身ストライカーの繰り出す打撃を捌いてテイクダウンを何度も決め、2-1と判定は割れはしたもの実質完勝した。

現在ちょうど似たような立場にある──ともにランキングを上げてきたところで、上位勢の壁に跳ね返されてからの復活を狙う──両者の対決のきっかけは、実はSNS上で生まれている。5月末にフィジエフがツイッター(現X)上にて「8月に俺のダンスパートナーになるやつはいないか?」と英語で投稿したところ、それに真っ先に反応して「9月に5Rでやろう」と書いたのがガムロだったのだ。

フィジエフも早速応じて「9月でもいいぞ、兄弟よ。でも俺は3Rで疲れてしまうんだ。なぜ5Rを望む? 俺たちは友人だろ?」とユーモアある返答を返す。そこでガムロは「俺たち2人はメインイベント(=5R制)に出る資格があるし、ファンも25分間テクニカルヴァイオレンスを楽しむ資格があるじゃないか」と返し、熱心なファンたちが喜ぶ中で両者の対戦の機運が盛り上がり、実現に至ったのだ。

中央アジアと東欧出身の両者が、SNSで互いに母国語ではない英語を用いて対戦の契機を作ってしまうところに、21世紀のMMAの現実がある。ちなみにフィジエフの投稿に対して、実は以前フィジエフに敗れたヘナート・モイカノも「ぜひリマッチをやりたい」と反応をしたのだが、フィジエフがこちらに興味を示すことはなかった……。

そんな両者の対決は、誰もが考えるように典型的な「ストライカー対グラップラー」の構図となるのか。つまり、重心が低く腰の重いストライカー、フィジエフの強烈な打撃をガムロがいかにかいくぐってテイクダウンに入るか、逆に強力なレスリング系グラップラー、ガムロの多彩かつ執拗なテイクダウンをフィジエフがいかに凌いでスタンド戦に持ち込むかが鍵となる。

実際フィジエフも「この試合で、ガムロのようなエリートレスラーのテイクダウンを自分が止められるのかどうか、ぜひ知りたいと思う。今回のキャンプの焦点もそこに置いたよ。さらに、もし100回倒されても、101回立ち上がることをテーマとしてやってきたよ」と、──よく考えると立ち上がる回数は1回余計に多いのだが──力強いコメントをしている。

その際特に注目したいのは、フィジエフの蹴りの使い方だ。卓越したスピードを活かし左右からの強力な打撃を繰り出すフィジエフだが、特にオーソドックスからの右足の蹴りはミドル、ハイ、前蹴りとどれも抜群のキレを誇り予測が困難だ。これを警戒してガードが下がり気味となった相手に放つ左フックの威力は凄まじく、モイカノやドス・アンジョスを1発で沈めている。

前回のターナー戦では蹴りのタイミングを見切ってのテイクダウンを見事に決めたガムロ。パンチからテイクダウンにつなげる動きも得意としており、「フィジエフとの打撃の交換も恐れない」と自信をのぞかせている。

グラップリングMMAから、KSW後期にはジャブを多用するタッチキックボクシング的なMMAにスタイルチェンジをし、UFCでは原点回帰といえるグラップル勝負に戻ったガムロは、組むと見せて間合いを外す術も有している。とはいえ、フィジエフの蹴りはこれまで戦ってきたどの相手によりもはるかに速く鋭く強烈だ。そんなフィジエフの蹴りにいかに対処するのか、着目したい。

もう一つのポイントは、上述のSNSでのやりとりでも触れられていた通りフィジエフのスタミナだ。瞬発系ストライカーのフィジエフは、はじめての5R戦となったドス・アンジョス戦では4Rに動きが落ち、それまでは許さなかったテイクダウンを取られる場面があった。

5R早々に凄まじい爆発力を発揮して圧巻のKO勝利を収めたものの、もし最終R中盤まで試合がもつれ込んだ時、同じ動きができたかは分からない。そして前戦でのゲイジー戦でも、フィジエフは最終3Rに失速。それまでもらわなかったパンチを被弾し、最後は焦って前に出て強引に振った左フックをゲイジーに見切られてテイクダウンを許したことで、──実際にはきわめて接戦だったものの──「完敗」という印象を大きくしてしまった。

対するガムロはスタミナに絶対の自信を持ち、そのテイクダウン力は試合後半においても簡単には落ちないと見ていいだろう。切られても執拗に手を変え、品を変えテイクダウンを試み、組み伏せるのがその真骨頂だ。試合が長引いてフィジエフのスピードが落ちてくれば、それだけガムロが自分の得意なフィールド=グラウンドに試合を持ち込むチャンスは大きくなる。

また、フィジエフが蹴りを警戒させてのパンチを得意とするように、ガムロもテイクダウンを警戒させての強烈な右の一撃を持っている。

もっともフィジエフもそのへんは百も承知のはず。「前回のゲイジー戦では、自分の感情をコントロールすることを学んだよ。あの試合では、ファンをもっと沸かせたいという気持ちに任せて戦ってしまった」と語るフィジエフは、より冷静かつ計算づくに、そしてスタミナにも留意してガムロを攻略しにかかることだろう。

極上のストライカーとグラップラーの両者によるMMAならではの──最高峰のせめぎ合いを堪能したい。

■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN228対戦カード

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
ダン・イゲ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・ロドリゲス(ブラジル)
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
AJ・フレッチャー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ヒカルド・ラモス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ダニエル・アルゲータ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ジェイコブ・マルクーン(豪州)
コディ・ブランデージ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コレアー(米国)
モハメド・ウスマン(ナイジェリア)

<女子ストロー級/5分3R>
井上魅津希(日本)
ハナ・ゴールディ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
モンセラート・レンドン(メキシコ)
タミレス・ヴィダウ(ブラジル)

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【UFN228】37カ月振りの実戦=ゴールディと対戦、魅津希「Me,WeでMMAの楽しさを教わることができた」

【写真】この笑顔、何としてもオクタゴンのなかで見たい(C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」で魅津希が、2020年8月以来となる実戦に復帰する。
Text by Manabu Takashima

前十字靭帯の手術からリカバリー、長期離脱となった魅津希は欠場期間中に20代最後の年に突入した。決して短くないブランク、UFCでは1勝1敗、パフォーマンスで周囲を納得させるファイトが不可欠な彼女は、過去にないほど恐れと緊張を感じていた。

その裏で思わぬ長期滞在となった里帰りで、東京での練習を経験しかけがえのない仲間を得た。そんな魅津希のUFCカムバック戦前の心境とは。


──定期的に試合をしていた時と、3年振りとなった今回で何か気持ちの部分で違いはありますか。

「昔は……若い頃は怖さがなかったのですが、大人になるとそこが違いますね」

──魅津希選手が「若い頃」と振り返っていることを、違和感なく聞くことができるようになってきました。

「そうなんですよ。そうなると1戦、1戦の重みが理解できる年になってきたというか。3年振りで勝たないといけないのですが……まぁ勝つんですけど、楽しみという気持ちより緊張と怖さの方が多いです。緊張しています」

──それは年齢なのか、ブランクが要因になっているのか。どちらだと考えていますか。

「3年は長いですね。そこまで自分で意識をしていなかったのですが、試合が決まった時に『もう3年も経ったんだ』と実感しました。でも、こうやって試合のことを考えると緊張してきますね(苦笑)」

──実は過去一で表情が堅いと感じていました。

「年ですね(苦笑)。年を取りました」

──それは違うかと(笑)。ただ27歳から29歳という期間でブランクができたのは事実です。

「そうですね、リカバリーに1年掛って。そこからまだケガをすることが怖くて、練習という練習が思うようにできなくて」

──昨年、タイに行く前にインタビューをさせていただいた際には、もう少し早く復帰戦を戦いたいという希望を持っていました。

「そこは体調よりも、試合が組まれなかったからです」

──UFCもなかなか日本人選手の試合を組まないという時期が長かったです。社会人、いわばファイターは個人事業主で、自分が必要とされていないと感じると非常につらいモノがあります。そんな風に関じることはなかったですか。

「だから契約はあっても、UFCがどう思うのかは自分が出す成果次第ですよね」

──試合がないなら、他で戦いたいという気持ちは?

「それはないです。結果、この試合が決まったわけですし。決まる前から、ある程度は準備をしてきました。でもいざ決まると、対策練習もそうだし課題の強化にもより力が入りましたね」

──この間、タイ以外では日本で練習しており、以前と比べて強化できたところはありますか。

「組みの部分は、ちょっと力を入れようかと思っていて。Me,WeとCUTEで上田将勝さんとも練習させていただいていて。上田さんはグラップリングが強くて、大まかなことではなくて細かいところを修正して強化できたと思います」

──この間、村田夏南子選手と行動をともにしてきました。

「NYで初めて会って、タイにも2人に行って一緒に過ごすことが多くなりました。それだけ練習も積んで来て、言ってみれば絆が深まりました。

本当は夏南子ちゃんと一緒にベガスに行って最後の調整をしたいのですが、まだビザが取れていないので自分の方が先に行くかもしれないです。ただ、本当は夏南子ちゃんと一緒に行きたいです(※取材は6日に行われた)。夏南子ちゃんが2週間後に試合なので、そのまま私も残ります。夏南子ちゃんのビザが間に合えば、セコンドに就いてほしいですし、私も彼女のセコンドに就きます」

──そのまま米国に拠点を戻す予定ですか。

「PIがあるので試合後は、ベガスでケアをゆっくりとしようと思います。それから試合がすぐに決まるようならベガスに残ります。そこに時間が掛るようだと、時期は決めていないですけどフラッと日本に戻ってくる予定です」

──ではNYではなく、日本ベースで?

「う~ん、セラ・ロンゴは女子選手がいなくて。男子もバンタムから上が多いから、行っても体格差があるので。そうなるとNYに戻ってもどうなのかっていうのはあります。なので他のジムを見るのも良いかと考えています。でも米国で練習したいとは思っています」

──そんななか対戦相手のハンナ・ゴールディにはどのような印象を持っていますか。

「ガタイが大きいですよね。グラップリングの試合にも出て、一本勝ちもしています。そこも含めて対策練習と、自分のスキルアップをしてきました」

──彼女はUFCでは1勝2敗ですが、この3年間で女子MMAのレベルアップは半端ないように感じます。

「前々からUFCで活躍している選手が年を重ねて、敗北が増えています。対照的に新しい選手がスキルもついていて、レベルアップしている中に入っていくので、ちょっと出遅れている感はしています(笑)。

でも、その中にせっかく入っていくので、やりたいことをやりたいという感じです。とにかく対戦相手はフィジカルが凄いですね。組みが強いパワー系で。でもパンチに関しては、そのパワーを伝えきれていない。凄い体をしていますが……。組みの方は得意技もあるでしょうし、ハマらないように気を付けないといけないです。相手が好きなことをしてきたら遮断して、自分の好きなことができるように実行する。そういう風に持って行かないといけないです」

──どの局面でも付き合うことは、もうない?

「遮断したいのですが、付き合っちゃうと思います(笑)。付き合わないように指摘されてきて、自分では付き合っていないつもりでも傍から見ると付き合っているように見えるようで。だから頭ではつき合わないで、自分の好きなことをやろうとはしていても、そうなっているということだし。そうならないように戦います」

──ブランクを経て、UFCファイターとして目標はどこに置いているのでしょうか。

「ブランクがあろうがなかろうが、相手は気を使ってくれないので。そこがあるからどうこうでなくて、今の自分がどれだけ通用するか。そういう想いは最初から持っていました。どこまで自分が行けるのか。契約更新ができたら成功だし、できなかったら自分がやってきたことが間違っていたことになります。今はやるべきことをやっているので、次の試合で出したいですね」

──ところで昨年の夏にインタビューをさせてもらった際に、ケガ前の自分には戻れないと言われていた一言が心に残っています。

「言っていましたっけ? ケガ前と比較すると……それまで東京のジムで練習をしたこともなかったのですが、Me,Weでは山﨑(剛代表)さんを初め色々な人にお世話になってきました。そのおかげで最近までなかった……MMAの楽しさを教わることができた気がします。以前は傍から見て近寄りがたい雰囲気があったようで」

練習仲間のファイトギアを懸命に消毒する魅津希

──豊橋時代は、絶対にそうだったと思います(笑)。

「私自身はそんなオーラを出しているつもりはなかったです。でも、近寄りがたい、接し辛いというのはあったみたいです。今では、ここで皆が仲良くしてくれて。私のことを分かってくれました(笑)。初めて東京の人達と交流が持てた、この1年でした。そして夏南子ちゃんの試合が2週間後にあるので、しっかりと勝って繋げたいです。もちろん3年振りの復帰戦でインパクトは残したいのですが、そこは判定でも良いので──お世話になっている人の期待に応えたい。まずは1勝を挙げたいです」

■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN228対戦カード

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
ダン・イゲ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・ロドリゲス(ブラジル)
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
AJ・フレッチャー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ヒカルド・ラモス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ダニエル・アルゲータ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ジェイコブ・マルクーン(豪州)
コディ・ブランデージ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コレアー(米国)
モハメド・ウスマン(ナイジェリア)

<女子ストロー級/5分3R>
井上魅津希(日本)
ハナ・ゴールディ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
モンセラート・レンドン(メキシコ)
タミレス・ヴィダウ(ブラジル)

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UFC292:セミファイナル・ジャン・ウェイリー vs. アマンダ・レモス

女子ストロー級タイトルマッチ5分5R。

ジェシカ・アンドラジを秒殺KOし、東アジア初のUFC王者となったウェイリー。初防衛戦ではヨアンナの顔面を変形させるほどの打撃を打ち込みスプリット判定勝ちしたが、2度目の防衛戦でローズ・ナマユナスに1RKO負け。UFC初黒星となった。ダイレクトリマッチは接戦となったが、今度はスプリット判定負けで王座獲得ならず。が、そのナマユナスからタイトルを奪ったカーラ・エスパルザのタイトルに挑戦すると、エスパルザのタックルを切り、最後は足でエスパルザの腕を封じつつのチョークで一本勝ち。これまでは打撃のみのイメージだったが、レスリング・寝技も向上していることを見せた。34歳。

レモスはストロー級ではジェシカ・アンドラジにスタンディング肩固めで敗れたのみで、7勝1敗。しかも5勝がフィニッシュ勝利とフィニッシュ力もある。来月復帰する魅津希とは、魅津希の長期欠場前最後に対戦しているが、魅津希は初めてパンチでダウンを奪われて完敗している。女子ストロー級は最近エスパルザ・ナマユナス・ヨアンナと、1度王者になった選手の挑戦が続いていたので、レモスの挑戦はフレッシュだが、36歳と女子ストロー級史上最高齢でのタイトル挑戦となる。

レモスの蹴り足を払って倒したウェイリー。担ぎパス。サイドについた。ハーフからパウンドを打ち込むウェイリー。レモス立つが、すぐにウェイリーが足をすくってテイクダウン。しかしレモス倒され絵際にダースチョーク!けっこうタイトに入っているが、ウェイリーハーフの足を超えてサイドに離さないレモスだがバックマウントにして外した。ウェイリーパウンド!バックから打たれるレモス。正対してハーフにしたがまたパウンドをもらう。レモスまた立つと、ウェイリーがテイクダウンを狙ったところにニンジャチョーク。しかしグラウンドにたたきつけて外した。ホーン。

1Rウェイリー

2R。レモスがパンチをヒットさせる。しかしすぐウェイリーボディロックからテイクダウン。サイドについている。マウントを狙ったがハーフに。枕を取って上体を固めているウェイリー。レモスうつ伏せになりがぶりの状態に。バックに回るウェイリー。またハーフになった。肘を落とすが、レモスフックスイープで浮かせて立った。ウェイリー離さないで大内テイクダウン。レモスを亀にするとバックに回る。腕を掴んでディフェンスするレモス。ホーン。

2Rウェイリー。グラウンドになると力の差が出る。

3R。レモスがワンツーを放つとパンチを返したウェイリー。組んで四つに。レモス押し込むが、ウェイリーは小手で巻いてコントロールし肘を打ち込むとタックルに入りテイクダウン。簡単にパスしてサイド。またバックに回る。両足フックしバックマウント完成。腕を掴んでチョークは防いでいるが、上になりうつ伏せにしようとするウェイリー。レモス正対してハーフに。また簡単に足を抜いてパス。粘りが無くなってきたレモス。ケージ際でスペースができたところで立ったレモス。前蹴りを入れて離れたウェイリー。飛び込んでワンツー。レモスにとって唯一の勝機のスタンドになったが、手が出せない。ホーン。

3Rウェイリー。レモス下になるとすぐにポジションを取られるようになり、心が折れ気味。

4R。サイドキックを入れるウェイリー。ハイ。レモス一発を狙っている様子はうかがえるが、手が出ない。距離を取りロー、サイドキックを入れるウェイリー。1分すぎにやっとワンツーを出したレモス。まだヒットすれば倒す力はある。が、まだ間合いが遠い。ウェイリーのボディストレートにパンチを合わせたレモス。ウェイリーの蹴りにパンチをあわせてスリップダウンさせたが、ウェイリーすぐ立つ。レモスも手が出てきた…と思った瞬間にウェイリータックル。テイクダウン。またニンジャチョーク。しかし足のクラッチがなく外される。すぐに足で離して立った。またスタンド。残り1分。ウェイリー飛び込んでワンツー。また飛び込んだところにレモスがパンチを合わせた。左右のパンチで出たレモスだがウェイリー組み止めた。肘を入れて離れる。またパンチを振って出るレモスだが、ウェイリー組んだ。ホーン。

4Rウェイリー

5R。ウェイリー飛び込んでサイドキック。さらにカウンターのパンチを打ち込みレモスダウン!すぐ上になりパウンド。レモス下から足にしがみついて足関狙い。しかしパウンドを打ち込み外した。またエスパルザ戦のように足でレモスの腕をホールドしてパウンドを打ち込む。仰向けにして殴る。レモスなんとか立ち上がり腕のロックを抜いたが、ウェイリーケージに押し込み肘。そしてボディロックからテイクダウン。残りまだ2分。サイド。押さえ込みながら脇腹に膝。レモス立ち上がりギロチンに抱えようとしたがウェイリー引き剥がし立つ。サイドキックで近寄らせない。パンチで突っ込んだレモスだがタイムアップ。

50-43、50-44、49-45の3-0でウェイリーが初防衛に成功。

グラウンドの差が予想以上で、レモス唯一の勝機であるスタンドの攻防でも手数が少なすぎた。