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【UFN229】2年4カ月振りの復帰戦、村田夏南子─01─「皆の練習を見ていると、凄いやる気が伝わって来て」

【写真】魅津希に続き、村田も復活Vとなるか (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC ApexでUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」が開催され、村田夏南子がヴァネッサ・デモパウロスと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2021年6月のヴィルナ・ジャンジローバ戦で腕十字を耐え続け、腕を負傷して長期離脱を強いられた村田は、昨年の夏になってようやく試合に向けて本格的なトレーニングを再開させると、タイはプーケットのバンタオMMAへ出稽古に向かった。そして、現地で思わなく負傷をし、またもや復帰が遅れた。村田の身に何が起こったのか──を尋ねた。


──打撃、レスリングと弾けるような動きが随所に見られ、なんだかホッとしました。試合が決まっているので当然なのですが、昨年の夏には試合に向けて動き始め、タイに出稽古へ。そこからまた1年も戦うことができなかったです(※取材は9月6日に行われた)。

「タイでケガをしてしまって。そからから、できる練習だけやってきたんですけど、本格的にできるようになったのは今年になってからです」

──タイで負ったケガというのは、どういうものだったのですか。

「歯をケガしたんですよ」

──歯、ですか。

「ハイ。上顎が折れて、歯が四本奥に下がってしまって……」

──それは……なんちゅうケガなのですか……。交通事故のようじゃないですか。

「バンタオMMAでライトスパーリングをしていて、あのジムはビジターの人が結構多いんですよ。階級の軽い男子選手とたまたまやっていて、その人にテイクダウンを仕掛けらたらニーパッドをしていないヒザを合わされてしまったんです」

──えっ……、ヒザ当てもせずに? それは相手が全面的に悪い。

「マウスピースがバッと飛んで行って、舌で歯の位置を確認したら歯茎から奥にズレていて、唇も裂けていました」

──いや、想像するだけでも身が縮こまってしまいます。

「そんな感じでケガをして。確か10月の初めでしたね」

──本来はいつまでプーケットに滞在予定だったのでしょうか。

「11月の中頃までですね。とりあえず、向うの病院で処置をしてもらいました」

──ハイ。そのままにはしておけないでしょうし。ただし、タイで病院に行くのも恐怖が伴いますよね。

「ハイ。怖かったです。日本の先生に連絡して、『処置が終われば、少しでも早く帰国して。診察するから』と言う風に言われました。でもPCR検査をする必要があって、1週間ぐらいタイにいないといけなくて。あの時、一本の歯が完全に抜けていて。魅津希ちゃんが病院に一緒に来てくれたのですが、看護師さんから『ミルクに漬けておきなさい』って言われて、どこかに行ってしまったんです。で、戻ってきたらジップロックみたいなやつに牛乳を入れて、そのなかに歯が入っていて。『入れてきたっ!!』って(笑)」

──そんなことで、その歯を戻すことができるのですか?

「いえ、結局はくっつかなかったです。1本が差し歯で、他は神経が死んじゃっていました。そこからは矯正する器具を2カ月間使って、固定をして。結果的に大きな病院で、しっかりと処置してもらうことができていたのですが、凄い額の請求も来て!!」

──うわぁ……。保険の方は?

「カードの入っている保険が使えなかったです。だから『抜糸に来なさい』って言われていたんですけど、自分が抜きました」

──いや、村田選手。常人離れしていますね。

「唇の裏まで13針縫っていたのですが、毛抜きと爪切りで全部抜きました」

──もはやマジカルワールドです。10月の最初にケガをして、帰国してからはどれだけ体を動かすことが許されていたのですか。

「ほとんど何もできずに、練習を見に来ていました」

──ようやく腕の負傷から、試合ができる状態まで戻しての違う箇所の負傷。MMAを諦めようという気持ちにはならなかったですか。

「なりました……。実はケガをする前の日に、マネージャーの(ヒラタ)シュウさんから連絡があって『年明けくらいに試合ができるように動こうか』という話をしていたんです。もともと試合に向けてバンタオで練習をすることにしたので。で、あのケガですから──もういいかなという気持ちにはなりました」

──う~ん、そうなるのも分かります。

「ただ、日本に戻って来て皆の練習を見ていると、凄いやる気が伝わって来て。それが私もやるんだと思えるようになって。それが一番大きかったです」

──上顎が折れて歯がズレて固定する。その間は体を動かすことはできたのでしょうか。

「打ち込みも含め、対人練習はとにかくできなかったです。歯を食いしばることができないので、フィジカルも無理で。2カ月ぐらい、歯を固定している間は本当に軽く自転車を漕ぐようなことだけやっていました。だから普通の練習ができるようになった時に体力、筋力の落ちは凄くて。あれも凄く辛かったです」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229対戦カード

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
ライアン・グレン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子(日本)
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)

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