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【PFC32】15年11カ月振りのMMA──飛田拓人 in 札幌「修斗畑で育った人間で完全実力主義という感覚が」

【写真】正直、額は大きくなったと思いますが──修斗で戦ったいた頃と変わらぬ若々しい飛田選手です (C)TAKUTO HIDA

3日(日)に札幌市北区のPODアリーナで開催されるPFC32。今大会では飛田拓人が15年11カ月振りに復帰し、プロデビュー戦の佐藤力斗と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

今大会のメインイベントではPFCバンタム級チャンピオンの渡部修斗が一夜限りのカムバック。亀松寛都の挑戦を受けるが、その渡部がかつて所属していたストライプル新百合ヶ丘の代表を務める飛田が2008年4月以来となる試合に臨む。なぜこのタイミングで飛田は復帰を決意にしたのか。そこには教え子でもある渡部、そして地元・札幌で戦いたいという想いがあった。


――飛田選手が約16ぶりにMMAに復帰するとお聞きして、急きょインタビューをお願いさせてもらいました。今回MMAの試合をしようと思ったきっかけは何だったのですか。

「いつか渡部修斗君(※元ストライプル新百合ヶ丘所属、現在は自らのジム=FIGHT LYNXの代表)と一緒に試合をしたいという思いがありながらも年数が経っていて、今回修斗君がラストの試合ということもあって復帰を決めました。あとは僕の地元・札幌で行われる大会ということも大きいですね。会場のPODアリーナは地元も地元、僕が生まれ育った町のすぐ隣で、そこで修斗君が試合をするというのも何かの縁かなと感じました」

――渡部選手と同じ日に試合するだけでなく、それが地元・札幌で実現するというのは想像していなかったですよね。

「そうですね」

――試合のための練習は続けていたのですか。

「強弱はありましたけど、いつかもう一度総合の試合をしたいと思って、練習を続けていました」

―とはいえ16年ぶりの試合なので躊躇する部分はなかったですか。

「札幌以外だったら躊躇したかもしれませんが、札幌のほぼほぼ地元ど真ん中だったので、これなら試合をやりたい、と。それで自分からPOD GYMの山本喧一会長に『修斗君と同じ日に試合ができませんか?』とお願いをしたら、色々と話をつないでくれて試合を決めてもらいました」

――飛田選手の要望をかなえてくれた主催者にも感謝の気持ちはありますか。

「16年も試合をしていなかった自分のリクエストを聞いてくれて感謝しています」

――渡部選手はどのような反応でしたか。

「飄々としているタイプなので…どうなんでしょう(笑)。一緒に出たら楽しいのかなくらいの感じで笑っていました」

――飛田選手もデビューから約24年、地元で試合できなかったことが心残りだったのですか。

「はい。自分が試合を出来なくなる前に、地元で総合の試合をやりたいという想いはずっとあったので、それを実現することが出来て本当にうれしいです。昔は地元で総合をやることは考えられなかったですし、今こうして地元に総合のジムがあって、総合の大会が開催されているということも感慨深い。もし僕の時代にこういう環境があったら地元に残っていたと思います」

――では地元の知り合いや仲間も会場に来るのでしょうか。

「それですね。実は一人も呼んでいなくて、チケット売上に貢献してないんです(苦笑)。地元の人間に試合を見せたいというよりも、自分がファイターとして地元で戦いたいという気持ちが強いです」

――対戦相手は佐藤力斗選手ですが、飛田選手としてはどのような試合を見せたいですか。

「長年総合をやってきたので、その時の閃きというか、臨機応変に戦えたらと思います」

――飛田選手も長らく格闘技に携わってきて、昨今の格闘技界を見て感じることはありますか。

「団体が飛躍的に増えたので、各団体それぞれに特色があると思います。僕の時代は総合でプロを目指すと言ったら修斗くらいしかなく、そこを目指す以外の道がなかったので。ただ選択肢が増えたとしても、選手が目指すところ、コアなところは同じだと思っています」

――そのコアなところ、飛田選手がずっと変わらず持ち続けているものはなんですか。

「強さを求めるために戦う人間もいるし、自己表現の場として戦う人間もいる。選手によって出たい団体や目的は違うと思うので、それに合わせて話はします。でも僕は修斗畑で育った人間で、完全実力主義という感覚があるので、色んな団体も見ますけど、やっぱり見るならUFCですし、そういう思いは道場生に伝えたいですね」

――やはり道場生たちには強くなること、勝つことにはこだわってほしいですか。

「はい。そこは伝えたいです」

――飛田選手はこの試合を通して、どんなことを見ている人に伝えたいですか。

「そこまで深くは考えていなかったのですが、周りからは怪我しないでと言われるので、まだそこそこ出来るよとは思っていますし、それを試合で見せたいです」

――これからも機会があれば試合は続けていきたいですか。

「次の試合を体験してみないと、どんな感情が生まれるかは分からないので、今は佐藤戦に集中したいです」

――また念願の渡部選手との揃い踏みで、2人でどのような試合をしたいですか。

「僕と修斗君は全くファイトスタイルが違うんですけど、色んな総合格闘技・MMAがあるんだなというところを見せたいです」

■PFC32第2部対戦カード

<PFCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]渡部修斗(日本)
[挑戦者]亀松寛都(日本)

<PFCウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] 新名正啓(日本)
[挑戦者] 成田佑希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
飛田拓人(日本)
佐藤力斗(日本)

<63キロ契約/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
綾哉(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
河永重春(日本)
中場ガッツマン大地(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
カタナマン(日本)
金田一利明(日本)

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【PFC32】渡部修斗に挑戦、ボビー・オロゴン×ホイスを視てMMAを始めた亀松寛都「所さんと戦いたい」

【写真】卍固めは仕掛けられた人の姿勢も大切です(笑) (C)KENICHI YAMAMOTO

3日(日)に札幌市北区のPODアリーナで開催されるPFC31。今大会ではPFCバンタム級選手権試合としてチャンピオン渡部修斗と亀松寛都が挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

前PFCフライ級王者で、バンタム級転向2戦目で今回のチャンスを掴んだ亀松は「YouTubeで見た『ファニエスト外語学院』のボビー・オロゴンがきっかけ」でMMAに興味を持ったという変わり種。

山本喧一会長率いるPOD GYMに入門し、PODで純粋培養されたファイターでありながら、今回の試合前にはハワイのグレイシー・テクニックスでマックス・ホロウェイとも練習を重ねた。亀松は今回の渡部戦を「出世試合にする」と語った。


──試合3日前のインタビューありがとうございます。試合に向けた調整は万全ですか。

「今回会長からハワイのグレイシー・テクニックスで練習する話をいただいて、約一週間ほどハワイで練習してきました。通常の追い込みより期間は短かったんですけど、いい調整ができています」

──ハワイで練習を!

「道衣を着た柔術の練習がメインで、MMAではマックス・ホロウェイ選手とも練習させてもらって、貴重な経験をさせてもらいました」

──ホロウェイと練習できる機会は貴重だと思います。元UFC王者のホロウェイと向かい合って、どのようなことを感じましたか。

「(打撃は)軽くコンタクトするレベルの強度で、やっている最中はよく分からなかったんですけど、練習が終わってホテルに帰ってきてスパーリングの映像を見てみたら、びっくりするくらいやられていました(苦笑)。まだ自分がホロウェイ選手のすごさが分かるレベルに達していないというか。そのくらいホロウェイ選手は強かったですし、よくある表現ですけど世界の広さを肌で感じました」

──柔術の練習はいかがでしたか。

「自分はウワー!と動いて逃げることが多いのですが、道衣を着ているとそれができないし、道衣があると裸のグラップリングでは極められない技を極められてしまうので、勉強になりました。道衣の練習をして、より細かい部分まで意識するようになりましたね」

──亀松選手は今回がMMAPLANET初登場ということで、これまでのキャリアについて聞かせてください。格闘技を始めた何歳の時だったのですか。

「ジムに入ったのは14歳の時です。格闘技を始めた理由としては、真面目に学校に行くタイプではなくて、よく友達と学校をサボってYouTubeで昔のバラエティ番組を視ていました。それで『ファニエスト外語学院』の動画を見つけて、友達と一緒にハマって(笑)」

──「さんまのSUPERからくりTV」の人気企画ですね。もしかしてそれに出ていたボビー・オロゴンさんの……。

「そうです(笑)。あの番組でボビーがホイス・グレイシーと戦っていたのを見て総合格闘技のことを知って。それでネットで総合格闘技を検索したときにPOD GYMを見つけて入会することになりました」

──なるほど。今の話を聞くと凄い時代が来たな…と思います(笑)。

「おそらくこういう理由で格闘技を始めた選手は僕だけだと思います(笑)」

──では亀松選手はPOD生まれ・POD育ち、山本会長に格闘技のイロハを教わったのですね。

「はい。格闘技経験ゼロだったので、そうなりますね。会長のこともPRIDEの昔の映像を知っていたので、その人から格闘技を一から教わるというのも不思議な感じでした」

──プロデビュー戦は2020年3月、タイガー石井選手と対戦しました。異例の相手だったと思うのですが、どういう経緯で決まったのですか。

「もともとは別の選手とプロ昇格戦をやる予定だったんですけど、コロナの影響で欠場になっちゃったんです。その選手とタイガー選手の相手が同じジムで、ちょうど僕とタイガー選手の相手がいない状況になって、急きょ僕とタイガー選手が試合をすることになりました」

──そういった事情があったのですね。デビューから4連敗と勝てない時期が続き、5戦目で初勝利。そこからは4連勝と快進撃が続きました。何か変化があったのですか。

「当時は高校生で試合に出ても全く勝てなくて、腐りかけたんですよね。でも負けたまま格闘技をやめるのはかっこ悪いから『とりあえず高校生のうちは続けよう』、『何連敗してもいいから1回は勝とう』と思ってやったら、勝つことができました」

──しかも石井選手にはデビューから3年後にリベンジしました。あの時は勝てるという自信があったのですか。

「デビューしてから泥水をすすってきたわけだし、先輩の遠藤来生さんや山本空良さんにボコボコにされながら練習を続けてきたので、今の自分だったらタイガー選手にも勝てるという自信を持って戦いました」

──今大会は一夜限りのMMA復活となる渡部修斗選手と対戦することになりました。渡辺選手と対戦することは想像していましたか。

「ちょうど僕がジムに入った頃、ジムにFighting NEXUSのポスターが張ってあって、そこにデカデカと載っていたのが渡部選手だったんですよ。特に予備知識はなかったのですが自然と渡部選手に目がいって。で、タイガー選手や村井和道選手もそうだったんですけど、ポスターにデカく載っていたり、自然と目が行く選手と試合が決まることが多いんです。だから『ああ今回も決まったなぁ』って感じでした」

──オフィシャルのコメントでは「この試合が出世試合になる」という言葉がありましたが、どんな試合にしたいと思っていますか。

「どっちかが失神するんだろうなと思います。ただし、散る覚悟はありますけど、散るつもりはないです。自分が勝つパターンも見えているし、負けるパターンが分かっているからこそ、その対策も練習してきたので自信はあります」

──ターニングポイントになりうる試合で結果にこだわりたいという気持ちはありますか。

「もちろん勝つ気ではいるんですけど、ここで負けたからと言って僕の格闘技人生が終わるわけじゃないし、もし負けても次で勝てばいい。絶対に勝つという気持ちは変わらないですが、変な気負いはせずにのびのびと戦おうと思います。僕の場合はそういう姿勢で勝ってきたし、その方がいい結果を残せていたので、今回もそれでいこうと思います」

──試合する以上は白黒はっきりつけたい、勝つならフィニッシュして勝つ。そういったこだわりはありますか。

「僕はそれがプロの仕事だと思っています。前々回の村井戦は負けてしまったんですけど、すごく後楽園ホールが盛り上がっていて、会長から『試合には負けたけどプロの仕事は出来ていたぞ』と言われて、それがすごくうれしかったんです。僕はずっと面白い試合をしたいと思ってやってきたし、改めてプロの仕事はこういうことなんだなと思わされました。でもだからこそ負けてそう言われたことは悔しかったし、次は勝ってプロの仕事をしたいです」

──渡部戦をクリアした先の目標は?

「メジャーな舞台に出たいですし、最近口にしているのは所英男選手とやることです。もともと所選手は会長が東京でやっていたPODの出身ですし、それを抜きにしても見ていて熱くなる試合をする、こういう選手になりたいと思っていた選手なので、いつか所選手と戦いたいです。前回所選手が平井総一朗選手のセコンドでPODアリーナに来ていて、おこがましいのですが『所選手と戦いたいです』と直接お伝えさせてもらって、所選手からは『待てるかどうかは分からないけど待っています』と声をかけてもらいました」

──それはドラマがありますね。

「僕自身、ジムに入るまで所選手が会長の教え子ということを知らなくて、あとから知ったんですよ。それを知った時はすごく驚きましたし、嬉しくなりました。簡単に戦わせてもらえる相手じゃないことは理解していますが、それは目標にしたいと思います」

──それでは最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「今回は相手が強いこともあるし、この試合に勝てば地元以外でも試合が組まれるチャンスが広がると思っているので、会場には僕を応援してくれる人たちがたくさん来てくれます。その人たちに感謝の気持ちが伝わる試合をしたいです」

■PFC32第2部対戦カード

<PFCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]渡部修斗(日本)
[挑戦者]亀松寛都(日本)

<PFCウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] 新名正啓(日本)
[挑戦者] 成田佑希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
飛田拓人(日本)
佐藤力斗(日本)

<63キロ契約/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
綾哉(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
河永重春(日本)
中場ガッツマン大地(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
カタナマン(日本)
金田一利明(日本)

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【PFC22】3月地方大会ラッシュ=先陣を切るPFCで渡部修斗は半年&飛田拓人は16年振り、一夜限りの復帰戦

【写真】おい、もう復活かという声があることは十分に理解しつつ義理を果たす渡部修斗(C)MMAPLANET

2日:修斗LIVE! TOKYO、3日:GLADIATOR025 & PFC32、9日:DEEP、10日:GRACHN X BRAVE FIGHT、17日:DEEP OSAKA、23日:RIZIN LANDMARK & 修斗、24日:DEEP TOKYO & DEEP JEWELS and FORCE、31日:Pancrase & Bloom FCと、3月はMMAイベントが目白押しだ。
Text by Manabu Takashima

加えて札幌、大阪、神戸、高松、福岡という首都圏外で多くの大会が開かれ、その先陣を切るのが3日(日)に札幌市北区のPODアリーナで開催されるPFC31だ。


そのメインはPFCバンタム級選手権試合でチャンピオン渡部修斗、亀松寛都の挑戦を受ける。渡部といえば昨年8月のNEXUS32で引退試合=同選手権試合に挑み、ベルト奪取&引退したばかりだ。

グラップリングでは現役続行を宣言した渡部は、王座の義務を果たすために1度限りのカムバックファイトに臨む。チャレンジャー亀松は元フライ級王者で、国内メジャー出場を目指し、バンタム級転向2戦目でベルトに挑むこととなった。

渡部が一夜限りとはいえ約半年でケージに戻るのに対し、彼のもともと所属していたストライプル新百合ヶ丘の飛田拓人代表は2008年4月以来、実に15年11カ月振りの現役復帰を果たす。

タクミ、門脇教祖、朴光哲、マルース・クーネン夫=ウーモア・トロンペットら錚々たるファイターと戦ってきた飛田が、今回がデビュー戦となる佐藤力斗と対戦する。その佐藤は「柔術黒帯のおじさんファイターらしいんですけど、すぐ倒して勝ち上がります。KOしちゃいます」と尊敬心の欠片もないコメントをリリースに寄せている。

札幌市西区出身の飛田が、最初で最後の凱旋マッチでどのようなパフォーマンスを見せるか──東京ボンバイエ所属時代を知る世代には、何よりも気になるファイトとなろう。

■PFC32対戦カード

<PFCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]渡部修斗(日本)
[挑戦者]亀松寛都(日本)

<PFCウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] 新名正啓(日本)
[挑戦者] 成田佑希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
飛田拓人(日本)
佐藤力斗(日本)

<63キロ契約/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
綾哉(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
河永重春(日本)
中場ガッツマン大地(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
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【PFC31】平井総一朗とベルトを賭けたリマッチへ、黒石大資─02─「まずは自分が行きすぎないこと」

【写真】写真は2019年11月のNEXUSフライ級トーナメント準決勝。橋本薫汰に判定で敗れてベルトを逃した。黒石はネクサス再挑戦も視野に入れている(C)MMAPLANET

19日(日)、北海道は札幌市北区のPODアリーナで行われるPFC31で、平井総一朗とのPFCフライ級王座決定戦に臨む黒石大資のインタビュー後編。
text by Shojiro Kameike

PFCフライ級は、第3代王者の亀松寛都が王座を返上。空位となったベルトを同級1位の黒石と同級3位の平井が争うこととなった。両者は今年7月のPFC30で対戦し、黒石が3R判定勝ちを収めている。ベルトを賭けたリマッチを控える黒石に、スカーフィストのファイトスタイルと札幌での試合について訊いた。

<黒石大資インタビューPart.1はコチラ


――青森県といえば以前は常設ジムも少なく、地元で試合ができる機会も少なかったと思います。MMAをするために他の地域へ行くことは考えませんでしたか。

「それは考えなかったですね。青森で続けていきたいと思っていました」

――青森の良さって、どんなところでしょうか。

「何だろうなぁ……食べ物が美味しいところですかね(笑)」

――アハハハ、ありがとうございます。話を戻すと、黒石選手は2015年12月にパンクラス札幌大会でプロデビューし、その後は修斗の試合を経て中国WLFの試合を迎えます。プロ5試合目で中国遠征というのは、当時いかがでしたか。

「当時はいろんなことを経験したかったんです。だから『海外での試合って、どういうものなんだろう?』と興味が湧いて、オファーが来た時にすぐ『行きます!』って返答しました」

――なるほど。黒石選手の戦績は勝っても負けてもKOか一本決着で、もともとスカーフィストの選手にはレスリング+パンチ、そこにサブミッションが加わるという印象があります。それはスカーフィスト所属選手に共通することなのでしょうか。

「皆そういうタイプかもしれないですね。特にアマチュア修斗から出ていると、前に出て寝かせてナンボ――という雰囲気はありました。今はルールも変わってきていますけど、当時のアマ修斗はテイクダウンしてトップを取るとポイントが入っていて。そのルールであれば、みんなトップを取りに行きますよね」

――まだアマチュア修斗でグラウンドのポイント制が採用されていた頃ですね。確かに、当時のアマ修斗から育ったファイトスタイルかもしれません。

「前に出ること自体は、リスクもあります。でも自分はリスクを背負ってでも、前に出て倒しに行きたいです」

――そんななか現在は北海道のPFCが主戦場となっています。青森県から北海道で戦うのはアウェイ感が強いのでしょうか。それとも、もう地元のような意識になっていますか。

「他の選手は分からないけど、自分にとっては地元感が大きいです。アマチュア修斗の頃から札幌で試合をしているんですよね。アマ修斗の北海道予選とか。もうPFCでも4試合やらせてもらっていますし、いつも試合が終わったあと『また札幌に帰ってくるね!』と地元のお客さんに挨拶してきますから(笑)。その札幌でタイトルマッチができるというのは嬉しいですね」

――では次のタイトルマッチについてお聞きします。空位のPFCフライ級王座を賭けて戦う平井選手とは、4カ月前に対戦して判定勝ちを収めています。ダイレクトリマッチとなるわけですが、前戦の印象を教えてください。

「平井選手はとにかくフィジカルが強かったです。もともと柔道がベースだと思いますが、スコーンと投げられてしまう感じで」

――前回の試合は5分2R+Ex 1Rで、1Rは平井選手、2Rには黒石選手がテイクダウンを奪ってドローとなりEXラウンドに突入しました。

「2Rが終わって、自分が勝っているのかなっていう思いは少しありました。テイクダウンを奪われたあと、前に出ていたのは自分だったので。ただ、それだけに削られていた部分はあって――延長戦に入ることになって、疲れはありましたが『もおうやるしかないな』と気持ちを固めましたね。延長戦は気合いで戦いました。そこだけは絶対に負けないと思って」

――気持ちで負けていると代表の小倉卓也選手が……。

「いつもセコンドについている代表から怒られています。『行け! サボるんじゃねぇ!!』とか(笑)。でも自分にとっては、それぐらい言われるほうが良いんですよ」

――なるほど。ただ、次のタイトルマッチは5分5Rです。

「しかも5Rを戦いきる試合が多いですよね(苦笑)。ちゃんとフルラウンド戦うことも想定して、まずは自分が行きすぎないことを意識しています。いつものように前に出すぎると、前半戦で消耗してしまうでしょうから。最初はしっかりと圧力をかけながら、自分のペースで進めていきたいです」

――対する平井選手も前回の試合内容を踏まえて、序盤はペースを抑えてくるかもしれません。そうなると黒石選手自身も抑えて進めていくのか、あるいは前に出るのか。

「その場合は、自分がもっと圧力を強めていくかもしれません。できることなら――やっぱりフルラウンド戦うことなく、序盤に仕留めたいですね。アハハハ」

――今回のタイトルマッチも含めて、MMAにおける黒石選手の目標を教えてください。

「今回PFCのベルトを獲ることができたら、その次はネクサスのベルトも視野に入れていきたいですね。自分は一度ネクサスのフライ級王者決定トーナメントに出て、準決勝で負けています(2019年11月、橋本薫汰に一本負け)。あの時は悔しい想いをしたので、もう一度ネクサスのベルトに挑むことができたら――と思っています。

その前に、まずは今回勝つこと。ベルトが懸かった試合なので、ここは死ぬ気で獲りにいきます。今後も期待してください」

■PFC31対戦カード

<PFCフライ級王座決定戦/5分5R>
黑石大資(日本)
平井総一朗(日本)

<PFCストロー級王座決定戦/5分5R>
早坂優瑠(日本)
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)

<バンタム級/5分2R+1ex>
亀松寛都(日本)
ジミー西将希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
渡辺トシキ(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
中島光陽(日本)
河永重春(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<フライ級/5分2R+1ex>
澤口悠之介(日本)
中西テツオ(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
ハント高島(日本)

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【PFC31】平井総一朗とフライ級王座決定戦、黒石大資─01─「組み技は相当頑張りました」

【写真】平井は首都圏から。黒石は青森から札幌へ(C)MMAPLANET

19日(日)、北海道は札幌市北区のPODアリーナで行われるPFC31のメイン=PFCフライ級王座決定戦で、黒石大資が平井総一朗と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

青森県のスカーフィストでMMAを始めた黒石は2015年12月にパンクラス札幌大会でプロデビュー。その後は修斗から地元の青森県で開催されるGFC、ネクサスでも戦い、そして現在はPFCが主戦場となっている。そのPFCのベルトに挑戦する黒石に、ここまでの歩みを訊いた。


――本日はよろしくお願いします。次の試合に関するお話の前にお聞きしたいことが一つあります。黒石選手は2017年10月、WLF(武林風)に出場されていますよね。

「はい。あの時は8月に試合をする予定だったんですけど、大地震(シルツァデグ地震)で大会自体がなくなって……。本来は8月にやるはずだった試合が10月にスライドされるはずだったのですが、仕方ないですけど『8月なら出られるけど10月は出られない』という選手もいました。ウチの小倉卓也代表もそのパターンでしたね」

――そうだったのですね! これまで当時のことについては中西テツオ選手、新井丈選手から当時の話を聞いていました。その大会の話こそしていないものの木内SKINNY ZOMBIE崇雅選手にもインタビューしており、ここで黒石選手の取材になるとは何か不思議な縁だと思いました。

【参考】シルツァデグ地震とWLFについて
中西テツオ・インタビュー 
新井丈インタビュー 

「あぁ、なるほど! しかも中西選手と木内選手も今回、同じ大会で試合をするんですよね(※木内は早坂優留とストロー級王座戦、中西は澤口悠之介と対戦する)。すごく懐かしいいです。いろいろありすぎて、今となっては『楽しかったなぁ』と思います。

他の選手とは住んでいる場所も違うし、あの大会以降は会っていないのですが、今回の大会で懐かしい話になるかもしれません(笑)。久しぶりにお会いするので、自分も楽しみにしています」

――黒石選手にとっては、あの中国遠征がプロ4試合目になります。まずはMMAを始めた経緯から教えていただけますか。

「もともと僕はボクシングが好きで。ボクシングの経験がある友人がサークルのような形でボクシングを教えていて、僕もその練習に参加していたんです」

――最初はプロボクサーを目指していたのですか。

「いえ、プロになろうという意識はなかったです。ただ体を動かしたいっていう気持ちのほうが強かったです」

――そこからスカーフィストに入ったのも、運動目的だったのでしょうか。

「そうですね。ボクシングサークルの友人がスカーフィストの先輩たちと知り合いだったんですよ。僕も『総合格闘技をやってみないか?』と誘われて、行ってみてハマッたのがMMAを始めたキッカケです。あれは22歳ぐらいの頃で」

――それはまだスカーフィストが常設道場になる前ですか。

「今の常設道場に移る前――青森市スポーツ会館のレスリング場で練習していた頃ですね。スカーフィストの常設道場が出来たのが6年ぐらい前だったと思います」

――スカーフィストに入る以前は、MMAは観ていなかったのでしょうか。

「ほとんど観たことはなかったです。ボクシングやK-1のほうが好きでした。MMAが好きになったのは、小倉代表と会ってからですね」

――22歳の時ということは2015年ごろかと思いますが、2015年12月にはパンクラス札幌大会でプロデビューし、翌年7月には修斗でも戦っています。プロで試合をするまでのスピードは速かったのですね。

「先ほども言ったとおり、もともとプロを目指していたわけではないんですよ。でも練習しているうちに、アマチュア修斗の試合に出たくなって。出ていたら全日本アマ修斗で優勝したくなり――でも、その時もまだプロで試合をすることは視野に入っていなかったです。

段階を踏んでいった結果、2度目の全日本アマ修斗に出た時(2015年9月、バンタム級3位)、『やっぱりプロでやりたい』と思うようになりました(笑)。プロのライセンスも貰えたし、年齢も年齢だったので『ここはプロで試合をしてみよう』と」

――ボクシングから始めたということは、組みの練習を始めたのはスカーフィストに入ってからですか。

「はい。スカーフィストに入った頃は全く組み技の経験がなくて、アマ修斗に出始めた当初も打撃主体で戦っていました」

――当時のスカーフィストの選手といえば、「組み技を前提とした打撃」でガンガン行くというイメージが強かったです。しかも当時は組み技といえば柔術をベースにする選手が多いなか、スカーフィストの選手はレスリングベースだったと思います。ただ、黒石選手の場合は組み技の前提がなく……。

「そうなんですよ。すごく難しかったです。だから組み技は相当頑張りました。ジムでも『とにかくやれ!』という感じで(笑)。仰るとおり、僕が入った頃は組み技の練習といえばレスリングが中心でした。でも常設道場が出来てからは柔術クラスも始まって、今は柔術もしっかり練習できています」

■PFC31対戦カード

<PFCフライ級王座決定戦/5分5R>
黑石大資(日本)
平井総一朗(日本)

<PFCストロー級王座決定戦/5分5R>
早坂優瑠(日本)
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)

<バンタム級/5分2R+1ex>
亀松寛都(日本)
ジミー西将希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
渡辺トシキ(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
中島光陽(日本)
河永重春(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<フライ級/5分2R+1ex>
澤口悠之介(日本)
中西テツオ(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
ハント高島(日本)

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【PFC31】19日は地方の日!! PFC31でフライ級王座決定戦、平井総一朗「何かピークを創っている選手に」

【写真】豪州のフィーダーショーも、北のJ-MMAも今の自分を出すことには変わりはない(C)MMAPLANET

19日(日)は地方の日!! 札幌でPFC31、青森県五所川原でGFCが4年振りに開催され、福岡ではBLOOM FC旗揚げ戦が開かれる。ここでは札幌市北区のPOD アリーナで行われるPFC31のメイン=PFCフライ級王座決定戦で黒石大資と対戦する平井聡一朗のインタビューをお届けしたい。
text by Takumi Nakamura。

今年2月に豪州#01フィーダーショー=ETERNAL MMAに参戦し、現UFCフライ級の注目株スティーブ・アーセグと対戦するという貴重な経験を積んだ平井。7月のPFC30では黒石に判定負けを喫したものの、当初予定されていた黒石×ザ・タイガー石井の王座決定戦がタイガーの怪我の回復が遅れてキャンセルとなり、ダイレクトリマッチという形で王座決定戦のチャンスが巡ってきた。

「これでいいのかなという葛藤もありました。ただその葛藤よりも前戦の自分へのリベンジもしたい」とオファーを受けた平井。アーセグ戦の経験、そして前回の黒石戦での悔しさをどう形にしてきたのか。王座戦を控える平井に話を訊いた。


――今回は黒石大資選手とダイレクトリマッチという形での王座決定戦が決まりました。平井選手にとってはリベンジもかかった一戦ですが、オファーを受けた時はどのような心境でしたか。

「負けたあとのオファーで、これでいいのかなという葛藤もありました。ただその葛藤よりも前戦の自分へのリベンジもしたいと思って試合を受けました」

──7月の黒石戦は振り返ってみて平井選手にとって、どのような試合だったと思いますか。

「黒石戦の前に豪州で試合をやって(※2月のETERNAL MMA73でスティーブ・アーセグに一本負け)、そこで感じた壁や差を少しでもなくすための準備をやってきて、それを出すんだという気持ちで乗り込んだ試合だったんです。でも思った通り自分の体が動いてくれない、イメージしていた試合ができなかったですね」

──その思うようにできなかったのは、自分の中では何が原因だったって感じていますか。

「ただ単に気負いがひどかったですし、勝って当たり前、当然のように勝つ、自分が何かしらでフィニッシュするというイメージでやりすぎてしまって、相手が自分に対してどう戦ってくるかのイメージが不足していたからだと思います」

──対戦相手よりも自分自身に対して課題があったということですね。

「もちろん相手の黒石選手が徹底して組み技の場面を作らせない作戦遂行力があったし、全体的にある程度レベルが高い選手というのも要因だと思います。ただ自分としては準備段階を含め、相手のことを想定した準備ができていなかったことが反省点ですね」

──今回はそこを踏まえて、何を意識して練習されてきましたか。

「その反省ももちろん活かしつつ、5分5Rやる可能性がある試合なので、いつも所英男会長が言っている『やりきる』をイメージして練習をしています。今まで5分2Rで決着をつけていたところが5分5Rで伸びることを考えると、陸上競技で言えば短距離。中距離種目から一気にフルマラソンになるぐらいの違いがあると思いますし、そのなかで『やりきる』ことを意識しながら取り組むことが出来たと思います。底上げを含めた総合力、打・倒・極全て繋がるような動き、そこを徹底的にやってきました」

──やはりラウンド数は試合展開に影響するでしょうね。

「5分2Rであれば、僕の場合は組めればなんとかなってきたところがあるんですけど、5分5Rになるということはスタンドや立った姿勢でどの程度イニシアチブを取れるか、前に出られるか、プレッシャーをかけられるかというのがポイントになると思います」

──しかも5分5R&ダイレクトリマッチというシチュエーションもなかなか経験できるものではないと思います。

「相手選手に対して一度対戦しているから『ここは大丈夫だ』、『ここはダメだ』というのはなく、僕の中では一度まっさらな状態にしました。ざっくりとしたイメージは持ちつつ、最終的には自分自身だと思っているので、今自分が持っているものを5分5Rの中でどれだけ出せるか。相手選手に対してというよりは、自分自身という感じですね」

──先ほど話にも出ましたが、2月のETERNAL MMA73では、のちにUFCに参戦するスティーブ・アーセグとの対戦でした。結果は一本負けでしたが、UFCレベルの選手と海外で戦うことは貴重な経験です。あの試合は平井選手に何をもたらしましたか。

「本当に自分にとってターニングポイントになったと思います。やはり海外遠征だけあって、スケジューリングもアバウトだったんですけど、そのなかでも割と平常心でいられたというか、そこまで動揺することなく、試合には臨めました。相手選手に対しても試合前にフェイスオフで向かい合った瞬間は『こいつなら勝てるぞ』と思って当日を迎えて、いざケージの中に入って相手と向かい合っている瞬間も、気持ち的にビビることがなかったんです。そのぐらい精神的・肉体的にいい状態でできた試合だったのですが、その上で何もさせてもらえないまま終わってしまったことが凄く悔しい部分で……。今はそこ(海外)を自分の目標、モチベーションとして、もう一回、ここからやり直すんだというきっかけになりましたね」

──あの試合をきっかけに格闘技に対する考え方や取り組み方は変わりましたか。

「変わりましたね。世界と視野が広がった感じです。それまでは国内での自分の立ち位置しか見えてなくて。大した立ち位置ではないんですけど、世界にはこういう戦いの場があるということを体感しただけでも、格闘技家としても人としても成長させてもらえました」

──それも踏まえて、平井選手は今どんな目標を持っていますか。

「先日もPFCのYouTubeライブでもお話させてもらったのですが、目の前の試合を一つ一つ勝つことですね。ただ、昨年末から一貫していることがあって、それは所会長を選手としてではなくて、コーチ・セコンドとしてRIZINに連れて行くこと。所プラスも選手が増えてきたのですが、自分の中では自分が最初に(所をRIZINに)連れて行くんだという想いがあります」

──先日所選手を取材した際、プロ選手&プロ志望の選手が増えてきてプロ練の時間を設けるようになったと話していました。

「僕がジム入った当初はプロの先輩が一人、プロ志望の選手が一人いただけで、基本的にプロ志向のジムではなかったんです。僕ももともと柔道をやっていたんですけど、プロを目指すというよりも、格闘技を楽しみたいと思って入会しましたし」

──そこからなぜプロを目指すようになったのですか。

「さっき話したプロ志望の選手=長野将大選手がデビューするかしないかのタイミングでジムに入って、僕が階級も近い&柔道経験者ということで一緒に練習させてもらう機会が多かったんです。それから練習だけじゃなく、セコンドにも入るようになって……そういうことの積み重ねと周りの期待もあって、自分も試合に出ようと思いました」

──そういったジムの歴史を知っているからこそ、所選手を“会長”としてRIZINのリングに立たせることには特別な想いがありそうですね。

「今までジムを引っ張り、担っていくのは僕じゃなくて、自分より先にジムに入っていた2人だったり、僕より下の世代の選手だと思っていたんです。もともと僕はプロ志望じゃなかったですし、僕より若い選手たちがドンドン上のステージに上っていってくれた方が、ジムが盛り上がるだろうなと考えていた時期もあります。でも自分の役割や役目を改めて考えた時に、今は自分がやらなきゃいけないなって発想が変わってきて。それであえて『所会長をRIZINに連れていきたい』と口に出して言うようにしました」

──その目標を達成するためにも、ベルトを巻くことが大きな前進になると思います。そのタイトルマッチに向けた意気込みを最後にいただけますか。

「まだまだ僕は目立つ選手でもないですし、特別何かを残した選手でもないんですけど、本当にこれから先、何かピークを創っていける選手になっていくので、是非注目していただけたらなと思います」

■PFC31対戦カード

<PFCフライ級王座決定戦/5分5R>
黑石大資(日本)
平井総一朗(日本)

<PFCストロー級王座決定戦/5分5R>
早坂優瑠(日本)
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)

<バンタム級/5分2R+1ex>
亀松寛都(日本)
ジミー西将希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
渡辺トシキ(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
中島光陽(日本)
河永重春(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<フライ級/5分2R+1ex>
澤口悠之介(日本)
中西テツオ(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
ハント高島(日本)

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『Fighting NEXUS vol.32』試合結果

Fight&Life(ファイト&ライフ) vol.98


第11試合 トリプルメインイベント3 Fighting NEXUS初代ライト級王者決定戦 5分3R
×ジェイク・ウィルキンス[Jake Wilkins](LIBERTAS学芸大ジム)※フリーから所属変更
○岸野“JUSTICE”紘樹(トイカツ道場)
判定0-3 (大藪28-29/小池28-29/梅田28-29)
※岸野が王者に

第10試合 トリプルメインイベント2 Fighting NEXUS初代ストロー級王者決定戦 5分3R
×木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(トイカツ道場/修斗世界同級8位)
○宮澤雄大(K-PLACE/パンクラス同級4位)
判定0-3 (梅田27-30/小池27-30/大藪28-29)
※宮澤が王者に

第9試合 トリプルメインイベント1 PFCバンタム級チャンピオンシップ 5分3R
×小倉卓也(スカーフィスト/王者)
○渡部修斗(FIGHT LINX/挑戦者、元Fighting NEXUSバンタム級王者)
判定0-2 (梅木28-28/梅田28-29/出口28-29)
※渡部が王者に

第8試合 MMA フライ級(ノンタイトル戦) 5分2R(延長1R)
×浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉/Fighting NEXUS同級王者、元WPMF日本スーパーバンタム級(55.33kg)王者)
○荻窪祐輔(K-PLACE)
判定0-3 (大藪18-20/梅木18-20/山崎18-20)

第7試合 MMA 88kg契約 5分2R(延長1R)
×廣野雄大(パンクラスイズム横浜)
○ましん(BULE DOG GYM)
1R 0’58” KO (右フック)

第6試合 MMA バンタム級 5分2R(延長1R)
―森永ユキト(ストライプル新百合ヶ丘)
―中桐涼輔(トイカツ道場)
1R 0’22” 無効試合

第5試合 MMA フェザー級 5分2R(延長1R)
○岩松哲也(リベルダージ)
×千春(FREEDOM@OZ)
1R 0’49” 反則

第4試合 キック 60kg契約 3分3R
○渡邉奎介(HIDE’S KICK)
×瀬川 琉(稲城キックボクシング道場/元新日本キックフェザー級1位)※伊原道場稲城支部から所属先名称変更
判定3-0 (小池30-25/山崎30-25/梅木30-25)

第3試合 MMA フライ級 5分2R(延長1R)
×倉岡幸平(蒼天塾あざみ野道場)
○豪瑠[ごうる](Evermove)
3R 判定1-2 (梅田9-10/大藪9-10/出口10-9)
2R 判定0-1 (梅田18-20/大藪19-19/出口19-19)

第2試合 MMA フェザー級 5分2R(延長1R)
○村井和道(FIGHT BASE都立大)
×亀松寛都(POD/PFC/元PFCフライ級王者)
3R 判定3-0 (出口10-9大藪10-9/小池10-9)
2R 判定0-0 (出口19-19/大藪19-19/小池19-19)

第1試合 キック 57.5kg契約 3分3R
○大島広也(TANG TANG FIGHT CLUB)
×紺野煌人(神龍ワールドジム)
判定3-0 (山崎28-26/小池28-26/梅木28-26)

 遅ればせながら8月20日に後楽園ホールで開催された『Fighting NEXUS vol.32』の試合結果。トリプルメインイベント3の初代ライト級王者決定戦は岸野“JUSTICE”紘樹がジェイク・ウィルキンスに判定勝ち。トリプルメインイベント2の初代ストロー級王者決定戦は宮澤雄大が木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅に判定勝ち。トリプルメインイベント1のPFCバンタム級チャンピオンシップは渡部修斗が小倉卓也に王座戴冠と共に引退し有終の美を飾っています。続きを読む・・・
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【NEXUS32】ケージ際の攻防を制したのは村井。PFCフライ級王者の亀松を延長戦の末に判定で下す

<フェザー級/5分2R>
村井和道(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
亀松寛都(日本)

亀松が右カーフを当てて距離を取る。村井が左右に回る亀松に組みつき、両腕を差し上げてケージに押し込んだ。しかし左腕を差し返した亀松が体勢を入れ替える。村井が差し返して押し込むも、左ヒザが亀松の下腹部を捉えて試合が中断。再開後、互いの左ミドルが交錯してから村井が組みつく。しかし離れた亀松がダブルレッグでドライブしてから両腕を差し上げた。

ケージ際で差し合いから体勢を入れ替え合う両者。村井がシングルレッグに切り替えるも倒せず。亀松が体勢を入れ替えた瞬間に村井がバックに回り、そのままケージに押し込んでいく。どちらも倒せずブレイクが掛かった。再開直後、飛び込んできた村井の顔面に亀松の右ショートがカウンターで当たった。ダウンした村井を抑え込み、そのまま立ち上がる相手のバックに回った。しかし同じく差し合い、体勢の入れ替え合いが展開されるなか、村井が内股を狙ったがテイクダウンできずにラウンドが終了した。

村井の鼻から大量の出血があり、ドクターチェックが入った後に2Rが始まる。村井が飛び込んで右前蹴り、右ミドルを連打していく。左右に回る亀松は左右のパンチを振りながらシングルレッグで飛び込むも、かわした村井にバックに回られた。亀井は正対するも相手を抱え込む。亀松の頭をケージに押し込んだ村井は、そのままボディロックで固める。一度離れてパスを狙った村井の左足を取りに行く亀松。しかしヒールフックを極めることはできず、ケージに背中を着けられてしまう。さらに背中を着かされた亀松が下から仕掛けるが、村井がバックからトップをキープして試合を終えた。

2Rを終えての裁定がジャッジ3者とも19-19のドローだったため、試合は延長戦に。

延長ラウンドは村井の右ハイからスタート。蹴りを散らす村井に組みつく亀松が、離れると右を当てる。村井も右ミドル2発から右ストレートで亀松のアゴを跳ね上げた。組んだ村井が左腕を差し上げて亀松をケージに押し込む。体勢を入れ替えられるもバックに回った村井がグラウンドに持ち込んだ。しかし腕をくぐってバックに回った亀松がバックへ。ケージ際の差し合い、バックの奪い合いを制したのは村井だった。そのままバックマウントからRNCを狙う。スクランブルに持ち込んだ亀松が立ち上がった村井のバックに跳びつき、首に腕を回したが試合終了のゴングに阻まれた。

裁定は村井の29-28、29-28、29-28--ということは、延長ラウンドは村井が取ったか。結果、村井が3-0でPFCフライ級王者の亀松に判定勝ちを収めた。


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【PFC30】北のケージMMA=PFC。亀松が返上したフライ級王座を狙い、平井総一朗が初参戦

【写真】アーセグに触れた。それだけも今の平井は違うはず(C)MMAPLANET

明日23日(日)、札幌市北区のPOD アリーナでPFC30が行われる。北のケージMMAは3月12日以来、4カ月振りの開催となる。

前回大会ではフライ級王座を5Rに渡る激闘の末、亀松寛都に譲ったザ・タイガー石井が、4月のプロ修斗沖縄大会で旭那拳を破り、さらには7月の大阪大会でサステイン興行に出場するなど、いわば主流とされるMMA界の流れに影響を与えるようになりつつあるPFC。

その亀松はフライ級王座を返上し、今大会ではバンタム級で大高幸平と対戦する。6月24日のRIZIN札幌大会における同郷ファイターの活躍に刺激を受けた亀松は「ここから無敗でRIZINに出たい」と明日の試合への意気込みをプレスリリースに寄せている。


亀松の返上したフライ級王座を目指し、平井総一朗がPFC初参戦しランク1位の黒石大資と相対する。平井はNEXUSフライ級王座を取り逃した後に、豪州#01フィーダーショーといっても過言でないEternal MMAに参戦──も、現UFCファイターのスティーブ・アーセグに完敗を喫した。

キャリアの仕切り直しは北の大地から。「所(英男)会長の下で格闘技を始めた僕がPFCで戦うことに何か運命を感じています。ジムから最初のPFC参戦ということで使命感と責任感を背負って戦いに挑みます」という平井。

所は──UWF風の表現を使えば、Power of DreamではPFC山本喧一代表の弟子にあたる。いってみればこの一戦、PFCからすると孫弟子が本丸に乗り込んで王座奪取に乗り出すという見方ができる。

PFCウェルター級チャンピオンの新名正啓がコロナ禍以降、初ケージイン=ノンタイトル戦で成田佑希をメインで戦う同大会では福岡のRanger Gymからkoki、堺龍平、柿原RR昇汰の3選手が列島縦断参戦を果たすなど、充実のラインナップとなった。北の動きが再び日本のMMAに影響を及ぼすか、バリューアップに大切なイベントとなる。

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
第一部=アマチュア:正午~ PFC YouTube Channel
第二部=プロ:午後5時~PFC YouTube Channel

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【The Shooto Okinawa#08】12年振りの修斗公式戦、ザ・タイガー石井─01─「何か燻っているものがある」

【写真】渋い。大人なザ・タイガー(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA#08のメインで、ザ・タイガー石井が旭那拳と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在43歳の石井が修斗でプロデビューしたのが2003年、そのMMAキャリアは20年に及ぶ。リングネームも「タイガー石井」から「ザ・タイガー石井」と変わり、様々な舞台を渡り歩いてきた末に、12年ぶりに修斗参戦を果たす。「MMAを辞めようと考える時もあった」という石井だが、それでもなお戦い続ける理由とは。


――プロ修斗沖縄大会を控えているタイガー石井選手です。修斗でプロデビューしたのが2003年、Zoomの画面越しでも貫禄が伝わってきます。

「アハハハ、今年もう44歳になりますからね。MMAデビューから20年経っていて、その前にキックボクシングで1998年にデビューしているから、もう同世代の選手も少なくなってきています。それでも今までの試合は、一つひとつ覚えているんですよ」

――えっ、デビュー当初の試合も明確に記憶しているのですか。

「デビュー当初だけじゃなく、他の試合も事細かく覚えていますね。いつ何処で誰と対戦して、どんな試合内容だったか。格闘技サイトに僕の戦績が載っているじゃないですか。あれって抜けているのもあるんです。それが分かるぐらい自分自身で覚えています」

――それは凄いです。ただ、それだけ同世代の選手が引退していくなかで、石井選手がMMAを続けている理由は何なのでしょうか。

「続けられるかどうかというのは考えています。前の試合(※3月12日のPFCで、亀松寛都に5R判定負けでベルトを失う)もそうだったんですけど、前はできていたことが今はできなっているというのも多くて」

――それでも亀松戦は5Rフルで動き続けて、敗れましたが大接戦でした。

「前回の試合は頑張りました(笑)。やはりPFCのベルトには思い入れがあったし、大事なものだったので。何より自分が負けると想定していなかったので、心のダメージも大きいです。確かに5Rは長かったんですけど、2Rが終わった時点で『疲れた』とかっていう感覚もなくなっていました。この先どう戦うか、そういうことしか考えていなかったです」

――もともと石井選手はキックボクシングがベースにあり、修斗でプロデビューした当初は打撃主体のスタイルでした。しかし亀松戦では、どちらかといえばテイクダウンとグラウンド勝負の展開が多かったです。石井選手のファイトスタイルは、キャリア20年の中で、どのあたりで変わっていったのでしょうか。

「前回も打撃の展開になると思っていました。だから打撃の練習が中心になっていたのに、なぜか体が動いたのはテイクダウンと寝技の展開だったんですよ。自分でも意外で(苦笑)。試合の中で、『テイクダウンするほうが良いな』と自然に動いたんですね。

相手のほうが初戦(※2020年3月、石井が腕十字で一本勝ち)より強くなっていたのは確かでしたが、やはり負けてベルトを失ってしまったのはショックでした。PFCの試合の前に修斗沖縄大会に出る話は進んでいましたし、北海道のベルトを持って沖縄の大会に参戦するつもりだったので」

――まさに日本MMAの縦断ですね。石井選手の所属は「とらの子レスリングクラブ」となっていますが、現在はどのような練習環境にあるのでしょうか。

「基本的にはフリーランスで、主にトイカツ道場でMMAの練習をさせてもらっています。あとは出稽古に行かせてもらったりとか。所属名は――フリーランスよりは何か名称があるほうが良いと思って。『とら』はタイガーで、いつか子供たちに格闘技を教えられたら良いなと思って、子供に分かりやすいように平仮名にしました。ということで、そこまで所属名に深い意味はないです(笑)」

――石井選手といえば修斗でデビューして以降、ケージフォースやパンクラス、ファイティング・ネクサスからPFCまで、様々な舞台で戦ってきました。もちろん勝つ時もあれば負ける時もあり、起伏の大きい20年間を過ごしてきたと思います。そのMMAキャリアのなかで、何を追い求めて戦ってきたのでしょうか。そして今後も、何を求めて戦っていくのか。

「まぁ、良い時もあれば良くない時もありましたよね。同世代の選手も引退してジムを始めたり。そのなかで自分が選手を続けるのは――辞めるっていう選択肢がなかったですね。もし格闘技を続けられないぐらいの大怪我をしたりしたら、その時は考えます。あるいは試合でコテンパンにされて、『自分はもうここまでなんだ』と考えたら、それは辞める時だと思います。でも、まだ自分の中に何か燻っているものがあるんでしょうね」

――くすぶっているもの……それは何なのでしょうか。

「怒り――かもしれないですね。業界に対しての怒りだったり、自分に対する怒りだったりとか。もう最近はなくなりましたけど、『いつか見返してやる』という気持ちは強かったです。昔はよく『お前なんか、もうダメだよ』とか言われることもありました。そう言われると、自分でも『もうダメなのかな……』と考えたりすることもあって。でも言われるたびに『いつか見返してやる』という気持ちが湧いてききたんです。それが僕の原動力だった時代もありましたね。特に勝てなかった時期は」

――2007年から2009年にかけて、修斗では連敗を経験する時期もありました。

「あぁ、全然勝てなかったですね。当時の修斗は、後のトップ選手が多くて。今の選手って技術的なレベルは、すごく高いと思うんです。でも当時の修斗は、技術的な面だけでは測れない強さがあったというか。あれって何だったんですかね? なかなか口では説明しづらいですけど」

――当時の修斗――特に北沢タウンホールで行われているクラスBの試合には、狭き門を潜り抜けるために、ただただ強くなるためだけに戦っていた熱があったと思います。今は違うとは言いませんが、やはり時代の違いはあるでしょう。

「そう、そうなんですよ。MMAの修行僧みたいな感じで。正直、MMAをやっていて金を稼げるのは一部の選手だけだし、プロスポーツとしては当たり前だと思います。自分も一時期、就職して仕事のほうが割合も高くなったことがありました。でも仕事しながら練習していると、やっぱり難しい。『自分はもっと強くなりたいんだ』と思ったんですよね」

<この項、続く>

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