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ACA Interview Special エルダル・エルダロフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ 岩﨑大河 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ~「日本の現状とこれから」

【写真】岩﨑大河のようにミドル級以上のこれからのファイターは、どのようにキャリアを積んでいくべきなのか。J-MMA界の構造論に青木の話は発展した (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年3月の一番、第三弾のACAバンタム級選手権試合=マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦からの──日本の現状について語らおう。

<青木真也が語るマゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラPart.01はコチラから>


──ロシアで2階級を取ってしまうブラジル人。そのブラジル人からベルトを取り返すロシア人……。

「なかなかできることではない。それだけ強い2人をぶつけてきましたね」

──何度も見返すことはない試合かもしれないですが、ライブで視て、本当に手に汗握る試合内容でした。

「僕は2回、見直すことができます(笑)。ずっと動いているし。アンダーでもフェザー級でイスラム・オマノフっていう10連勝した選手がいるんですけど、彼も同じようなスタイルなんですよね。オマノフも良い試合をしていましたね。凄く面白かった。彼のようなレコードが良い者同士をぶつけさせるのもACAの特徴ですよね」

──旧ソ連国家というべき、ベラルーシやアゼルバイジャンの選手の発掘、サバイバル戦も組んでいます。

「アゼルバイジャンとか、もう国境があるだけで民族はチェチェンとか、ダゲスタンで同じような気がします。ジムもアクマット・ファイトクラブ所属の選手が多いですしね」

──そこはBRAVE CFやUAE Warriorsにも当てはまりますね。

「中東とのパイプは強いですね。コロナ次第ですけど、1回、アクマット・ファイトクラブとかグロズヌイやマハチカラのジムに行ってみたいですね。どういう練習をしているのかって」

──そうなりますか(苦笑)。自分はコーカサスは避けたいです。言葉も通じないし、生き物として別物というか。

「ロシアは難しいというのは、正直ありますね」

──正直、怖いです。

「分かります(笑)」

──ダゲスタン人とか欧州人ファイターもいるKHKジムとかどうですか。

「バーレーンの?」

──ハイ、安全ですし言葉も通じます。BRAVE CFと同じKNKスポーツが所有&運営するジムです。イスラムですが、西側社会の習慣が通じそうですし。

「あのスーパーファイト級のチャンピオンが指導とかしているんですよね。エルダル・エルダロフだ。あれ、強いですよ」

──コナー・マクレガーの師匠のジョン・カバナウの先生も指導をしているようです。

「そうなんですねぇ。いやぁ、頭になかったです。でもダゲスタンとかチェチェンの選手がいるのは興味深いです。給料をもらって練習しているようですしね」

──ハイ、アマチュアのIMMAFで目立った選手をスカウトして、育てている。

「あぁ、これまでと根本が違うことをしていますね。世界大会でバーレーンの王族に拾われる子がいるなら、IMMAFは大切になってきますね。それは興味深い──行って見たくなっちゃいますね。

でも、めっちゃ練習させられそうですね。僕のようなスタイルは、あんまりいないし」

──それで金の延べ棒がもらえると最高じゃないですか(笑)。

「そこも十分にあり得るのが、違いますね。それにスーパーライト級っていう階級を作っているのも面白いですしね。そこはBRAVE CFで興味を持っているところです」

──実は北米MMAのレギュレーションでも階級は小分けにされています。ただし、王座を設けているプロモーションは存在しない。

「それって、どう思いますか。途中の階級ができることは? 日本だとそこまで人材がいないし、一つの王座を争うという部分で、もっと薄味になります」

──その通りですね。と同時に、王座はともかくスーパー階級ができて計量失敗が出ないようになれば良いなと思います。健康面もそうですし。日本の大会は計量の失敗は、全て選手に責があり、手売りのチケットの代金回収までそれが及んでいるという話をきくこともありますし。

「減量失敗をなくす。それも1つの方向性ですね。で、ベルトを狙う時とか、海外に行くときはスーパーじゃない上か下を選ぶ。女子レスリングのオリンピックと同じですね。

これから日本がどうなっていくのか。そこでいえば、重たい階級の選手……岩﨑大河選手とか、どうやってキャリアを積んでいけば良いと思いますか」

──コロナ終息後といいますか、海外との行き来が頻繁にできるようになり、隔離措置なしで試合にでられるようになれば、彼のキャリアにあったマッチメイクを組んでくれるところで経験を積むこと……ではないでしょうか。

「そうですよね? いや、良かった。僕もそう思っています。韓国とか、そういうところからですよね。日本でやっていても仕方ない。強くなれない」

──ハイ。今では日本のファンは素晴らしい、MMAへの理解があると外国人選手が言ってくれています。そういう良い部分を誇りにして、嫌な現実も見る必要があると取材をしていても痛感します。

「もう過去の栄光を首からぶら下げても食っていけない……。日本で食っていける基盤がなければ、海外に行く。他のスポーツでも普通にやっていることだし。MMAの重量級もそうだし、グラップリングもそういうことですよね」

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ACA Interview SHOOTO BRAZIL Special ダニエル・オリヴェイラ フィリッピ・フロイス フロド・カズブラエフ ブログ マゴメド・ビブラトフ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ「相当な気合がないと」

【写真】UFC以外で日常的にロシア✖ブラジルのワールドクラスの攻防をACAでは見ることができる(C)ACA

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年3月の一番、第三弾は26日に行われたACA120からACAバンタム級選手権試合、マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年3月の一番、最後の試合をお願いします。

「マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラです」

──これから日本人がUFCと契約するには……という話で、一つの選択肢として名前が挙がったACAのバンタム級選手権試合でした。

「バンタム級とフェザー級(フロド・カズブラエフ✖フィリッピ・フロイス)と2つのタイトルマッチがあって、ビブラトフもカズブラエフもスタイルが似ています。ステップを踏んで、レスリング軸でパッと攻めて。後ろ回し蹴り3連発とか、謎ですけどね(笑)。

ロシア人あるあるなんですけど、ビブラトフで思ったのは組むことを厭わないことです。あれだけ組んでテイクダウンして、コントロールすると疲れないわけがないのに。

アルジャメイン・ステーリングが疲れたように。もちろん、自分のペースで戦っているというのはあると思いますけど、あそこまで徹底できる体力、何より5Rでアレをやろうというのはちょっと気合が違いますね」

──それは人知を超えたエクストラな要素の有無に関係なく、ですか。

「それは分からないですよ(笑)。使ったことないから」

──アハハハハ。「ア〇ルセックスって気持ち良いの?」って聞いているようなものですね。

「アハハハ、やったことねぇよって(笑)。ただし、5Rにアレをやろうというのは、相当な気合がないとできないです」

──対してベルトを失ったオリヴェイラは、ここ2試合ほどの100メートル走のダッシュでフルマラソンを走り切るというスタイルと比較すると、随分と動きを抑えていたように見えました。

「確かに、違っていましたね。その分、カズブラエフはもっと凄くて。テイクダウンをし、ガードの中からヒジをガンガン落としていました。あんなことをやっていると、絶対に疲れるだろうって」

(C)BELLATOR

──フロドはベラトール時代にマルロン・サンドロと戦っていた時は、もっと関節技とか駆使していたのが徹底したスタイルに変っていましたね。

「あぁ、トーナメントで優勝しているのにベラトールを離れたんですよね。ベラトールで負け無しで。でも、凄くタフな戦いをしていました。派手じゃないけど、好感が持てる試合でした」

※2013年6月、Bellatorフェザー級トーナメントを優勝した時点でのフロド・カズブラエフのインタビューはコチラから

──あのロシアン・レスリングMMAスタイルをベラトールでマゴメド・マゴメドフが貫くことができるのか。ACAでできていたことが北米でもできるのかが楽しみです。

(C)BELLATOR

「ちょっと落ちていくのか……。どうなんでしょうね。対戦相手の技量もあるし、分からないですよね。

(※4月2日のBellator255でシージェイ・ハミルトンにRNCで一本勝ち

あと負けたけど、オリヴェイラとフロイス。彼らも強いです」

──フロイス、ぜひともRIZINフェザー級GPに招聘してほしいです。日本人選手、厳しいんじゃないかと。

「勝てないですね。全然強いですよ。フロイスって修斗ブラジルの南米王者で、確かノヴァウニオン所属のはずです。オリヴェイラは別のチームだけど、ブラジルには修斗ブラジルがあるのは大きいですね」

──あまり詳しい経緯は分かっていないのですが、日本の修斗を頂点とする組織とは、一線を画した印象があります。日本の修斗がケージを解禁する前に北米ルールに切り替えていましたし。伝統と将来のバランスのとり方に関して、アンドレ・ペデネイラスは現実的でした。

「そうなんですね。修斗ブラジルというブランドなんだ。それ、面白いですね。人材育成大会として成り立っていて、修斗ブラジルはACAにもかなりブラジル人選手を送り込んでいますよね。そういう意味で、なんだかんだと『ここにもいるな、ブラジル人』って」

──サッカーでも欧州のプレイヤーが南米で活躍するかといえば、それはあまりない事例だと思います。でも、ブラジル人は世界中のリーグで活躍しているのと似ていますね。

「もちろん、外の方がファイナンシャルが良いというのがあるでしょうしね。それにブラジルは、修斗ブラジルやジャングルファイトにしても、強くするという点で信頼のおける人材育成大会です。ブラジル人同士の対戦で強くなれている」

──そこは日本との違いでもあるのですね。

「今、トップで強い国はしっかりと育成大会が機能しているということなんですよね」

──大会を開いて経験を積ませ、かつ篩に掛ける。そして、海外に送り出している。KSWのフェザー級チャンピオンもオーストリアのジムに所属して現地在住になっていますが、ブラジル人のダニエル・トーレスです。

「英国の大会でもブラジル人は出ていますしね。UFCに行ってなくてもACAに出ていく。チャンスに対して貪欲です。ロシアに行くと負けることも多い、でもオリヴェイラやフロイスのようにチャンピオンになる選手もいる。

ACAも意地があるから、ちゃんと2人を負けさせた。あの2人にしっかりと勝つ自国選手がいる。何もかも、違います」

<この項、続く>

【主な修斗ブラジル南米王者】

<ヘビー級>
グト・イノセンチ
グローバー・テイシェイラ
フランシマール・バホーゾ

<ライトヘビー級>
ホニー・マルケス

<ミドル級>
カイオ・マガリャエス

<ウェルター級>
ルイス・ハモス
エルナニ・ペルペトゥオ

<ライト級>
ヴィラミー・シケリム
ハクラン・ディアス
ホニ・トーレス

<フェザー級>
ヘナン・バラォン
ジョニー・エドゥアウド
ハオーニ・バルセロス
フィリッピ・フロイス

<バンタム級>
エドゥアルド・ダンタス

<フライ級>
ジョズエ・フォルミーガ
アドリアーノ・モライシュ
ホナウド・カンジド

<ストロー級>
ヤゴ・ブライアン

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ACA120 other MMA Report ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ

【ACA120】マゴメド・ビブラトフが回って、倒してオリヴェイラを圧倒。新ACAバンタム級チャンピオンに

<ACAバンタム級選手権試合/5分3R>
マゴメド・ビブラトフ(ロシア)
Def. 5-0:49-46. 49-46. 49-46. 49-46. 49-46
ダニエル・オリヴェイラ(ブラジル)

いきなり右ストレートを伸ばしたオリヴェイラ。ビブラトフは近距離ながらスピニングバックキックを見せる。ビブラトフは右カーフを蹴り、前蹴りから2度目のスピニングバックキックを繰り出す。そこに右フックを狙ったオリヴェイラ、姿勢を乱したビブラトフがすぐにスタンドに戻る。

パンチを見せ、回転系のフェイクからボディを決めたビブラトフは、オリヴェイラの右オーバーハンドをかわし、ローに右を合わせて蹴り足をキャッチする。シングルからダブルに切り替えたビブラトフが、テイクダウンを決める。パウンドからオリヴェイラの動きに合わせバックに回ったビブラトフが、勢いのあるパンチを入れ寝技に持ち込む。オリヴェイラのキムラ・クラッチに、胸を合わせていきトップから抑えるビブラトフが、重いパウンドを落とす。さらにヒザを腰に入れエルボーとビブラトフの攻勢が続く。チャンピオンはギロチンからがぶりに移行したが、それ以上の攻めはなく初回はチャレンジャーが取った。

2R、ビブラトフがまずサイドキック。オリヴェイラは走るような踏み込みから左を伸ばすも、届かない。ビブラトフは近い距離でワンツー、手をマットについての蹴りはオリヴェイラの頭上を通過し、直後に組みつかれる。ここでビブラトフは逆にテイクダウンを決め、オリヴェイラはガードで落ち着く。ビブラトフは左右のエルボー連打し、着実にポイントを加点し、ダメージを与えていく。

王者はクローズドガードも、エルボーを続けられスクランブルでバックを許す一方的な展開に。両足のフックが解かれ、前方に落とされたビブラトフが逆にバックを譲る。ビブラトフは落ち着いて胸を合わせると、スピニングバクフィストを当てて間合を取り直す。ここからボディストレートを決めたビブラトフが、後ろ回し蹴りに。これは空振りも、ビブラトフのリズムで試合は進み、スピニングバックフィストに反応したオリヴェイラにスピニングバックキックというコンビを見せたビブラトフが、この回も取った。

3R、爆発力ある突進が見られないオリヴェイラは、ただ粗いパンチを繰り出すような状態になっている。対して、ビブラトフボディからスピニングバックキックを腹に決める。オリヴェイラのフックやローをサイドキックで跳ね返したビブラトフが、直後に組んでテイクダウンを決める。為すすべなく背中をつけたチャンピオンはブリッジも、すぐにスペースを作ったビブラトフをリバーサルできない。

オリヴェイラは下の状態が続き、ニーシルドを取るがヒジで顔面を打たれ半身でボディから顔にパンチを受ける。スクランブルに持ち込めず、頭を抱えにいきパンチを連打されるオリヴェイラはハーフから足を取りいくが、ビブラトフがそこでもパンチを落としラウンド終了を迎えた。

4R、ビブラトフのショートのコンビネーションに頭を下げるチャンピオンは、組んで投げをうつもホールドに行かず、スタンドで待ち受けスピニングバックキックを受ける。続くシングルも、逆にバックに回られボディロックでリフトされる。ここは腹を突き出し、足をフックして倒されなかったが、ケージに詰められダブルレッグ、シングルレッグと攻め込まれる。

オリヴェイラは体を入れ替えたが、ビブラトフが押し込み返す。エルボーを受けた結果が、額に大きなたんこぶが見えるオリヴェイラが、再びポジションを入れ替える。ケージ際での攻防が続いたこの回は、両者が体力温存を念頭においた5分となったようだ。

残り15秒でボディに連打を入れ、一本背負いに出たビブラトフ。これは失敗に終わり、ツーオンワンを続けて時間を待った。

最終回、逆転と王座防衛を賭けてオリヴェイラがどのような動きを見せるか。セーフティフィードを築いているビブラトフは、後ろ回し蹴り後に右フックを受ける。チャンピオンに追い打ちはなく、跳びヒザを狙われると自らは跳び蹴りを繰り出す。と、ローに右オーバーハンドを合わせたオリヴェイラは、尻もちをついて立ち上がったビブラトフにシングルレッグを仕掛ける。胸を合わせたオリヴェイラは押し込みに拘る。

ダブルアンダーフックから煽り、ビブラトフが姿勢を下したところでバックに回ったオリヴェイラが足を一本フックして鉄槌を打ちつける。残り90秒、胸を合わせたヒザをボディに入れたビブラトフが離れて、ボディからワンツー、サイドキックを腹に蹴り込む。さらにクリンチからダブル、バックを伺いオリヴェイラが反応して正対するとエルボーを打って離れる。

右フックを打ち返したオリヴェイラに対し、ビブラトフはアッパーを空振りしてダブルレッグへ。逃げ切りをかけ、引き込んだビブラトフはオリヴェイラの前屈みのパウンドにスイープを合わせ、最後はトップからパウンドを落とし試合をまとめた。

結果はユナニマス・デシジョンでビブラトフがACAバンタム級王座を奪取、「凄く嬉しい。4か月準備してきたんだ。初回は立ち技で勝負しようと思ったけど、足に痛みを感じてレスリング勝負に切り替えたんだ。4Rと5Rは勝利を意識して戦った。可能な限り、ずっとこのベルトを巻いていたい」とマイクで話した。

変則的だったフェザー級に続き、バンタム級もベルトがブラジルからロシアに取り戻されることとなった。


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ACA120 other MMA Preview ダニエル・オリヴェイラ フィリッピ・フロイス ブログ マゴメドラスル・カズブラエフ マゴメド・ビブラトフ

【ACA120】間もなくスタート。フロイス&オリベイラ≠2人のブラジル人王者に、北米メジャー還りが挑戦

【写真】闘牛×闘牛の試合となるのか、それともフロイスが闘牛士になれるのか興味深い(C)ACA

26日(金・現地時間)、ロシアはサンクトペテルブルクのシブール・アリーナでACA120が開催され、メインとセミでブラジル✖ロシアの2階級の選手権試合が組まれている。

メインはACAフェザー級王者フィリッピ・フロイスにマゴメドラスル・カズブラエフが挑戦し、セミでは王者ダニエル・オリヴェイラに、マゴメド・ビブラトフが挑むACAバンタム級選手権試合だ。

つまり2試合ともブラジル人王者にロシア人ファイターが挑戦することになる。


2019年10月にサルマン・ザマルダエフを破り王座に就いたフロイスは、昨年12月にマラット・バラエフを破り初防衛戦に成功、今回が2度目のタイトルディフェンスとなる。ノヴァウニオン所属、修斗ブラジルが管理する修斗南米王座のフェザー級チャンピオンでもあったフロイス。

サウスポー、フィジカルで上回るロシア勢に対し、タイミングと気迫のこもった打撃戦を繰り広げ、レスリング的には組み負けても、そこはノバ所属だけに下からキレのある仕掛けを持っている。

対して挑戦者のカズブラエフは、Bellatorが2010年代前半期に巻き起こした第一次ロシアンパワーの北米席巻期にフェザー級トーナメントで優勝も、世界王座に挑戦することなくロシアに戻りACBからWFCA、そしてACAを主戦場に現在は4連勝中だ。

さすがにベラトール参戦時と比較すると、スピードは落ちたカズブラエフだが、スピードを飲み込む組みがあることでの圧力を持ち、テイクダウンからのコントロール&パウンド攻撃は威力を増している。鍵は5Rという長丁場、ACAのロシアンファイターは序盤から飛ばす傾向があるために、カズブラエフの突進力もダメージという戦果を挙げない限り、ペース配分では上のフロイスに3R以降の反撃を許すことは十分に考えられるだろう。

バンタム級タイトルマッチは、上記にあるガスブラエフ以上に強さを全面に打ち出して戦う、ロシア人のような戦い方をするのが、王者オリヴェイラの特徴だ。

まるで100メートル走でフルマラソンを走り抜くような全力ファイトが信条だが、折り返し地点はすでにスタミナに問題が出ており、そうなると相手と距離を取り始める。

ここでオリヴェイラがしたたかなのは、疲れて省エネにファイトになりつつも、一発に込める力、爆発力はパンチ、ヒザ、テイクダウンと揃ってタコメーターを振り切るような勢いで攻めることだ。それ以前に突進力を受け止めていた対戦相手も既に疲弊しており、この一発に飲み込まれるケースは少なくない。

そんなチャンピオンに挑戦するビブラトフも、WSOFからUFCを経験し、ACAに戻ってきた選手だ。ただし、UFCでは1勝2敗と結果を残すことはできなかった。ビブラトフはどちらかというと間合いを図り、相手の攻撃をかわして自身の攻撃を当ててくタイプだ。

ジャブで距離を測り、同じ踏み込みで後ろ回し蹴りという軸があったビブラトフだが、今流行りのカーフではなく、ヒザの横を蹴るアウトサイドの右ロー、インサイドの左ローという武器も身に着けている。その蹴りの距離をオリヴェイラに勢いがある間に取ることができるかが、タイトル戦の行方を占う上で大きなポイントとなるだろう。

セミより前ではPFLから転じ、ACAで2戦目となるラシッド・マゴメドフも気になる。奇しくもUFC、Bellator、そしてPFLと北米3大プロからの帰還者が、母国でどのような結果を残るのか、見ものだ。

■視聴方法(予定)
3月27日(土・日本時間)、
午前零時~ ACA TV

■ACA120対戦カード

<ACAフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] フィリッピ・フロイス(ブラジル)
[挑戦者]マゴメドラスル・カズブラエフ(ロシア)

<ACAバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]デニエル・オリヴェイラ(ブラジル)
[挑戦者] マゴメド・ビブラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
サルマン・ザマルダエフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
サリミジェヘイ・ラスロフ(ロシア)
デニス・スモルダレフ(エストニア)

<ライト級/5分3R>
ムハメド・ココフ(ロシア)
ラシッド・マゴメドフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
アプティ・ビマルザエフ(ベラルーシ)
トゥラル・ラジモフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級/5分3R>
イスラム・オマロフ(ロシア)
ビベール・トゥメノフ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムスリム・マゴメドフ(ロシア)
レオナルド・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムラット・グゴフ(ロシア)
イワン・シュトルコフ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アミルカン・ガジヒエフ(ロシア)
ドミトリー・クリヴレタス(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ロンマリ・ナルジエフ(ロシア)
デニス・シウバ(ブラジル)

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ACA112 other MMA Report ブログ ホドリゴ・プライア マゴメド・ビブラトフ

【ACA112】ノックアウト・オブ・ジ・イヤー級のKO劇。ビブラトフがプライアを後ろ回し蹴りでKO

<バンタム級/5分3R>
モハメド・ビブラトフ(ロシア)
Def.1R1分10秒by KO
ホドリゴ・プライア(ブラジル)

後ろ回し蹴りを見せたビブラトフ、プライアはローを蹴っていく。距離を詰めて左ボディフックを入れたビブラトフが、回るプライアにスピニングバックキックを蹴っていく。プライアも右ストレートを入れたが、ここでビブラトフが上段後ろ回し蹴り一閃。右側頭部に蹴りを受けたプライアは頭からキャンバスに倒れ込んだ。

ACAに戻ってきて3連続フィニッシュとしたビブラトフは「1カ月ほど休んで、そこから先はどんな相手でも戦うよ」と話した。


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ACA112 News other MMA アブドゥルラクマン・ドゥダエフ アブバカル・バガエフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ ヤスベイ・エノモト

【ACA112】計量終了 再開、ブラジル人参戦。メインはバンタム級王者オリヴェイラ✖ドゥダエフ

【写真】パブリック計量はどうやらショッピングモールで行われたようだ 。かなりリカバリーしてくることが予想されるオリヴェイラ (C)ACA

4日(日・現地時間)、間もなくロシアのグロズヌイで開催されるACA112の計量が3日(土・同)に行われている。

いよいよACAも旧ソ連圏や東欧だけでなく、大西洋を越えてブラジル人ファイター達の参戦が可能となり、今大会のメインではACAバンタム級王者ダニエル・オリヴェイラがアブドゥルラクマン・ドゥダエフの挑戦を受ける。


オフィシャルの発表でオリヴェイラの体重が発表されていないが、これは単なるケアレスミスと思われる。100メートル走のようなファイトで、42.195=5Rを戦い抜くチャンピオンに対し、挑戦者はあのオレッグ・ボリソフをギロチンで下すなど、キャリア24勝5敗。ロシア系以外ではBellatorやPXCで活躍したジョー・タイマングロ、UFCで山本KID徳郁や手塚基伸に一本勝ちしているバグハン・リーに勝利している。

コロナ禍では選手の調整不足が目立っているが、飛ばし過ぎ上等の超疲弊ファイトをオリヴェイラが仕掛けることができるか──注目だ。セミでは懐かしヤスベイ・エノモトがアブバカル・バガエフと戦う。当初はウェルター級と発表されていたが、両者そろって81キロ代ということもあり、キャッチウェイト戦に変更されたようだ。

この他、UFCベテランで元ACBフライ級王者モハメド・ビブラトフがホドリゴ・プライアと対戦するバンタム級戦と並び、フェザー級で予定されていたブラジル✖ロシア対決=ディエゴ・ブランダォン✖ジハド・ユヌソフの一戦は後者の体調悪化により取りやめられている。 

■視聴方法(予定)
9月19日(日・日本時間)、
午後11時~ ACA TV

■ACA112計量結果

<ACAバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ダニエル・オリヴェイラ:キロ
[挑戦者] アブドゥルラクマン・ドゥダエフ:61.7キロ

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・バガエフ:81.8キロ
ヤスベイ・エノモト:81.65キロ

<バンタム級/5分3R>
ホドリゴ・プライア:61.45キロ
モハメド・ビブラトフ:61.4キロ

<フェザー級/5分3R>
サルマン・カマルダエフ:66.2キロ
アレクセイ・ポルプドニコフ:65.75キロ

<ウェルター級/5分3R>
ベスラン・ウシュコフ:77.5キロ
ウスタルマゴメド・ガジドウドフ:77.4キロ

<ミドル級/5分3R>
アルビ・アグエフ:84.5キロ
スタニスラフ・ヴラセンコ:84.1キロ

<フライ級/5分3R>
イムラン・ブクエフ:56.75キロ
アザマット・プシュコフ:57.2キロ

<フライ級/5分3R>
アレクセイ・シャポシニコフ:57.0キロ
ラスル・アルバカノフ:57.0キロ

<ライト級/5分3R>
ビスカン・マゴマドフ:71.8キロ
イゴール・ゴルブツソフ:70.8キロ

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ACA107. Other MMA Result ナシュコ・ガラエフ ナスルディン・ナスルディノフ ブログ マゴメド・イスマイロフ マゴメド・ビブラトフ

【ACA107】試合結果 ヒョードル弟=アレキサンダーはイスマイロフに完敗。ボリソフもまさかの判定負け

【写真】アレキサンダーはほぼ一方的にテイクダウンからパウンドされ敗れた(C)ACA

24日(金・現地時間)、ロシアのソチはVTBアリーナでACA107が開催された。

活動再開第2弾のメインには皇帝のアレキサンダー・エメリヤーエンコが出場も、本来のミドル級のマゴメド・イスマイロフのテイクダウンからパウンドアウトに一方的に攻められる。キムラクラッチしか対抗手段がなかったアレキサンダーは体重差22キロもった試合で完敗を喫した。

またACB時代からバンタム級のタイトルコンテンダーだったオレッグ・ボリソフが、キャリア6勝5敗のナシュコ・ガラエフに敗れる波乱が起こった。

またUFCベテランのマゴメド・ビブラトフ、ライトヘビー級でデビュー以来8連勝中だったナスルディン・ナスルディノフらは、順当にTKO勝ちしている。

ACA107
<ヘビー/5分3R>
○マゴメド・イスマイロフ(ロシア)3R3分25秒
TKO
詳細はコチラ
×敗者
<78.5キロ契約/5分3R>
○アブバカル・バガエフ(ロシア)3R
判定
詳細はコチラ
×ガジムラッド・ヒラマゴメドフ(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
○マゴメド・ビブラトフ(ロシア)1R3分36秒
TKO
詳細はコチラ
×ニキータ・チシャコフ(ロシア)
<ライトヘビー級/5分3R>
○ナスルディン・ナスルディノフ(ロシア)3R3分44秒
TKO
詳細はコチラ
×エウゲニ・エギムベルディエフ(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
○ナシュコ・ガラエフ(ロシア)3R
判定
詳細はコチラ
×オレッグ・ボリソフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
○ヴィタリー・スリペンコ(ウクライナ)3R
判定
×チェルシ・ダダエフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
○アンドレイ・ゴンチャロフ(ロシア)3R
判定
×ロマン・オグルチャンスキー(ウクライナ)
<バンタム級/5分3R>
○フセイン・シェイカエフ(ロシア)3R
判定
×アクメド・ムサカエフ(ロシア)
<フライ級/5分3R■>
○アレン・アコピアン(ロシア)3R
判定
×ルスラン・アビルタロフ(ウクライナ)
<バンタム級/5分3R>
○ハイシン・シェイカエフ(ロシア)1R0分32秒
ギロチンチョーク
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×アスラン・ショゴフ(ロシア)
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【ACA107】UFCベテラン=ビブラトフが、足関を防ぎチシャコフをパウンドアウト

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・ビブラトフ(ロシア)
Def.1R分秒by TKO
ニキータ・チシャコフ(ロシア)

UFCベテランのビブラトフと、ビクター・ヘンリーに敗れて以来1年2カ月振りの実戦となるチシャコフ。左ミドルを狙ったビブラトフが、後ろ回し蹴りも繰り出す。さらに右ドル、右ローを蹴ったビブラトフに対し、チシャコフは見る場面が続く。腹に前蹴りを入れたビブラトフが左右のフックで前に。いなそうとしたチシャコフだが、右フック受て姿勢を乱す。

ガードを取ったチシャコフはパウンドにも足関節へ。ビブラトフが体を捻るが、足を抜かせないチシャコフ。ならばとビブラトフは反転でなく360度回し、正面を向いて足を抜く。エルボーで動きが止まったチシャコフは顔面を覆うように背中を向け、ビブラトフの鉄槌の連打で敗れた。


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【ACA107】計量終了 アレキサンダー・エメリヤーエンコとイスマイロフの体重差は22.5キロ!!

【写真】活動再開2大会目となるACA (C)ACA

22日(木・現地時間)、23日(金・同)にロシアはソチのVTBアリーナで開催されるACA107の計量が行わられた。

メインのヘビー級マッチに出場するアレキサンダー・エメリヤーエンコの体重は117.1キロ、対するマゴメド・イスマイロフは本来はミドル級ということもあり、94.6キロで体重差は22.5キロ──危険な体重差といえる。


そんな危ないメイン以外にUFCフライ級で活躍したマゴメド・ビブラトフとニキータ・チシャコフとのバンタム級マッチ、同じくバンタム級のオレッグ・ボリソフ✖ナシュコ・ガラエフ、カザフスタンの新鋭で11勝2敗のエウゲニ・エギムベルディエフがデビュー以来8連勝中のナスルディン・ナスルディノフのライトヘビー級戦と注目カードに出場選手は計量をクリアしている。一方、セミでアブバカル・バガエフと戦うガジムラッド・ヒラマゴメドフは78.5キロと体重オーバー、キャッチウエイトで対戦することとなる。

■ACA107計量結果

<ヘビー/5分3R>
アレキサンダー・エメリヤーエンコ:117.1キロ
マゴメド・イスマイロフ:94.6キロ

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・バガエフ:77.3キロ
ガジムラッド・ヒラマゴメドフ:78.5キロ

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・ビブラトフ:61.5キロ
ニキータ・チシャコフ:61.7キロ

<ライトヘビー級/5分3R>
エウゲニ・エギムベルディエフ:93.45キロ
ナスルディン・ナスルディノフ:93.25キロ

<バンタム級/5分3R>
オレッグ・ボリソフ:61.65キロ
ナシュコ・ガラエフ:61.5キロ

<ウェルター級/5分3R>
チェルシ・ダダエフ:77.55キロ
ヴィタリー・スリペンコ:77.55キロ

<フェザー級/5分3R>
アンドレイ・ゴンチャロフ:66.2キロ
ロマン・オグルチャンスキー:66.3キロ

<バンタム級/5分3R>
アクメド・ムサカエフ:61.65キロ
フセイン・シェイカエフ:62.6キロ

<フライ級/5分3R>
アレン・アコピアン:57.2キロ
ルスラン・アビルタロフ:57.2キロ

<バンタム級/5分3R>
アスラン・ショゴフ:61.5キロ
ハイシン・シェイカエフ:62.6キロ