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【UFC300】第1試合から元王者対決。ガーブラントをRNCで仕留めたフィゲイレドが王座戦アピール

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
Def.2R4分02秒 by RNC
コディ・ガーブラント(米国)

ガーブランドが距離を詰めて右カーフを連続で放つ。さらに右スライディングキックも見せた。フィゲイレドがプレスをかけると、カーブランドは一旦下がってから右カーフへ。さらにフィゲイレドの右ローにパンチを合わせ、至近距離でも左フックを当ててフィゲイレドの動きを止める。カーブランドのワンツーをかわしたフィゲイレドがダブルレッグに入るも、これはフィゲイレドがスプロールした。カーブランドが左手をマットに着いて右ハイを放つと、フィゲイレドも顔面に蹴りを合わせにいく。

立ち上がったカーブランドは自分の距離を保って右カーフを蹴る。カーブランドが頭を振ってショートパンチを繰り出すと、フィゲイレドが引き込んだ。足を取りにいくフィゲイレドに対し、カーブランドがスタンドに戻る。フィゲイレドが左フックを見せてプレスをかけて距離を詰める。カーブランドの右ショートがフィゲイレドの顔面をかすめる。フィゲイレドはシングルレッグでグラウンドに持ち込むも、すぐにガーブランドが体をひねって抜け出し立ち上がった。

2R、フィゲイレドがサウスポーにスイッチした。フィゲイレドが右を見せると、カーブランドも右を合わせる。するとフィゲイレドはダブルレッグで組みつきグラウンドへ。そのままバックに回った。カーブランドは正対するも、バックマウントに戻るとフィゲイレドが体を伸ばして削っていく。さらに制したカーブランドに対して肩固めの体勢に入ったフィゲイレドは、相手の左側に回って絞り上げる。しかしカーブランドが間に左拳を入れてディフェンスしている。諦めたフィゲイレドはマウントに移行する。コーブランドがブリッジするとフィゲイレドもバックマウントを奪い、RNCでタップさせた。

元世界フライ級王者のフィゲイレドは、バンタム級転向から2連勝し、ダナ・ホワイトに向けてバンタム級王座戦とファイトボーナスを希望した。


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【UFC300】展望。ゲイジー×ホロウェイ、Baddest Motherfuckeを超越したBMFタイトル戦!!

【写真】両者とも156ポンドで計量を終えている。最高の駆け引きのあとで、最高の殴り合いに発展する可能性も?? (C)Zuffa/UFC

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催される。プレリミ含めて全試合がメインイベント級と呼べるスーパー・メガ・ヒストリカルショーで、UFC認定の非公式タイトル=BMF(Baddest Motherfucker=最高にヤバい奴)現王者であるジャスティン・ゲイジーにマックス・ホロウェイが挑む一戦もラインナップされている。
Text by Isamu Horiuchi

もともとこのBMFタイトルが創設されたのは、2019年11月のネイト・ディアズ×ホルヘ・マスヴィダル戦だ。その3カ月前のアンソニー・ペティス戦に勝利したネイトが「俺は真のBaddest Motherfuckerの座を賭けてマスヴィダルと戦いてぇんだ。ただ相手を抑え込んでルール上の勝利を狙うような連中じゃなくな」と発言。この言葉にダナ・ホワイト代表も大いに乗り気となり、BMFの文字が大きく刻まれたベルトを本当に作成、両者による決定戦を敢行したのだった。


試合は1Rに右ハイでネイトの右目上をカットしたマスヴィダルが終始優勢に試合を進め、3R終了時にTKO勝利。元WWEスーパースターのザ・ロックことドウェイン・ジョンソンにBMFベルトを巻かれたのだった。

その後4年近く封印されていたBMF戦だが、初代王者のマスヴィダルが引退を表明した3カ月後の昨年7月、ゲイジー×ダスティン・ポイエーにて復活。ここでゲイジーが右ハイでポイエーを沈め2代目王座に輝いた。この勝利でイスラム・マカチェフの持つライト級王座の挑戦権を得たと思われたゲイジーだが、その話がなかなか具体化しないまま、今回元フェザー級王者のホロウェイを相手に史上初のBMF王座防衛戦に臨むこととなった。

挑戦者のホロウェイは、現在アーノルド・アレン戦とコリアンゾンビことジョン・チャンソン戦と2連勝中。ライト級のゲイジー同様、こちらもフェザー級タイトル挑戦に最も近いところにいると思われる選手だが、新王者イリャ・トプリアの都合や前王者アレックス・ヴォルカノフスキーとのダイレクトリマッチが優先されているせいか、なかなかタイトル戦の話が挙がらない。

そこで今回──ある意味正式のタイトルよりも世間的な注目は高いかもしれない──BMFタイトル戦に出陣を決めた。

現BMF王ゲイジーはこれまで25勝のうち20KO、実に80パーセントのKO率を誇る。名だたる強豪たちと対戦経験を持つ前ライト級王者シャーウス・オリヴェイラをして「自分が対戦した中で最もパンチ力があったのは断然ゲイジー」と言わしめるライト級屈指のハードヒッターだ。対する挑戦者ホロウェイは、これまでUFCの試合中に誰よりも数多く有効打を当てているとされるボリュームストライカー。(有効打かどうかの判断に厳密さはないと思われるが)昨年のアレン戦のライブ中継の途中で合計3000発ヒットという記録を達成したと伝えられ、2位に1000発以上の差をつけていると説明された。

そんな両者の「ヤバい奴決定戦」である以上、期待されているのがド派手な打撃戦であることは言うまでもない。実際にゲイジーはこの試合について「理想的には、KOして眠らせるよりも目をカットするとか、彼の腕が折れてしまうとか、何らかの形で歩けなくすることで試合が終わってくれる方がいいとは思う。でも実際に向こうはこっちをKOしようと向かってくるだろう。だからこっちも向こうがどうなろうが、完全に眠らせてしまおうがまったく良心の呵責は感じないよ」と彼流の静かな言い方で凄絶な展開を予告している。

対するホロウェイも「僕なりにBMFを一言で言い表すなら”violence(暴力)”だ。ゲイジーはバイオレントな男だ。この試合は暴力そのものとなる。最高だ。生きがいだ。考えるだけで満面の笑みが浮かんでしまうよ」と真っ向から打撃戦を挑む姿勢を見せている。

わざわざ階級上の超弩級のハードパンチャーとの殴り合いに嬉々として臨むホロウェイの精神性は、確かに常識を超越したBMFさ(ヤバさ)に溢れている。しかし、近年の両者の戦いぶりやMMAファイターとしての進化を考えた場合、この戦いで重要なのはBMFな要素のみではないと思われる。むしろBMFを超えたお互いの格闘家としての成熟度こそ、今回問われているのではないだろうか。

前回ポイエーを倒してBMF王座に就いたゲイジーだが、その勝因が本人の成熟ぶりにあったのは自他ともに認めるところだ。2018年4月にポイエーと対戦した際には、序盤から体を振って距離を詰めて殴りに行ったゲイジー。最後も強引に前に出たところにカウンターをもらってマットに沈んだ。以降この試合を教訓として忍耐強く戦う術を身に付け、5年を経た再戦となった前回のBMF戦ではまるで違う戦い方を見せた。

前に出てくるポイエーの打撃に柔らかく体を使って反応しては強烈なカウンターを何度も当て、最後もポイエーが近づいてきたところに右ストレートから右ハイ一閃。見事なコンビネーションをもってゲイジーは鮮烈なKO勝利を収めた。

2018年のポイエー戦と並んでゲイジーが「大きな教訓となった」と認めているのが2022年5月のシャーウス・オリヴェイラ戦だ。序盤からお互いに効かせ合う凄絶な展開となった1R。チャンスと見るや我を忘れて大振りの一発狙いを繰り出していったゲイジーは、逆にオリヴェイラの一撃を貰ってダウンし、チョークで仕留められてしまった。

その後ゲイジーは、次戦となる昨年3月のラファエル・フィジエフ戦でこの敗戦の学びを生かしてみせた。最終3R、やや動きの落ちたフィジエフに対してゲイジーは急くことなく強烈なジャブで出鼻をくじき続けてペースを握る。終了寸前、後のないフィジエフが勝負を掛けて振り回してきた左右のフックを見切ったゲイジーは、見事なカウンターのテイクダウンに成功。最後まで冷静さを保ち勝負どころを見極めての完勝だった。

昨年のフィジエフ戦とポイエーとの再戦でゲイジーが見せた冷静さと忍耐強さこそ、今回の対ホロウェイBMF戦の勝利に向けても、最重要視される。一発の威力より圧倒的な手数で勝負するホロウェイだが、相手が強引に前に出たところに放つカウンターには一撃必殺の威力が宿る。前戦にて手負いのコリアンゾンビが強引に詰めてきた時に巧みにバックステップして距離を作り、右オーバーハンドをスマッシュヒットして劇的なKO勝利を挙げたのは記憶に新しいところだ。

5年前、急遽のオファーを受けて短い準備期間で敢行したライト級戦(2019年4月、ポイエーとライト級暫定王者決定戦にて5R判定負け)の時とは違い、今回は十分に時間を掛けて筋肉量を増やしてきたというホロウェイ。減量苦からも解放され「スピードは落ちず、パワーは上がって体調は100パーセントさ」と語っており、過去最高に力強い姿が期待できそうだ。

仮にBMFを期待する雰囲気に流されて、ポイエー初戦やオリヴェイラ戦の向こう見ずなゲイジーが現われるようなことがあれば、ホロウェイが世間を驚かせる可能性も高まるだろう。

当然ゲイジー本人もそこは十分承知しているようで「確固たる技術を用いて、距離を支配し、角度を作って素早く反応して戦う」と予告している。おそらく今回のタイトル戦で我々が見るのは、闇雲に前に出て相手を殴りにゆくのではなく、冷静に相手を見て反応し、有効な打撃を繰り出してゆくゲイジーの姿だろう。

その上で勝負所を見極め凄まじい威力の打撃を爆発させる、前戦に続くゲイジー流進化版BMFを期待したい。

今回のBMF戦で進化が求められるのは、ホロウェイも同様だ。この試合でまず警戒すべきはゲイジーの強烈な右のカーフキックだろう。オーソドックスに構えて絶妙の間合いを保ちつつボクシングで勝負するホロウェイは、以前から相手の右ローを被弾する傾向が見られる。2019年末のヴォルカノフスキーとの初戦では序盤からカーフを何度も貰ってペースを握られ、2年後のジャイー・ロドリゲス戦の序盤でもローを効かされる場面が目立った。

そこで鍵となりそうなのが、昨年4月のアレン戦でホロウェイが見せた新しい戦い方だ。普段とは逆にサウスポー中心に構えたホロウェイは、スイッチや横への動きも随時に交えて多彩な角度を作り、強打を誇る新鋭アレンに動きを読ませずに判定勝利した。

昨年の来日時にこの試合について筆者が質問した際「MMAは常に進化するスポーツだから、自分も進化しないと置いていかれてしまうんだよ」と答えてくれたホロウェイだけに、今回も危険極まるゲイジーの蹴り、そして凄まじい破壊力の拳を捌くための新しい姿を期待したい。

ちなみにゲイジー陣営もこのアレン戦のホロウェイの新しい戦い方を警戒しているらしく、公式予告番組「UFC 300 Countdown」カウントダウンでも、ゲイジーがコーチたちとともにこの試合のホロウェイの立体的な動きを熱心に分析研究する姿が映し出されている。ホロウェイが見事なタイミングでアレンにワンツーを入れた場面を見たゲイジーは「もし俺がローを蹴ることで、彼のこの動きを誘い出すことができたなら、そこにカウンターを合わせることができるよな」とコーチに語っている。

やはり──この試合はただのBMF決定戦ではない。お互いが最も進化した状態の対戦相手を想定し、勝つための緻密な策を組み立て最高の状態に仕上げた上で、死力を尽くして戦うのだ。

すでに長きにわたって世界トップで戦いつつ、なおかつMMAファイターとしての進化を見せてくれるゲイジーとホロウェイ。この階級を超えたBMF戦は、彼らがそれぞれの階級で頂点に登ってゆくための道筋としても興味深い。

■視聴方法(予定)
4月14日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC300対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] ジャマール・ヒル(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] イェン・シャオナン(中国)

<BMFタイトルマッチ・ライト級/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
コディ・ブランデージ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケイラ・ハリソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
コディ・ガーブラント(米国)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC300   アルジャメイン・ステーリング アルマン・ツァルキャン アレックス・ポアタン アレックス・ポアタン・ペレイラ イェン・シャオナン イスラエル・アデサニャ イリー・プロハースカ カルヴィン・ケイター キック グローバー・テイシェイラ ケイラ・ハリソン シャーウス・オリヴェイラ ジェイリン・ターナー ジェシカ・アンドラーデ ジエゴ・ロピス ジム・ミラー ジャスティン・ゲイジー ジャマール・ヒル ジャン・ウェイリ ダナ・ホワイト デイヴィソン・フィゲイレド ヘナト・モイカノ ホーリー・ホルム ボクシング ボビー・グリーン ボー・ニコル マゴメド・アンカラエフ マックス・ホロウェイ マリナ・ホドリゲス ライカ

【UFC300】展望─01─ポアタン✖ヒル。記念大会のメインはKO必至。瞬き厳禁=近距離の打撃戦?!

【写真】KO必至。MMA的にはヒルという見方も成り立つが、近い距離のポアタンの振りにどう体が反応するか (C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催される。プレリミ含めて全試合がメインイベント級と呼べる豪華カードがズラリと揃ったこの記念大会のメインを飾るのは、二階級制覇を達成した王者アレックス・ポアタン・ペレイラに、前王者のジャマール・ヒルが挑むUFC世界ライトヘビー級選手権試合だ。
Text by Isamu Horiuchi

この試合は、約1年半続いてきたUFCライトヘビー級戦線の混迷状況に完全に終止符を打ち、ついに誰もが認める──”Undisputed”王者を決定する戦いといえる。


同級の混乱は2022年11月、当時の王者イリー・プロハースカが右肩の負傷によりタイトルを返上したことに端を発する。これを受けて翌月、2位のヤン・ブラボヴィッチと3位のマゴメド・アンカラエフの試合が急遽王座決定戦に格上げされて行われた。

しかしこの試合が、直後の会見でダナ・ホワイト代表が「酷い試合だった。ファッ○ンな3ラウンドが終わった後、私は卒倒しそうになったよ」と得意のFボムを投下し吐き捨てるような内容の末にドロー、王座は空位のままとされた。呆れた表情のホワイト代表はその場で、年明けの2023年1月リオ大会にて、元王者のグローバー・テイシェイラと当時6位のヒルの間で新たな王座決定戦を行うと発表したのだった。

(C)Zuffa/UFC

突然の大抜擢を受けて敵地に乗り込む形となったヒル。

地元の英雄に対して多彩な打撃でスタンド戦を支配。5Rにはテイシェイラ執念のテイクダウンからマウントを奪われたものの、股間を抜けてスクランブルして上を取り返し、文句なしの判定勝利を収めた。デビュー後14戦にして見事世界の頂点に立ち「俺のような境遇からここまで来られるなんて」とマットに突っ伏して感涙にむせんだヒル。

そこから顔を上げて「多くの人間が俺には無理だとぬかしやがった。チャンスは1Rしかなく、5Rは戦えないとかな。見たかこのクソ野郎ども!!」とアンチに大見栄を切ったが、思わぬ展開が重なった末の「棚ボタ的」戴冠という印象は拭えず、ヒルをまだ真の王者としては認め難いという声が消えることはなかった。

防衛を果たすことでそんな声を黙らさんと意気込んでいたヒルだが、半年後の7月に悲劇が襲う。なんとファイトウィークの催しで行われたファイターたちによるバスケットボールの試合にてアキレス腱断裂の大怪我を負ってしまい、タイトル返上を余儀なくされたのだ。

(C)Zuffa/UFC

そこで同年11月、この一年間で実に三度目の王座決定戦へ。

前王者プロハースカと二階級制覇を目指して階級を上げてきたアレックス・ポアタン・ペレイラ。1Rに強烈な右カーフでダメージを与えたポアタンは、2Rに強引に詰めてきたプロハースカに左右のフックをヒット。崩れたところに追い討ちをかけてTKO勝利。キックボクシングとMMAの両方で世界二階級制覇という大偉業を達成してみせた。

今回の記念大会ではその新王者ポアタンに、手術とリハビリを経て復活したヒルが挑む。正規王者と、敗れることなく王座を失った前王者による真の世界の頂点を決める戦いが、ついに実現するというわけだ。

ヒルにとってこの試合は、戴冠後も自分を認めようとしない世間に対して自分を証明する戦いでもある。対戦相手の悪口を言わないストイックな求道者ペレイラのことを「クールな男で、ああいうやつは好きだ」と認めているヒルだが、自分のことをビッグマウスと罵るペレイラファンたちのことは我慢がならない様子だ。

「俺はアレックスを立ち技でKOしてやる。そしてその事実を奴のファンどもの目の前に突きつけてやるぜ。アレックス本人に対してはやらないけどな。俺のことを侮辱しやがる奴ら、お前らより俺の方が遥かに優れた存在だ。俺は自分の本職で世界のトップに上り詰めたんだ。それと比べてお前らは何様だ? たかが百人くらいの規模の工場で月間優秀社員に選ばれたとか、そんな程度でお前らは自慢し、自分を特別だと思ってたりするんだろ? 

お前らなとど違い、俺は選ばれた1パーセントの中の1パーセントの中の1パーセントだぞ。そんな俺の達成や努力に唾を吐きかけクソぶっかけるような真似しやがって。その理屈で行けばお前らなど、人生において誇れることなど何一つありはしないということを理解するがいい。お前らがどう足掻こうが、俺はこの3年間で、ほとんどの人間が生涯で稼ぐ額より遥かに多くを手にしたんだ。そいつらの子供が稼ぐ金を含めてもな。俺はお前らの言葉をモチベーションにして、お前らが崇め奉るアレックスを眠らせてやるぜ」と、対戦相手ではなくそのファンに対して身も蓋もないトラッシュトークを展開する前王者だ。

それはさておき、この試合で期待されているのは凄まじい殺傷能力を持つ両者による大打撃戦だ。グローリー2階級制覇という輝かしいキックボクシングの実績を持つポアタンは、当然のようにMMAでも9勝中7フィニッシュの全てがKO勝利だ。対するヒルも、7つのフィニッシュの全てがKO。しかし高校時代までバスケットボールに励んでいたというヒルは、MMAを始めるまで特に格闘技経験はない。まったく異なるバックグラウンドとスタイルを持つMMAストライカー同士の対決という意味でも、興味深い頂上決戦だ。

まず注目なのは、ポアタンの主武器である右カーフキックを巡る攻防だ。腰を捻らないコンパクトな蹴り方でありながら強烈無比な威力を持つこの右カーフを駆使し、序盤に相手の足を殺すのがポアタンの常套手段だ。ほぼノーモーションから放たれるため、相手にとっては反応が極めて困難となる。

ヒルのヘッドコーチであるチャド・ポメロイも「我々はローキックの対策を重点的に行っていて、強いムエタイ選手たちにスパーでローを蹴ってもらっている」と発言しており、挑戦者陣営がこの技を最も警戒していることは間違いない。ヒルとしては、スタンドでいかにプレッシャーをかけて王者のローを封じるかが勝利への大きな鍵となりそうだ。

その点本人は、11月のポアタンの戴冠をケージサイドで目撃した直後にすでに「1Rはスローな展開だった。イリーは広いスタンスでローに対処せずにダメージを受けてしまったが、俺にはアレックスが対処できないようなスキルと特性がある。奴は俺が試合に持ち込むスピードとボリュームに対抗できないよ」と自信を覗かせている。

実際ヒルは王者と同じ193センチという長身を誇り(201cmのリーチは王者のそれを1センチ上回っている)、前手での多彩な攻撃を軸に、足技も交えてプレッシャーをかけることを得意とする。さらに相手のジャブにカウンターを合わせるタイミングにも天賦の才を持ち、サウスポーを基本としつつスイッチも駆使するが故に、ローのダメージを両脚に分散させることもできる。

王者のローの距離を殺しケージ際に詰めるために必要な適性に恵まれているのは確かだ。さらに誰よりもポアタンをよく知るイスラエル・アデサニャとの練習も敢行したヒルは「彼は俺の質問に全て隠すことなく答えてくれて、(打倒ポアタンのための)素晴らしいインサイトを授けてくれたよ」と語っている。

もっともポアタンとしては、ローを嫌がる相手が前に出てくるのはいつものこと。前戦でも、プロハースカが2Rに強引に詰めてきたところを待ち構えていたように強烈な左右のフックを当てて沈めている。近距離からでも異次元の破壊力を発揮する拳こそ、ポアタンの真の怖さだ。

が、挑戦者はむしろそこにポアタンの弱点を見出しているようだ。「奴のディフェンスは、自分のオフェンスに依存しているんだよ」とヒルは言う。「守るときには、自分の攻撃の背後に隠れる形になっている。だからディフェンスを余儀なくさせるように追い込んでいけば、そこに弱点が出てくるはずだ」と。

実際ポアタンは、相手が距離を詰めてきた時に上半身を動かさず腕を伸ばして下がる傾向があり、その際に相手のパンチを被弾する場面も見られる。ケージ際からの一撃必殺のカウンターは持っているが、巧みなディフェンスワークを披露することはあまりない。対してヒルは柔らかく体を使ったスウェイも得意とする。前戦の4Rにテイシェイラをケージ際まで詰めると、リーチに勝る自分の打撃だけが当たる絶妙な距離を保ち、反撃を巧みなボディワークでかわしつつ多彩なコンビネーションで滅多打ちにしてみせた。「オフェンスに依存したディフェンス」を攻略する術を、ヒルは確かに持っている。

しかし──この師と仰ぎ敬愛する存在がヒルに打ちのめされる光景を、ポアタンはセコンドとして間近で目撃している。打撃戦で師と同じ轍を踏むつもりは毛頭ないはずだ。

今回の試合に向けてテイシェイラの道場で共に練習し、攻略法を伝授される日々を過ごしてきた王者は「ヒルの打撃は確かにパワーがあって危険だ。でも技術レベルを見ると(自分が倒した)イリーの方が優れていると思う」と静かに語り、自信を覗かせる。両者の間合いが蹴りの距離からパンチの距離へと移行した時、射程距離の長いヒルの拳と短いポアタンの拳、二つの凄まじい殺傷能力はどのように交錯するのか。

お互いのことを熟知し、研究し尽くした最高峰のMMAストライカー二人による決戦。意表をついてどちらかがテイクダウンを仕掛けてゆく可能性も含め──真のライトヘビー級の頂点を決める、記念大会に相応しい至上の攻防を堪能したい。

■視聴方法(予定)
4月14日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC300対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] ジャマール・ヒル(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] イェン・シャオナン(中国)

<BMFタイトルマッチ・ライト級/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
コディ・ブランデージ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケイラ・ハリソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
コディ・ガーブラント(米国)

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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL UFC UFC300 アスペン・ラッド アルジャメイン・ステーリング アルマン・ツァルキャン アレックス・ポアタン イェン・シャオナン イリー・プロハースカ カルヴィン・ケイター ケイラ・ハリソン シャーウス・オリヴェイラ ジェイリン・ターナー ジェシカ・アンドラーデ ジエゴ・ロピス ジム・ミラー ジャスティン・ゲイジー ジャマール・ヒル ジャン・ウェイリ ダナ・ホワイト デイヴィソン・フィゲイレド ヘナト・モイカノ ホーリー・ホルム ボビー・グリーン ボー・ニコル マックス・ホロウェイ マリナ・ホドリゲス ライカ 栄養

【UFC300】ホルムとUFC初陣、ケイラ・ハリソン「70歳になった時、自分の人生を後悔したくなかった」

【写真】柔道時代ともPFL時代とも明らかに違う、バンタム級で戦うケイラ・ハリソン。計量まで3日、声に力があった(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 300「Pereira vs Hill」で、ケイラ・ハリソンがオクタゴンデビューを迎える。
Text by Manabu Takashima

2度五輪を制した柔道家は2017年にMMA転向を果たすと、2019年&2021年のPFL女子ライト級シーズンウィナーとなった。2022年はMMA初黒星の喫し準優勝に、昨年は女子フェザー級が実施されたがケイラは参加しなかった。

そんななか11月にワンマッチで元UFCファイターのアスペン・ラッドを下すと、今年の1月になりダナ・ホワイトからケイラとの契約、UFC300で初戦を戦うことが発表された。UFCに転じた理由、そしてホルム戦とこれからに関して、ケイラ・ハリソンに尋ねた。


――UFC300という歴史に残る舞台で、オクタゴンデビューを果たすケイラです。今、どのような気持ちですか。

「凄く楽しみだし、この機会を得られたことに感謝しているわ。新しい舞台で、新しい階級のファイトを伝説になるようなショーで戦う。大きなリスクを伴っているけど、見返りの大きな試合はワクワクするわ」

──ケイラがUFCと契約したと知った時、凄く驚きました。PFLがBellatorを買収したことで、女子フェザー級のシーズンが楽しみだったので。いつ頃から、UFCで戦うことを考えていたのでしょうか。

「いつ頃からということでいえば、ずっと前からよ。MMAを始めた時からゴールはUFCチャンピオンだった。それでもPFLを離れることは、簡単な決断じゃなかったわ。PFLがスタートした時から、共に歩んできたわけだし。でもUFCこそがMMA界におけるオリンピックなの。

きっと、今回のコントラクトが私のキャリアにとって恐らくは最後の契約になるはず。70歳になった時、自分の人生を後悔したくなかった。『あの時、チャレンジしていれば』って。後々「あの時、なぜトライしなかったの?」と自分を責めたくなかったから、UFCに挑戦することを決めたの」

──素晴らしいですね。本当に素晴らしい。ケイラは既に五輪で2階級を制し、PFLでは100万ドルを2度も手にしている。ダブル・ゴールドにダブル・ミリオンなわけですよ。

「アハハハハ。ダブル・ミリオン(笑)」

──それなのにベストファイターになることを渇望しているのですね。

「そうね、それが私なんだと思う。とにかく好きなことに邁進し続けたい。MMAはただの仕事じゃないから。凄く大変よ。多くを犠牲にして取り組む必要がある。自分で背中を押して、成長する必要がある。それがファイターとして、人としての成長に繋がるわけで。常に自分を次の段階、ニューレベルに引き上げたいの。それこそが、私の人生を完成させるピースになるの。毎朝、目を覚まして──その日をベストバージョンの自分でいたい。誠実さ、尊敬心、献身、規律──全てをひっくるめて、自分を成長させる。そこに安らぎが存在しているから」

──深いです。そんなケイラですが、実はフェザー級に落とすということで減量がハードでインタビューがキャンセルされることもあると思っていました。そもそも柔道時代は78キロで戦っていて、8年後に65キロで戦う……。いや、常識では考えられないだろうと。

「柔道時代は、ピザやクッキーも食べ放題だったわ(笑)。真剣にダイエットにはとりくんでいなくて、食べたいモノを何でも食べていたの。今は違う。栄養士、ダイエットの専門家とチームを創って減量に取り組んでいる。チームだけでなく、UFCもサポートしてくれる。無理なく体重を落とせているから、ボディもメンタルもコンディションは最高で。気持ちもデキているし、いつでも戦えるわ」

──しかし、ピザやクッキーを好きなように食べていたとは。この事実をケイラに敗れた柔道時代のライバルが知ると……。

「アハハハ。まだ若かったのよ。16歳から一人で生活してきて、料理もできなかった。回りには常にダイエットコーク、ピザ、ハンバーガー、フレンチフライがあったから(笑)」

──ところで2017年の秋、MMAデビュー前の日本でインタビューさせていただいた時に「ロンダのことを聞かれなかったのは初めて」とケイラは言っていました。

「そうそう。あのときは誰もが私にロンダのことを尋ねてきて、少しフラストレーションがたまっていて(笑)。でも、あなただけがロンゴと比較するようなことを聞いてこなかったの」

──あの言葉は凄く印象に残っていて。ただし今回、UFCがケイラに用意した相手はホーリー・ホルムです。どうしてもホルム✖ロンダを思い出せるマッチアップではないかと。

「皆がロンダとホーリーの試合を連想するのは、もう仕方のないことだと思う。ロンダ=柔道、ケイラ=柔道というイメージは絶対で。でも私はロンダとは違う種類のファイターで、人間も違う。正反対よ。だから、土曜日の夜は試合結果も違ってくるわ」

──女子MMAもロンダが活躍したころと、今では相当に違っています。払い腰から腕十字が取れると、もうハイライトリールの極みです。

「別モノね。私は柔道でなく、MMAを戦う。ウェルラウンディッド・ファイターで、ビギナーじゃない。17試合を戦ってきたわ。ドミネイトするのが一番だけど、皆が楽しめる試合をしたい。そういう意味ではPFLでは禁じられていたエルボーを使えるのが、凄く楽しみで」

──いやぁケイラにエルボーがあれば、まさに鬼に金棒です。

「たくさんの人を驚らかせることができるはず。絶対に(笑)」

──とはいえホーリー・ホルムはあれだけのストライカーですが、MMAで結果を残せたのはその距離の取り方にあると思います。彼女の印象を教えてください。

「とにかくホーリーのことは凄く尊敬していて。素晴しく高いファイトIQの持ち主で。素晴しいフットワークから、最高の打撃を繰り出すことができる。グラップリングも常に成長している。あんな風に瞬く間に成功すると、その場に踏み止まってしまうアスリートが多い中で、彼女は常に成長してきた。変化を厭わない強い気持ちで、強くなり続けている。そこが一番尊敬できる点ね。

彼女のフットワークは女子バンタム級でも最高。そこに立ち向かうことが、私にとって最大にタフな挑戦になるはず。あのフットワークが、ホーリーの最高の武器であることは間違いないわ」

──対してケイラのアドバンテージは?

「それは……凄くたくさんある(笑)。自分ではそう思っているわ。MMAを始めた時、知識も経験も凄く僅かだった。柔道の力で限界を突破して、勝利を手にすることができていたけど今の私はより強く、より大きく、より速くて経験豊かなファイターになった。この1年でさらに成長できたという感覚もあるから、全ての動きに注目してほしいわ」

──会場の雰囲気はPFLとUFCでは違うかと。あの盛り上がり方はUFC独自なモノで。

「それこそ、凄く楽しみにしているポイントよ。何度もUFCの会場を訪れたけど、あれはもうマジックね。凄くオリンピックや日本での柔道世界選手権に似ているわ。2010年、私が初めて世界選手権で優勝したのは東京だった。あの時も会場(国立代々木競技場)の雰囲気は特別だったわ。あんな空気の中で、最高の自分でいる。毎晩、頭のなかでイメージしているの。自分があの場に立つことを」

──UFCでの第一歩。これからのケイラ・ハリソン、特別な存在の雄姿を追うのが楽しみでならないです。

「ありがとう。そう、私はスペシャル・ファイター。今回の試合は新たな章に向かう、第一歩。私はすぐにUFC世界バンタム級チャンピオンになるから」

──では最後に日本のMMAファンに一言お願いします。

「日本、柔道。柔道は日本の皆のマーシャルアーツで、私の初恋だった。今はMMAを心から愛している。皆、応援ありがとう。UFC300で皆に私の試合を見てもらえることが凄く嬉しいわ。アリガトゴザイマシタ」

■視聴方法(予定)
4月14日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC300対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] ジャマール・ヒル(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] イェン・シャオナン(中国)

<BMFタイトルマッチ・ライト級/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
コディ・ブランデージ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケイラ・ハリソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
コディ・ガーブラント(米国)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE RIZIN UFC アンソニー・ドォ ショーン・シェルビー ダナ・ホワイト ユライア・フェイバー 川原波輝

【A1 Combat19】UFCストロー級を──川原波輝が話していたこと。「ONEを馘になったから辿り着けた」

【写真】勝ち名乗りを受ける際に、川原は感極まった表情を浮かべていた (C)A1 COMBAT

3月29日にカリフォルニア州ウィートランドのハードロック・ライブで開催されたUrijah Faber’s A1 Combat19で川原波輝がアンソニー・ドォに判定勝ちを収め、A1 Combatストロー級王座に就いた
Text by Manabu Takashima

1年11カ月振りの実戦で、北米発の男子ストロー級のベルトを巻いた川原は「UFCにストロー級王座を創る」ことを堂々と宣言した。この夢物語と捉えられがちな考えに至ったのは、絶望を経験したから。そしてユライア・フェイバーという心の支えがあったから。

同タイトル戦前にインタビューを申し込むと「試合前に色々と語って記事にしてもらって凄く有難いんですけど、勝たないと何の意味もないんで。僕、勝ってないので……話して記事にしてもらいたくないっていうのが本心なんです」と話した川原は、「結果を残した時だけ記事にしてください」と言葉を続け、その心境を話し始めた。


「ずっとONE世界ストロー級王者になることを目標し、そこをモチベーションにやってきました。そのためにも1月の日本大会出場を目指していて、去年の9月ぐらいに『出られるだろう』という話だったのでお金を集めて、アルファメールで練習を続けていました。

それ以前からビザを取って、米国で生活するために車を買ったのもONEの世界ストロー級チャンピオンになるためでした。でも結局、日本大会には出られなかったばかりか、契約が切れていたことが分かって……。その時は、全てに絶望をしてしまいました。なんで、契約が切れていることを出場の交渉をしてもらう時に言ってくれないのか。どんな扱いやねんって。

でもチャンスを貰って、結果を残せなかったのは事実で。同時に僕もこれ以上、試合がない状況が続くのは避けたかった。だからONEとは更新という話もあったけど、せずにA1 Combatで戦うことを決めたんです。

そもそも僕がONEで戦いたかったのは、ストロー級の世界一の王座があるから。世界で一番になること。それが目標なのは今も変わっていないです。だからRIZINで戦おうとも思っていないです。とにかく、これまでやってきたことを諦めたくない。諦めないといけない瞬間を食らったからこそ、そこを諦めたくない。そんな僕が辿り着いた結論は、UFCにストロー級ができるよう頑張ることだったんです。

ユライアってフェザー級とバンタム級のパイオニアじゃないですか。僕はユライアの率いるチーム・アルファメールの一員で、ユライアに相談をしたら『UFCにストロー級を創ろうぜ』と言ってくれて。で、A1 Combatでストロー級王座が創設された。これは北米で最初の男子ストロー級王座なんです。115ポンドの王座ってないんです。ONEのストロー級だって、実際には水抜き無しを条件にした125ポンドなので。

ここが新たな一歩です。UFCにストロー級を創るのは、僕にしかできないことで。だからこそ、今回の試合は勝たないといけない。僕のパフォーマンス次第です。A1 Combatはダナ・ホワイトも視るやろうし、ユライアはショーン・シェルビーとも話すと言ってくれています。ただ、3年はかかるでしょうね。その3年、全てを格闘技に賭けて生きていきます。この7ケ月間がそうであったように。

僕はONEで負けて、クビになった。だから、ここに辿り着くことができました。そうですね……ONEに対する想いっていうのは、これからの自分次第。自分が結果を残すことで、もっと感謝の気持ちを持てることになるはずです。ONEに限らず、心の底からこれまでサポートしてくれた人に『ありがとうございました』と言えるようになるためにも、頑張るしかない。そして、ここにはユライアがいてくれる。

フライアがパイオニアとしてやってきたことを見てきて、傍にいてくれて話ができる。そして『お前ならできる』と本気で言ってくれた。アルファメールの人間は『本当に凄いアイデアを思い付いたな』って言ってくれるんです。日本だと『無理やろ』っていう空気にしからないUFCストロー級の設立に関して、皆が『やろうぜ』って言ってくれます。今回のA1Combatストロー級王座決定戦が、歴史を創る一歩になります。ストロー級は明るい未来しかない。

でも、そんな言葉を試合前に記事にしてもらっても何もならない。パフォーマンスを魅せ、結果を残すこと。結果を残した時だけ記事にしてください」

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【A1 Combat19】川原波輝、際どい勝負をモノにしベルトを巻き──「UFCにストロー級を創る!!」

<A1Cストロー級王座決定戦/5分3R>
川原波輝(日本)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
アンソニー・ドォ(米国)

右に回ってジャブを伸ばすドォに対し、川原が右インローを蹴る。引き続きダブルジャブ、頭を振るドォ。川原は左ハイを軽く蹴り、右フックへ。ドォも左ハイを繰り出し、ガードした川原がスイッチ、すぐにオーソに戻る。ドォが右を振るい、川原が右ローを蹴り込む。左右へのステップを踏むようになったドォが右を当てる。ワンツーのドォ、スイッチしてはハイの川原が姿勢を乱す。直ぐに立ち上がって左ハイを蹴った川原は、腹、足、顔と攻撃を散らす。ヘッドムーブからボクシングのドォが右をヒットする。

川原の右オーバーハンドは届かず、ワンツーをスウェイでかわす。蹴り足をキャッチしてケージに詰めたドォがヒザを繰り出す。川原は左に回って離れ、左の伸ばす。サウスポーになった川原が右オーバーハンドから左ミドルを決める。オーソに戻し右カーフを入れた川原は左を被弾、さらに左から右を受けて打ち返すも初回を落とした。

2R、前に出てくるドォに対し、左を当てた川原だが右を直後に打たれる。ここは落とせない川原はスイッチして左ハイ、左から右を当てる。右ストレートの相打ち後に、ドォがワンツーを入れる。互いに蹴りを出し、左をブロックしてワンツーを見せる。さらにヒザを出した川原だが、組みで詰めたドォがヒジを放つ。ミドルハイから右ローの川原がワンツーを空振り。右ハイをブロックして、左ミドルを決める。直後に組んだエルボーのドォだが、川原も右を当てる。これでバランスを崩したドォに対し、川原はパンチから蹴りのコンビを繰り出し、右は伸ばす。残り10秒で再びミドルを決めた川原だが、このラウンドは微妙ながら、勢いで取り返したか。

最終回、左をまず入れた川原はシングルレッグでケージ詰められる。エルボーから離れたドォ、川原の粗い左右のフックは空を切る。直後のステップインにヒザを合わせた川原は、クリンチに持ち込まれる。ヒザを蹴り合うが、川原は時間は使いたくない。離れたドォを追いかけてフックの川原が、鬼神の笑みを浮かべる。しかし、パンチがワイルドになっている川原だったが右を当て、蹴りに繋げる。左を返しドォ、組んでヒザ蹴りに川原は左ボディショットを決める。

さらにワンツーに左をヒットさせた川原は、左ジャブの相打ちからローを蹴られる。残り90秒、ドォが右を当て川原の右をかわす。川原はスイッチして腹を2つ殴られる。そこから右を当てた川原の右ローで、ドォが回る。さらに左ミドルを入れた川原は、タイムアップと同時にドォとハグ、手を握り合って頭を下げた。

1Rはドォ、3Rは川原が手数と圧で回っていたが──果たして──結果は3-0で川原に!! ブーイングも起こるなか、川原はユライア・フェイバーにベルトを渡され涙を見せる。そして──「僕らは歴史を創った。アンソニー・ドォ、ありがとう。このベルトは米国で初めてのストロー級のベルト、UFCにストロー級を創りたい。どうだろう? ダナ・ホワイト。UFCストロー級を創って欲しい、僕らは準備できている。Why Not?」と英語でアピールし、続いて「日本の皆さん、応援ありがとうございました。ここからUFCストロー級設立に向けて動きたいと思います。ありがとうございました」と大阪弁で話した。


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AB o UFC カイル・ネルソン キック クリス・ワイドマン コナー・マシューズ タイラ・サントス ダナ・ホワイト フリオ・アルセ ブルーノ・シウバ ユライア・ホール

UFC on ESPN54:オッズ/予想と展望

エリン・ブランチフィールド 1.52
マノン・フィオロ 2.60
ビセンテ・ルーケ 1.89
ホアキン・バックリー 1.93
クリス・ワイドマン 3.30
ブルーノ・シウバ 1.35
ヌルスルトン・ルジボエフ 1.39
セドリケス・ドゥマス 3.10
ビル・アルジオ 1.44
カイル・ネルソン 2.85
チディ・エンジョクアニ 1.70
リース・マッキー 2.20
ネイト・ランドワー 2.80
ジャマル・エマース 1.46
ビルナ・ジャンジロバ 2.80
ルーピー・ゴディネス 1.46
フリオ・アルセ 1.25
ハーバート・バーンズ 4.10
デニス・ブズカ 1.80
コナー・マシューズ 2.05
イボ・アスラン 1.80
アントン・トゥルカリ 2.05
ビクトリア・ドゥダコバ 2.30
メリッサ・ガ1.65
アンドレ・ペトロスキー 2.70
ジェイコブ・マルクーン 1.49
エンジェル・パチェコ 3.80
ケイラン・ロフラン 1.28

メインで予定されていたウェルター級8位ショーン・ブラディ vs. 11位ビセンテ・ルーケ がブラディの欠場によりノーランカーのバックリーとの対戦に変更となったため、セミに格下げとなり、替わってセミで組まれていた女子フライ級戦がメインに昇格。

2位ブランチフィールドと3位フィオロはともにUFC6戦全勝。どちらかが次期挑戦者になることが確実と思われていたが、両者の直接対決が組まれることに。さすがにこの試合の勝者が次期挑戦者になることは確実ではないかと思われた矢先、王者グラッソと前王者シェフチェンコのTUFコーチ就任が発表されたため、実質次のタイトルマッチがTUF後の両者の3連戦目になることが確定した。ブランチフィールド、フィオロのどちらが勝っても、年内のタイトル挑戦はないと思われる。

地元ニュージャージー出身のブランチフィールドは7歳から始めた柔術、9歳から始めたキックがバックボーンで、12歳の時にすでにプロの選手となることを決めていた。UFCでの6勝のうち、一本勝ちが3回。前戦は、当時絶対王者だったシェフチェンコ相手にスプリット判定まで持ち込んだタイラ・サントス戦で、ひたすらタックルを仕掛け、テイクダウンは奪えなかったもののサントスのスタミナを削ったうえで打撃のヒットで上回っての判定勝ち。

フランスのフィオロは空手・ムエタイがバックボーンのストライカー。半身の体勢からのサイドキック・関節蹴りで距離を取った打撃を武器にしているが、組んでからのテイクダウンも強い。前戦は地元フランスで元ストロー級王者のローズ・ナマユナス相手に打撃で上回っての判定勝ち。

ブランチフィールドは2回目、フィオロは初となるUFCでのメイン登場。5Rマッチになったことで、組みでスタミナを削るブランチフィールドが優勢に試合を進めることになりそう。

ブランチフィールド判定勝ち。

セミ前には元ミドル級王者ワイドマンが登場。21年のユライア・ホール戦で、カーフキックをカットされスネが真っ二つに折れる大怪我を負い、昨年8月に2年4ヶ月のブランクで復帰。元ランカーブラッド・タバレスからカーフキックで攻められ、左足を完全に殺された後、スイッチして前に出した右足もカーフで蹴られて完敗。試合後、ダナ・ホワイトが「頼むから引退してくれ」とコメントするほど、かつての王者の実力が見る影もない内容だった。

今回はほぼ地元でプロデビューから4戦を戦ったアトランティックシティでの試合。ラストマッチにはちょうどいい舞台ではあるが、契約はまだこの試合を含めて2試合残っているとのことで、ワイドマン自身はまだ現役を続ける意向の模様。相手はUFC4勝4敗で、直近5戦では1勝4敗(1勝の相手は前回ワイドマンに勝ったタバレス)。しかしブラジルキック王者で、23勝のうちKO勝ちが20あるストライカー。ワイドマンにとっては厳しい試合になることは避けられないか。

第1試合開始は31日朝8時から。速報します。

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o ダナ・ホワイト

【ボクシング】那須川天心のインスタライブにダナ・ホワイトがコメント

681: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/02/23(金) 20:33:51.85 ID:axHfQCow0
那須川天心のインスタライブにダナホワイト登場!


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45 AB Gladiator Gladiator Challenger Series01 LFA MMA MMAPLANET o Progress YouTube   アン・ジェヨン エド・ソアレス グラント・ボクダノフ ダナ・ホワイト チェ・ドンフン チャンネル パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 和田教良 大嶋聡承 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉 長谷川賢

【Gladiator CS01】計量終了 河名マスト「最後の300グラムが……」。ヘンリーはLFA ソアレスCEOと談笑

【写真】エド・ソアレスCEOを見て、「あのダナ・ホワイトみたいな人は誰ですか?」と、和田。PROGRESS長谷川賢代表の「記事ぐらい読んでくださいよ」という返答に 「チェ・ドンフン以外、目に入っていないので」と目をギラギラさせていた(C)MMAPLANET

15日(木)、明日16日(金)に会場非公開&配信に特化して実施されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」の計量が港区の10kolで行われた。
Text by Manabu Takashima

いわゆるアンダーカード無し、MMAとグラップリングが5試合凝縮された新しい試みは全5試合出場10選手全員が計量をクリアした。


ギリギリ度合いが伺える和田教良と9キロの減量を完成させたチェ・ドンフンは、3試合勝利を手にした後に腰に巻かれるベルトを挟んでフェイスオフ。

88キロ級契約で大嶋聡承との組み技マッチに臨むグラント・ボクダノフは、ウェルター級のMMAで戦う時よりも明らかに大きなフレームを維持していた。

その両者、フェイスオフでも笑顔で言葉を交わしていた。

また第3試合のミドル級でアン・ジェヨンと戦う三上ヘンリー大智は、今大会の視察に訪れたLFAエド・ソアレスCEOとポルトガル語で話し「LFAでブラジル大会へ」という魅力的な誘いにも、「今は明日の試合に集中します」と返答。

ソアレスCEOは「これこそ、私が求めるファイター像だ」と感心しきりだった。

Gladiatorの減量といえば、苦戦がいつも伝わってくるのが竹本啓哉だ。

その竹本はコメインでProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座を賭けて竹内稔と相対するが、MMAより1階級上の体重リミットにも「設定をそこにして落としてきた」ということで、やはり減量は苦し気であった。

メインでパン・ジェヒョクの持つGLADIATORフェザー級王座に挑む河名マストは、本来は最初に体重を測る予定だったが、全5試合とルールミーティングが終わった頃に会場に姿を現して、パス。

「残り300グラムを落とすのにチョット苦労しました」と苦笑いを見せていた。

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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o UFC アブドゥル・ラザク エリク・アンダース キック ケルヴィン・ガステラム ショーン・ストリックランド ジャレッド・キャノニア ダナ・ホワイト マーヴィン・ヴェットーリ

UFC on ESPN+94:メインイベント・ジャック・ハーマンソン vs. ジョー・パイファー

ミドル級5分5R。ハーマンソン11位。

スウェーデン出身・ノルウェイ在住のハーマンソン。元フロントライン・アカデミー所属(現在はヨアキム・ハンセンが主宰するチーム・ヘルボーイ所属)で、かつてはADCC王者ユラノフ・エイネモが所属していたこともあり、ハーマンソンもグラップラー。ギロチンが得意で、ケルヴィン・ガステラムからは外ヒールでタップを奪っている。スタンドでは一発の重さがあるパンチでKO勝ちも多い。ランカーになってからは勝ったり負けたりで、ランキングは10位前後に留まり、タイトル挑戦圏内までは入っていけない存在。ここ最近では、ジャレッド・キャノニア、マーヴィン・ヴェットーリ、ショーン・ストリックランドと、後にタイトルに挑戦した相手に敗戦。前戦は先週メインで敗れたロマン・ドリーゼに、ガードからカーフスライサーを仕掛けられ、うつ伏せで足を極められた状態でのパウンドでKO負け。負傷もあり、昨年は試合をしておらず、1年2ヶ月ぶりの復帰戦となる。UFC10勝6敗の35歳。

パイファーは今回がUFC初メイン。寝ても立っても常にフィニッシュの匂いを感じさせる攻めを見せることで、コンテンダーシリーズで勝った時からダナ・ホワイトからは気に入られている。その期待に応えるように、UFCデビューから3連続フィニッシュ勝利。スタンドの打撃では、一発入れば倒せそうな強打を打ち込み、実際にデビューから2戦は連続KO勝ち。前戦はアブドゥル・ラザクにカーフキックを効かされたが、タックルでテイクダウンを奪い肩固めで一本勝ちした。グラップリングマッチでもエリク・アンダースやジェラルド・マーシャートに勝利しており、組みの強さもある。一方、前戦を見る限り、打撃のディフェンスには穴もありそうで、上位陣相手にどこまでできるかが問われる。UFC3勝0敗の27歳。

オッズはノーランカーのパイファーがフェイバリット。

ジャブを入れたパイファー。カーフから飛び込んでのジャブが顔面を捕らえる。さらにまたカーフ。距離を詰めるパイファー。またカーフ。ジャブがヒット。ハーマンソン後退。また出てきたパイファー。右がかすめてハーマンソンちょっとぐらついた。左ボディ。ハーマンソン関節蹴り。残り30秒。強烈な右を放ったパイファーだがクリーンヒットは避けたハーマンソン。ジャブをヒットさせるパイファー。ホーン。

1Rパイファー。

2R。また詰めるパイファー。ワンツー。際どいところで大きなダメージを逃れたハーマンソン。ジャブから右オーバーハンドを入れるパイファー。ハーマンソンシングルレッグに。しかし脇を差して受け止めたパイファーが離れた。パイファーカーフキック。ハーマンソンが前に出ていくが、先にパイファーの打撃をもらう。パイファーがフェイントを見せると距離を取るハーマンソン。パイファーカーフ。ハーマンソンもカーフを返した。ボディを入れるパイファー。ハーマンソン前に出てパイファーがケージ際まで下がった。しかしハーマンソンカーフを入れると下がる。逆に出たパイファー。ケージを背負うハーマンソンに左ボディ。ワンツー。パイファーのカーフキックに右を合わせたハーマンソン。ホーン。

2Rもパイファー。

3R。詰めてジャブを入れるハーマンソンだが、パイファーもジャブで出ると右ボディ。ワンツー。カーフ。パイファーの右フックがヒット。詰めてきたパイファーにジャブを入れたハーマンソン。ワンツー。ハーマンソンのカーフで足が流れたパイファー。また効かされたか。ハーマンソンのパンチをもらい下がったパイファー。アイポーク?しかしレフェリー問題ないと下がる。パンチが目に入った模様。ハーマンソンが出ていきジャブを入れる。しかし深追いしないハーマンソン。詰めてきたパイファーにテンカオから右。パイファーのジャブでちょっとぐらついたハーマンソン。パイファー詰めるがサークリングで距離を取るハーマンソン。右ボディを入れるパイファー。ハーマンソンはまたカーフ。残りわずかでタックルに入ったパイファー。シングルレッグ。ハーマンソン片足でこらえてパンチを入れると飛び膝もヒット。ホーン。

3Rは手数でハーマンソン。パイファーのパンチにも慣れてきたか。

4R。すぐ出たハーマンソン。カーフ。効いてる。パイファーシングルレッグ。切ったハーマンソン。またカーフ。下がりながらジャブを入れるハーマンソン。ライブオッズはハーマンソンが優勢に。出ていくパイファーだがハーマンソン下がりながらカーフキック。パイファー左フックを打ち込むと組み付いてボディロック。しかし自ら放したパイファー。パンチで出るがハーマンソンのワンツーをもらう。そしてカーフ。パイファーまたタックル。小手に巻いてこらえるハーマンソン。引き剥がした。パイファー下がった。ハーマンソンの右をもらう。ジャブもヒット。大振りの右は空振り。ケージ際から出られないパイファー。タックルに入るが切られた。ホーン。

4Rハーマンソン。ポイントは並んだが、カーフを効かせられたパイファーに逆転する余力はあるか。

5R。右ボディから左フックを入れるパイファー。またカーフを入れるハーマンソン。さらにカーフ。ケージを背負ったパイファー。出られない。右オーバーハンドを入れたパイファーだが単発。ハーマンソンが逆にタックル。テイクダウン!ハーフで固めて押さえ込んだまま肩パンチを入れるハーマンソン。逃げ切り狙い。下で身動きが取れないパイファー。ガードに戻すのが精一杯のパイファー。ハーマンソン、最後の10秒で体を起こしてウイニングパウンドラッシュ。タイムアップ。

三者48-47でハーマンソン勝利。

2Rまでパイファーペースだったが、前回同様カーフを効かされ、パイファーこれも前回同様タックルに入ったが、ハーマンソンはすべて切り続けた。