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【UFC298】UFC二戦目。中村倫也のMMA学概論─01─「どこかのパーツを大きくしたということではない」

【写真】その跳躍力が、予想を完全に上回りフレームアウトしてしまった中村のバック宙(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也がUFC2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

当初の予定ではブレディ・ヒースタンドと対戦予定だったが、負傷欠場でカルロス・ヴェラ戦が決まった。MMAPLANETでは中村が古巣である専修大学レスリングジムでトレーニングを行う日に取材が決まっていが、なんとその前日にヒースタンドの欠場の知らせがあった。

そこで対戦相手云々ではなく、レスリング練習、体創り、その体の生かし方など、MMAへの向き合い方とMMAを戦う自身との向き合い方を訪ねた。そこにはこれ以上ないほど求道的な中村だからこそ伝わってくる言葉が聞かれた。これこそが中村倫也のMMA学概論、だ。


──専修大レスリング場での取材となります。凄く綺麗な施設で、壁には吉田光雄さんや馳浩さんの写真が飾ってあるものばかりだと思っていました。

「ハハハハ。僕が大学の1、2年の時は古いプレハブ小屋で、長州力さんや中西(学)さんが学生時代に練習していた場所でやっていたんですけど、2015年からこのジムができて新しく綺麗な環境になりました。だから山北渓人だったり、僕や河名マストはここを使っていて、武田光司はここに移ってすぐに中退したんですけど、一応知っています(笑)。江藤(公洋)選手は、前のジムですね」

──社会人レスリング部が、レスリング場を持たないということを知りませんでした。

「そうですね。練習場所は母校に行くのが普通でした。企業も費用対効果を考えると、10人とかレスラーを抱えることはできないじゃないですか。採って3人とか4人になってしまい、そこに男女がいて階級も違う。そうなるとレスリング場を持つ意味がないですよね」

──倫也選手は社会人の時には、同じ所属企業の選手と練習をすることはなかったのですか。

「僕の場合は博報堂DYスポーツマーケティング所属で、男女1人づつしかいなかったです。だからスパーリングをするとか、そういうことはなかなかなかったですけど、ここに2人で来て同じ空間で練習はしていました」

──ALSOKなどレスラーや柔道家がたくさん所属しているイメージですが、練習場を持ってないのですか。

「持っていないですね。ただレスリングは今、学生でも全日本で表彰台にガンガンと上がってきています。やはり、距離が近くてガンガンやるので若い力が良い面に出ることが多いスポーツで。だから例え社会人でチームができるような環境があっても、大学のレスリング場を選ぶ人が多いと思います。学生と毎日ガンガンやっていくような」

──では倫也選手はMMAを始めてから、母校で練習する機会というのは?

「メチャクチャ減りました。年に数えるぐらいしか、来ていないです。転向して1年目とかは、2週間に1度ぐらいきていたのですが、最近はほぼピュアレスリングの練習はしていないですね。去年で7、8回ぐらいです。それも試合前に集中して」

──それを今日、来ているのには理由があるのですか。

「技術的なところでいうと、凄く近い距離での組手とテイクダウン狙い。そこに付随する駆け引きも凄く速いから、妥協している暇がないんですよ。組みに対してMMAだと『ここは一度、差しあげてホールドしておこう』という展開があるんですけど、そんなことをやったら強烈に攻められてしまいます。結果、妥協しないで次、次、次と動いて、どうバックを取るかなどを体が思い出します。すると次の練習も速い展開に持っていけるようインプットがされます。

技術とか体力とかでなく、体を整える。月に1回と分散して来るのではなくて、試合前に集中して来るとガンガンとやる感覚を思い出せます」

──その感覚を思い出すと、MMAでの動きが変わるのですか。

「そうですね、打撃面でも生きます。ここは言葉では説明し辛いところなんですけど、良いパフォーマンスが出るところに持っていきやすいんです」

──それでも週に一度というように、定期的に来るモノではないのですか。

「そうしようと思ったこともあったんですけど、MMAにおけるケガをする瞬間って強い打撃を受けること、それかテイクダウンされた時の際だと思います。そのケガをする状況ばかりなんです、ここでレスリングの練習をするということは。ケガのリスクがあることを理解して、ここには来ないといけないので」

──倫也選手が母校に戻ってきてレスリングの練習をするのと、レスリングの経験がほぼない選手が大学のレスリング部で出稽古を行うのは目的が違うということですね。

「そうですね。僕は今のレスリングの技術は一通り持っているので、そこを磨くとかではない。投げを打つときの感覚を、もう1回体にインプットしたいという理由でレスリングの練習をしています。あと学生なんで、彼らは体力がありますからね」

──倫也選手を食ってやろうとガンガン来ますか。

「ハイ。しかも、知恵があるので疲れたところに来ますからね(笑)。逆にそうでないと、来る意味がないので」

──そのようななか、対戦相手ブレディ・ヒースタンドが欠場。このビックリニュースが昨日伝わってきました(※取材は1月12日に行われた)。いずれにせよ、試合間隔を半年開けたのは倫也選手の意志だったのですか。

「いえ、12月に戦おうと思っていました。ただ、前回の試合で足を骨折して。変なところをケガして、完治したというのを連絡していたのですが、『相手が見つからない。年を跨いで良いか?』という返答だったんです。なら1月でも良いという考えだったのが、2月になった形ですね」

──12月の上海大会に関して、倫也選手は出場を狙っていたのでしょうか。

「上海じゃなくて良い……いっちゃうと、上海は嫌でした。乗れなかったです。ビザとか取るのが面倒くさそうで(笑)。しかも、大会があるとかないとか……なって」

──なるほど、です。ではデビュー戦を終えた時に、バンタム級としては小さい。体創りをしていくという発言もありましたが、その辺りは?

「ハイ。思っていたように体はできています。普段の体重も1.5キロほどでしたけど、増えています。実はもっと増やそうとして、体が浮腫んだりしたので抑えたんです。もともと筋肉も脂肪も付きにくいタイプなのでゆっくり時間をかけていっていて……も、パワーもついてきています」

──倫也選手は繊細に体を創ってきているイメージがありますが、この1.5キロの差というのは如実に表れるものなのでしょうか。

「続きますね、動きが。これまでは同じ質力でも足に来だしたというのがあったのが、もっとポンプできるなって。多分、筋肉量が増えたのだと思います。でも、どこかのパーツを大きくしたということではなくて、足から力を伝えて全身に連動させてモノを投げたり、人を投げたり、ぶつけたりをドンドン重ねてデカくしてきました。そういう創り方がしたかったんです」

──心肺機能の方は?

「必然的に少し上がっています。体を大きくするというのは、体力を使う作業なので。ハイ、体力はつきました」

──その体力がレスリングや打撃、つまりMMAに生きている実感は?

「それが……やっぱ、そんなに上手くいかなくて。打撃では、ちょっとケツの引き込みが甘くなっているとか。自分では気づいていなかったことなんですけど、外から見てもらった時にズレが発覚して。で、自分のなかでも『これで良かったっけ?』、『良いような気がする』、『でも良くないような気もする』という風に違和感もあって。それを岳(大宮司トレーナー)さんに指摘してもらえたので。そこから修正するような動きに変えたりしています」

──つまり……。

「違いが出てきているということですよね。でも……格闘技として生きるポイントとしては持続力がついた。これで一発の威力が上がったという風に捉えるのは良くない。そういうスポーツだと、感じているところです」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o UFN UFN222 バットゲレル・ダナー ブレディ・ヒースタンド

【UFN222】ダウンを奪ったバットゲレル・ダナーが、ヒースタンドのサイドバック&左の連打でTKO負け

<バンタム級/5分3R>
ブレディ・ヒースタンド(米国)
Def.3R4分21秒by TKO
バットゲレル・ダナー(モンゴル)

ダナーの左ジャブにヒースタンドが左ハイを狙う。左右に動くヒースタンドに対し、ダナーが前蹴りを入れる。打の圧をかけるダナーがステップイン&ジャブ、スイッチするヒースタンドに左右のローを蹴ったダナー、ヒースタンドが右ハーフを返し左ハイが顔面を掠める。左ローに組みついたヒースタンドが、ケージにダナーを押し込む。ボディを殴り、ヒザを見せて倒れないダナーが、逆にヒースタンドを崩しパウンドを落とす。

直ぐに立ち上がったヒースタンドは蹴りの位置に立ち、テイクダウンを警戒すダナーの距離が左ハイのレンジになっている。低いダブルを切り、右を当てたダナーは効かされたヒースタンドの連続のダブルを切ってヒザを突き刺す。左に右を当て、連打のダナーは左を後頭部に受けて姿勢を前方に乱したが、直後に立ち上がる。ヒースタンドがヒザを繰り出し、初回が終了。両者が顔を突きつけ、挑発しあった。

2R開始直後に左フックでダウンを奪ったダナーは、左ハイより前より接近し、ダブルレッグにヒザを振り下ろす。倒されてもヒジを続け、切り返して上を取りかけたダナーだが、ヒースタンドがケージに押し込み上を取り直す。ここからバックに回ったヒースタンドが両足をフックし、RNCを狙う。足を払いにいくダナーを仰向けにしたヒースタンドが、四の字フックで絞めの機会を伺う。

腹ばいになって立ち上がろうとするダナーは、正座状態で前方に落としエルボーを入れる。ダナーは鼻血で流血しているヒースタンドにパンチを連打して形勢逆転。ボディ、顔面にヒジを入れたダナーはヒースタンドのレッスルアップにスタンドに戻ると、離れてミドルに左を合わせる。右目尻もカットしたヒースタンドは、疲れとダメージで手を出せないままラウンド終了を迎えた。

最終回、ヒースタンドが左ハイ、ダナーは左を伸ばす。ヒースタンドも左を伸ばし、ダブルレッグのタイミングを探る。右カーフのヒースタンドが左ハイ、ダナーがジリジリと前に出る。ジャブを当てたダナーに対し、ヒースタンドはオーバーハンドから左ハイもこれは勢いがない。ダナーもテイクダウンを嫌がってか、初回と同じ距離に立つ。そこに右をヒットさせたヒースタンドは、左オーバーハンドを当てる。

残り90秒、ダブルレッグを決めたヒースタンドが左のパウンドを力強く打ちこむ。鉄槌とパンチを連打するヒースタンド。右足で左を制された形のサイドバックから逃れることができないダナーは、このまま動けず左パンチを受け続け、ついにレフェリーが試合を止めた。


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【UFN222】ヒースタンド戦へ、チンギス・ハンの末裔バットゲレル・ダナー「レスリング勝負になっても」

【写真】ちょっとゲッツなダナー(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、あと4時間でスタートするネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN222:UFN on ESPN+80「Pavlovich vs Blaydes」。その第 1試合でバットゲレル・ダナー✖ブレディ・ヒースタンドのバンタム級戦が組まれている。

キャリア6勝2敗の新鋭を迎え撃つダナーは、3試合連続初回KO勝ちから一転、現在2連敗中だ。アリゾナのファイトレディーで倉本一真とスパーリングを数多くしてきたというダナーに、モンゴル人の強さの秘密と今大会の試合の意気込みを訊いた。


──ダナー、ブレディ・ヒースタンドと土曜日に戦います。今の気持ちを教えてください。

「ファイトウィークに入って、最高の気分です。エネルギーが熱を帯びてきていて、もう戦う準備は出来ています」

──アリゾナのファイトレディーでは、日本の倉本一真選手と随分と練習してきたと聞きました。

「カズマとは、本当にたくさんスパーリングをしました。RIZINで戦うために、カズマももう日本に戻っているはずです。素晴しいファイターで、本当に強いレスラーなので、カズマとはとても良い練習ができました。カズマもアリゾナで次の試合に向けて、素晴らしいキャンプができたはずです」

──ところでダナーがジャクソン・ウィンクMMAからファイトレディに移ったのは、なぜなのですか。

「ジャクソン・ウィンクも素晴らしいジムでしたが、ファイトレディーの方がヘンリー・セフードを始め、自分と同じような体格の選手が多く練習しています。それと仲が良いアラテンヘイリがアリゾナで練習していたことも、ジムを移った要因の一つです。ジャクソン・ウィンクでは打撃をしっかりと学ぶことができたので、レスリングがベースのファイトレディーで、しっかりとレスリングを見直してきました。結果、今週末は打撃だけでなくレスリングを融合したスタイルを見てもらえると思います」

──実は1月にウランバートルを訪れたのですが、ケージレスリングに関してセントラルヒーティングがあるために、壁レスができないジムが多かったです。

「モンゴル人の男の殆どが、幼少期からモンゴル相撲をやってきたので自然とファイティングスピリットが養成されます。ただし、MMAに関しては今指摘されたように環境がまだまだ整っていません。だからケージレスリングや壁レスという部分で、モンゴルのMMAは他の国の後塵を拝することになっています。

ただしモンゴルではMMAの人気は上がっていて、ケージのあるジムも出てきました。そして、優秀なコーチも増えています。だから壁レスやクリンチワークという点でも、モンゴル人ファイターはこれから強くなることは間違いないです。

自分も試合が決まれば、米国のジムでキャンプを行いますが、普段はウランバートルに戻って練習しています。モンゴル人MMAファイターの第一世代として、自分は海外で練習をして壁レスやクリンチの習得に努めてきました。そしてウランバートルではボクシングやテコンドーのジムで、MMAjは何かを説明してきました」

──MMAの普及にダナーは務めてきたのですね。ところでマイナス30度の極寒の地で、肉と麺類やお米を食べまくり、タンパク質と炭水化物を取り続ける。この2つの要素がモンゴル人を精神的、肉体的に強くするのだと勝手に結論づけました。

「アハハハハ。気候に関してはモンゴルには四季があり、夏は相当に暑くて冬はとんでもなく寒いです。本当に極端な気候で、あのタフな環境で生まれ育つと人間を強くしてくれると思います。食事に関しては、モンゴル人は自生した植物をよく食べています。それに肉に関しても、緑を食べて育った羊、牛を食べているので。野菜を食べているのと同じです(笑)」

──まさか(笑)。

「ただ気候と食事がモンゴル人を強くしているというのは、100パーセント賛成します。それとモンゴルの歴史ですね。チンギス・ハンの時代から、我々はウォリアー・スピリッツが受け継がれてきました」

──そんなウォリアーズ・スピリットを持つダナーですが、3試合連続1RKO勝ちのあと、現在連敗中で今週末の試合はとても重要かと思います。

「全ての試合が重要です。どの試合も真剣に向き合ってきました。ただし、今回の試合は特に大切です。ですから、1Rでフィニッシュすることを約束します。対戦相手は将来性豊かな若いファイターで、完全にグラップラーです。優秀なレスラーですが、我々モンゴル人にはモンゴル相撲で養われた、組み合いで強さを発揮する血が流れています。

そして、自分が初回でKO勝ちするので、彼がレスリングの技術を使う機会は訪れないです。ただ、レスリング勝負になっても自分のレスリングの強さを見せつけます。モンゴル相撲が、モンゴル人の根底にあるファイティングスピリットを養ってくれるので、あらゆる組技、柔道、柔術、レスリングでモンゴル人は常に強さを発揮します。

だから自分も土曜日の夜にはファンに再び、KO勝ちをお見せします」

■視聴方法(予定)
4月23日(日・日本時間)
午前5時30~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
セルゲイ・パブロヴィッチ: 260.5ポンド(118.16キロ)
カーティス・ブレイズ: 262.5ポンド(119.06キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)
ブルーノ・シウバ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン: 156ポンド(70.76キロ)
ジャレッド・ゴードン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イアズミン・ルシンド: 126ポンド(57.15キロ)
ブローガン・ウォーカー: 126ポンド(57.15キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェレマイア・ウェルス: 171ポンド(77.56キロ)
マシュー・セメルスバーガー: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
リッキー・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)
クリストス・ギアゴス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ: 136ポンド(61.69キロ)
モンテル・ジャクソン: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
カロス・ホサ: 144.5ポンド(65.54キロ)
ノルマ・デュモンチ: 145ポンド(65.77キロ)

<ヘビー級/5分3R>
モハメド・ウスマン: 239.5ポンド(108.63キロ)
ジュニオール・タファ: 252ポンド(114.3キロ)

<フェザー級/5分3R>
フランシス・マーシャル: 146ポンド(66.22キロ)
ウィリアム・ゴミス: 147ポンド(66.67キロ)

<女子フライ級/5分3R>
プリシーラ・カショエイラ: 130ポンド(58.96キロ)
カリーネ・シウバ: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
バットゲレル・ダナー: 136ポンド(61.69キロ)
ブレディ・ヒースタンド: 136ポンド(61.69キロ)

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MMA MMAPLANET o UFC UFN215 アンドレ・フィアーリョ イオン・クテレバ ザルガス・ズマグロフ ジェニファー・マイア ジャック・デラ・マダレナ セルゲイ・スピヴァク チャールズ・ジョンソン テレザ・ブレダー デリック・ルイス ブレディ・ヒースタンド マイルズ・ジョンズ マリア・オリヴェイラ マリナ・モロズ ムスリム・サリコフ リッキー・トゥルシオス リー・ジンリャン ワルド・コルテスアコスタ ヴィンス・モラレス

【UFN215】フィアーリョと対戦、散打王ムスリム・サリコフ─02─「散打ファイターではダメなんだ」

【写真】非常にゆったりした感のあるサリコフ。殺気を全く纏わない強者 (C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)はネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN215:UFN on ESPN+73「Lewis vs Spivak」が開催され、アンドレ・フィアーリョと対戦するムスリム・サリコフ・インタビュー後編。

リー・ジンリャン戦の敗北からの再起戦となるサリコフだが、そのジンリャン戦での準備不足の厳禁はロシア人ファイターあるあるというべきビザ取得に起因していた。ロシア・ダゲスタンの歴史に名を残す散打ファイターは、38歳になってなお純粋に強さを求めるウォリアーだった。

<ムスリム・サリコフ・インタビューPart.01はコチラから>


──ではムスリムはなぜMMAに転向したのでしょうか。ヴォルク・アターエフやザビット・マゴメドシャリポフと比べても、圧倒的に散打の世界で成功を収めており、その実績だけで散打界で大御所としてやっていけたのではないですか。

「ただ僕がウォリアーだからだよ。ベストファイターと戦いたい。僕はいつだって引退できる。でも毎日のようにスクールに行って、コーチと会って、皆と練習する日々を送りたい。まだハングリーなままなんだよ。だからMMAに転向したんだ。グセインはちょっと年を取ったけど、今もスクールに来てアドバイスをくれるよ。動きよりも、言葉で僕をサポートしてくれている。

もう僕も十分に経験を積んできたから、トレーニングに関しては自分のやり方が確立しているしね。そして試合前になるとATTに行って、ファイトキャンプを行っている。ATTはベストのMMAジムだよ」

──過去5年間負け無しだったのですが7月にリー・ジンリャンに敗れ、今回の試合は仕切り直しの一戦にになります。

「とても大切な試合になる。この試合で勝てば、UFCでの未来が広がる。ただし負けても……何も失うモノはない。UFCがチャンスをくれれば、また戦う。僕はウォリアーのままだから。ただし、今回の試合は前回とは違ってベストシェイプだ。リー・ジンリャン戦は、満足いく調整ができなかった。

ビザが取れず、試合の10日前になってようやく手にすることができたんだ。大切な調整の時期にビザを取るために色んなところに足を運びまくった。最終的にアルメニアまで行ってようやくビザを取得できたんだ」

──アルメニア……。それは大変でした。つまりATTでファイトキャンプを張ることもできなかったわけですね。

「今、ロシア人がビザを取るのはちょっと大変だからね。それでも最後のパンチを被弾するまで、僕の方が試合は優勢だった。あの状態で戦っても、最初の2Rを取ることができた。でも一発で逆転負けした。それがMMA。一発で勝負が決まる。アレがラッキーパンチとは言わない。彼が僕をKOしたんだ。そして今回はずっと体調が良い。もっと良い戦いができる」

──フィアーリョの印象を教えてください。

「フィアーリョは良い選手だ。若くて、常にフィニッシュを目指している。好きなタイプなファイターだよ。彼も僕もフィニッシュを狙うから、激しい試合になる。大歓迎だ」

──フィアーリョはリー・ジンリャンと同じキルクリフCFで練習している選手です。ムスリムのデータを共有しているのではないでしょうか。

「全く問題ない。あの体調の悪さで2Rまで僕が勝っていた相手から情報を得ていても、今回の僕の調子はまるで違うからね。フィアーリョがリー・ジンリャンのチームメイトということは全く気にならないよ。

ベストチームであるATTで、10週間も最高のチームメイトとしっかりと練習できた。何も恐れるものはない」

──ムスリムはパンチと蹴りが連動しており、抜群の距離とタイミングの取り方ができます。今回のフィアーリョ戦、キーポイントはどこになると考えていますか。

「全てだよ。これはMMAだからね。コンプリートファイターにならなければいけない。散打ファイターではダメなんだ。レスリングも柔術も理解して、戦う必要がある。コンプリートファイターになるためにレスリングと柔術に力を入れてきた。しかも、素晴らしいコーチに恵まれているから、メキメキと力をつけている。MMAで勝つには、コンプリートファイターでなければいけない」

──ムスリム、今日は試合前にもかかわらず、貴重な話を聞かせて頂きありがとうございました。

「日本のファンに散打とコーチの歴史、我々のスクールの話をすることができて良かった。グセインはソビエト共産党政府の目を逃れて空手の稽古をしていた。彼がソ連政府に目をつけられながら、諦めずに稽古を続けたからこそ、今のスクール、今の僕がある。それを皆に分かってもらいたい。僕も日本を尊敬している。グセインが侍、日本人、空手についていつも話をしてくれた。そんな日本のファンに僕の試合を楽しんでもらいたい」

■視聴方法(予定)
11月20日(日・日本時間)
午前3時00分~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ(モルドバ)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
チェイス・シャーマン(米国)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ウェルター級/5分3R>
ムスリム・サリコフ(ロシア)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ダニー・ロバーツ(英国)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
チャールズ・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
マリナ・モロズ(ウクライナ)

<バンタム級/5分3R>
マイルズ・ジョンズ(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
ケヴィン・ナタヴィダッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)
ヴァネッサ・デモポウロス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファルニ・ガルシア(メキシコ)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ナタリア・シウバ(ブラジル)
テレザ・ブレダー(チェコ)

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MMA Report UFC UFC ESPN30 ブレディ・ヒースタンド ブログ リッキー・トゥルシオス

【UFC ESPN30】TUF29バンタム級ウィナーはリッキー・トゥルシオス。注目される、今後

<TUF29バンタム級決勝/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ブレディ・ヒースタンド(米国)

右ローを蹴ったトゥルシオスに対し、ヒースタンドが右フックを振るう。組んだトゥルシオスのヒザは急所の辺りに入ったが、レフェリーが流す。一旦離れ打撃の間合いから、ヒースタンドが組みついてボディロックテイクダウンを決める。蹴り上げるトゥルシオスから、パスを狙うヒースタンド。そこにスイープからスクランブル狙いのトゥルシオスだったが、ヒースタンドが押させに行く。

と、自ら離れスタンドに戻ったヒースタンドは、立ち上がったトゥルシオスをすぐにテイクダウンしパウンドを落とす。ヒースタンドはトゥルシオスの三角狙いを防ぎ、スクランブルにもダブルでケージに押し込む。ここでトゥルシオスがスイッチからバックを取り返し、落とされそうになると三角を狙う。取られたのとは逆に腕を入れることで三角を防いだヒースタンドは、スクランブルからのクリンチで離れるとトゥルシオスの左右のフックを被弾する。

レスリング&コントロールで疲れた感のあるヒースタンドに対し、トゥルシオスはダッキングでパンチを入れ、首相撲からヒザ蹴りへ。離れると、残り10秒を両者が足を止めて左右のフックを打ち合った。

2R、フックから組んでダブルレッグのヒースタンドは、トゥルシオスが差し返してくるとシングルへ。回ってかわしたトゥルシオスだが、ダブルレッグは切られヒザを腹に受ける。直後にヒースタンドがダブルレッグを決め、尻もちのトゥルシオスはキムラクラッで立ち上がり、エルボーを頭に落とす。

頭を上げ、クリンチからエルボーを入れて離れたヒースタンドに対し、トゥルシオスが左ハイ。パンチの交換のなかで、間合を外したヒースタンドの左フックがヒットする。動きが止まったトゥルシオスだが、ダブルレッグからバックへ。ここも落とされ、三角も不発に終わる。ヒースタンドはボディロックから、叩きつけるようにテイクダウンを決めるとサイドで抑え、マウント狙いへ。トゥルシオスはバタフライ・スイープ、スクランブルになるとハイエルボーギロチンから引き込む。ヒースタンドが頭を抜き、サイドで抑える。スクランブルからスタンドに戻り、トゥルシオスが両手を広げ叫び声を挙げた直後にラウンド終了となった。

最終回、ワンツー、右オーバーハンド、左リードフック、さらにアッパーとパンチを続けるヒースタンド。ただし、スピードに欠け足は前に出ていない。トゥルシオスは右ストレートを入れると、続くワンツーの右ストレートでダウンを奪う。ヒースタンドはすかさず立ち上がり、ダブルレッグでテイクダウンを決めケージ際で時間を使う。

起き上ったトゥルシオスはケージに押し込まれながらも、エルボーを連打しスイッチへ。ヒースタンドは回ってシングルで上を取り切る。トゥルシオスはバタフライガードからレッスルアップでスイープへ。ケージにもたれたスタンドに留まったヒースタンドにパンチ、ヒザを入れたトゥルシオスがエルボーを打ち込む。残り90秒、ヒースタンドは左ハイから思い切り体を揺らしてフックを振るう。トゥルシオスはケージに押し込むが、パンチ勝負に。ヒースタンドのダブルレッグを切ったトゥルシオスが首相撲からヒザをボディに入れ、ダーティボクシング。最後の10秒の打ち合いは、トゥルシオスが優勢のままタイムアップをとなった。

非常にTUFらしいファイト、ジャッジは割れ……TUFシーズン29バンタム級ウィナーはトゥルシオスに。涙を浮かべTUF優勝のトロフィー、そして黒帯をセコンドから巻かれたトゥルシオスは「夢が現実になった。神が全てを憧れた。子供たちにメッセージを送りたい。自分を信じて、恐れず、夢を大きく持とう。一生懸命やって、ポジティブで。人生を楽しんで。この試合を見ていた1億人の人々、みな、繋がっている。みな、一つなんだ。広がる空にある星たち、太陽、月、愛は一つだ」と話した。

TUFウィナー、これだけレベルが上がったMMAにあって、アグレッシブな姿勢で動き続けるファイトを心掛ける──これからのファイターが、どのように生き残ることができるのか──TUFの開催意義を考えるうえでも注視したい。


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News Preview UFC UFC ESPN30 エジソン・バルボーサ ギガ・チカゼ ギルバート・ウルビナ ブライアン・バトル ブレディ・ヒースタンド ブログ リッキー・トゥルシオス

【UFC ESPN30】計量終了 バルボーサ✖チカゼ、後ろ回し蹴り&ロー対決。史上初、通常大会でTUF決勝

【写真】メインで戦うバルボーサとチカゼ、どちらもカサカサだ (C)

27日(金・現地時間)、28日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN30「Barboza vs Chikadze」の計量が行われた。

トゥルシオスは4年前にコンテンダーシリーズで敗れ、ようやく長年の夢が叶う。対するヒースタンドはデビューから3年のファイターだ(C)Zuffa/UFC

メインでエジソン・バルボーサ✖ギガ・チカゼのストライカー=フェザー級対決、TUF29ミドル級&バンタム級決勝が組まれた今大会。

全12試合、出場24選手のなかでオープニングマッチに出場するマナ・マルチネスが5ポンド・オーバーで、グイド・カネッティと契約体重戦を行うこととなった。


これまでTUFの決勝は、ファイナル大会としてシーズンに出場選手が数多くオクタゴン・デビューを飾っていたが、通常大会のなかでファイナルが行われるという史上初のケースで、ファイナリスト以外は、ミドル級のアンドレ・ペトロスキー✖マイケル・ギルモアの2名のみがUFC初陣を戦う。

ミドル級決勝戦出場のウルビナは、シーズン中の準決勝でトレシアン・ゴアにTKO負けを喫しているが、そのゴアがヒザを負傷して欠場、代役ファイナリストに昇格した。

UFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーとブライアン・オルテガがコーチを務めたシーズン29、ゴアに代わりウルビナが決勝に臨むことになり、2階級ともチーム・ヴォルカノフスキー対決となった。そしてミドル級のバトルは8番ピック、バンタム級のヒースタンドは7番ピック──つまり両者ともヴォルカノフスキーにとって最も期待値が低い選手だったことになる。

さらにいえばウルビナは4番ピック、トゥルシオスは5番、ゴアにしても4番ピックとセレクション上位の6名がただの1人として決勝に残れない──稀に見るアップセット、下克上のTUFとなった。

2年半ぶりのTUFウィナー誕生となる今大会のメイン、バルボーサ✖チカゼのスピニングバックキック対決。ズバリ、打撃だけでいえばチカゼに分があるだろうが、だからこそバルボーサには総合力勝負で、チカゼの弱点をつくファイトを期待したい。そのような展開になると、チカゼの組みへの対応力が見えてくるファイトになる。

■視聴方法(予定)
8月29日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN30計量結果

<フェザー級/5分5R>
エジソン・バルボーサ: 145.5ポンド(66.0キロ)
ジガ・チカゼ: 145ポンド(65.77キロ)

<TUF29ミドル級決勝/5分3R>
ブライアン・バトル: 185.5ポンド(84.14キロ)
ギルバート・ウルビナ: 186ポンド(84.37キロ)

<TUF29バンタム級決勝/5分3R>
リッキー・トゥルシオス: 135ポンド(61.24キロ)
ブレディ・ヒースタンド: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ケビン・リー: 170.5ポンド(77.34キロ)
ダニエル・ロドリゲス: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキー: 185.5ポンド(84.14キロ)
マイケル・ギルモア: 184ポンド(83.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート: 185ポンド(83.91キロ)
マフムド・ムラドフ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク: 185.5ポンド(84.14キロ)
アレッシオ・デキリコ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ミドル級/5分3R>
サム・アルヴィー: 185.5ポンド(84.14キロ)
ウェリントン・トゥルマン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダスティン・ジャコビー: 203.5ポンド(92.3キロ)
ダレン・スチュアート: 204.5ポンド(92.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
JJ・オルドリッチ: 125ポンド(56.7キロ)
ヴェネッサ・デモパウロス: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フェザー級/5分3R>
パット・サバティニ: 145.5ポンド(66.0キロ)
ジャマル・エマース: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス: 140ポンド(63.5キロ)
グイド・カネッティ: 135.5ポンド(61.46キロ)

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