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【ONE Battle Ground03】モンゴルの純真、最強騎馬民族の末裔オトゴンジャルガルが49秒KO勝ち

【写真】100点満点のデビュー戦となったプレフ (C)ONE

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
Def.1R0分49秒by KO
ベン・ロイル(英国)

自らが製作&販売する、チンギス・ハンTシャツを着て入場したオトゴンジャルガルが、サウスポーのロイルの左ジャブ、ローを見ながらジャブから右ローを放つ。ロイルの左に右フックをオトゴンジャルガルが合わせると、ロイルが腰から崩れる。追い打ちのパウンド3発で、オトゴンジャルガルがONE初陣で僅か49秒──人生を切り開く勝利を手にした。


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【ONE Battle Ground03】騎馬民族の末裔=オトゴンジャルガル─02─「SG便への搭乗が許されませんでした」

【写真】勝手な憶測だが、プレフとその家族は日本で我々がもう失ってしまったモノを持っているような気がします(C)OTONGJARGAL PUREV

27日(金・現地時間)、ONE「Battle Ground02」が放送される。

7月30日にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録された同大会でベン・ロイルと対戦しているプレウ・オトゴンジャルガル・インタビュー後編。

ゲルと呼ばれるテントで寝起きし、温かい家族のサポートで夢を追い続ける彼が、その夢が潰えそうになる経験を試合直前にしていた。もう応援するしかなくなってしまうような──一途、健気なオトコゴンジャルガルは、ケージの中で最強騎馬民族の末裔であることを示すことができるか。

<プレウ・オトゴンジャルガル・インタビューPart.01はコチラから>


──日本では想像できない厳しい環境ですね。

「この境遇が厳しいとは考えていないです。このような環境にいる人はモンゴルにはたくさんいます。何より僕にはサポートしてくれる家族、コーチ、チームメイトが存在しています。MMAで成功することが自分の夢なので、これが普通だと思っています」

──力強い言葉です。そもそもプレフは、なぜMMAファイターを目指すようになったのですか。

「最初はボクシングやキックを習い始め、その時の先生がジャダンバ・ナラントンガラグ先生でした。トンガー先生が2009年からMMAに専念することにし、先生の姿を見てMMAをやってみたいと思ったんです。

2011年10月、エイドリアン・パンを破りジャダンバがLFCライト級王者に。このモンゴル国旗の後ろに、若き日のプレフがいたということか……(C)LEGEND FC

トンガー先生がLegend FCでエイドリアン・パン選手に勝ってチャンピオンになった時、セコンドでマカオを訪れていました。

あの試合を目の前で見て、絶対にMMAファイターになるんだと決心しました。

その1年後にバーサンクフー・ダムランプレウ(2017年まで現役で通算戦線は7勝1敗1分。唯一の敗北がソン・ヤードンに喫したもので、Road FCでは根津優太と引き分けている)という強豪選手とデビュー戦を戦い、負けました。でも、やっていけると自信を持つことができました。その日から、今日まで変わらず自信をもって夢を追い続けています」

──その夢の現実が近づいたONEとの契約でしたが、シンガポールに入国するのが遅れたそうですね。

「実はソウルのインチョン空港で2日間、足止めを食らう形になっていました。もともと23日にウランバートルを出て、同じ日にインチョンからシンガポール便に乗り換える予定でしたが、ソウル行きの便が遅れてしまって乗り継ぐことができませんでした。

ONEはすぐに24日のフライトを手配してくれたのですが、僕とコーチがウランバートルで行ったPCRの検査結果が有効期限を切れるということで、その便への搭乗が許されませんでした」

──えっ……。ではインチョンで新たにPCR検査を受けてもその結果を待つのにさらに日数を要したのではないですか。

「いえ、それがインチョン空港のレギュレーションの関係でPCR再検査を受けることが無理だと言われ、モンゴルに帰国するしかないという状況でした」

──それは……。

「モンゴルに帰国すると14日間の隔離措置があるので、もうシンガポールで試合をすることはできなくなります。土曜日ですし、役所は動かない。にもかかわらず、ONEはシンガポール政府と話をしてくれました。僕とコーチの特別入国許可をもらえ、再度ブックしなおしてくれた25日のフライトに乗ることが出来ました」

──いや、足止めを食らったというのは聞いていたのですが、そのような状況だったとは。それはもう精神的に疲弊してしまったのではないでしょうか。

「本当に精神的に厳しかったです。ほとんど試合に負けたような状態でした。ここでONEで試合ができなくなると、僕をサポートしてくれた人たちが離れてしまうのではないか……スポンサーも失うかもしれないとか色々と考えました。

当然、この2日間は練習もできなかったですし。ここで試合ができないと、次はいつ戦うことができるのか、全く見込みが立たないです。本当に精神的にはギリギリの状態だったと言えます。

ただ、もうシンガポールには行けない……試合もできないと諦めそうになった時でもONEの人達は『絶対にシンガポールに来てもらう。試合をしてもらうからね』と強い意志を持って状況を説明してくれました。

まず、そこで本当に心が救われました。日曜日の便でシンガポールに行けることが分かって、天にも昇る気持ちでした。ONEが今回、僕のために動いてくれたことは決して忘れません。ONEの皆の期待に応えるために、僕個人の試合でなくONEのために戦い、モンゴルという国を世界にアピールするのが僕の役割です。

ただでさえ、この厳しい状況でイベントを開いているONEが僕に試合の機会を与えてくれたことに感謝していますし、今回入国させてくれたことで、僕のONEへの想いは愛しているレベルにまで変わりました。僕の力でONEがより大きなイベントになることに役立てるよう全力で戦います」

──対戦相手のベン・ロイルのことは申し訳ないですが、自分は全く知りません。どのような試合を彼相手にしたいと思っていますか。

「とにかく勝つことが第一です。僕の持っているモノ、全てをぶつけて勝ちたいです。その勝利を得るための執念のようなモノを試合で見せることができればと思います。僕自身、モンゴルの史書を読むことが好きで、特にモンゴル帝国の英雄の話が大好きなんです。彼らは勝利を得るために、色々と戦略を練って戦っていました。

自分もモンゴル帝国──騎馬民族の末裔だということを示すことができる試合をしたいと思っています。応援してくれる人たちのためにも良い試合をして、すぐにONEから次の試合を組んでもらえるようにしたいです」

■視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

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ABEMA MMA ONE ONE Battle Ground03 シェ・ウェイ ブログ プレフ・オトンジャルガル ベン・ロイル

【ONE Battle Ground03】モンゴルの純真=オトゴンジャルガル─01─「ゲルに住んでいるというは本当です」

【写真】オトゴンジャルガルと家族。キャリア6勝1敗、お父ちゃん──やるしかないでしょっ!! 製作販売しているというTシャツを家族で来てもらったが、この肖像画は……、……(C)ONE

27日(金・現地時間)、ONE「Battle Ground02」が放送される。

7月30日にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録された今大会はこれからのONEという戦場を見るうえで、新たなパワーハウスとなるモンゴルや中国から新たな選手が経験し、初陣に挑む試合が複数組まれている。

27日の収録マッチではプレウ・オトゴンジャルガルが、ベン・ロイルと待望のサークルケージ初戦に挑む。ONE Warrior Seriesのリッチ・フランクリンがウランバートルを尋ねて、トライアウトを行った際に発掘し、「テントに住む凄くハングリーな選手がいて。もの凄く期待している」と評していたのがオトゴンジャルガルだ。

モンゴルではゲルと呼ばれるテントに寝起きしているのが真実なのか。その辺りも含めて、チンギス・ハンを尊敬してやまないオトゴンジャルガル──ひたすらMMAファイターとしての成功を夢見、家族の支えに感謝して、ONEデビューを迎えようとしていた彼を試合前日インタビュー。その模様をここで紹介したい。


──明日、念願のONE初陣でベン・ロイルと対戦します。

「とても楽しみです。明日、試合ができることを心の底から嬉しく思っています」

──一度ONE Warrior Seriesで戦っただけでパンデミックが起こってしまい、2019年の12月から試合ができなくなってしまいました。

「コロナによって試合が出来なくなった時は、とても辛かったです。ウォリアーシリーズの行方も分からない状態になり、モンゴルでもMMAの試合が行われる見込みが全くなくなってしまいました。

僕にはスポンサーもいなかったので、生活は凄く苦しかったです。これは以前から行ってきたのですが、オリジナルTシャツを作成して、それを販売して生計の足しにしていました。それでも試合がないなかで、とにかく練習自体は続けてきましたが、昨年10月に1度だけモンゴルFCで戦うことができました(※セルオド・ビルグンにノースサウスチョークで一本勝ち)。今は3カ月前にスポンサードしてくれる会社もできたので、生活はなんとかなっています」

──生活が凄く苦しかった……。プレフはファイター以外の仕事というのは?

「妻と一緒にオンラインショップをしています。中国から輸入した物を販売するというビジネスです。彼女が輸入や販売の手続きをしてくれて、配達が僕の仕事です。

あとはウランバートルの大きな市場で商売をしたりして、生き抜いてきました。それでも練習をストップすることだけはなかったです。MMAで成功するという強い信念を持って練習は続けてきました」

──コロナ禍を機会に、MMAから身を引くという選択をした選手も世界中にいるかと思いますが、モンゴルというMMA市場がなかなか成立しづらい国にて、プレフは引退を考えたことはなかったですか。

「全くなかったです。妻から生活のためにMMAを辞めてほしいと言われたことも、1度としてありませんでした。彼女は子供が2人いる状態ながら、食事であったり、練習衣の洗濯であったり、献身的に僕のMMAファイター生活をサポートし続けてくれています。

ばかりか『もう少しで成功に近づいているのだから、とにかく頑張って』と背中を押してくれます。モンゴルでは常識的に考えて、MMAファイターとして生きていこうと思えば、生活面はかなり厳しくなります。僕の場合は本当に妻の支えがあって成り立ってきました。

だから2年前にリッチ・フランクリンさんがモンゴルにやってきてウォリアーシリーズと契約できた時は、本当に嬉しかったです。ずっと海外で試合ができる選手になりたいと思っていたので。

あの時はフランクリンさんが練習後に家にやってきて、モンゴルの食事まで食べてくれたんです。先ほど、話したオリジナルTシャツをフランクリンさんだけでなく、スタッフの全員が購入してくれました」

──2019年に日本にリッチ・フランクリンがやってきたときに、「モンゴルにはテントに住む凄くハングリーな選手がいて。もの凄く期待している」と言っていたのですが、それがプレフことで。でも、ゲルに住んでいるというのは盛っているんじゃないかと思っていました。

「ゲルに住んでいるというは、本当の話です」

──えっ、遊牧民が移動しながら生活するためにゲルが存在すると思っていたのですが……プレフは遊牧民ということですか。

「いえ、そんなことはないです(笑)。でもウランバートルでも、ゲルで生活をしている人間は少なくないんです。モンゴル国民は、国から住むために一定の土地を貰うことができます」

──えぇ、そうなのですか。

「ハイ。富裕層はそこに業者に発注して、一軒家を建てます。ある程度経済的に余裕のある人は、その土地にレンガで断熱性のある家を自分で建てて住みます。そうでない人のなかには材料を購入して、木造住宅を自分たちで作ったり、僕のようにゲルを建てて住む。ゲルに住む人の数もかなり多いです」

──全く知らなかったです……。

「フランクリンさんが来てくれた時は、僕はウランバートル郊外の山の頂上に近いところにゲルを建てて住んでいました。ただしコロナが起こって移動制限が出てしまったので、そこに住んでいると練習に行くことが困難になりました。

だからウランバートルの中心に近い場所に母が住んでいて、その敷地内にゲルを建てて今は生活しています。とにかく練習環境を第一に考えてのことです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

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