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HEAT48 J-CAGE JJ Globo Report  グラチアン・サジンスキ アンディ・コング イゴール・タナベ ブログ

【HEAT48】ドンキーガードを見せたアンディ・コングから、イゴール・タナベがOT腕十字で勝利

<グラップリング/4分2R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
Def.OT3R10秒by 腕十字
アンディ・コング(日本)

シングルレッグからバックに回ったイゴールが、すぐに寝技に持ち込む。亀になって足を掴んだアンディだが、イゴールがクルスフィックスから再びバックに回ってまずは襷を取る。足のフックはないが、向き合うことができないアンディに対し、イゴールが四の字フック。イゴールは足を解き、絞めをセットしていく。アンディが手首を掴んで防御すると、すかさず頭を刈って腕十字に移行する。

ここで下を選択したイゴールが三角絞めへ、そのまま上を取りつつ再び十字に移行したがアンディがクラッチを握り続け初回が終わった。

2R、防御が固いアンディに対し、イゴールは座って誘う。アンディは乗らずに背中を見せると、バックを取ったイゴールが足を絡ませて下になり内ヒールを仕掛ける。ここもアンディが防ぎ、イゴールは技を解いてスタンドへ。

と、アンディはドンキーガードからヒザ十字を狙うが、反応されてバックを許す。前転したアンディはバックを取られると、自ら背中をマットに着けて足を四の字に固く組む。イゴールはサドルから内ヒールを狙い、上体を起こしたアンディが手首を取って防ぎ通した。

試合はEBI流OTへ。攻め続けたイゴールは疲れが目立つが──果たして。先攻となったイゴールがシートベルトを選択する。極めることは困難でも、返される可能性は少ない状態でイゴールは60秒を使った。後攻のコングもシートベルト、足を外しつつイゴールが腰をずらして25秒でエスケープに成功する。

OT2R、イゴールは再びバックからRNCをセット。アゴの上からの絞めを防いだアンディはアゴを引いて守りきった。後攻アンディはスパイダーウェブを選択し、イゴールは2秒でエスケープした。

OT3Rはスパイダーを選択したイゴールが、三角から腕を伸ばし10秒でタップを奪う。逆転には9秒でタップを奪う必要があるアンディは、シートベルトを選ぶ。イゴールは即上を向きマウントから腰を押し、ヒップエスケープに成功。OT勝利──も、イゴールから回心の笑顔を見せなかった。


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HEAT48 Interview J-CAGE  グラチアン・サジンスキ アンディ・コング イゴール・タナベ ブログ 志村民雄

【HEAT48】名古屋帰還。志村代表に訊く─02─「キックもMMAグローブ、グラップリングも組んでいく」

【写真】本日、前日計量が終わり出場選手たちと(C)EMILIO YASSUO INAFUKU

25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48。昨年は1月と9月に東京で大会を開催したが、地元・名古屋ではコロナの影響で2019年7月以来、実に1年10カ月振りのイベントを開くHEAT志村民雄代表インタビュー後編。

MMAとキックをケージで行うという独自性を持ち、同時にブラジル、韓国と実力者を招聘してきたHEATを率いるに地元・名古屋大会への意気込み、キックのMMAグローブ化、グラップリングの導入、そして海外勢の招聘についた話を訊いた。

<志村館長インタビューPart.01はコチラから>


──キックをMMAグローブに!

「ハイ、掴めるグローブ、そして薄い。使うテクニックも変わって来るでしょうね。首相撲の時間なども、今後考えていこうと思います。

今回のグラップリングに関しては、アンディ選手は良く受けてくれました。イゴールの相手が名古屋でまるで見つかりませんでした。だからイゴールが延長になる姿が想像はつかないのですが、アンディも延長で番狂わせを起こすぐらいの気持ちで戦ってくれると思います。

イゴールは子供の頃にうちにいたマックス・フェルナンデスの応援で会場に来ていたと。長い間やっていると、こういう嬉しい話もあるんだなと思います」

──今後、グラップリングの試合を組んでいくことはあるのでしょうか。

「米国でSUGというケージのグラップリングもやっていますし、今後はこれを機にHEATでも金網グラップリングの試合を組んでいこうかと思っています。

金網でMMA、キック、そしてグラップリングとなんでやっていこうと。グラップリングに関しては、イゴールにも意見してもらおうと思っています。

やはりコロナ禍で大会を開くことは厳しいです。だからこそ、名古屋で開かないといけないというのはありました。志村道場の選手の本当によく練習しているので。

観客席も半分──本当はそれでもお客さんは来てくれないかと思っていたら一気に完売になりました。HEATの今回のマッチメイクは石井選手もでなくなり、過去の大会と比べて厳しいモノです。

ほとんどキックです。でもMMAがこれだけ組めない。ホントにチケットは席数の半分も売れないかという覚悟もありました。これはHEATがここまで名古屋でやってきた歴史かと思いました」

──それは嬉しい限りですね。

「だからこそね。韓国人選手とか、呼びたかったです。何とかしたいと思っていました。草MAX選手の防衛戦も組んであげたかった。でも、コロナの影響でどうしても難しくて。だから逆に名古屋の人間ばかりの大会になったというのもあります。

でも、やはりHEATは名古屋でやっていたも東京や韓国、ブラジル、そしてハワイ……コロナが収束に向かい、外国人選手を招聘できるようになれば、本当に強い選手を呼びますから。日本人選手に限らず、韓国、ハワイ……また外国人同士でも強い選手同士の試合を組んで、また新しいチャンピオンをUFCやONEに送り出したいと思います」

■視聴方法(予定)
4月25日(日)
午後2時30分~TIGET

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HEAT48 Interview J-CAGE ブログ 志村民雄 春日井たけし 石井慧

【HEAT48】1年9カ月ぶりの本拠地。志村民雄代表に訊く─01─「HEATのMMAは日本人選手ありきでない」

【写真】2019年7月以来の名古屋でのイベント開催。ジェロム・レバンバ、現UAE Warriors出場中のキム・ギョンピョ、そしてパク・ジョンウンという顔ぶれ。これがHEATらしさだ (C)MMAPLANET

25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48。昨年は1月と9月に東京で大会を開催したが、地元・名古屋ではコロナの影響で2019年7月以来、実に1年10カ月振りのイベントとなる。

MMAとキックをケージで行うという独自性を持ち、同時にブラジル、韓国と実力者を招聘してきたHEATを率いる志村民雄代表に地元・名古屋大会への意気込み、これからを尋ねた。


──ようやく名古屋でHEATを開催できます。

「久しぶりに名古屋で大会があるということで、皆さん喜んでくれていますね。チケットも完売で、非常に嬉しいです。

MMAPLANETさんには申し訳ないですけど、MMAの試合が非常に少なくなってしまいました。マックス・ホロウェイのジムで強い選手を見つけたので、ずっと呼びたいと思っていたのが、今回もコロナの影響でビザが下りなかったです。

こればかりはどうしようもなかったです。HEATのMMAは日本人選手ありきでなくやってきたことで元ライト級王者のオク・レユンが今度、ONEでエディ・アルバレスと戦いますし、ライトヘビー級王者だったチョン・ダウン、ヘビー級王者アラン・ボドウはUFCで戦っています」

──ミシェウ・ペレイラも今やUFCで確固たる地位を築きつつありますしね。HEATからメジャー進出、それは国籍に問わずして志村館長が実力者を招聘してきたという事実があります。あまり届かないというジレンマもありますが……(苦笑)。

「それでも、僕は海外の選手だろうが強い人間同士の試合が見たいんです。MMAはそういうつもりでやってきました。それとヘビー級ですね。

春日井なんか王座防衛戦を予定していたのが、挑戦者が来日できなくて。ホント、強い選手だったんですよ。でも、そこでRIZINから声が掛かって、アイツがああいう舞台で戦えるということは良かったかと思っています。

アイツも運がなくて……、それでも才能でなくて努力でやってきた。扇久保選手と再戦できますけど、春日井自身が変わろうとしていますよね。何とか変わろうとしています。元々気が小さいところがあり、もの凄く緊張しぃです。

まぁ勝ちにこだわるのは悪いことではないのですが、あまりにも相手を叩きのめそうという気概がないときは私もどやしつけたりしたんです。負けたくないという気持ちも分かるのですがね。

そういう部分でも、色々と乗り越えるために人としてどうかという言動をしたり、そうやって戦ってきたのが……今は、落ち着いてきました。でも、勝手ながら扇久保選手との試合は勝ちに拘れと言っています(笑)」

──アハハハハ。その春日井選手とともに出場予定だった石井慧選手の試合もギリギリのタイミングでなくなってしまいました。

「石井選手に関しては試合を成立させるためなら、体重差があったり、実力差がある試合なら組めたかもしれないです。でも、それはHEATではやりたくはないという気持ちがありました。

ハワイの選手がこられなくなって、色々と対戦相手を探したのですが、今回は組めなくなりました。お客さんはチケットを買ってくれて、スポンサーさんもずっと応援してくれていて、見る目は肥えていますからね。だから、今回は試合を組まない方向になりました。石井選手に見合う相手を見つけることができなかった。そういうことです」

──そのなかでMMAでは志村道場から倉本拓也選手とユン・テスン選手が出場し、それぞれZOMER所属の三宅輝砂選手と橋上壮馬選手と対戦します。祖根寿麻選手の教え子がHEATに出場というのは個人的に嬉しいです。

「名古屋の選手を出してあげたいです。今、日本の格闘技界は那須川天心✖武尊という対決に向けて動いていますが、ホントにこの2人以外にスーパースターがいない。ここがこけたら未来はどうなるという状況だと僕は思っているんです。

だからHEATとしても若い選手を育てないといけない。そういう意味でも、名古屋の選手にチャンスを与えたいと思っています。アビラル(ヒマラヤンチーター)とか伸びてきていますけど、もっともっと強くしないといけない。

やはりブラジル人選手や韓国人選手はUFCやONEに行っているのに、日本人も世界に送り出さないといけない。そういう部分で次回大会からはキックもMMAグローブでやろうと思います。

ONEがウチと同じようにキックとMMAをケージでやっていますが、やはりケージキックの特徴を生かすにはMMAグローブ着用かと。嫌がる選手もいますが、ここはやっていこうと思います。

それと今回はイゴール・タナベとアンディ・コングというグラップリングの試合を組むことになりました。ケージでグラップリング、決着がつかないと米国で多いオーバータイム方針を採用します。ここも今回の見所だと思っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月25日(日)
午後2時30分~TIGET

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HEAT48 Interview J-CAGE JJ Globo アンディ・コング イゴール・タナベ ブログ 石井慧

【HEAT48】金網サブオンリーに挑むイゴール・タナベ─02─「ラペラだけじゃなく(笑)、立ち技もできる」

【写真】石井慧がイゴール・タナベを壁に押し込む。なんという空間だ!!(C)MMAPLANET

月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48で、サブオンリー・グラプリング戦でアンディ・コングと対戦するイゴール・タナベ・インタビュー後編。

石井慧の欠場でMMAは2試合となってしまった同大会だが、イゴールがケージで戦うグラップリングは要注目だ。立ちから倒して極めるというイゴールは、壁を使った攻撃をすることも断言した。

コロナ禍でMMAファイターよりも、実戦の機会が激減した柔術家やグラップラーたち、そのなかでイゴール・タナベは今、何を想い金網に足を踏み入れるのか。

<イゴール・タナベ・インタビューPart.01はコチラから>


──立ち技ですか!!

「ちょうど今は石井さんとか、住村さんと練習をしていますし、ロータスにも行かせてもらって、立ち技から倒して極めるという流れを磨いている最中なんです」

──ケージという要素は意識しますか。

「この試合が決まる前から青木さんやイワモッティ(岩本健汰)と練習していて、壁の意識はありました。青木さんには全く敵わないんですけど……」

──青木選手が相手といっても、さすがに敵わないというのは無いのでは?

「壁レスは無理です(笑)。敵いません。ケージは柔術で1度やったことがあるのですが、柔術だとケージに詰まると中に戻されるので、壁を生かす試合は初めてです。倒す流れ、そこから極めに行く。壁にいくなら、練習仲間とやってきたことを出したいです。

イゴールはラペラだけじゃなくて(笑)、立ち技もできるハイブリットなんだって見せたいです」

──試合ができない間に、穴埋めができているという感じでしょうか。

「色々な方と練習できていて、そこは恵まれていると思います。大きくてテクニシャンの石井さんから、小さくて速い米倉大貴まで幅広いタイプの選手と練習できているので、誰とやっても勝てると思っています」

──ただしサブオンリーだからこその落とし穴で、守りに徹して取らせないという状況に陥ることもあり得ます。

「今回の試合も、そういうことがあると理解して準備してきたので、極める自信はあります」

──HEATという場で試合をすることで、今後もMMAの大会で試合を組んで欲しいという気持ちはありますか。

「ありますね。いつの日か、RIZINでもグラップリングをやらせてくれたらなっていう想いはあります。この試合のあとも、予定は立っていないですし。試合があればあるだけ出たいと思っているのですが、国内では予定が立たないので──9月にパン柔術がフロリダで行われるのですが、そこは視野に入っています。

ずっとギを着ていなかったのですけど、バンの2カ月前──7月からはどっちもやろうと思っています。帰国してから隔離措置が必要だと斎藤(穂高IGLOO)社長に迷惑を掛けてしまうのですが、ここは米国で試合に出たい……と思っています」

──それでもポジティブにやっていこうと心掛けているように見受けられます。

「家族もいるし、くよくよ悩んでいられないですよね。そういうもんじゃないですか。僕はコロナの状況を変えることはできないし、すぐに終わることもない。なら、自分のできることをやるだけですからね。

また柔術界が以前のように戻った時に、しっかりと戦えるようになっておかないと。去年はちょっと現状にショックを受けて、だらけてしまったことがあったんです。あんな風にならないようにします。

何よりコロナになったから、ノーギに取り組み足関節の練習をするようになったというのはあります。自分はZSTグラップリングに出るまではグラップリングを否定していたんです。ヒールが怖くてやりたいくなって。でも、それはヒールを仕掛けられて勝てないことから逃げていたんです。

柔術では勝てるのに、なんで似たことをやって負けないといけないんだって……。グラップリングを受け入れることができない自分がいました。でも試合に出るなら、グラップリングしかないという状況になったので練習をして、好きになることができました。今はグラップリングも柔術と同じぐらい得意と言えます」

──素晴らしいですね。ではこれまで目標にしていなかったADCCも目標になったような感じでしょうか。

「そうですね、出たいですね。モッティと一緒に出たいですね」

──そのADCCも1年開催が延期されましたね。予選もまだどうなるのか。

「それ以前に僕はまだブラジル国籍なので、アジア・オセアニア予選に出ることができないんです。永住権は持っているから、なんかそのあたりの規定が変われば良いのですが……。もう日本に17年も住んでいるし。帰化も考えています。ただし、これから自分が何をしていくのか、まだ確定していない。海外に行くのか、日本にいるのか。日本に住み続けるのであれば帰化することが一番の選択肢です」

──その将来を想い描くなかで、2年も競技者生活がストップに近い状況というのはしんどいですね。

「ありえないです」

──一緒に練習しているMMAの選手は、試合があるわけですしね。

寝技の攻防も迫力満点だった

「それを見ていて、自分もMMAをしたくなることがあります。MMAの人と一緒にいることが多くて、ロータス世田谷とかでも、皆がなんか格好良いですよね。柔術と試合前の準備も違いますし、楽しそうです。MMAをやるなら、まず殴られることの恐怖を取り除かないといけないですけどね」

──そんな日が訪れることを楽しみにしつつ、まずはHEATでのアンディ・コング戦です。最後に意気込みのほどをお願いします。

「必ず極めます。それだけです。試合に向けての練習は最高だったので、自分を持って戦えます。今の一番の心配、髪型をどうするのか……です(笑)」

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HEAT48 Interview J-CAGE JJ Globo アンディ・コング イゴール・タナベ ブログ

【HEAT48】アンディ・コングと金網サブオンリー戦、イゴール・タナベ「HEATに出るのは運命を感じます」

【写真】素晴らしくポジティブなイゴールだった(C)MMAPLANET

月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48でイゴール・タナベが4分✖2Rのサブオンリー・グラプリングでアンディ・コングと対戦する。

柔術及びノーギ、重量級で日本一といって間違いないイゴールだが、コロナ禍で実戦経験を積むことが出来ていない。参加型格闘技の柔術トーナメントは、ほぼ動きを止めている。同様に昨年、一時は盛んになったグラップリング大会も年が明けてからは音なしの構えだ。

そんななかで決まったイゴールのHEATでの組み技マッチ。練習仲間の石井慧は、相応しい対戦相手が国内では見つからなかったという理由で欠場になってしまうなか、イゴール・タナベ in ケージは、一番の注目試合といっても良いだろう。意外にもHEATとは長い縁があったイゴールに、現状や今回の試合、そしてこれからに関した話を訊いた。


──1週間後、HEATでアンディ・コング選手とグラップリングで戦います。イゴールがHEATの金網でグラップリング、凄くミスマッチで興味深いです。

「石井慧さんが紹介してくれて、HEATが組んでくれた感じです」

──対戦相手のアンディ・コング選手は、GTFのハイサム・リダ戦の善戦が印象深いです。

「パラエストラ小岩の大内(敬)先生の茶帯で、青と紫帯でアジアでも優勝している選手です。ただ相手云々でなく、試合ができることが嬉しいですね」

──昨年、2月以降は柔術界がほぼほぼストップし、その間にGTFなどグラップリングの大会が開催され、イゴールもノーギでの活躍が増えました。そして秋には各柔術連盟も動き出したなか、第3波、そして現在と感染拡大は収束を見せず、昨年以上に柔術、グラップリングの試合は行われなくなっています。

「そうですね……。ASJJFはトーナメントを続けていますが、JBJJFはないですね。ホント、悲しいです。僕はファイターなので、試合をすることが一番楽しいことなのに……それができないのは。

去年は2月に試合をして、次は7月の終わりでした。そこからはGTF、Battle Hazard、KIT、Quintet、JBJJFの全日本と立て続けに試合に出て。でも、11月の半ばからここまでまた試合がない状態です」

──柔術の環境として、アスリートが生活できる基盤はないです。

「そうですね、指導者か道場経営者でないと」

──トーナメントのマネタイズが参加費であって、そこは現状ではもう本当に難しい。競技者のためにワンマッチ大会でもあれば良いのですが……。

「ハイ、でもIBJJFという組織がその上にあるので、JBJJFもワンマッチ形式の大会を開くことは難しいと思います。賞金トーナメントもないですし。JBJJFに関係している人が、違う組織でワンマッチ大会を開催してくれるような形でないと」

──その通りですね。イゴールはアスリートとして、米国で勝負しようという気持ちになってしまわないですか。

「米国は毎週のようにワンマッチやプロ・トーナメントをやっていて羨ましいです」

──昨年、二連勝した相手であるハイサム・リダ選手も脚光を浴びています。

「海外に行くことは考えます。石井さん経由でSUGに出られないか、尋ねてもらったり。でも、米国にそのまま住むことは、家族がいるし無理です。まだ海外の大会に呼んでもらえるほど実績は残していないですし……。

海外は、すぐには行けない。だから米国に行くのではなくて、今できることをやっていきます。練習にしても、指導でも。そして試合があれば、すぐに出られるようにしていくのが、今の僕の選択です」

──そういうなかでHEATからオファーがありました。

「本当に有難いです。HEATは……マックス・フェルナンデスって知っていますか」

──元ウェルター級チャンピオンですね、HEATの。

「実は僕の地元で、同じ道場にいた選手で。格闘技の試合会場に初めて行ったのもHEATだったんです。マックスの応援のために」

──えぇ、そうだったのですか! もう12年、13年前ですよね、彼がチャンピオンになったのは。

2009年3月28日、愛知県武道館。マックス・フェルナンデスがジャスティン・ボルダスを破りHEATウェルター級王者に。この会場のどこかに8歳のイゴール少年がいたわけだ!!(C)HEAT

「マックスがウェルター級トーナメントに出ている時、毎大会応援に行っていて。だから、HEATは僕にとって思い出の大会なんです。

ダニロ(ザノリニ)にも7歳ぐらいの時に、キックボクシングを教わっていました。ダニロもHEATのキックでチャンピオンだったし、ここで僕がHEATに出ることは運命を感じます」

──巡りあわせですね。

「ハイ、そう思います。だから僕にとってHEATに出るのは、特別なことなんです。マックス・フェルナンデスを知っている人も、そんなにいないと思いますけど……チャンピオンになってブラジルに戻ってしまったんですよね。めちゃくちゃ強かったので、勿体なかったです」

──ただHEATのお客さんは、キックボクシングが好きでMMAの試合で寝技になると、「おい、立てよ」、「レフェリー、ブレイク!!」などという野次が盛んに飛びます。その会場でグラップリングというのは、なかなかハードルが高いのではないかと……。

「そういう人にも楽しんでもらえる試合をしたいと思います。サブオンリーで、相手が参ったするまで試合が続きますし。グラップリングを知らない人に僕がいきなり座ると『何やってんだ』と思われるので、立ち技から倒して、その流れで極めに行こうと思います」

<この項、続く>

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【HEAT48】春日井たけしのバンタム級防衛戦が中止に。イゴール・タナベがケージ・イン!!

【写真】イゴールがケージで戦う。その画だけでも楽しみだ (C)MMAPLANET

29日(月)、4月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48に出場予定だった春日井たけしのHEATバンタム級選手権試合が中止になることと、グラップリングでイゴール・タナベが出場することがHEATより発表された。

1年9カ月振りの地元名古屋でのイベント開催となる同大会。先ごろ、RIZINバンタム級GP出場が正式に決まったHEATバンタム級チャンピオン春日井と対戦予定だったピエール・ダグザンがコロナ禍の入国制限により招聘が困難となり、この一戦は中止となった。ダグザンは同門のシャイデン・レイアロハの代役として春日井との戦いが決まっていたフランス人選手だ。


春日井のタイトル戦が中止となったことで、今大会のMMAマッチは出場が発表されている石井慧と、志村道場の若い選手による2、3試合になる模様だ。

そんななかグラップリング戦でイゴールの出場は嬉しい限りだ。昨年は積極的にグラップリングマッチに出場していたイゴールだが、所属するIGLOO勢と共に今年からは道着に回帰する予定だった。しかし、国内外で柔術トーナメントはコロナの影響を受けている状態ということもあり、試合の機会がなかなか巡って来ない。そのような状況下で、イゴールも再びグラップリングに挑むことになったか。

対戦相手のアンディ・コングは昨年7月のGTF04で、今や米国のグラップリング界で台頭するハイサム・リダを相手に一本を取らせず、時間切れドローに持ち込んでいる。今回のグラップリングはルールが未発表だが、イゴールがケージに足を踏み入れるというだけでも十分に興味深いモノになる。

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【HEAT48】春日井の挑戦者がレイアロハから流浪のフレンチファイター=ピエール・ザグダンに

【写真】春日井に挑戦することとなったダグザン。3月5日より米国からの入国の際は現地でPCR検査陰性証明書を取得し、提出することが必須となっている。さらに入国時のPCR検査と2週間の自主隔離も必要だ(C)BELLATOR

17日(水)、4月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48に出場する春日井たけしの対戦相手が変更されることが明らかとなった。

1年9カ月振りの地元名古屋でのイベント開催となる同大会。HEATバンタム級チャンピオン春日井はハワイのグレイシー・テクニックスからの刺客シャイデン・レイアロハの挑戦を受けるという発表があったが、レイアロハに代わりピエール・ダグザンが挑戦者となった。


レイアロハの欠場理由は不明だが、彼の同門が代替出場となる。ダグザンはハワイ在住ながら生まれはヴェルサイユというフレンチMMAファイターだ。どのような経由でグレイシー・テクニックス所属となったかは不明だが、MMAデビューは今から9年前──インドのSuper Fight Leagueだった。

日本からミノワマンが出場した同大会の第2試合でインドのチャイタニャ・ガバリに判定勝ちを収めている。

その後はインドだけでなく中国で戦った後にカリフォルニア、そしてアラスカFCでの試合を経てハワイのローカルショー=ディスティニーMMAで戦うようになった。以後、X-1やBellatorのホノルル大会でキャリアを積み、戦績は5勝4敗だ。

流浪のMMAファイター人生を送ってきたザグダンだが、その戦いぶりは打撃戦で組みつき、テイクダウンからパウンド&柔術で攻めるという極めて基本に忠実なファイトスタイルだといえる。とはいえ荒っぽいファイターを相手にソリッドな試合ができるのは強い気持ちがあってこそ。

春日井としては自分と同じフィールドで勝負してくるだけに、遅れを取ることは許されない2年7カ月振りの国際戦となる。またHEATからの情報によると、石井慧の対戦相手もほぼ決定しており、近々に正式発表がある模様だ。

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HEAT48 J-CAGE News シャイデン・レイアロハ ブログ 春日井たけし 石井慧

【HEAT48】名古屋で1年9カ月振りのHEAT開催。春日井がハワイの猛者と防衛戦、石井慧も出場

【写真】一昨年7月に手にしたHEATバンタム級の王座初防衛に挑むことが決まった春日井たけし。昨年10月のパンクラス以来の試合となる(C)MMAPLANET

8日(月)、HEATより4月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場でHEAT48が開催されることが発表された。

新型コロナウィルス感染拡大前の昨年1月にニューピアホールでリング大会、9月は東京タワー下のスターライスタワーでケージ大会を開いたHEATが、お膝元の名古屋で2019年7月以来、実に1年9カ月振りの大会を開く。


HEATらしくMMAとキックの混合大会となり、現状ではHEATバンタム級チャンピオンの春日井たけしが、王座防衛戦でハワイのグレイシー・テクニックスからシャイデン・レイアロハの挑戦を受ける一戦が決定。さらにMMAで石井慧、キックでは鈴木万李弥の出場が確定している。

レイアロハは1994年3月生まれ、キャリア7勝2敗のファイターだ。地元ハワイのX-1、Bellatorホノルル大会、そして2017年にはコンテンダーシリーズにも出場している。日本人では修斗の関口祐冬との対戦経験があり、判定勝ちを収めている。

マックス・ホロウェイのチームメイトは、グレイシー・テクニックス所属らしく、下になってもしっかりとスイープでトップを取り返し、パスからポジション奪取、スクランブルでバックを制してフィニッシュという柔術的な動きを習得している。

加えてハワイアン・ファイター特有の気の強さと打撃の威力もあり、長身&リーチの長さを考えると春日井にとってはタフな初防衛戦の相手となることが予想される。

石井も国際戦が予定されているが、HEATが強い韓国ルートからの来日も含め、この辺りはコロナ禍のビザ取得および、隔離措置など1カ月以上先の状況は読めないのが現状だ。名古屋でHEATが通常規模の大会を限定有観客によって開くのは、地域格闘技によって嬉しい限りだが、二の矢、三の矢まで準備する必要があるかもしれない。

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