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【UFC295】スクランブル発進のロバーツに対し、マテウシュ・レンベツキがしっかりと腕十字で一本勝ち

<158ポンド契約/5分3R>
マテウシュ・レンベツキ(ポーランド)
Def.1R3分08秒by 腕十字
ルーズベルト・ロバーツ(米国)

5日前のショートノーティス出場となったロバーツが計量失敗で、キャッチウェイトマッチとなった一戦。長身、リーチで優るロバーツに対し、レンベツキは果敢に前に出て圧を掛ける。ロバーツはヒザを見せたが、レンベツキが右を振るってテイクダウンに入りトップを取る。クローズドのロバーツはスイープ狙いも、レンベツキが担ぎパスからクルスフィックスへ。腕を抜いて立ち上がったロバーツだが、すぐに組みついたレンベツキはバックに回ってグラウンドへ。

レンベツキはワキ腹、顔を殴り、ロバーツが胸を合わせてくると同時に腕十字へ。上手くケージを蹴り、体を跨がせることなくタップを奪ったレンベツキは満面の笑みを浮かべた。

「とてもハッピーだ。世界で一番有名なアリーナで勝てて、夢が叶った。ダナ、ボーナスを頼む。君のために戦ったんだ。トップ15と戦いたい」と勝者は、マイクでも笑顔を見せ続けた。


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【UFC295】UFC2戦目でMSG、スティーブ・アーセグ「平井が試合を受けてくれたらUFCとサインできた」

【写真】豪州勢らしく125ポンドでもパワフルなウェルラウンダーのアーセグ(C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)、秋のUFCビッグショー in NYC──UFC295「Prochazka vs Pereira」がニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンで開催される。
Text by Manabu Takashima

イベント名にあるようにイリー・プロハースカ✖アレックス・ポアタン・ペレイラによるUFC世界ライトヘビー級王座決定戦を筆頭に、UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦=セルゲイ・パブロヴィッチ✖トム・アスピナルなど選りすぐりのマッチアップが並ぶ同大会で、豪州フライ級のエース=スティーブ・アーセグが、オクタゴン2戦目でアレッサンドロ・コスタと対戦する。

今年の2月にパースで開かれたUFC284の前夜、ある意味ダナ・ホワイト・ルッキン・フォー・ファイト的なPPVショーウィークのローカル大会=Eternal MMAで平井総一朗を破り最高峰に辿り着いたアーセグを初インタビューした。


――今週末、MSGでアレッサンドロ・コスタとオクタゴン2戦目を戦います(※取材は8日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「感謝の気持ちでいっぱいだよ。なんせMSGだからね。1年前のことを想うと、ここにいることが信じられない。Eternal MMAで戦っていてUFCとサインし、MSGで戦う。これ以上のことはないだろう。コスタは強敵だし、凄くチャレンジングな試合になる。最高だよ、真っ向勝負をしたいと思っている」

──スティーブは今年の2月に、UFC284ファイトウィークに行われたEternal MMAで日本の平井総一郎選手を破ったことでUFC入りを果たしました。その過去があって、日本のファンにとっても気になる選手です。

「UFCの前日の試合だったけど、実は対戦相手がなかなか決まらなかった。豪州国内では僕と戦いたがる選手が誰もいなくて。そして英国や海外の選手に当たることになった。結果、ヒライが試合に応じてくれて本当に嬉しかったよ。彼とは試合後、そして日本に戻ってからも何度か連絡を取り合った。

あの大会後、バックステージでUFCとの契約が決まった。僕はあの試合でUFCに良い印象を与えて勝つ必要があったけど、ヒライが試合を受けてくれたからUFCとサインできたんだ。試合がなければそれは不可能だったからね」

──6月のダヴィッド・ドヴォルザーク戦はショートノーティス、ランカーとのUFC初戦となりました。

「いつだって試合ができるように準備していたから、あのチャンスに跳びついた。10日前だろうが、2日前だろうが構わない。オファーがあった時、僕はコーチに『皆が大丈夫なら、俺は戦うよ』って伝えたんだ」

──コーチからの確認でなく、コーチの方を確認したと(笑)。

「そうなんだ(笑)。それにさ、普通にオファーを待っていたらいきなりトップ10ファイターと戦うことはできなかっただろうしね」

──とはいえ、そのランカーを破ったのにスティーブはランク入りしていません。

「どういう仕組みでランキングが決定されているのか、僕には分からないんだけど……そこは気にしていないよ。いずれにせよ、デビュー戦でトップ10の選手に勝てたことで2戦目からもトップランカーと戦えるポジションを手にすることができたんだ。この状況はチャンピオンを狙ううえで、好ましいことは変わりないから」

──当初の予定ではランク9位のマット・シュネルと対戦予定でした。

「ランク9位の選手との試合がなくなって……やはり勝てば返ってくるモノも大きかったし、最初は引っ掛かるものがあったよ。けど、NYのビッグイベントで戦えるし気持ちはすぐに切り替わった。実際コスタはシュネルより、手強いと思う。グラウンドが強くて、テイクダウンディフェンスにも長けている」

──では、そのコスタ戦ではどのようなファイトを見せたいですか。

「僕がどの局面でも、しっかりと戦えることを証明したい。打撃、寝技、レスリング、全ての場面で僕の爆発力がアドバンテージを握るだろう。彼は距離を保つタイプだから、開始直後から詰めて圧力をかける。そして打撃に優位に立つ。彼が持っている僕のイメージとは違う武器を使って戦う。彼のカウンター狙いに対して、あくまでも僕のファイトを貫く。僕が世界のベストだと証明できるファイトを心掛けたい」

──ところで私はUFCフライ級ファイターのインタビュー機会を得ると、常に平良達郎選手のことを尋ねるようにしています。スティーブにとって、平良達郎選手のパフォーマンスはどのように映っていますか。

「UFCで戦っている日本人だよね。あのサブミッションが得意な。いや、彼のサブミッションは良いよ。いつか戦う日がやってくると思うけど、その時は思い切りファイトしたい。凄く良いファイターだ。日本のファンも、その前に僕の試合を見て楽しんで欲しい」

■視聴方法(予定)
11月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

<UFC世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
トム・アスピナル(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マットフレヴォラ(米国)
ベノワ・サンドニ(フランス)

<フェザー級/5分3R>
パット・サバティーニ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
スティーブ・アーセグ(豪州)
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<158ポンド契約/5分3R>
マテウス・レンベツキ(ポーランド)
ルーズベルト・ロバーツ(米国)

<ライト級/5分3R>
ナジム・サディコフ(アゼルバイジャン)
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
マーク・マドセン(デンマーク)

<138ポンド契約/5分3R>
カン・ギョンホ(韓国)
ジョン・カスタネダ(米国)

<フライ級/5分3R>
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)
ケヴィン・ボルハス(ペルー)

<147ポンド契約/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
ジャマール・エマース(米国)

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MMA UFC UFC ESPN29 イグナシオ・バハモンデス キック ルーズベルト・ロバーツ

【UFC ESPN29】腹を抉り続けたバハモンデス。最後はスピニングバックヒールでロバーツを失神KO

<ライト級/5分3R>
イグナシオ・バハモンデス(チリ)
Def.3R4分55秒by KO
ルーズベルト・ロバーツ(米国)

右ローに左ジャブを合わせ、左ローを蹴り返すバハモンデス。ロバーツはジャブから組みつき、ケージにバハモンデスを押し込む。押し返し離れたバハモンデスがローに右を合わせる。直後に左ジャブを返したロバーツだが、右ローでバランスを失い、ワンツーの右を被弾する。スイッチしたバハモンデスは左ストレートを伸ばし、オーソに。ロバーツが右フックを当てると、バハモンデスはワンツーフックで前に出てサークリングにはスピニングバックフィストを放つ。

バハモンデスにアイポークがあったとブレイクが掛かるが、目に当たったのは左ジャブだった。再開後、ワンツー&右ローのバハモンデスが左を当てて移動。続く左はワンツーに繋ぎ、さらにボディに左ストレートを決める。ロバーツは組んでケージに。ハイクロッチは決まられず、離れたバハモンデスが左を入れる。圧を受けてケージに下がったロバーツはワンツーの左ストレートを顔面に受け、さらにボディを殴られる。左ローから左ハイを見せたバハモンデスに3度目のテイクダウン狙いのロバーツが、バックに回る。正対してダブルレッグを切ったバハモンデスがヒザからパンチを纏めて初回を取った。

2R、左ジャブのロバーツに対し、バハモンデスがワンツーからスリーを当てる。さらにステップジャブ、右ロー、ワンツーと打撃で攻勢のバハモンデスはロバーツのシングルレッグを切って、スイッチを織り交ぜながらパンチとローで攻めていく。ロバーツもパンチを打ち返し、当ててもいるが、そこからバハモンデスが距離を詰めてより多く殴る。

顔面、ボディに攻撃を散らすバハモンデスは右だけでなく左ローも効かせる。スピニングバックキックをボディに入れたバハモンデスは、続いて左フックをヒットする。どうしてもケージを背負ってしまうロバーツも構えを変えるも、構わずバハモンデスはスイッチを繰り返し上中下への攻撃を左右の拳、蹴りで続けている。さらにヒザ蹴りも突き刺したかに見えたバハモンデスだが、これをキャッチされケージに押し込まれる。

ここもケージを背負って防いだバハモンデスは、ケージに詰まったロバーツにハイキックを狙い、空を切ったがワンツーを伸ばしてこの回もリードした。

最終回、右ミドルを決めたロバーツは、近距離で殴られるとダブルレッグへ。スプロールし、離れたバハモンデスがボディを殴り、さらに左ボディを被弾して動きが止まったロバーツはダルレッグから引き込む。スタンドで待ち受けたバハモンデスはスピニングバックキック、左とボディに狙いを定める。

腹が効いてしまっているロバーツは、またも組み狙いから引き込む。バハモンデスはカカトをボディに落として、離れる。レフェリーにスタンドに戻されたロバーツは、ハイから後ろ回し蹴りこそ避けたが、前蹴り、左とボディを打たれ、顔面からの左ボディで完全に棒立ちになる。ここからアッパーを返したロバーツだが、バハモンデスが腹を狙いシングルレッグを切る。またも引き込んだロバーツに、パウンドを纏めてからスタンドに戻ったバハモンデスは、最後の70秒で立ち上がってきたロバーツに右ローを蹴り、右ボディストレートを打ち込む。

ハイから左ボディストレートと攻撃の手を緩めないバハモンデスが左ストレートを当てると、ロバーツも右フックを返す。近距離でギロチンを見せたバハモンデスはエルボーを入れて離れると、右スピニングヒールキックを顔面に蹴り込む。ロバーツが大の字になり、バハモンデスはUFC初勝利を挙げた。

「ただ、ありがとうと言いたい。それしかないよ。ボディを効かせて、注意を腹に集中させてエルボーから決めたんだ。今回のケガを直して、年内にもう1度戦いクリスマスに帰国して家族と過ごしたい」と勝者はインタビューで話した。


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Interview UFC ケビン・クルーム ブログ ルーズベルト・ロバーツ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─13─クルーム✖ロバーツ「クルームは修斗で戦っています」

【写真】執念の一本勝ちに岡田は何を想ったか (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ。

第13回は9月12日(土・現地時間)のUFN177で行われたライト級戦=ケビン・クルーム✖ルーズベルト・ロバーツ戦について話してもらった。


──過去1カ月、岡田選手が気になったUFCプレリミ1試合目は?

「ケビン・クルーム✖ルーズベルト・ロバーツです」

──また、なぜこの試合を?

「この試合を選んだ理由は1つだけで、ケビン・クルームって修斗で戦ったことがあるからなんです」

──そうだったのですか!? まるで記憶にないです。さすが学士シューターだけあって記憶力も抜群ですね。

「いえ、彼が安藤達也と戦った大会のメインで僕は石橋(佳大)選手と環太平洋王座を賭けて戦って負けているんです(※2016年11月12日)。その日に安藤達也がクルームに一本勝ちしていたから、記憶に残っていて。覚えていないですか?」

──いやぁ、申し訳ですが……まるで覚えていないです。安藤達也✖ケビン・クルームが組まれ、安藤選手が勝っていると。

「ハイ。2RにRNCを極めて。でも序盤戦のクルームは強かったです。控室のモニターで試合を見ていて、『強いガン黒人だな』って思ったのを覚えています。安藤からテイクダウンも奪っていますからね。最後はパンチをもらってバックチョークで負けたんですけど。それはまではクルームが攻勢でした」

──負けたので再来日もなかったのですが、きっと柏木さんの仕事ですね。良い外国人選手を呼んでいたと。

「そうですね、僕もクルームが修斗に来たあとにどうなったのか気にしていなかったですが、改めてチェックすると日本に来る前からTitan FCやAlash PRIDE、FNGとかで戦っていたんです」

──なんと!! カザフスタンやロシアで試合をしていたのですね。

「安藤戦のあともLFAやBellatorでも戦っていました」

──コロナ禍にあるからこその契約かと思いますが、しっかりとキャリアを積み続けていたからこそだったのですね。

「もともとは8月のUFCで代役出場の機会を得て契約できたみたいです。でも、ラスベガスに行ったけど試合はなくなっていた。それから2週後の大会で試合をしたんです」

──なんともタフですね。

「8月にFCAって団体のチャンピオンになって、そこでUFCのオファーを貰ったけど、流れて。2週間ぐらいで試合をした。相手のルーズベルトもジム・ミラーには負けましたが、UFCで4勝1敗だった選手ですからね。本当にタフです」

──安藤選手がフェザー級の時に試合をしていて、今回はライト級での出場を飲んだということですね。

「だから、この試合でもかなりの身長差がありましたよね。急に決まった試合で、本来の階級でもないのに出て……ワンチャンスをモノにするんだっていう気迫がすさまじかったです。T-REXっていうギロチンの極めたとき、あれは執念が伝わってきて素晴らしかったです」

──2週間のショートノーティス、階級上。でも、やるしかないですよね。特にコロナ禍にあって、従来よりチャンスは広がっているわけですし。

「そうですよね……羨ましいです。僕も同じ階級でクルームぐらいの力の選手なら勝てると思っています。ただし、2つ上のライト級でオファーがあったらビビッてしまうでしょうね。それでもUFCで戦えるなら飛びつくでしょうけど……1階級上なら、当然やります」

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Interview Special UFC ESPN11 ジム・ミラー ブログ ルーズベルト・ロバーツ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その壱─ジム・ミラー✖ルーズベルト・ロバーツ

【写真】ファイターが認めるファイター。これは一番の誉め言葉だろう (C) Zuffa / UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年6月の一番、第一弾は20日に行われたUFC ESPN11からジム・ミラー✖ルーズベルト・ロバーツの一戦を、青木の近況説明後に語らおう。


──青木選手、今回は試合の話にいくまでに現状を少し聞かせてください。4月のRoad to ONE02の世羅選手との試合移行、最近は解説やジャッジ、仕掛け人での活躍はありましたが、MMAの活動の方はどのようなものでしょうか。

「格闘技に関しては何か、今は動かないと思っちゃっていますね」

──格闘技に関してはということは、格闘技以外は動いているということですか。

「プロレスなんかは無観客とか、後楽園ホールで500人の集客でも成り立たせることができるじゃないですか。チケットが6000円で500人入ると、300万のチケット収入があり、会場費とか放映料とか考えても回っちゃうんです。

それに僕も無観客とか放映料がないからギャラを下げてくださいっていうのがあっても、全て通していますしね」

──でもMMAはそういうわけにはいかないのではないですか。

「あっ、僕はもうソコも全然OKになっちゃっています」

──それでも一定のラインが存在しませんか、ファイトマネーに関しては。

「う~ん、そこですら抜けてしまっていますけどね」

──自分としては青木選手のファイトマネーに関しては、守って欲しい最低基準は持っていてほしいです。

「もちろん、そこもあるんです。僕がファイトマネーの減額を構わないと思っても、『青木ですら』という風にプロモーター側が持ちかけると、回りに影響が出てしまうじゃないですか。そうなると市場が崩壊してしまいますからね。そこは大事にしないといけない部分でもあります」

──その通りですね。でも、試合はしたいというのが選手であり、プロモーターも現状を乗り切る必要がある。

「いやぁ、難しいですよ。そこは……」

──この話題はまた別の機会に是非ともお聞かせください。

「ハイ、そうですよね……今月の一番をピックしないと、ですね」

──はい、2020年6月度の青木真也が選ぶ、この一番。最初の試合は?

「ジム・ミラー✖ルーズベルト・ロバーツです」

──おっ、ジム・ミラーですか。それは青木選手のミラー評が楽しみです。

「実際、この試合がどうこうではなくて……もうレコードがバケモノですよ。UFCに2008年からいて、最初は余り期待されたマッチアップはされていなかった。僕が注目し始めたのは、マーク・ボセックに勝った時かなぁ。ボセックって柔術好きにはたまらない選手で。ボセックに勝つって、相当強いんです。そうしたらチバウに勝って、その次にシャーウス・オリヴェイラにヒザ十字で一本勝ちしたんですよ。

そこからカマル・シャロルスをTKOして。僕がシャロルスと戦う前に、彼を研究するためにミラーの試合をチェックしましたね。それからベンソン・ヘンダーソンに負けて、でもメルヴィン・ギラードに勝って、で、次にネイト・ディアズに負ける

──いやぁ、とんでもない相手と戦い続けていますよ。それは……えげつない。

「でもパット・ヒーリーに負けた時に、少し落ちてきたかなって」

──勝ったヒーリーが、マリファナで引っ掛かりNCになった試合ですね。

「そうです、そうです。パット・ヒーリーも強かったですよねぇ。Strikeforceから来て、出場停止が明けた後も厳しい相手を当てられて切られてしまいましたけど……。

ジム・ミラーはとにかく戦績が凄いですよ。相手も半端ないし」

──ドナルド・セラーニと並ぶUFCで35試合。しかも、セラーニと違い主役ではないですからね。

「セラーニの試合って、メインを張ってファン受けしUFCから気に入られる。それとジム・ミラーがずっとUFCで戦うのは僕のなかでは違っていて。だって、ずっと脇役ですよ。打撃系じゃないのにファイト・オブ・ザ・ナイトを5試合とか獲っているし。

ジョー・ローゾンとジム・ミラーって、だからダブります。なんだろう……、とにかくジム・ミラーは凄いです。UFCでこれだけ長い間戦ってきて、頑丈そうだけど壊れている部分もあるだろうし……ジョー・ローゾンほど壊れていないとはいえ。

3年前とかも、ダスティン・ポイエー戦からダン・フッカー戦まで4連敗して、そのなかにはアンソニー・ペティス戦もある。いや、やっぱりもう凄いって言うしかないですよ。それでも戦い続けることができているのは、コンディションが良いのでしょうね。

それとちゃんとサブミッションを取っている。18試合ぐらいで一本勝ちして……彼は選手がリスペクトする選手。ミュージシャンズ・ミュージシャンってあるじゃないですか、ミュージシャンが認めたミュージシャン。歌や演奏が上手い、売り上げじゃなくて。

そこでいえばジム・ミラーはファイターズ・ファイターです。選手が認める選手ですよ。今では今回の相手のようにコンテンダーシリーズから上がってきた選手と戦い、普通に腕十字で一本勝ちする。ちゃんと取れている」

──常にUFCライト級戦線のワキを固めてきたようなキャリアですね。

「その選手の居場所があるのも、またUFCで。脇役でもスターです。きっと、そこそこのファイトマネーを貰えますよね。これだけ戦い続けていると」

──このルーズベルト戦は、勝利ボーナスも含めて20万8000ドルという資料があります。

「10万ドル&10万ドルかぁ。そこはUFCの凄さであり、回転の速いUFCでここまで残っているジム・ミラーの凄さです。この試合で、また生き残れましたし。それに他のプロモーションだったらチャンピオン級の実力者であることも間違いないですからね」

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Report UFC UFC ESPN11 ジム・ミラー ブログ ルーズベルト・ロバーツ

【UFC ESPN11】「タップ」、「タップ」、「タップ」。ロバーツがミラーの腕十字で断末魔の一本負け

<150ポンド契約/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
Def.1R2分25秒by 腕十字
ルーズベルト・ロバーツ(米国

ノーコンテストを含めると、実にUFCで36戦目となるミラー。ロバーツが前蹴りを蹴った後でバランスを崩すと、飛び込むようにトップを取ったミラーは下からの仕掛けを捌いてハーフへ。ロバーツのブリッジにバックを狙ったミラーは、落とされそうになり腕十字へ。ミラーはここで、右足でロバーツの顔を刈る。ロバーツは立ち上がると同時に左ヒジが逆側に曲がる。右腕が伸びた左腕の下で制されていたためタップできないロバーツは、タップを連呼し試合は決した。

「僕はどこでも戦う。でもファンがいてくれてこそ、良い試合ができる。涙がでそうになるくらい、ファンの皆が恋しいよ」とミラーは話した。