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【LFA110】タイトル戦で惜敗、堀内佑馬に訊く─03─今後。「LFAで戦っているプライドもある」

【写真】 8月の第3週頃まで、日本に滞在する予定の堀内。今回の試合を今後に生かして欲しい(C)LFA

2日(金・現地時間)にLFA暫定フライ級王座決定戦でチャールズ・ジョンソンに惜敗を喫した堀内佑馬インタビュー最終回。

今大会タイトル戦の舞台裏や、振り返りをしてもらった堀内に今後について尋ねると──LFAで戦う自負、LFAへの想いが伝わってきた。

<堀内佑馬インタビューPart.02はコチラから>


──随分と昔の話ですが、渡部謙吾選手がMMAを戦えない体調で引退を決めていた時に、日本の大手プロモーションから試合のオファーがありました。謙吾さん自身は最後の舞台として戦いたいという気持ちがあったようですが、オーヤマ・コーチが「私はケンゴに試合に出て勝ってほしいけど、それよりもケンゴの人生が大切なんだ。だから、今の体調で試合を受けてはいけない」と伝えたという話を聞きました。それ以来、私のなかでコリン・オーヤマは絶対的に信頼がおける人物なんです。

「そんな話があったのですか!! そのコーチが僕には行くべきときに行けというのは、本当に冷静に分析してくれているということですよね。今回の試合を通して、試合前の練習や試合が終わってからのアドバイスにしても、コーチはこの世界での経験値が凄く高いです。それが伝わってきました。だから、コーチが行くべきだったというのは、その通りだと思います」

──ストリーミングの画面で視るのと、ケージサイドで見るのではジョンソンのパンチの印象が違っていたのかもしれないですね、コーチにしてもジャッジにしても。

「5Rは前に出てないといけないと思って出たのですが、相手の攻撃を貰ってしまいました。あの時は焦りはありました」

──ABEMAの解説を務めていた水垣偉弥さんが、メッセージをくれて堀内選手を絶賛していました。その水垣さんが実況中にも、5Rには関してはパンチを受けて印象が悪いと指摘していましたね。

「水垣選手はそうやって戦っていた選手ですし、そうやって言ってもらえることが嬉しいです」

──足立区界隈の格闘家のSNSも、この試合を見て感じ入ることが多くあったような風でした。

「アハハハ。やっぱり足立区って繋がりが強いんです。本当に面白いです」

──平本蓮選手は「ミルウォーキーに早く行きたい」と呟いていたそうですね(笑)。

「蓮とは試合をしたこともありますし、日本に戻ると会う仲なんです。そうやって皆に試合を視てもらえた。でも勝てなかった……。試合が終わった直後は、絶望感しかなかったです。それでも友人や家族が電話をくれて、元気づけてくれて。視てくれた人にベルトを巻く姿を見せることができなかったのは、やっぱり悔しいです。

でも今はそういう人たちのためにも頑張りたいし、自分ももっと強くなりたいという気持ちになっています」

──あとはチャールズ・ジョンソンがUFCと契約できるか。そうなれば堀内選手もUFCと契約できる力があるということになります。

「あぁ、そういう考え方もあるのですね。コーチと話していてベスト・シナリオは、ジョンソンがUFCと契約できずにリマッチをして勝つということだったんです。僕はダイレクトリマッチでも勝てる自信は、絶対にあります。もっと削ることができると思いますし。それでも、ダイレクトリマッチよりも他の選手と戦って、より経験を積みたいと思っています」

──クリスチャン・ナティヴィダッドやクレイトン・カーペンターら楽でなく相手がいます。

「いやぁ、そこなんですよ。やっぱりLFAを知らない人は簡単に勝てると思っているところがあって……。そういうことをツイッターで言っていた人もいました」

──あぁ……そういう風に思う人もいて然りですよね。今の世の中、発言する権利は誰もが平等に持っているので。

「ただ試合後で、カチンときちゃって。『舐めんな』ってリアクションしてしまったんです……結構、それがバズってしまって」

──ありゃりゃ、気持ちは分かります。でも、気にしないことですし。それこそ堀内佑馬という選手が認知されるプロセスでもあるのかもしれないです。そうやって考えると、ファンの意見は有難く耳を傾けるということで良いかもしれないです。

「今からすれば本当にアホなことをしてしまったと思います。あれを書いてしまったことで、せっかくの作品に汚点を残してしまったなと思います」

──画竜点睛を欠くを地で行ってしまったわけですね。でも分かる人は分かりますから。試合の翌日に修斗の大阪大会で『ああいう経験を今の日本ではできない。凄く良い経験になっている』という意見も聞かれましたよ。

「あぁ、そういう事を言ってもらえると本当に嬉しいです。やはり『舐めるな』っていう気持ちや、LFAで戦っているプライドもあるし。無敗、1敗、2敗の選手ばかりで、8勝6敗とか11勝8敗とかの選手っていないんです。そういう選手たちの気合の入り方が凄くて。勝つのは当たり前で、どうフィニッシュするか。そういう部分で戦っています。

僕からすれば本当にレベルが高いと思っているので、LFAが日本人で戦っている選手が無双できるという風には思われたくはないです」

──ブランドン・ロイヴァル、ジミー・フリックス、ケイシー・ケニー、3人ともLFAのフライ級王者ですからね。ところで試合を終えたばかりですが、次というのは?

「実は明日から8月の途中まで、日本に帰国するんです」

──おっ、そうなのですね。元々予定していたのですか。

「いえ、試合でケガをしてしまって。1カ月ほど練習できないので、なら日本に戻って休もうかと。頭も痛いし、5分✖5Rの代償ですかね(笑)。それと運転免許の更新をしないといけないので、このタイミングで帰国することにしました。

本音をいえばアーバインに残って練習していたいですけど……。アレックス(ペレス)もアスカル・アスカロフとの試合が決まっているから、凄く気合が入っていて。ここで勝てば、またタイトル挑戦が見えてくるでしょうし。僕もそんなゆっくりなんてしていられないっていう気持ちはあるのですが、今は体を休めようと思います」

──ではリフレッシュ帰国前に、MMAPLANETの読者の方たちに試合後を終えてのメッセージをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。試合は……チョット負けてしまったのですが、色々と改善するところが見つかったので……これからもシン日本人を見せられるように頑張ります」

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【LFA110】惜敗、堀内佑馬に訊く─02─ハグ拒否。「ああいうことができるヤツって──」

【写真】試合を終えて、オーヤマ・コーチの言葉を受け止めた堀内。そしてジョンソンのしたたかさに関しても肯定する気持ちを抱いていた (C)LFA

2日(金・現地時間)にLFA暫定フライ級王座決定戦でチャールズ・ジョンソンに惜敗を喫した堀内佑馬インタビューPart.02。

インタビューPart.01ではレフェリング問題に関して、ケヴィン・ニックス審判員との確執(??)を話してくれた堀内に、試合のハグ拒否の真相を訊いた。

<堀内佑馬インタビューPart.01はhttps://mmaplanet.jp/118861から>


──試合中のラウンド終了時のジョンソンのタッチグローブ、試合終了後のハグを拒否しました。あの行為はジョンソンに対する怒りなのか、レフェリングも含めたことへの気持ちの表れだったのでしょうか。

「試合中はフィーリングというか……怒りの感情はなかったです。

試合後はフラストレーションがたまっていたので、そこが出た感じですね。アイポークにしても、指は入っていなかったと思っているし。三日月蹴りが入って、腹が効いていて。それが明白だったなかで、アイポークのアピールでしたから。

最初は取られても、そこから盛り返して黙らせようと思っていたら、黙った。そのタイミングで、アレかと。あの試合で起こった全ての出来事に怒っていました。試合中にはなかった……ムカつくという気持ちが、ハグに来られた時は出てしまいました。あのあとも対戦相手とは一切話さなかったです。

ただ今となったは、ああいうアピールができるのもインサイドワークなのかと思います。試合運びとして」

──確かに我々の感覚だと、潔くないです。その一方で、そこまで勝利に拘っているのか感じるモノもありますね。

「ハイ。日本ではネガティブな行為でしかないですよね。でも、試合が終ってからはああいうことができるヤツって強いのかなって思うようになりました。いうたらメイウェザーとか、そういうことじゃないですか。アレができるのは、一つの技術ですよね」

──堀内選手は注文したモノと違う料理が出てきたら、どういう反応をする人ですか。

「普通の状態……何かにムカついていたり、疲れたりしていないと──代えてくれとは言わず、『このままで良いですよ』って感じで出されたモノを食べます」

──自分たちってそうですよね。手違いでも、せっかく創ったのだからって。順番抜かしされても、注意とかしないというか……。

「そうですね。なんだよぉって思っていても、そのまま待っていますね」

──それが自分らのメンタルだと思うんです。一度、マカオのUFC後にフェリーで香港の空港に向かう時、中国人か香港人がどんどん割り込んだことがあって。『いい加減しろよ』って思っていると、一緒にいたフランキー・エドガーのコーチのマーク・ヘンリーがFワード連発して、怒って。横入りした連中を後ろに並ばせたんです。あのエネルギーは凄いと思いました。

「そのメンタルの違いはありますね。僕たちは我慢しちゃうし。言わないと、こっちの人は負けてしまうという精神構造なのかと思います」

──それが領土を奪い合って来た人たちの子孫ということかもしれないです。ところでラウンド毎の裁定で、公平に見て初回と最終回は落としていました。

「僕もそうだと思います。1Rの右フックはマジで効きました。これまでのキャリアで、一番効いたと言えるぐらいです。本当に効きました。見えていない角度から被弾したので、その分効いたんだと思います」

──そこから盛り返し、ラウンドを取り返したのですが、最終回はジャブ、ストレートを被弾する数が他のラウンドより増えました。結果、判定負けが告げられた。

「ハイ」

──判定が下った直後に、LAに20年以上住んでいて、今は名古屋でsmArtの経営者でもある前田桂さんから『これ佑馬君の勝ちじゃないんですかね』とメッセージをありました。

「あっ、今回の試合前とか僕も前田桂さんとずっと連絡を取り合っていました」

──イングラム系の渡辺健吾さんの時代から、オーヤマ・コーチとも親交があるんです。その桂さんから、3分後ぐらいに「オーヤマ・コーチが『行くべきところでいかない。ユーマの悪いところが出た』と言われています」というメッセージが送られてきました。あの試合で、オーヤマ・コーチは堀内選手が出ていないと言い切ってしまう。そういう世の中で戦っているんだと改めて理解できたような気がしました。

「その通りですね。冷静に分析してくれています」

──感情論に流されず、すぐに試合を振り返ることができるのですね。

「この世界のことをコーチは熟知していると思います。それは試合前からそうでしたし、試合後もそうです。この期間で凄く感じたことです。終わったあとのアドバイスも、本当にここからの僕に役立つモノばかりでした」

──「よくやった」という声は?

「それは言ってくれました。レフェリーのことも言及した上で、『B○ll Sh○t』だとも。でも、コーチの言う通りもっと行っていたら印象点で上回っただろうし、倒せることもできていたかもしれないです。本当にコーチの言っていることは、全て正しいと思います」

<この項、続く>

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【LFA110】惜敗、堀内佑馬に訊く─01─即減点。「試合前にレフェリーが控室に来て。あっ、あの時の……」

【写真】まだまだ激闘の痕が、顔に残る堀内 (C)MMAPLANET

2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されたLFA110「Johnson vs Horiuchi」のメインで堀内佑馬が、チャールズ・ジョンソンと暫定王座決定戦を戦いスプリット判定負けを喫した。

激闘、一歩も引かずに戦った堀内だが不可解ともとれる減点や、厳しい裁定結果が待っていた。試合から3日を経て(※取材は現地時間、5日に行われた)堀内にインタビューをした。


──右目がかなり腫れていますね。

「これでもかなり良くなってきました。眼窩底骨折はなくて。鼻は折れちゃったかと思ったのですが、それも大丈夫でした」

──それは良かったです。とはいえLFAフライ級タイトルは奪取できず、悔しい判定負けでした。戦いから3日を経て、今の気持ちは?

「まぁ……ちょっと自分の甘さが出た試合でした。もっと行けたと思います。オーヤマ・コーチとも話して、そう思います」

──長身、リーチのあるジョンソンにジャブやストレートを被弾しても前に出続けてボディを効かせ、中盤の3つのラウンドは攻勢だったと思います。

「そこもコーチが授けてくれたプラン通りでした。初回と2Rはローで前足を削って、ボディを打っていく。3Rと4Rはボディを効かせて、5Rにポイントを取りきって勝つ。そういうゲームプランだったのですが、凄く的を射ていました。コーチの頭の良さを実感しています。あのゲームプランは、しっかりとはまっていました。

そこに僕のもっと前に出るという姿勢があれば、ポイントアウトできていたと思います」

──実はチャールズ・ジョンソンの過去の試合映像を見て、厳しい相手だ。勝つのは難しいと思っていました。彼がここまで負けた相手はショーン・センテーラとブランドン・ロイヴァルですし。

「あぁ……僕はあの戦績を見て、凄く面白いなって思っていました。ドノヴァン・フリローもそうですけど、ちゃんとした相手にしか負けてない。そういう選手がいるのがLFAなので。

それに圧力を掛けることにおいては、負けないという自信がありました。ずっとはたいていて、それで相手も手を出せない。下がっていましたし、あの手と手が触れることができる距離で色々な戦いがありました。ちょっとしたフェイントだったり……でも、あの選手は普通に強かったです」

──もっと行けばという言葉がありましたが、ジャブに関しては当てられ、顔も腫れました。ただし、堀内選手が前に出ているのだから、それほど有効なのかとは思ってしまうんです。倒されたわけではないですし。繰り返しますが2Rから4Rは前に出て、当てている堀内選手のラウンドだったと思いましたが。判定については、どのように思っていますか。

「まぁ……もう負けたので、何も言えないです。ただし、言いたいことはあります」

──それは?

「SNSとかで、LFAは日本人に厳しいっていう書き込みが多くて……。でも、審判はオクラホマ州のコミッションの要請で来た人たちで、LFAは裁定には関係ないんです。そこは分かって欲しいと思いました。

LFAのエド・ソアレス代表も試合後に僕のところへ来てくれて、『ユーマが勝っていた』と言ってくれたんです」

──エドがそういう風に言ってくれたのですか。

「ハイ、ABEMAで中継があることも本当に喜んでいましたし。PRIDEで日本に行った時の話とか、ホテルのレストランで会った時にしてくれました」

──エドはこの業界に珍しいほどのスーパーナイスガイですね。とはいえ、あのレフェリーはどういうつもりなのか。2Rのローブロー、どう見てもアクシデントで、それほどダメージもないのに一発で減点というのは、本当に解せなかったです。結果的にペナルティがなくても判定で落としていたとしても、あの1点で堀内選手もジョンソンもやることが変わってくるわけですし。

「やっぱり……戦い方には影響がでますよね。でも、それも起きてしまったことなので……。そこについても、終わったことです」

──いやぁ、それにしても前回の試合であったケージ掴みにしても、クラッチを組んでいて背中越しで、試合の流れで何かっているなぁぐらいのなかで、急にブレイクが掛かり減点。今回の急所蹴りと同様に余り見たことがないです。

「う~ん、実は……試合前に控室にレフェリーが『今日は私が担当なので、質問はあるか』と言いに来たんです。その時に『あっ、あの時のレフェリーだ』って……。コミッションからの指名なんですけど、コーチとも目が合って……『アイツだ』みたいになって(苦笑)」

──前回の試合も同じレフェリーだったのですね……。

「ハイ。で、立った状態でのエルボーの確認をしたんです。垂直じゃない落とし方の。そうしたら、あのレフェリーが『ダメだ、禁止技だ』って言うんです。

でもユニファイドでは認められているだろうって、コーチも反論をして。コーチは筋が通っていないことは、納得するまで意見を曲げない人なんです。それで相当揉めていて……気まずい空気でした」

──う~ん、そういうことがあったのですね。結果、エルボーの方は?

「なんか他のレフェリーにも確認を取ってくるということになって、結局使っちゃダメになりました。そのあと、コーチとも『あのレフェリーは気を付けないと』っていう話をしていたんです。そうしたら、一発で減点を食らってしまいました(苦笑)」

──それで心象を悪くした影響などでなかったことを望みます。いずれによせ、ケヴィン・ニックス──要注意です。以前にケージ掴み、垂直エルボーを見落として、動画で相当に叩かれたことあるんですよね、あの人は。

「そうだったんですか……。ただ僕はもう『こういうことがあるんだ。こんなアウェイなんだ』って燃えることができて、楽しかったです」

──なんとも強心臓ですね。

「ただ繰り返しますけど、LFAという団体がそういうところだという風にだけは勘違いしないで欲しいです」

<この項、続く>

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【LFA110】いつになくアウェイ感のなかで堀内佑馬、スプリットで敗れLFA暫定フライ級王座奪取ならず

<LFA暫定フライ級王座決定戦/5分5R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
Def.2-1:49-45.48-47.47-48
堀内佑馬(日本)

まず右ローを蹴った堀内。さらに左ローを入れ、ジョンソンもカーフ気味の蹴りを入れる。左右のローで距離を詰める堀内が、鋭い右ローを蹴って圧を高める。カーフ、ローを左右で蹴る堀内が、左ハイを2度見せる。ジョンソンは前蹴り、スイッチしても足への攻撃を堀内が続ける。

蹴りだけでなく左ジャブを見せた堀内に対し、ジョンソンは前蹴りを腹、そして関節蹴りを見せる。左フックをかわされ、近い距離で組みもあると見せた堀内、ジョンソンは関節を蹴っていく。腹より下の蹴りのなかで、ジョンソンが左ジャブを当てる。蹴りからジャブという流れのジョンソンがノーガードへ。

堀内は距離を詰めず、次の局面で左フックから左ミドルを2発繰り出す。ローを蹴り合い、最後の30秒で左の直後に、右フックのダブルの2発目を当てられた堀内の腰が落ちる。それでも高い位置の蹴りを返すと、ワンツーフックで前へ。ローを連続した堀内だが、右フックの動きが止まり初回を落とした。

2R、スイッチするジョンソンが、スピードを上げて右前蹴りを突き刺す。早いジャブから前蹴り、キャッチしかけた堀内は前に出て右ストレート。ジョンソンはヒザ蹴りを入れるが、堀内の右ハイが顔面を捕らえる。直後の組みにはエルボーを見せながら離れたジョンソンが、右カーフを蹴る。堀内は再び右ハイを顔面に届かせる。

ジャブをはたいてペースを譲らない堀内が、左ジャブ。堀内は右目の周囲が腫れているか。引き続きジャブをはたいてローを蹴った堀内に対し、ジョンソンはケージを背負う。ジャンプして右の蹴りを掴んだジョンソンだが、堀内はすぐに足を引き抜く。と、前蹴りが急所に入ったとジョンソンがアピール。なんと、この急所蹴りにレフェリーがペナルティを与えたような仕草を見せる。

再開後、思い切って前に出る堀内が右ハイ、ジョンソンがジャブを放つ。堀内は右ミドルから左ロー、さらに左ジャブ──本来なら10‐9で堀内だが、減点があるかどうかが気になるところだ。

3R、まず左フックから左右の蹴りにつなげた堀内が、打撃戦のなかでテイクダウンを狙って組み付く。ジョンソンの首相撲に離れた堀内がボディを入れる。右ボディを織り交ぜ、ステップインをしてボディフックを打ち込む。堀内は左ジャブ、右ボディ、右ハイと手数でもリードする。右ボディが確実に腹を捕らえ、ワンツーで左フックをヒットと堀内がペースを握ったか。

ジャブの差し合いにも左ミドル、ジャブの堀内に対し、ジョンソンは蹴り主体でパンチの堀内の間だ。ジョンソンの踏み込みに右を入れた堀内は右をかわして足払い、崩してパンチをまとめる。右ストレートを2発、そして3発、4発と重ねる。ワンツー、引き続き右ストレートを打ち込んだ堀内が絶対的に流れを掴む。

ジョンソンが左ジャブ、これを気つけたい堀内。前蹴りでリズムを変え、足を蹴る。ジョンソンも右ストレート、左フックを返し、前蹴りへ。押し切れられないジョンソンだが、ここは堀内のラウンドだ。

4R、堀内が右フックから、ローの連打。ジャブの数も多く、右ボディフックを入れワンツーで顔面を打ち抜く。ガードを固めたジョンソンに対し、ペースを緩めない堀内は右フック、さらに左右のワンツーフックから右ストレートを決める。完全に顔を覆うジョンソンに対し、右ボディフックを入れた堀内がガードの隙間から右ストレートを打ち込む。

ボディ、顔面をいいように打つ堀内が、ジョンソンの左を察知する。ここで前蹴り、アイポークがあったとアピールし「シット」と声を出すジョンソンだが、これは時間稼ぎの機会を与えてしまったか。残り2分で再開となり、ワンツーを堀内が見せる。ジョンソンもガードを固めるのを止め、縦ヒジから左ジャブを放つ。

前蹴りをボディに受けて、「ア~」と声を挙げたジョンソンが、組んで時間を稼ぐ。離れた堀内は左を被弾、ジョンソンはここでクリンチへ。離れてパンチをまとめ、三日月を蹴った堀内は、組んできたジョンソンをボディロックで捕らえて即離れる。左ローを連続し、左ミドル、右の相打ちから左ハイとこの回も堀内が取った。

ここまで3Rと4Rは堀内、2Rに減点があったとしても9‐9でイーブン。そして初回が10‐9でジョンソン、つまり1Pをリードしているのは堀内だ。そんな計算も関係なく、ラウンドを取りに行く堀内の右ボディでジョンソンの動きが止まる。ジョンソンはそれでも左ジャブ、左ストレートを伸ばす。

対して、絶対に下がらない堀内は左フックを打たれても、組んで小外、すぐに離れる。ジョンソンは左ハイ、パンチをまとめて前に出る堀内から離れたジョンソンが足を滑らせる。左ミドル、右ボディと腹を攻める堀内はジャブを被弾し、左フックを受ける。堀内は左を受ける数が増え、右も当てられる。残り1分、左ミドルを繰り出した堀内が左ジャブを差し合い、手数でも負けない。気持ちで絶対に負けない堀内は、ジョンソンの横回転からの右ハイをかわして前蹴りへ。ミドルの蹴り合いから、前蹴りと最後まで攻撃する意思を見せた堀内は、タイムアップ直後のジョンソンのハグを拒否した。

5Rはジョンソンが取ったが、ここでやはり気になるのは2Rの減点の有無だ。レフェリングに最近になくアウェイ感が出た一戦の勝敗の行方は、ジャッジの手に委ねられることに。

まず最初のジャッジは49‐45でジョンソン、2人目は48‐46で堀内、3人目は48‐46でジョンソンに。堀内には2Rに減点があった模様だが、結果としてそこがなくとも2‐1で敗れていた形だ。3Rと4Rですら堀内のラウンドとならない……何とも悔しい敗北となった。

新LFA暫定フライ級王者ジョンソンは「悔しい。自分の力を見せることができなかった。試合は勝ったと思うけど、実力通りの試合ができなかった。リードジャブで自分の距離を創って、4Rと5Rを睨んで戦ったんだ。ガードを固めた? 彼はずっと同じコンビネーションだったから。彼は自分の負けを認めたくないだろうけど、僕が勝っていた」という旨の話をした。

この裁定に関して、コリン・オーヤマ・コーチは試合直後に「待ち過ぎだ」と中部地方在住の日本の知人にメッセージを送ったという。このような戦いを見せてなお、師から待ち過ぎと指摘される──なんと高い山に堀内は登ろうとしているのか……。ただし敗れたしたとしても、堀内佑馬はその頂へ向け──確かな足跡を見せたのは絶対だ。


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【LFA110】見て、見て、ビッグショットのヴァレンチが、動き続けるオンエネゲシャにスプリット勝利

<ミドル級/5分3R>
へナート・ヴァレンチ(ブラジル)
Def.2-1:30-26.30-27.28-29
シビウィケン・オンエネゲシャ(米国)

まず左ローを見せたオンエネゲシャ、ジャブを差し合うとジャブからローと先手を制す。ヴァレンチは右ハイを狙い、オンエネゲシャが右ローを合わせる。ヴァレンチが右オーバーハンド、さらに左ジャブもオンエネゲシャが右フックを入れる。ステップインに右を合わせていくヴァレンチだが、左ジャブを被弾しテイクダウンから組み技という展開に持ち込めない。

それでも左を入れると、足にきたオンエネゲシャが下がる。ヒザを入れ、下になったオンエネゲシャにハーフで左右のパウンドを落とすヴァレンチはマウントを奪取し、肩固めを狙う。左腕を制して肩固めも極めきれず、スタンドに戻ったヴァレンチがワンツーを打ち込む。距離を取り、左ジャブで逃げたいオンエネゲシャがボディ&左フック、右ストレートを被弾する。さらにパンチを重ねたヴァレンチは、間合いを取り直す息を整え確実にラウンドをモノにした。

2R、スイッチ&変則的な構えを見せるオンエネゲシャだが、序盤のようなスピードはない。それで右に左を合わせられるオンエネゲシャは、右の相打ちからやや勢いを取り戻したか。ヴァレンチはローに左フックを合わせるも、ここは見る姿勢を貫いている。残り2分を切り、両者の距離がつまり手数も増える。こうなると、オンエネゲシャも勢いが落ちてヴァレンチが盛り返すようになる。

初回の劣勢で嫌なイメージが残ったか、思い切りが無くなったオンエネゲシャは蹴りの距離に付き合う展開の陥っている。おのまま膠着したままラウンドが終了し、オンエネゲシャが手数で取り返した可能性もある。

最終回、ヴァレンチが左ミドルを入れる。オンエネゲシャが右ローを2発見せるが、やはりパンチの距離にはならない。それでもワンツーに、パンチを4発ほどまとめたオンエネゲシャに対し、ヴァレンチは徹底して見ている。オンエネゲシャが左ハイ、ヴァレンチが左ボディフックやローを単発で繰り出す。オンエネゲシャが前に出て、右を被弾。左ハイキックに ショートの右を受けたオンエネゲシャの足がもつれダウンする。

すぐに立ち上がったオンエネゲシャだが、決定的なシーンを創りヴァレンチはもう足を使う。なんと、最後にシングルレッグを繰り出すなどリズムが狂ったオンエネゲシャは29-28で一票を獲得したが、スプリットでヴァレンチが凱歌があがった。


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LFA LFA110 MMA UFC キック クリスチャン・ナティヴィダッド ルイス・アギーレ

【LFA110】クリスチャン・ナティヴィダッド、粘るアギーレに圧をかけ続け判定勝ち

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
Def.3-0:30-26.29-27.29-27
ルイス・アギーレ(メキシコ)

兄ケビンがLFAからUFCに昇格しているナティヴィダッドは、フライ級注目の存在だ。左ジャブを伸ばすナティヴィダッドが、前蹴りを捌いてワンツーを放つ。さらに左リードフックを当ててアギーレを下がらせ、右を振るう。パンチの圧が強いナティヴィダッドは右オーバーハンド、左ジャブ、リードフックとペースを握る。

顔面からボディストレートを決めたと思われたナティヴィダッドだが、パンチが低く試合が中断される。再開後、右オーバーハンドで前に出たナティヴィダッドに対し、アギーレは完全に気圧されている。右インロー、右ストレートとナティヴィダッドが攻撃を散らし、左ジャブを当てる。ケージに詰まって左フック、続いてテンプルに右を被弾したアギーレの腰が落ちる。

ワンツーから前に出て左ミドルを放ったアギーレは、左フックを合わせれ下になる。足を絡ませてバックを狙ったアギーレから離れてスタンドに戻ったナティヴィダッドナティヴィダッドが、右ストレートから左を打ち込む。右エルボーを見せ、左ミドルを蹴るなどアギーレがやや盛り返すが、初回は失った。

2R、キャンパスがスリッピーになり試合が中断される。リスタート後、アギーレの右オーバーハンドにボディを見せたナティヴィダッド。アギーレも鋭い左ハイを蹴っていく。すぐに右ハイを返したナティヴィダッドに対し、アギーレが右オーバーハンドを見せてテイクダウンを狙う。急ぎ、離れたナティヴィダッドが近距離でワンツーフック、アギーレもブロッキングで防御する。直後の左のステップインに、右フックを受けたアギーレがダウン。それでも下からオモプラッタを狙い、煽ると今度はナティヴィダッド素早く逃げて立ち上がる。

スタンドに戻ると間はナティヴィダッドとなり、ガードの上からフックを打つ。左ミドルは出すが、パンチは届かないアギーレは左フックをもらい、ここも引き込むようにガードを取る。クローズドを取ったアギーレに対し、左手を背中越しに取り右を連打したナティヴィダッドが2回も取った。

3R、まず右オーバーハンドを見せたアギーレだが、ナティヴィダッドは右フックを引き続き振るって、ボディも打ち抜く。レベルチェンジから左ボディのナティヴィダッド、アギーレはエルボーから左ハイ、右オーバーハンドを当てる。ワンツー、左ミドルと手数が増えたアギーレだが、ナティヴィダッドが右ボディから右オーバーハンドを繰り出す。

下がらないアギーレだが、右を受けジャブを当てられる。それでも前に出て腹を蹴るアギーレのパンチに、ナティヴィダッドが口を開けて鼻血も見られる。左目尻をカットしているアギーレが飛び蹴りをかわす。左の相打ちから、ナティヴィダッドが組みつく。ギロチンを防いで、タイムコントロールを見せたナティヴィダッドがアギーレに立ち上がらせず、フィニッシャーでいて、マネージメントぶりを見せて3-0の判定勝ち。

デビュー以来の連勝を4に伸ばしたナティヴィダッドは「嬉しくないね。ワンパンチの異名通り戦えなかった……ニックネームを変えないと。ジムに戻ってまた練習だよ。フライ級に転向し、初めてキックも使った。正直、新しいジムに移ったけど前のジムが懐かしい。でも、この数カ月で新しい技術をたくさん身につけた。アギーレのタフさには驚かされた。参った、ファイト・オブ・ザ・ナイトのボーナスが欲しいよ」と話した。


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【LFA110】右フックからニーインベリー&パウンドアウト、アモリンがオーウェンを10秒KO

<女子ストロー級/5分3R>
ジェケリン・アモリン(ブラジル)
Def.1R0分10秒by KO
ミーガン・オーウェン(カナダ)

試合開始直後、右ローを放つアモリンが前に出てきてワンツーを打ったオーウェンに対し、右フックを放つ。これがオーウェンの顔面を直撃。まっすぐ後方に倒れたオーウェンにアモリンのニーインベリーからの鉄槌の連打を見て、レフェリーが試合をストップ──KOタイムは10秒だった。

「テイクダウンを警戒している相手に、右を打つ機会をいつも待っていたの。キャンプのたびに打撃の自信をつけている。右が良いという自覚があったから、今日の試合もケージに入る前にKOを狙うって言っていたの。あの右で勝負は決したと分かっていたど、とにかく終わるまで攻めたわ。2週間後でも来月でも試合はできるわ(笑)。過去最高に自信がついたから。Let’s go !!」


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【LFA110】ABEMAでライブ中継決定、LFAエド・ソアレス代表「去年60人以上をネクストレベルへ」

【写真】「Black Houseからだと、1年で5人程度しかUFCと選手の契約ができない。LFAなら20人、30人のファイターをUFCにステップアップさせることができる」と話していたソアレス。本当に選手想いのプロモーターだ(C)MMAPLANET

2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA110「Johnson vs Horiuchi」。

ABEMAのライブ中継も決まった同大会を前に、LFAのエド・ソアレス氏にインタビューを試みた。世界最強のふぃだーそーのかじ取りをするソアレスからは、根っからのMMAナードぶりが伝わってきた。


──パンデミック後、昨年7月に活動再開し2日のLFA110まで1年間で27イベントを開催しました。

「パンデミックは世界中を、とんでもない時代にしてしまったとは間違いない。MMAワールドでも、数多くのイベントがキャンセルを強いられた。でもLFAのチームは感染予防を追及しつつ、どうにか活動できないかと模索した。そしてUFC FIGHT PASSという素晴らしいパートナーのおかげで、この間も活動するだけでなく成長できたと思っている。

世界でこれだけの数のイベントを開けたプロモーションは、LFA以外に2つしかない。2020年はパンデミック前と合わせて17イベントを開催した。2020年の1年と、2021年のここまでにLFAから48人の選手がUFCと契約し、18人がBellatorとサインした。60人以上のファイターがネクストレベルに進めた。2020年もLFAは成功の年にしたんだ」

──WOW!! そして田中路教選手がついに渡米し、堀内佑馬選手はフライ級チャンピオンシップに出場します。

「ホリウチは前回の試合で、とても経験豊かなドノヴァン・フリローに一本勝ちし、ベルトへの挑戦をアピールしていた。そしてフライ級王者アルタミラノがコンテンダーシリーズと契約したから暫定王座を設けて、ホリウチとチャールズ・ジョンソンが戦うことをマッチメイカーが決定したんだ」

──この大会は日本ではABEMAで日本語の実況でライブ中継されることが決まりました。

「最高にエキサイトしている。日本語でLFAの試合が流されるなんて」

──解説はWEC、そしてUFCファイターだった水垣偉弥氏になると聞いています。

「おお、それは知らなかった。素晴らしいね。本当に日本向けの中継を視てみたいよ(笑)。我々は国籍に関係なくタイトルに挑戦してほしいと考えているし、日本人選手がLFA王座に挑む試合を日本のファンに見てもらえ、本当に良かったと思う。

LFAフライ級王者がUFCで通用することは、ブランドン・モレノが証明している。元LFAフライ級王者がUFCフライ級王者になったことは、彼のやる気、努力の証だ。私もとても嬉しい。

そして、タナカだ。彼は契約からビザの取得まで10カ月も時間がかかってしまったけど、もうカリフォルニアに来ていて8月にはLFA初戦を戦えるよう話し合いを続けている。

彼のようなやる気に満ち溢れた選手は大好きだ。なぜUFCとBellatorがLFAの選手とこれだけサインをするのか。それはファイターが強い意志を持って戦っているからだ。LFAとサインし試合で勝った時点で、その選手は次のレベルに行く力を持っていることになる。イージーなマッチアップは絶対にないからね。

何よりLFAが国際的なショーになるには、日本人ファイターは欠かせない。私はPRIDE、K-1、DREAMの時代にジャパンには何度も足を運んだ。日本には素晴らしいMMAの土台がある。米国以外だとブラジルと日本は本当に大きな役割をMMA界ではたしてきた。

日本の選手がLFAで戦うことが嬉しくてならないよ」

──そんななか7月にはブラジルのリオデジャネイロで連続イベントを開くことになりました。

「LFAにとって大きな一歩であると同時に、ブラジルのMMAにとっても大きな一歩になると思う。今、ブラジルのMMAはひどい状態に陥っている。あれだけ優れたファイターが誕生しているのに、試合の機会が圧倒的に減ってしまったんだ。

まだブラジルの大地に眠っている才能を掘り起こすことができる。素晴らしいことだよ。彼らの才能を世界に披露するんだ」

──ブラジルの新型コロナウィルス感染状態は、今も厳しい状態にあります。

「だからこそショーが必要なんだ。LFAは米国で1年半やってきたようにバブルを創り、検査を重ねて無観客イベントを行う」

──現地のプロモーションと共催ということではないのですね。

「LFAの単独イベントだよ。無観客大会でチケットを売る必要がないから、可能になった。チケットセールスを気にすることなく、最高のショーにするために全力を注ぐことができる。7月17日は7試合、米国でやっているような通常の大会だ。

そして19日はLFAにとって初めて日曜日の大会で、ウェルター級王座決定GPを開催する。新ウェルター級チャンピオンは1日で2勝しないといけない。リオにバーリトゥードの伝統を持ち返るんだ」

──なんともロマン溢れるイベントですね。

「それにね、まだ正式発表していないけど……ブラジル大会ではアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが英語の実況チームに加わるんだ」

──ミノタウロが解説に!! エド、もうMMA愛の詰まったショーになること間違いないですね。

「皆が喜ぶと確信しているよ(笑)。凄くワクワクするし、誇りに思う。そして、とても光栄だよ。ミノタウロがLFAの中継に関わってくれることは」

──エド、ファイトウィークの忙しいところインタビューに応じてくれたありがとうございました。

「とんでもない。こちらこそ、ありがとう。日本のファンがLFAを楽しんでくれて、遅かれ早かれもっとライブ中継が増えることを願っている。日本の皆にLFAの応援をしてほしい」

■視聴方法(予定)
7月3日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘Ch
午前10時00分~UFC Fight Pass

■ LFA110対戦カード

<LFA暫定フライ級王座決定戦/5分5R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
堀内佑馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
マルクス・ペレス(ブラジル)
クリスチアーノ・フロウリッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
シビウィケン・オンエネゲシャ(米国)
ヘナート・ヴァレンチ(米国)

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
ルイス・アギーレ(メキシコ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェケリン・アモリン(ブラジル)
ミーガン・オーウェン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
アルペン・グラン(米国)
オスカー・ヘレーラ(米国)

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【LFA110】堀内佑馬と夢の潰し合い──チャールズ・ジョンソン「人生を変えることができるチャンス」

【写真】堀内佑馬と暫定ライト級王座、そしてUFCへのステップアップを賭けて戦うチャールズ・ジョンソン (C)LFA

5月14日、LFA107。メインイベント。
カムエラ・カークDef.ダニエル・スウェイン
6月5日、UFN189にてマクワン・アミルカーニを相手にオクタゴン初戦を行い判定勝ち

5月21日、LFA108。メイン=LFAミドル級王座決定戦。
グレゴリー・ホドリゲスDef.ジョシュア・フレムド
6月5日、UFC189にてUFCデビュー。ドゥスコ・トドロビッチに判定勝ち

6月4日、LFA109。メインイベント
テレンス・マッキーDef.マイケル・イリザーリ
6月12日、UFC263でのUFC初陣でマット・フレヴォラを07秒でKO

そして──2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA110「Johnson vs Horiuchi」のメインで、堀内佑馬とチャールズ・ジョンソンがLFA暫定フライ級王座を賭けて、メインで戦う。

UFCファイターになることを目指し、米国に渡った堀内。対してジョンソンは、米国からタイへ向かいMMAファイターとして幅を広げた。East meets WestとWest meets East、2つのAcross the world。堀内の夢を潰し、自身の人生を変える戦いに挑むチャールズ・ジョンソンにインタビューした。


──堀内佑馬選手とLFA暫定フライ級王座を賭けて戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は現地時間の28日に行われた)。

「これから、金曜日まで4日間の減量が始まる。でも、試合に向けてワクワクしているよ。良い試合になるだろう」

──米国のサイトなどによると、チャールズはプーケットのタイガームエタイの所属となっていますが、今回のタイトル戦に向けて、どこで調整してきたのですか。

「タイガームエタイには1年半ほどいたけど、今はミシガン州ランシングのムルシエラゴMMAで練習している。2019年8月にトライアウトに受かってタイガームエタイに在籍するようになってジョージ・ヒックマン達と練習していたんだ。

今ではプーケットは第2のホームだと思っている。タイガームエタイでは凄く良い練習ができていたし……、そういえばセクシー山(秋山成勲)ともトレーニングしたよ。クールで生かした漢だったな(笑)。

本当にプーケットでの生活は楽しかったよ。僕自身はムエタイの試合にも何度か出たし、パンデミック後はボクシングにも挑戦している。なかなかMMAを戦う機会がなかったからね。ONEで戦えないかトライしたけど、うまくいかなかっから、2020年の11月29日に帰国したんだ」

──タイでの経験もあり、チャールズは長身とリーチを生かした遠距離での攻撃だけでなく、組んでも首相撲からのヒザという武器があります。

「首相撲には自信を持っている。タイガームエタイではトップノイ(タイガームエタイ)たちとしっかりと練習していたし、ムエタイというタイの文化が大好きなんだ。厳しいトレーニングを続けて生きている。可能か限り、ムエタイを吸収してきたよ。

僕はまだ素晴らしいムエタイの使い手ではないけど、すごく成長できていると思う。あの1年半という期間で、色々な技術を吸収できた。

7月からタイはワクチン接種をした外国人観光客は、検疫を必要とせずに段階的にだけど、入国が認められるようになる。もう隔離措置もなくなるんだ。旅行客が戻れば、タイの状況も良くなるはず。きっと、今後数カ月でまたタイで練習できるようになると思うんだ」

──またタイに戻って練習したいですか。

「そうだね。環境が整えば、ね。ただ、今はマーシオラゴMMAでUFCを目指して練習している。マーシオラゴMMAのジョアキン・マーシオラゴはラシャド・エヴァンスのコーチをしていているんだ」

──元UFC世界ライトヘビー級王者のラシャドですね!

「そうだよ。彼のMMAの知識は半端ないんだ」

──では改めて堀内選手の印象を教えてください。

「カラテ・ベースで、とてもテクニカルだ。ただし、ボクシングをあまり使わない。彼が試合で見せている以上に、ボクシングは大切だよ。一番の長所は腰が強いところかな。グラウンドから立ち上がるのも力強いよね。重心が重くて、それを寝技にも生かしている。ガードになることもいとわないしね。そういう風にグラウンドの展開を狙ってくるだろう。

きっと良い試合になるよ。僕はリーチを生かして戦う。スタミナに関しては凄く自信があるし、ずっとプッシュし続けることができるだろう。それを可能にする根性もある」

──5分5Rというのは、やはり頭にありますか。

「全く気にしない。僕はニックやネイト・ディアスのように試合が長引けば、長引くだけ強くなるんだ。長い試合になれば、それだけ良いところが出せるだろう(笑)」

──LFAのタイトル戦はベルトだけでなく、UFCへのチケットという点も多いに注目されます。

「どの試合も大切なんだけど、この試合はスバ抜けて重要になってくる。

人生を変えることができるチャンスなんだ。これまで世界を行き来して、自分を磨いてきた。そうやって培ってきたモノを全てつぎ込んで1試合、1試合戦ってきたんんだ。

この試合に勝っても、そこで終わりじゃない。1週間や2週間後にUFCで戦うつもりでいる。LFAの直近3大会のメインで勝利した選手が、ショートノーティスでUFCに出場している。だからチームメイトも『試合に勝ったら、その日は死ぬほど食え。でも次の日からまた練習だ』って言ってくるんだ(笑)」

──フライ級の選手が欠場することを、申し訳ないけど願わないわけにはいかないですね。

「カモーン!! みんなそう願っているに違いない(笑)」

──と同時にUFC首脳は勝敗だけでなく、試合内容もしっかりとチェックするかと思います。

「勝利もフィニッシュも当たり前で、クリーンな攻防でそれを実現させる必要がある。そのうえで、まだUFCの人間が手にしていないモノを見せるんだ。僕にはUFCで戦うだけの力は十分にある。それを周囲が理解できるパフォーマンスを見せるよ」

■視聴方法(予定)
7月3日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘Ch
午前10時00分~UFC Fight Pass

■ LFA110対戦カード

<LFA暫定フライ級王座決定戦/5分5R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
堀内佑馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
マルクス・ペレス(ブラジル)
クリスチアーノ・フロウリッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
シビウィケン・オンエネゲシャ(米国)
ヘナート・ヴァレンチ(米国)

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
ルイス・アギーレ(メキシコ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェケリン・アモリン(ブラジル)
ミーガン・オーウェン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
アルペン・グラン(米国)
オスカー・ヘレーラ(米国)

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【LFA110】シン日本人=堀内佑馬、LFA暫定フライ級王座挑戦へ「こういう生き方もあるんだよ」

【写真】人知れず続けてきた──努力を見ている人間はいる。堀内佑馬が、大袈裟でなく人生を賭けて歩んでいた道。その先を切り開くことができるか。大一番に挑む (C)marsnet.US

2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートでLFA110「Johnson vs Horiuchi」が開催される。

UFC、そしてBellatorへの登竜門。この1年で両プロモーションに30名以上のファイターを送り込んだMMA界のNCAA=LFAで、堀内佑馬が日本人として初めてタイトル戦に挑む。

LFAフライ級王者ヴィクター・アルタミラノのコンテンダーシリーズ出場が決まり、チャールズ・ジョンソンと暫定王座決定戦を戦う堀内。2016年のGladiator ChallengeからUFCを目指し、カリフォルニア州アーバインに拠点を移し、MMAファイター人生を送ってきた。自身の選択、生きる様を見せつける刻が来た。


──かなり頬がこけていますね(※取材は現地時間6月27日に行われた)。

「そうですね。僕は水抜きをしないので、もうすぐリミットです」

──ではファイトウィークをリミットに近い体重で過ごすと。もうファイトキャンプも終えた感じでしょうか。

「はい、追い込みは終わっていて。明日、少し動いてあとは残りの体重を落とす感じですね」

──対戦相手のチャールズ・ジョンソンは長身、そして手足の長い相手です。遠い距離のパンチや蹴り、近距離ではヒザ蹴り、長い腕はギロチン系の技に適しており、なかなか厄介な相手になりそうです。

「う~ん、あまり試合映像も見ていないんです。当日も自分のフィーリングで戦いたいと思っています。強いのは確かですけど、普段通り戦えば大丈夫かと。

もともとチーム・オーヤマに来ていたことがあって、アレックス(ペレス)とか一緒に練習していた時期があるので、アドバイスをもらっています。対策練習? 背の高い選手とやることですね。キャンプは本当にきつくて、あぁ生き残れたっていう心境なんです(笑)。

皆が気合をいれて僕に接してくれて。もうボコボコにやられることも多くて。それが皆の『頑張れよ』という気持ちの表れなので嬉しかったです」

──キャンプではどのような選手と一緒に練習してきたのでしょうか。

「本当に色々な選手がサポートしてくれましたけど、なかで一番やったのはアレックスですね。それとルイス・スモルカ、終盤はリッキー(シモン)も来ていましたし、ローカルプロモーションのチャンピオンともやってきました。

UFC世界フライ級王座挑戦経験のあるアレックス・ペレスと。堀内はペレスを慕ってやまない。そのペレス、レスリングを使わず勝てるオールアメリカン・レスラー(C)marsnet.US

まぁ、それでもアレックスは強いなぁって感じです(苦笑)。

オーヤマ・コーチがメインで、アレックスがサブで練習メニューや戦術も立ててくれましたし、本当に良い練習ができました」

──やはりUFCファイターたちもLFAのタイトルマッチの持つ意味を理解して追い込んでくれる形ですか。

「ベルトが……というよりも、この先が大切だからという感じですね。僕も最初はベルトに拘っていたんですけど、今はとにかく勝つ。勝って、ついてくるモノが重要と考えています。それはコーチも『勝ったら、行けるからな』という風に煽ってくれます」

──そこがMMAファイターとして、最も重要な剣ヶ峰です。プレッシャーを感じたり、ナーバスになることは?

「緊張することはないですね。プレッシャーは……プレッシャーというか、身近な人から『頑張れよって』盛り上がっていて……そこは力になっています。僕は何もできない人間だったから、周りが応援してくれるのは嬉しいです」

──そして今回の試合が、ABEMAでライブ中継されます。

「最高です。本当に最高です。最高です(笑)。本当に最高です」

──最高しか言っていないじゃないですか(笑)。

「あははは。やはりUFC FIGHT PASSに加入している人は限られているだろうし、こっちでやってきて日本で注目されるような大会で戦ってきたわけじゃないです。知名度は全くないので……これでチャンピオンになって、少しは名前を挙げたいです」

──本気でUFCを狙ってきた。その生き方が認められたのではないでしょうか。

「そこに関していうと、自分で言うのはアレなんですけど……。こっちに来て、超ローカルの団体で戦ってリウドヴィク・ショリニアンっていうウクライナ人、LFAではレオナルド・ゴメスと2試合連続スプリットで負けて。でも、そういう強い奴とやって経験を積み、周りのサポートで力をつけることができました。

前回、コンテンダーシリーズで戦うなど、UFCに近い位置にいるドノヴァン・フリローに一本勝ちすることができて、タイトル戦が決まりました。そして、ABEMAさんが中継すると知って──本当に頑張ってきて良かった……良かったのですが、こんなに良いチャンスが巡ってきたので、勝ってその先を見据えたいです。そのために頑張ってきたので」

──単身、アーバインにやってきて流してきた汗。軽々しく使う言葉ではないと思うのですが、生き様を見せてほしいです。

「はい、見せたいです。僕、キッズのムエタイを50戦ぐらい戦ってきて、4回タイトルを掛けて戦って、1度も勝っていないんです。でも、あの頃とは違うし。RFAやレガシーFC、LFAというポジションのタイトルを取った日本人っていないと思います。ここで俺がベルトを取って、シン日本人スタイル──こういう生き方もあるんだよって見せたいです」

■視聴方法(予定)
7月3日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘Ch
午前10時00分~UFC Fight Pass

■ LFA110対戦カード

<LFA暫定フライ級王座決定戦/5分5R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
堀内佑馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
マルクス・ペレス(ブラジル)
クリスチアーノ・フロウリッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
シビウィケン・オンエネゲシャ(米国)
ヘナート・ヴァレンチ(米国)

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
ルイス・アギーレ(メキシコ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェケリン・アモリン(ブラジル)
ミーガン・オーウェン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
アルペン・グラン(米国)
オスカー・ヘレーラ(米国)

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