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Interview Special UFC UFC250 コディー・ステーマン ブライアン・ケレハー ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─05─コディ・ステーマン✖ブライアン・ケレハー

【写真】とてもテイクダウンが強烈に強いようには見えなかったケレハー戦のステーマン (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が語りたいUFCプレリミマッチ。

第5回からは6日(土・現地時間)のUFC250で行われた140ポンド契約マッチ=コディ・ステーマン✖ブライアン・ケレハー戦について話してもらった。


──過去1カ月、岡田選手が気になるプレリミ3試合目は?

「ステーマンとケレハーの試合が、この1カ月のプレリミで一番でしたね。いや……ステーマン、あの人ってレスラーなんですよね?」

──NCAAのD-2レスラーですね。でも、高校の時からボクシングもやっていてMMAはダロン・クルックシャンの下で習い、昨年からエクストリーム・クートゥアーの所属になっています。なんでもボクシングでもプロの経験があるようです。

「そうなんですか……。この試合でも解説が良いレスラーって話しているのに、全然レスリングなんてしていなくて。アレックス・ペレスもそうでしたけどね。ステーマンは正面から打撃を使って、スイッチをしてボディにもパンチを散らすことができていました。でも、蹴りも強力で完成度の高いストライカーでしたよ。アッハハハハハ。笑っちゃいますよね」

──ワンツーだけでなく、スリーまで出せる選手かと思いました。

「あの軸の強さは……3つ目に関して普通は、僕だったら体がブレブレになってしまうと思います」

──ソン・ヤードンと戦った時は、テイクダウンを5、6回決めてバックも制し、さらに蹴り上げの反則があったのにドローという意味不明な判定でした。とにかく、あの試合ではレスリング全開で戦っていました。

「なのに打撃があれだけ強い、と。ケレハー戦のテイクダウンは打撃で支配しておいてニータップだとか、本当にローエナジー、疲れないレスリングをしていましたね。楽に倒していました。

ATTで練習していた時に思ったのですが、日本ではレスリングって一番しんどいことをやるというイメージを皆が持っていると思います。でも、米国の連中はそんな気持ちではないですね。サァーって倒して。全体練習の時もマイク・ブラウンは、力を使わずテイクダウンするようにと口を酸っぱくして言っていたんです。

一生懸命頑張り過ぎないでテイクダウンできるような打ち込みもやりました。テイクダウンで疲れるなということは皆の共通項でした」

──例えばレスリングの試合で実力が拮抗している者と戦い、そんな風にエネルギーを使わず戦えるのは、もう達人かと思います。ただ、打撃もあるMMAではより可能になるのかもしれないですね。

「そうですよね。絶対に倒す必要がなく、倒せなくても打撃に自信があれば、打撃でやりあえば良いですし。ATTで経験してきたのも、そこでした。レスラーが決してレスリングありきではない。

打撃ありきだから、崩れたところでそのレスリング能力が生かせている。ステーマンもそうですよね。蹴り足をキャッチして、テイクダウンを取っていますし。押せば倒れる……一番疲れないことをしていました。なので無駄に自分のスタミナをロスしないで戦うことができる。

ただし、そういう試合をするためには打撃で優位に立つ必要があります。しっかりとストライキングの技術があることで、レスリングが生きていました」

──そして3Rは最初にテイクダウンを奪うと、グラウンドにもいかずスタンドで待ちのファイトをし、最後はテイクダウンを仕掛けてきたケレハーに対しギロチンで迎え撃って、時間を使っていました。

「巧かったです。1Rと2Rは打撃でしっかりと試合をリードして、最終回は時間を使う。ラウンド毎に戦い方を変えて、本当に考えて試合をしていると思います。同じバンタム級の選手ですし、凄く面白かったです。

でもアルジャメイン・ステーリングとやった時は、ここまでの完成度は高くなくてバックとられて負けているんですよね」

──あっ、スロエフ・ストレッチで!

「ホント、ステーマンにあんな技で勝って、サンドハーゲンは最初のテイクダウンでRNCを極めてしまうって……どんだけアルジャメインは強いだって話ですよね(笑)」

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Interview Special UFC UFC250 アレックス・カサレス チェイス・フーパー ブログ

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─04─アレックス・カサレス✖チェイス・フーバー

【写真】ジャブで突き放し、試合を支配したカサレス (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が語りたいUFCプレリミマッチ。

第4回からは6日(土・現地時間)のUFC250で行われたフェザー級戦=>アレックス・カサレス✖チェイス・フーパー戦について話してもらった──流れで、田丸匠に対し、強烈な発言が聞かれた……。


──過去1カ月、岡田選手が気になるプレリミ2試合目は?

「カサレス✖フーパーです」

──!?

「アレっ? ピンとこないですか?(笑)」

──カサレスが完封した。う~ん、その記憶しかないですね。

「ハイ、完封でした。チェイス・フーパーって20歳で、勢いがある。UFCも将来性を買っているような感じがする選手だったのですが、カサレスが引き出しの多さと、経験値からなるMMAとしての完成度の高さで完封したというのが凄く印象に残ったんです。僕はメチャクチャ好きな試合内容です」

──その完成度の高さはとは、どういうものだったのでしょうか。

「多分、距離を取るという戦術だったと思うのですが、近づいてきたら出鼻をジャブで潰し、ステップを踏んでの空間支配能力の高さに僕は痺れました。

結果、距離をしっかりと取ってフーパーのやりたいことを何もさせませんでした。凄かったのが、初回に前に出たフーパーに右アッパーを合わせてダウンを奪ったのに、そこで攻めなかったことですね」

──あぁ、ありましたね。立たせて迎え撃つという。

「『なんで追撃しないの?』と思ったのですが、それができるのが凄いなぁと」

──う~ん、仕留めにいかないスタイルでしたね。

「ハイ。ダウンを取っても、パンチを当てていても必要以上に近づかない。勝ちに徹する姿は美しいとさえ思いました」

──なるほどぉ。そういう見方もファイターならではなのですね。しかし、岡田選手は北米MMAに毒されていますね(笑)。

「あっ、タッチ・キックボクシングMMAだけは嫌いなんですよね(笑)」

──特に倒せる時に倒しに行かない。まさにカサレスの初回ですよね(苦笑)。倒せない相手、凄くテイクダウンや寝技が強い相手にソレをするのもMMAなのですが、倒せそうな時には倒せよ……いや、倒しに行けよとは思ってしまうんです。昭和のMMAファンですね(笑)。

「戦いという部分では、その意見も分かります。ただ、僕にアレができるかというと……あのゲームはできないんです。僕なら倒しに行く」

──まさにレスリングの強い倉本選手にパンチを効かせたとき、距離を取って待つようなことはなかったです。

「そうッスね。自分なら行っちゃいます。でも、カサレスはいかずに待った。なんかMMAだからこそ、許される戦い方だし……僕は凄く惹かれました。もちろん仕留めにいくのもMMAだし、いかないカサレスの戦い方もMMAならではだと思います。

ああやって待つことができるのも、自分の技量に自信があるからだろうし……怖いから行くっていう選手は意外と多いはずです。でもカサレスはそれを天秤に掛けて、いかない方が勝率が上がると判断して、実行できている。彼の強さだと思います」

──前に出るとジャブで突き放される。テイクダウンを狙っても、スプロールされる。そういう展開になった時、岡田選手ならどういう風に試合を動かしますか。

「自分の距離が取れないときは、もうブラジル人と同じで玉砕覚悟で組みつくという選択をすると思います。パンチを貰って良いからいく。フーパーは途中から諦めて、下になっていましたね」

──アレはポイント的には。北米MMAで一番勝てない選択ですね。

「ハイ、ソレです。あの時は期待の若手も、こういうモンなんだなって。まぁ、下になるのも面白いですけどね」

──自分は酷評覚悟で、そして判定負けがまだ決まっていない時点なら見てみたい反応があるんです。

「どういう反応ですか?」

──前に出ない。待つという戦いです。

「えっ? アハハハハ。前に出るから殴られる。なら、待ってみると。それは考えなかったですねぇ。それもMMAですね。他の格闘技にはない」

──まぁ、それで負けるとリリースかもしれないですが(笑)。

「確かに(笑)。そこで出ないと……厳しい評価が待っていますね。いやぁ相当な図太さが必要です、それは。でも、全然ありですよ。

それなら無観客の方がやりやすいですね。カサレスも客がいてブーイングが起きたら、もっとレフェリーが攻めるように言われ自分から前に出てしまったかもしれないですしね」

──最終ラウンドを取っても判定で勝てないから、出るしかないですけどね。

「いやぁ、でも選択肢としてありですよ。それがMMAなので」

──やはり毒されていますね(笑)。

「アハハハ。僕もカサレスのように当てて、待って、当てて。そういう側の人間になりたいです。フィニッシュに行けるのに、ニヤニヤ笑って待ってなぶり殺しにするような試合がしたいですね(笑)。そのまま5R、そういう風に戦いたい。それも本当の強さだと思っています」

──奇しくも5Rという言葉が出てきたので……敢えて振らせていただきますが、田丸匠選手が『ランクが2位になった』とSNSで発言していたのは……これは含みがある発言だなと感じたのですが。

「あのガキ……。MMAPLANETのインタビューでアイツ、俺のことを『ボコボコにする』って言いやがって」

──アハハハ。でもボコボコじゃなくて、パカパカだったかと……。

「いや、どっちでも良いですよ。あのクソガキ……。別にやる必要あるとは思っていないですけど、やるようなことがあれば絶対に仕留めないでボコボコにしてなぶり殺しにしてやりますよ」

──そこもインタビューで生かさせていただきます(笑)。

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Interview Special UFC UFC250 アレックス・ペレス ジョズエ・フォルミーガ ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─03─アレックス・ペレス✖ジョズエ・フォルミーガ

【写真】フォルミガを組ませず、ローで勝てるレスラー=ペレス (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ。

第3回からは──岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチとして、6日(土・現地時間)のUFC250で行われたフライ級戦=アレックス・ペレス✖ジョズエ・フォルミーガ戦について話してもらった。


──岡田遼が話したいUFCプレリミマッチ、毎週のように開催されていたUFCからどの試合をピックアップしてもらいましょうか。

「ペレスとフォルミーガです。フォルミーガとはATTで一緒に練習した時に達人的な動きを見ていて、僕は彼が勝つと予想していたんです」

──達人的な動きとはどういうところでしょうか。組んでバックを取るのが上手いという印象が強い選手だったのですが。

「ハイ、それが必勝パターンじゃないですか。でも練習では、そこを使わずに幅広くMMAができる人なんです。絶対的な強さを持っているのに、それを使わない。打撃もかなり上手くてウェルラウンダーでした。そのフォルミーガがローで負けて……いや、ペレスも強いとは思っていました。思ってはいたのですが、あの勝ち方ができるとは驚きです」

──レスラーですが、レスリングを使わずあの試合でフォルミーガに勝ってしまう。

「引き出しが多いですね。フォルミーガが負けたのはショックですし、ペレスが本当に強いところを出さずに勝ててしまうのも印象深いです。

カーフキックに関しては、当たり所もありますが……フォルミーガも効いたのは最後の3発ぐらいだったと思います。それにしても余りにも無策だったというか、最初から効いているとスイッチしたり、強みである組みにいくだとか対処したと思うんです。

実際、僕はいくらフォルミーガが練習であれだけ色々なことをやっていても、試合になると組んでバックを制すだろうと思っていました。打撃の攻防からテイクダウンして、上を取って殴り、背中を制してドミネイトするんだろうなって。

それがまぁ近づけない、入れない(苦笑)。打撃で敵わないとなると、思い切り組んで押し込むという戦い方はあると思うんです、ブラジリアン柔術の強い選手は。でも、フォルミーガが奥の手、その切り札を切ることすらできなかった」

──いきなり我慢できない蹴りが入ってしまったと。

「ATTには打撃のコーチがたくさんいて、タイ人もいるんです。ただ担当制でフォルミーガは、ヘッドコーチのコナン・シウヴェイラの指導を受けていることが多くて……。あまりそういう練習はしていなかったかもしれないですね。

それだけペレスが強いということなのですが、遠い距離ではあの蹴りがあり、近づくと素早いパンチを持っている。過去の試合を見ると、当然のように組みもできますし……完成度が高いです。いやぁ、あんな強い人間を見ると、ちょっと落ち込んでしまいましたね(苦笑)……早朝から。でも、あれがUFCなんですよね。痺れました」

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Report UFC UFC250 エウベウチ・バーンズ エヴァン・ダナム ブログ

【UFC250】エヴァン・ダナムをRNCで破り、UFC2連勝=エウベウチ・バーンズ「兄弟で歴史を創る」

【写真】今はまだ兄の後を追う立場。お兄ちゃんの方が気持ちが強いが、そこを乗り越えるとドゥリーニョと同様に高い資質を持っているに違いない (C) Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたUFC250「Nunes vs Spencer」の第1試合でエウベウチ・バーンズが、エヴァン・ダナムをRNCで下した

ONE離脱後、Tian FCを経てコンテンダーシリーズからUFCと契約。1月の初戦ではKO勝ちを収め、今回は一本勝ちと幸先の良いスタートを切った──ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズの弟のバーチャル記者会見の模様をお伝えしたい(※要約)。


──UFC2戦目でKO勝ちに続き、一本勝ち。今の気持ちは?

「凄くハッピーだよ。僕の本道はグラップリングだ。でも、前回の試合ではそれだけじゃないことを……コンプリートファイターだということを見せたかった。そして、今回は自分のルーツである柔術を披露したかったんだ。柔術が僕の人生を切り開いてくれた。だから、どういう勝ち方をしたいか選択できるなら僕はサブミッションを選ぶ」

──足を引きずっていたけど、大丈夫かい。

「良くなっているよ。足をケージに引っ掛けてしまって、決して小さくないカットがあった。でも、もう縫い合わせたし大丈夫だよ」

──足を怪我したことで、早急にフィニッシュしようと思った?

「痛みはあったけど、どんな具合かは分かっていなかったんだ。早く試合を終えることができたけど、2Rになっていたらドクターにどのように判断されるのかは分からなかったね。だからバックを取ったときは、これで終わらせようとは考えていた」

──1年8カ月振りの実戦になったエヴァン・ダナムを相手にどのような試合をしたかった?

「まず彼との試合が決まった時は驚いた。僕の視野には入っていなかったから。でも組まれたんだから、何か意味のあるファイトのはずだ。少しでも早く試合がしたくて、ずっとマネージャーをせっついていた時にエヴァン・ダナムの名前が挙がった。なら戦うだけだよ。彼はライト級でトップだった選手だ。その彼が僕と戦うということは、凄くハングリーな気持ちでケージに戻ってくるに違いなかっただろうしね。

試合は打撃と組み技をミックスしてプレッシャーを与えようと思っていたんだ。ただ今日の打撃のデキは良くなくて、必要ないパンチを被弾してしまった。それでも僕の拳には力があるし、組むために使えた。テイクダウン後は僕の試合になることもわかっていたよ」

──先週のドゥリーニョの勝利で、モチベーションを得ることはできたでしょうか。

「モチベーションはいつだってあるよ(笑)。でも、兄が前世界王者のタイロン・ウッドリーにあれだけの試合をして勝ったことは……プレッシャーになった(笑)。前の試合でKO勝ちしているし、今回もフィニッシュが必要だって思っていたから。フィニッシュを狙うこと、それはいつも自分との戦いだよ。兄も僕も良い勝ち方ができた。バーンズ兄弟は歴史を創るんだ!!」

──先週の試合のメインがドゥリーニョで、今回の第1試合が君だった。大会を跨いではいるけど、兄弟がUFCで連続出場したのはUFCで初めてのことだったんだよね。

「それは知らなかった(笑)。でも、凄いことだね。僕は本気で、兄弟で歴史を創るつもりでいるからね。その記録も過程にあるってことだよ」

──次の試合はいつごろに誰と戦いたい?

「すぐにでも試合がしたい。ファイトアイランズで戦いたいよ。凄い経験になると思うから。次の試合がいつになるのか分からないけど、いくらでも相手はいる。もし相手を選ぶことができるならユライア・ホールとやりたい。ランキングに入っているし、ベストの中のベストと戦うためにも、彼のような選手とまず戦いたい。ずっとランキングにいるし、ライアン・ホールもランキングに留まりたいなら試合をする必要があるだろう。

彼がOKなら戦うよ。戦いたくないのなら、ブライス・ミッチェルを指名したい。彼はタフだし、チャレンジ精神を持っている。僕もチャレンジャーだ。そういう選手と試合がしたいんだ」

──ミッチェルはランカーじゃないけど。

「選べるんだったら、ランカーのライアン・ホールさ。2人ともデンジャラスだ。でも僕はトップになりたい。名前のあがるファイトがしたいんだ」

──今回は150ポンドのキャッチウェイト戦だったね。

「オファーはライト級かキャッチウェイトだったから、契約体重を望んだんだよ。ショートノーティスだったし、155ポンドの方が簡単だ。でも、体重を落としたかった」

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Interview UFC UFC250 アレックス・ぺレス ジョズエ・フォルミーガ ブログ

【UFC250】フォルミーガをローでKO──アレックス・ペレス「フィゲイレドがベナビデスに勝つ!!」

【写真】日本でその名は浸透していないが、あのレスリング力を出さずして打撃でフォルミーガをKOとは──ペレスのポテンシャルの高さを表した勝利だ (C) Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたUFC250「Nunes vs Spencer」。同大会でアレックス・ペレスがローキックで、ジョズエ・フォルミーガをKOした。

この勝利でオクタゴンでの戦績を6勝1敗としたフライ級の実力者。今も珍しいローキックでの勝利に関して、そしてタイトル挑戦に向けて──試合直後に行われたバーチャル記者会見から彼の言葉を拾ってみたい(※要約)。


──ローキックでアドバンテージを狙う予定だったのかい?

「そういうことはなかった。ステップインして重い蹴りは出そうと思っていたけど、とにかくメチャな攻撃はしないように心掛けていたんだ。正確に蹴り、タッチすると下がる。彼の寝技は危険だから、蹴り足を取られないよう戦った」

──作戦は?

「とにかくスタンドで戦うこと。クリンチされればエルボーを使おうと思っていた。でもローも走っていたし、僕の重要な武器ではあるからね」

──ローキックでのTKOは初めてだよね?

「先週の試合を視て……、名前は忘れちゃったけど(クリス・グティエレスのことだと思われる)ローで勝つのはイカしているなって思って(笑)。できればボーナスが欲しいよ」

──135ポンドも含めて、3連勝。タイトル挑戦についてはどう考えている?

「ベスト5に勝てば挑戦もあるってことだけど、僕はフォルミーガをKOしたし、パントージャはもう試合が決まっている。ファイトアイランズに出向いても構わないよ。そこになるのか、そうでないのか──とにかく準備はできているよ」

──タイトル挑戦が実現しなかった時、練習仲間のブランドン・モレノと戦うことは視野にいれているのだろうか。

「僕とブランドンは一度も一緒に練習したことはないよ(笑)。それに僕は相手を選ぶことはないしね。やれと言われれば戦うよ」

──フィゲイレドとベナビデスの再戦はどうなると思っている?

「ジョゼフはウェルラウンダーだけど、フィゲイレドのグラウンドはアドバンテージがある。あの柔術には驚かされた。フィゲイレドが勝つと思うけど、ジョゼフが勝てばリマッチにもなるし、僕はそれでも構わないよ」

──チームメイトのマルロン・ヴェラが疑問の残る判定負けを喫したけど、そのことは頭にあったかい?

「僕はチームメイトのことは大好きだし、ジャッジに対しては思うところはあるよ。でも、そのことを頭に置いて戦うことはない。そして試合はフィニッシュしようと思って戦わないとね」

──小さなケージ、無観客で戦うことはどう思っている?

「スモールケージはより動きが多くなるから好きだよ。でも、僕は軽量級だから重量級の選手ほど小さくは感じないよ(笑)。そりゃあファンがいて戦う方が好きだよ。でも、無観客でコーチの声が良く聞こえるのも悪くない。まるで別物だよ」

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Interview UFC UFC250 エディ・ワインランド ショーン・オマリー ブログ

【UFC250】バンタム級の超新星ショーン・オマリー「16歳の時から人を倒す練習をしてきた」

【写真】その試合内容と違い、とてもクールなオマリーだ(C) Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたUFC250「Nunes vs Spencer」。同大会のPPVオープニングカードで、エディ・ワインランドを右ストレート一発で失神KOに追い込んだショーン・オマリー

試合直後に行われたバーチャル記者会見から彼の言葉を拾ってみたい(※要約)。


──またハイライトリールKOとなったね。おめでとう。

「16歳の時から人を倒す練習をしてきたからね。こうなるように戦ったんだ」

──予想していた以上の動きはエディ・ワインランドにあったかい。

「ノー。何もなかった」

──コンテンダーシリーズで無観客試合は経験しているけど、今回のファイトウィークで違いはあった?

「基本的にいつも比べると、ずっとホテルにいないといけなかった。でも、心の底から楽しめたよ」

──エディ・ワインランドは君が初めて戦った王座挑戦経験のあるファイターだけど、この勝利を経てさらに上のレベルで戦えると思えるだろうか。

「試合後のインタビューでも言ったけど、僕はハイレベルだ。今日、それを見せたと思う」

──大金を稼ぐためにも、コイツと戦いたいという相手は?

「僕が試合をしたいのは、別にマネー云々じゃない。僕はファイティングが好きだから、戦っているんだ。金のためじゃない」

──すぐにでも試合がしたい?

「体調次第だよ。あっ、アルジャメインが勝ったみたいだ。ここから視られないんだけど、音が聞こえてきて。ゴメン、ゴメン……返答になっていなかったね。そうだね、僕は月に1度は戦いたいと思っている。できることならね」

──長期欠場から戻ってきて、2試合連続でインパクトの大きなKO勝ちだったけど、どこか変わったところがあると思っている?

「欠場前に戦ってきたし、それほど大きく変わっていない。ただ、体調が凄く良いからこのままの調子で戦っていきたい」

──UFC APEXは居心地が良い会場でしょうか。

「ファンがいなくても楽しんで戦える。でも、皆に試合に見てもらえるのももちろん素晴らしいことだよ」

──この試合でボーナスをもらえると、どういう風に使うの?

「う~ん、まぁ今晩はピザを頼んで食べて、明日家に帰るよ。クレイジーなことはせずに、良い状態をキープして次に備えるだけさ」

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UFC Result UFC250 アマンダ・ヌネス アルジャメイン・ステーリング エディ・ワインランド コディー・ガーブラント コリー・サンドハーゲン ショーン・オマリー ハファエル・アスンソン ブログ ・ワインランド

【UFC250】試合結果 ヌネス無双。Ridiculous!! バンタム級=ガーブラント、ステーリング、オマリー!!!!!!

【写真】強烈なインパクトとともにカムバックを果たしたコディー・ガーブラント(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC250が開催された。

ヌネスは確かに笑顔を浮かべるような感じで戦っていた(C)Zuffa/UFC

メインのUFC世界女子フェザー級選手権試合はバンタム級との二冠王アマンダ・ヌネスが、初回から最終回までフェリシア・スペンサーを打・倒で圧倒し、判定勝ちし無双ぶりを発揮した。

注目のバンタム級3カードはコディー・ガーブラント、アルジャメイン・ステーリング、ショーン・オマリーの3選手が、それぞれパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得する内容で、ハファエル・アスンソン、コリー・サンドハーゲン、エディ・ワインランドを破っている。

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=コディー・ガーブラントアルジャメイン・ステーリングショーン・オマリーアレックス・ペレス

UFC250「Nunes vs Spencer」
<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
○アマンダ・ヌネス(ブラジル)5R
判定
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×フェリシア・スペンサー(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
○コディー・ガーブラント(米国)2R4分59秒
KO
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×ハファエル・アスンソン(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
○アルジャメイン・ステーリング(米国)1R1分28秒
RNC
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×コリー・サンドハーゲン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○ニール・マグニー(米国)3R
判定
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×アンソニー・ロッコ・マーチン(米国)
<バンタム級/5分3R>
○ショーン・オマリー(米国)1R1分54秒
KO
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×エディ・ワインランド(米国)
<フェザー級/5分3R>
○アレックス・カサレス(米国)3R
判定
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×チェイス・フーパー(米国)
<ミドル級/5分3R>
○イアン・ハイニッシュ(米国)1R1分14秒
TKO
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×ジェラルド・マーシャート(米国)
<フェザー級/5分3R>
○コディー・ステーマン(米国)3R
判定
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×ブライアン・ケレハー(米国)

<ミドル級/5分3R>
○マキ・ピトロ(米国)2R1分10秒
TKO
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×チャールズ・バード(米国)
<フライ級/5分3R>
○アレックス・ペレス(米国)1R4分06秒
TKO
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×ジョズエ・フォルミーガ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
○デビン・クラーク(米国)3R
判定
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×アロンゾ・メニフィールド(米国)
<150ポンド契約/5分3R>
○エウベウチ・バーンズ(ブラジル)1R1分20秒
RNC
詳細はコチラ
×エヴァン・ダナム(米国)


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Report UFC UFC250 アマンダ・ヌネス フェリシア・スペンサー ブログ

【UFC240】興味を失うほど強さを見せたアマンダ・ヌネスがスペンサーに判定勝ち&防衛成功

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
アマンダ・ヌネス(ブラジル)
Def,3-0:50-45.50-44.50-44
フェリシア・スペンサー(カナダ)

右前蹴りを繰り出したヌネス。スペンサーは飛び込んでパンチを振るいながら、組んでいく。離れた王者はワンツーをヒットさせる。続いて右アッパーを入れたヌネスが、スペンサーの前進に右を合わせる。蹴り足をキャッチしてケージに詰めたスペンサーだが、払い腰で投げられてサイドを取られる。ケージを蹴ろうとするスペンサー、腹ばいになるがヌネスがバックへ。向きあったスペンサーがハーフガードを取ると、チャンピオンはエルボーを振り下ろす。

ヒジを続けたヌネスは、右ワキを差してパスを狙う。防御に徹するスペンサーはダメージを最低限に抑える選択か。それでもフルガードに戻し、クローズトを取ったスペンサーに対し、ヌネスはエルボーを入れた。

2R、左を伸ばして前に出るスペンサー。ヌネスは左ミドルを入れ、ワンツーを打っていく。続く飛び込みに右を当てたヌネスは、左を受けてもすかさず右を打ち返す。右ローを蹴り、ワンツーを打ち込んだヌネスは、ダブルレッグを切って逆にテイクダウンに成功する。シングルを狙いエルボーを打たれたスペンサーが引き込む。チャンピオンはスタンドで待ち受け、右をヒットする。スペンサーはハイを蹴ったが、ヌネスも蹴り返し手数、精度で王者が挑戦者を圧倒した。

3R、根を挙げないが攻勢転じることはできない──クリス・サイボーグ戦を想いこされるスペンサーは、エルボー、左ハイと攻められながらも、ダブルレッグへ。切ったヌネスはエルボーも避けて左から右を打ち込む。マウスピースを吐き出し、ブレイクが掛ったスペンサーは装着後に左を当てる。蹴り足をキャッチして投げるようにテイクダウンしたヌネスは、ここもスタンドで待ち受ける。左ロングフック、右ボディ、右ストレート、ロー、右ハイ、ヌネスがチャレンジャーを攻め続ける。真っすぐ突っ込むダブルレッグは切られ、右アッパーを被弾したスペンサーは、ローキックも聞かされ始める。右ストレート、アッパー、左フック、スピニングバックエルボーと王者は挑戦者を完封した。

4R、スペンサーは勝負を諦めることなく前に出るが、ローから右ストレートを被弾して頭が後方に揺れる。さらにヌネスは右フックを当て、蹴りのフェイクから右ストレート、さらに足をキャッチして挑戦者を転ばせる。完全にスペンサーを掌の上で転がしている状態のチャンピオンは左リードエルボーをヒットし、右ストレートを伸ばす。さらに後ろ回し蹴りでケージ際までスペンサーを下らせたは、合気道のように足を掴んでテイクダウンを決める。

寝技に行かず、立ち上がったところで左ジャブ、スペンサーの前進に右を合わせる。右ロー、ワンツー、右オーバーハンドからパンチをまとめたチャンピオン、ついにスペンサーはパンチを受けた頭を下げてしまう。テイクダウン狙いを切った王者は、背中に回ったバックマウント&RNCを極める直前で時間となった。

最終回、に勝ち目がないようにしか見えないスペンサーは、額に大きなタンコブができてなお戦意は失わず、傷を増やしていく。ローを受け、ダブルレッグもヌネスは切ってバックへ。引き込んでハーフを取ったスペンサーは、肩固めを防いでキムラへ。クローズドを取ったスペンサーだが、エルボーを受けて顔面を真っ赤に染める。

チャンピオンは狙いすましたエルボー、立ち上がってローを蹴る。残り1分で立ち上がったスペンサーだが、ここでドクターストップが入る。試合は続行され、ワンツーフックを入れたヌネスがダブルレッグ、バックへ。ガードを取ったスペンサーに鉄槌を入れてタイムアップ。一方的過ぎて、判定結果を訊く必要がないほどの強さを見せたヌネスが、女子フェザー級王座の初防衛に成功した。


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Report UFC UFC250 コディー・ガーブラント ハファエル・アスンソン ブログ

【UFC250】コディー・ガーブラント、復活。身を沈めて振り抜いた右フックでアスンソンが失神

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント(米国)
Def.2R4分59秒by KO
ハファエル・アスンソン(ブラジル)

スイッチするアスンソン、ガーブラントが右ローを入れる。続いて左ローを当てたガーブラントはアスンソンの右ローに右ストレートを合わせようとする。互いにローを蹴り、アスンソンが左ハイ、ガーブラントも左の蹴りを返す。ガーブラントが後ろ回し蹴りを見せると、アスンソンも同じ技を繰り出す。レベルチェンジのフェイクから右ローを蹴ったガーブラント、緊張感の高い攻防が続く。

ガーブラントが飛び込みながら右を放つと、アスンソンが右フックを合わせていく。ガーブラントがローの分リードし、初回は残り90秒に。構えを変えても前足を蹴られるアスンソンは、前に出た時にローを受けバランスを崩す。さらに鋭いワンツーを放つガーブラントは、右から左を狙う。最後の10秒で足を使ったガーブラントがポイント的には試合をリードしたか。

2R、「近づきすぎるな。小さく頭を動かすように」とマーク・ヘンリーのアドバイスを受けたガーブラントは、滑りこむようなローを繰り出す。アスンソンの後ろ回し蹴りに飛び込んだガーブラントは、バラランスを崩したアスンソンの立ち上がり際にハイキックを狙う。やや遠めの距離で試合を支配するガーブラントは、ローを引き続き入れる。右ミドルを決めたガーブラント、アスンソンは距離を詰めることができず回転系の蹴りを繰り返す。

アスンソンの右オーバーハンドをブロックしたガーブラントは、右ミドルを蹴り、左ローを入れる。スイッチから左ハイを蹴ったアスンソン、これもブロックしたガーブラントが前に出てワンツー、ガーブラントも下がらず打ち返す。左ジャブを当てたガーブラントだが、手数はやや少ないか。と、直後の右ストレートでアスンソンが手をマットにつく。立ち上がったアスンソンに左をヒットさせたガーブラントは、手をマットにつけてローを蹴る。頭を振ってワンツーを見せたガーブラント、これは届かなかったが動きは良い。

跳びながら右ミドルを蹴ったアスンソンが蹴り足を取られそうになり、足をぬく。一瞬間があった両者、アスンソンが右を打とうとした刹那──、思い切り体を屈めて反動を活かしたような右フックがモロに顔面を打ち抜く。失神KO勝ちで復活したガーブラントはサクラメントとニュージャージーのコーチ―の教えをミックスして戦った。情熱が戻った。バンタム級は炎上している。タイトルを取り返すことに凄くエキサイトしているよ」と話した。


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【UFC250】アルジャメイン・ステーリングがサンドハーゲンを98秒で絞め落とす!!!!

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def.1R1分28秒by RNC
コリー・サンドハーゲン(米国)

左右に回り右ハイを見せたサンドハーゲン。ステーリングは左の蹴りをキャッチして組んでいく。右を差し、崩してバックに回ったステーリングは寝技に持ち込む。サンドハーゲンの背中を反らせて、RNCに入るステーリング。ヒジを押し上げて防御したサンドハーゲンだが、四の字フックでしっかりと背中を制される。左腕を差しいれたステーリングは、そのまま絞め上げ──サンドハーゲンはタップと同時に落ちた。

最初のチャンスをしっかりと手にしたステーリングは「この国は素晴らしいけど、多くの変化が必要なんだ。特にマイノリティに関しては」と話し、「人生で最大の勝利だ。僕はセラBJJの『ブラック』ベルトなんだ。ジャマイカで初のUFCショーをやろう」と興奮を隠しきれずコメントした。これはピョートル・ヤンとの王座決定戦は決定か──。