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UFC300:オッズ/予想と展望

アレックス・ペレイラ 1.77
ジャマール・ヒル 2.10

ペレイラの初防衛戦。Glory王者ペレイラはUFC4戦目で当時の絶対王者アデサニヤを破りミドル級王者となったがダイレクトリマッチでKO負け。減量が厳しいことからライトヘビー級に階級を上げ、初戦でヤン・ブラホビッチのテイクダウンに苦戦したがスプリット判定勝ち。昨年11月に、負傷で王座返上していたプロハースカと王座決定戦で対戦し、グラウンドへの肘連打でKO勝ちして最短でのUFC2階級制覇を達成した。

ヒルはプロハースカが返上した王座を元王者テイシェイラを破って獲得したものの、UFC290のファイトウィークイベントのバスケットボールの試合で転倒しアキレス腱を断裂。長期欠場となりタイトルを返上した。今回が負傷以来9ヶ月、前回の試合からは1年3ヶ月ぶりの復帰戦。

両者ともストライカーだが、打撃勝負になればペレイラか。あるいはMMAを開始とともに柔術を始め、現在は茶帯ヒルの組技が見られるかもしれないが。

ペレイラKO勝ち。

ジャン・ウェイリー 1.20
ヤン・シャオナン 4.80

UFC初の中国人同士のタイトルマッチ。ストライカーから組みの強さもあるトータルファイターに変貌しているウェイリーに対し、打たれても引かない体の頑丈さが武器のシャオナンは、テイクダウンされるとリカバリーできずに押さえ込まれがちで、グラウンドに穴がある。

ウェイリー判定勝ち。

ジャスティン・ゲイジー 1.57
マックス・ホロウェイ 2.45

BMFタイトルマッチ。前戦でポイエーと対戦したゲイジーは、打撃でポイエーが優勢な展開から、2Rに右ストレートからの右ハイでKO勝ち。

ホロウェイはフェザー級ではヴォルカノフスキー以外には10年間無敗だったが、ヴォルカノフスキーに3連敗中で、タイトル挑戦の機運が高まらない中でポイエーとの暫定王座決定戦以来、ジャスト5年ぶりにライト級に挑むが、このタイミングでヴォルカノフスキーが王座から陥落し、フェザー級王座への挑戦の可能性も高まってきた。しかしこの試合に勝てばライト級でもトップランカーとなり、王者マカチェフに挑戦する話が出てきてもおかしくない。

ゲイジーKO勝ち。

チャールズ・オリベイラ 2.85
アルマン・ツァルキヤン 1.44

元王者オリベイラは昨年10月のアブダビ大会でマカチェフとのリマッチが組まれていたが、直前に目の上をカットし欠場。マカチェフが代役の挑戦者ヴォルカノフスキーに完勝したことで、オリベイラにそのまま次期挑戦権が残るかと思われたが、ブランクもあり強豪ツァルキヤンとの対戦に。

ツァルキヤンはUFCデビュー戦でいきなりマカチェフ戦だったが、マカチェフからテイクダウンを奪うなど、最も苦しめたといっていい内容で健闘。前戦ではベニール・ダリウシュを1RでKOし、ランキングも4位まで上昇した。

ゲイジー vs. ホロウェイの勝者とどちらが次期ライト級挑戦者になるか、試合内容でも争うことになる一戦。

ツァルキヤンKO勝ち。

ボー・ニッカル 1.05
コーディ・ブランデージ 12.00

全米レスリング王者ニッカルはここまでキャリア5戦すべてが1Rフィニッシュ勝利で、もっとも長かった試合でも2分54秒。対するブランデージは、今回の出場者の中で圧倒的に(唯一と言ってもいい)実績のない選手。おそらくニッカルとの対戦をランカークラスの選手が拒否しまくって回ってきたのだろうが、それは仕方ないとしてもメインカードとは。UFCで3連敗の後、ジェイコブ・マルクーンにもバックを取られて肘を打ち込まれ完敗の流れから、マルクーンの肘が後頭部に入り反則勝ちを拾うと、前回は腕十字を掛けてきた相手をスラムで叩きつけKO勝ち。ニッカル相手に勝つ要素はまったくないと思われるが、奇跡を起こせるか。

ニッカルKO勝ち。

イリー・プロハースカ 2.05
アレクサンダル・ラキッチ 1.80

プロハースカはテイシェイラからタイトルを獲得後、肩の大怪我で王座を返上。復帰戦がペレイラとの王座決定戦だったが、2Rにケージに詰めたところでペレイラのショートのパンチで効かされ、タックルに行ったところを肘連打で潰されてKO負けしUFC初黒星。

ラキッチはランキングを3位まで上げ、2022年5月に当時の1位ヤン・ブラホビッチと対戦。優位に試合を進めていたが、3Rにバックステップした際に膝前十字靭帯を断裂(ライトヘビー級怪我人多くない?)し、長期欠場。今回が約2年ぶりの復帰戦となるが、オッズは意外にもラキッチフェイバリット。

プロハースカ判定勝ち。

カルヴィン・ケーター 2.45
アルジャメイン・スターリン1.57

バンタム級王者スターリングのフェザー級復帰初戦。フェザー級で戦うのは13年ぶりだが、もともとバンタム級では減量がかなりきつく、フェザー級転向を常に考えている状態だった。初戦の相手は180cmの長身ケーターで、身長・リーチは前回敗れたショーン・オマリーと同じストライカー。ケーターも前戦で飛び膝から着地した際に膝を負傷して長期欠場しており、1年半ぶりの試合となる。

スターリング判定勝ち。

ホリー・ホルム 4.30
ケイラ・ハリソン 1.24

ボクシングとキックの世界王者だったホルムだが、最近はすっかりグラップリング主体に。しかし相手が柔道2タイムオリンピック金メダリストのハリソンでは分が悪い。原点に戻ってタックルを凌いでの打撃で勝負し、生涯最大の勝利だった柔道銅メダリストロンダ戦の再現なるか。

ハリソンは柔道時代は78kg級。MMAでも主戦場は約70kgのライト級で、フェザーに落としたことも1度しかない。果たしてバンタムまで落とせてちゃんと動けるのか。

ハリソン一本勝ち。

ソディック・ユサフ 2.20
ディエゴ・ロペス 1.70

ロペスはノーランカーだがUFCデビュー戦で無敗のモフサル・エフエロフ相手に互角に近い勝負をして、そこから2連続1Rフィニッシュ勝利し、今回がランカー初挑戦。期待の新星として記念大会に大抜擢された。

相手のユサフは前回初めてメインに登場し、エドソン・バルボーザから序盤にパンチでダウンを奪いKO寸前まで追い込んだが、攻め疲れして以降は盛り返され判定負け。オッズではロペスがフェイバリットになっている。

ジェイリン・ターナー 1.42
ヘナート・モイカ2.95

ライト級10位ターナー vs. 13位モイカノ。ふたりともそこそこハイアベレージだが、化け物揃いのこの階級だと10位~15位あたりから上がっていけない。元王者でも期待の新鋭でもない、ある種今大会唯一の普通の試合。

ジェシカ・アンドラージ 1.74
マリナ・ロドリゲス 2.14

女子ストロー級4位アンドラジ vs. 6位ホドリゲスで、セミのタイトルマッチのバックアップ要員とも思える試合。2人とも2連敗を前回の試合で勝って止めていて、すぐにタイトルに挑戦できるポジションではないが。

ボビー・グリーン 1.54
ジム・ミラー 2.54

2009年のUFC100、2016年のUFC200に続いての記念大会出場となるミラー。当然ただ1人の記録だが、UFC200からの連続出場もミラーのみ。今大会最年少27歳のツァルキヤンがUFC400に出られたとしても、15年後のUFC500に出るのは難しそうなので、当分この記録に並ぶ選手は出てこない。直近6戦5勝1敗で、2017年のポイエー戦以来7年ぶりのランカーとの対戦となる。

デイブソン・フィゲイレード 1.33
コーディ・ガーブラント 3.45

第1試合がフライ級元王者 vs. バンタム級元王者の対戦。前回バンタム転向初戦でランカーのロブ・フォントに判定勝ちしたフィゲイレードに、昨年12月の前戦でノーランカーに勝って7年ぶりの連勝としたガーブラントの対戦。しかしガーブラントが連勝した試合も内容では苦戦しており、全盛期の力が戻っているかは疑問。オッズにもそれが現れている。

第1試合開始は14日朝7時から。速報します。

 

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Оливейра про бой с Царукяном на UFC 300 и титульный шанс…

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UFC298:第2試合・オーバン・エリオット vs. バル・ウッドバーン

ウェルター級。

イギリスのエリオットはケージウォーリアーズでキャリアを積み、昨年8月のコンテンダーシリーズで勝利してUFCと契約。コンテンダーシリーズでは2Rにパンチを効かされグロッキーとなり、タックルを切られて腕十字で左腕を伸ばされるピンチから、3Rにタックルからのテイクダウンで凌いでの判定勝ち。本業は鉄道の保守・点検を行う保守鉄。26歳。

ウッドバーンは昨年8月のコンテンダーシリーズに出場予定だったが、UFC290でボー・ニッカルと対戦予定だったトレーシアン・ゴアがファイトウィークに入ってから欠場したことにより、急遽UFCデビュー。ローカルでは7戦全勝(5KO)だったが、準備不足もあってニッカル相手にはいいところがなく、序盤にパンチを効かされダウンし秒殺KO負け。身長173cmと背が低くがっしりした体型。前回のミドルからウェルターに落としての試合となる。30歳。

いきなり距離を詰めたウッドバーン。下がって様子見するエリオットに詰めていくが、エリオット組んで入れ替えると離れた。エリオットのハイキックがヒット!しかしウッドバーンがパンチを返して効いた!パンチの連打。距離を取って凌ぐエリオットを追いかけるウッドバーン。エリオットカウンターのタックル。テイクダウンするとバックにまわりあっさり両足フック。バックマウントからパウンド連打。チョークを狙うエリオット。なんとかディフェンスしているウッドバーン。亀のまま動けないウッドバーンだが、チョークだけは防いでいる。エリオットパウンドを入れて首が空いたところにチョークを狙ったが入らず。足のロックを解除して体勢を変えるエリオット。ウッドバーン向き直ったがハーフで押さえ込まれる。エリオット残り40秒でマウントに。肘連打。背中を向けたウッドバーンにまたチョーク。しかし首のディフェンスは固いウッドバーン。ホーン。

1Rエリオット。

2R。近距離でのパンチの打ち合い。めちゃめちゃにパンチを振り回すウッドバーンだがヒットもしている。距離を詰めたウッドバーンにエリオットタックル。受け止めたウッドバーンをケージに押し込むが、倒せず離れた。エリオットのハイキックをキャッチして倒したウッドバーン。すぐにバックに回ったが、エリオットスイッチして逆にバックに回る。また亀で止まってしまうウッドバーン。両足フックしてバックマウントから殴るエリオット。ここからのディフェンスは固いウッドバーン。チョークを狙うエリオットだが攻めあぐねる。残りわずかでバックから腕十字を狙ったエリオットだが、体勢に入る前にホーン。

2Rエリオット。

3R。パンチで出たウッドバーン。組み付いたエリオットがケージに押し込むが離れる。詰めていくウッドバーン。ジャブがヒット。右フックに合わせて組み付いたエリオットだがウッドバーン引き剥がした。エリオットちょっと消耗している。エリオットタックル。受け止めたウッドバーンだがエリオット足をクラッチしてテイクダウン。ハーフからマウントに。残り2分。エリオットはハリトーノフマウントの体勢からパウンドを入れるが、股をくぐって逆にバックに回ったウッドバーン。エリオット立ち上がりケージ際で正対。ウッドバーンタックルへ。倒せないがスタンドバックを狙う。しかし正対したエリオット。残り5秒で離れた。パンチで出るウッドバーンだがタイムアップ。

30-27×2、29-28の3-0でエリオット勝利。

UFCデビュー戦を勝利で飾ったエリオットだが、バックマウントから攻めあぐね、終盤はスタミナ切れ。満点とは言えない勝利だった。

ウッドバーン、近距離でパンチを振り回す勢いは良かったが、組まれてあっさりと下になると、首のディフェンスは固かったが脱出できず。3R終盤にグラウンドから抜け出すチャンスがあったが、あそこでタックルに行かず打撃で一か八かKOを狙うべきだったのでは。さすがにその体力がなかったのか。

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【Special】J-MMA2023─2024、平良達郎「堀口選手と交わる可能性もゼロじゃないんだ」

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【写真】我々にとって楽しみな試合が増えるということは、平良にとってタフな試合が増えるということ。2024年、平良はどこまでランクが上がるのか楽しみでならない(C)ZUFFA/UFC

2024年も早くも1カ月が過ぎようというなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、こらからの1年について話してもらった。
Text by Nakamura Takumi

J-MMA2023-2024、第十七弾はUFCでも5連勝し、ついに待望のランキング入りを果たした平良達郎だ。

UFCでの戦いも2年目を迎えた平良。ランキング外の選手たちからきっちりと勝利を重ね続け、そのレベルの選手たちには「負けないという自信が確信に変わった」1年を過ごした。本格的にスタートするランカーたちとの戦いに向けて、平良は何度も「ワクワクする」という言葉を使った。またUFC参戦を意思表示した堀口恭司や朝倉海についても訊いた。

■2023年平良達郎戦績

5月6日 UFN218
○1R4分20秒by 腕十字 ヘスウ・アギラー(メキシコ)

7月8日 UFC290
○3-0 エドガー・チャイレス(メキシコ)

12月9日 UFN233
○2R0分55秒by KO カーロス・ヘルナンデス(米国)


――2023年も3戦3勝と負けなしで終えた一年でした。平良選手にとってはどのような1年でしたか。

「UFCファイター、MMAファイターとして経験を積ませてもらった1年でした。戦ってきた相手はみんなランキング外。僕の方が有利と見られるような相手で、挑戦というよりも実力を証明する試合だったかなと思います」

――しっかり勝たなければいけない相手、勝って当然という気持ちもあったのですか。

「勝って当然というよりは、負けられない気持ちがありましたね。ずっとランキング戦をやりたいと言っている手前、ランキング外の選手に負けると、僕の言葉が軽いものになってしまうし、ここでこけたらまずいなという想いが毎試合ありました」

――一年を通じて自分ではどこが一番成長したと思いますか。

「自分のスキルを心から信頼できるようになったというか。UFCに初参戦した2022年は『世界はどのくらいなんだろう?』とか『フライ級の中でもどのくらいの立ち位置にいるんだろう?』というのが分からなかったのですが、UFCで5戦やってみて、UFC以外の他団体でベルトを持っているけど上位に入っていない選手には負けないというのが自信から確信に変わりました。今年はそれを持って上のレベルの選手にアタックしていきたいです」

――では前回12月のカーロス・ヘルナンデス戦を振り返っていただけますか。

「あの試合は米国にいるときに決まったんですけど、決まった瞬間から練習と試合でやることをリンクさせるように意識していました」

――試合でも練習でやっていることと差がないものをできた、と。

「はい。まさに練習通りに進んだと思います」

――個人的にはスタンドの重心が安定して、プレッシャーがよくなったように見えました。

「打撃に関しては変えないといけない部分が多くて、まだ変わりきっていないと思うんですけど、そこが試合では変わっているように見えたのかなと思います。僕自身はあとで振り返って『こんな打撃をやっていたんだ』と思いながら見ていて、自分の変化をあとで振り返ってみて気づくんです。細かいですがフェイントをかけて相手の反応を見たり、ディフェンスも徹底的に意識しているので、打撃の交錯そのものは多くなかったですが、そういった部分が構えの部分に出たのかなと思いました」

――実際に重心を意識した練習は取り入れたのですか。

「バランスや軸のぶれない打撃、そういうことの大切さには気づきました」

――またヘルナンデス戦前のインタビューでは「いかにグラウンドでダメージを与えるかを意識している」と言っていましたね。

「はい。でももっともっとパウンドを打ちたいですし、スクランブルでも上を取ったのに立たれちゃったんで(苦笑)。修正しなきゃいけないことはたくさんあるし、ケージレスリングで進化したところもあるので、それを次の試合を見せたいです」

――さて2024年についてですが、現時点で試合の予定はありますか(※取材は20日に行われた)。

「現時点では決まっていないです。希望としては3月にやりたいというリクエストはしているのですが、もう1月中旬なのですが、そこがどうなるかですね。それに合わせてトレーニングのメニューを決めようと思っています。相手によっては沖縄にスパーリングパートナーを呼ぶ必要もあるし、エレベーション・ファイトチームにも行こうと思います」

――待望のランキング入りも果たし、ここから本格的なチャレンジがスタートすると思います。

「間違いなくランカーと勝負できるという手応えもありますし、それと同時に試合になったら、そこを100パーセント勝つところまでもっていかないといけない。もうひと段階強くならないといけないですし、MMAの幅というかスタンドでもグラウンドでももっと武器と安定感が必要だと思います。だからやることはたくさんですね」

――こうしてお話を聞いていると非常に楽しそうなのですが、これからの試合にワクワクしていますか。

「はい。ここからは誰とやっても楽しいと思うので、今はワクワクしかないです」

――平良選手やMMAPLANETでも取り上げたジョシュア・ヴァンをはじめ、フライ級は下から上がってきた選手も多く、2024年は世代交代含めてフライ級が盛り上がる気がしています。

「ランキング戦が増えれば、ランカーのメンツも変わってくると思うし、入れ替わりが激しい1年になると思って…やっぱりワクワクしています(笑)」

――UFCの舞台で積みたいキャリアとは?

「一番は僕がUFCでベルトを獲る姿を見せたい。僕自身、エリートみたいな人間ではなくて、野球をやっていても人数が少ないチームでスタメンと控えの狭間みたいな選手だったんです。そんな僕みたいな普通の人間が努力やスキルで世界と勝負できること、そしてベルトが撮れることを証明したいです」

――大晦日RIZINで勝利した堀口恭司選手や朝倉海選手がUFCフライ級への参戦を示唆しています。そういった報道を目にして、どんなことを感じていますか。

「もしそういった選手たちがUFCに来てくれたら、UFCを見てくれる人も圧倒的に増えるでしょうし、仮にそうなったとしても、僕がそこでトップを張っていたいという欲はあります。もし戦う時が来たら僕もワクワクすると思います」

――ちなみに両選手の大晦日の試合はご覧になりましたか。

「率直に強いなと思いました。どちらもストライカーで一発がある、世界と勝負できる選手だと思います。ただ自分とやったらどうなるんだろう?というのは想像しますし、UFCに来たらどういうパフォーマンスになるのか楽しみです」

――完全に個人的&ファン目線で言うと平良選手と堀口選手がUFCで向かい合う時が来たら大興奮するでしょうね(笑)。

「ありがとうございます(笑)。実はメディアを通して、堀口選手がUFC復帰も考えているという話を聞いた時は、堀口選手と交わる可能性もゼロじゃないんだと思って、僕自身すごく熱くなったんですよ。これからどうなるか分かりませんが、僕も楽しみにしています」

――日本人選手たちがUFCに参戦してきたとしても、自分がトップでい続けたいですか。

「“日本人の中で”ではなくて“UFCの世界の中で”トップを張っていたいです。そこに日本人選手が絡んでくることがあったら、そこは僕も譲れないですね」


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【Special】J-MMA2023─2024、世羅智茂─01─「まずレスリングをやる。安易に下にならない」

【写真】強豪揃いのBチームでの練習——写真はニック・ロドリゲス、ハイサム・リダと(C)TOMOSHIGE SERA

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA 2023-2024、第六弾は昨年11月にADCCアジア&オセアニア予選の77キロ級3位となった世羅智茂に話を訊いた。全てはADCC世界大会出場のため――国内外を問わず毎月のように試合に出場した世羅は、海外での試合と練習を経て何を感じたのか。

■2023年世羅智茂戦績

3月26日 Gladiator021 Progressフォークスタイルグラップリング
○8-4 大嶋聡承(日本)

4月29日 Gladiator-Cup03
エリート-77.1キロ級 2位

5月27日 ADCC SouthEast Asia Open 2023
プロフェッショナル77キロ級 優勝

5月28日 AFG Open International 2023
アダルトプロ・アブソリュート紫・茶・黒帯ライト級 優勝

6月11日 Gladiator022  Progressフォークスタイルグラップリング
○2R1分50秒 by 肩固め 加賀谷庸一朗(日本)

7月8日 American National IBJJF Jiu-Jitsu No-Gi Championship
アダルト黒帯ライト級 準々決勝敗退

7月17日 Austin Summer International Open IBJJF Jiu-Jitsu No-Gi Championship 2023
アダルト黒帯ミドル級 3位

9月10日 QUINTET04
●2分13秒 by RNC PJバーチ(米国)

9月30日 Gladiator023  Progressフォークスタイルグラップリング
●2-4 森戸新士(日本)

11月25日 ADCC Asia & Oceania Trial 2023
77キロ級 3位
1回戦 ○肩固め キム・キュンジェ(韓国)
2回戦 ○8-0 アーロン・コミンスキー()
3回戦 ○5-0 シライ・ソウフィ(豪州)
準々決勝 ○2-0 シュ・ワイチン(中国)
準決勝 ●延長0-0/レフェリー判定 リース・アレン(豪州)
3位決定戦 ○3-0 シルクハン・バラトベク(カザフスタン)


――改めて戦績を並べてみると、とにかく試合数が多かった2023年です。もともと昨年はこれだけ試合数をこなしたいと考えていたのでしょうか。

「こんなに試合をするとは思っていなかったです。グラジエイターからプログレスのオファーを頂いたことは大きかったですね。2023年は『海外で試合をしたい』という目標を立てていました。どこに行くかは最初の段階で決めてはいなかったのですが、前に海外で試合をしたのはコロナ禍の前ですし、まず海外で経験を積みたいという目標があって。結果、3回も海外へ行くことができたのは――たまたまですね(笑)」

――というと?

「5月に出場した大会は、タイのバンコクで開催されたものです。これは最近オープンしたカルペディエム・バンコクのオーナーさんから『こういう大会があるのですが出ませんか?』と言われたことがキッカケでした。

まずADCCルールの大会は、自分もADCCアジア&オセアニア予選を目指していたので、ちょうど良いと思ったんですよ。翌日の大会は柔術の大会です。実は今年、あまり柔術の大会に出るつもりはなくて。でも翌日に開催されるし、タイで柔術の大会に出るのも良い経験かなと考えて出場しました。優勝すればカルペディエム・バンコクの宣伝にもなるかなと思い、結果的にどちらの大会も優勝することができて良かったです」

――現在、アジアでADCCルールのオープン大会が増加していますね。

「もともと世界各国で開催されていますが、なかでもアジアは増えてきています。僕が出たのはバンコクの大会で、確かプーケットでも行われているはずです(※2023年12月にプーケットでADCCタイ選手権が開催されているほか、プーケットオープンも存在する)」

――実際に試合をしてみて、タイのグラップリングレベルはいかがですか。

「タイ人の選手は、まだそれほどレベルは高くないです。でもグラップリングの人気は高くなっていると思いますね。特にタイ在住の外国人選手が出場するので、盛り上がっているという印象はありました」

――7月には米国ラスベガスで開催されたアメリカン・ナショナルに出場しました。

T-モバイル・アリーナ、300ドル席からの風景。ADCC世界選手権2024は、この会場で行われる(C)TOMOSHIGE SERA

「UFC290と日程が重なっていたので、参加者も多かったんだろうと思います。会場(ラスベガス・コンベンション・センター)もメチャクチャ大きくて。その大会後にUFCも会場で観てきました。UFCのチケット代は300ドル――今のレートだと日本円で42,000~43,000円ぐらいですか。席は会場の端のほうでしたけど(苦笑)。でも平良達郎選手も出場していましたし、こんな機会は滅多にないと思って観に行きました。日本大会とも違う現地のUFCを観ることができて良かったです」

――世羅選手にとっては久々の海外遠征となりましたが、米国のグラップリングに変化はありましたか。

マット12面のアメリカン・ナショナル会場(C)TOMOSHIGE SERA

「僕がコロナ禍の前に行った時はIBJJFのノーギ・ワールドに出たのですが、正直言ってノーギ・ワールドの盛り上がりは、それほど変わっていないと思うんです。それよりもADCCの注目度とレベルが上がっていて。

ムンジアルとノーギ・ワールドを比べると、ノーギ・ワールドの立ち位置って微妙なところはあるんですよ。たとえばムンジアルで優勝した選手が、ノーギ・ワールドには出ないけどADCCに出ていたりとか。だからといって、ノーギ・ワールドのレベルが低いというわけではないです。やはりグラップリング界の注目度はADCCのほうが高いとは感じますよね。そのADCCやUFCの人気が高まるにつれて、米国のグラップリングもそうですし、ノーギ・ワールドのレベルも上がっているんじゃないでしょうか」

――なるほど。アメリカン・ナショナルの1週間後にはテキサス州オースティンの大会に出場しています。

「アメリカン・ナショナルの後に、オースティンにあるBチームへ練習に行ったんですよ。Bチームにいるハイサム(・リダ)に連絡すると、チームも受け入れてくれました。ちなみに、オースティン・サマー国際にミドル級で出場したのは、減量しながらBチームで練習するのは嫌だったからです(笑)。結果は4名参加の初戦敗退で、負けメダルでした」

――Bチームで練習した感想を教えてください。

「当たり前の話ですけど――やっぱり皆が強いです。盛り上がりも凄いですし。まず単純に、ジムの会員さんが多くて。朝9時ごろから始まるクラスでも、30~40人が参加していました。昼からのクラスも同じぐらいの人数でしたね」

――グラップリングのみで、それだけの人数がクラスに参加するのですか。

元チームメイトであるハイサム・リダの協力を得てBチームへ。偶然も同じタイミングで、米倉大貴もB-チームに(C)TOMOSHIGE SERA

「はい。ニック・ロドリゲスやニッキー・ライアンといった有名選手も、一般会員さんと一緒のクラスでスパーリングに参加していました。そこで練習している会員さんたちも、かなり強い人がいます。特にしっかりレスリングができる人が多かったですね。もちろんレスリングが強くない人もいます。そういった人たちでも、まずレスリングをやろうとする。安易に下にならない、という姿勢で練習していました

もともとレスリングベースの選手も多いですよね。17歳でADCC北米予選を制したドリアン・オリヴァレスも練習に来ていて。彼はもともとレスリングのトップ選手なんですよ。体格的には66キロ級でも小さいほうなのに、レスリングを徹底していて強かったです。サブミッションになると、僕が極めることもありました。でもレスリングが強いし、体力も凄かったです。実際のトーナメントで対戦すると、シンドイ相手だろうなと思いました」

――世羅選手も2023年のテーマとして、レスリング力の強化を上げていました。

「そうですね。僕自身は大学のレスリング部や、レスリング専門ジムの練習に参加させてもらったりしていました。あと偶然のような話ではありますけど、最近はカルペディエムにレスリングをやっている方が練習に来たり、クラスでレスリングを教えに来てくださったり。そうしてレスリングと関わることが増えてきました。MMAファイターの方と練習する時も、何かしらレスリングに関することを学ぼうとしていましたね」

――それだけレスリング力の強化に取り組んできたのも、11月に開催されるADCCアジア&オセアニア予選のためだったのですか。

「そうです。練習だけでなくADCCとは異なるルールの試合でも、ADCCのことを考えながら取り組んできたものを試すように意識していました」

<この項、続く>

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F1 MMA MMAPLANET o Special UFC UFC290 アレッシャンドリ・パントージャ ダヴィッド・ドヴォルザーク ブランドン・モレノ ボクシング 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月:パントージャ✖モレノ「ゴールに向かって、どんな道筋を」

【写真】TUFも含め、パントージャはモレノを三タテにしたことになる(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Takumi Nakamura

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年7月の一番──7月8日に行われたUFC290でUFC世界フライ級選手権試合=アレッシャンドリ・パントージャ×ブランドン・モレノ戦について語らおう。


――今回水垣さんにはUFC290でのブランドン・モレノ×アレッシャンドリ・パントージャを選んでいただきました。

「実は今回UFCの仕事でファイトウィークに2人に事前インタビューをさせてもらったんです。それもあって普段とは違う見方で試合を見ることができました」

――タイトルマッチを控える選手をファイトウィークに取材するというのは貴重な体験ですね。2人にインタビューして、彼らの性格やパーソナリティはどうだったのですか。

「やはりファイトウィークの選手なので、どうしてもピリピリしていてしゃべってくれないんじゃないかと思って不安だったんですけど、どちらもいい感じで話してくれました。モレノの方は予定時間を大幅に過ぎるくらい話をしてくれて、パントージャの方は質問に対して必要なことを的確に応えるというスタンスで。キャラクターはすごく対照的でしたね」

――改めてモレノ×パントージャを選んだ理由を聞かせてください。

「事前に戦った2人を取材したこともそうですし、僕はパントージャが柔術ベースで、打撃の攻防になったらモレノがリードすると予想していたんです。そうしたら1Rに先にパンチでダウンを奪ったのがパントージャで、2Rにテイクダウンとバックを取ったのがモレノだった。そういう部分が自分の予想外の展開だったけど面白かったな、と。

今のMMAはどこか一つの部分を意識して戦うと、そこをスカされたり、その攻めが雑になると相手に上回られたり。各選手それぞれバックボーンはあるけれど、それが突出しているわけではなく拮抗している。自分が得意な分野はあったとしても、ちょっとした意識、警戒心、攻防の丁寧さ…そういった差で、自分の得意分野でも相手にやられる可能性があるというところが興味深かったです」

――選手のバックボーンが試合展開や勝敗に影響することが少なくなっていますか。

「特に軽量級はその傾向が顕著で、その極めつけがフライ級なのかなと思います」

――軽量級は選手のダメージの回復も早いですし、スタミナもフルラウンド維持することが出来る。一つの局面でフィニッシュにつながることが少ない分、より全局面でもスキルが試されるかもしれないです。

「はい。スタミナもそうですし、一発もらってもそれが致命打にならない可能性が高いので、よりトータルに戦えて、押さえるべきところを押さえて…がより重要になりますよね。MMAにおいては重量級と軽量級では見方が全く違うなと感じた一戦でした」

――バックボーンが試合に及ぼす影響が少ない分、モレノのようによりボクシングに特化した技術を使う選手が結果を出すようになったり、よりMMAで使える技術の幅が広がっているようにも感じます。

「MMAにおいて何が重要かを考えた時、重量級では打撃が強い、寝技が強い、レスリングが強い…に分かれると思うのですが、軽量級はその間の部分が勝敗を分けるように感じました。言葉で表現することが難しいのですが、自動車レースに例えるなら直線が速い、コーナーが速いだけじゃなくて、コーナーとコーナーのつなぎが上手いみたいな。そうしたMMAの奥深さが2人の試合や最近の軽量級の試合にあると思います」

――僕も上手く表現できないのですが「MMAはMMAが強い方が勝つ」と思っています。F1大好きな水垣さんは自動車レースを例えにMMAの特徴を話してくれましたが、僕の場合はサッカーに例えることが多いのです(笑)。いくらドリブル・パス・シュートが上手かったとしても、サッカーという競技そのものを理解していないと「サッカーが上手い」にはならない。

「分かります、分かります」

――そういった意味では今のトップ・オブ・トップで活躍している選手たちがMMAをどう捉えているかも気になるところで。仮に打撃で打ち負けていてもテイクダウンできるんだったらOKというマインドかもしれない。MMAではそれが正解かもしれないですよね。

「先ほどの話にもつながりますが、軽量級は一発で試合が終わらない分、そういった切り替えしも出来ますよね。僕がパントージャに『自分のどこがモレノより上回っていると思いますか?』と質問したときに、彼はその答えを濁したんですよ。試合前にそこは話したくないという雰囲気で。MMAでは自分が相手より勝っている部分、攻防を選手本人がどう捉えているか。そこが勝敗に影響すると考えているんでしょうね」

――なるほど。それが“MMA脳”というか“MMAセンス”にもつながりますよね。

「結局選手はどこで勝負するかをイメージしていて、そこにいくための前段階として、直球勝負でいくのか、他の攻防を見せておいて自分が勝負したいところにつなげるのか。MMAはその選択肢が多いなかで、自分が定めたゴールに向かって、どんな道筋を立てるのか重要だと感じました」

――この試合の判定がスプリットになったことはどうお考えですか。

「僕の判定はパントージャにつけたジャッジと全く同じだったんですよ。それでモレノにつけたジャッジを見てみると、モレノがダウンした1R以外はすべてモレノにつけていたんですよ。さすがにそれはないかな、と。ポイントのつけかたによってはスプリットになる可能性もあると思いますが、2~5Rすべてがモレノのラウンドというのはないと思いました」

――さて、フライ級はこれから日本人がUFCチャンピオンを目指す可能性が残された階級です。

「今のフライ級はトップ5くらいまで、ほぼほぼみんな差がないと思うんですよ。モレノとパントージャは接戦で、モレノと(前々王者の)フィゲイレドは勝ったり負けたりで。DJの時代があって、セフードの時代があって、というフライ級の歴史を考えると、今のフライ級は混沌としていてチャンスが多いと思います。具体的に言えば平良選手がこのトップ戦線の輪に入ったらどうなるのか楽しみですよね」

――ランキングこそあれど、今のUFCフライ級は序列がそこまではっきりしていない。

「DJの時代はDJが頭一つ二つ抜けていて、どんどん挑戦者がいなくなるから、色んな選手に挑戦権が回ってきたと思うんですよ。タイトルに挑戦できるという意味ではチャンスがあるけど、チャンピオン(DJ)の壁があまりにも高すぎた。でも今はトップ選手たちの差がない分、挑戦権が回ってくるチャンスは少ないかもしれないですが、ベルトを獲ることだけを考えると、DJの時代よりも可能性はあると思います」

――先ほどのパントージャ、モレノ、フィゲイレドのように相手との相性やマッチメイク次第では勝ち進んでいけるわけですからね。

「まだ平良選手は底が見えてないと思うんですよ。UFCの入り口から少し入ったところの選手には圧倒して勝つレベルにいることは証明したけれど、そこから先にいるランキングの選手たちとは戦っていないので。次戦でランカーのダヴィッド・ドヴォルザークと試合が決まっていますが、ここからどうなっていくのか楽しみです」

――今日の話をまとめると、軽量級にこそMMAという競技を考えるヒントがあるということですね。

「あとは自分が戦っていた階級と近いので技術体系が似ているというか、感情移入しやすいんですよね。どうしても重量級だと『そのパンチで倒れるの?』と思うこともあって、ちょっと自分が知っている世界とは違うものが出てくるので、僕の場合はすごく軽量級を楽しんで見ることができます」

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MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN49 UFC290 ジャック・デラ・マダレナ バシル・ホフェス

【UFC ESPN49】UFC290からスライドのマダレナがTDで苦戦も打撃でホフェスに勝利し、オクタゴン5連勝

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
Def2-1:29-28.29-28.28-29.
バシル・ホフェス(米国)

マダレナは7月8日UFC290の試合が中止となり、今大会へスライド。これが急きょのオクタゴンデビュー戦となるホフェスが、低い体勢で構えてからダブルレッグで飛び込み、リフトアップからマダレナに背中を着かせた。ホフェスの首を抱えるマダレナだが、そのままケージに押し込まれてしまう。上半身を起こしたマダレナに、再び背中を着かせたホフェスは立ち上がる相手のバックをうかがうも、マダレナが投げを打った。凌いだホフェスはバックコントロールへ。マダレナが正対すると、ホフェスは右ヒジを繰り出しながら離れた。

バランスを崩したホフェスが尻もちを着くも、後転して立ち上がる。立ち上がった瞬間にアッパーを突き上げたマダレナと、ホフェスがパンチで打ち合う。ここでホフェスはテイクダウンを奪うも展開できず立ち上がった。ケージを背にしたホフェスが、マダレナとの打ち合いからダブルレッグへ。ドライブしたホフェスは右を打ち込みながら離れる。ケージ中央で左ミドルを放ったホフェスに対し、マダレナがパンチを打ち込む。残り30秒でホフェスはシングルレッグからグラウンドに持ち込み、ハーフガードのマダレナに肩固めを狙うもラウンド終了のホーンが鳴った。

2R、距離を詰めてきたマダレナにダブルレッグで組みついたホフェスだが、テイクダウンできず。マダレナがバックに回ると、ホフェスが離れた。マダレナがホフェスにケージを背負わせ、パンチの連打を浴びせる。サウスポーにスイッチしたホフェスが右フックと左ストレートを返す。マダレナは左前蹴りでホフェスを下がらせた。ホフェスはダブルレッグからドライブしてケージ際へ。ボディロックに切り替えて頭をおっつけている。

右腕を差し上げたホフェスだが、マダレナが体勢を入れ替えて離れた。パンチを上下に打ち分けるマダレナに対し、ホフェスの動きが少し落ちた。右ボディから左ストレートに繋げたマダレナは、ホフェスのダブルレッグをスプロールし、マットに両手を着けた相手にパンチとボディへのヒザを突き刺していく。しかし起き上がったホフェスが再びテイクダウンを奪った。ハーフのマダレナに対し、左腕を枕にしてパスを狙う。マダレナの左手首をコントロールしながら、またも肩固めを狙いながらパスしてサイドに移行した。マダレナもすぐにハーフへ戻したものの、疲労が見られる。ホフェスが肩パンチを浴びせ、トップをキープしたまま2Rを終えた。

最終回、ホフェスがサウスポーに構える。距離を詰めてパンチを伸ばすマダレナに左ストレートを当てた。ケージを背負いつつもシングルレッグで飛び込んだホフェスだが、これはスプロールされてしまう。ケージ中央でホフェスがニータップで組みついた。マダレナをケージに押し込むも、差し返したマダレナが離れる。左右パンチを振るうホフェスだが、疲労か相手をしっかり見ることができていない。しかしマダレナもホフェスに組まれ、ケージに押し込まれてしまう。

ケージ中央でマダレナのパンチがヒット。動きが止まったホフェスにマダレナが左ストレートを浴びせる。さらにケージへ追い込んで右ボディから顔面へとパンチを繋げるマダレナに対し、ホフェスも組みつくが離されてしまう。残り2分でホフェスが顔面にパンチを受け、大きくグラついた。マダレナが左ボディを突き刺すと、シングルレッグを狙ったホフェスだが、マダレナにバックを奪われてしまった。

マダレナはバックマウントからホフェスの体を伸ばしにかかる。ホフェスは反転してトップへ。マダレナは左目尻から出血が見られる。立ち上がった両者、ホフェスが残り30秒で組みつきマダレナをケージに押し込んだ。しかしマダレナが切り返してトップに回り、試合終了となった。

タフファイトの末、3名のジャッジがいずれも1ポイント差のスプリットでマダレナが勝利した。これでオクタゴン5連勝となったマダレナは「こんな試合になるとは思っていなかった。ショートノーティスだし、ガスタンクは十分じゃなかったから腹を攻撃した。この次に繋がる勝利だ」と語った。


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o UFC UFC290 ニュース ランディ・ブラウン

UFC on ESPN49:セミファイナル・ジャック・デラ・マダレナ vs. バシル・ハファス

ウェルター級。マダレナ14位。

オーストラリアのマダレナはUFC4連続1Rフィニッシュ勝利中。ただしランカーとの対戦経験はなし。2月にUFC10勝4敗のランディ・ブラウンともうすぐランカー対決を行い、1Rチョークで勝ってランキング入りした。本来は先週のUFC290で初のランカー挑戦を行う予定だったが、相手のショーン・ブラディが欠場。初参戦の選手との対戦に切り替わったが、相手が試合前のMRI検査で脳の疾患が見つかり、手術のため欠場。マダレナはオーストラリアに帰国せずに別の試合機会を待ち、翌週にさっそく代わりの試合が組まれた。勝ってブラディと9月の地元シドニー大会での対戦を望んでいる。前回はキャリア2度目の一本勝ちだったが、14勝中11勝がKOでの勝利。26歳。

急遽UFCデビューが決まったハファス。日々ニュースをチェックし、ウェルター級の選手の欠場を見つけると、マネージャーに代役出場を希望する連絡をするという地道な努力が実を結んだ。先週、ミドル級のボー・ニッカルの相手が欠場した際にも連絡したとのこと。UFCデビュー戦でいきなりセミの登場、ランカーとの対戦。若い頃は生活が荒れており、ストリートファイトで逮捕されることもあったが、柔術のトレーニングを始めて更生した。31歳で8勝3敗1分け。

はファスいきなりタックル。尻でクラッチして担ぎ上げテイクダウン!ギロチンに抱えたマダレナだが、ハファスすぐにサイドに出る。マダレナまた立とうとするが、ハファススタンドバックに。払腰で投げたマダレナだが、なおもバックについているハファス。ケージで正対したマダレナ。ハファス離れた。じわじわ出るマダレナ。蹴りでバランスを崩したハファス。すぐにタックルに入る。マダレナまたギロチン。ハイエルボー。すぐに下になり外し、止まらず上を取ったハファス。サイドで押さえ込むが、マダレナ起き上がり立った。マダレナパンチで出る。ケージを背負ったハファスにパンチを打ち込むが、ハファスも打ち返す。マダレナ頭の動きがなくもらいそうでもある。またケージに詰めてパンチを打ち込む。ヒットしているがハファスもパンチを返す。タックル。またギロチンに抱えたがテイクダウンされハーフで押さえ込まれた。ハファス肩固めをセットアップ。肘を立ててディフェンスしているマダレナ。ホーン。

1Rハファス。マダレナ、試合に集中できていないか。テイクダウンを簡単に取られている。

2R。ハファスすぐタックル。しかし今度は脇をくぐってバックに回るとパンチを打ち込んだ。離れる。マダレナ詰める。ケージを背負ったハファスがバックブロー。お互いパンチがヒット。マダレナの強打も捕らえているが、それでも打ち返すハファス。タックル。ハファス今度は腕を差し込みディフェンス。離れた。またケージに詰めてパンチを入れるマダレナ。ハファスタックル。受け止めて膝を入れたマダレナ。またケージを背負うハファス。消耗している。ボディを打ち込むマダレナ。タックルもスピードがなく切られる。またタックル。マダレナ安易にギロチンで引き込んだが潰され下に。ハーフ。残り1分。がっちり押さえ込むハファス。足を抜いてサイドに出た。またハーフに。ホーン。

2Rはマダレナか。

3R。ボディ・顔面にパンチを入れて出るマダレナ。ハファスの返しもしっかり見てかわしている。タックルも切った。またタックル。ケージに押し込んだハファス。離れた。またタックル。止めたマダレナ。ハファスの打ち終わりで体が流れたところにパンチを入れるマダレナ。ハファス消耗しているが、マダレナも疲れがある。右がヒット!ワンツー。タックルを止めると左右のボディ連打。テンカオ。左右のボディ。またタックルに入るが切ったハファス。ケージに押しみまた左右のパンチ連打。タックル。切る。亀になったハファスからバックマウント。ハファス消耗しているが反転して上を取り替え位sた。マダレナヒップスローで返しながら腕十字狙い。外れたが立った。残り30秒。離れた瞬間にハファスタックル。マダレナキムラで返して上になるが時間がない。タイムアップ。

大健闘のハファス。マダレナ相手にUFCで初のフルタイム。

29-28、28-29、29-28のスプリットでマダレナ勝利。

2Rが割れたか?マダレナギリギリの勝利。先週の平良と同じく、一度試合が消滅した後すぐに勝って当然の相手との対戦が組まれたが、いつも通り戦うことができなかったか。それでもここで勝てたのは大きい。

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【UFC ESPN49】計量終了 平良達郎が認めた──アザット・マクスン、オクタゴン・デビューへ

【写真】注目はマクスンだが、タイソン・ナムのガリガリぶりはヤバい(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN49「Holm vs Bueno Silva」の計量が14日(金・同)に行われている。

メインで女子バンタム級5回戦=ホーリー・ホルム×マイラ・ブエノ・シウバの一戦が組まれ、コメインでは先週のUFC290でUFC初陣のジョザイア・ハーレルと対戦予定だったが負傷欠場で試合が流れたジャック・デラ・マダレナが、これもUFC初陣となるFury FCウェルター級王者バシル・ホフェスと対戦する同大会。計量失敗は1人もいなかった。


メインカードでは上記のカード以外に、MMA版の漢江の奇跡=ミドル級で6勝2敗という戦績を残すKTT所属のパク・ジュンヨン✖アルベルト・デュラエフに注目だ。パク・ジョンヨンにとって、今回のデュラエフ戦はUFCで2度目の4連勝へのトライとなる。

プレリミで気になるのは、なんといってもアザット・マクスンのオクタゴン初陣だろう。タイソン・ナムと対戦するマクスンはキャリア16勝0敗のカザフスタン人ファイターで、デンバーで出稽古を行っていた平良達郎が強いと認めている。

長いリーチを生かしたボクシング&レスリングが融合したスタイルで、11勝がフィニッシュと仕留める力を持つフライ級の新鋭。レスリング単体においては、同じくカザフスタンからBRAVE CF経由でUFCとサインしたアス・アルマバエフほどでない。ただし、打撃と相まったMMAテイクダウン能力は高く、スクランブルでのフロント系のチョークやバック奪取からのRNCへの流れと状況判断も秀逸だ。

しかし、マクスンが過去に戦ってきた相手は、当然のようにUFCレベルではない。仮に今回のタイソン・ナム戦で、これまでのような試合内容でフィニッシュできるようであれば、トップ15いやトップ10の力が既にあると考えられる──マクスンのUFCデビュー戦は見逃すことができない。

■視聴方法(予定)
7月16日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN49計量結果

<女子バンタム級/5分5R>
ホーリー・ホルム: 135.5ポンド(61.46キロ)
マイラ・ブエノ・シウバ: 136ポンド(61.69キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 171ポンド(77.56キロ)
バシル・ホフェス: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
アルベルト・デュラエフ: 185ポンド(83.91キロ)
パク・ジュンヨン: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ノルマ・ドゥモント: 145.5ポンド(66.0キロ)
チェルシー・チャンドラー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライト級/5分5R>
オットマン・アザイタル: 156ポンド(70.76キロ)
フランシスコ・プラド: 156ポンド(70.76キロ)

<ライト級/5分3R>
テレンス・マッキニー: 156ポンド(70.76キロ)
ナジム・サディコフ: 156ポンド(70.76キロ)

<フェザー級/5分3R>
タッカー・ルッツ: 146ポンド(66.22キロ)
メルシック・バダザリアン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
イステラ・ヌネスト: 115.5ポンド(52.38キロ)
ヴィクトリア・ダダコワ: 116ポンド(52.62キロ)

<フェザー級/5分3R>
オースティン・リンゴ: 145.5ポンド(66.0キロ)
メルキザエル・コスタ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
ヘナロ・ヴァルデス: 156ポンド(70.76キロ)
エヴェン・エルダー: 156ポンド(70.76キロ)

<フライ級/5分3R>
タイソン・ナム: 126ポンド(57.15キロ)
アザット・マクスン: 126ポンド(57.15キロ)

<ライト級/5分3R>
カール・ディートン3世: 156ポンド(70.76キロ)
アレックス・ムニョス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
アシュリー・エヴェンズスミス: 135.5ポンド(61.46キロ)
アイリン・ペレス: 135.5ポンド(61.46キロ)

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MMA o ONE UFC UFC290   アレッシャンドリ・パントージャ ブランドン・モレノ

『UFC 290』アレッシャンドリ・パントージャ vs. ブランドン・モレノを見たファイター・関係者の反応

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 『UFC 290: Volkanovski vs. Rodriguez』アレッシャンドリ・パントージャ vs. ブランドン・モレノを見たファイター・関係者のツイッターでの反応。続きを読む・・・