カテゴリー
JJ Globo Report WNO06 クレイグ・ジョーンズ ブログ ホナウド・ジュニオール

【WNO06】クレイグ・ジョーンズ、どれだけ警戒されても内ヒールでホナウド・ジュニオールを一蹴

2月26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベントが開催された。ノーポイント&サブオンリー&判定有りにして、世界超一流の組技師がズラリと顔を揃えたこのグラップリング大会から、クレイグ・ジョーンズ✖ホナウド・ジュニオールの試合をレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ195ポンド契約/15分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def. 4分15秒by 内ヒール
ホナウド・ジュニオール(米国)

試合開始後すぐに座ったジョーンズは、そのまま前に出る。対するジュニオールは足を絡まれるのを警戒してか、腰を引いてあまり積極的に接触を試みない。

両者の距離が詰まると、ジュニオールはニースライスを試みる素振りに出る。が、ジョーンズが侵攻してくる膝を取りにゆくと、すぐに距離を取って下がった。

その後もジョーンズが下から手足をジョーンズの足に絡めようとするたびに、ジュニオールが露骨に嫌がって距離を取るシーンが続く。

あまり攻防らしい攻防がないまま3分が過ぎた頃、接近したジョーンズはジュニオールの左足を内側から掴んで引き寄せて密着することに成功。さらにジョーンズは取った左足に背後から自らの左足を絡め、前に崩しながら50/50の形を作ってみせた。

当然足関節を警戒するジュニオールは、捕らえられた左足と右足を組んでディフェンス。が、ジョーンズはまずその右足をストレートレッグロックのグリップで捕まえて伸ばして隙間を作ると、ジュニオールの両足の間に左腕を滑り込ませて内ヒールへ。ジュニオールはすぐにタップした。

これだけ警戒されながらも、必殺の内ヒールをあっさり極めてみせたジョーンズ。道着着用の柔術において19年に茶帯世界王者に輝き、黒帯初参加でパン大会を制したジュニオールのような逸材でも、一度形に入ったらなすすべもなくやられてしまう。近年のノーギグラップリングにおける足関節技術の進化の度合いを、いま一度証明するようなジョーンズの完勝だった。


The post 【WNO06】クレイグ・ジョーンズ、どれだけ警戒されても内ヒールでホナウド・ジュニオールを一蹴 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
JJ Globo Report WNO06  グラチアン・サジンスキ ゴードン・ライアン ブログ ロベルト・ヒメネス

【WNO06】組技界のMr.パーフェクト=ゴードン・ライアンがヒメネスに一本勝ちし、ガルバォンに張り手!!

2月26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベントが開催された。ノーポイント&サブオンリー&判定有りにして、世界超一流の組技師がズラリと顔を揃えたこのグラップリング大会から、サブオンリー界一の強豪ゴードン・ライアン✖ポイント柔術を称してサブオンリーに挑むロベルト・ヒメネスの戦をレポートしたい
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ・30分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
Def. 10分53秒by 腕十字
ロベルト・ヒメネス(米国)

試合開始後座ったライアンは、下から無造作にヒメネスの首を抱えて横に崩すと、当時にバタフライフックで跳ね上げてのスイープへ。なんとかこらえたヒメネスだが、次にライアンはヒメネスの右足を外側から腕でフックして引き出すと、自分の右足を外からヒメネスの左足に絡めて三角ロックを完成。そこからヒールを狙うかと思いきや、ディフェンスに入ったヒメネスの上を取ってみせた。

立ち上がってニースライスを狙うライアン。が、ヒメネスも足を利かせて対処し、ライアンの右足にデラヒーバで絡む。ライアンはその足を押し下げてのパスを狙うが、ヒメネスも足を効かせて守る。するとライアンは淀みない動きでヒメネスの足を捌いて左右に動き、そのまま低く体重をかけてゆく。ヒメネスがどれだけ巧みに守ろうとも、ライアンはその巨体から多彩なパスを静かで隙のない動きで次々と繰り出してくる。恐るべしだ。

そんなライアンの上半身の侵攻を、左のニーシールドでなんとか止めるヒメネス 。が、ライアンはゆっくり隙間を潰してプレッシャーをかけ、ハーフで胸を合わせることに成功。さらにライアンは巨大な肩でヒメネスの首を圧迫し、ワキを差す。理詰めにして隙のない動きでヒメネスの上半身の動きを完全に止めたライアンは、足を抜いてサイドを取ってみせた。

あいかわらずヒメネスの首を殺しているライアンは、全く隙間を与えず低くプレッシャーをかけたまま、ニーインザベリーからマウントに。差している左ワキをこじ開けにかかるが、ヒメネスはブリッジで跳ね上げてなんとか回避。さらにヒメネスはバンプして隙を作ってエビで逃げようとするが、ライアンのマウントは崩れない。

やがて再び体勢を低くしたライアンは、ヒメネスの両ワキを差し、静かにゆっくりとこじ開けて両腕を上げさせてゆく。やがてワキが完全に開いたとみるや、ライアンはそこに自らの右脚を捻じ込みいわゆるSマウントを完成。そのまま孤立させたヒメネスの右腕をがっちり掴み、腕十字で伸ばしにかかる。きわめてタイトな仕掛けだったが、ライアンが極めるために倒れ込んだ瞬間、ほんの少しできた隙間を突いて体を起こすヒメネス 。さらにヒメネスは動き続け、完全に右腕を伸ばされながらも腕十字から脱出。上のポジションを奪い返してみせたのだった。

が、下も得意のライアンは、慌てず騒がずヒメネスの右足に両足を絡ませる。さらにライアンが左足に手を伸ばしたところで、ヒメネスが上からダイブしてバック狙いへ。が、すぐに反応して距離を取ったライアンが上になる。と、ヒメネスはすかさずクローズドガードを取ってみせた。

すぐに立ったライアンに対して、ヒメネスはガードを開いてインヴァーテッドの形に。ここでライアンはヒメネスの内側に両腕をこじ入れて体重をかけると、すかさず左側にパス。これを嫌がって背中を向けたヒメネスは、すぐに前転してスクランブルから上を狙うが、ライアンも反応してそれをがぶる。ライアンの多彩かつきわめて完成度の高いパス攻撃に、ヒメネスが持てる力を振り絞って対抗する素晴らしい攻防だ。

さらにヒメネスの背後を狙うライアン。が、ヒメネスも反応して正対。立ち上がったライアンは、ヒメネスの両足首を掴んで捌くと、寸分も無駄のない動きで左足をステップ。ヒメネスの鼠蹊部を超えてニーオンザベリーに入ると、そのままマウントを取ってみせた。一言、圧巻の動きだ。

胸を合わせたゴードンは、再びヒメネスの両ワキを差して開けさせる。一度目はだいぶ抵抗できたヒメネスだが、今回はあっさりとワキを開けさせられてしまう。またしてもSマウントを作ったライアンは、先ほどとほぼ同じ形で右腕を伸ばしての腕十字へ。今回もなんとか体を起こしてエスケープを試みたヒメネスだが、ライアンが強烈に極めるとタップアウト。試合開始から、約11分ほどのことだった。マットに倒れたまましばし右腕を抑えていたヒメネスだが、やがて立ち上がりライアンと健闘を称え合った。

まさに世界最強のノーギ・グラップラーの名にふさわしい強さを見せつけたゴードン・ライアン。足関節技が脚光を浴びがちだが、パスガードの多彩さと動きの無駄のなさ、その後フィニッシュに至るまでの動きの一つ一つの隙のなさ、完成度の高さが群を抜いている。

芸術的なまでの強さを見せつけたライアンだが、試合後のインタビューでは、来月のWNOにおける相手が因縁のあるヴァグネウ・ホシャに決定したという発表を受け「あんな奴、好きなだけ一方的にいたぶって、飽きたらフィニッシュしてやるよ」とトラッシュトーク。さらに試合後の舞台裏では、(次回のADCC世界大会のスーパーファイトで対戦予定の)アトス総帥のアンドレ・ガルバォンと罵り合あった挙句に張り手一発。乱闘寸前の騒ぎまで引き起こしてみせた。

圧倒的な技術的完成度と、人間的な未完成さ。良い意味でも悪い意味でも、ゴードン・ライアンが現在のグラップリング界の主役であることは間違いない。


The post 【WNO06】組技界のMr.パーフェクト=ゴードン・ライアンがヒメネスに一本勝ちし、ガルバォンに張り手!! first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
JJ Globo Report WNO06 ギャビ・ガルシア ナチアリ・ディ・ジェスス ブログ

【WNO06】パワフル&アグレッシブなギャビの攻撃を耐え、ポジション奪取でナチアリが快勝

2月26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベントが開催された。ノーポイント&サブオンリー&判定有りにして、世界超一流の組技師がズラリと顔を揃えたこのグラップリング大会から、女子ノーギ戦=ナチアリ・ディ・ジェスス✖ギャビ・ガルシアの一戦をレポートしたい。

<ノーギ/15分1R>
ナチアリ・ディ・ジェスス(ブラジル)
Def. 3-0
ギャビ・ガルシア(ブラジル)

試合開始後、気合十分のギャビが突進してナチアリを場外まで押してゆく。ブレイク後、ナチアリが座ってギャビをクローズドガードに入れる。すかさず立ち上がったギャビに対して、ガードを開いて左足にデラヒーバで絡むナチアリ。ここでギャビはナチアリの左足を抱えると、吊し上げるようにしてスタンディングアキレスに。

ナチアリは内側からギャビの左足を抱え、前に崩す。が、ギャビも体勢を戻し前に体重をかけてナチアリを二つ折りに。ここでナチアリは背中でマットを回って正体し、ギャビの右腕を超えて三角の形を作りかける。だがギャビは素早く反応して体重を前にかけ、再びナチアリを二つ折りにしていく。

ナチアリがなんとか押し戻すと、ギャビがそのままナチアリの左足を取ってのストレートフットロック狙い。深く入っているが、ナチアリはタップしない。ならばとギャビは外ヒールに移行する。フックが外れるとギャビは立ち、ナチアリの絡む足を押し下げて右にパス狙い。だがナチアリは左腕を伸ばしてガビの巨体を止め、ガードに戻してみせた。ここまで3分。ギャビ圧巻の連続攻撃をナチアリが凌ぐ凄い展開だ。

一旦座ったギャビだが、ナチアリが立とうとうすると、すかさず突進して上を確保。ナチアリがまたしてもギャビの左足に絡むと、ギャビは左足を掴んで押し下げようとしてから、前に倒れ込んでのトーホールド狙いへ。が、ナチアリは回転して防ぎ、上のポジションを奪取した。

しかし、クウォーターでナチの右足に絡んだギャビはすぐにディープハーフに。そのまま横回転を続けると、あっさりスイープを成功させて上を取り返してみせた。

ナチアリのガードの中から立ち上がったギャビは、ガード開くと今度は右足を取ってストレートフットロックで前に倒れ込む。ナチアリのガードへの今回のギャビの作戦は、パスガードではなく足関節狙いのようだ。ナチアリは外ヒールで逆襲。それが極まらないとみるや、ナチアリは50/50の形から内ヒールへ。深く入っているかのように見えるが、ギャビは全く意に介さずフットロックを仕掛け続けている。結局両者とも極めきれず、半分が経過した頃にお互いが立ち上がった。

試合開始後のアグレッシブな姿勢を失っていないギャビは、前に出て二度ほどナチアリを場外に押し出す。やがてナチアリが座ると、ギャビはその左足を抱えてまたしてもストレートフットロック狙い。それを嫌ったナチアリが背中を向けて立とうとすると、ギャビは背後から組みついて倒しにかかるも、場外ブレイクに。

再開後、クローズドガードを取ったナチアリに対し、立ち上がったギャビは左方向に片足担ぎ。それをナチアリが防ぐと、ギャビは三角絞めをもらう心配を一切していない様子で、右腕を中にこじ入れて低く体重をかけてのスタックパス狙い。距離を作って防いだナチアリが立とうとすると、ギャビはすかさず距離を詰めて上をキープした。

残り3分。再び立ち上がったギャビに対し、ナチアリは内側から腕をひっかけて左足を引き出す。が、座り込んだギャビはここもストレートフットロック狙い。ナチアリはトーホールドで逆襲。双方極めることはできず、両者上を狙うが、ここでも上になったのはギャビの方。大きな体格差があるとはいえ、ここまでスクランブルでは必ずギャビが上回っている。

ナチアリは再びギャビの左足に絡み、デラヒーバからバックを狙う。が、正対したギャビはすぐにまたストレートフットロックに。極まらないと見るや外ヒールに移行するギャビだが、ヒザの支点をずらして回転して逃れたナチアリは、そのまま背中を向けたギャビの上に。そのまま襷掛けのグリップを作ったナチアリは、残り2分の時点で両足フックを入れてバックの奪取に成功した。

さらにギャビの巨体を伸ばしたナチアリだが、ギャビは動いてクウォーターガードに持ち込む。ナチアリはギャビの左腕を取りにゆくが。ギャビはブリッジから上を取り返した。再び下になったナチアリだが、ここまでギャビの猛攻を凌ぎ続けた末に、バックテイクというビッグポイントを奪って形成逆転に成功したのだった。

残り1分。立ち上がったギャビはまたしてもストレートフットロックへ。が、ナチアリはそれに乗じて上に。さすがにこれだけ同じことを続けると対応されてしまう。下になったギャビはハーフガードで絡みつつ、腹這いになる守りの体勢に。ここでナチアリは上からギャビの首に腕を回してプレッシャーをかけ、背中を付けさせる。ギャビの上半身を制したナチアリが、足を抜いてパスの体勢に入りかけたところで試合が終了した。

15分間持てる力を出し尽くす激闘となった女子頂上決戦の判定は、3-0でナチアリに。前半のギャビの猛攻を凌ぎ、終盤にバックテイクを決め、さらにハーフからドミネイトしたことを考えても、妥当な裁定だろう。これでナチアリはギャビ相手にギ&ノーギで2連勝をマーク。名実ともに組技界の新女王の座を確立した。

敗れたギャビだが、体格差を利用した上からの膠着を狙うことなく、終始積極的に仕掛け極めを狙っていった姿勢は称賛に値する。滅多に下にならない彼女が見せた、ディープハーフからのスイープも見事だった。今回は新旧対決に敗れてしまった形となったが、パスガードや足関節の技術的精度を上げることで、さらなる進化は十分可能だろう。


The post 【WNO06】パワフル&アグレッシブなギャビの攻撃を耐え、ポジション奪取でナチアリが快勝 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
JJ Globo Preview WNO06 エドゥイン・ジュニー・オカシオ ジオ・マルチネス ブログ

【WNO06】リベンジなるか。10thPlanetのジオ・マルチネスがムリーロ・サンタナ門下オカシオと対戦

【写真】WNO05ではケネディ・マシエルに敗れており、連敗は許されないジオ (C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベント=WNO06が無観客で開かれる。

ノーポイント&サブオンリー&判定有りグラップリング大会、ここでは日本でも鮮烈な活躍をした10th Planet柔術の申し子=ジオ・マルチネスとエドゥイン・オカシオの一戦の見所を探ってみたい。
Text by Isamu Horiuchi


<ノーギ>
ジオ・マルチネス(米国)
エドゥィン・ジュニー・オカシオ(米国)

マルチネスは、エディ・ブラボー主宰の10th Planet柔術所属。元プロのブレイクダンサーという変わり種で、柔軟かつ強靭な身体をもって、ブラボーの独創的な技術体系を体現。特に背中でマット上を自在に回ってのトラックポジション奪取を得意とする。さらにベリンボロ等のモダン柔術や近年の足関節技術革命を吸収した独自のスタイルで戦う、北米のサブミッション・オンリー・ムーブメントを代表するノーギグラップラーだ。

日本でも2018年のQUINTET02にて、軽量級ながら石井慧の猛攻を凌いで引き分け、さらにハイサム・リダをギロチンで仕留めて大いに名を挙げた。

対するオカシオは、ユニティ柔術でムリーロ・サンタナに学ぶ米国出身のノーギグラップラー。先輩であるミヤオ兄弟譲りのオープンガードゲーム、師匠譲りのプレッシャー・パスを得意とし、さらに足関節の取り合いにも強い。

黒帯を取得した19年8月に行われたKasai Pro 6では、予選リーグで今成正和の足関節狙いを危なげなく対処、要所でポイントを稼いで9-1で勝利している。さらに同予選リーグではマルチネスにも2-0で殊勲の星を挙げて決勝へ。同門の先輩、ジョアオ・ミヤオとの接戦に敗れたものの、堂々の準優勝を果たした。

上述の前回の両者の対戦は、引き込んだオカシオに対し、マルチネスが上からバック取りを仕掛けていたが、それを凌がれて下になって早々に失点。そのポイントをオカシオが巧みなガードワークで守ることに専念して6分が経過したという内容だった。が、今回のルールでは当然のようにポイントはカウントされないサブオンリーだ。お互い極めを狙って攻撃を仕掛け合うよりダイナミックな攻防が期待できるだろう。

The post 【WNO06】リベンジなるか。10thPlanetのジオ・マルチネスがムリーロ・サンタナ門下オカシオと対戦 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
JJ Globo Preview WNO06 ギャビ・ガルシア ゴードン・ライアン ナチアリ・ディ・ジェスス ブログ ロベルト・ヒメネス

【WNO06】クレイグ・ジョーンズ、ゴードン・ライアン──そしてギャビ・ガルシアの競演!!

【写真】男女世界最強の競演が実現する。なんなら、対戦しても良いかと (C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベント=WNO06が無観客で開かれる。

ノーポイント&サブオンリー&判定有りグラップリング大会、まずは195ポンド(※88.45キロ)契約/15分✖1Rでクレイグ・ジョーンズとホナウド・ジュニオールがメインで組まれた今大会から、この他の注目カードをプレビューしたい。


<ノーギ・30分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

当初出場予定だったニッキー・ライアンの負傷を受け、代打出場に名乗りを挙げたのが兄のゴードン・ライアン。17年のADCC世界大会の88キロ以下級を制し、2年後の世界大会では99キロ以下級と無差別級を完全制覇。特に無差別級決勝では、ブシェシャことマーカス・アウメイダに勝利。現在自他共に認める世界最強のノーギ・グラップラーだ。

巨大な筋肉の鎧を纏う大男のゴードンだが、その戦い方はきわめて落ち着き払った理詰めなもの。強固極まりないニーシールドやバタフライガードを駆使して相手を崩してバックを奪い、または必殺のインサイドサンカクの形を作って足関節で仕留める。

18年にヴィニー・マガリャエスにレフェリー判定負けして以来、超一流選手たちと40試合近くのグラップリングマッチを戦い全勝。一本勝ち率の高さも際立っている。師匠ジョン・ダナハーが育成を目指しているという、全局面に強い究極の「スーパーグラップラー」に最も近い存在だ。

対するヒメネスは、昨年黒帯を取得するとともに、瞬く間に世界のトップグラップラーの仲間入りをした20歳。今月のBJJ Stars 5ではイザッキ・バイエンスに0-4で敗れたものの、迅速の内回りでバックを取りかける等、見せ場を作ってみせた。

体格的にも実績的にも不利は否めないヒメネスだが、今回のルールは、先日のバイエンス戦とは異なりサブミッション・オンリー。ポイント計算などせず、世界最強のゴードン相手に自分の潜在能力の全てをぶつける絶好の機会だろう。

最後に、この試合に向けたゴードン本人のコメントを紹介しよう。

「(自分とヒメネスのように)お互いフィニッシュを狙う二人の選手同士の試合ほど面白いものはないよね。普段の僕の試合は、ひたすら膠着してこようとする相手にいかに対処するか、いかに奴らを下にして柔術で戦わせるかに基づいたものになってしまう。ロベルトが相手なら、そこを気にかける必要がないんだ。彼はクレイグ(ジョーンズ)のような危険な相手にすら、ひたすらフィニッシュを狙って攻め込むような選手だからね。この試合には本当にワクワクしているよ」

<ノーギ>
ギャビ・ガルシア(ブラジル)
ナチアリ・ディ・ジェスス(ブラジル)

ガルシアは、2010から2013年にかけて世界柔術女子最重量級と無差別級の両方を制した元絶対女王(13年は薬物検査で陽性が出たため後にタイトル剥奪)。188センチの長身に巨大な筋肉を纏い、女子柔術の世界では群を抜いた体格の持ち主だ。その強さはノーギでも遺憾無く発揮されており、ADCC世界大会では 2011、2013、2017、そして2019と最重量級を制している。

対する現在25歳のディ・ジェススは、2017年から2019年の柔術世界王者。ラッソーガードを得意とし、17年はミディアムヘビー級で。18年と19年はヘビー級を制し、さらに無差別級決勝ではで世界5連覇のビア・メスキータと頂上決戦。前半にラッソーガードから取ったスイープのポイントを守り切って勝利した。

この両者はこれまで道着着用ルールで2度対戦。一度目のパン大会無差別級決勝では、ガルシアがディ・ジェススのラッソーを圧力で潰して背中に付きかけてアドバンテージを奪って勝利した。

が、両者は同年のF2Wで再戦。この時はディ・ジェススがオープンガードからガルシアの腰を蹴って前に崩し、さらに足関節合戦でも優位に立ち、最後は下から三角絞めを仕掛けて腕固めの体勢まで作って見せて判定3-0で完勝、文字通りのジャイアント・キリングを達成して会場を興奮の坩堝に叩き込んだ。これがガルシアのここ5年間における唯一の敗戦だ。

1勝1敗の両者の対戦は、初のノーギマッチ。手首を掴めず得意のラッソーガードを使えない状態で、ディ・ジェススがどのようにガルシアの圧力をかわしてゆくのかが焦点となるだろう。

The post 【WNO06】クレイグ・ジョーンズ、ゴードン・ライアン──そしてギャビ・ガルシアの競演!! first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
JJ Globo News WNO06 クレイグ・ジョーンズ ブログ ホナウド・ジュニオール

【WNO06】クレイグ・ジョーンズが見逃せない、一瞬の切り返し系の極め=ホナウド・ジュニオールと対戦

【写真】石井慧戦ではウェルラウンダーとしての強さを見せていたクレイグだが、IBJJF系の大会でしっかりと結果を残してきたホナウド・ジュニオールとの対戦は非常に楽しみだ (C)SUG

2月26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベントが無観客で開かれFlo Grapplingでライブ配信が行われる。

全7試合が予定されているノーポイント&サブオンリー&判定有りグラップリング大会、まずは195ポンド(※88.45キロ)契約/15分✖1Rでクレイグ・ジョーンズとホナウド・ジュニオールの対戦が決まった。


クレイグ・ジョーンズはいわずと知れた新世代グラップリング界の雄、昨年末にはSUGに連続出場しブレント・プリマス、石井慧を連破している。WNOは2度目の参戦で、2大会前のWNO04 でロベルト・ヒメネスを内ヒールで下している。

1年でSUGに6度出場、WNOを合わせてワンマッチばかりで7試合、メイソン・ファウラーにOTで2度敗れたもののコロナ禍=2020年も精力的にグラップリングシーンをクレイグはリードしてきた。

対するホナウド・ジュニオールはアンドレ・ガルバォンの黒帯で、パンデミック後活動を再開した柔術シーンではIBJJFのパン、パン・ノーギで優勝している2018年紫帯、2019年茶帯のムンジアル王者だ。

クレイグは全てにおいて能力が高いが故に足関節を極めることができるグラップラー。対するジュニオールはトップで強いプレッシャーを持つ。立ち技も力強く、崩や投げで腕を奪うとパスからバックやサイドとコントロールも絶品だ。

だけでなくガードワークもトルネードスイープを見せたかと思いきや、50/50のように転がって立ち上がる系リバーサルも、ATOSらしい巧妙だ。ノーポイントは下の方が引き出しが多いというなかで、トップの強さを持つジュニオールだからこそ、上になる方法も注目したい。

加えてノーポイントを考慮すると、怖いのがジュニオールの一瞬の切り替えし系のサブミッションだ。エスティマロック、足に注意を行かせて頭を刈って腕十字──等々、クレイグの足や腕を破壊することも十分にありうる。

クレイグとしては、トランジッションとしてサドルから多岐にわたる仕掛けを持つがゆえに、段階を踏んで攻めるスタイルだけにジュニオールの一瞬の切り返しに要注意が必要だ。

The post 【WNO06】クレイグ・ジョーンズが見逃せない、一瞬の切り返し系の極め=ホナウド・ジュニオールと対戦 first appeared on MMAPLANET.