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Report UFC UFC259 アスカル・アスカロフ ジョセフ・ベナビデス ブログ

【UFC259】アスカロフが打撃の間合い、TDのタイミング、寝技のコントロールでベナビデスに圧勝

<127ポンド契約/5分3R>
アスカル・アスカロフ(ロシア)
Def.3-0:30-26.30^-27.30-27
ジョセフ・ベナビデス(米国)

まず右前蹴りを腹に入れた、体重 1ポンドオーバーのアスカロフ。ベナビデスはスイッチすると、アスカロフはオーソドックスに構える。すぐにサウスポー✖サウスポーになると、ベナビデスがオーソに。ここでアスカロフがローを蹴り、ベナビデスがサウスポーに戻す。

その後もベナビデスは構えを小刻みに変え、右フックに右を合わせ、踏み込んで左ストレートを当てる。さらに左ロングを入れたベナビデスだが、ローに右をカウンターで受ける。カーフの蹴り合いから、アスカロフが踏み込みにフックを被せようという動きを続けたかと思うと、自らアクションを起こして左フックを当てる。残り1分を切り、右ジャブを入れた直後に組みついてバックに回ったアスカロフは、テイクダウンからスクランブルでもボディロックで上を取り切り、バックへ。残り10秒で、体を伸ばされたベナビデスは、時間に救われた。

2R、ベナビデスが左カーフ。右フックを振るうアスカロフに果敢にパンチ勝負を挑むが、その右フックを被弾し劣勢に。左目の下をカットしたベナビデスはボディロックテイクダウンを奪われると、バックを譲る。立ち上がって胸を合わせたいベナビデスに対し、アスカロフは大きくリフトして後方にテイクダウンを奪う。

ベナビデスは。背中を取られたままで立ち上がり、またボディロックから持ち上げられテイクダウンを許す。ここでアスカロフは四の字フックに入り、後方からパンチを入れると──得意の四の字フック系のツイスターを狙う動きを見せる。

残り2分となり、立ち上がったベナビデスは足を払われ倒されると、足関スイープからスクランブルでもアスカロフがバックを取り切る。抜群のコントロールを見せるアスカロフはベナビデスのロールにも、そのままバックを取り続けパンチを後方から打ち込む。ようやく正対したベナビデスはシッティングにバックを狙われ、必死にケージを背負うが、最後にパンチを纏められた。

最終回、アスカロフはここも前蹴りから試合を組み立て、左を被弾しそうになっても右ミドルや前蹴りを続ける。ベナビデスは自然と腹を守る構えを取り、顔面を殴られる。それでも果敢にハイキックを見せるなど、ベナビデスは決して勝負を諦めることはない。

しかし、続くステップインに右フックを合わされ、手をついたベナビデスはパンチからのバック狙いを防ぎ、なんとか離れる。アスカロフは焦ることなく、右ハイを届かせるとスーパーマンパンチも見切って前蹴りを決める。右ジャブを当てられ前進を拒まれたベナビデスは右ストレートを見えないタイミングで打たれる。

残り30秒、組んだベナビデスが離れ際に右を振るうが、これも見切ったアスカロフが距離を取ってタイムアップまで時間を稼ぎ、最後にスピニングバックフィスト。試合終了の合図に余裕の笑顔を浮かべフルマークの判定勝ちを決めた。


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News UFC UFC259 アスカル・アスカロフ アマンダ・ヌネス アルジャメイン・ステーリング イスラエル・アデサニャ カイラ―・フィリップス カーロス・アルバーグ ケイシー・ケニー ショーン・ブレイディ ジョセフ・ベナビデス ソン・ヤードン トレヴィン・ジョーンズ ドミニク・クルーズ ピョートル・ヤン ブログ マリオ・バウティスタ ミーガン・アンダーソン ヤン・ブラボヴィッチ

【UFC259】計量終了 ジョーンズ、メディッチ、アルバーグ。アーリープレリミも注目カードがズラリ

【写真】上背でアデサニャが、ブラボヴィッチを上回っている?! (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」の計量が、5日(金・同)に行われた。

UFC世界ライトヘビー級選手権試合=王者 ヤン・ブラボヴィッチ✖チャレンジャーUFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサニャ、UFC世界女子フェザー級選手権試合=王者アマンダ・ヌネス✖挑戦者ミーガン・アンダーソン、UFC世界バンタム級選手権試合=王者ピョートル・ヤン✖挑戦者アルジャメイン・ステーリングというトリプルクラウンに加え、メインカードからプレリミまで気になるカードが、並びに並んでいる今大会。


まずアーリー・プレリミの第1試合にトレヴィン・ジョーンズが出場する。

PXCからTOP FC、そしてACAを経てDEEPにも来日したグアムのジョーンズは、昨年に8月に劇的な大逆転KOでチムール・ワリエフという強豪を下しながら、マリファナの服用で勝利を取り消され今回が仕切り直しの一戦となる。

対するマリオ・バウティスタはCombate AmericasやLFAからUFCへステップアップ。コーリー・サンドハーゲンには敗れたものの、元DEEP王者キム・ジンス、元LFA王者マイルズ・ジョンズに勝利している実力者だ。ワリエフ戦同様に苦戦は避けられないジョーンズが、どのような戦いを見せるか。

アーリー・プレリミ第2試合に出場のウロス・メディッチは昨年8月にコンテンダーシリーズで見事なパウンドTKO勝ちを収め、ダナ・ホワイトに見初められたファイターだ。

KINGS MMAでハファエル・コルデイロに師事するセルビア人ファイターのメディッチ、どのようやUFCキャリアのスタートを切るのか。

メディッチと同様に昨年のコンテンダーシリーズから注目のデビューを果たすのが、カーロス・アルバーグだ。

アデサニャのトレーニング・パートナーのアルバーグは、NZのトップ・キックボクシング・プロモーションであるKing Of the Ringの8人制トーナメントを100キロと92キロ級で制している。アデサニャが86キロ級と100キロ級で3度頂点に立っているに続く、マルチ王者がアルバーグだった。

打撃の強さは絶対的。組みは未知数のアルバーグだけに、ハードヒッター=ケネディ・ンゼチェクウとは手の合う顔合わせといえるだろう。

さらにキャリア13勝0敗のショーン・ブレイディと豪州の親子鷹ジェイク・マシューズのウェルター級戦ら、他プロモーションならメインカードでもおかしくないカードがアーリー・プレリミから見られる。

プレリミではドミニク・クルーズ✖ケイシー・ケニー、ソン・ヤードン✖カイラー・フィリップスという2つのバンタム級戦と、ジョセフ・ベナビデス✖アスカル・アスカロフ、ホジェリオ・ボントリン✖カイ・カラフランスのフライ級マッチが組まれているが、アスカロフが今大会唯一の体重オーバーとなり、127ポンド契約マッチとなった。

WEC世代の生き残りベナビデスにとって、厳しくタフなアスケロフと背水の陣で戦うマッチアップだ。

群雄割拠のバンタム級の覇権争い、アデサニャがチャンプ・チャンプを目指すメインイベント。ここで注視したいのはアデサニャの体重がリミットより5ポンド近く軽いということ。ブラボヴィッチはリカバリーが見込まれるため、このライトヘビー級世界戦はパワー&瞬発力✖スピード&タイミングの争いとなりそうだ。

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ: 200.5ポンド(90.94キロ)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス: 145ポンド(65.77キロ)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン: 144.5ポンド(65.54キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ: 156ポンド(70.76キロ)
ドリュー・ドパー: 156ポンド(70.76キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ: 206ポンド(93.44キロ)
アレクサンドル・ラキッチ: 206ポンド(93.44キロ)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ: 136ポンド(61.69キロ)
ケイシー・ケニー: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス: 136ポンド(61.69キロ)
ソン・ヤードン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス: 125.5ポンド(56.92キロ)
アスカル・アスカロフ: 127ポンド(57.6キロ)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ホジェリオ・ボントリン: 126ポンド(57.15キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 125.5ポンド(56.92キロ)
ジョーダン・エスピノーサ: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ: 205.5ポンド(93.21キロ)
ケネディ・ンゼチェクウ: 205ポンド(92.99キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジェイク・マシューズ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ: 116ポンド(52.62キロ)
アマンダ・レモス: 116ポンド(52.62キロ)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ: 156ポンド(70.76キロ)
アーロン・クルーズ: 155ポンド(70.31キロ)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ: 134.5ポンド(61.0キロ)
マリオ・バウティスタ: 135.5ポンド(61.46キロ)

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Interview UFC UFN on ESPN+30 UFN172 ジョセフ・ベナビデス デイヴィソン・フィゲイレド ブログ

【UFN172】新UFC世界フライ級チャンピオ、フィゲイレド「ベナビデスは前の試合より遅くなっていた」

【写真】3度ダウンを奪い、RNCで失神に追い込んだ(C)Zuffa/UFC

19日(日・現地時間)に、UAEはアブダビ・ヤス島=UFC Fight Islandで行われたUFN172:UFN on ESPN+30「Figueiredo vsBenavidez 2」のメインでデイヴィソン・フィゲイレドが、ジェセフ・ベナビデスをRNCで落としUFC世界フライ級チャンピオンの座に輝いた。

ここでは新チャンピオンの喜びの声をお伝えしたい。


デイヴィソン・フィゲイレド
「この試合はファイト・オブ・ザ・ナイトだろう。ベナビデスをぶっ壊すと言っていた通りになった。彼に初めて一本負けという記録をつけることができた……そんな良い試合を皆に見せることができて良かったよ。試合中、ビックリするようなことは何一つなかった。ベナビデスは前の試合より、遅くなったと感じたぐらいだ。誰にも言っていなかったけど、僕の方がずっとスピードがあるし、カウンターを取る能力だって高い。

UFCが用意する相手なら誰とでも戦う。ただし、僕と同じレベルにあるファイターだけだ。僕に挑戦したいなら、それだけのレベルがないとノックアウト・アーチストにKOされるだけだからね」

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Report UFC UFN on ESPN+30 UFN172 ジョセフ・ベナビデス デイヴィソン・フィゲイレド ブログ

【UFN172】3度ダウンを奪い、RNCでベンビデスを落としたフィゲイレドが新フライ級チャンピオンに

<UFC世界フライ級王座決定戦/5分5R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
Def.1R4分48秒by RNC
ジェセフ・ベナビデス(米国)

フィゲイレドが前蹴り、ベナビデスがローを返す。左ローでバランスを崩したフィゲイレドが後ろ回し蹴りを見せ、左ローに右フックを合わせてダウンを奪う。右腕を差して立ち上がろうとするベナビデスにエルボーを落とし、背中を向けたところでアゴの上からRNCへ。腕を入れ替えたフィゲイレドに対し、ベナビデスはヒジを押して耐える。

ケージ際に移動し左腕をしっかりと喉下に通すフィゲイレドだが、ベナビデスが脅威の粘りを見せ、ついには立ち上がるとフィゲイレドは自分から離れる。ベナビデスのワンツーは届かず、フィゲイレドが左フックから右アッパーを振りまわす。左の蹴りでバランスを崩したベナビデスにエルボーを入れ、右フックで2度目のダウンをフィゲイレドが奪う。

かなりスラッピーな打撃が行き交うなか、ボディを殴られたフィゲイレドが右を当て、もう一度右オーバーハンドを打ち込みダウンを奪う。パウンドからマウントを取ったフィゲイレドはパンチを落とし、背中を向けたベナビデスにRNCへ。ベナビデスが落ち、フィゲイレドがUFC世界フライ級王者に輝いた。

勝利者インタビューでフィゲイレドは「自分の時代が来ると分かっていた。そのためにハードに練習してきたんだ。フライ級で過去にないぐらいパワーがある? 僕はアマゾンのマラジョー島の野生の動物に囲まれて育ったからだよ(笑)。国、街の人にベルトを持ち帰りたかった。初回でフィニッシュしたかったし、彼に最初の一本負けを献上させたかった。何もかも思い通りになったんだ」と話した。


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News UFC UFN on ESPN+30 UFN172 アスカル・アスカロフ アレッシャンドリ・パントージャ ジョセフ・ベナビデス デイヴィソン・フィゲイレド ブログ

【UFN172】計量終了 フィゲイレド、今回は体重を落としベナビデスと変則でない王座決定戦

【写真】今回は無事、変則でない王座決定戦が見られる (C)Zuffa/UFC

19日(日・現地時間)に、UAEはアブダビ・ヤス島=UFC Fight Islandで開催されるUFN172:UFN on ESPN+30「Figueiredo vsBenavidez 2」の計量が17日(金・同)に行われた。

ファイトウィークに入って新型コロナウィルス感染由来のカード変更がなかった今大会。計量も全員がパスしている。


メインでUFC世界フライ級王座を賭けて戦うジョゼフ・ベナビデスとデイヴィソン・フィゲイレドはともに125ポンドでクリア。フェイスオフではファイティングポーズを取り、腕を動かすフィゲイレドに対し、ベナビデスは微動だにせず視線もずらさなかった。

この両者は2月に同じくタイトルを賭けて対戦予定だったが、フィゲイレドが体重オーバーでベナビデスが勝った場合のみチャンピオンが誕生するという変則世界戦として戦うと、右でダウンを奪ったフィゲイレドがパウンドアウトでTKO勝ちを収めている。

試合開始直後の寝技で腕十字を仕掛けられたベナビデスが、その後はテイクダウンを織り交ぜるという本来の戦いができなくなっていたが、明日の再戦ではどうなるのか。

同じくフライ級でフェゲイレドにこそ敗れているものの、実力者アレッシャンドリ・パントージャとロシアのアスカル・アスカロフのマッチアップも非常に楽しみな一戦だ。

■UFN172計量結果

<UFC世界フライ級王座決定戦/5分5R>
デイヴィソン・フィゲイレド: 125ポンド(56.7キロ)
ジェセフ・ベナビデス: 125ポンド(56.7キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジャック・ヘルマンソン: 186ポンド(84.37キロ)
ケルヴィン・ガステラム: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
マーク・ディアキーシー: 156ポンド(70.76キロ)
ラファエル・フィジエフ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
アリアネ・リプスキ: 126ポンド(57.15キロ)
ルアナ・カロリーナ: 126ポンド(57.15キロ)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ: 125ポンド(56.7キロ)
アスカル・アスカロフ: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
カディス・イブラヒモフ: 206ポンド(93.44キロ)
ロマン・デリツ: 206ポンド(93.44キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
グラント・ドーソン: 150ポンド(68.03 キロ)
ナッド・ネアモリ: 150ポンド(68.03 キロ))

<ライト級/5分3R>
ジョエル・アルバレス: 156ポンド(70.76キロ)
ジョー・ダフィー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<バンタム級/5分3R>
ブレット・ジョンズ: 136ポンド(61.69キロ)
モンテル・ジャクソン: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
マルコム・ゴードン: 135ポンド(61.24キロ)
アミール・アルバジ: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ダヴィ・ハモス: 156ポンド(70.76キロ)
アルマン・ツァルキャン: 156ポンド(70.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・スピヴァク: 240ポンド(108.86キロ)
カルロス・フィリッピ: 261ポンド(118.38キロ)

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News UFC UFN on ESPN+30 UFN172 アスカル・アスカロフ アリアネ・リプスキ アレッシャンドリ・パントージャ ジョセフ・ベナビデス デイヴィソン・フィゲイレド ブログ マルコム・ゴードン

【UFN172】対戦カード メインでフライ級王者決定戦。松場貴志戦が実現しなかったTKO王者初参戦!!

【写真】2月29日のUFN169では体重オーバーで王座を得る権利を失したフィゲイレドが、ベナビデスをKOしている(C)Zuffa/UFC

2020年7月19日(日・現地時間)
UFN172:UFN on ESPN+30「Figueiredo vsBenavidez 2」
UAE アブダビ
UFC Fight Island

■視聴方法(予定)
7月19日(日・日本時間)
午前6時~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<UFC世界フライ級王座決定戦/5分5R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
ジェセフ・ベナビデス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジャック・ヘルマンソン(スウェーデン)
ケルヴィン・ガステラム(米国)

<ライト級/5分3R>
マーク・ディアキーシー(英国)
ラファエル・フィジエフ(キルギス)

<女子フライ級/5分3R>
アリアネ・リプスキ(ブラジル)
ルアナ・カロリーナ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
アスカル・アスカロフ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
カディス・イブラヒモフ(ロシア)
ロマン・デリツ(ジョージア)

<150ポンド契約/5分3R>
グラント・ドーソン(米国)
ナッド・ネアモリ(英国)

<ライト級/5分3R>
ジョエル・アルバレス(スペイン)
ジョー・ダフィー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
ブレット・ジョンズ(英国)
モンテル・ジャクソン(米国)

<フライ級/5分3R>
マルコム・ゴードン(カナダ)
アミール・アルバジ(スウェーデン)

<ライト級/5分3R>
ダヴィ・ハモス(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
セルゲイ・スピヴァク(ウクライナ)
カルロス・フィリッピ(ブラジル)


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Bu et Sports de combat Interview ジョセフ・ベナビデス デイヴィソン・フィゲイレド ブログ 岩﨑達也

【Bu et Sports de combat】「最後は先の先、それ以上に…」武術で斬るMMA=フィゲイレド✖ベナビデス

Figueiredo【写真】フィニッシュの右は先の先。そしてベナビデスは全く観えていなかった(C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たデイヴィソン✖フィゲイレド✖ジョセフ・ベナビデスとは?!


──UFC世界フライ級王座決定戦、ジョゼフ・ベナビデス✖デイヴィソン・フィゲイレドの一戦ですが、フィゲイレドが体重オーバーでベナビデスが勝利した時のみ新王者が誕生するという変則タイトル戦として行われました。

「フィゲイレドは試合開始直後は重心を低くして、足を開いた蹴りを使う構えでしたね。対するベナビデスのスタンスはパンチだけで蹴りは使えない。う~ん、あの構えと間は……ベナビデスは体調が悪かったのでしょうか?」

──どういうことでしょうか。

「以前の彼はもっとスイッチを使い、蹴りも見せていました。下と上、上と下という動きができていたのに、この試合ではまるで見られなかったです。あの間だとパンチをかわして、パンチを入れる。それだけで前後、上下の連係ができないです。ただ左の威力にフィゲイレドが圧されていたので、テイクダウンを取れたんです。この試合のベナビデスができたことは、パンチからテイクダウンだけ。そういう構えと間でしたね」

──そのテイクダウン後も、フィゲイレドが腕十字に捕えます。ここで抜群の防御&スクランブル能力を発揮してベナビデスが逃げました。

Figueiredo Armbar「スタンドに戻ってからのベナビデスは、打ちに行っているので非常に危なかったです。カウンターを合わせられるような状態で戦い続けていました。打撃では常に間がフィゲイレドになっていて、彼はベナビデスが観えている状態でした。対してベナビデスは自分で間を小さくしてしまっていた。

ベナビデスは左のパンチが強いのでしょうが、とにかく打ちに行っていて崩れてしまっていましたね。そして、カウンターを合わされると危ない間で戦い続けた。要は最初こそ左を見せて質量が高かったのが、テイクダウンまで持ち込んでも腕十字で一本を取られそうになったことで、スタンドに戻ってからはテイクダウンを仕掛けて寝技に行かなくなった。

つまり寝技が怖くなった状態での打撃なんです。と同時にフィゲイレドも試合開始直後とは違い、重心が変わりパンチしか打てない構えになっていました。ここではベナビデスもフィゲイレドも質量が下がった打撃をしています」

──フィゲイレドも質量が落ちてしまっていたのですか。

「落ちていましたね。開始直後に蹴りが出る構えから、蹴りのない構えになっていたので。にもまして、ナビデスは状態が良くなかったです。ヘンリー・セフードに勝った時と比較すると、同じ選手には思えなかったですね。

前後の動き、前に出るときの踏みこみは別人です。あの頃は、パンチからテイクダウンにつなげて、そこから左ハイまで見せることができていたのに、この試合では蹴りが出ない構えでした。もっとワイドスタンスで、半四股ぐらいで動いていましたよ。それで出入りがあった」

──2Rに入り、仕切り直しは?

「1Rの終盤は共に質量が落ちていたのが、2Rが始まってフィゲイレドが上がりましたね。後ろ蹴りを見せていましたが、あの蹴りは相当にためがないと出せる技ではないです。ただフィゲイレドはバランスと重心が蹴りは蹴り、パンチはパンチと別々なんです。だから蹴りが出る時は、パンチに威力はない。パンチを出せる時は、蹴りが出ない。そこは分かりやすかったです。

とはいっても、そこまで同じ構えでちゃんとしたパンチも蹴りも出せるのは、UFCといえどもTJ・ディラショーぐらいかと思います。そこまでしっかりと上も下も使えるのは。フィゲイレドは蹴りが良い選手なので、もっと蹴りをガンガン効かせてからパンチにいけばもっと良かったと思います。それが中途半端にベナビデスのパンチに付き合ってしまいました。そこには初回にテイクダウンを許したということが影響しているかもしれないですね」

──蹴りを出すと、キャッチされてと。

「あの日のベナビデスだったら、そこまで心配する必要はなかったかと思いますよ。本当にもっとボコボコにできていたかと。決して調子の良くないベナビデスでしたが、ボクシングには慣れています。そうなると試合は成立してしまっていましたよね。フィゲイレドもパンチだけなら、危ない場面もありました」

──そういう状況で頭が当たり、間合を取り直したベナビデスに対しすかさず右ストレートを打ちこんだフィゲイレドがKO勝ちを決めました。

「最後は先の先でした。それ以上に、ベナビデスが観えていなかった。頭が当たってから下がる間、これは打つこともできないし、蹴ることもできないという非常に危ない状況でした。下がって距離を取っているから、気が抜けたのか……完全に無防備になっていました。これは試合数も多く、経験値が高い人が陥りやすい状態ですね。間合を外すことに慣れているから、大丈夫だと気を抜いてしまった。

危機感があれば、もっと瞬時に動きます。同時にフィゲイレドはあの蹴りを出せる下半身があるので、ベナビデスが思っている以上にパンチが伸びてきたんだと思います。逆にベナビデスは外せると思って下がったので、そこは非常に危ないですね。

とにかく、間がずっとフィゲイレドの試合でした。ベナビデスが良かったのは、開始直後の左ストレートだけで。しかし、体重オーバーをしてもそこを気にしない人でなしさ──が必要になるということですね。無責任、誠意がないことが強さに通じる場合もあるのでしょう。

逆にベナビデスはピークの時にデメトリウス・ジョンソンがいて、この試合では旬が過ぎていたのかもしれない。でも、そういうことは往々にしてあると思います」

──試合を通して質量的には?

「最初からフィゲイレドの質量が良かったですが、それを生かすことは試合でできていなかったです。自分の質量を生かし切る動きにはなっていない。ただし、選手は長所を伸ばすのではなく、試合に勝つ練習をするので……それも致し方ないでしょう。そういう稽古をしているわけでないでしょうから」