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【Fight&Life & ONE165】若松佑弥&三浦彩佳 「背中で」(三浦)&「アベンジャーズなんです」(若松)

【写真】 実際に凄く仲が良さそうな2人だった(C)MMAPLANET

1月28日に行われたONE165で共に落とせない勝負で勝ち切った若松佑弥と三浦彩佳の対談が23日(金)に発売のFIGHT & LIFE#101に掲載されている。
Text by Manabu Takashima

ダニー・キンガド戦、平田樹戦を乗り越えた若松と三浦が互いの試合前とこれからについて話した対談を終えた──時、若松がさらに言葉を繋げた。誌面の都合上、掲載できなかった両者のメンタルについて、ここで紹介したい。

※Fight & Life#101のご購入はコチラから


──では、色々と葛藤を抱えつつも乗り切ったONE日本大会に関して、色々と内情を話していただきありがとうございました。

三浦 ありがとうございました。

若松 インタビュー、終わっちゃったんですけど──ちょっと良いですか?

──勿論です。

若松 自分、ウ・ソンフンに負けて2連敗になった時からメンタルコーチングを受けるようになったんです。あれまで体力とか気合いとかだけでやってきていて、メンタルが一番ダメだと気付いて。長南さんにも『もう、辞めたい。辞めたい』と言ったこともありましたし。そこで色んなきっかけで(中村)倫也君からメンタルコーチングとかも紹介してもらって。仙三さんにもメンタルっていうことについて、相談したり。自分のメンタルがクソ屑だったんだと分かって……。

引き寄せの法則だったり、イメージすることで、何かここまで変われた。心技体、心はあっても体力はない。体力はあっても心はない。そういうことが多いと思いますが、格闘技はどっちも必要で。

──言ってみると若松選手は、格闘技経験のないところからTRIBEでMMAを始めてすぐに頭角を表した。運動神経は合ったのだと思います。

若松 メンタルは本当に一番大事だと、それは本当にこの2年間で分かったことです。長南さん、堀江(登志幸トレーナー)さん、慶人(メンタルコーチ)さん、仙三さんのお陰で。

──オンオフの大切さのようなモノも含まれているのでしょうか。

若松 メンタルが強い、弱いではなくて。考え方を知っているのか、知らないのか。僕は無知で気合いだけでやっていました。今はイメージトレ―ニングを否定するんじゃなくて、深掘りするようになって、言語化したり。練習で上手くいったこと、いかなかったことをノートに書くようにして。相手の戦略を把握しても、ただ乗りや反応でやっても世界は喰えない。そこを今回の試合を通して伝えたくて。

──具体的にどのようなメンタルでいたのですか。

若松 色々あるんですけど、結果──試合当日は全てを肯定する。『俺はここまでよくやってきた』と肯定し、協力してくれた全員に感謝の気持ちでいる。そして、楽しむ。ここまでやって負けたらしょうがない。相手を称えよう。でも自分のやってきたこと、全てを出す。先のことなんて考えない。でも、絶対勝つんだと。負けても、しょうがない。ここまでやったんだから、でも勝つと」

──試合前にそのように気持ちを創って、いざリングの中に入った時の精神状態は?

若松 正直──自分は全然未熟だったので、心が折れました。でも、メンタルコーチングを受けて毎日イメージトレーニングをしてきたので、勝つことができました。昔のメンタルがゼロだった自分なら、絶対に勝てなかった。本当に皆のお陰です。気合いは大切です。長南さんにはそれを教わりました。

三浦 フフフフフ。

若松 でも僕は気合いだけでは、心ができなかった。色々な人の意見を聞いて、そこが理解できました。

──実は自分の身の持ちようで、人間は変われる。自分自身の肉体は同じでも、それは精神状態で生き方は変わる。気の持ちようですね。そういうことは自分にもありました。

若松 それはどういうことだったのですか。

──簡単にいうと体に深刻なダメージがあるかもしれないということで、検査が何度となく繰り返された。その時はやはり怖かったですし、家族、娘の将来を考えて悲観的になっていました。それがとある人に「だから、なんだ。そうだったら、あんたの家族への想いは変わるのか。そうなった時こそ、あんたの家族愛が試されるときじゃないか」と言われ、ハっとしました。自分の体に深刻なダメージがあっても、自分がやるべきことは変わらないと思うと、強くなれました。本当に。

三浦 素晴らしいですね。

──結果、全ての自分の目に映る光景が変わったのは検査の結果、深刻なモノでないと分かった時ですが(笑)。

若松 ハハハハハハ。

三浦 実際にそうですよね。

若松 でも、現実は同じでも心が変われば、自分は変われますよね。

──試合がある現実は、変わらないわけですから。どこにどう取り組めるのかも気の持ちようで。

若松 体と精神、それを人に指導することができるぐらい、自分も色々と勉強してチームを引っ張っていきたいと今は思っています。だから、今回の試合で負けていたら自分の試みを否定されてしまうというプレッシャーはありました。それでも勝ちを一つ一つ、積み重ねていって自分のやってきていることをTRIBEの皆、後輩に教えていきたいです。

長南さんが自分たちを育てくれて。だから三浦さんもそうだと思うけど、自分たちも後輩たちを育てないといけない。そこで昭和のように「やれ」っていうだけだと……そこはそこで必要なんですけど、絶対に。礼儀もそうだし。と同時に、そこ以外も僕らは見ないといけない。そこを採り入れて、僕も三浦さんも勝って背中を後輩たちに見せていきたいです。それができれば長南さんも安心できると思います。

三浦 今回は日本大会だったので、セコンドにはフルに3人入ってもらうことができました。祐弥君と2人だから、6人がセコンドに就ける。長南さん、堀江さん、仙三さん、残り3人は後輩たちにONEの会場を体験してほしくて。私は男の選手には男女のフィジカルの違いや技術の違いもあって、祐弥君のように技術を教えることはできないです。

なら──背中を見せるということで、私ができるのは普段の海外でやっている雰囲気を知ってもらうこと。ONEや海外の大会って、どういう雰囲気のなかで行われるのか。それを見てもらいたくて、後輩たちにセコンドパスを出してもらって試合の直前まで一緒にいました。言葉とかでなくて、そういうことを見て欲しかった。今回、ONEに日本大会を開いてもらって凄く良かったです。

10代だった祐弥君も29歳になって、もう何年できるか分からない。私、TRIBEの選手のなかで最年長になったんです。

──えぇ、そうなのですか!!

三浦 ハイ(笑)。だから、私たちがONEで戦っている姿を後輩たちに見てもらって……。それと試合前にグチャグチャになって、トチ狂った先輩がいるのかっていう姿も知ってもらう。でも、リングで戦えるんだよって。

若松 なるほどぉ。だから、あんなにメチャクチャになるんですね。辻褄が合いました(笑)。

三浦 迷惑をかけているかもしれないし、試合前の後輩たちも巻き込んでしまっていたかもしれない。でも、口で説明はできないでの見て欲しいというのはありました。色々な選手がいて、工藤(諒司※引退)君とか淡々として変わらず、自分のなかで気持ちを整理して戦える選手がいて。祐弥君みたいな選手がいれば、(石井)逸人君のように自由にやっている選手もいる。そのなかで私は泣いて、わめいて。でもリングに上がって、皆が勝っている。そういう姿を見て欲しいなっていうのがあります。

若松 アベンジャーズっていうことですね(微笑)。

──……。……。……。

三浦 えっ? でもTRIBEには色々な人間がいるので。

若松 でも三浦さんはめっちゃ後輩に厳しいですよ。

三浦 そんなことないっ!!

若松 でも、そういう人も必要で。本当に楽しいです。色々なヤツがいて。以前は練習をしっかりとしない奴は否定していました。でも、今ではそれも肯定できて。(後藤)丈治のような頭脳派がいて、逸人のようにノリでやる──ふざけていても、後輩想い。で、三浦さんみたくメチャクチャ厳しい人もいる(笑)。

三浦 だから、厳しくない(笑)。厳しくないでしょ!!

若松 自分はメチャクチャ優しいから。

三浦 言い過ぎ(笑)。でも黒部(和沙)とか、祐弥君を見るとビシッとしているし。

若松 練習の時はちゃんとやらないと。

三浦 そうやって優しく思われていても、ビシッとさせることができるって良いですよね。

若松 三浦さんは厳しいけど、バカにされているので(笑)。皆に色々と言われていて。余りにも乱れているから。

──メンタルコーチングが必要なぐらいの言いようですね(笑)。

若松 いや、でも今の話を聞いて。そういう三浦さんも必要なんだなって思えました。集団でやっているので、皆でやっていて楽しい。そうなると長南さんも、安心してくれると思います。

──押忍。今のTRIBEの空気の良さ、所属ジムがある強さが感じられました。ありがとうございます。

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細川バレンタイン / 前向き教室
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VITASさんのCMに『細川バレンタインの前向き教室の視聴者さんが作ったBGM』を使用させていただいてます!

第11試合 メインイベント ONEキック・フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ 3分5R
スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](タイ/ギャットムーカオジム/王者、ONEムエタイ同級1位、元ルンピニー認定スーパーフライ級&バンタム級王者)※2度目の防衛戦
武尊(team VASILEUS/挑戦者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者、KGPライト級王者、元K-1スーパー・フェザー級・フェザー級・スーパー・バンタム級王者、元Krushフェザー級王者)

第10試合 コーメインイベント ONEサブミッショングラップリング・ライト級(77.1kg)チャンピオンシップ 10分1R
ケイド・ルオトロ(米国/Atos/王者)
トミー・ランガカー(ノルウェー/Wulfing Academy/挑戦者)

第9試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
青木真也(フリー/元王者)
セージ・ノースカット(米国/チーム・アルファメール)

第8試合 特別ルール 187.25ポンド(84.94kg)契約 3分3R
秋山成勲(チームクラウド)
ニキー・ホルツケン(オランダ/チーム・ホルツケン・ヘルモン/元GLORYウェルター級(77kg)王者)
※オープンフィンガーグローブを着用し、1R目はボクシング、2R目はムエタイ、3R目はMMAで争われる。決着はKOまたは一本のみで、時間切れの場合はドローとなる。

第7試合 キック 156.5ポンド(70.99kg)契約 3分3R
マラット・グレゴリアン(アルメニア/ヘマーズジム/フェザー級(70.3kg)2位、元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元GLORYライト級(70kg)王者)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/シッソンピーノンジム/フェザー級(70.3kg)3位、ONEムエタイ同級2位、元GLORYライト級王者、元ルンピニー認定ウェルター級王者)

第6試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
ゲイリー・トノン(米国/イヴォルブMMA/チーム・ヘンゾ・グレイシー/1位)
マーティン・ニューイェン(オーストラリア/ベトナム/キルクリフFC/3位)

第5試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
平田 樹(フリー)
三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA)

 ~開会式~

第4試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
ダニー・キンガット(フィリピン/チーム・ラカイ/2位)
若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA/4位)

第3試合 キック ヘビー級 3分3R
ラーデ・オパチッチ[Rade Opacic](セルビア/KBKSチーム)
イラジ・アジズプール[Iraj Azizpour](イラン)

第2試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ/Coach Quan University/2位)
山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We/元パンクラス・ストロー級王者)

第1試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
箕輪ひろば(STF/3位、元修斗世界ストロー級王者)
グスタボ・バラート(キューバ/アメリカン・トップチーム/4位)

ジョビンチャンネルメンバーシップ(月額490円)
https://m.youtube.com/channel/UC6xWdI4q2dna1ye-ZQJBLiw/join

ジョビンX

ジョビンInstagram
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#秋山成勲

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE165 ダニー・キンガド 若松佑弥

【ONE165】ノンストップのスクランブル戦。若松がパウンドでダメージを与えてキンガドに判定勝ち

【写真】最後まで若松の気迫が途絶えることはなかった(C)MMAPLANET

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
Def.3-0
ダニー・キンガド(フィリピン)

若松がダブルレッグで飛び込み、キンガドに背中を着かせた。若松はキンガドの足を捌いてパウンドを打ち込むが、キンガドがスクランブルからトップへ。ハーフガードを取った若松がブリッジで返す。キンガドの立ち上がり際にパンチを打ち込む。スタンドに戻ると、若松が左の足払いから左フックを当てる。キンガドのダブルレッグをスプロールしきれずも、オーバーフックで耐えた若松。スタンドに戻り、キンガドが右カーフからニータップでテイクダウンを奪う。

亀になった若松から、キンガドがバックマウントを奪う。しかし若松が反転してトップに回った。キンガドは、左腕を差し入れた若松を蹴って突き放そうとする。しかし、すぐさま若松がパウンドの連打を浴びせて、亀になったキンガドのバックへ。右手首を抱えられた若松は左パンチの連打を打ち込み、バックコントロールのまま初回を終えた。

2R、右ローをかわされたキンガドがダブルレッグで飛び込む。若松はバックを奪われるも、コーナー際で反転してキンガドを潰した。しかし、ここで若松にロープ掴みの注意が入る。キンガドのバックコントロールから試合は再開され、そのままキンガドがボディロックからグラウンドに持ち込む。若松はスクランブルからトップを奪うも、キンガドも上を取り返した。背中を着かされた若松がブリッジで返そうとするも、キンガドがバックへ。

若松もトップを取り返し、パウンドを落とす。さらにパスした若松がサイドからノースサウスに移行した。亀になるキンガドにバックコントロールからヒザを打ち込む若松。ロープ際で正対したキンガドに対し、左腕を差し上げた若松が左右に揺さぶる。キンガドは右腕を差返し、テイクダウンを狙うも若松がオーバーフックからキンガドを潰してパンチを連打した。キンガドは若松の左足に、シングルレッグでしがみつく。アンクルピックに切り替えたキンガドの顔面に、若松は鉄槌を落とし続けた。

最終回、互いにフェイントを繰り返すなか、若松がダブルレッグでテイクダウンした。ニーシールドのキンガドにパウンドを落とす若松。キンガドは潜りからスクランブルへ。立ち上がり、若松をロープに押し込む。若松は左オーバーフックから内股で投げたが、キンガドがスクランブルに持ち込む。ガブった若松がヒザをキンガドの脳天に突き刺す。一度離れたキンガドがダブルレッグでロープに押し込んでいく。

キンガドがシングルレッグに切り替えてから立ち上がるも、若松が離れ際に右フックを見せた。上下に体を揺らしてリズムを取る若松は、組みついてきたキンガドのバックに回り、シングルバックからパンチとヒザを打ち込む。立ち上がったキンガドにパンチを連打する若松は、右ストレートのカウンターを当て、キンガドを下がらせて試合を終えた。

ノンストップファイトをスクランブル&パウンドで押し切った若松がユナニマスで判定勝ち。2連勝を飾った。


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【ONE165】方向性と日本で目指すモノをチャトリCEOを訊く。「日本人選手は最も頭を悩ませている部分」

【写真】今も熱く、精力的なチャトリ。でも、コンタクトをするようなったそうだ(C)ONE

本日28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「 Superlek vs Takeru」。2019年10月以来のONE日本大会は初のリング使用で、キックがメインとなる。
Text by Takashima Manabu

スーパーレック✖武尊戦の会見が行われた直後、チャトリ・シットヨートンCEOをインタビュー。日本のファンから根強い反発の声が聞こえるONEが目指すのは、どのようなマーシャルアーツ・イベントなのか。そして日本で目指すモノとは。リングやキック、そんな可視化できるONEを巡る日本事情──とは別に、これまでとは違う空気をチャトリCEOは纏っていた。


──チャトリさん、ロッタンが欠場しスーパレックに武尊選手が挑戦する。素晴しい代替カードの発表会見でしたが、消滅したロッタン✖武尊戦は米国で実施されるという発言。これは日本のファンはガッカリな、ビックリ発言でした(取材は11日に行われた)。

「ロッタン✖武尊は世界中のファンが注目しているファイトだったんだ。そして、武尊が今回の試合で世界チャンピオンになると、日本だけでなくヨーロッパや米国──世界的規模でプロモーションする立場に私はある。そうなると、今回の試合が武尊にとって最後の日本でのファイトになることは十分にあり得るから、私は正直に日本のファンにそのことを伝えるべきだと思ったんだよ」

──最後の試合というインパクト……とロッタン戦が日本では見られないというショック。なかなか難しいです。武尊選手はロッタン戦は日本でないということは納得しているのでしょうか。

「この試合でチャンピオンになれば、今回が最後の日本での試合というのは彼も言っているよ」

──米国でロッタン✖武尊を実施するほど、米国でキックのマーケットは広がっているのでしょうか。マーケットでいえばMMAが抜けていると思います。

「その通りだよ。キックはDoスポーツとして世界中で普及しているけど、エンターテイメントとしてはMMAのように広まっていない。ただ、我々がやろうとしていることは、Doスポーツを観賞用スポーツとして発展させようということではないんだ。MMAでもグラップリングでも、キック、ムエタイと世界のマーシャルアーツのベストとONEはサインをする。この星に住む最高のストライカー、最高のグラップラー、最高のMMAファイターを私は欲している。

だからONEのイベント形態は他のプロモーションとは別モノで。MMA市場が広がる米国では当然のように最高のMMAを組む。と、同時にロッタン✖武尊というカードでキックボクシングの素晴らしさを彼の地に伝える必要があるんだ。最高のキックを組んで、キックボクシグを米国の人達に認知してもらう。それだけのマッチアップなんだ、この2人の戦いは」

──なるほどです。ところでMMA記者として、昨年のONEはキックやムエタイ、グラップリングに力を入れてMMAのストーリーラインが崩れたような気がします。ランキング制に基づいたMMAの試合よりも、チャンピオンが立ち技や組み技マッチに出向いていました。

「モノゴトには順序があるし、その時の状況というモノが関係することは、理解してほしい。去年、タイ政府がONEを支援する意向を固めた。それは巨額のファイナンシャルも含めてのことだ。そして、我々ONEは格闘技の殿堂としてMMAだけでなく、最高のムエタイ、キック、グラップリングを世界中のファンに提供していきたいと思っている。

そういう事情もあって昨年はムエタイに力を入れる時期だった。今年はまた違う方法論を用いる。そして、MMAに力を入れることを約束するよ。当然、ムエタイとグラップリングもだけどね。3月1日のカタール大会を見て欲しい、MMAのタイトルマッチ・ラッシュだよ」

──カタールの市場は、MMAに扉を開けているということですか。

「というよりもONEとしては1年、1年、その開催地に則したイベントを開くということなんだ。カタール……中東でのマーシャルアーツの需要は高まっている。そしてカタールはヨーロッパ標準時間帯と3時間しか時差がないということを重視している。ワールドカップ・サッカーが成功したのも、そういう背景がある。なぜ、過去最多の視聴数をカタール・ワールド杯は集まることができたのか。西洋と東洋の両方で視聴できる最高の時間帯にある場所だからだよ。そこをONEも重視している」

──つまりカタール大会は欧州進出への足掛かりということですか。

「MMAは欧州に根付いている。キックがどれだけ認知されているは、説明する必要はないだろう。そしてグラップリングが急速に成長しているんだ。ヨーロッパ進出に関しては、色々なアイデアがある。我々にはSKYスポーツという心強いTVパートナーがいるしね。プレミアリーグ、F1、NBAと欧州で最もスポーツに投資している放送局だ。ヨーロッパは凄く期待ができるマーケットで、最高のパートナーがONEには存在しているんだ。

ロッタンがONEと契約する前はSNSのフォロワー数は1万4000人だった。今は5百万だ。ONEのブラットフォームは巨大で毎週、世界の119カ国で試合を視聴できる。そういう風にスターが生まれるだけの基盤あるんだ。武尊のフォロワーも増えるだろう。ONEは既にSNSだけで8000万のファンがいる。UFCは世界最大のMMA団体だよ。ONEは世界最大のマーシャルアーツの団体なんだ。」

──その分だけコンダクトを握るのが、大変かと思います。ファン・ベースが違うルールの試合を組んでいるので。ONEにとって完璧なバランスが取れたマーシャルアーツ・ショーとは、どのようなモノになるとチャトリさんは考えているのですか。

「そうだね……。ハードコアMMAファンは、MMAというスポーツを既に理解している。キックボクシングは凄く分かりやすい。入口になる。そしてONEの基盤となる国は、それぞれ事情が違う。中国はキックだ。ヨーロッパ全域ではキック、特定の地域ではMMA人気が上回っている。米国は完全にMMAで、タイは完全にムエタイだ。日本はまだキックとMMAだよね。このように国によって事情が違う。ただし、ONEにはそこにベスト・アスリートをはめ込める。

私自身、欧州、米国、アジアと違ったチャンネルを持って考えて、そこにONEとして一貫性を持たせないといけないんだ」

──ONEには根強い反発の声、記事もあります。そこは存在感が増しているという風に捉えることができるのでしょうか。

「そういう声は気にしていないよ。既に2年前に我々は世界のトップ5スポーツプロパティになっているのだから。どれだけ高い支持を集めても少数のネガティブな意見、下らない論調、そしてフェイク・ニュースはなくならない。それらをコントロールすることは不可能なんだ。でも、そういう声や記事がったも過去7年間に渡りONEは成長してきたんだよ」

──では日本についてですが、今大会以外にも今年中に日本大会を開くという発言もありましたが、武尊選手と青木真也選手が今大会でラストだとすれば興行の軸になる日本人選手が誰になるのか。そこは気になるところです。

「ユーヤ・ワカマツは今も世界チャンピオンになる可能性を持っている。ケイト・ヤマキタもそうだ。ただ正直を言って、日本人選手は私が最も頭を悩ませている部分なんだ……。彼らの活躍を7年間、注視してきた。でも、本当のトップに辿り着かない。日本人ファイターが再び、その地位を戻るサポートをしたいんだけど、結果が伴わない。ただ日本に向けては、ビッグアナウンスが控えている。どれだけ日本のことをシリアスに考えているのか、ここ1カ月か2カ月で皆に伝えることになるだろう。楽天とNSNというパートナーが日本にはいるから。ONE Championshipは日本で、さらに成長できるチャンスがあると私は信じている」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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【ONE165】有明アリーナのステージ上にてメモリアル計量。スーパーレックと武尊が睨み合い!

【写真】スーパーレックと額をつけて睨みあった武尊。これだけ計量で戦闘モードに入る武尊は久々だ(C)MMAPLANET

28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165: Superlek vs. Takeru」のセレモニアル計量が、29日(土)に同所で行われた。
Text by Takumi Nakamura

公式計量とハイドレーションテストは午前中に終わっており、全選手すべてクリア。午後3時から有明アリーナにてメディア・ファン向けのセレモニアル計量とフェイスオフが行われた。


実際に試合で使用する入場ゲートで計量とフェイスオフが行われ、タイトルマッチ2試合と青木真也VSセイジ・ノースカットの3試合のみ選手からのコメントがあった。青木はMCから過去に対戦が流れた際のSNS上でのコメントや対戦カード発表会見での握手拒否について聞かれ、通訳が「あれは悪気があったんですか?」と訳したため「悪気はないですよ」と苦笑い。「別に僕は格闘技界に必要な人間じゃないし、潰すか潰されるか、それだけです」と静かに語った。

謎のジャケット軍団も公開計量を盛り上げた(?)

またスーパーレックと武尊はフェイスオフで額をつけての睨み合いを展開する。最近の武尊としては珍しい一幕で「世界最強を証明するためにやってきたし、日本でベルトを獲るためにやってきました。明日は必ずベルトを獲ります」と王座奪取を宣言。

スーパーレックは「日本でタイトルマッチができてうれしい。まだ自分のことが分からない人が多いと思うけど、日曜日になったら必ず分かることになると思う」と3日前の計量に続いて自信をみなぎらせた。

また計量・フェイスオフの際、チャトリ・シットヨートンCEOやセキュリティの周りを謎のジャケット集団が取り囲み、選手が登場する際にリアクションを取ったり、スマホで選手たちを近距離で撮影。記者席では「あの集団はなんだ?」と話題になっていた。なおジョン・リネケルが計量を行ったという情報もあり、大会直前までなんらかの試合が組まれようとして、最終的には合意にはならなかった模様だ。

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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【ONE165】青木真也と対戦。セイジ・ノースカット「僕には試合では使っていない技がたくさんある」

【写真】大会3日前の公開練習ではTシャツを脱いで仕上がりの良さをアピールしたノースカット。ミットを持つのはユライア・フェイバーだ。デカい!(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」でセイジ・ノースカットが青木真也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2019年のONEデビュー戦でコズモ・アレッシャンドリにKO負けし、顔面を複数箇所 骨折し、約4年という長期欠場を余儀なくされたノースカット。昨年5月の復帰戦ではアフメド・ムジタバにヒールフックで一本勝ちし、復活の第一歩を歩み出した。今回のインタビューは日本文化へのリスペクトや対戦相手としての青木についてなど、ざっくばらんに語ってくれた。


──対戦カード発表記者会見でもお話していましたが、ノースカット選手は親日家のようですね。

「はい! 日本の文化や他人をリスペクトする精神性が好きだし、来日して街を歩いた時の街並みやファッションもすごくユニークで素晴らしいなと思ったよ」

──いつ頃から日本の格闘技や文化に触れるようになったのですか。

「数年前から日本の文化に触れ始めて、ずっと日本に行きたいと思っていたよ」

──会見では「兄と一緒に日本のアニメを見ていた」ということですが、どんなアニメだったんですか?

「(即答で)ONE PIECEだね!」

──なるほど。てっきり格闘技系の漫画やアニメかと思っていました(笑)。

「もちろんONE PIECEは日本の文化の好きなものの一つで、先ほども言ったように僕は日本人や日本の文化を見ていて、あらゆる方向に対する敬意を持って接しているように思うんだ。その精神性から日本の文化は非常に丁寧に作り込まれていることを感じる」

──では日本の武道や格闘技についてはどう思っているのですか。

「物心がつく前から空手を始めたから、意識して武道や格闘技に触れようと思ったことはないんだ。でも年齢を重ねて成長するにつれて、様々なメディアで日本の武道や格闘技にも触れ、やはり他とは違って目をひくものがあるように感じているよ」

──青木真也というファイターはその日本において大ベテランと言える選手です。

「彼に対しては特に特別な感情はないでよ。彼とは一度試合が決まって流れたことがあるんだけど、その時にX(旧Twitter)でバチバチなやりとりがあった。彼はファイターとしては尊敬すべき経歴を持っているかもしれないけど、ああいうやりとりがあった以上、僕は試合で“報復”したいし、彼に勝つだけだよ」

──SNSでのやり取りで感情的になったところがあるのですか。

「そうでもないんだけど、会見で握手をしようとしたら、彼は握手をしてくれなかった。彼がそういうキャラクターの選手ということは分かっているし、実際にそういうことが目の前で起これば試合に向けてのモチベーションになる。勝ちに行く気持ちが強まったし、もっと練習しようと思ったよ」

──彼のファイターとしての印象はいかがですか。

「とてもすばらしい戦績を残しているし、とても才能に溢れたレジェンドファイターだと思う。日本の選手の中で長いチャンピオンホルダーだったので、そういう面“は”リスペクトしているよ」

──ノースカット選手はこれからキャリアを作っていく選手として、青木選手のようなレジェンドを超えたいと思っていますか。

「それはもちろん大事なことだし、彼との試合は今までで一番試合になると思う

──今回初めて日本で試合をするということで、初めてノースカット選手の見る日本のファンも多いと思います。自分のどこを日本のファンに見てもらいたいですか。

「僕は瞬発力があって、スピードが速く、力もとても強い。ファンが喜んでくれる面白いKOを見せるよ。ゴロゴロ抱き合って寝技ばかりやる試合は見たくないだろうからね」

──ノースカット選手はフィニッシュ率も高いので、どんな試合を見せてくれるんだろうと期待しているファンも多いです。これからどんな選手になっていきたいと思っていますか。

「まだ試合では使っていないファイトスタイルや技がたくさんあって、そういうのも使っていきたい。高いフィニッシュ率を残すことはONE Championshipにおいても、ファンを楽しませるということでも大事だから、僕はそこを意識して戦いたいと思う。今まで見せていない自分のテクニックをドンドン見せていきたいよ」

──ちなみに僕は40オーバーなので、ノースカット選手のような若い選手たちが、僕ら世代が想像できないようなMMAを見せてくれることを楽しみにしています。

「僕がMMAデビューした頃は子供だった。怪我で4年間休むことになって、27歳になって色んな経験を積んだ。それでもまだ年齢的には若いと思うし、やっとここから自分が持っている力を試合で出していけると思う。新しいセイジ・ノースカットを楽しみにしていてほしい!」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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【ONE165】4年6カ月振りの有明で、山北渓人と対戦。ボカン・マスンヤネ「リングは戦いやすい」

【写真】パンクラスではバックスローを連発していたボカンが、ONEのリングでどのようなレスリングを披露するか(C)ONE

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「 Superlek vs Takeru」でボカン・マスンヤネが山北渓人と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2019年7月、有明アリーナが創られる以前に有明(※ディファ有明)で戦って以来の湾岸再上陸となるボカンが、山北戦に向けての心境と自信のほどを語った。


──山北選手と今月末に戦います。2019年7月以来の日本での試合となりますね(※取材は13日に行われた)。

「前回、日本に行った時の思い出がたくさん残っている。パンクラスで戦い、今度はより大きなステージで東京で戦うことができる。色々な国を訪れてなお、今も日本……東京は僕にとって最高にお気に入りの街だから、凄く楽しみにしている。ただ、勝つだけでなく過去最高のパフォーマンスを日本のファンに見せたい」

──ではオファーを貰ったときは、さぞ嬉しかったのではないですか。

「そうだね。何より試合ができることが嬉しかった。僕自身は1年で4試合は戦いたいと思っているのに……。4年間で、4試合しか戦えていないんだ。待望の試合を東京で戦えることは凄く嬉しいよ」

──パンクラスで試合をしたディファ有明はもう取り壊されてしまいましたが、有明アリーナは数百メートルしか離れてない場所にあります。ただ観客数は1000人台から、数千人に増えます。

「そうなんだ。会場の名前も覚えていなかったけど、より多くの日本のファンに僕の試合を見て欲しい。僕自身はパンクラスで戦った時の情熱と同じだけの熱をONEの試合でぶつけたいと思っている」

──ONEのサーカスは東南アジア中心で、常に夏です。対して、今大会は真冬の東京で行われ南アフリカとは気候が真逆です。その辺り、どのようにアジャストしようと考えていますか。時差もありますし。

「一つ言えることは、南アフリカを出て戦うことをいつも楽しんでいる。色々な経験ができるからね。自分の知らない世界を見て回れるんだから。季節の違い関しては、これまでに南アフリカが冬の時にとても暑いタイで試合をしたこともあった。逆に真夏の南アフリカから、肌寒いマレーシアに行ったこともある」

──マレーシアで肌寒いことがあるのですね……。

「とにかく、季節の違いはもう慣れている。とはいっても、今回の日本滞在は僕の人生で一番寒い季節を経験することになるかもね(笑)。でも、雪が見たい。そこは本当に楽しみにしているよ」

──なるほど(笑)。ところで対戦相手の山北選手はパンクラスのストロー級王者からONEと契約しました。ここも勝手ながら運命じみたモノを感じてしまいます。

「ビューティフル・ストーリーだ。僕はパンクラスのチャンピオンになりたくて、日本で戦った。ただ1試合でONEに転じたから、そのチャンスはなかった。いわばパンクラスのベルトをスキップして、上の舞台で戦うようになった。そしてONEの王座が視野に入っている状態で、パンクラスのストロー級チャンピオンだった選手と戦う。素晴しいことだよ」

──その山北選手の印象を教えてください。

「テイクダウン、テイクダウンをしてからのパウンドが強い。僕と似ているところがある。僕らのマッチアップは、エキサイティングな試合をファンに見せることができるだろう」

──レスリングベース同士、だからこそレスリング力が勝敗を分けるのか。MMAとして、その他の部分が勝負の鍵を握ってくるのか。どちらだと予想しますか。

「彼はレスリングが強い。でも、僕はどんなスタイルでも対応できる。この対応力こそが、MMAファイターに最も必要される部分だ。そして彼のレスリングに、僕は十分に対応できるよ。前回、ヒロバ・ミノワというテイクダウンとグラップリングに優れた日本人ファイターをドミネイトしたけど、いつだってハイレベルのグラップラーとの対戦は興味深い。だから、ヤマキタとの勝負もワクワクしている。

ただし、あくまでもMMAだ。グラップリングマッチではない。前回の試合と比較しても、僕はあらゆる局面で成長を遂げた。まぁ、前回の試合は急所蹴りというアクシデントがなくても、僕がミノワを圧倒できと信じている。それはグラップリングやレスリングだけでなく、MMAとして僕が上回っていたからだ。次の試合もそうなるだろう。しっかりとしたゲームプランもある。そして、ゲームプラン通りにならなくても僕は問題ない」

──今、話に出た箕輪選手は修斗のチャンピオンからONEにステップアップを果たしました。つまりに日本の2つの老舗プロモーションで頂点に立った選手とボカンは戦うわけですね。これぞONEのストロー級ならでは、です。

「日本のストロー級のベスト2と戦うということは、とても意味のあることだ。でも、日本のファンは僕が負けることを期待するわけだね(笑)。今回は僕にとって5度目の日本人選手との対戦で、これまで全部勝ってきた。つまりONEでも常にトップの選手と戦ってきて、僕は彼らを破ってきたことになる」

──日本のファンは日本人選手を応援しますが、何よりも両者の頑張りに期待していると思います。どちらが勝つのかというよりも。

「日本のファンが僕の敗北を期待しないなら、それはそれで本当に興味深いことだね」

──では今回の試合はケージでなく、リングで行われることについてはどのように思っていますか。アジャストはできていますか。

「タイでリングは経験している。ケージで戦うよりも、楽な部分もある。だからケージでもリングでも問題ない。コーナーがあるということは、対戦相手のエスケープを止めることができる。追いかけて、コーナーに追い込むことができるからね。それにロープだと、後ろに空間があるからケージレスリングやウォールレスリングより、クラッチが簡単になる。

つまり、リングは戦いやすいということだよ。腕を組めることで、テイクダウンは容易になる。そこが新しい発見だったんだ。前回、リングで戦ったのは初めてだったけど、そこが直ぐに分かった。つまり、それこそが僕の対応力だよ」

──ところで昨年のONEはキックやムエタイ、グラップリングがMMAよりプッシュされていたように感じます。ONE世界ストロー級王者のジャレッド・ブルックスはMMAを1試合も戦っていないです。そのうえマイキー・ムスメシの組み技王座に挑戦して一本負けを喫するなど、MMAファイターが使われているように感じました。

「ONEはMMAで活動を始めたプロモーションだし、他の競技が組まれるようになると自然とMMAの数は減るよね。それにMMAは世界中で知れ渡っているから、他のスポーツの知名度を上げるために必要になってくる。そこは理解しているよ。それでも、僕が目指すのはMMAのベルトであることは変わりないから」

──そのために山北選手との試合は、大切になってきます。そして勝利だけでなく、挑戦権を手にするにはインパクトを残すことも必要となってきます。

「このレベルの試合になると、常にリスキーな戦いが待っている。ここで勝てばタイトル挑戦で、負ければ一からやり直しだ。勝利を得るためにベストを尽くし、世界中のファンが如何に僕が優れたファイターか理解できる試合をしたい。もちろん、勝ってタイトルを目指すけど……それが実現しないなら、与えられた相手と戦うだけ。当然、ヤマキタに勝ってジャレッド・ブルックスとジョシア・パシオ戦(3月1日にカタールで対戦)の勝者に挑戦したいとは思っている。

もう待ちたくないんだ。戦うという喜びを僕から奪って欲しくない。そんな事態になるとは思っていないけど、とにかく最高の試合をするよ。これまでONEの試合では敗北を恐れて戦っていた部分がある。でも、今回の試合は僕の全てを出し切る。そしてベストパフォーマンスを日本のファンに見てもらう。日本の皆のサポートに感謝しているし、皆に僕の試合を楽しみにしてほしい」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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ONE165:オッズ

スーパーレック・キアトモー9 1.48
武尊 2.70
ケイド・ルオトロ 1.17
トミー・ランガカー 5.25
青木真也 4.00
セージ・ノースカット 1.25
秋山成勲 1.95
ニキー・ホルツケン 1.80
マラット・グレゴリアン 1.63
シッティチャイ・シッソンピーノン 2.30
ゲイリー・トノン 1.41
マーティン・ニューイェン 2.95
平田樹 1.65
三浦彩佳 2.25
ダニー・キンガッド 1.50
若松佑弥 2.60
ラーデ・オパチッチ 1.57
イラジ・アジズプール 2.45
ボカン・マスンヤネ 1.56
山北渓人 2.50
箕輪ひろば 2.00
グスタボ・バラート 1.77

メインのスーパーレック vs. 武尊含め、日本人は全員アンダードッグ(平田 vs. 三浦の日本人対決は除く)。青木は今大会一番の大差でのアンダードッグとなっている。

平田 vs. 三浦は三浦の方がタイトル挑戦経験もあるし、実績で上なのにアンダードッグなのが意外。

第1試合開始は28日17時。速報します。

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【ONE165】グスタボ・バラルト戦へ、箕輪ひろば「一つのパートが強いのはトータルファイターではない」

【写真】(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」で箕輪ひろばがグスタボ・バラルトと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

4月のボカン・マスンヤネ戦では繰り返しローブローを受け、まともに試合ができないまま、判定負けを喫した箕輪。あの試合を自分の経験不足として消化し、自身のMMAの精度を高めるべく練習を続けてきた。箕輪はバラルト戦をクリアし、ストロー級王座挑戦につなげると誓った。


――約4年ぶりの日本での試合が近づいてきました。仕上がりはいかがですか(※取材は22日に行われた)。

「冗談抜きで過去最高かもしれないですね。海外の試合と違って、ずっと日本で調整できるので、やはりそこはやりやすいです」

――何か減量やコンディショニングの面で新たに取り入れたことはありますか。

「いつも通りのことをホームで出来ている、という感じですね。『こういう調整したいな』と思っていたことをやれています」

――前回4月のボカン・マスンヤネ戦は判定負けという結果でした。試合中にマスンヤネのローブローが続いて、正常に進まなかった試合だったと思いますが、あの試合を振り返ってもらえますか。

「結果だけで言えば落としちゃいけない試合だったという自覚はあります。次に誰がストロー級にベルトに挑戦するかを考えた時に、ボカンに勝っていた方が有利だったわけですし、あの負けで(ランキングが)下の選手とやらないといけなくなったわけで。

ただ試合内容で言えば、あれで俺の負けなの?という感想です。まずローブローを3回蹴られていますし、ローブローをもらう前はテイクダウンされてないんですよ。2Rにテイクダウンされてヒジをもらった場面も、ローブローをもらったあとにテイクダウンされている。僕はそこを明確にして欲しくて、結果的にローブローと判断されてブレイクになるんだったら、試合として成立しているのはローブローが入る前までで、テイクダウンされてヒジをもらった場面は判定の範囲外じゃないですか」

――確かに。そこはノーカウントのはずですよね。

「僕はそうなるものだと思っているし、今でもそう思っています。ダメージで言ってもボカンは僕の打撃で顔がボコボコになっていて、ギロチンとアームロックもキャッチが入ってもおかしくないくらい極まっていた。キャッチの有無はレフェリーの判断なのでとやかく言わないですけど、それにしても『う~ん………』という感じです。もし再戦が組まれるなら勝てる、じゃなくてもっと圧倒して勝てます」

――ずばりフィニッシュする自信はありますか。

「はい。ローブローがなかったらギロチンもアームロックも極めていました」

――納得できない試合だと思いますが、そこはどう消化していますか。

「2Rにギロチンが入った時も、ローブローのダメージで下半身に力が入ってなかったんです。あれもテイクダウンされたわけじゃなくて、引き込んでギロチンにいくしかなかったというか。ああいう状況でも一本を取れる選手は取れるわけで、あそこで取れない俺が悪いなって思っていました、“試合直後”は。

でも落ち着いて考えたら、相手の反則でそういう状況に追い込まれているわけだから、なんで反則された方の俺がそう考えなきゃいけないのって(苦笑)。だからあの試合は“実力”じゃなくて“経験”不足ですね。今までああいうローブローをもらったことがなかったし、そういうことが自分の試合では起こらないと思って生きてきた僕が悪かったです」

――ではそのマスンヤネ戦を踏まえて、どのようなことを意識して練習してきましたか。

「僕の理念は総合的に強くなることで、どこか一つのパートが強いのはトータルファイターではないと思っているので、トータルファイターにどれだけ近づけるか。それが出来るのは最初からMMAという競技に触れてきた僕らにしか出来ないことだと思っているので、レスラーに負けたからレスリングを強化する・グラップラーに負けたから寝技を強化するではなく、今まで通り全体的に強くなることを考えながら、要所要所のパーツを磨いてきました」

――MMAは細かい技術を磨く必要がある反面、MMAはMMAという大雑把な見方、いい意味で雑に全体を捉えることも必要だと思っています。

「例えばレスリングが強い選手にレスリングで勝つんじゃなくて、MMAで勝つ。去年RIZINで佐藤将光選手が太田忍選手に勝ったじゃないですか。僕はあれがMMAの一つの勝ち方だと思うんですよ。MMAファイターはああいう対処をしなければいけないと思っています」

――マスンヤネ戦では見せられなかったと思いますが、自分がやりたいことは形になってきていますか。

「そこは間違いないですね。継続してTRI.Hスタジオ、トライフォース赤坂(JTT)、ボクシングジム、大学のレスリング部にも行かせてもらっていて、各々のトップ選手たちと練習しています」

――パ―ツの技術を伸ばしてMMAとして融合させる。時間をかければかけるほど融合するものだと思っているので、今回の箕輪選手の試合が楽しみです。

「僕には僕の中で自分のMMAの強みだと思っている部分があって、それは周りから見ていても分からないというか、実際に戦った相手にしか分からないものだと思うんですよ。で、その強みに自信を持てるようになってきたんです」

――MMAの攻略は単純に攻める・守るだけではなく、相手を崩せるかどうかだと思っています。その相手の崩し方として、如何に技術や戦術を持ち込むかで勝敗が変わるもので、箕輪選手はそこが明確になってきたということですか。

「僕もMMAを始めて14年、半分以上がプロキャリア。しかも何か格闘技のバックボーンがあったわけではないですからね。しかも僕の師は阿部直之という人間で、阿部さんから教わるということも変わらない。だからブレないんですよ。よく色んな場所に行って練習するのがいいという記事や意見を目にしますけど、昔の僕は『かっこつけんなよ。もっと自分のジムでやることがあるだろ』って思っていたんです。

でもその考えも少し変わってきて、トライフォース赤坂がJTTに変わって、色んなコーチが教えに来るようになって、海外だったらここまで進んでいるんだと思う一方、ぶれない軸を一本持っている方が絶対にいいとも感じるんです。

先輩の山上(幹臣)さんがROAD FCでユ・ジェナムとやった時に韓国まで帯同したんですよ。当時うちのジムは出稽古を一切やってなかったんですけど、山上さんが『出稽古をやりたい』ということで色んなジムを周っていたんです。ただそれで結果を出せなくて、帰りのバスのなかで僕に『出稽古は行けばいいってもんじゃない。自分のスタイルが分からなくなる』とボソっと言ったんです。当時の僕はアマチュアのペーペーだったんですけど、そういうものなんだと思って聞いていて、実際に僕は出稽古は行ってなかったんです。

僕はアマチュアはそれでもいいと思っていて、同じ練習相手とひたすら同じことを練習すると、自分の形が出来て自信もつくから、それが試合に出せる。ただプロになるとそうはいかなくて、色んなことを経験して、試合中に何が起きても対応できるようにしないといけない。そうなった時に僕も出稽古に行こうと思ったんですけど、山上さんの言葉が頭に残っていたから、阿部さんに『どうしたらいいですかね?』と聞いたんです。

そしたら阿部さんが『出稽古にいくこと自体は悪くない。それを自分のジムに持って帰ってきて落とし込めないことがダメなんだ。落とし込む作業は俺とお前でやるから、お前は頭でっかちになっていい。色んなことを吸収して持って帰って来い』と言ってくれて。そこからは素直に色んなことを取り入れられるようになりました。だから自分の主観とそれ以外の目で見てくれる人がいるという練習環境はすごく大きいですね」

――実は武尊選手も同じことを言っていました。「海外で新しい技術を教わって、それを日本に持って帰ってきて取捨選択していく」と。どちらか片方だけではだめで、そこを両輪で回すことが必要ということですね。

「そうなんですよ。僕も昔は『練習終わって集合写真とってSNSに載せて強くなるわけねえだろ』と思っていたし(笑)、実際に出稽古に行くとそういうテンションの選手もいるから、あんまり出稽古の雰囲気そのものが好きじゃなかったんですよ。だから僕にとってTRI.HやJTTは出稽古先というよりも、長く練習させてもらっている一つの練習場所で、一週間の練習スケジュールのなかに組みこまれている。そしてそれをまとめるためのSTFでの練習があるという形です」

――さて今大会で対戦するグスタボ・バラルトの印象を教えてください。

「受けが強いグレコローマンレスラーですよね。テイクダウンをしてくるわけではなく、倒されないことを前提に打撃をバンバン振ってくる。山本”KID”徳郁スタイルだけど、そこまで当て勘があるわけじゃないみたいな」

――打撃が得意というよりも好きな印象です。

「あと彼は腕の短さが逆に厄介だと思うんですよ。ここまで入ったら当たらないだろうって距離で当たっちゃうんで。そこはきちっと対処しないといけないですね」

──そこまで相手のことをイメージできていたら、攻略のパターンはいくつもあるようですね。

「今回は攻略しやすいです。過去の試合を見ていても、明確なスタイルチェンジをしている形跡はないので」

――2024年は、どのよう1年にしたいと思っていますか。

「まずこの試合に勝ってランキングの上位に残る。そしてタイトルマッチをやりたいですね。次は挑戦権をかけて日本人対決でもいいんですけど、僕は日本人=同志というイメージがあるので(日本人対決を)やるんだったらタイトルマッチでやりたいです。ONEは近頃の“SNSで煽れば試合が決定”という舞台ではないので、用意された相手に勝って行って、早ければ年内、遅くても来年の春には挑戦したいです」

――急ぐことなく然るべきタイミングで挑戦したい、と。

「これは僕の考えなんですけど、やることをやっていればちゃんと順番は回ってくる。そう思っています」

――それでは最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「僕は大会の第1試合で、メインじゃないなら第1試合をやりたいタイプなので、まずはONEに感謝したいです。第1試合は第1試合の仕事をして大会を活気づけるので、応援よろしくお願いします」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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【ONE165】オクトパスガードでボカン越えへ──山北渓人「ブルックスに挑むために良い流れが来ている」

【写真】仕掛けと反応のチェスマッチ。ここは見逃せない(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」で山北渓人が待望のボカン・マスンヤネ戦を迎える。
Text by Shojiro Kameike

昨年3月にONE初戦でアレックス・シウバを下して以来となるマスンヤネ戦だが、シウバ戦の経験が今回の試合にも生きてくるという。「ここまで言って試合は大丈夫なのか?」と、こちらが心配するほど明かしてくれた山北の得意技とは?


――今回は共に約10カ月振りの試合となりました。

「ONEではストロー級の試合自体が頻繁に組まれていないですよね。ただ、僕の場合は何度かオファーを頂いているんです。まず前回の試合が終わったあと、6月ぐらいにオファーが来ました。でもリングの試合で――できれば自分はケージでやりたいから、その時はお断りして。さらにオファーが来た時も、怪我があって試合ができない状態でした。

自分としては可能であれば年2~3試合はやりたいです。今回の試合まで約10カ月という長い期間が空きましたが、その間にしっかりスキルアップできました。さらにビッグイベントに出られるので嬉しいですね」

――それだけONEからオファーが届くのは、シウバ戦の試合結果と内容が評価されているのでしょう。ご自身としてはシウバ戦で、ONEで戦う手応えは得ていたのですか。

「自分を試しているようなマッチメイクでした。シウバは元王者だけど、ランカーとノーランカーの間にいるようなポジションで。かつ日本人選手との対戦経験も多くて。そのシウバを相手にちゃんと勝つことができて、僕としても良い試合ができたと思っています。

周りの評価も高くて、チャトリCEOも取材の中で僕の名前を出していたり、直接『良い試合だったよ』と言ってくれました」

――シウバ戦はお互いにトップあるいはバックを取り合うハードな試合内容でした。そのなかで不安になる要素はなかったですか。

「僕はバックを取るのが好きなんです。シウバ戦でも取れそうな場面はありましたけど、やはりシウバも強くて、完全にバックを取るのは難しかったですね。そうなると、しっかりとトップをキープしないといけないのに、シウバに凌がれて僕が下になるシーンもありました。そのおかげで逆に動きが多くて、面白い試合になったんじゃないかとも思っています」

――それまで日本国内で経験してきた試合との違いは感じましたか。

「日本で対戦した中でも、強い選手はたくさんいました。でもシウバは、さらに巧さがあって。特に腰が強いとか、パワーが凄いとかは感じなかったです。でも僕に決定的なポジションを奪わせてくれない。シウバも柔術黒帯で、MMAでもベテランだから巧かったです」

――結果、まさに流れるような試合展開になりました。

「僕も練習では止まらないことを意識しています。面白い試合するため、というよりは動くほうが楽なんですよ。力を使わないので。トップから固めているほうが疲れますね」

――それは山北選手のベースが、とにかく動き続ける競技のレスリングであることは関係しているのでしょうか。

「確かに長くやってきたレスリングがMMAに生きている部分はあります。特にグラウンドでポジションをキープする時とか。でも動き続けるということに関しては、柔術をやっていることのほうが大きいと思います」

――アレックス・シウバ戦の中で「柔術をやっていて良かった!」と思ったシーンはありましたか。

「あります、あります。それこそ初っ端でありました。最近は柔術のオクトパスガードという、潜る系の動きが結構ハマッていて。シウバ戦でも最初にオクトパスガードから綺麗にスイープすることができたんですよ。あれだけ強い相手にも自分の技が通用するんだって自信になりました」

――1R2分を過ぎたあたりで、ハーフガードから返した技ですね。

「本来はバックも取れる技なんですが、相手がバックを取らせないようにしてきたらスイープするようにしています。最近はこの技にハマッていて、練習でもこの技を掘り続けています」

――オクトパスガードからバックテイクする際、途中にトラックポジションのようになるのでレスリングにも似た形になるような気がします。

「そうなんですよ。今はMMAで、レスリングよりも柔術的な動きをしたいと思っています。でも知らず知らず、というか――あらゆる動きの中でレスリングをやっていたことが生きているんだな、と実感しています」

――ちなみに、相手がこのオクトパスガードからのスイープを仕掛けてきた場合は、どのように対処するのでしょうか。

「MMAではしっかりと抑え込む。柔術だとカウンターでバックテイクを狙う時もあります。表裏一体みたいなポジションで――」

――バックテイクのための技で、そこにカウンターでバックテイクを狙いに行くと……。

「お互いにグルグルと、バックテイクで回り続けることがあります(笑)。柔術が強い相手だと、その展開は結構あって。練習で動き続けるというのも、この展開が含まれていますね」

――アハハハ。

「このポジションの良さは、相手がパウンドを打てないという点です。僕の場合、練習でも階級が上の選手と練習することが多いんですよ。すると下からワキを差しても返すことができず、MMAならパウンドを受けてしまいますよね。僕も殴られたくないので、殴られない方向に体を入れていくというのが、このオクトパスガードです。

もともとこういうガードがあることは知りませんでした。でも練習で自然に、この動きにハマッっていって。あとで、これがオクトパスガードというものがと知ったんです。あえて習おうとするより、いつもの動きから自然と身についた技のほうが自分自身にハマりますね」

――このオクトパスガードにハマり始めたのは、いつ頃からですか。

「シウバ戦の前には、身につけていました。クレイグ・ジョーンズも、このオクトパスガードをやっていて。シウバ戦後もジョーンズの試合を視ながら、『こういうやり方もあるんだ』って深堀りしています。おかげで今は、シウバ戦の前よりもオクトパスガードからスイープできるようになっています」

――今回対戦するマスンヤネもテイクダウンファイターなので、オクトパスガードが大きなポイントになりそうですね。

「はい。相手がやりたいことはバッククリンチというか、バックに回っても足を入れずに、クラッチしたままキープすることだと思います。だからスクランブルの展開で、僕のほうがバックテイクするか、しっかりと上のポジションを取ってパウンドを打ち込みたいです」

――山北選手と同様、マスンヤネも最初から攻め込んでくるファイターです。

「実は僕も、すぐテイクダウンに入ろうとは思っていないんですよ。しっかりと打撃の攻防をしてから組みに行く。そのために『今日は打撃をやろう』と思ってはいるものの、スタンドでテイクダウンに入れそうな隙を見つけたら、自然に組んでしまいます(苦笑)」

――自然にできるというのは、良いことではないですか。

「そういう時は、すごく良いテイクダウンができていますね。シウバ戦も相手は寝技が強いので、もっと打撃を出していこうと考えていました。でも右を出したら入れそうな様子だったのでテイクダウンに行ったんですよ。今までその戦い方で勝ってきたので、それで良いと思っています」

――一方、マスンヤネは中間距離から蹴りを散らしてくるタイプです。テイクダウンすることを考えると、その蹴りは厄介ではないでしょうか。

「そういうタイプのほうが僕はやりやすいですね。立ち技のスクランブル――マスンヤネは蹴ってガチャガチャの展開にしてから組んでくるじゃないですか。そうなってくれたほうが、逆に僕も組みやすいです」

――マスンヤネにとって唯一の敗戦は2022年4月のジャレッド・ブルックス戦で、ブルックスのほうから組んで仕留めました。

「投げの打ち合いでブルックスが勝って、最後はRNCを極めましたよね。まずマスンヤネが前に出て、自分自身が慌てて攻めているところで組まれているイメージがあります。箕輪ひろば選手との試合も、全く引かない箕輪選手に苦戦していましたし。勢いがあるから、やりにくいと感じる選手もいるとは思うんですよ。でも僕は見合うより、勢いで来るタイプのほうがやりやすいです」

――マスンヤネは現在ストロー級2位。この試合に勝てば一気にベルト挑戦が近づきます。

「3月1日にブルックスが、ランキング1位のジョシュア・パシオと防衛戦をやります。ここで僕がマスンヤネに勝って、ブルックス×パシオの勝者に挑戦したいです。3月の勝者に挑むとなったら6月か7月——1月の試合から間は開くかもしれませんが、それでも良いです。もう1試合挟むことなく、そのままタイトルマッチをやりたいですね」

――なるほど。ブルックス×パシオは、どちらが勝つと予想しますか。

「いつもの展開でブルックスが勝つんじゃないかと思います。やっぱり強いんですよね。いつも試合展開は同じだけど、その展開に持ち込む強さがありますから。ブルックスに挑むためにも、僕にとっては良い流れが来ていると感じています。

ファンの皆さんは海外の中継を視る時、知っている選手のほうを応援するじゃないですか。今回は日本で行われるビッグマッチで、僕のことを印象づけるチャンスだと思っています。実はシウバ戦が、レスリング時代も含めて初の海外試合で。だけど普段よりも緊張せずに戦いやすかったんです。だから今回は日本のビッグマッチで皆さんに僕のことを知ってもらい、海外でベルトに挑戦します」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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