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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】ゲイリー・トノン戦から3週間、松嶋こよみ─02─「大塚(隆史)さんと練習をすることに」

【写真】再び歩みだすしかない。(C)ONE

4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE114「Bing Bang」で、ゲイリー・トノンとの大勝負に敗れた松嶋こよみインタビュー後編。

組技師との敗北で気付いた、MMAに不可欠な組み技力。そして松嶋はMMA界には打撃を伸ばすために、かつての同門であり先輩ファイターとのスパーリングを再開した。

<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>


──今回の敗北を経験して、今後の練習方法などでも考えることはありましたか。

「明確にはなっていませんが、試合のためにグラップリングの練習をしていたのを普段から、トノン戦のような取り組みをしないといけないとかと……。普段から寝技を意識することができれば、もっと自分の打撃を伸ばすことができる。MMAで戦うためには、もっと寝技が強くならないといけないと思っています。

それと大塚(隆史)さんとの練習を週に一度ぐらいでやっていくことなりました」

──大塚選手ですか!!

「ハイ、もともとはAACCの先輩で岩﨑(達也)先生に打撃の指導を受けていたのですが、また一緒に練習することになったんです。やはり僕がやってきたなかで、レスリングと打撃を混ぜている人ってなかなか少なくて。

この間、スパーリングをしたのですが、大塚さんにテイクダウンを取られるんです。タイミング良く、入られたりして。結果、下、上と関係なくスクランブルの練習になっています」

──大塚選手との練習はどこで行っているのですか。

「T-GRIPです。岩﨑先生に見てもらって、打撃からテイクダウン、スクランブルまでのスパーリングです」

──武術空手の理が、MMAに生きるスパーということでしょうか。

「空手が生きるというか、打撃とレスリングの組み合わせで──レスリング出身同士、岩﨑先生の打撃を知っている者同士でもあります。そうしたら、スピードが合うんです。

トノンと戦って、凄くスピードが違っていました。僕のスピードで戦うことができれば、もっと良い動きが出せたはずです。結局、僕はトノンのスピードに合わせてしまった。結果的に打撃も入らず、中途半端になった。

自分のスピードに合った練習ができれば、そこを突き詰めることになるのではないかと。それを大塚さんとの練習で追及していければ良いかと思っています」

──試合中に我がままを通すには、相当の努力が必要になりますね。大塚選手との練習に関して、北岡選手はどのような意見なのですか。

「どうですかね……、そこに関しては特に深くは話していないです。ただ『横浜に練習に来てくれて良いから』と言ってくれています」

──岩﨑さんと松嶋選手が取り組んでいることは、MMA界においてもほぼほぼ理解されないことだと思っていたのですが、大塚選手は分かり合えるのですね。

「そうですね、大塚さんも必要だったから岩﨑先生と再び連絡を取り合うようになったと思うんです。会場で会って挨拶や話をすることはあったのですが、肌を合わせるのは4、5年振りでした。

成長した2人が練習するって言うのは、なんか変な気持ちです(笑)」

──変な気持ちなのですか(爆)。

「なんか心地良いことが、変な感じで(笑)。良い練習になっています」

──分かる者同士の練習が効果的なら、分かる人が多い方が良いわけですよね。ただし、そこが難しそうです。

「分かってくれないと練習にならない部分はあります。ただ空手が分かり、レスリングが分かっていても力量差があると、自分が圧力をかけても掛からない人もいます。だから大塚さんとの練習は、どこにいると危ないとか分かっている人との練習になるので、頭も動きも回転が速くなります」

──対戦相手には理解できないことを、理解できる練習パートナーと積むことができるという利点があるわけですか。

「試合になれば『危ない』っていう感覚は誰しもが持っているとは思います。マルロン・サンドロと戦った時、彼が僕の圧力を嫌がっているのが分かりました。もちろん、僕もサンドロの圧力が嫌でした。でもあの人は空手なんか全く知らないわけで。それでも、危険だ、嫌だという空気を感じることができる。

つまり知らない人に嫌だと思わせることはできるということです。そんな相手が嫌がる部分を養うことができる練習、試合に必要になるスパーリングを大塚さんとやっていきたいです。

トノンとの試合では、僕のエネルギーがどんどん小さくなっていきました。それをもっともっと大きくしていきたい。それが可能な練習だと思います」

──運命ではないですが、互いに一度は離れた指導者の下で手を取り合う。このタイミングだったのでしょうね。

「そう思います。大塚さんが修斗のタイトルに絡めるタイミングで再会できて良かったです。僕にとっても、大塚さんにとっても良い練習になるに違ないです」

──ではトノン戦の敗北を経て、2021年を迎えることになります。

「ここでまた躓きましたが、ONEで僕は本当に良い相手と戦うことができています。そのなかで、もう取りこぼせない。また負けられない試合が待っていると思います。

2連敗して、その先があるかといえば──それはないです。次の試合が今後のMMAファイター人生に大きく影響してくる。だからこそ、絶対に落とせないという気持ちで日々の練習に取り組んでいきたいです」

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】ゲイリー・トノン戦から3週間、松嶋こよみ─01─「やられないイメージでやりすぎていた」

【写真】松嶋こよみの打が、ゲイリー・トノンの組みの圧力に敗れた(C)ONE

4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE114「Bing Bang」で、ゲイリー・トノンとの大勝負に敗れた松嶋こよみ。

MMA界髄一といって過言でないトノンの寝技を凌いだ反面、打撃で支配することはできなかった。

現代MMA界でも非常に珍しくなった異種格闘技的な性格のある戦いを経て、松嶋は何を想うのかを尋ねた。


──ゲイリー・トノン戦から3週間、あの敗北をどのように捉えていますか。

「先週まで……2週間ぐらい毎晩、死にたいような気分になっていました(苦笑)。そこから練習を再開するようになって……気持ち的には一旦リセットはできてきたかと思います」

──勝つことはできなかったですが、不甲斐なさなど微塵もなかった試合だったと思います。

「結局、極められはしなかったけど、『じゃあ、お前が何をしたんだ』と問われると、僕は本当にただ守っただけだし何もできなかった。試合が終わってからも、ずっと力を出し切れなかった……という想いが続いています。

2Rまで相手のペースで、自分のやりたいことができていないことが分かっていても、3Rもああいう風に動けなかった。悔しいとかいうよりも、不完全燃焼という気持ちが強いです」

──最終回はトノンが、2Rまででセーフティリードと考え勝負をする必要がなく、その選択を全うしたので凄く難しかったと思います。

「そうですね。少し当てて離れれば良いという感覚で戦っているのも分かっていました。あのサークルケイジだと、追い回すことも難しく、無理から突っ込んでいくとカウンターのテイクダウンが来る……。だからこそ、3Rをあの状態で迎えてはいけなかったです」

──う~ん、とはいえ1Rのバック&RNCを凌いだことは確かです。

「でも、それほど苦しくなかったんです。そこまでガッチリとはトノンも極めにきていなかったような気がします。もちろん僕は守ることに徹するという展開だったわけですけど。

背中を取っている位置がかなり上の方だったので、絞めはそれほど深く入らないという感覚はありました。ただし、あれが続くと、攻防のなかで気持ちが揺らぎそうになりはなりました」

──もう諦めようと?

「そうですね……『負けか……。これでタップするのか』という自分の声も聞こえました。あの態勢を取られると負けるという前提で、ああならないように取り組んできたので。でも、そうなった時にどう対処するのかという練習をしてきたから、何とか耐えることはできた。そういうことだと思います」

──結果論ですが、2Rにテイクダウンを取られずに打撃で圧力を掛けることができていると逆転の目が大きくなっていた。

「その通りですね。自分の打撃で行こうと思っていました。ただ、そうするとすぐにトノンが離れる。一定の距離をずっと取られ続けていました。結果、リズム的にも難しかったです。

そうなると段々と自分の攻撃パターンが少なくなって。相手がサークリングをしてくるので、右の蹴りを出して止めようという意識が強くなりました。そして、練習をしていない蹴りを使ったことで、カウンターのテイクダウンを許すことになりました。

レスリングは大丈夫だという甘いが考えが、あのテイクダウンされる展開に至ったと思います。あそこで即スクランブルに持ち込むと、バックをまた取られて極められる。ならガードで落ち着こうとか考えたのですが、結局のところはトノンが全ておいて上手でした」

──タップしなかったことは、自信にならないですか。

「MMAだと、そんなに極められないんだということで逆に驚いたということの方が大きいです。あの展開になったら、アッサリと極められるだろうと思っていたので。だから自信というよりも、トノンを大きく見過ぎていたかもしれないです。

同時に僕がリードしていたらトノンもああいう風でない、極めに拘った攻めを見せていたかもしれないですし。とにかくトノンの作戦にハメられた試合で、絞めを取られなかったから──他の選手に取られることはないという感覚になるのは良くないです」

──なるほどぉ、深いですね。自分なんてトノンに取られなかったので、あとはどんな組みや寝技の強い選手、あるいは寝技のない選手にもガンガンと打撃で攻めることができるようになると単純に考えてしまっていました。

「圧力に関しては、これまでより掛けていけるんじゃないかという感覚はあります。ただ、これを経験したからこそ、もっとグラップリングの練習をしないといけないと思うようになりました」

──いわば異種格闘技的に捉えると、トノンの組みの圧力が松嶋選手の打の圧力を上回ったということでしょうか。

「そもそも今回は守る練習をしていた。防御を考え過ぎてしまった……勝つイメージよりも、やられないイメージでやりすぎていたというのがあるかと思います。

それって最初から攻撃より、防御に回っているということで。結果として、自分の圧力は落ちている。力が落ちていたのかという感じはします。今更ですけど、もっと自分の攻撃を信じて準備をすれば良かったと思います。

でも……あの練習をしていないとやられていた。そう言う分でトノンは攻略が難しいだけでなく、準備も難しい相手だったと思います」

<この項、続く>

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ONE ONE Big Bang02 ONE114 Report キム・ジェウン ブログ 山田哲也

【ONE114 Big Bang02】山田哲也、テイクダウン&バック奪取ならず、下になり鉄槌の連打にTKO負け

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
Def.2R4分39秒by TKO
山田哲也(日本)

左ジャブから右ローを蹴るキム・ジェウン。さらに右ストレートを伸ばしていく。山田もローを返して組みつくと左を差して小外掛けへ。ケージを背にして耐え、体を入れ替えたキム・ジェウンがボディから右フックを打っていく。山田は続くテイクダウン狙いも切られると、離れた直後にスピニングバックエルボーを被弾する。

直後にテイクダウン狙いから引き込んだ山田に対し、キム・ジェウンは右の鉄槌を落としエルボーを打っていく。立ち上がったキム・ジェウンは、パンチを落としながらガードの中に入りパンチを連打していく。鋭いパンチに山田は右目じりをカットも、立ち上がってボディロックへ。そこから一気にバックを狙うが、キム・ジェウンが許さず逆にワキを潜ってバックへ。

山田はキムラからグラウンドに持ち込み、そのまま腕十字へ。腕を抜いたキム・ジェウンが、パンチを打ち込む。流血の山田は蹴り上げを見せ、キム・ジェウンはスタンドで待ち受ける。残り50秒、ここで山田にドクターストップがかかるが試合は再開へ。山田は左ミドルを蹴る。キム・ジェウンは右ボディから、右オーバーハンドで前に出ると山田が右を当てる。ここでキム・ジェウンが組みつき、残り5秒で離れるも動きはなかった。

2R、山田は左ミドルから組んで、ケージにキム・ジェウンを押し込む。右を差したキム・ジェウンは、山田の飛びつき三角を防ぎ、間合を取る。立ち上がった山田はすぐに組みつくが、自ら離れる。キム・ジェウンはここで組み勝ち、山田は引き込んでガードを取るも右のパンチを思い切り打たれる。

立ち上がったキム・ジェウン、レフェリーがブレイクを命じて山田はスタンドへ戻るが、ローに右を合わされる。キム・ジェウンは組んで両ワキを差すと、山田はギロチンから引き込む。足を越えてギロチンを防いだキム・ジェウンが、一度は立ち上がるが再びガードの中に入りボディから顔面にパンチ、鉄槌、さらにエルボーを打っていく。

ここからキム・ジェウンが立ち上がると、山田はレフェリーにスタンドに戻される。組んで小外掛けも、キム・ジェウンに潰された山田は下にされ、鉄槌の連打に動きが止まり──TKO負けとなった。

大人泣きのキム・ジェウンは「毎日、ずっと怖かったです。でも今日は恐怖を乗り越えて勝つことができました。次? ONEと契約する前からずっと戦いたかった選手が1人います。マーチン・ウェンです」と話した。


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ONE ONE Big Bang02 ONE114 Report アギラン・タニ タイラー・マグワイア ブログ

【ONE114 Big Bang02】タイラー・マグワイア、ボディロックTD&コントロールでアギランを削り判定勝ち

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
タイラー・マグワイア(米国)
Def.3-0
アギラン・タニ(マレーシア)

マグワイアの跳びヒザ後にクリンチに持ち込んだアギランが、ケージに押し込まれる。ダブルレッグに対し、アギランはギロチンを狙う。マグワイアは倒立パスでギロチンを無効化させるも、苦しかったのかガードの中に自ら戻る。このタイミングで立ち上がったアギランは、ダブルレッグからバックを伺い離れる。直後にハイキックでバランスを崩したマグワイアがダブルレッグ&ボディロックでテイクダウンに成功する。

そのままマグワイアがサイドで抑え、アギランのブリッジに体を浮かせたが立ち上がることは許さない。ハーフのアギランにエルボー、そしてパンチを入れるマグワイアが跳ね上がるようにパスを決める。サイドでエルボーを入れたマグワイアは、背中を見せたアギランにスクランブルを許し、ボディロック&小外掛けでテイクダウンからマウントを取られる。アギランはバックマウントに移動し、反撃する力があることを見せて初回を戦い終えた。

2R、直ぐに組んだマグワイアがボディロックテイクダウン。立ち上がったアギランの背中に乗るが、前方に振り落とされる。すぐにスタンドに戻り左腕を差したアギランをケージに押し込むマグワイア。ここでもマグワイアはボディロックテイクダウンを決め、サイドで抑える。マウントに移行したタイラー、アギランは背中を見せてからスクランブルに持ち込んで離れることに成功する。

手数や動きはマグワイアの方が多いが、疲れてきたかバタバタし始める。それでもマグワイアは左腕を差して、ケージにアギランを押し込んでいく。ヒザをボディに突き刺し、体を入れ替えたアギランは、直後にボディロックテイクダウンを取られてしまう。背中に回り、ワンフック&アゴの上からの絞めを凌いだアギランがガードを取り、時間に。

最終回、ローを蹴ったアギランは、マグワイアのクリンチを崩してヒザを入れる。マグワイアはスタンドに戻り、ワンツーを当ててから距離を取り直す。続く左ロングアッパーに、ヒザを合わせたアギランは、そのまま組まれてケージに押し込まれる。左腕を差し返し、ボディロックテイクダウンを切ったアギランが押し込み返す。ここで離れたアギランがショーツの不具合を直すために試合が一時中断される。

再開後、マグワイアはまたもボディロックテイクダウンを決めバックから一気にバックマウントへ。アゴの上から右腕一本で絞めていくマグワイアが、アギランを腹ばいにさせ、続く動きに合わせて上を向かせると肩固めへ。アギランはここも背中を預けてエスケープを図ったが、マグワイアがバックを制し続け、最後のスクランブルも許さずタイムアップに。

テイクダウン&コントロールで、試合を支配したマグワイアが3-0でアギランを破った。


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ONE ONE Big Bang02 ONE114 Report アリ・モタメド チェン・ルイ ブログ

【ONE114 Big Bang02】右を効かせたチェン・ルイ。アッパーでモタメドにトドメを刺す

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
Def.1R1分15秒by TKO
アリ・モタメド(イラン)

遠い距離から蹴りを中心に戦う両者。ここから距離を詰めてパンチを纏めるチェンに対し、モタメドもオーバーハンドやヒザを返す。構わず、圧力を高めて前に出るチェンが、モタメドの右に右を合わせる。完全に腰が落ちたモタメドがなんとかスタンドに踏みとどまるものの、チェンはアッパーを突き上げて勝負を決めた。


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Interview ONE ONE Big Bang02 ONE114 キム・ジェウン ブログ 山田哲也

【ONE114 Big Bang02】キム・ジェウン戦へ、山田哲也─02─「『俺なら取れるぞ』というのは、あります」

【写真】テイクダウンを重視しないONE裁定。その理屈を通すなら、ガードワークを取ることをマイナス評価にすべきでないと思う(C)MMAPLANET

11日(金・現地時間)に中継されるONE114「Bing Bang02」でキム・ジェウンと対戦する山田哲也インタビュー後編。

一度はMMA界から姿を消した山田が、群馬の太田、大泉で英気を養い難敵との対戦に挑む。

引き込みという現代MMAではマイナス要素となる手段を選択することも少なくない山田に──その引き込み論と、キム・ジェウン戦で為すべきことを訊いた。

<山田哲也インタビューPart.01はコチラから>


──道着もやったみたいというのは?

「道着とノーギは全く別モノです。道着の練習をして、MMAに特別生きるとは思わないです。でも道着ではケチョンケチョンにやられても、ノーギだとそうはならない。だからこそ、余りにもできない道着の練習をしていきたいと考えています」

──なるほどぉ。しかし、なぜそこまでインファイトにハマったのでしょうか。

「メチャクチャ練習が厳しくて、全員が強いからだと思います。黒帯を巻いている人が10人とかいて。今回の試合に関して、準備は完璧です。

正直なところ8カ月ほど練習をしていなかったので、最初の1週間は横隔膜まで筋肉痛でした。でも、ずっと格闘技をやってきていたので感覚はすぐに戻りましたし、群馬での練習で体調は相当に上がっています」

──これからも日本、群馬で試合前は調整することになりそうですか。

「そうですね。実際、ビザがないとタイに入国できないですし。今はタイガームエタイに戻ることは無理です。ONEがバンコクで大会を開いて、その時にビジネス・ビザを習得して暫らくいるというのは可能かもしれないですが、もうコロナのことなので、そこに関しては先は見えていないです。

先週のライブ中継でもそうだが、現状のMMAは試合当日まで試合が流れる恐れがある(C)TETSUYA YAMADA

今回の試合にしても、ギリギリのタイミングだと思っています。世界的に感染者数が凄く増えていますし、またシンガポール政府の方針だって変わるかもしれない。この試合だってどうなるのか分からないという気持ちはどこかにありました。

だからシンガポールに入国できて、ホテルで過ごしていることでホッとしているというのもあります。そういう状況ですし、この試合が終わってからもファイトキャンプは群馬で行うようになると思います」

──ではキム・ジェウンの印象を教えてください。

「正直、苦手なタイプではあります。後半とかも動きが落ちないしですし、気持ちも折れない。ずっとプレッシャーを掛けてきますからね。僕としてはスクランブルでバックを取って早めに決めたいです。

ああいう気持ちの強い選手ですが、力でねじ伏せる試合をしたいです」

──山田選手がグラウンドのエルボーでTKO勝ちをしたハファエル・ヌネスを相手にスタンドの打撃でKO勝しています。あの試合、リング使用ということもありましたが、スクランブルでロープに腕を引っ掛かる行為なども目立っていました。

「確かにヒジを引っ掛けたりしていましたね。そうやってスクランブルで結構頑張っていましたけど、バックに回られることもあったじゃないですか。アレは『俺なら取れるぞ』というのはあります」

──山田選手の試合の特徴としては、引き込みが見られます。引き込むと一様に気持ちが折れた的なことを指摘されますが、決してそうではない引き込みもあるかと思います。特にガフロフ戦の山田選手は、意図があって引き込んでいるように見えました。

「引き込みは印象が悪いのは確かだと思います。ただ、テイクダウンされて悪い態勢になるのであれば引き込んで自分の形を取りたいです。ガフロフ戦に関しても、あそこから勝負ができるという考えで引き込んでいました」

──疲れさせてというのは見えました。

「勝算があって戦っていました。MMAを戦う上で引き込むも選択肢の一つです。ただ、今回の試合では引き込むつもりはありません。しっかりと組んで戦います。ボディロックから良い形で倒そうと思います。そこで立ってきた時に、如何に自分の形で組んでいけるのかが重要になってきます」

──ONEフェザー級戦線には松嶋こよみ、高橋遼伍、中原由貴という活きの良い選手が揃っています。日本人同士の出世争い、そこに割って入るためにもキム・ジェウンを相手にどのような戦いが必要でしょうか。

「如何に極めて勝つかですね。グラップリングでは僕にアドバンテージがあると思っているので。キム・ジェウンはブリッジが強いのでそこは気を付けたいです」

──では最後にファンに一言お願いします。

「ハイ。1年半試合をしてこなかったので、もう忘れられてしまっているかもしれないですが、そういう人たちに『こんなヤベェヤツがいたのか』って思ってもらえる試合をします。圧倒します!!」

■視聴方法(予定)
12月11日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE114 Big Ban02対戦カード

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
ジョナサン・ハガディ(英国)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
エリオット・コンプトン(豪州)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
山田哲也(日本)
キム・ジェウン(韓国)

<キック・ヘビー級/5分3R>
エロル・ジマーマン(オランダ)
ラデ・オパシッチ(セルビア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
テイラー・マグワイア(米国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アリ・モタメド(イラン)
チェン・ルイ(中国)

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ONE ONE Big Bang ONE114 Result ゲイリー・トノン ジヒン・ラズワン ブログ ボカン・マスンヤネ リトゥ・フォーガット 松嶋こよみ

【ONE114】試合結果 松嶋こよみ、絞めを凌ぐも拳で恐怖は与えられず。ボカンは37秒KO勝ち

【写真】トノンの寝技を凌いだ、ウェルラウンダーの寝技には負けない&打で追い込める自信を元に、次へ向かってほしい(C)ONE

4日(金・現地時間)、シンガポールはシンガポール・インドアスタジアムでONE114「Big Bang」が行われた。

COVID19の影響で対戦カードの変更が試合当日まで見られ、結果7試合と1中継分の試合数としては活動再開後、最も多くの試合が組まれることなった。

注目の松嶋こよみ✖ゲイリー・トノンはテイクダウンからバック奪取で試合をリードしたトノンが判定勝ち。

松嶋はバックチョークを防ぎきるという部分で特筆すべき戦いをやってのけたが、打撃でトノンを封じ込めることはできなかった。

ストロー級注目のボカン・マスンヤネはタイトルコンテンダーのルネ・カタランを37秒KO勝ちし、一気にタイトル戦線へ。

またライブ中継2大会連続で第1試合に抜擢されたリトゥ・フォーガットもジョマリー・トーレスを危なげなくクルスフィックスからエルボーを連打しTKO勝ちを収めている。

ONE114「Big Bang」
<キック・フェザー級/3分3R>
○マラット・グレゴリアン(アルメニア)2R1分52秒
KO
×イワン・コンドラチェフ(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
○ゲイリー・トノン(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×松嶋こよみ(日本)
<キック・ヘビー級/3分3R>
○ムラット・アイグン(トルコ)3R
判定
×アンダーソン・シウバ(ブラジル)
<キック・フェザー級/3分3R>
○アンディ・サワー(オランダ)3R
判定
×ジャン・チュンユ(中国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
○ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)1R0分37秒
KO
詳細はコチラ
×レネ・カタラン(フィリピン)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
○ジヒン・ラズワン(マレーシア)3R
判定
詳細はコチラ
×ビー・ニューイェン(米国)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
○リトゥ・フォーガット(インド)1R3分15秒
TKO
詳細はコチラ
×ジョマリー・トーレス(フィリピン)

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ONE Big Bang02 ONE114 キム・ジェウン ブログ 山田哲也 未分類

【ONE114 Big Bang02】キム・ジェウン戦へ、消息不明だった??山田哲也─01─「絶望していた時期も……」

【写真】我が道を行く典型的な人、山田哲也(C)MMAPLANET

11日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE114「Bing Bang02」が中継され、山田哲也にとって1年半ぶりの試合が視聴できる。

昨年5月にマラット・ガフロフに敗れた山田は、コロナのパンデミック後タイのタイガームエタイから帰国していたが、音信不通という噂が流れた。

その山田がキム・ジェウンという韓国の猛者との試合が発表され、シンガポールに渡った。この行方がしなかった期間、そして今回の試合を前に山田はどこで何をしていたのかをファイトウィークに尋ねたインタビューをここで掲載したい。


──山田選手、まずお伺いしたいのは8月頃に山田哲也・行方不明説が業界ではまことしやかに流れていましたが、アレはどういうことだったのしょうか。タイから帰国した山田選手がRoad to ONEに出場できないか関係者が打診したところ、Y&Kスポーツアカデミーにはいないということで、この説が出回っていたのですが……。本人に連絡を試みても返答がないということでした。

「4月に帰国してから、ずっと岩手県一関市の実家にいたんです。帰国した時点で1年近く試合ができていなくて、コロナ禍のこともあり、ONEの活動再開も見えていませんでした。この状況やこれからに絶望していた時期もありました。

実際に知り合いのところで働かしてもらっていましたし、9月まで練習は全くしていませんでした。格闘技の情報を耳にもいれないようにして」

──それは引退を考えていたというころですか。

「引退というか……状況次第でまた始めようとは思っていました。でも、先が見えるまでは格闘技の情報を頭に入れることも嫌だったんです。ネットやSNSも全く見ていなかったですし、誰が誰に勝ったのかとかも知らなかったです。

でも夏が終わってRoad to ONEを視ました。バンコクでONEが活動再開した頃から9月にかけてマネージャーから『今年中に試合を組むから』という連絡が入ってきたんです。なら、徐々に体を戻そうかと思いまして」

──山田選手はたしかロシア系のマネージャーがついていたと記憶しているのですが。

「ハイ、タイガームエタイにいるカザフスタン人です(笑)」

──凄い世界観です。ではタイガームエタイとの関係というのは?

「今もスポンサードファイターです。ただ4月の時点で、『これは帰国できなくなるかも』と思って、日本に戻っただけで」

──体を動かし始めたのも地元で、ですか。

「10月の最初まで岩手にいて、試合が決まり10月の半ばですかね……群馬県で合宿をしました」

──群馬県!!

「環境として最高でした。柔術のINFIGHT JAPANをベースにして、ほんとにここまで人に良くしてもらったことはないと思うぐらい、皆がサポートしてくれて。最高の1カ月間でした」

──横須賀に戻って来なったのは?

「それはプロ練が今はないからです」

──なるほど。インファイトといえばホブソン・タンノ選手、そしてヘナート・シウバ選手という柔術界でも軸となる日系ブラジリアンが率いている名門です。何か伝手があったのですか。

「いえ、普通に一般会員として入会しました。練習も9割は日本人じゃなくて。それとインファイト・ジャパンは群馬の大泉町にあり、近くの太田市にはタイ人4人でやっているポン・ムエタイ・ジムという立ち技も練習できる場所があったので、凄く良い練習ができました」

──ぶっちゃけて伺いますが、山田選手は日本人コミュニティが苦手なのでしょうか(笑)。

「う~ん、それもあるかもしれないです。アハハハ。日系ブラジル人の皆や、タイ人といると楽です。ストレスがなくて(笑)」

──アハハハ。日本でもプーケットにいるのと同じですね。

「本当にそれに近い環境でした。キッチン付きのホテルに滞在し自炊をして」

──調理するのもタイ料理ですか(笑)。

「そこは日本食です(笑)」

──大泉は日本の中のブラジルというか、でもタイにある炭酸じゃない方のレッドブルとかも売っていますよね。

「アハハハ。はい、ありますね」

──いやぁ、山田選手はそこが良さかと思うのですが、本当に変わっていますよね。

「いえいえ(笑)」

──そんな大泉、太田で皆が良くしてくれたと。

「ハイ。インファイトではMMAの経験のある人たちが、本当はノーギのクラスなんてないのに自分のためだけにノーギで練習してくれて。ヘナートには本当によく指導してもらいましたね。めちゃくちゃ良い人で。

ポン・ジムもMMAグローブでミットをしてくれたり、かなりしごかれました。これからも群馬には1カ月単位で練習しにいきたいと思っています。インファイトでギの練習もしたいですし」

<この項、続く>

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ONE ONE Big Bang ONE114 Report ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】トノンのバックチョーク、足関節も凌いだ松嶋こよみ──だが、拳を入れることはできず判定負け

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
Def.3-0
松嶋こよみ(日本)

左の蹴りを見せるトノン、誘いに乗らない松嶋だが逆に蹴り足を掴まれる。ここからパンチを振るい、組んでいったトノン。松嶋は切るが、トノンはジャンピングガ―ドからギロチンを仕掛ける。トノンが外し、松嶋は左を入れる。

トノンは組んで引き込むと、右腕を差し離れようとした松嶋のバックへ。ワンフックでバックに回ったトノンが、四の字ロックに。ツーオンワンで手首を掴んで防ぐ松嶋。トノンは自らの指と指を引っかけて喉下に右腕を入れようとする。

トノンはパンチから右腕をアゴの上から絞める。松嶋は手首を取ってはがしにいくと、トノンがパームトゥパームからRNCに組み直す。アゴの下への絞めを防いだ松嶋、ラウンド終了までの残り90秒だ。一度、胸を合わしに行った松嶋だが、トノンは許さない。トノンは右手で松嶋の右肩を掴み、足を跨いでマウントに移行しパンチを落とす。

再びバックに回ったトノンはケージを背負って、腕を差し入れる。松嶋は手首を掴み、腕を伸ばしてラウンド終了までサバイブしした。

2R、右前蹴りを見えた松嶋、テイクダウン狙いを切り、引き込みにもウィザーからヒザを蹴っていく。引き込んだトノンに付き合わず、立たせると松嶋は右ハイを蹴る。松嶋はテイクダウンのフェイクを見せたが、続く右ローにトノンが逆にダブルレッグを決めスクランブルでバックへ。

再び四の字ロックをとったトノンが、右腕の上から足をフックしていく。トノンは後方から鉄槌を入れるが、足をフックしていることで乗りすぎで絞めには入れない。ロールから上を取りたい松嶋が、ハーフガードに。足を抜かれると再び背中を取り切られるも、足を抱えてフックを許さない。

腹固めに入ったトノンが、続いてアームロックへ。松嶋は腕を抜いてトップへ。トノンはここでギロチンからバックを狙うが、振り落とした松嶋がパンチから顔面にヒザを入れる。さらに殴ろうとしたところでトノンが立ち上がり、ラウンドが終わった。

最終回、組むための打撃のトノン。松嶋は距離を取り、右ローから右フックを狙う。右ミドルを掴み引き込んだトノンのヒールにも鉄槌を入れて立ち上がった松嶋は、右ローを蹴る。

プレッシャーを掛けられたトノンに、松嶋が右ミドルを蹴っていく。組んだ松嶋は、自ら押し放して打撃の機会を伺う、残り2分40秒、松嶋は左ジャブを伸ばし、続いて右で顔を狙っていく。前に出て右フックを当てた松嶋は、回るトノンに左ローを入れる。スイッチ、サークリングを繰り返すトノンに対し、松嶋は右ミドル。トノンは左を合わせようとする。

組みを混ぜて打撃を入れる松嶋は、トノンの前蹴り後に距離を詰める。右フックの相打ち、離れたトノンに松嶋は右オーバーハンド──も空振りに。トノンは回り続け、松嶋は圧は掛けるがクリーンヒットはない。最後も組みを交えた松嶋だったが、ここで試合終了に。
互いにダメージは互いになく、グラウンドでドミネイトしたトノンが3-0で判定勝ちを収めた。最も未開拓の部分で、世界最高峰のグラップラーの攻めを凌いだ松嶋だが、2Rもバックを許したのが痛かった──。

トノンは「凄くタフな試合だった。でも、次の試合はタン・リー。ただ戦うだけじゃない、黄金のベルトを俺が巻く」と世界戦をアピールした。


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【ONE114】組み&打撃の融合、ボカン・マスンヤネ──レネ・カタランから37秒KO勝ち!!

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
Def.1R0分37秒by KO
レネ・カタラン(フィリピン)

スイッチして戦うボカン、パンチから距離が近づき組むと離れ際にハイキックを狙う。一旦離れた両者、続く交錯でカタランがダーティボクシング。ボカンは首相撲からヒザをボディに突き刺す。カタランは組みに行くが、ここの姿勢はボカンは強くビクともしない。そして、カタランの離れ際にボカンが左ハイを入れる。この一撃で、カタランは後方に倒れKO勝ち。

「レスリングと打撃を融合してきたんだ。僕はこの階級でベストだ。チャンピオンに挑戦したい。準備ができていないなら1位、2位の選手と戦いたい」とボカンは話した。


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