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Bellator243 Interview Special ブログ ベンソン・ヘンダーソン マイケル・チャンドラー 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その弐─チャンドラー×ベンヘン「幻想を抱けるファイター」

【写真】これがベラトールで魅せる最後の雄姿となったチャンドラー (C) BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年8月の一番、第2 弾は7日に開催されたBellator243からマイケル・チャンドラー✖ベンソン・ヘンダーソンの一戦を語らおう。


──8 月の青木真也が選ぶ、この一番。2試合目は?

「マイケル・チャンドラー✖ベンソン・ヘンダーソンですね。なんかベンヘンが良くなかったというのか、疲れているような気がします」

──そうですか!! あの左ボディフックとかエゲツナイ攻撃だったように見えましたが。

「当然、凄いですよ。でもベンソン・ヘンダーソンだろうっていうのはあります。もうベラトールに移って4年以上経っているんですよね。まだ皆がUFC時代のベンヘンを求めているから、それはギャップがあるかと思います。対してチャンドラーはずっとエネルギッシュです」

──そもそも試合前は、この試合に関してどのような期待感があったのでしょうか。

「それが……リマッチなので、あまり新鮮味がなかったです。それこそベンヘンはUFCの頃の姿を求められているといっても、その点においてはもう新鮮味がない。小慣れてきてベラトールのキャストに入ると、面白味がなくなってきて」

──あくまでもUFCからの刺客でないと、ベラトールは何かを創っていくことはできない?

「異種格闘技感はないですね。スコット・コーカーのベラトールはUFCから抜いてきた選手と生え抜きで創って来ていて、そのうえUFCから来た選手を楽しめる寿命は決して長くないなって思います。そもそも僕はUFCからベラトールに来て、ぶつけるっていうマッチメイクは興奮できないですし」

──ほお、そうなのですね。

「ビヨン・レブニー体制の時の方が正直、面白かったです。選手もトーナメントのプラットフォームも。なんかスゲェ強いロシア人が出てきたり、パット・カランのようなUFCが拾わなかった実力者が、結果を出して上がっていく。そういう戦いがあの頃は見られていました。

今はその発掘感がなくなりました。だって、面白いのは『こんなところに、こんなヤツがいたっ!!』っていう発掘感が面白いわけで。今はそれが起こりづらくなりましたよね」

──UFCは今も続けていますが、あまりも層が厚いのでベラトールのトーナメントのように1/8、1/4、1/2という注目の集め方はできないですよね。凄まじい潰し合いをしていて。

「ハイ。そしてTitan FCやLFA、ACAまでもが発掘の場になっています。それもまた、レブニーの頃に見たベラトールの面白味ではないですしね。

だって米国のイベントだから、懸命に米国人をトーナメントの決勝に残す努力をしている裏でロシア人とかブラジルの強い選手をぶち込むから、その選手たちを初戦とか準決勝で潰し合わせていて(笑)」

──商売の仕方としてメチャクチャですが、だからこその面白さがありました。

「マルコ・ロウロがトーナメントで優勝しちゃったから、ドゥドゥ・ダンタスとノバウニオン同士で世界タイトルをやったり。それが計算じゃないから、面白かったです(笑)。さっきも言ったパット・カランとか、マルチン・ヘルドのような選手が出てきた。マイケル・チャンドラーだって、そんなもんだし。そういうベラトールが、僕は一番面白かったです。ベンヘンでなく、ロジャー・フエルタで引っ張ったような」

──では、そのチャンドラーの今後に関しては、青木選手はどこで試合が見たいですか。

「そりゃあUFCです。UFCで戦うチャンドラーが見たいと思っちゃいます。ダスティン・ゲイジーとなんて、メチャクチャ楽しみですし。ヌルメゴメドフも見たいですけど、チャンドラー✖ゲイジーはもう単純に腕自慢同士の一戦で。

チャンドラーはパンチが目立っていますけど、それはレスリングが強いから。レスリングで培った高い運動能力があるから、パンチも強い。まぁ、フレッシュなままなのは何があるのか分からないですけど(笑)。

結局、UFCで戦ったらどうなるんだろうって思われる選手が少なくなってきましたね。もうベラトールの一部ぐらいか……。LFAやTitan FCの選手はランク外から上がっていく素材であって、いきなりチャンピオンとの対戦が楽しめる選手じゃない。もう、そういう選手がいなくなりましたよ。RIZINから行く日本のファンが応援したい選手だって、トップ10スタートでもないわけで。

そういう意味でジャスティン・ゲイジーやマルロン・サンドロが行って、今はチャンドラー。幻想を抱くことができるファイターって少ないんですよね。今年はPFLが活動休止しまって。未知の強豪の発掘が、今年は止まってしまっている形です。UFCはリアルな場だから、幻想を抱けるファイターが育つ、そういう大会がUFC以外に必要になってきますね」

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BELLATOR Bellator243 Report ブログ ベンソン・ヘンダーソン マイケル・チャンドラー

【Bellator243】チャンドラーが左でベンヘンを初回KO。「ベラトールのケージに上がるのは最後だ」

<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
Def.1R2分09秒by KO
ベンソン・ヘンダーソン(米国)

まずベンヘンが左ミドル、チャンドラーも右ミドルを返す。蹴り足をキャッチするが、テイクダウンはできなかったチャンドラーの右ミドル後に、今度はベンヘンが左ミドルを蹴り返す。ベンヘンは踏み込んで右ボディフック、ジャブから右を振るっていくチャンドラーに対し、ベンヘンはボディから左を打っていく。さらにワンツーを入れたベンヘンの方が序盤は動きが良いか。チャンドラーは蹴り足をキャッチして右を振るう。

右を振ってそのままサウスポーに転じたチャンドラーは、パンチを2発ほど打つとオーソに戻す。そして右ミドル後に再びサウスポーになり、右を当てて離れる。ここでオーソになったチャンドラーはワンツーで前に出て、右ミドルを蹴る。ここでもサウスポーにスイッチしたチャンドラーが、右から左を打ち抜くとベンヘンが前方に崩れる。ヒザをついたベンヘンに対し、チャンドラーが右アッパーを振るう。ベンヘンは頭から沈み試合は決した。

ソーシャルディスタンス、勝利者インタビューで「サウスポーで初めてKO勝ち? 世界でベストのコーチとベストの練習仲間がいれば何でもできる。ベンソンはチャンピオンだ。ケージではモンスターと戦わないといけない。ワキ腹が痛いよ。人々はヘンダーソンのことをフィニッシュがないっていうけど、本当に重い蹴りだった。ここに居られて嬉しいけど、本当に家に早く戻りたい。神はいつも正しい時にドアを開けて、正しいタイミングでドアを閉める。今回でベラトールのケージに上がるのは最後だ。この団体の人達のことは、心の底から愛している。過去10年、最高の時を共有できた」とチャンドラーは話した。


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BELLATOR Bellator243 Report ティモシー・ジョンソン ブログ マット・ミトリオン

【Bellator243】これぞKO in MMA !! ジョンソンがサイドバックでパンチを纏めてミトリオンを倒す

<ヘビー級/5分3R>
ティモシー・ジョンソン(米国)
Def.1R3分14秒by TKO
マット・ミトリオン(米国)

サウスポー同士の対戦。距離の取り合いから、真っすぐ距離を詰めてミトリオンの右ローの蹴り終わりに、その足を張は払ってテイクダウンを奪ったジョンソンがサイドで抑える。左腕を差して抑え、パンチをいれるジョンソンの抑え込みが続く。パンチを被弾し背中を預けたミトリオンは、右のパンチを乱打する。立ちあがりながらも腰をコントロールしたジョンソンの右の連打で再び亀になったミトリオンは、その後も連打を浴びレフェリーが試合を止めた。


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BELLATOR Bellator243 Report ジョージ・カラキャニャン ブログ マイルズ・ジュリー

【Bellator243】ジャッジの裁定は三者三様のスプリットでジュリーに。カラキャニャンに競り勝つ

<ライト級/5分3R>
マイルズ・ジュリー(米国)
Def.2-1:30-27.29-28.27-30
ジョージ・カラキャニャン(米国)

まず左フックを当ててカラキャニャン。ジュリーは左ジャブを伸ばす。左ミドル、右フックを入れたジュリーは時折りスイッチをし、左右の蹴りを繰り出す。カラキャニャンもジャブからロー、序盤のペース争いから両者揃って手数が多い。右オーバーハンド後にカラキャニャンが組みつき、ケージへ。頭を刈って、右を差していくジュリーがケージを背負って耐える展開が続く。残り1分50秒で離れると、カラキャニャンが右ローを蹴る。ジュリーも右カーフを返し、右フックを当てる。カラキャニャンは再び右を見せてダブルレッグへ。体を入れ替えられたカラキャニャンは流血が見られる。

そのカラキャニャンの右をかわし、クリンチからヒザを突き刺したジュリーは左を当て、カラキャニャンの右に続くダブルレッグからのテイクダウンを3度防御しラウンドが終わった。

2R、左ジャブから右を見せたジュリーが、左ミドルを入れる。カラキャニャンもスイッチするが、すぐにオーソに戻す。ジュリーがエルボーを狙い、カラキャニャンがフックを返す。ジャブ、前蹴り、右ロングとやや遠めのレンジから手足を出し、踏み込んで左エルボーをジュリーが打っていく。組みながら右を当てたカラキャニャンは、ケージに押し込まれてヒザをボディに突き上げ、体を入れ替える。

離れてジャブを差すジュリー、続いてスイッチして左ストレートを伸ばす。さらにボディに左ヒザを突き刺したジュリーは、シングルレッグを切った直後に右オーバーハンドを被弾。直後にダブルに出たカラキャニャンが、ついに尻もちをつかせスクランブルでバックへ。手首を掴んで向き合ったジュリーが右縦ヒジを見舞っていく。ここでもカラキャニャンが押し返し、離れて右を連続しダブルレッグ。再び尻もちをつかせ、バックを取ったカラキャニャンに対し、ジュリーが側頭部にヒジをうちつけラウンド終了を迎えた。

最終回、ジュリーがワンツーから間合を外してサークリングへ。ダブルレッグ狙いを切るとエルボーを繰り出す。その後フックを2発被弾したジュリーが、ダブルレッグをスプロールして離れる。すぐに組んできたカラキャニャンを逆にケージに押し込んだジュリーだが、カラキャニャンが押し込み返しダブルレッグを決める。頭を押して立ち上がったジュリーが右エルボー、組ヒザ蹴りから右ヒジ、左ヒジを入れる。続くクリンチにカラキャニャンがジャンピングガード&ギロチンも、頭を抜かれて下にされる。三角狙いを潰してエルボーを落としたジュリーはバックに回る。上を向いた田カラキャニャンは、ワンフックでバックを許すも、肩固め狙いは腰を押して防ぐ。

残り1分を切り、ガードのなかからエルボーを顔面に入れ、ボディを纏めて攻撃をするジュリーは、カラキャニャンの蹴り上げ後のスタンド戦でも、迷うことなく組みついてケージに押し込み、時間の経過を待った。結果、スプリットでジュリーがカラキャニャンとの競り合いを制した。


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BELLATOR Bellator243 Report カーティス・ミランダー サバウ・ホマシ ブログ

【Bellator243】蹴りから軽快にTDを決めたホマシが、終盤の消耗戦でもTDでミランダーを破る

<175ポンド契約/5分3R>
サバウ・ホマシ(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
カーティス・ミランダー(米国)

互いに右ローを蹴り、ホマシが右を振るう。ミランダーは左ジャブ、ホマシのワンツーをバックステップでかわす。ジャブを当てたミランダーに対し、ホマシのパンチはまだ距離が合っていない。それでもローに右オーバーハンドを合わせたホマシが、左ジャブも届かせる。さらに左ミドルハイから左ミドルを入れたホマシが、直後にダブルレッグでテイクダウンに成功する。ミランダーは背中をマットにつけて、エルボーを打たれる。終盤、パンチの数を増やしたホマシが初回を取った。

2R、前に出てくるミランダーに対し、初回同様に左ミドルハイからミドルを入れたホマシは続くダルブルでケージに押し込みテイクダウンを決める。ハーフで抑えられたミランダーはケージを蹴るが、抑え込みから逃れることができない。残り80秒で三角を狙ったミランダーは担がれ、パスを嫌がりバックを譲る。ホマシは前方に落とされ、スクランブルでダースを狙われつつ、シングルで上を取り返すと残り10秒に、この回もホマシが取ったか。

最終回、右ローを蹴ったホマシに対し、ジャブを伸ばした組んだミランダーだが回って離れられる。疲れが目立つホマシにミランダーはパンチを纏め、ハイキックを狙う。ここでシングル出たホマシに対し、ミランダーはダースチョークへ。背中をつけながら逃げたホマシは、結果リバーサルとなりトップを奪うことに成功する。ハーフで抑えるホマシ、ミランダーはブリッジから腕を差してスタンドに戻る。

打撃戦を嫌がるようになったホマシの顔面に右、組んでエルボーをミランダーが入れる。大内刈りでテイクダウンに出たホマシに対し、ミランダーは耐えることができない。背中をつけ、スクランブルで背中を譲ったミランダーは両足をフックされ試合は残り1分に。腹ばいになり腰を上げたミランダーに対し、ホマシは腕十字へ。腕を抜いたミランダーがボディや顔面に鉄槌とパンチを落とすもタイムアップに。

無観客と相まって、終盤は緩慢に映った両者の試合はホマシが判定勝ちを収めた。


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BELLATOR Bellator243 Report アダム・ボリッチ ブログ マイク・ハメル

【Bellator243】ボリッチ、体重オーバー&予想以上の実力者=ハメルにスプリット勝利で再起

【写真】健闘が目立ったハメルだが、ここまでできるなら体重オーバーは本当に悪質(C)BELLATOR

<154.6ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
マイク・ハメル(米国)

体重オーバーのハメルより、ずっとグッドシェイプに見えるボリッチが、パンチが交錯する中でバランスを崩す。力が入り過ぎているように見えるボリッチは、ローから飛びヒザ、ワンツーを繰り出す。もう1度ジャンピングニーを見せたボリッチだが、ダブルレッグに捕えられ尻もちをつかされる。太腿の裏でクラッチを続けるハメるは頭を抱えられても、逆にクレイドルでボリッチに立ち上がることを許さない。

もう一度ギロチンから頭を押してスタンドに戻ったボリッチは、ボディロックからテイクダウンを狙う。耐えたハメルは離れてサイドキック。ボリッチも左ジャブ、右ミドルを蹴り込む。跳びヒザ狙いから左フックを当ててダブルレッグのハメルは、ここもギロチンからスタンドに戻れるも──意外にも──優勢のまま初回を終えた。

2R、サウスポーに構えたハメルに対し、ボリッチの右ローがモロに急所に入る。インターバルが与えられ再開後、オーソに変えたハメルが再びサウスポーに。ボリッチは右ストレートから右ハイ、これらの打撃に飲み込まれないハメルが逆にワンツーを当てる。右ミドルを入れたボリッチは、組まれると逆に両ワキを差して体を入れ替える。

自らリリースしたボリッチは、やや疲れたか。後ろ回し蹴りをかわしたハメルは前に出て組むが、ボリッチも予期しており捌く。左ジャブから右ミドルのボリッチ、急所に当たったとアピールするハメルだが、レフェリーは続行を命じる。オーソからスイッチしつつ右オーバーハンドを当てたハメルは、ボリッチの右に左を合わせていく。勢いづいたハメルが見せた跳びヒザを外したボリッチは、ワンツーから右ミドルと綺麗な攻撃を入れた。

最終回、ハメルの左ハイの蹴り終わりに右カーフを蹴り込んだボリッチが、続いて踏み込んでワンツーから左フックを当てる。ハメルはここでダブルレッグへ。勝負ところで左腕を差し返したボリッチがダブルアンダーフックで押し返す。ボリッチは右エルボーを入れて離れると、右カーフ、右ミドルハイを放つ。それでもハメルも前に出てダブルレッグへ。ここもボリッチが体を入れ替え、ヒザ蹴り。ハメルが押し返すと頭を押してヒザ蹴りを2発突き上げる。

エルボーを打たれて離れたハメルは、右オーバーハンド。離れて跳びヒザを見せたボリッチが、もう一度ジャンピニングニーを狙うと、同時に跳んだハメルの方が勢いがありバランスを崩して下になってしまう。

サイドを取られたボリッチは、背中を預けて立ち上がり、ダリオン・コールドウェル戦のトラウマを打ち消すように胸を合わせることに成功する。離れてミドルを蹴り、最後は後ろ回し蹴りを見せたボリッチが、予想以上に手強かったハメルをスプリットで下し、安堵の表情を浮かべた。


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AJ・アガザーム BELLATOR Bellator243 Report クリス・レンチオーニ ブログ

【Bellator243】マウントで頭突き、寝技で顔面蹴り上げのアガザーム、レオンチーニに完敗も握手拒否

<フェザー級/5分3R>
クリス・レンチオーニ(米国)
Def.3-0:30-26.30-27.29-28
AJ・アガザーム(米国)

左右に回るアガザームがレンチオーニの右ジャブに組みついて、一気にバックに回る。テイクダウンでなく後方から殴ることを選択したアガザームは、胸を合わせてきたレンチオーニにシングルを切られて、右アッパーを被弾してダウンでなく、引きこむ。すぐに組んでスクランブルに持ち込んだが、続くテイクダウン狙いも切られて引き込む。

ダメージが残っているか、鉄槌を被弾するアガサームが下から足を絡ませサドルへ。回転してヒザを抜いたレンチオーニにカーフスライスを仕掛けたアガサームは、逃げられるとバックを取って崩していく。そのままバックを制され、両足をフックされたレンチオーニは、胸を合わせにいくと肩固め狙いからマウントを取られる。アガザームの頭が当たり、レンチオーニがクレームも試合は続行。ケージを蹴るレンチオーニは、胸を蹴り上げてリバーサルで上を取り返し初回が終了した。

2R、アガサームがワンツーを入れ、ボディから左を当てる。さらに左ロングを打ちダブルレッグへ。これを切ったレンチオーニががぶりからヒザ蹴り、引き込んだアガザームに対しスタンドで待ち受ける。直後の左に組みついたアガサームがバックを取り、前方に崩してバック&両足をフックする。前方に落とそうとするレンチオーニだが、キムラクラッチを取られ背中を譲った状態が続く。

レンチオーニは背中を伸ばされないように腰を上げ続けるも、厳しい時間が続く。アガザームは横回転で仰向けになるが、絞めに移行する前に胸を合わされてしまう。エルボーで額をカットされたアガザームは流血しながら三角へ。直ぐに察知し担いで足を一本抜いたレンチオーニに対し、アガザームは顔面に蹴りを入れる。寝技での蹴りもレフェリーが流し、アガザームが足を戻してクローズドガードでラウンド終了を迎えた。

最終回前にレフェリーから「プロらしくクリーンに戦え」と注意を受けた両者。アガザームの頭突きや、ラウンド終了後のやりとりにクレームが入った形だ。試合はかなり疲れて見えるアガザームがパンチから力のないテイクダウンを狙い引き込むも、レンチオーニが寝技に付き合わない。アガザームはパンチこそ届くものの、動きが重い。

クリンチしてパンチ、ノーガードでパンチを切り、テイクダウンを許さないレンチオーニだが、ハイキックにテイクダウンを合わされる。三角を見せて、スクランブルからスタンドに戻ったレンチオーニ。アガザームはグラウンドでも力強い攻撃がない。それでも飛びヒザにテイクダウンを合わせたアガザームだが、スクランブルで粘ることは無理でガードを取る。

スイープ狙いにバックを取ったレンチオーニ、胸を合わせに行きガードを取り直したアガザームだが、自らの庭でも劣性な状態が続く。ハーフからアメリカーナをレンチオーニが仕掛けたところでタイムアップに。両手を挙げて勝利をアピールするアガザームだが、レンチオーニは「アイツの頭は固い」とうそぶく。結果は3-0でレンチオーニに。アガザームのMMAレコードは3勝2敗となり、レフェリーに呼び戻されても最後まで握手を拒んだ。


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BELLATOR Bellator243 Report ブログ ヴァレリー・ルレーダ

【Bellator243】テコンドーの華麗な蹴りでなく、ワイルドな右フックでルレーダがグラフからKO勝ち

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ルレーダ(米国)
Def.2R5分00秒by TKO
テラ・グラフ(米国)

前に出るグラフに対し、大きくサークリングするルレーダが向き合って右を打っていく。すぐに右に回るルレーダは柔術ベースのグラフと距離を取り続け、組まれても離れる。打撃で行く手を阻むことはできず、追ってパンチから組もうとするグラフに対し、ルレーダは「来い」と挑発する。そして、前に出てきたところで左右のフックを打ったルレーダは残り90秒でグラフに組みつかれると、手を取られた状態で右の蹴りを見せた。

続くクリンチの展開でヒザを腹に受けたルレーダだが、離れて右ロー、左右のフックを繰り出し、最後に右ミドル、左フック、そして右ミドルを入れた。

2R、初回と同じにように右に回りつつロングのワンツーフックを繰り出すルレーダを追いかけるグラフ。ルレーダは左ハイを繰り出し、少し手を変えてきたか。ルレーダの左ジャブとグラフの右が交錯し、ルレーダは右だけでなく左にも移動するようになる。

パンチ、蹴りを被弾しながら意を決したようにクリンチに持ち込んだグラフだが、ここからルレーダは離れる術を身に着けている。その離れ際に逆にグラフが右ミドルを蹴っていくも、追いかけて組むことでかなり消耗してしまったか。ルレーダはステップジャブを当て、右フックを続けるなど手の攻撃で試合をリードする。グラフもルレーダのサークリングが止まる時間が長くなると右フックを当てることができるように。

蹴りで突き放す、あるいは効かせるというファイトでなく、サークリング&パンチというファイトを見せていたルレーダは、ラウンド最終盤になりローからパンチで前に出てきたグラフに右ロングフックを打ち込みダウンを奪う。大声を挙げながら鉄槌、パウンドを落としたルレーダがパンチでKO勝ちし、テコンドーの道着を身にまとった。


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BELLATOR Bellator243 Preview ブログ ヴァレリー・ルレーダ

【Bellator243】テコンドーマスター&モデル&女優=MMAファイター。ヴァレリー・ルレーダに注目

【写真】テコンドー流の華麗なかつ威力のある蹴りが見られるか (C)BELLATOR

7日(金・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator243「Chandler vs Henderson 2」。今大会のプレリミに注目の女子ファイターが出場する。

計量ではスパンコールのマクスを着用していた(C)BELLATOR

それがエラ・グラフと対戦するヴァレリー・ルレーダだ。

テコンドーUSオリンピックチームで活躍し、モデルやスペイン語放送局ではタレントとしても活躍してきたルレーダがプロMMA3戦目、ベラトール3勝目を狙う。


ルレーダの父はマイアミにスクールを持つテコンドー・マスターで、母は彼女を妊娠中に黒帯の昇段審査に受かっているという逸話の持ち主だ。また父のテコンドーはポイントゲームに特化した現在のテコンドーと比較すると、オールドスクールな効かせる打撃が主流のスタイルだったという。

結果、ルレーダはポイントゲームより倒す蹴りを武器とし、テコンドーの試合でも対戦相手のワキを蹴り折ることもあったそうだ。MMA転向後はまずアマチュアからキャリアをスタートさせ、その時に彼女は好きに蹴ることができ、自由を感じたと振り返っている。

5日(水・同)に行われたバーチャル・メディアデーでルレーダはマーシャルアーツ・マスター、モデル、女優業で何を優先させたいのかという問いに対し、「マーシャルアーツよ。私には才能もパッションもある」と返答している。

もちろん、テコンドーだけでMMAでは勝てない。強烈無比な右ミドルを筆頭に、前足となる左の蹴り、サイドキックや後ろ回し蹴りと多彩なキックを見せる一方で、ルレーダはムエタイ流の崩しなども見せてきた。もちろん所属するATTではスクランブルや柔術の修得にも余念がなく、同門のヨアナ・イェンジェチックには多大なる影響を受けているという。

テコンドーをMMAで効果的に使うファイターと言えばONEで活躍中のタン・リーが真っ先に思い浮かぶが、彼のテコンドーは質実剛健。華麗さを兼ね備えたテコンドー・メソッドをサークルケージで魅せることができるか、「テコンドーの美しい蹴りをMMAにフィットさせて、KO勝ちする」と宣言していただけに、非常に楽しみなルレーダの試合だ。

■Bellator243 試合結果

<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー: 155.9ポンド(70.71キロ)
ベンソン・ヘンダーソン: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マット・ミトリオン: 262.6ポンド(119.11キロ)
ティモシー・ジョンソン: 263.2ポンド(119.38キロ)

<ライト級/5分3R>
マイルズ・ジュリー: 155.6ポンド(70.57キロ)
ジョージ・カラキャニャン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<175ポンド契約/5分3R>
サバウ・ホマシ: 175ポンド(79.37キロ)
カーティス・ミランダー: 174ポンド(78.92キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ: 150.2ポンド(68.12キロ)
マイク・ハメル: 154.6ポンド(70.12キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・レンチオーニ: 145.8ポンド(66.13キロ)
AJ・アガザーム: 145.3ポンド(65.9キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ルレーダ: 125.3ポンド(56.83キロ)
テラ・グラフ: 125ポンド(56.7キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
グラント・ニール: 204.7ポンド(92.85キロ)
ハムザ・サリーム: 205.1ポンド(93.03キロ)

<ライト級/5分3R>
ネイノア・ダン: 155.1ポンド(70.35キロ)
チャーリー・キャンベル: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ミドル級/5分3R>
ダルトン・ロスタ: 185.7ポンド(84.23キロ)
マーク・ガードナー: 184.8ポンド(83.82キロ)

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【Bellator243】計量終了 チャンドラー✖ベンヘンII待ったなし。アガザームの相手は股間にスネーク!!

【写真】セレモニアル計量、すでにかなり戻っているチャンドラーに対し、ベンヘンはここから本格的にリカバリーか (C)BELLATOR

6日(木・現地時間)、7日(金・同)にコネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator243「Chandler vs Henderson 2」の計量が行われた。

3年9カ月振りの再戦となるチャンドラーとベンヘンは問題なく計量をクリアしている。


メインカード4試合、プレリミ6試合の計10試合。無観客大会とあって、通常時のベラトールのようにプレリミにローカル勢が大挙出場するということはない。

ヘビー級でマット・ミトリオンが出場するメインカードでは、ジョージ・カラキャニャンのライト級2戦目──ベラトールで2戦目となるマイルズ・ジュリー戦は通好みのマッチアップだ。

スイッチヒッターでKOパンチを持つウェルラウンダーのジュリーと、空手ベースながら卓越したグラップリング技術の持ち主カラキャニャンの対戦は、両者が中堅ではないことを示すファイトとなる。

一方プレリミでは本戦に出場してもおかしくない実力者&注目株の名前が確認できる。フェザー級ワールドGPの台風の目と目されていたが、ダリオン・コールドウェル戦でワンテイクダウン&RNCで敗れたアダム・ボリッチが再起戦に挑む。

対戦のマイク・ハメルは今大会で唯一の体重オーバーに。150ポンド契約を4ポンド以上も上回る154.6ポンドもあったハメル、ボリッチは事実上ライト級マッチに臨むこととなる。

ベラトールの活動休止期間もF2Wでグラップリングマッチに出場していたAJ・アガザームは勝ち星も負け星も揃って彼の倍、6勝2敗のクリス・レンチオーニと戦う。とにかく組んで、倒して、寝技勝負が必要なアガサームはフェイスオフでレスリングの低いスタンスで立つ。と、目前には蛇の膨らみが股間あるレンチオーニのアンダーウェアがあった。

■Bellator243 試合結果

<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー: 155.9ポンド(70.71キロ)
ベンソン・ヘンダーソン: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マット・ミトリオン: 262.6ポンド(119.11キロ)
ティモシー・ジョンソン: 263.2ポンド(119.38キロ)

<ライト級/5分3R>
マイルズ・ジュリー: 155.6ポンド(70.57キロ)
ジョージ・カラキャニャン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<175ポンド契約/5分3R>
サバウ・ホマシ: 175ポンド(79.37キロ)
カーティス・ミランダー: 174ポンド(78.92キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ: 150.2ポンド(68.12キロ)
マイク・ハメル: 154.6ポンド(70.12キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・レンチオーニ: 145.8ポンド(66.13キロ)
AJ・アガザーム: 145.3ポンド(65.9キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ルレーダ: 125.3ポンド(56.83キロ)
テラ・グラフ: 125ポンド(56.7キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
グラント・ニール: 204.7ポンド(92.85キロ)
ハムザ・サリーム: 205.1ポンド(93.03キロ)

<ライト級/5分3R>
ネイノア・ダン: 155.1ポンド(70.35キロ)
チャーリー・キャンベル: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ミドル級/5分3R>
ダルトン・ロスタ: 185.7ポンド(84.23キロ)
マーク・ガードナー: 184.8ポンド(83.82キロ)