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Interview Special UFC249 ジャスティン・ゲイジー トニー・ファーガソン ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:5月─その壱─ジャスティン・ゲイジー✖トニー・ファーガソン

【写真】青木の好きだったゲイジーは、このゲイジーではなかった?! (C) Zuffa / UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年5月の一番、第一弾は9日に行われたUFC249からジャスティン・ゲイジー✖トニー・ファーガソンの一戦を語らおう。


──2020年5月度、世界的見るとUFCが4大会、そして日本で修斗、韓国でARCが行われました。そのなかで青木真也が選ぶ、この一番。最初の試合は?

「ジャスティン・ゲイジー✖トニー・ファーガソンですね。UFCがあれだけ大会をやっても、米国中心なので印象がやや薄い感じがしてしまって。そして、このPPV大会ではこれまでと比較して、ゲイジー✖ファーガソン戦、ヘンリー・セフード✖ドミニク・クルーズ戦と揃ってストップが早かったと思います。

ゲイジーの試合に関しては、本来はタイミングもジャストで良いストップでした。でも、倒れていない。だから観客がいたら続いていたんじゃないかと。セフードとドミニクも歓声があったら、もう少し見ただろうなって。レフェリーも人の子なので、観客がいると見ちゃうと思います。

と同時に盛り上がるが欠けるなかで、客の声に影響されないから判定が割れないのかとも感じました。ONEのフィリピン大会みたいなことはないですよね。無観客はデメリットとメリットがあり、デメリットの方が多いですが、ジャッジが目の前のコトに集中できるメリットがあることが分かりました」

──逆にマイクアピールは味気ないですね。

「無理ですよね。客がいないのにマイクは。そのなかで、あのセフードの空気の読まなさは凄いです。あの場で引退を言ってしまう。アレはちょっと壊れていますよ。良くも悪くも」

──試合内容についてはどのように思いましたか。

「試合前はワンサイドでファーガソンかと思っていたのですが、ゲイジーの圧力を侮るとダメだ……格闘技だなって」

──攻めすぎることはないスマートさが出ていました。

「それでもローをパカパカ蹴っていましたけど、お前のスネは大丈夫かって思いました(笑)。あれだけ蹴っていたら、ファーガソンはチェックもするし、自分のスネが痛いときもあるはずです。特にカーフキックとかでは……どうしちゃったんだって。ムエタイだと相手がカットしてくると、危ないから緩めたりするけど、ゲイジーは全くなかった。

そういう攻防も、も客の声がないからパンパンやっていたとしても──悪く言うとスパーリングのようにも見えてしまいます」

──と同時にファーガソンがあそこまで、一方的にやられるとは思いもしませんでした。要因はどこにあったと思いますか。

「タッチボクシングが凄くて距離感が良い、攻撃を貰わない選手なのでゲイジーは触ることができないと予想していたんです。それが思った以上に、ずっと近い距離で試合が展開されましたよね」

──ファーガソンは、ヌルマゴメドフ戦が流れた影響は心身ともになかったでしょうか。

「それは当然あります。ファーガソンはずっとヌルマゴドフとやる予定で、ゲイジーに変わってしまった。さらに試合の日程も変わった。体重のこともあるだろうし、もう体のフレッシュさがなかったかもしれないです。ゲイジーの方がフレッシュで。こういう違いっていうのは、選手にしか分からないところかもしれないです。まぁファーガソンは運がなかったですね」

✖ブライアン・コップ(C)DAVE MANDEL

──しかし、ゲイジーがUFCで世界王者になるファイターという風には正直なところ見ていなかったです。

「いやっ、本当にそうなんですよ。僕らがゲイジー論を語ると超面白い、普通じゃないって話で。ブライアン・コップをローで蹴りまくって勝った。

✖ルイス・パロミーノ(C)DAVE MANDEL

ルイス・パロミーノと意味不明な殴り合いをした。

✖メルヴィン・ギラード(C)WSOF

体重オーバーのメルヴィン・ギラードに分の悪いスプリット判定勝ちだった。そういうことだったわけじゃないですか?」

──だからUFCではエディ・アルバレスとダスティン・ポイエーに殴り負けたと。

「そこから3試合連続で1RKO勝ちをしちゃって、謎でしたよね。嫌らしいのはチャンピオンシップだと、勝ちに来たってことです。強烈な打ち合いじゃないし、テイクダウンのフェイクまで入れて。なんか面白さがなくなりましたよ」

──アハハハハ。

「なんだろうなぁ。ゲイジーは休憩明けとかで『OK、KO』みたいな」

──それは俺だけのゲイジーが、皆のゲイジーになってしまったという感じではないですか(笑)。

「そうなんですよ。WSOFでギャアギャアやっていた時のゲイジーが一番面白かった。メインストリームにいない価値というのか。この試合ではスマートになっちゃいました。エディ・アルバレスとかもUFCに来たらスマートになっていましたし、UFCのレベルがそうさせるんでしょうね。そういうゲイジーになったのだろうけど、だからって次にガビブ・ヌルマゴメドフとかっていう想いを馳せることができないんですよ」

──ゲイジー✖ヌルマゴメドフは楽しみではない?

「勝負論まで行き着かない。ヌルマゴ先生には敵わない。それならファーガソンの方が、何ができたと思います。だから、ゲイジーのことを穿って見ているのかもしれないですね」

──ゲイジーのレスリング力が真価を発揮するかもと思います。

「いやぁ、でもヌルマゴメドフは誰でもテイクダウンしますよ。だから、テイクダウンの攻防を楽しみにしたいのは分かりますが、ヌルマゴメドフは抜けすぎています。それならゲイジーはマクレガーかな。マクレガーとは見たいです。お祭りファイトなら、そっちの方が良いです」

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UFC Result UFC249 アンソニー・ペティス カルヴィン・ケイター ジャスティン・ゲイジー トニー・ファーガソン ドナルド・セラーニ ドミニク・クルーズ フランシス・ガヌー ブライス・ミッチェル ブログ ヘンリー・セフード ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】試合結果 コンディションは不完全も、選手たちは今、戦う意志を選手が見せつけた

9日(土・現地時間)、UFC249「Ferguson vs Gaethje」がフロリダ州ジャクソンビルのヴィアスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催された。

ジャカレ・ソウザのコロナウィルス陽性という衝撃な事件があっても、大会は決行されメインでジャスティン・ゲイジーがトニー・ファーガソンを破りUFC暫定世界ライト級に王者に。

コ・メインではドミニク・クルーズをTKOで下し、UFC世界バンタム級王座の防衛に成功したヘンリー・セフードがケージ内で引退を宣言した。

世界各地がロックダウン、外出自粛という状況で準備をしてきたファイター達の動きは、やはり平時よりも見劣りした。しかし、それ以上に今、戦う強い意志が感じられる選手が多く──世界の最高峰を戦うファイターたちの生き様が見られるイベントだった。

ファイト・オブ・ザ・ナイト=ジャスティン・ゲイジー✖トニー・ファーガソン
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=ジャスティン・ゲイジーフランシス・ガヌー

試合結果は以下の通りだ。

UFC249「Ferguson vs Gaethje」
<UFC暫定世界ライト級王座決定戦/5分5R>
○ジャスティン・ゲイジー(米国)5R3分39秒
TKO
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×トニー・ファーガソン(米国)
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
○ヘンリー・セフード(米国)2R4分58秒
TKO
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×ドミニク・クルーズ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○フランシス・ガヌー(カメルーン)1R0分20秒
KO
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×ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)
<150.5ポンド契約/5分3R>
○カルヴィン・ケイター(米国)3R
判定
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×ジャレミー・スティーブンス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○グレッグ・ハーディー(米国)3R
判定
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×ヨーガン・デ・カストロ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○アンソニー・ペティス(米国)3R
判定
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×ドナルド・セラーニ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○アレクセイ・オレイニク(ロシア)3R
判定
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×ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
○カーラ・エスパルザ(米国)3R
判定
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×ミッシェレ・ウォーターソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)3R3分37秒
TKO
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×ニコ・プライス(米国)
<フェザー級/5分3R>
○ブライス・ミッチェル(米国)3R
判定
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×チャールズ・ロサ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
○ライアン・スパーン(米国)3R
判定
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×サム・アルヴィー(米国)


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Report UFC UFC249 ジャスティン・ゲイジー トニー・ファーガソン ブログ

【UFC249】ついにポテンシャルをフルに発揮。やり過ぎないゲイジーが、ファーガソンを殴り倒す

<UFC暫定世界ライト王座決定戦/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
Def.5R3分39秒by TKO
トニー・ファーガソン(米国)

スイッチするファーガソンが左前蹴り。ゲイジーは右に回り、左ローを蹴る。左ストレート、左ミドル、右を伸ばすファーガソンがその場スイッチでワンツーを繰り出す。リードフックを思い切り振るうゲイジーが、左ジャブに左フックを打つ。ローで姿勢を乱したゲイジーが、右から踏み込んで左フックをヒットさせる。

ファーガソンに対しても、圧を感じている様子がないゲイジーは、頭を振るって左を振るうも空振りに、直後にファーガソンが左を当てる。左ハイの直後に、左ジャブを繰り出すファーガソンも隙がない。と、両者が思い切り右を打って相打ちに。打たせず、打たれても動じない対戦は、ファーガソンの前進にゲイジーが右フックを当てていく。ファーガソンの鋭い右ハイから左アッパー、ゲイジーが右ショートで迎え撃つ。さらに右を当てたゲイジーが、ジャブの差し合いから左フックをヒット、テイクダウンのフェイクを見せて右を見せるなど、初回はゲイジーが制した。

2R、スーパーマンパンチからのショートを当てたファーガソン。一瞬バランスを崩したゲイジーが思い切り左フックを打ち込む。ファーガソンは細かくスイッチを続けるが、近距離ではゲイジーの圧が優っているか。ゲイジーは右を打ち抜き、右ローを蹴る。右を当て、返しの左フックは空振りも、やはりゲイジーに圧がある。

ファーガソンの右を返し、左フックも攻撃を散らすなかで、左を被弾する。パンチをかわして、視線を離すとすかさずパンチを入れるゲイジーは見えている。ファーガソンは左を当てるも、左を合わされ鼻を気にする仕草を見せる。スピニングバックエルボー、バックキックが気持ちの逃げにも感じられるファーガソン。それでもワンツーを返すと、ゲイジーが間合を外す。ここでローを蹴るゲイジーだが、潮目が変わったようにファーガソンの圧力が高まる。と、終了間際に右ロングアッパーを打ち合いで、これを被弾したゲイジーがダウン。立ち上がったところでラウンド終了となった。

3R、流れを掴む上で大切な序盤。ファーガソンが前に出ると、ゲイジーが右を当てる。さらに右フックから左を見せるが、ファーガソンのアッパーに下がる。ゲイジーは手数が減り、右に回るように。それでも左フックを当てると、ファーガソンが左を打ち込む。ファーガソンが右頬、左目尻をカットしているが、初動が見えない右ショートをヒットさせる。

ゲイジーはローに右を合わせ、さらに右フックでファーガソンの体が揺れる。右ストレート、左フックを続いて当てたゲイジーは、左エルボーを被弾するが、直後に右フックを返す。頭を振って、右を見せるゲイジーに対し、ファーガソンはキャンバスに手をついて、旋回ローキック。さらにブルース・リーのように床を指で触れるファーガソンだが、ゲイジーは落ち着いて、やり過ぎないファイトを展開した。

4R、鋭い左ローを蹴ったゲイジー。ファーガソンも右ローを返し、非常に低い姿勢を見せる。右ジャブを伸ばし、スピニングバックキック、ジャンピングエルボーとトリッキーな攻撃を続けるファーガソンの狙いは何か。ゲイジーは構わず正面から左フックを入れ、右ローを蹴り抜く。体が回るファーガソンが跳び前蹴り。右の同士討ちから、右オーバーハンドを受けたファーガソンはついに姿勢を乱し背中を見せて距離を取った。

左足を蹴られて姿勢を乱し、パンチが手打ちになったファーガソンに対し、ゲイジーはラッシュを掛けず、カウンターの右オーバーハンドを狙う。ファーガソンの蹴りが急所に当たり、試合が中断。残り1分で再開となり、ファーガソンが左フックを当てる。しかし、右ローで完全にヒザがよれるようになったファーガソンが、ハイキックを受けそうになる。ここで4Rが終了、ゲイジーのペースが続いた。

最終回、インターバル中に笑顔を見せたゲイジーは、ショートのワンツーを放つ。サウスポー基調となったファーガソンは、その場スーパーマンも逆に右から左、さらにワンツーフックを被弾する。ローで体が回ったファーガソンは、必死に前に出るがその場でゲイジーは待ち構え、嫌な間合になると間合を取り、ここから踏み込んで左を当てる。足に来ているような動きを見せるファーガソンは、ついにイマナリロールもゲイジーは簡単にかわす。ジャブ、右に左を合わせたゲイジーは空足を踏んで姿勢を乱すファーガソンに対し、精神的な余裕を持ってパンチを放っていく。

攻めすぎず、相手の攻撃を見るゲイジーは右を当てると、頭を振って下がったファーガソンを見てレフェリーがたまらず試合を止めた。労うゲイジーを押し返したファーガソン、気持ちは分かるがここは受け入れて欲しいところだった。

ウィナーコール後にハグをした両者、新暫定世界ライト級王者は「俺やヤるためにケージに上がったんだ。過去は振り返らない、前の日より良くなるよう練習してきた。ワールドクラスのコーチがいる。これまで殴られ過ぎてきた。殴り合いを楽しみ過ぎていたんだ。でも、ここではそんな戦いはできない。ロシアン、ダゲスタン人と戦いたい。死んでも構わないという気持ちできたんだ。勝ち負けじゃない。自分にがっかりしたくなくて戦ったんだ」と話した。


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Report UFC UFC249 ドミニク・クルーズ ブログ ヘンリー・セフード

【UFC249】右フック後のダックにヒザを合わされドミニク、TKO負け。セフードは何と、引退宣言!!

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
ヘンリー・セフード(米国)
Def.2R4分58秒by TKO
ドミニク・クルーズ(米国)

コール時にシャッフルを披露しているドミニク。前後、斜めに動くドミニクに対し、セフードが前に出て右ローを蹴る。さらにセフードは前進に強烈な勢いで右ローを蹴り込む。ドミニクの最初のテイクダウン狙いは切られ、ローを左右の足に受ける。足を止めさせる戦術に出たのか、セフードは徹底してローを蹴り、その蹴り足を掴まれて姿勢を乱してもすぐに立ち上がる。

前への動きが少ないドミニクが、飛び込んでヒザ蹴り。キャッチしたセフードがテイクダウンを奪い、すぐにドミニクがスクランブルからスタンドに戻る。またもテイクダウンを取れなかったドミニクだが、がぶることは許さず立ち上がり、セフードの右をかわす。前に出て右から左フックを当てたセフードが左ハイ、ドミニクは右ローで体がよれる。ドミニクの前進をロー、入られるとフックで迎えうつセフードを、テイクダウンのフェイクで動かせるドミニク。右を振るっての組みを察知したセフードが初回を取った。

2R、オーソからスイッチして前足でハイを蹴ったドミニクに対し、ローから左ミドルをセフードが蹴っていく。姿勢を乱しても、生来の軸の強さがすぐに姿勢を戻すセフードが、サウスポーになったドミニクに右インサイドローを蹴る。パンチの交換から、離れたドミニクにローを続けるセフードは右ハイ、ドミニクはセフードの背後まで走り抜くという動きは見られない。

それでも右オーバーハンドを当て、左右のコンビを決めたドミニクはケージを背負い、ローを受ける。近距離をダックから回り、背後を取ったドミニクだが、セフードは前進を止めない。ローを蹴られたドミニクが、左ローを返す。セフードは左からのシングルを切り、間へ。右に回ったドミニクの動きに反応したセフードは、頭を振って踏み込むと頭が当たり出血。ブレイクが入るが、試合はすぐに再開される。その場跳びパンチから、左を見せたドミニクだが、右フック後に頭を下げたところでヒザ蹴りを受けて後方にダウンを喫する。

立ち上がる隙を与えず、距離を詰めて右を当て、ここから左のパンチをボディコントロールで連打しレフェリーが試合をストップ。ドミニクはストップに不満げの表情を浮かべたか、これは致し方ないところだ。

「俺は史上最高のコンバットスポーツ・アスリートだ」と言うや、なんとセフードは引退を宣言し、ケージを下りた。一方、ドミニクは「立ち上がるところだったから、納得はしていない。倒れていれば、納得するけどね。僕は立ち上がろうとしていた。立ちあがるところだったんだ」という主張を繰り返した。


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Report UFC UFC249 ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク フランシス・ガヌー ブログ

【UFC249】KO必至対決は、フランシス・ガヌーが20秒でホーゼンストライクを沈める

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
Def.1R0分20秒by KO
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

ガヌーの左ローに、左ジャブを合わせていったホーゼンストライク。左ローを続けるホーゼンストライク。右オーバーハンドで前に出たガヌーは、左、右を空振りしながらも、パンチで迎え打ちながら下がり、姿勢を下したホーゼンストライクに左フックをヒットさせる。この一発でホーゼンストライクがケージに持たれるように倒れる。ガヌーはフックを連打し、ホーゼンストライクをキャンバスに沈めると「彼は可能性はあるけど、まだ僕と戦う準備はできていなかった」と語った。


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Report UFC UFC249 カルヴィン・ケイター ジェレミー・スティーブンス ブログ

【UFC249】劣性のケイターが、右エルボー一閃。追撃もヒジ打ちでスティーブンスに逆転勝ち

<150.5ポンド契約/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
Def.2R2分42秒by KO
ジャレミー・スティーブンス(米国)

スイッチを交え、前に出る体重オーバーのスティーブンスが右を振るい、左ローを蹴る。さらにフックで圧力をかけるスティーブンスは、ケージを背負ったケイターに連打、右ハイを蹴っていく。ローを多用するスティーブンスに対し、ケイターもワンツー。しかし、ローで攻撃を遮断される。空振りでも圧のあるスティーブンスが、右を当てる。さらにワンツーにも、ワンツーを返しスイッチして左の蹴り、オーソに戻して右ローを続ける。

ローと右フックに、踏み込むことができないケイターもスイッチし、すぐにオーソに戻る。右を当てたスティーブンスは、一瞬の組みから離れてローを蹴り合う。スティーブンスがスイッチするとケイターが左フックをヒット。さらに顔面からボディへのコンビを決める。スティーブンスは左フック、さらに右フックで前に出ると、右ロー、左前蹴りと攻撃を散らして、ジャブもケイターが右を打ち抜き、ここから前に出る。スティーブンスがパンチを返したが、この試合で初めて下がる。それでも最後に蹴り足を掴み、リリースしてボディを打ち込んだスティーブンスが初回を取った。

2R、すぐにワンツーを放ったスティーブンスが強烈な右ローを蹴り込む。サウスポーに構えるようになったケイターは、足が効かされているか。スティーブンスは回るケイターに右ストレートをヒットさせ、ローにつなげる。小さくジャンプするようになったケイターだが、ロングでアッパー、ボディフック、ストレートと引き下がらない。

組み合いでエルボーを当てたスティーブンスが離れると、スイッチし左ハイを蹴る。直後にオーソに戻したスティーブンスが前に出て右を放つ。このタイミングでケイターの右エルボーを打ち込み、ダウンを奪うと追撃のヒジでカットさせ試合を決めた。


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Report UFC UFC249 グレッグ・ハーディー ブログ

【UFC249】ローを効かされたハーディーが、手数でカストロに判定勝ち……

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

ハーディーのローに右を合わせたカストロが、引き続きローと右を繰り出す。さらに右を振るって左フックを狙ったカステロは、ハーディーの前進に右から左を振るう。ハーディーもボディとローを見せ、ジャブを伸ばす。しかし、右を打ち込むとカステロのフックが返ってくるために慎重にならざるをえない。

ボディにも右オーバーハンドを合わされ、ローで体がよれるようになったハーディーは息が荒くなり、左ヒザの外側が赤みを増してくれる。それでもパンチを連打し、前蹴りから距離を詰めたハーディーは、距離を取り直して左ジャブを伸ばす。カステロは待ちの姿勢が続き、試合の流れが変わって来たか。残り10秒を切り、右ハイを蹴っていったハーディー。対してカステロは、あれだけ効かせていたローも蹴らなくなっていた。

2R、カステロは右ローを蹴り、修正を図る。そこから左右の左フックを振るい、ハーディーの勢いを持続させない。ハーディーも左ローを蹴るが、右ローのダメージは蓄積しているはずだ。カステロはローをチェックされ、顔をしかめるシーンも。ハーディーは左リードフックを当て、右を伸ばし右ローへ。手数が少なくなった中盤を経て、終盤も動きないラウンドとなってしまった。

最終回、開始直後にハーディーが右をヒット、熱くなったカステロが前に出る。右ローを太腿に入れ、左インサイドローで抉っていく。ハーディーも左インサイドローを返し、右ローにつなげる。カステロは手数が足らない。それでも右ローを被弾したハーディーは、一瞬表情が変わるようになってくる。ローでバランスを崩したカステロは、なんとすぐに立ち上がらずガードを取る。

この判断は意味不明だ。ハーディーが間合を外し、試合はスタンドへ。残り80秒、ほぼ打撃の交換がないまま試合は終了し、ハーディーは右足を引きずるようにコーナーに戻った。結果、足にダメージのあるハーディーが手数で判定勝ちした。


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Report UFC UFC249 アンソニー・ペティス ドナルド・セラーニ ブログ

【UFC249】調整不足は明らか──ペティスがセラーニを振り切るも、勝者・敗者ともに魂の攻防で魅せる

<ウェルター級/5分3R>
アンソニー・ペティス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ドナルド・セラーニ(米国)

足を使うペティス、セラーニが右ボディを入れる。ここまで、どうしても調整不足が目立つ出場選手たち。セラーニ、ペティス揃って慎重な立ち上がりを見せる。ローに対し、右を当てたペティスが左ハイを狙う。前に出たセラーニは左フックを空振り、跳び蹴りにバックに回るも、すぐに胸を合わされる。ペティスは押し返して離れると、左の跳び蹴りが顔面を捉える。そのままテイクダウンにつないだセラーニがサイドで抑え、ペティスが足を戻し、腕十字へ。セラーニが腕を抜き、試合はスタンドへ戻る。前に出るセラーニの左に、ペティスが右をカウンターで合わせ初回を取ったか。

2R、スイッチから左ハイをペティスが狙う。前に出たセラーニが左フックを振るう。右から左フックをペティスがヒットさせ、セラーニが間合いを計り直す。ペティスもラッシュを掛けず、どうしてもスタミナ・セーブが感じられる試合に。セラーニは飛びヒザの着地に左フックを合わせるも、攻撃が流れとならない。近距離での打撃の交換からセラーニが右ミドルを決め、ペティスも左ミドルを蹴り返す。残り70秒でテイクダウンを決めたセラーニが、立ち上がり際にヒザを狙い、さらに離れ際にハイキックを蹴っていく。

ペティスのダブルレッグを察知され、タイムアップに。要所を締めるファイトは、セラーニがラウンドを取り返した──か。

最終回、まずセラーニが右ミドルを決める。続く組みはペティスが離れ、左を打ち込む。セラーニも左を返し、パンチの応酬はペティスが再び左を届かせる。セラーニが右前蹴り、続いてシングルレッグへ。ペティスが切り、右フック。これまでの蓄積、引き出しの出し合いというファイトのなかで、セラーニのヒザがペティスの腹を捕らえる。直後の左を受け止めたペティスのセラーニの右目に入る。カウボーイのアイポークの抗議もレフェリーが流す。

ここでラッシュをかけたペティスだが、殴り返したセラーニは間合いを取り直して右ハイを顔面に当てる。ペティスは距離を取り、前に出てきたセラーニに左フックを当てる。シングルを狙ったセラーニは、離れ際にハイキック──ここから無酸素の打ち合いで試合を締めた。

調整不足は明らか、それでも魂の限り打ち合った試合はペティスが判定勝ちを収めた。ペティスは「俺たちはここで戦った。それが全てだ」と話した。ベストには程遠い中でのベストを尽くす。しっかりと2人に生き様を見せてもらえた。


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Report UFC UFC249 アレクセイ・オレイニク ファブリシオ・ヴェウドゥム ブログ

【UFC249】厳しい内容。ヴェウドゥム──2年振りのファイトで、オレイニクのパンチに1-2で負け

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

2年振りのファイトとなるヴェウドゥム。オレイニクは左ジャブを伸ばす。ヴェウドゥムの右アッパー、オレイニクの右が交錯する。ヴェウドゥムはワンツー、オレイニクも打撃戦に応じる。ヴェウドゥムはシングルもやや動きが鈍いか。打撃で圧力をかけるオレイニクに対し、劣性のヴェウドゥムが右を当てて首相撲からヒザを突き上げる。オレイニクはクリンチアッパーから、フックと攻め込む。ガードを固めるが、パンチを受け続けるヴェウドゥムは厳しい展開に。

首相撲&ヒザ蹴りのヴェウドゥムは、離れたオレイニクのパンチを被弾し必死に組んでいく。動きはおもいヴェウドゥムは、組みで凌ぐ場面が続く。そこでパンチを入れてスペースを作ったオレイニクがパンチで攻めたてる。最後はスタンドでバックを譲ったヴェウドゥムは、ラウンドを失った。

2R、蹴りにスピニングバックフィストを狙ったオレイニク。組んでいくと、ヴェウドゥムが頭を抱えてギロチンへ。大内は掛からず、離れたヴェウドゥムがヒザをボディに入れる。粗いパンチで前に出るオレイニクだが、足がついてこない。ヴェウドゥムは首相撲&ヒザ蹴りで反撃に出たが、パンチの打ち合いでも劣性は否めない。と、残り2分でヴェウドゥムがテイクダウンを決め、ハーフからキムラを狙う。

シングル狙いにバックに回ったヴェウドゥムが、両足をフックする。乗り過ぎで、自ら立ち上がったヴェウドゥムはパンチを被弾し、バックを許し流れを掴めない。胸を合わせたヴェウドゥムだが、離れたオレイニクが右をヒットさせ、再び組んでアッパー。バックに回り、後方から右をオレイニクが放っていった。

最終回、ローを入れ差し上げテイクダウンを決めたヴェウドゥムが、サイドバックからおアンチを入れる。ヴェウドゥムがバックマウントを取り、腕十字へ。腕をクラッチしたオレイニクが上を取る。手首を取ったヴェウドゥムがキムラへ。スイープでマウントを奪ったヴェウドゥムは、再びバックから腕十字へ。ここでマウントを選択したヴェウドゥムは勝利にはサブミッションが必要だ。

残り90秒、バックも乗り過ぎてスタンドに戻らざるを得なくなったヴェウドゥムがヒザをボディに突き上げる。オレイニクはここでもパンチで反撃する。残り30秒でテイクダウンを奪ったヴェウドゥムが、スクランブルでギロチンへ。ここでタイムアップとなり、オレイニクがスプリット判定勝ちを手にした。


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Report UFC UFC249 カーラ・エスパルザ ブログ ミッシェレ・ウォーターソン

【UFC249】静かな展開が続いた女子マッチ。前に出るエスパルザが、ウォーターソンを下す

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
Def.2-1:30-27.29-28.27-30
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

左ジャブを伸ばすウォーターソン。両者、遠い距離で間合いを計る。右を振りながらエスパルザが前に出るが、ウォーターソンが回ってかわす。非常に慎重な、恐らくは観客がいればブーイングが起こるであろう展開が続く。前足でハイキック、後ろ足が関節蹴りを狙うウォーターソンが、ワンツーで距離を詰めてローを蹴り込む。エスパルザも踏み込んで右を当てる。ウォーターソンは蹴りを続け、左ミドルを入れる。右ロー、左ハイをリズムよく繰り出すウォーターソンだが、最後の30秒でエスパルザがテイクダウンを決める。そのまま初回が終わった。

2Rも変わらず、非常に静かな展開が続く。エスパルザの前進をバックステップでかわすウォーターソンだが、エスパルザの粗い右が顔面を捉える場面も。ウォーターソンは蹴り主体のファイトで、勢いのある右ローを入れ前蹴りを繰り出す。エスパルザはニータップも、ウォーターソンが続く首投げも防いで打撃の間合いへ。ここからウォーターソンが攻めに転じるわけでもなく、前に出るのはエスパルザだ。ハイキックに組みついたエスパルザだが、ここでヒザをボディに被弾しラウンドが終わった。

最終回、テイクダウンを切るために遠い距離キープのウォーターソン。そこから関節蹴りやサイドキックを繰り出すも、蹴り足を掴みつつエスパルザが右を当てる。負けないファイトの効果ポイントはウォーターソンだが、攻めているのはエスパルザだ。しっかりとローを入れたウォーターソンに対し、距離とを詰めたエスパルザが首相撲からヒザを入れる。さらに右を当てたエスパルザだが、中途半端の距離でハイキックを受けそうになる。

エスパルザは蹴りを掴んでテイクダウン狙いも、ここは倒せず腹にダメージを受ける結果に。それでもエスパルザが踏み込んで右オーバーハンド、ウォーターソンはサイドキックへのテイクダウン狙いにヒザを入れる。残り30秒、回るウォーターソンを執拗に追いかけパンチを振るうエスパルザ。ウォーターソンもこうなると足を止めて打ち合いに。もう一度、離れたウォーターソンを追いかけたエスパルザが打ち合いに持ち込んで試合を終えた。

攻撃という面ではエスパルザの試合──ジャッジの裁定はスプリットでエスパルザに凱歌が挙がった。