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Interview J-CAGE Pancrase318 ブログ 中島太一 堀江圭功

【Pancrase318】中島太一フェザー級KOP=ISAO戦へ─02─「まだまだ練習が足りないし、考えも足りねぇ」

【写真】つぎはタイトル戦、ISAOとの対戦だ (C)MMAPLANET

27日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase318-Beyond317-のセミで、堀江圭功を破りフェザー級KOP=ISAOへの挑戦権を手にした中島太一インタビュー後編。

堀江の打撃を封じた中島だが、本人は得意の形に持っていけないという部分で満足できる試合内容でないことを明かした。そして堀江との一戦で何を掴むことができたのか──を時期挑戦者に尋ねた。

<中島太一インタビューPart.01はコチラから>


──1カ月間の練習の成果が見られたといことですね。今や中島選手といえばボディロックからのコントロール。そのなかで2Rに一度、バックに回りかけて崩そうという局面がありました。

「僕のなかでは不完全も不完全です。ぶっちゃけ最悪の最悪、テイクダウンを取ることができないという想定での練習もしてきました。それにしても……もうちょっと行けるだろうっていう内容でした。

1回は投げることができると思っていましたし……、1度バックに回ることができたといっても、う~ん……。どうなんですかね」

──レフェリーに堀江選手の汗を拭いて欲しいという風に言いたくなりませんでしたか。

八隅 なりましたよ(笑)。

「1Rが終わった時点でもの凄い量の汗でしたね。『こんなに汗かくのか』って。相当に最初から力を使っているんだという風に理解していました」

──素晴らしく代謝が良いのかと。

「だからボディロックという僕の武器も、あの汗もあって腰を切られて難しかったですね」

──次はISAO選手のベルトに挑む試合です。まるでタイプが違いますが、その牙城を崩すのは大変なチャンピオンです。

「ISAO選手は堀江選手と比べても僕がやりたいことを、もっとやらせてくれない選手だと思います。ただ今日までは全くISAO選手のことは考えずに、堀江選手のことに集中していました。

どれぐらい期間が空くのか分からないですけど、これから八隅さんとも相談して徹底的に考えて対策を練っていきます」

──ISAO選手はパンクラスで戦い続けているから、挑戦ができます。他方、チャンピオンがパンクラスを離れた階級では暫定のベルトが創られています。

「暫定チャンピオンでも良くないですか? 堀江選手に勝ったのに(笑)。ISAO選手はずっとパンクラスじゃないですか。どこかに行かないのですかね?」

──それは私に尋ねられても……(苦笑)。

「ずっとパンクラスにいるんで。やっぱり北米にリベンジしたいのでしょうかね」

──対して中島選手はロシア、ACAへのリベンジですね(笑)。

「アハハハハハハ。また、ですか(笑)。ただ今回の煽り映像も堀江選手がUFCを知っている。僕はロシアを知っているという創りでしたけど、そこら辺は舐めるなよって思いました。米国を知っているって、1回しか戦ってねぇだろうって。僕もね──たった5回だけど、そこは違うよっていう……怖さと戦ってきた数が違うよという気持ちありましたね。

インタビューで本当に舐めたことを言っていたので、本当に試合前はイライラしていたんです」

──まぁ大会を盛り上げるためというのもあるかと思いますが……。

「絶対に勝つ、絶対に負けないという強い意志をくれたのが堀江選手でした。堀江選手が強いからこそ『やらなくちゃ、やらなくちゃ、やらなくちゃ』って思い、誰よりも練習をやってきたつもりです。堀江選手のおかげで強くなれたと思っています」

──堀江選手のUFC復帰へ賭ける想いも絶対だったでしょうし。そんな堀江選手に勝った。どのような自信を得ることができましたか。

「自信……はついていないッスかね。まだまだだなぁって。僕の得意な組みで、ぶっちゃけ1度もテイクダウンを取ることができなかったので。まぁ堀江選手の強味を消せたというのはあるのかもしれないけど、テイクダウンを取れなかったので……。『あぁ、こんなものか』と。まだまだ練習が足りないし、考えも足りねぇし。まだまだ、もっともっとやらないといけないなっていう想いです」

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Interview J-CAGE Pancrase318 ブログ 中島太一 堀江圭功

【Pancrase318】堀江に勝利し、ISAOへの挑戦権を獲得──中島太一─01─「俺、よく勝てたな(笑)」

【写真】笑顔が途切れることはなかったメインカード終了直後の中島 (C)MMAPLANET

27日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase318-Beyond317-のセミで、中島太一が堀江圭功との激闘を制し、フェザー級KOPであるISAOへの挑戦権を手にした。

本来は8月23日に組まれていた試合は、大会当日の中止という事態が勃発し1カ月遅れで組まれた。レスリングを強化し、打撃との融合を進めてきた堀江に対し、組み勝負──ボディロックを軸に試合を組み立てようとした中島。結果的に両者とも、自分のやるべきことを完遂でいなかったが──一進一退の攻防の末、判定勝ちを収めたのは中島だった。

ソーシャルディスタンス、他の陣営の選手がいない試合後の控室で中島に堀江戦を振り返ってもらい、これからについて尋ねた。


──足を氷で冷やしていますが、カーフですか。

「カーフも効きましたが、自分が蹴った時にも痛めてしまいました」

──とはいえ、堀江選手のプレッシャーにも下がることがなかったです。

「ロシア人に比べると、全然怖くないです(笑)。日本人って外国人選手への苦手意識ってあると思うんです。僕もそうだったし、圧力や怖さが違うんで。日本で外国人選手と戦ってもソレを感じるし、アッチに行ってもそうですし。ロシアでの経験はデカいです」

──当日計量で70キロというのは、どうでしたか。

「普段がこれぐらいで、僕はフェザー級の中でも小さいほうだと思います。だから当日計量の方が体重差は少なくなるし、こっちのほうが良いです。ほぼナチュラルで戦えて体調も良かったですしね」

──青木真也選手が堀江選手のフィジカルは日本のフェザー級で一番かもという話を実はしてくれたことがあったんです。

「えっ、そうなんですか。ハハハハ、青木さんは僕のこともフィジカルが強いと言っていてくれていたのですが……、堀江君の方が強いと思っていたということですか」

(セコンドを務めた)八隅孝平 俺にも、言っていたよ(笑)。青木は物差しが凄く上で、それだけ体感してきたから。だからよく見ているよ。

「じゃあ、僕よりも堀江君が強いと思っていたってことですよね」

──フィジカルは、という話を私にはしてくれました。

「なんだよ、なんで青木さん……言ってくれないんだよ……」

八隅 そりゃ言わないよ。堀江君と練習しているんだし。そう思っていたのは分かっていたけど、俺も中島君にそれは伝えないでいたわけだし。

「えぇ、でも青木さん……」

八隅 中島君は頑張ることができるから、そこに持っていけることができるかどうかって言っていたよ。

「練習だったら、アッチの方が強いんだ……」

八隅 だって江藤(公洋)君よりレスリングが強いって。

「嘘でしょ!!」

八隅 そんな情報は試合前に中島君の耳に入れるわけないし。

「聞かなくて良かったですよ。俺、よく勝てたな(笑)」

八隅 やっていることが間違っていなかったから。

──とにかく下がらなかったという印象が強いです。そのせいか、堀江選手もリズムを狂わせていたようにも見えました。

「まず思った以上に距離が近かったです。イメージではもっと遠いところから、グっと出てくるので。そういうスパーリングをしてきたのですが、近くてビックリしました。『えっ』と思ったけど、僕は近い方が戦いやすいので。近いボクシングが得意なので、堀江選手の動きも近い方が見ることができましたね。

遠い方が怖かったです。堀江選手がテイクダウンを合わせられるのが嫌で飛び込まないで戦ったのか。そこは分からないですけど、僕としては近い方がやりやすかったです」

──尻もちをつかせたのは1度、バックに回り込みかけたのも1度。ケージに詰めてから堀江選手も防御が固かったです。

「組み力は強かったです。ワキをすくわれて返してきたり、練習であんな風にされたことはなかったです。ただし、ビックリするほどでもなく想定内の強さでした。それにしても初回の3-0で堀江選手っていうのは分からないです。どう思いますか?」

──実はですね、自分の場合は写真を撮影している時はまるで試合の見方が違っていて、局面を追い過ぎて競り合いはどちらかっていうのは分からないことが多いんです。ただし、裁定基準がダメージの次にインパクトだと、テイクダウンを奪えない組みや押し込みは評価されなかったかもしれないですね。

「撮影のときは、判定とか頭に入らないのですか?」

──記事を書いているときより、頭に入らないのは事実です。記事は結果論で間の前にあることを追うのですが、撮影の場合は次の動きを予想をしてシャッターを押すので頭の働きが違うと思います。だから、フェイクとかに引っ掛かって、手も足も出ていないときの写真が多くて(笑)。

「へぇ、そういうもんなんですね。フェイントに引っ掛かってくれるんだ(笑)」

──逆に見えるときは見えるんです。KOパンチとか、蹴りも見えると撮影できます。そういうことでいうと、今夜の試合では中島選手の攻撃でもパンチからテイクダウンというのは見えていたのですが、組みに行った姿勢からのオーバーハンド、アレは撮れなかった。つまり見えていない。そういう攻撃があると、撮影中でも驚きます。

「うわぁ、そう言ってもらえると嬉しいです。高島さんを引っかけたってことですね(笑)。嬉しいわぁ。実は8月23日の時点で、あの攻撃はできていなかったです。打撃を見せてテイクダウン、そのことに集中していました。でも、当日に試合が中止になって準備期間が1カ月増えた。そんな時にRIZINでBraveの竿本(樹生)選手が使っていたのを見て、『コレ、練習していなかったな』となったんです。だから、この試合が延びた期間で練習してきた流れだったんです」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE Pancrase318 ブログ 林源平 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase318】暫定ライト級KOP雑賀ヤン坊達也「僕の拳は異質。大晦日は空けておくので」

【写真】師匠=ボスの長岡弘樹が届かなかったパンクラスのベルトを手にした(C)MMAPLANET

27日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase318-Beyond317-のメインで、林源平を初回KOした雑賀ヤン坊達也が暫定ライト級KOPに就いた。

見事なワンパンKO、キャリア8戦目のベルト奪取にわくヤン坊と師匠の長岡弘樹。両者の喜びが一旦収まったところで、インタビューを試みた。


──おめでとうございます。

「ありがとうございます。暫定ではありますけどチャンピオンになれたので、やってきたことが実ったかと思います」

──試合開始直後、林選手は当てても出てきました。

「ハイ。最初から詰めてきたので、距離を取って戦うという作戦が実行できなくて、焦ってしまいました。そこで一発貰って、効きましたしね(苦笑)。

でも対処できて、ボス(長岡弘樹DOBUITA代表)の『下向いているぞ』という声も聞こえてきたので大丈夫でした。近づいてきた時にアッパーを打つという作戦で、練習でもずっとやってきたので。それが完全にハマりましたね。ヒザも入れることができたし、作戦通りの試合になりました。

まだ底が見えないままのファイターなんですけど(笑)、今日も1Rで勝つことができたので良かったです」

──試合のことを考えると怖いとヤン坊選手は言っていますが、ケージの中に入ると恐怖はなくなるのでしょうか。

「試合になるとパンチを貰っても『いってぇ』ってぐらいで、怖いとかはなかったです。『大丈夫、動く』って自分のなかで確認できて。僕の得意な距離だったし、怖さは感じなかったです。

距離を取っているファイターと思われがちですけど、近い方が実際は戦いやすいです。どつき合いみたいな感じで」

──それも組みの対処ができるようになったからじゃないでしょうか。

「今日も1回、テイクダウンされましたけど問題なかったです。本当に平気でした」

──そこは師匠の長岡選手とやり込んできた部分ではないですか。

長岡 一番やってきたところですしね。

──それにしても見事なアッパーでした。

「林選手は前に出てきたときに、こっちを余り見ていないようでした。だからヒザを入れることもできたし、さっきも言ったようにボスの『下、向いているぞ』っていう声が聞こえて、アッパーの機会を伺っていました」

──しっかりと倒しきりました。

「これまで林選手はスタンドでKO負けをしたことはなかったので、僕のパンチは質が違うところを見せることができたと思っています」

──自己採点で何点でしょうか。

「80点……ですかね(笑)。距離を取ることができず、ガツガツと打って疲れてしまった部分もあるので……作戦通り戦えなかったことでマイナスです。スタミナは問題なかったですが、冷静さを欠いたことは反省しないといけないです。

本当は殴られないで殴る。そのために距離を取りたかったですけど、それはさせてもらえなかったです。それも林選手の作戦だったのでしょうけど、こっちもその時の作戦があったので大丈夫でした」

──トム・サントス戦から1年、今日の勝利であの試合がフロックでないことも証明できました。

「サントス戦は本当に怖かったです。あそこで僕は強くなれたと思います。林選手も怖かったのですが、サントスは別格に怖かったです」

──それでも試合になると怖がらない、と。

「それが僕の特徴かもしれないです。試合になると強い……まだ強いのか分からないんですけど(笑)。練習では弱い部分はたくさんあるので、でも試合で勝てている。練習で強くても、試合で勝てないより良いと思っています」

──今日、正規王者の結果は?

「スプリットで勝ったようです。全く試合内容とかは分からないのですが、これで久米選手は大晦日ですね。僕も大晦日のスケジュールを空けておくので、RIZINさんお願いします(笑)。久米選手と統一戦はもちろんしたいですけど、久米選手が大晦日に試合があるなら、すぐにはできないですし。なら、僕も大晦日にRIZINに出たいです。スケジュールも空いてしまうので。

で、改めてパンクラスで久米選手と王座統一戦を戦いたいと思います!!」

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J-CAGE Pancrase318 Report ブログ 林源平 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase318】戦慄の右アッパー! 雑賀ヤン坊達也が林を1Rでマットに沈め、暫定ライト級王座を獲得

<暫定ライト級KOP決定戦/5分5R>
林源平(日本)
1R2分25秒 by KO
雑賀ヤン坊達也(日本)

林が左ローから右ストレート。雑賀も打ち返し、ケージ中央で両者が打ち合いを展開する。その最中、林がダブルレッグで雑賀に尻もちをつかせ、そのままケージに押し込む。雑賀も脇を差し返し、体勢を入れ替えようとするが、林も離れ際にパンチを打ち込んでいく。離れると、またも打ち合う両者。ここで雑賀の右アッパーがクリーンヒット。この1発で林が崩れ落ち、雑賀のKO勝ちとなった。

立ち上がれずタンカで運ばれる林。対して5試合連続1ラウンドKOで暫定ライト級のベルトを獲得した雑賀。
今回は5Rフルに戦う準備をしてきたという雑賀だが、結果は今回も1ラウンドKO。
この日、RIZINのリングで北岡悟に判定勝ちを収めた正規王者・久米鷹介との一戦は、いつ実現するのか。

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J-CAGE Pancrase318 Report ブログ 中島太一 堀江圭功

【Pancrase318】中島太一が堀江の左ジャブを凌ぎ、組み続けてスプリットの判定勝利

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
中島太一(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
堀江圭功(日本)

ケージ中央でフェイントをかけ合う両者。堀江のローの打ち終わりに、中島が右フックを繰り出す。堀江は距離を取りながら左右のロー。プレッシャーをかける中島。しかし中島の右ローは届かない。堀江は左ジャブ、中島はダブルレッグからシングルに切り替えて、堀江をケージに押し込む。倒せないとみるや、離れ際に左フックを打った中島。打撃の交錯から再び組み付いた中島。堀江もケージを背にしつつ倒されない。離れた堀江。中島は堀江の右ハイをかわし、プレッシャーをかける。左ローを当てて距離を取る堀江を、中島が左フックで追いかけ、ラウンド終了のゴングが鳴った。

1Rの採点は、ジャッジ3者とも10-9で堀江を支持している。

2R、堀江がマウスピースを忘れて注意が入る。再開後、堀江は左ジャブを繰り出しながら、中島のダブルレッグをカット。中島がまたも組み付き、堀江をケージに押し込む。脇を差して切り返した堀江。距離ができると前に出る中島。中島の右クロスが堀江の顔面を捉える。堀江は左ボディをヒット。中島がダブルで組み付き、シングルに切り替えるも、堀江がカットして離れる。左ジャブを放ちながら距離を詰める中島。堀江はケージを背にしながら、左アッパーを当てる。中島も組み付くが、ここも堀江はカット。離れて左ジャブから右をヒットさせた堀江に対し、中島も組み付きながらバックを狙うも、堀江はそれを許さず打撃戦に戻る。そして中に入ってくる中島の顔面に左ジャブを合わせた。

2Rは、ジャッジ2名が10-9で中島、ジャッジ1名が堀江につけた。

最終R、頭を下げて中に入った堀江。さらに下がりながら左フックを当てて、中島の腰を落とさせる。立ち上がり、距離を詰める中島。堀江のパンチをかわして組み付くも、堀江はカットして足を使う。またも組み付いた中島が、シングルで堀江をケージに押し込むも、テイクダウンを奪うことはできない。ケージ中央に戻り、左ボディを当てる堀江。さらに右ショートをヒットさせる。近づく中島に、右のテンカオを当てる堀江。中島は組み付き、堀江をケージに押し込み続ける。ここはなかなか離れることができない堀江。ようやく離れた堀江に対し、しつこく食らいつく中島が、堀江に尻もちをつかせた。さらにシングルで堀江をケージに押し込む中島。離れた堀江も右のテンカオを繰り出すが、中島は下がらない。残り30秒で組み付く中島、離れてローを繰り出す堀江。ラスト10秒で中島が、またも組み付いて堀江をケージに押し込んだまま最終ラウンドを終えた。

ジャッジはスプリットで中島の勝利。
これでフェザー級王者ISAOへの挑戦権を獲得した中島は、「チャンピオン、待っていてください。僕がベルトを取りにいくので」と王者へメッセージを送った。

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J-CAGE Pancrase318 Report ブログ 菊入正行 高木健太

【Pancrase318】菊入正行が右ストレートを中心にコントロール、高木健太に3-0の判定勝ち

<ウェルター級/5分3R>
菊入正行(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
高木健太(日本)

サウスポーの高木が距離を詰めて、左ロー。オーソドックスの菊入はフェイントをかけながら逆に距離を縮めて、高木の左ローをキャッチしてパンチを浴びせる。ケージ中央で見合う両者。菊入が左ジャブから右ストレート。高木はバックステップでかわす。菊入が右ストレートを放つと、高木は打ち終わりに右フックを入れる。菊入が左ロー。高木が距離を詰めると、サークリングしながらローを繰り出す菊入。菊入のパンチに対して、高木は左右のフックを返す。菊入のローに、右フックを返す高木だが、これは当たらない。

1Rの採点は、高木に2票が入った。

2R、高木が左ミドル。かわした菊入が前蹴りから距離を詰める。反対に高木が前に出ると、サークリングからローを打ち込む菊入。さらに右ストレートを伸ばす。プレッシャーをかけてくる菊入に右フックをふるう高木、ノーモーションからの左ストレートを繰り出す。対する菊入の左フック、右ストレートがヒット。高木は右目が見えづらくなったか、スタンスをオーソドックスに。プレッシャーを強める菊入は、フェイントから左ジャブ、さらにロー。高木は左右フックを放つも当たらない。しかし前に出る高木と、ケージを背負う菊入。残り1分のところで前に出て、距離を詰めた菊入が、右ストレートから左ローを当てた。

2Rの採点は、ジャッジ3者とも10-9で菊入を支持した。

最終R、足を使いながらローを繰り出す菊入。高木は前に出て縦ヒジを狙う。菊入の左ジャブをくらい、のけぞる高木。菊入は右ストレート、右ロー。高木も右フックを当てる。距離を詰める菊入に対し、右フックをヒットさせた高木。菊入は一瞬下がるも、再び前に出る。残り1分半、ケージ際で菊入の右ストレートがクリーンヒット。さらに右フックを浴びせた菊入が、自分の距離を保って試合終了のゴングを聞いた。

判定はジャッジ3者とも29-28で菊入。
勝利した菊入は、今回の試合内容に反省しつつ、次の試合はKOか一本を狙いたいと締めた。

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Interview PANCRASE Pancrase318 Special ブログ 坂本靖

【Special】WithコロナのJ-MMA─04─パンクラス坂本靖統括本部長<後編>「イバラの道ですが……」

【写真】9月が無観客、10月大会はガイドラインに則して客入れを行うという発表が、今回の取材後に酒井代表より発表があった(C)MMAPLANET

COVID19のパンデミック、地球はニューノーマルの時代を迎えた。日本でも4月と5月の緊急事態宣言を経て、6月から経済活動が再開も、事態が終息することはない。

MMA界はかつてない状況のなかを生き抜く努力をしている。MMAPLANETでは各MMA大会の主要人物に新型コロナウィルス感染に関しての現状とこれからを尋ねた。

最終回はパンクラス、坂本靖統括本部長インタビュー後編をお送りしたい。団体関係者として、魂の叫びが聞こえた……。

<坂本靖インタビューPart.01はコチラから>

──本格的な感染拡大から半年が過ぎ、正直なところ格闘技関係者のなかにも新型コロナウィルスは何でもない、自分は大丈夫だという空気の人もいます。

「いますね。だから会場ではマスクだとか消毒とか、できることは徹底していただきます。パンクラスは1度、当日に大会が中止になりました。そこで大会に関わる誰もが、より慎重になってくれることを願います」

──しかし、無観客にするとどのように利益を搾り出すのか本当に頭が痛いかと。今は共生時代でGO to トラベルまでしているわけですし。野球もサッカーも、コンサートも5000人枠を取っ払って、館内50パーセントという風に移行しつつあります。

「時代に逆行していますよね。イバラの道だと思います。本当に厳しいですよ。それでも選手だけでなく、中止になった大会の業者さんが、こちらのことを考えて請求も割引いてくださったり、色々と温かみを感じています。

そうやって毎日を過ごしてきたのですが、良い意味でも悪い意味でも話題になってしまったので、『大会を当日に中止したパンクラスです。これからは、こういう形で大会を行っていきます』という説明をして、協賛金を集めたり、映像ビジネスをしっかりと考えないといけないです」

──検査費用だけでもかさみます。多くのプロモーションでは試合数を減らす傾向にあるなかで、パンクラスは試合数が多いです。

「それは考えます。ホントに。試合数が多いとリスクも高まります。9月、10月と大会を重ねることで、その辺りも協議していくことになるかと思います。

そして検査体制がPCRなどで一斉とならない限り、まずは抗体ということだと過去に感染していた選手、関係者の数は増加する一方になるはずです。そのために自己申告書というモノを9月27日の大会から提出していただこうと思っています。

医療関係者に尋ねても1度感染した人は2度目はないのか。感染してから、どれだけ経過すれば他の人と接触しても良いのか。抗体があって抗原検査で陰性になるのか……それらの臨床データも揃っていないというのが実情でした。現状(インタビュー時点で)、ようやく60日というデータが出たばかりで。

ではパンクラスでは過去の感染者に関しては感染日から70日が経過した選手にオファーを出す方向になりました。でも試合の1週間前にはPCR検査をしてもらい、陰性なら良いと。加えて、当日に抗原検査をする(※LAMP法検査採用で、この辺りの状況も変更されることが予想される)」

──欧米や多くの国と違い、PCR検査が広まっていないことが何をするにもネックとなるかと。

「もう愚痴になりますけど、こういうことを一つのスポーツの大会主催者が考えることなのか……、国や自治体のガイドラインがないのかとは思います」

──仰る通りだと思います。年間、○十万以上の健康保険を支払っている。それで一度もPCRを保険で受けることができないのかと私も心底思います。私が住んでいる区では、中学生まで医療費を保険がカバーしてもらえる地域ではありますが。

「PCRも保険適用で受けるようにすると区長さんが発言してくれただけ、素晴らしい区だと思いますよ」

──ただし、繰り返ししないと現状は検査を受けた時点で陰性か陽性でしかない。ここは変わりないというジレンマはありますが、子供たちや老人が一度は受けることができる──とりあえずは医療従事者や老人介護の仕事をしている方からですが、進んで行って欲しいです。それでも、これほどコロナに関する対処で国や都、行政の決まり事がないのは、どうしたものかと……。

「抗原検査で陰性が出た。保健所からは公共交通機関を使って帰宅させてはいけないという指示がありました」

──ハイ。

「タクシーもダメです。分かります、そこは。では、どう対処すれば良いのか。歩いて帰るのですか? 今後、地方から来ている選手で陽性が出たら……どうなるのか。どうすれば良いかと尋ねると、『それは自分たちで考えてください』とう返答だったんです……」

──いやいやいや。

「……。じゃぁ、どうすれば良いんだと。私たちがそれを決める。私たちは医療従事者でもなく、感染予防のプロでもない。でも、私たちが自分で決めて動かないといけない。レンタカーなのか、主催者が予防して送っていくのか。だから、先ほど申したように、これは団体が考えて解決できる質の問題なのかと……」

──その域を完全に越えた社会事象です。

「経済活動再開、三密を避けて自分で自分の身を守る。それは理解できます。ただし、感染が起こった場合のガイドラインはなく、『自分たちで考えて』と言われてしまうのか……と」

──MMA界という限定した社会においてもパンクラスだけでなく、業界全体の問題です。ただし検査に関してだけでも、足並みを揃えようという動きには至っていないです。

「足並みを揃えたいですね。ただし、コロナで世界が一つになるということはなく、自分の国だけ守ろうとしている。それが国家であり、言ってしまうと団体にも当てはまります。それが人間の性なのかと……。

ただし、この状況だからこそ選手の好意を凄く感じます。『いざ、鎌倉』ではないですが、特に地方の選手から温かい声が聞かれて……。それも人間の良さで、やってきた良かったと……思えました」

■Pancrase318対戦カード

<暫定ライト級KOP決定戦/5分3R>
林源平(日本)
雑賀ヤン坊達也(日本)

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
中島太一(日本)
堀江圭功(日本)

<ウェルター級/5分3R>
高木健太(日本)
菊入正行(日本)

<ストロー級/5分3R>
前山哲兵(日本)
尾崎龍紀(日本)

<ライト級/5分3R>
葛西和希(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
小森真誉(日本)
林優作(日本)

<ストロー級/5分3R>
永井美自戒(日本)
リトル(日本)

<ネオブラッドTミドル級決勝/5分3R>
荒井勇二(日本)
廣野雄大(日本)

<ネオブラッドTライト級決勝/5分3R>
中田大貴(日本)
狩野優(日本)

<ネオブラッドTフェザー級2回戦/5分3R>
岩本達彦(日本)
齋藤拓矢(日本)

<ネオブラッドTバンタム級準決勝/5分3R>
宮島夢都希(日本)
修我(日本)

<ネオブラッドTバンタム級2回戦/5分3R>
井村塁(日本)
田中ハヤトスネ夫(日本)

<ネオブラッドTフライ級2回戦/5分3R>
谷村愛翔(日本)
梅川毒一郎(日本)

<ネオブラッドTストロー級準決勝/5分3R>
谷村泰嘉(日本)
大貴(日本)

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
村元佑成(日本)

<フェザー級/5分3R>
風間敏臣(日本)
上田厚志(日本)

<バンタム級/5分3R>
工藤修久(日本)
粥川吏稀(日本)

<フライ級/5分3R>
川北晏生(日本)
橋上壮馬(日本)
             

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Interview J-CAGE Pancrase318 ブログ 林源平 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase318】初物尽くし=林源平戦、雑賀ヤン坊達也─02─「日曜日は久米選手と共に勝ちたい」

【写真】 いよいよ両者の半年間の想いが、デカゴンでぶつかる!!(C)MMAPLANET

27日(日)に東京都江東区のスタジオイーストで開催される──パンクラスにとって、初の無観客大=Pancrase318-Beyond317-のメインで、暫定ライト級KOP王座決定戦を林源平が戦う=雑賀ヤン坊達也インタビュー後編。

同大会からパンクラスはコロナ禍において、当日計量にともない、階級の名称はそのまま1階級重くなるというテンポラリー階級を採用する。さらに当日にLAMP法検査を実施、大会進行も違いが出てくる。

このような初めて尽くしのなかで迎える王座決定戦だが、同日にはRIZINで正規KOP久米鷹介が北岡悟と対戦する。パンクラスの看板を背負う存在になるために、ヤン坊は久米と揃って勝利したいという心境を話した。

<雑賀ヤン坊達也インタビューPart.01はコチラから>


──1週間前のGrachanに当初の予定では長岡弘樹選手がタイトル戦を戦う予定でした。対戦相手の負傷で試合は流れてしまいましたが、同じ時期にタイトル戦があるということで当初は2人で高め合うことができたのではないですか。

「そうですね、長岡さんも僕も気持ちが入っていましたから殺気だった緊張感のある練習ができました。長岡さんは試合が無くなってからも、僕の追い込みを徹底してサポートしてくれましたし。もう組まれて押し込まれるという部分では、全く心配していないです」

──迷うことなく戦えますか。

「まぁ、打たれ強さっていうのは実際に戦ってみないと分からないので。自分のパンチは質が違うとは信じたいですけど、そこが効かない、KOできなかった時はどういう心境になるのかは不安です。

那須川天心選手がロッタンとやった時も、『あれっ?』と思ったように見えましたし。そういう状況になることを考えると怖くもなります。それに組まれた時の組み力も全く分からないですし。僕は試合ではそれほど組んだことがないですし、練習ではできても試合でできるのか……不安ですよね(笑)」

──だからこそ、その展開を見てみたいと我々は思ってしまうのですよね。

「1Rで仕留められないときは、どうなるんだっていう声は近くからも聞こえてきます(笑)。もちろん、そうなった時の練習はしてきましたけどね」

──計量方法が変わり、体重も実質1階級上になります。この変化は?

「体調は良いです。やっぱり水抜きがないと気持ちは楽です。最後の1週間っていうのはキツイですからね。今は一番動きやすい体重です。食事に関するストレスがないというのも初めてですけど、この計量が良いのか悪いのかも当日にならないと分からないです」

──当日のRAMP検査と計量、待機。試合前のタイムスケジュールもこれまでとは違うかと思います。

「会場に到着する時間は、それほど変わらないです。ただ検査と計量をして、結果が出るまで80分間を待機するような形です。これも初体験ですけど、皆がそうですしね。貴重な経験だと捉えています」

──結果がでるまで少なからずドキドキですね。

「怖いですね(苦笑)。陽性だったら……とは、誰もが思うかと。でも本当にMMAを戦うことが大変な時代になったと思います。これだけ必要になり、主催者が誰よりも大変ですし、ここまでしてくださることに感謝しています」

──もう、やるしかない?

「そうですね。全てを解き放ちます」

──初めてというなかに無観客も含まれています。

「僕は結構多くの人が応援に来てくれるので、その声に後押ししてもらえているというのは絶対にあります。半面、皆の期待に応えないといけないというプレッシャーもありますし。ここも、本当に戦ってみないとどういう心境になるのか分からないですね。違った緊張感があるかもしれないですね。とにかく、楽しくアグレッシブにいきたいです」

──同じ日に正規王者の久米鷹介選手が、RIZINで北岡選手と試合をします。DEEP、修斗、パンクラスの王者が一同に会するトーナメント、意識するところはありますか。

「それはあります。負けられないです。そこに自分が加われるような存在になることを目指しているので、意識はします。まだ僕がパンクラスを代表する立場になっていないですけど、そうなりたくてやっているので。

そですね……久米選手の試合結果は正直、気になります。同じパンクラスという場で戦わせていただいているので。久米さんにはここを勝ってもらって、暫定王者になった僕と統一戦をしてもらい、本物だと証明したいです。だから日曜日は久米さんと共に勝ちたいと思っています」

■視聴方法(予定)
9月27日
午後2時45分~ Pancrase MMA公式YouTube Ch

■Pancrase318対戦カード

<暫定ライト級KOP決定戦/5分5R>
林源平(日本)
雑賀ヤン坊達也(日本)

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
中島太一(日本)
堀江圭功(日本)

<ウェルター級/5分3R>
高木健太(日本)
菊入正行(日本)

<ストロー級/5分3R>
前山哲兵(日本)
尾崎龍紀(日本)

<ライト級/5分3R>
葛西和希(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
小森真誉(日本)
林優作(日本)

<ストロー級/5分3R>
永井美自戒(日本)
リトル(日本)

<ネオブラッドTミドル級決勝/5分3R>
荒井勇二(日本)
廣野雄大(日本)

<ネオブラッドTライト級決勝/5分3R>
中田大貴(日本)
狩野優(日本)

<ネオブラッドTフェザー級2回戦/5分3R>
岩本達彦(日本)
齋藤拓矢(日本)

<ネオブラッドTバンタム級準決勝/5分3R>
宮島夢都希(日本)
修我(日本)

<ネオブラッドTバンタム級2回戦/5分3R>
井村塁(日本)
田中ハヤトスネ夫(日本)

<ネオブラッドTフライ級2回戦/5分3R>
谷村愛翔(日本)
梅川毒一郎(日本)

<ネオブラッドTストロー級準決勝/5分3R>
谷村泰嘉(日本)
大貴(日本)

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
村元佑成(日本)

<フェザー級/5分3R>
風間敏臣(日本)
上田厚志(日本)

<バンタム級/5分3R>
工藤修久(日本)
粥川吏稀(日本)

<フライ級/5分3R>
川北晏生(日本)
橋上壮馬(日本)
             

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Interview J-CAGE Pancrase318 ブログ 林源平 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase318】半年を経て、実現する暫定ライト級KOPTへ。雑賀ヤン坊達也「その分、強くなれた」

【写真】結果的に昨年9月のトム・サントス戦以来、364日ぶりの実戦となるヤン坊(C) KEISUKE TAKAZAWA

27日(日)に東京都江東区のスタジオイーストで開催される──パンクラスにとって、初の無観客大=Pancrase318-Beyond317-のメインで、暫定ライト級KOP王座決定戦=雑賀ヤン坊達也✖林源平が組まれている。

ヤン坊にとっては2月16日に暫定王者サドゥロエフ・ソリホン(※当時)に挑戦する予定がチャンピオンの負傷欠場で6日前に試合の中止が決まった。このタイミングで暫定王者決定戦として3月8日に林との対戦が決定も、パンデミックにより5月31日にスライドされる。

結果的に今週末にようやくデカゴンに上がることができるようになったヤン坊に、この間の気持ちを浮き沈み、コロナ禍でのファイターとしての生き方、改めて対戦相手について尋ねた。


──ようやくという気持ちではないしょうか。2月のソリホンへの挑戦がなくなり、3月に林選手との試合が決定。しかし、コロナ禍で5月に延期され、その大会も中止。もう、それぐらいまでしか私も記憶の整理がつかない状況です。

「そうですね。5月が中止になってから、僕の試合の発表は9月だけですね」

──5月大会の8月への延期が発表されたのが5月2日でした。緊急事態宣言期間中でしたが、タイトル戦に向けて練習はどのような形で行っていたのでしょうか。

「隠れてというか……ジムも一般会員さんには開放されていなかったのですが、プロ選手は週に2回ぐらい集まって練習はしていました。あとは1人で借りて自主練とかでしたね」

──格闘技イベントの開催、練習すること自体に逆風が吹いていた時期です。

「僕としては……やるしかない。やるべきことをやるしかなかったです。僕は格闘家なので、練習しなければいけなかった。あの頃、練習を続けていたのでコンディションを保てていたというのはあります。

正直なところ大会があるのか、ないのかハッキリしてほしいというのはありました。どうなるか分からないけど、やるべきことはやらないと当日に戦うことはできないですから。結構メンタル面はきつかったですね」

──ヤン坊選手は感染拡大前、2月にファイトウィークになりタイトル戦が中止になっているので他の選手より1度多く浮き沈みを経験していますし。

「もう去年の12月から追い込み練習をして試合が無くなるというのを3度ほど経験しましたからね(苦笑)。でも、その分強くなれたと思っています!!」

──死者数、重症者数、病床の確保という部分で今と状況が違いますが、格闘技の練習や試合で感染する可能性は何も変わらないですが、社会活動の再開とともに空気は変わったと思います。

「そうですね、6月からジムも再開されたのですが、それまではひっそりとやっていましたね。ただ僕は子供もいるし、奥さんは『本当に気を付けてよ』という感じで。僕もやらないわけにはいかないので、『そこは理解してくれ』という気持ちでした。本音を言えば罹った時は罹った時だ、ぐらいでした。それぐらいの覚悟は必要でしたし、それだけに手洗い、うがいは徹底していましたね。

ジムが再開してからも、それは変わりません。特に僕は昼は仕事をしている身なので、夜に一般の人たちが来ているなかでスペースを使って練習していますし。ジムの方もアルコール消毒、検温を必ず行っています」

──緊急事態宣言が終わってからも、ワクチンや薬がない状況は変わらず、それこそ罹った時は罹った時という状況で予防をしつつ生活するのが普通になりました。

「それでもパンクラスも新しい検査を採り入れたり、これだけのことをして大会を開いてくれるわけですしね」

──8月には当日に大会中止という問題も起きました。

「実は5月が無くなった時に8月という話があったんです。僕はそれで了解しているのですが、確か林選手が『より確実な9月で』と返答したみたいで。それを知っても僕も、確かにそうだと思い9月に決まったんです」

──そのような経緯があったのですね。それは結果論ですが、8月になっていたらと考えるとゾッとしませんか。

「そうですね(苦笑)。実際に試合が無くなってしまった選手もいるので余り言えないですが、8月でなくて良かったです。あの大会もウチのジムからアマチュアの子が出ていたので、YouTubeの中継が始まるのを待っていたんです。でも全然始まらなくて、コメント欄に『中止らしい』っていう書き込みがあり、下らない冗談言う奴がいるなぁと思っていました(笑)。いやか、当日の中止は衝撃的でしたね。危なかったというのは、本音としてありました」

──大会中止から9月27日大会の動向も危ぶまれたかと思います。

「またか……という気持ちになりました。でも、慣れてしまったというか、『どっちに転んでも良いや』って開き直ることはできていました」

──それにしてもMMAではなかなか1人の選手と戦うための準備期間が半年以上も続くというのはないかと思います。

「ないですよね(笑)」

──改めて林選手の印象を教えてください。

「それは3月の時と変わらないです。打たれても引かない、タフな選手です。打撃に関しては嫌なモノを持っています。だからこそ、どう対策していくのかというのを続けてきました」

──この間に引き出しが増えていることも十分に考えられます。

「そこが怖いんですよね。こんなことができるようになっているというのは、ギャンブルかもしれないですけど頭には幾つか入れています。でも僕だって極めのバリエーションも増えましたし、この間に伸びているはずです。ただし、試合でそれが出るかどうかは……『分かりません』って感じです(笑)」

<この項、続く>

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J-CAGE News Pancrase318 ブログ 中島太一 堀江圭功 林源平 雑賀ヤン坊達也

【Pancrse318】9月27日のパンクラスはYouTubeライブ配信&投げ銭制度を導入!!

【写真】これがパンクラスの選択だ──現状の (C)PANCRASE

11日(金)、27日(日)に東京都江東区のスタジオイーストで開催される──パンクラスにとって、初の無観客大会=Pancrase318-Beyond317-がYouTubeライブ配信に加えスーパーチャット(※投げ銭)を導入することが発表された。

同大会より、当日計量とテンポラリー階級を用いることも決まっているパンクラス。当日の抗原検査という新型コロナウィルス感染予防策とともに、無観客下のビジネス展開として、選択したのは生配信&投げ銭だった。

「既報の通り、本大会はパンクラス史上初の無観客で開催します。 これが現在のパンクラスの姿勢であり、コロナとの戦いだと思っています」

今回のプレスリリースには、こう力強い言葉が添えられていた。


Pancrase318では暫定ライト級KOP王座決定戦=雑賀ヤン坊達也✖林源平、フェザー級次期挑戦者決定戦=中島太一✖堀江圭功などがマッチアップされている同大会のライブ配信には2種類の視聴者参加企画が用意されており、1つ目は『コール・ミー!』と呼ばれる形態だ。

これは5000円以上のスパチャでコメントし、リングアナウンサーに名前がコールされ、公式サイトにサポーターとして視聴者の名前が掲載されるもの。

もう1つは「スパチャ激励賞」で、選手に激励賞をスパチャで贈るという具合だ。選手名をスパチャに記入し、選手に激励賞としてギフティングが行え、ファイターには後日「スパチャ激励賞」として賞金が支払われる。

そんなPancrase318は「PANCRASE」公式YouTubeチャンネルより配信される。