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【Pancrase341】中田大貴と対戦、碧南在住シュウジ・ヤマウチ「日本で王者になるために帰ってきた」

【写真】取材が行われた2月26日は、まだ少しふっくらとしていた。通訳は碧南市に住むシュウジの叔母さんが務めてくれた。ありがとうございます(C)SHOJIRO KAMEIKE

31日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE341にて、シュウジ・ヤマウチが中田大貴と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

ellatorで活躍するゴイチ・ヤマウチの従兄弟であるシュウジは、愛知県碧南市で生まれた。5歳の時にブラジルへ渡った後、柔術とキックボクシングを始め、MMAを戦うようになる。日本初戦となった2022年12月の雑賀ヤン坊達也戦では、TKO負けを喫したものの、序盤は組みで雑賀を苦しめている。そんなシュウジが名古屋市のALIVEで久米鷹介と練習しているという。なんとシュウジは日本で戦うために、碧南市に帰ってきていたのだった。


――今日はALIVEで久米選手との練習を取材させていただきました。ALIVEで練習し始めたのは、いつ頃でしょうか。

「初めてALIVEに来たのは去年の11月だったと思う。キッカケは名古屋の柔術大会会場で、叔父がスズキさん(鈴木陽一ALIVE社長)に声をかけたんだ。ベラトールにゴイチが出た時、同じ大会にカトウさん(加藤久輝)に出ていて、叔父もスズキさんのことも知っていたからね。その時にはもう僕が日本に来ることは決まっていて、叔父がスズキさんに『シュウジが日本に来たら、また挨拶しに伺います』と伝えたと聞いている。それがキッカケで、僕もALIVEで練習させてもらうようになったんだ」

クメサンハムニダと

――では久米鷹介選手と一緒に練習した感想を教えてください。

「すごく強い。打撃も、グラップリングも――とにかく強いんだ(笑)。最高の練習パートナーだよ。碧南市からALIVEまでは車で1時間以上かかる。特に夜は渋滞もあるから、もっと長いドライブになることもある。それだけ時間をかけてもALIVEに来て、クメさんと練習することには大きな価値があると思っている」

――日本にいる間は、生まれ育った碧南市に滞在しているのですか。

「いや、今は日本に住んでいるよ」

――えっ!? 雑賀選手と対戦した時は、ブラジルから来日していましたよね。

「去年の9月、日本に移住したんだ。日本でMMAの試合をすること、そしてチャンピオンになることが小さい頃からの夢であり、目標だった。まず2022年にパンクラスで、その夢を叶えるチャンスをもらうことができた。ただ、試合のたびにブラジルから来ると、プロモーター側にとっては航空チケットなど金銭面でネックになることは多いよね」

――はい。そのとおりですが……。

「僕は日系ブラジル人3世だ。5歳まで碧南市で育ち、今も日本に親戚が住んでいる。だから日本に移住して、親戚たちと生活しながら日本で戦うことを決めたんだよ。ブラジルでも試合のチャンスはあるだろう。でも僕は、どうしても日本で試合をしたかった。日本でMMAのチャンピオンになる――子供の頃に抱いた夢が、ずっと頭の中から離れなかった」

――では現在、日本でどのような生活を送っているのでしょうか。

「生まれ育った碧南市で親戚と一緒に暮らしている。仕事は碧南市の隣、西尾市にあるオガワジムでキックボクシングとMMAのインストラクター、コーチをしているよ」

――生まれ育った街で親戚の方と生活するので、ブラジルのご家族は安心でしょう。一方でブラジルのチームメイトからは、シュウジ選手が日本へ行くことについて残念がる声は聞かれませんでしたか。

「チームメイトたちも応援してくれている。みんな、僕の夢を知っていたからね。日本に住んでいたほうが試合も組まれやすいし、そのぶんチャンピオンに近づくことができることを理解してくれているよ。それとチームメイトは僕が日本で頑張ることを、自分たちの可能性の一つとして考えている。僕が日本でチャンピオンになれば、ブラジルの仲間たちも同じように日本で試合をすることができるかもしれない。そのためにも僕は日本で戦うんだ」

――もし雑賀選手に勝っていたら、ブラジル在住でも日本のMMA団体からオファーがあったと思いますか。あるいは、勝っていても日本に来ることになっていたでしょうか。

「前回の試合結果は関係ない。もともと日本でMMAを戦うという夢があったし、それはずっと変わらないからね。もしサイガに勝っていても日本に移住していたと思う。前回、日本の空港に降り立った瞬間に、子供の頃の夢が一気に蘇ってきたんだ。その時に僕は『絶対に日本でチャンピオンになる。そのためにまた日本に来る』と心に誓ったよ。

初めてPRIDEを見た時から今でも、僕の中ではずっと日本の格闘技が一番なんだ。それは自分が生まれた国だから――という以上に、僕の中で変わらない想いだ」

――なるほど。もともとシュウジ選手が柔術を始めたのは何歳の時なのですか。

「僕が10歳の時だった。柔術はクリチーバのアカデミア・アリーナで、フェルナンド・ヴィエイラから教わったんだ。もともと叔父たちがグレイシー・ファミリーやPRIDEの大ファンでね。彼らの影響で僕とゴイチも格闘技が好きになり、柔術をやってみたいと思うようになった。

綺麗なフォームの左ハイ

14歳になってキックボクシングも始めてから、K-1 MAXも視るようになったよ。

僕は魔裟斗のファンなんだ。彼のファイトスタイルが大好きで。魔裟斗だけでなく、当時のK-1 WORLD MAXに出ていたファイターのことは、みんな大好きだったね。素晴らしいファイターばかりで、彼らのテクニックをずっと視てきた」

――14歳の時からキックボクシングをやっていて、MMAよりもキックボクシングをやりたいという気持ちはなかったのですか。

「もともとMMAをやりたかったから、柔術だけじゃなくキックボクシングも学んだんだ。最初はキックボクシングと柔術を組み合わせたものがMMAだと思っていたからね(笑)。キックのキャリアはアマチュアを含めて28勝1敗で、最後の試合は2012年だったかな。もちろん勝っているよ」

――そのキャリアを知ると、日本のK-1やキックボクシング団体からもオファーが来るかもしれないですね。

「アハハハ。またキックボクシングの試合もやってみたいね」

――では前回の雑賀戦の内容と結果について、今はどう捉えていますか。

「あの試合はサイガが勝った。彼が勝利のチャンスを掴んだ。それだけだよ」

――何か敗因は……。

「自分はもっと良い試合ができたと思う。彼はライト級で、僕は本来フェザー級で――いや、この話はやめよう(苦笑)」

――階級差、体格差は敗因の一つだと思いますか。

「まぁ、負けは負けだよ。敗者が言えるのは、勝者への『おめでとう』だけさ」

――素晴らしい言葉です。雑賀戦については、これ以上は聞かないことにします。ただ、今回はフェザー級戦であり、シュウジ選手にとってはフェザー級がベストということですね。

「自分としてはフェザー級が最適な階級だと思っている。だけど前回はライト級での試合だったことを負けた理由にはしたくない。僕はライト級での試合オファーを受け、しっかりと練習した末に負けたんだからね」

――むしろフェザー級のシュウジ選手がライト級1位であった雑賀選手を、あそこまで追い詰めただけに本来の階級での試合が楽しみです。

「おぉ、ありがとう。次の対戦相手はランキング6位だ。一つひとつ勝って、チャンピオンになるよ」

――その中田選手について、ファイターとしての印象を教えてください。

「良い選手だね。でも試合を視てみると、自分のほうが上だと感じている。トップからでも、ボトムになっても自分のほうが強い。とにかく良い試合になることは間違いないよ。そして僕は、いずれ必ず日本でチャンピオンになる」

――ではシュウジ選手にとって、MMAを戦ううえで最終的なゴールは何なのでしょうか。パンクラスでチャンピオンになった後は……。

「う~ん、これは言っていいのかな?」

――ぜひとも、言いたいことは言ってください。

「パンクラスのチャンピオンになり、そのベルトを持ってRIZINに出たい。そしてRIZINのチャンピオンにもなりたいんだ」

――今なぜ、RIZINの名前を出すことを躊躇したのでしょうか。

「今回はパンクラスで戦うわけだから、そこで他のプロモーションの名前を出すのも……ね。だけど一番は――先のことばかりを考えていると、目の前にある次の試合にも勝つことはできない。まずはナカダに勝ち、一つひとつステップを踏んで、ゆくゆくは日本でチャンピオンになる。僕は、そのために日本に帰ってきたんだ」

■視聴方法(予定)
2024年3月31日(日)
午後1時00分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

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【RIZIN LANDMARK09】柴田MONKEY有哉、山本アーセン戦へ「アーセン君に勝ったら海外の強い選手と」

【写真】PRIDEへの憧れが、強い選手が海外からやっていること──という柴田(C)MMAPLANET

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、柴田MONKEY有哉が山本アーセンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2019年、神龍誠とDEEPフライ級王座を争う試合前、柴田は「負けたら終わり」と発言していた。それは引退という意味ではなく、「今のやり方じゃダメなんやな」ということだったと過去のインタビューで発言している。そして環境の変化と怪我もありつつ、柴田は2022年12月に杉山廣平に勝利して以来の試合を、初出場となるRIZINで迎えることとなった。なぜ柴田はMMAを続けるのか。そこにMMAがあるから――だけではない。そこに、MMAを始めた頃から叶えたかった夢があるから。


――柴田選手にとっては1年3カ月振りの試合となります。コロナ禍もありましたが、ここ数年は試合のペースも以前と比べて落ちているのではないでしょうか。

「そうですね。今はそれほど試合をしたいわけでもなくて」

――というと?

「昔は自分が上に行くことしか考えていなかったから、怪我がない限りオファーは断らない。とにかく試合をして勝ち、できるだけ早く上に行きたいという感じでした。でも今は試合が終わったら1回オフに切り替えないと、気持ちの面が続かなくなってはきています。年齢的なこともあるでしょうし、ジムの運営もあるので、少し間隔を空けたほうが試合に対する気持ちをつくりやすいんですよ。

KIZUNAはJr.Borderの常連チームだ

だからそんなに試合を詰めなくても良い。

間隔を空けられるなら年2回でも良いかな、と思っていますね」

――結果、今回のRIZIN神戸大会出場は、柴田選手にとってはタイミングが良かったのですか。

「あくまで結果として、タイミングは良かったのかなと思います。というのも去年、子供が生まれたんですよ」

――おぉ、それはおめでとうございます。

「ありがとうございます。杉山選手との試合後、会場でプロモーターさんには『子供が生まれるので、しばらく試合はできないです』と伝えていました。嫁さんのサポートをしたかったので。その時点で休むのが1年か2年かは決まっていなかったけど、『そろそろ試合ができるかな……』と考えていた時にオファーが来たんです」

――それがRIZINからのオファーだったのですか。

「いえ、まずDEEPのオファーがありました。でも僕が気持ちをつくることができる相手ではなかったというか。いつも自分は『僕が負けると思われる相手と試合をさせてほしい』とお願いしているんですよ」

――しかし対戦オファーがあった相手は、そうではなかった。確かに柴田選手は2011年のプロデビューで、もう誰が相手でも戦うというキャリアやポジションでないとは思います。同時に普段DEEPで視ている選手であれば、どういった試合になるかも予想がつくかもしれません。勝ち負けはともかく。

「そうですね。普段から『自分と戦ったら、どんな試合展開になるか』と考えながら試合を視ているわけで。もちろん試合はやってみないと分からないです。自分も今まで、どれだけ勝つと意気込んでいても負けたことはありますし。

そんな時にRIZIN神戸大会があると聞いて、佐伯(繁DEEP代表)さんに『RIZINに出たい』という希望を伝えました。そうしたらタイミング良く、山本アーセン君との試合が決まって」

――柴田選手は対戦カード発表の記者会見で、PRIDEへの憧れを口にしていました。現在であれば柴田選手にとって、それだけRIZINで試合をすることの価値は高かったということですか。

「まず今年は意味のある試合をしたいと考えていました。RIZINに出ると注目度は一気に上がるじゃないですか。それとDEEPでは組まれないような相手とも試合ができる。そう考えた時に、RIZINに出ることは自分にとってはプラスしかない――と。周りの人も……簡単に言えば、RIZINに出ることが発表されてから、知り合いが増えました(笑)」

――知り合い、ですか。それは会ったことのない親戚が増えたのではなく(笑)。

「アハハハ。有名になると、よくあるやつですね。そこまでではないけど、『あれ? 誰やったかなぁ……』みたいなことは増えて」

――特に山本アーセン選手が相手となれば、より注目度は高まるでしょう。

「そうですね。オイシイ相手やなぁって思います。これは決して、相手のことをナメているわけじゃなくて。プロモーター側からすれば『柴田って、どれだけやれるんや』って測るために良いカードだったんでしょうね。別にアーセン君のほうが注目されているからって、それは気にしていないです。

僕はアーセン君のことを尊敬しているんですよ。レスリングで世界を獲っているじゃないですか。彼が世界カデット選手権で優勝した時のことをドキュメンタリーで視て、『凄いな!』と思いました。そのレスリングで世界を獲った選手と自分が戦ったら、どんな試合になるんやろう? 単純にワクワクしています。RIZINならではのカードで」

――ファイターとしても、ジム経営者としても認知度を高めていく必要はあると思います。柴田選手の中では、いつ現役生活を終わりにするのか決めているのですか。

「何年後かって決めているわけではないけど、もう長く続けられないとは思います。年齢や怪我のことだけじゃなく、ジムの若い選手をサポートしたい。ウチのジムで強くなりたいと言ってくれている若い選手のために、もっともっと良い環境をつくらなアカンと考えています」

――なるほど。ではMMAファイターとしてのアーセン選手の印象を教えてください。

「パンチが強くなっているのと、真っ直ぐな気持ちが試合に出るファイターですよね。RIZINファンの方や、世間の味方としてはアーセン君が勝つと思っているかもしれない。でも僕は、もちろん自分が勝つと思っています」

――ご自身のキャリアの中で、今回の試合はどのような位置づけになると思いますか。

「今の最終的な目標は、RIZINで強い外国人選手と戦うことです。僕の夢は、PRIDEに出ることでした。最初にPRIDEを視たのは、ヒョードル×ミノタウロの2戦目で。あの試合を視て『自分もコレをやりたい』と思ったんですよ」

――強い外国人選手というと……。

「海外のベルトを持っている選手や、元UFCファイターとかになりますね。特にUFCで勝っている選手なら、誰もが強いと思ってくれると思うので。以前、海外でUFCやONEに出ているファイターと練習したことがあるんですよ。僕としては、その選手たちが練習している環境があれば、UFCファイターとも戦えるなって感じました。今は自分自身で、そういう練習環境をつくっているつもりです」

――柴田選手がデビューした2011年には、すでにPRIDEは活動を休止していました。以降は日本の格闘技界も厳しい時代が続いていました。

「確かにファイターとして目指す場所は、なくなっていたかもしれないです。でもそれ以上に、PRIDEに出ていたファイターのように強くなりたいという気持ちが一番で。プロデビューして、勝って、ベルトを巻きたい――デビューした頃ならUFCが一番だったかもしれないですよ。でも何か違うな、って」

――UFCの何が違ったのでしょうか。

「もちろん一番の舞台やけど、別に海外で試合したいと思っていたわけじゃないんです。当時はUFCもフライ級がなかったですし。当時は何回か、PRIDEが復活するという噂もあったじゃないですか。自分の中では『PRIDEが復活して軽量級もやってくれるなら、出られるようにしておこう』と考えていました」

――柴田選手にとっては、かつてのPRIDEが今のRIZINということなのですか。

「正直、今のRIZINも当時のPRIDEと同じようには考えていないです。それが一昨年の大晦日にRIZINとベラトールの対抗戦があったじゃないですか。僕はPPVで視ていて、PRIDEのテーマが使われているし、対世界や団体対抗戦の雰囲気を感じました。自分の中に『ここでやりたい。ここで海外の強い選手と戦いたい』という気持ちが沸き上がってきて。

あの時は、PRIDEのテーマを聴いただけで鳥肌が立ちました。今回アーセン君に勝ったら、『海外から強い選手を呼んでください!』と言ってもエエんちゃうかな、と思っています。次の試合は自分の夢を叶えるために――僕が発言権を得るための戦いです」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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【RIZIN LANDMARK09】金網初勝利なるか。シン・ユリ戦へ、RENA 「日本だと、ここまで練習できてない」

【写真】タイガームエタイのウェアが新鮮!!(C)SHOOTBOXING

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、RENAが韓国のシン・ユリと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

シュートボクシングの女子世界トーナメント『Girls S-cup』を3連覇したRENAが、MMAを戦うようになったのは2015年大晦日のこと。それはRIZIN01の第1試合――まさにRIZINの幕開けはRENAが飾ったのだった。

以降MMAを続けるRENAは、SB時代に経験したことのない壁にぶつかる。浅倉カンナ戦、Bellatorのリンジー・ヴァンザン戦、そして昨年4月のクレア・ロペス戦……。こうした敗戦の中で、もう一度SBで戦うのか。あるいは引退するという選択肢もあっただろう。しかしRENAはロペス戦以来、1年ぶりのMMAマッチに臨む。タイのプーケットにあるタイガームエタイで練習しているRENAに、自身のMMAと現在、そして未来について訊いた(※取材は3月5日に行われた)。


――お久しぶりです。今回がMMAPLANET初登場で、個人的にもお話を訊くのは2016年1月以来となります。あの時は2015年大晦日に、初のMMAで勝利したことを受けてのインタビューでした。

「お久しぶりです! もうそんなに経ちますか。確かに気づいたら6~7年ぐらいMMAをやっているんですよね」

――今回はタイにいるとのことですが、まずはプーケットのタイガームエタイで練習している理由から教えていただけますか。

「次の対戦相手がストライカーであることと、私自身の持ち味もストライキングじゃないですか。プラス今はMMAの練習環境も充実していることを考えて、タイに行こうと思いました。連絡したらタイガームエタイさんも快く受け入れてくれるということで、『今しかない!』と考えたんですよ」

――これまでタイで練習したことはあったのですか。

「ありましたけど、かなり昔のことですね。しかも2~3日ぐらいの期間で、こんなにガッツリ滞在するのは初めてです。今回は2月9日にタイへ来て、本当は2週間ぐらいで日本に帰る予定でした。でもすごく波長が合って――慣れて来ると動きも良くなってきたし、『これはもったいない。もう少しタイにいよう』って滞在を延長したんですよ」

――現在、タイのMMA環境も充実しているようですね。

本田良介、本野美樹、カイラット・アクメトフらと(C)SHOOTOBOXING

「まずトレーナーさんが充実しています。

タイ人だけでなく、欧米から来たトレーナーさんも多くて。逆にタイ人はあまり見ないぐらいですよ」

――えっ!? そうなのですか。

「タイガームエタイだけなのかどうかは分からないけど、カザフスタンとかの中央アジア系や、ロシア系の会員さんも多いみたいです。女子は中国系の方がいるぐらいで、そのあたりは時期によっても違うと聞きました」

――なるほど。タイで練習していて『波長が合ってきた』と感じるのは、どのような点なのでしょうか。

所英男、望月貴史、野村駿太、金原正徳と(C)SHOOTOBOXING

「まず日本にいたら、ここまで練習できていないです。

自分の年齢はもちろん、環境的にも」

――環境というのは……。

「日本って選手が昼間はお仕事をして、夜しか練習できないということが一般的じゃないですか。そのため、みんな夜遅くまで練習していることが多くて。でもタイに来たら朝練習して、昼と夕方にも練習して1日が終わる。練習パートナーにも困らないし、パーソナルで指導してくれるコーチやトレーナーもたくさんいます。気候も良いですしね。

日本にいると何でもあって、どこにでも行けるし、いろんな誘惑があるじゃないですか。タイに来ると、そういうものがないんです。娯楽といえばサウナぐらいで(笑)」

――アハハハ。

「これだけ格闘技に集中して練習できているのは久しぶりです。日本で朝8時から体を動かすことはないですからね。タイガームエタイの他にもSBの笠原弘希がONEに出た時(2月24日、ONE FF53)、私もバンコクへ行って2日間、スーパーボンジムで練習させてもらいました」

――RENA選手といえば、SBの試合では三日月蹴りを含む前蹴りを起点に試合を展開させていました。MMAでも三日月蹴りでKOしたことはありますが、SB時代よりも出す数は少なくなっていると思います。その点で、タイで練習したことにより打撃面で変化した部分はありますか。

「技術はともかく、意識面は変わったかなと思います。やっぱりMMAだと、ムエタイやキックボクシングのようには蹴らなくなるじゃないですか。蹴り足を取られる、あるいは蹴りのあとに組まれてしまう――それが定番だから、あまり前蹴りを出さないようにと思っていたりはしました。

でも試合で蹴りを出すか出さないかは関係なく、タイのジムではとにかく蹴らされるんですよ。立ち技とMMAではスタミナの使い方も違うしって最初は思っていたけど、昔の感覚が戻ってきている気はしますね。『私、動けるじゃないか』って。もちろん実際に試合をしてみないと分からないです。でも消えていた自分の良さを、タイに来て少しずつ取り戻せている感覚はありますよ」

――何がどうであろうと蹴らされる環境の中で、MMAに対して抱えていた不安も解消されつつあるのですね。

「ただ蹴るというだけでなく、ミットを持ってくれているタイ人のコーチも、今はMMAをやっている人なんです。だからミットの中で、蹴り足を取ってテイクダウンに来る動きも入れてくれますし、MMAに近いミットができているという良い感触があります」

――2015年大晦日にRENA選手がMMAを戦うと聞き、正直言って少し不安はありました。Girls S-cup世界トーナメント3連覇をはじめ、あれほどSBという競技を究め続けていたRENA選手が、新しい競技に挑戦するのは……と。MMAデビューしたあとは6連勝していましたが、その時は自分にMMAは合っていると考えていましたか。

「いやいや、今も自分に合っているとは思っていないです。毎回『もうMMAは辞めていいんじゃないかな』と考えているぐらいで。最初は本当に、あの1試合だけのつもりだったんですよ。でも跳びつき腕十字で勝ち、流れ的に辞められなくなって……」

――流れ的にというのは? あの勝利でMMAファイターとしてのRENA選手に対する期待が大きくなったのでしょうか。

「期待も大きかったですし、RIZINもどんどん大きくなっていって。その中で、女子の試合に注目してもらえるキッカケにはなったと思います。山本美憂さんのようなレジェンドの方も出てきてくださったり。そうして、どんどん注目が集まってきたので、自分ももう少しMMAを続けないといけないなって考えるようになりました」

――「MMAを続けないといけない」というのは、RENA選手にとってポジティブな思考だったのですか。

「はい。格闘技を十何年もやってきて、常に何か新しい刺激がないとダメな人間なんですよ。だからあの時、MMAという新しい競技に挑戦することは楽しかったです。今でも『私にMMAは向いていないな』と思うことはありますよ。だけど楽しいから今も続けることができている。それは間違いないです」

――自分自身がMMAに向いていないと思うのは、どのような時ですか。

「MMAって女子の中では、組み技系の選手のほうが有利だと思うんです。男子みたいに一発のパンチで倒れることが多いわけではないので。私にも打撃という武器はあるけど、MMAでは不利だなって感じることもあります」

――とはいえ、MMAであれだけの左ボディを打てる女子ファイターもいないとは思います。

「ウフフフ。今はもっと進化していますよ」

――RENA選手のMMAキャリアの中で最初に訪れた岐路は2019年6月、ベラトールでリンジー・ヴァンザンに敗れた時だったように思います。RIZINで浅倉カンナ選手に連敗を喫したあと、さらに北米でも……。

「昔のことなので細かいことは忘れてしまいましたけど――MMAは辞めようかなって思いましたよ。でも毎回『ここで辞めてもなぁ』と考えるんです。MMAを始めたからには、自分が満足いくまで続けたい。自分の心と体がもつまで」

――……。

「もう自分の最終章に入ったと思っています。あと何試合かはできるかもしれないし、次の試合で終わりかもしれないし。今は一戦一戦、『これで終わってもいい』という気持ちで試合に臨んでいますね」

――RENA選手に初めてインタビューしたのは、まだ17歳で高校生の頃でした。当時は「25歳で引退する」と言っていませんでしたか。

「そうなんですよ。25歳で引退して、26歳で結婚して27歳の時には子供がいる予定だったのに、気づいたらもう32歳になりました(笑)」

――実際、25歳の時に一度は引退を考えたのでしょうか。

「それが25歳の時に、RIZINが始まって私もMMAをやることになったんです。あの時にRIZINが始まっていなかったら、私も格闘技を辞めていたと思いますよ」

――先ほど「MMAを始めたからには、自分が満足いくまで続けたい」と仰いましたが、RENA選手の性格的に自分の試合で満足することはありますか。肉体的な疲労や負傷はともかく、気持ちの面で。

「アハハハ! 確かにそうですね(笑)。タイに来たら、メチャクチャ体も動いていますし。『私、こんなに動けるんだ』っていうほどに」

――では満足していないのは、どのような点なのですか。実績として誰かに勝ちたい、RIZINのベルトを巻きたい……といった基準なのでしょうか。

「RIZINに出ているかぎりは、あのベルトを巻きたいとは思います。でも今はベルトに対して、そこまで執着しているわけではないです。自分が満足するために、自分のために自分の戦いがしたい。そういう気持ちのほうが強いですね。応援してくださる方は、私がベルトを巻く姿を見たいかもしれないけど、今はとにかく一戦一戦――です」

――正直なところ、昨年4月のクレア・ロペス戦でもRENA選手が大きな岐路に立たされたと思いました。それまでに何度も引退について口にしていて。

「だって、あのまま辞めたらカッコ悪くないですか」

――その気持ちがファイターであり、RENA選手らしさなのだと思います。

「あの試合が最後になるのは嫌だなって思いました。やっぱり勝って終わりたくて。ベラトール、ロペス戦とまだケージで勝っていないですしね。次の試合もケージになりましたけど、逆に変なジンクスとか考えないようにしたいです」

――対戦相手のシン・ユリは、これまでケージの中で戦ったファイターとは違い、ケージを生かした組み技を見せるタイプではありません。

「完全に打撃系の選手ですよね。もちろん組んで来ることも想定はしています。私としてはスッキリと1RでKOしたい。最近はなかなかKO勝ちできていないので、スカッと早期決着で終わらせたいです」

――なるほど。とにかく今のRENA選手の様子を見ていると、以前よりも格闘技を楽しんでいるように感じます。

「楽しいですよ! それと、大人になりましたから」

――30歳を過ぎましたからね。

「大人になったんです!」

――失礼しました(笑)。では次の試合への意気込みをお願いします。

「今回は相手云々より、自分の気持ちがテーマです。自分の戦いに満足したい、自分らしさで楽しみたいと思っています。思いっきり、はっちゃけたいですね」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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BELLATOR F1 o RIZIN ベラトール マンスール・ベルナウイ 矢地祐介

【朗報】BELLATORパリ大会に矢地が参戦 強豪ベルナウイと対戦

90: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/03/07(木) 06:57:05.42 ID:wLIKGLt+0
矢地ベラトールパリとかもうよくわかんねぇな
ベラ側から選手貸してって言われたんだろうけど


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45 BELLATOR MMA o RIZIN ベラトール マンスール・ベルナウイ 榊原信行 海外 矢地祐介

【ベラトール】矢地祐介 5.17Bellatorパリ大会参戦決定!

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川口春奈との破局が報じられたばかりの矢地祐介に吉報が!?5月17日にパリで開催されるBellator Champions Series PARISに参戦しる事が発表されました。試合はライト級で地元フランスのマンスール・ベルナウイと対戦します。

先日のRIZIN佐賀大会の直後に榊原信行CEOから海外挑戦が発表されていた矢地。こんなにも早く、しかもベラトールに参戦が決まるとは、スピード感の速さにいささか驚いています。

対戦相手のベルナウイは知名度こそ低いものの、英国「BAMMA」、韓国「ROAD FC」、ロシア「Mー1 Global」の3団体のベルトを獲得した猛者というじゃありませんか。

立って良し寝て良しのオールラウンダー。20勝のうち19フィニッシュというから実績に偽りなしという事か。いきなりガチの難敵と対峙する矢地の結末やいかに!?詳細は追って!
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DREAM K-1 MMA PFL PRIDE RIZIN UFC キック ベラトール ボクシング 海外 石井慧

【海外MMA】石井慧 東スポのインタビューで引退を表明!

本日の早朝に配信された東スポの記事。DREAMやIGF、RIZINなどに出場してきたMMAファイターの石井慧がインタビューに答え、現役を引退する事が明らかになりました。

石井は古傷の首や腰、ヒザの負傷に加えて昨年は肋骨も痛め、重度の帯状疱疹にも悩まされたとの事。さらに「去年3月の京太郎選手との試合を終えた後、ヒゲを剃ったんです。そこから一気に体の調子が悪くなった。ケガが続いて体調も悪くなって…。しかも、なかなか状況が良くならなかった。それで『ここが潮時かな』って思いました」と語っています。

満身創痍になるまで格闘技を続けた石井。柔道金メダリストという看板を引っ提げてDynamite!! ~勇気のチカラ2009~でプロデビュー。その後はIGFにRIZINという日本の大きなイベントに出るだけでなく、M-1やベラトール、PFLなど海外の大会にも積極的に出場してきました。

さらにはK-1でキックボクシングに挑戦したり、2022年からプロボクシングに挑むなど、多方面で活躍。さらにクロアチア国籍を取得してミルコ・クロコップの下でトレーニングを敢行するなど、既成の考え方に捉われない自由な発想でPRIDE消滅後の混乱期を最後まで生き残ったと言っていいでしょう。

MMA転向を宣言した当初は、UFC愛を口にしていたものの交渉がまとまらず、戦極と契約したかと思えば調印式で黒柳徹子風のカツラを被って登場して、新宿のアルタ前でスベっていた頃が懐かしい。

当時は石井のよくわからないキャラに馴染めず、厳しい事も書いてきましたが、金メダリストという看板を投げ捨てて、日本ではやや落ち目だったMMAに挑戦するなんて、なかなか出来る事ではありません。しかも、これだけ長く現役を続けるだなんて、簡単に真似出来ない偉業です。

ちょっとだけ齧って勝てなかったらすぐに辞めるだろうと思っていた自分が情けない。この場をお借りしてお詫びすると共に、現役にこだわり続けた石井慧の生き様に最大級の敬意を表します。

引退後について質問され、「お花屋さんでアルバイトをしようと思っているんです。花の名前や育て方の勉強ができるじゃないですか。だから福岡に引っ越したらアルバイト雑誌を買って面接を受けるつもりです」といつもの石井節。最後まで冗談なのか本気なのかわかりませんでしたが、これもまた石井らしくていいじゃありませんか。第二の人生にご武運がありますように。お疲れ様でした!
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【ONE】U-NEXTとパートナーシップ契約を締結!全試合独占配信!

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突如U-NEXTでの配信がスタートしていたONE Friday Fights。日本の格闘技映像配信市場の地殻変動の前触れかと思っていた矢先、やはり大きなうねりが。。。U-NEXTがONE Championshipとパートナーシップ契約を締結し、、『ONE Fight Night』と『ONE Friday Fights』の全試合を日本国内独占で配信する事を明らかにしました。

これまでABEMAと蜜月関係だったONE Championship。先月の日本大会もPPV中継しており、その関係は磐石かと思っていただけに、今回の発表は驚きの一言。まさかU-NEXTがここに割って入る事になるとは。。。これでUFC、ベラトール、RIZIN、パンクラス、DEEP、シュートボクシングに加えてONEの放送権も獲得して、格闘技映像配信市場をほぼ独占したと言っても過言ではありません。

ひとつ気になるのはABEMAと専属PPVファイター契約を結んだ武尊。既に契約期間が終了したのかもしれませんが、武尊が出場するONEの試合の取り扱いはどうなるのか。武尊が出場する大会だけABEMAが中継って事はさすがにないですよね。。。この部分がどうにも興味を掻き立てられます。結末はいかに?
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榊原信行CEOが堀口恭司と朝倉海のUFC挑戦について言及

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榊原信行CEO「ONEとは興行戦争にならないですよ。タダ券配ってるんだから」(2024年02月01日)

 こちらの続報。


 『RIZIN LANDMARK 9 in KOBE』の追加対戦カード発表記者会見後の囲み取材で榊原信行CEOが以下のコメント。

 囲み取材で榊原CEOは、堀口と朝倉のUFC挑戦について意見を求められると「2人はUFCで戦ってみたいと公に言っていますからね」と認めつつ、「でも本人が戦いたいから、分かった契約するよというほど、UFCの軒先は低くないです」と簡単には事が進まないことを明かした。

 その上で榊原CEOは「今回、渡米中(2月2日出国)にダナ・ホワイトに会って、直接話をしたいなと思っています」と交渉をするという。

 しかし、榊原CEOは「難しいのは、タイトルホルダーとしてRIZINを主戦場に戦ってもらいたいですが、ベラトールのように1回2回の契約を売ったり買ったりすることができる関係にないのが現状です。行くとなるとベルトを返上して、いち競技者としてUFCのレギュレーションに従ってやるしかなくなります」とすべてを捨ててリセットする必要が出てくると説明。

 また「そこまでやっても、UFCがとってくれない可能性もあります。僕らは一方的に契約を縛る気持ちはないですが、いきなりUFCのタイトル挑戦とはいかないと思いますし、ランカーを一人ずつ倒して結果を出していかなければいけなくなります。それでもアスリートとして挑戦したいということであれば構いませんが、そこは2人と話し合って進めていきたいと思います」と榊原CEOは最後まで話し合うつもりのようだ。

 二人ともそんなことは百も承知でしょう。快く送り出して欲しいものです。続きを読む・・・
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【朗報】堀口恭司、UFC行きの意向を榊原CEOに伝える

970: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/01/10(水) 21:34:14.38 ID:A+mrdDuir
しかも堀口のUFC行きの意向は、すでにRIZINの榊原信行CEOにも伝えているという。ただ、現在の契約先であるベラトールは、PFLに買収される話が具体化しているところ。もしそうなった場合、PFLにはフライ級という階級が存在しないため、自然とリリースの対象になるのでは、と堀口はみている。それもあってのUFC再挑戦なのだ。

「そこ(リリース)も自分のマネジャーと確認しているんですけど、まだ連絡がないんですよ。だからそこらへんももうあやふやになっているので、そこが分かり次第、UFCに行く手続きをしたいと思っていますね」

https://news.yahoo.co.jp/articles/1de09974930fbb1d1017ecd3f07775dc8134b312

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【Special】J-MMA2023─2024、渡辺華奈─02─「ベラトールのタイトルマッチをやらせてほしいです」

【写真】アーティガ戦、会見を終えた時の渡辺。青タンを作って、拳を握って笑顔。これぞ格闘家 (C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第六弾・渡辺華奈インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

PFLがベラトールを買収したことで、渡辺の次戦は不透明なままだ。しかし彼女の中で、やるべきことは決まっている。渡辺が2024年に目指すもの、そして戦う舞台とは。

<渡辺華奈インタビューPart.01はコチラから>


――結果にこだわる。MMAがスポーツであるかぎり必要なことだと思います。

「良い試合だったけど負けたとか、戦績には記載されないじゃないですか。勝ちと負けしか載らないので、結果にこだわるしかないですよね」

――なるほど。アーティガ戦は勝ったけれども「やってきたことを出せなかった」というのは、レスリング以外に何をやってきたのでしょうか。

「極めたかったです。しっかりバックコントロールしながらRNCを極めたりとか。あとは倒してからパウンドで削ることですね。テイクダウンするだけでは判定で勝てないことが分かったので、パウンドでダメージを与えていきたいと考えていました。でもアーティガ戦は、その前にうまくテイクダウンできず、いろいろとプランが狂った面があって」

――一方で、打撃の面では渡辺選手のパンチが当たるものの、相手の打撃ももらってしまう試合が多かったです。そのなかで、頭を振りながら距離を詰めていく場面も増えました。

「ここ数年は、特に打撃とレスリングの強化に力を入れていました。試合前のインタビューで『どこを強化してきましたか?』と訊かれると、毎回『打撃とレスリングです』と答えていたぐらいで(笑)。

リズ・カモーシェに負けた時(2021年6月)、まずテイクダウンの種類を増やし、打撃を強化しないといけないって思いました。そこから打撃のジムに通い始めたり、鈴木隼人コーチにレスリングを教わるようになったんですよ。

それまでは打撃に対して苦手意識というものがなくて。でも自分がKO負けして、周りから言われて『自分は打撃ができないんだ……』と思ったんです(苦笑)」

――渡辺選手の組みのレベルがあれば、そこまで打撃を出さずとも勝てる試合が続いていたかもしれません。しかし相手がカモーシェとなると……あの試合は「渡辺選手が初めて本物の打撃と向かい合った」という印象でした。そこで渡辺選手が米国での戦いを諦めるか。あるいは、しっかりと向かい合うかの岐路に立たされたように思います。

「自分は諦めが悪い人間なので、そこで『もうダメだ』とは1ミリも思わなかったです。どうしたら自分が強くなるか――それしか考えていなくて。だから帰りの飛行機の中でも、ずっと上田さんと『どうすれば良いのか』という話をしていました。

もちろん打撃の練習にも一生懸命取り組みます。でも自分は若くないし、これから打撃を強化しても、何十年も打撃を練習している人に追いつけない可能性もある。すると、まずは自分が打撃をもらわずに組むという練習をすることも必要だなと思ったんです」

――そのためにディフェンスからオフェンスに繋げる方法を考えたということですね。渡辺選手のストイックな姿勢は、バックステージでの映像にも表れていました。2018年の大晦日に杉山しずか選手を下したあと、控室に向かうなかで落ち込んでいる杉山選手と遭遇した時、渡辺選手は何も声をかけずに通り過ぎて。

「あぁ、ありましたね。あのシーンは結構ネット上で炎上していましたけど(苦笑)」

――いずれまた戦う可能性のある選手と、そこで慣れ合う必要はない。それが格闘技の厳しさだとも思います。

「試合が終わった瞬間に、その試合は過去のものになるんですよ。だから……そういうのは、どうでも良いかなって思います。去年の大晦日でいうと、堀口恭司さんが神龍誠君に『一緒にATTで練習しようよ!』と言ったじゃないですか。それで誠君が『やり返したいので絶対に行きません』と答えていたのは『良いなぁ』って思いました」

――もちろん試合が終わればノーサイドです。しかし近年の傾向として、試合前に貶し合って戦い終えると互いを褒め合うという展開の連続に違和感を覚えることもあります。

「それ、格闘技に詳しくない母も言っていました(笑)」

――渡辺選手のストイックな姿勢は、お母さん譲りということですね(笑)。2024年は打撃とレスリング以外で、新たに取り組みたいことはありますか。

「そこまで何かやりたいっていうことはないです。強くなるためには積み上げが大切じゃないですか。『これをやりたい。取り入れよう』って試合前に少し取り組んでも、そういう技術は試合で出ない。それよりは自分が積み上げてきた柔道にプラス、首相撲やヒジ打ちには取り組んでいきたいですね。柔道と首相撲は相性が良いと思うので。

あとは、もっと柔道を生かしたいと考えています。今まで積み上げてきたものを、もっともっと積み上げていく。まだまだ完成していないですから」

――今後もしベラトールの大会が開催されず、PFLからもオファーがない状況が続いた場合、日本で戦う可能性はあるのでしょうか。

「私は米国で戦いたいです。日本はまだ女子フライ級の層は薄いですし、強い選手は米国の大会にいる。私は上を見ながら、どんどんチャレンジしていきたいですね」

――では2024年初戦は、いつ頃に行いたいという希望はありますか。

「春ぐらいですかね。私は減量に時間をかけるタイプで、できれば2カ月ぐらいは調整期間が欲しいです。3月か4月ぐらいには試合をしたいなぁと思っています」

――この取材は1月4日に行っています。2カ月の調整期間を経て3月か4月に試合したいということは、今すぐオファーが欲しいということですね。

「そういうことです(笑)。私はベラトールのタイトルマッチをやらせてほしいですね。チャンピオンのリズも、ずっと私の名前を出してくれていて。私自身もリベンジしたいし、前回の試合からやってきたことの答え合わせもしたいです。ベラトールとPFLの王者対決のほうが優先されるでしょうけど……」

――PFLからオファーが来る可能性もあります。PFLの優勝賞金100万ドルに興味はありませんか。

「アハハハ、もちろん興味はありますよ。でも私は、お金よりも名誉が欲しいです。リズにリベンジしたいし、ベラトールのベルトが欲しい。もしベラトールの大会がなくなり、PFLからオファーが来たら――たとえPFLよりファイトマネーが安くなっても、私はUFCで戦いたいです」


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