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Interview ONE Road to ONE03 ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】猿田洋祐が話していたこと「まだまだストロー級は2人で引っ張っていきたい」

【写真】試合直後だけに、考えがまとまる以前の感情が聞かれたかもしれない (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されたROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHTで、猿田洋祐が内藤のび太との激闘を制し3-0の判定勝ちを収めた。

大会終了直後に猿田に語っていた試合内容、そして──のび太への想いを掲載したい。


──長年夢見てきた内藤のび太戦で、判定勝ちを収めました。あらためて今の気持ちを教えてください。

「それは試合直後と同じで、フィニッシュしたかったです。その気持ちが強いです。自信もありましたし、差を見せたかったので。嬉しいというよりも悔しいと気持ちの方が大きいです」

──差を見せた結果が3-0の判定勝ちだと思うのですが、もっと明確な差を見せたかったということでしょうか。

「戦っている途中は必死だったので、どんな試合展開だったのかも覚えていません。ただ、もっとやりたいことを押し通したかったです」

──試合でやりたかったこととは、どういう攻撃だったのでしょうか。

「もっと打撃でプレッシャーをかけて、自分だけが当ててテイクダウン、そしてパウンドするということですね」

──う~ん、相手があってのことですし。

「一番の理想ですけどね。それを1Rからずっと続けていれば、タイムアップまでに終わらせることができたのではないかと。それが一番の勝ち方でしたので」

──試合を見てきて、猿田選手が積んできたことの証明として、のび太選手よりも組みと打撃の融合や接点が多く見られたことだのように思いました。

「もっとミックスしたかったです。のび太選手だけでなく、日本のストロー級の選手に差を見せつけたかったので」

──ケージ・ダーティーボクシング、しんどい試合ではありました。

「ドロドロですよね(笑)。ONEの判定基準を意識した戦い方です。立ちに行ってバックを譲りたくないというのも確かにあります。だけど止まっていて何もしないのではなく、パンチを打つ。ボディでもダメージを与えようとする……というのは、ONEの裁定基準を意識した戦いではありました」

──ダメージを与えるという、ポイント計算でもあったわけですね。あの展開も想定済みだったということでしょうか。

「背中をつかされたり、バックを取られない。のび太選手と戦うと皆、そうなるじゃないですか。だから、あそこまで。ケージに背中をつけて、あれ以上はさせなかったというのはあります。

それでも最終回ののび太選手の気迫というか、執念というか……これまでの自分が戦ってきた試合では感じたことのない必死さがありました。だからこそ、自分もそこに負けてはいけないという気持ちで戦いました」

──のび太選手は諦めない、その一点がここまで凄まじいかと感じました。

「これが4R、5Rがあったらどうなったのか……そういう気持ちはありますね」

──では試合前に言われていた、この試合でジョシュア・パシオにプレッシャーを与えるということはできたでしょうか。

「う~ん、率直な気持ちでいえば……フィニッシュしてパシオ待っていろとか言いたかったですけどね(苦笑)。でも負けなかったということが、自分のなかで重要なんじゃないかと。負けたら、次にタイトルマッチはないですから。勝てたので修正するだけ。勝てばまた試合は組まれますし、修正すれば勝つチャンスはありますから。そこだけですね」

──このコンパクトな大会で、多くの人がストロー級の試合を見たと思います。

「これが5年前だったら、この試合が組まれても回りの人は見たいと思わなかったと思います。この5年間でのび太選手も自分も修斗とONEのチャンピオンになったことで、たくさんの人が見たいと思ってくれた。これだけの人が注目してくれたこと……それだけでも良かったというのはあります」

──だから、のび太選手とストロー級を引っ張っていきたいというマイクでの言葉があったのでしょうか。

「やっぱり……好きなんです。試合が終わって、このままのび太選手が引退してしまうんじゃないかっていう気持ちになって……嬉しいというよりも、心配になってしまって。でも、まだまだストロー級は2人で引っ張っていきたいです」

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ONE Report Road to ONE03 ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】最軽量ストロー級、魂の肉弾戦は猿田洋祐が内藤のび太から3-0の判定勝ち

【写真】組みの打撃のバランスで優った猿田がのび太を疲弊させ判定勝ちを手にした(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
Def.3-0
内藤のび太(日本)

ジャブを伸ばす両者。スイッチを見せる猿田が距離を詰める。飛び込んで左を当てた猿田に対し、のび太は右オーバーハンドから前蹴りを見せる。続いて左亜j部を当てのび太に対し、猿田は左ボディを入れる。のび太の踏み込みにワンツーを振るう猿田が、ステップインに跳びヒザを狙うが、そのままのび太が右足を取ってシングルから撮った足を振るい尻もちをつかせる。

両足を束ね、右足を抜かれても肩で押し込むのび太に対し、猿田はケージに詰まった上体で背中を叩く。残り1分を切っても猿田を立たせないのび太は背中をつかせることはできない。残り15秒を過ぎ、猿田がギロチンスイープから上を取り、パウンドを落とし初回を取ったか。

2R、ワンツーで右を当てた猿田。のび太は左前蹴り、猿田がワンツーを繰り出す。右オーバーハンドから左、右を見せた猿田に対し、のび太の距離はやや遠いか。左フックをかわして左ミドルを蹴ったのび太は、左ジャブを当てる、右をかわして組んだのび太だが、猿田は切って離れる。のび太は予想以上に打撃戦を続け、右を振るう。ここにテイクダウンを合わせた猿田が、立ち上がり際に右のパンチを入れる。のび太のスイープからスクランブルになると、両者がスタンドに。

猿田が左フックを当て、続く右フックでのび太がテイクダウン。ケージを背にした猿田、左足を束ねたのび太、両者がパンチを打っていく。ケージ・ダーティボクシング合戦は、最後の20秒でスタンドに戻り、猿田の内股気味の投げをのび太がすかして離れる。ここから打撃の間合いも、すぐに時間となった。

最終回、左をまず当てたのび太に対し、猿田はハイを狙う、のび太の右ローをキャッチして前に出た猿田だが、これはリリース。打撃の間合いに戻り、のび太がクリンチも猿田が押し返し、左エルボーを打って離れる。のび太のシングルレッグを切った猿田は、離れると右を伸ばす。のび太も前に出て前蹴りも、勢いが落ちたか。それでも前に出るのび太は左を被弾しても、組みへ。

すかした猿田はワンツー、のび太は左を当てる。続く蹴りに左を当てた猿田が、組んでケージにのび太を詰める。ケージを背負った状態でボディにヒザを受けたのび太は、離れた猿田を追いかけてスタンドへ。頭を振って前に出る猿田は、左フック。ダブルレッグも距離を取り直し、前に出てくるのび太に右、左ローを蹴る。のび太も右を当て返し、ローにも左を伸ばす。

残り40秒で組んだ猿田、のび太は体を入れ替えてケージに押し込む。最後20秒で押し込みに行き、ラスト10秒は打撃の距離に。タイムアップを迎え、猿田が3-0の判定で激闘を制した。

「盛り上げるため、それもありますけど、修斗時代からのび太選手を尊敬しストロー級に落としました。のび太選手に感謝しています。箕輪選手もいますが、、これからものび太選手と2人でONEのストロー級で盛り上げます。青木選手のように賢いこと言えないけど、ONEのストロー級世界王者になって、もっと知ってもらって、もっと金も稼ぎたい」と勝者はマイクで話した。


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News ONE Road to ONE03 グンダー・カルンダ ブログ 今成正和 内藤のび太 手塚裕之 根津優太 江藤公洋 猿田洋祐 青木真也

【Road to ONE03】記者会見─03─猿田「コスプレじゃない」。カルンダ「I love Ramen」

【写真】メディアもソーシャルディスタンスを忘れてしまう件…… (C)MMAPLANET

8日(火)、10日(木)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE 3rd TOKYO FINGHT NIGHTの記者会見が港区の東京ミッドタウン・カンファレンスROOM7行われた。

ここではMMAファイターと記者の質疑応答の模様を振り返りたい(※要約)。

──猿田選手とのび太選手に質問なのですが、珠理奈さんにも注目の試合に挙げられていました。今の心境を教えてください。

内藤のび太 ありがとうございます。ちょっと照れる感じです。なんか男性からのラブコールを受けたみたいで、嬉しいです。あっ、ちょっと気持ち悪い感じになっちゃうんですけど……。凄く嬉しい──と思います。ハイ。

猿田洋祐 自分が長年、修斗時代から戦いたいと思っていた試合が──自分だけでなく、回りの人も思ってくれるようになった。そこまで持ってこられたのが良かったなと思います。自分のなかで成長できたなと思います。


──青木選手に質問です。青木選手は格闘技界自体をプロデュースして生きてきていると思うのですが、そういう立場になるなかで青木選手と今成選手だけ、この場にいて違和感のある馴染まない雰囲気です。昔から一緒にやってきた今成選手とこのタイミングで同じ大会で試合をする。プロデューサー的な立場でなく、青木真也個人としてどのような気持ちですか。

青木真也 まず一つ言えるのが、好きだと思うんですよ、格闘技が。格闘技が好きで、別に世界だとか一番だとかってことをやっていないけど、格闘技が好きと思ってくれるだけで、なんか僕は許せるというか。

ここにいるとさ、皆が格闘技好きです、尊敬していますっていうわけなんですよ。色々言いますよ。でも、そんなの向き合い方で分かるから。格闘技が好きっていう気持ちを持ってくれている──僕も格闘技が好き、それだけが全てじゃないかな。色々なんかあって、僕も人と上手くいかなかったりするけど、格闘技が好きなヤツは許せる。そこに尽きると思います。

──今成選手、今の青木選手の言葉を受けて一言お願いします。

今成正和 凄く良いこと言うなぁって思います(笑)。

──手塚選手に質問です。ソーシャルディスタンスのなか既に触れあってしまったのですが、実際に触れてみてグンダー・カルンダ選手の圧力、肉体力はどのように感じましたか。

手塚裕之 まぁそうッスね。凄い勢いで突っかかってきて……こっちの方が強いかなって感じですね。食っているモンも、やっているモンも。こっちの方が上のことをやっているので。

──手塚選手はお米を作って、お米で体を作っています。カルンダ選手は日本で何を食べて体を作っていますか。

グンダー・カルンダ アイ・ライク・ラーメン(笑)。ラーメン、スシ、フィッシュ、ウォーター。

──のび太選手と猿田選手へ。今回は入場に気合を入れるとか。意気込みがあれば教えてください。

内藤のび太 そこの対決はないかなと思います(笑)。

──コスプレはしない?

内藤のび太 コスプレっていうか、いつもしているのでアレはやると思います。

猿田洋祐 コスプレじゃないんで。忍者なのでやります!!

──青木選手に質問です。格闘技好きという言葉がありましたが、逆にABEMAの中継を通して格闘技がそこまで好きじゃない世間一般にはどのような受け入れられ方をしたいと思いますか。

青木真也 そもそも格闘技が世間に届いているかといえば、首を傾げることが多いじゃないですか。なんかこう、格闘技が世の中に届いています──メジャーですって。

格闘技をメジャーにしたいってやつ100パーセント信用していなくて。そもそもメジャーにならないし、サブカルチャーというか……サブカルチャーだからこそできる、自分で表現できるというのは多分にあると思うので、メジャーにしたいという考えがそもそも余りないです。

結局、格闘技を外に伝えたいときに、何を伝えるかというとコレに尽きると思います。僕の場合は生きろってことで、要約すると。凄く雑な言い方ですけど、どう生きるんだ。お前はこの世の中とどう組み合って、生きていくんだっていうメッセージを伝えたいですね。

それがない格闘技なんて、ただ運動の得意な人が取っ組み合っているだけだからさ。そんなもん、なんの価値もないからさ。何か自分がやっていることで、主義主張はしてほしいね──と思って、伝えたいと思います。ハイ。

──誰にとか、どういう人に向かってとか青木選手はありますか。

青木真也 俺は……僕は別にヒーローになりたいとか思っていないから。子供のヒーローになりたいとか全く思っていない。世の中の人って失敗したりだとか、コミュニティからあぶれたりとか、そういうこと……失敗することの方が多いんですよ。ここにいる人間も全員が強いわけではなくて、ただ強さに憧れて、自分の弱さを認められない人間なわけですよ。そういうなかで、僕の場合は世の中からあぶれたり、上手くやっていけない人間の、転がっている奴らの希望でありたいとは思っています。

なので、潤風満帆な人は見なくて良いです。

──江藤選手は何か伝えたいモノはありますか。

江藤公洋 自分自身は試合に向かうなかで怖さだったり、恐怖心を凄く感じるタイプなので。それを乗り越えて試合に向かう、どういう結果になるかは分からないですけど、今回の試合に向けての取り組みと試合のなかでどういう風なことを周りに感じてもらえるのか。恐怖を乗り越えた結果をどういう風に受け止めてもらえるか。そのために準備をしてきたので何かを感じてもらえればとは思っています。

──青木選手という存在は恐怖ですか。

江藤公洋 それもありますけど、試合は誰と戦っても恐怖は感じるので。それは青木選手だから、とかではないと思います。

──青木選手が言われたことに対して、のび太選手も取り扱われ方も特殊な、内気な感じの生き方があるかと思うのですが……。そういう同じような引き込まってしまう人に、何かを見せたいというのはあったりするのですか。

内藤のび太 そういう人たちには、そういう人たちの色々なアレがあると思うので、そういう人たちに見て欲しいということではないですけど、そういう人たちが見た時に、何かを感じてくれれば良いなというのはあります。ハイ。何が糧になるかとか、分からないですが。

──根津選手に質問です。青木選手がうだつの上がらない人に試合を見て欲しいと言われましたが、根津選手は明日の活力にしてほしいというモットーで戦っていますが、今回、この状況でどういう人の活力になるような試合をしたいですか。

根津優太 この状況ですから、全ての人が皆もう頑張っているので。だからチョット頑張り疲れた人達に『もう1回、明日も頑張ろう』とか思ってもらいたいですね。

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News ONE Road to ONE03 グンダー・カルンダ ブログ 今成正和 内藤のび太 手塚裕之 根津優太 江藤公洋 猿田洋祐 青木真也

【Road to ONE03】イベント2日前・記者会見─01─松井珠理奈降臨、「特に注目は猿田選手とのび太選手」

【写真】会見中の青木と今成が驚くべき程、同じような仕草を見せていた。自分があり過ぎる(C)MMAPLANET

8日(火)、東京都港区の東京ミッドタウン・カンファレンスROOM7で開催が2日後に迫ってきたRoad to ONE 3rd TOKYO FIGHT NIGHTの記者会見が行われた。

今回の会見には全6試合から11名の出場選手と、大会ゲストの松井珠理奈も登壇し選手に質問を行い、自らも記者の質疑応答に応えていた。

まず試合を務めた大沢ケンジ氏が「僕も緊張してきました。いよいよだなって。(江藤も猿田も)覚悟を決めています。勝てると思います」という心境を吐露した直後に、第1試合から出場選手から順にステージに登壇。

グンター・カルンダと手塚裕之が向き合って距離を詰まると小競り合いになると、その大沢氏が割って入って両者を止めるという一幕も見られた。

メインに出場の青木真也までがステージの席に着くと、松井珠理奈がトリを務める形で登場し、「佐藤将光選手のお父様がデザインした服を今日は着てきました(笑)」とまずは開口一番、笑顔を見せる。

そして「ピリピリしている感じがしていて、自分がここにいて良いのかなっていう気持ちなります。全試合が楽しみですが、なかでも猿田選手とのび太選手は修斗の時代から猿田選手がのび太選手を追いかけていたということで、その2人が交わるということで楽しみです。そして、もしかしたら勝者がパシオ選手と戦うかもしれないというワクワク感があって凄く注目しています」とONE通らしい発言をした。

続いて秦英之ONE JAPAN代表がマイクを握り、英語と日本語を駆使して挨拶。「10月以降、世界大会の準備も開始しています。できれば木曜日を皮切りに……普段から練習はやっているかと思いますけど、Road to ONEという名前の通り、世界でとにかく一番になる選手を受け入れる体制をONE全体で準備していますので、とにかく熱い戦いを木曜日ぜひご期待ください」と、10月に予定されているシンガポール大会で日本人選手の招聘に向けて、準備が進んでいることを匂わせる発言があった。

ここからは各MMAマッチに出場する選手の抱負の言葉をお届けしたい。


根津優太
「全てのタイミングが良くて今回、試合を受けさせてもらいました。相手が今成選手とやるとは思っていなかったので、これも良いタイミングだと思います。しっかりと勝ちにいきます」

今成正和
「特に意気込みはないですが、まぁ勝つつもりで痛くないようにやります」

グンター・カルンダ
「コンニチワ。マイネーム・イズ・グンター・カルンダ。アフリカからやってきた。ONEの大会に出られることにお礼を言いたい。そして、僕のチームTRY.Hにも。ゲームをするためにONEで戦うんじゃない。プロのファイト・イベント、プロファイト・ショーだ。だから、出場するんだ」

手塚裕之
「このような時期に試合ができるということで、皆さまに感謝しています。しっかり積み上げてきたモノがあるので、それを出して……さっき突っかかってきて、ちょっと舐めてんなって思ったのですが、差を見せつけて勝ちたいと思います」

内藤のび太
「こんちわ。内藤のび太です。自分と戦いたいと言ってくれたことに照れていたのですけど、嬉しいです。頑張ります」

猿田洋祐
「自分が望んでいた試合がやっと実現できて、ファンの皆さんも松井さんにも注目していただいて凄く嬉しいです。どんな試合展開になるか分からないでですけど、どんな試合になっても苦しくて激しい、凄い削り合いになると思いますので、自分が最後に削り勝って、日本人で初めてのび太選手に勝つ選手になろうと思っています。それと自分たちのことを知らないファンの方もいると思いますが、世界で活躍する日本人がいること知って欲しいです」

江藤公洋
「今回、このような状況のなかで試合を組んでもらったこと凄く有難く思っています。そのなかで青木選手という強い選手とやらせてもらうので、良い試合をするために準備してきたのではなく、勝つために準備してきました。それを当日見せます」

青木真也
「ハイ。ヨロシクッ、終り!!」

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Interview ONE Road to ONE03 ジョシュア・パシオ ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】ジョシュア・パシオに訊く、猿田洋祐✖内藤のび太─02─「サルタはよりハングリーだ」

【写真】24歳の若きチャンピオン。このインタビューを読んでいると、彼の試合が見たくなる (C)MMAPLANET

10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHTで、実現するストロー級国内トップ対決=猿田洋祐✖内藤のび太。この試合を現ONE世界ストロー級王者ジョシュア・パシオが予想するインタビュー後編。

2度に渡る両者との対戦を経て、猿田洋祐のことも内藤のび太のことも知り抜いているチームラカイの若きチャンピオンは、一点──猿田が有利だという要因を挙げた。

<ジョシュア・パシオ インタビューPart.01はコチラから>


──猿田選手に敗れ、再びこの敗戦から学びを得て3カ月後の再戦に挑んだわけですね。

「その通りだよ。より試合に集中し、サルタの打撃を予測しようと試みた。それでもサルタは強くて、1Rにオーバーハンドを当てられてしまったけどね。でも、絶対にベルトを獲り返したくて集中力を切らすことなく戦ったんだ。そうすることで、打撃を当てるタイミングを掴むことができたんだ」

──猿田✖のび太戦を前に、ジョシュアはのび太選手の強さはどこにあると思っていますか。

「ナイトウの強みは、強力なレスリング力が生み出す尽きることのないプレッシャーだよ」

──では猿田選手のストロングポイントは?

「サルタは爆発力があり、フィジカルも強い。身体能力が優れている。その根底には体が凄く柔軟なことがあると思う」

──続いて、のび太選手の弱みは?

「ナイトウの弱点は打撃が常に挙げられるはずだよ。でも、彼の打撃は進歩している。2016年に対戦した時は、飛びつくようなテイクダウンの仕方だったけど、徐々にレスリングのような入り方に打撃も加わったように、技術的に進歩しているからね」

──なるほど。では猿田選手のウィークポイントはどこだと考えていますか。

「サルタの弱点を挙げることは難しいよ。とてもアグレッシブだし、テイクダウンも打撃も……全局面において凄く強いからね」

──今回の猿田✖のび太、5分3R制だということを踏まえて、勝敗予想をお願いします。

「そうだね、仮にこの試合に4Rや5Rがあれば、ナイトウは競り勝つことができると思うけど……、いやぁ予想するのはメチャクチャ難しいよ。

この試合の鍵を握るのは、2人のコンディションになるだろうし。それによって勝敗は変わって来るけど、とにかく試合を見るのが楽しみだよ。2人とも素晴らしい人物だし、2人にとって良い試合になることを願っている」

──この試合で期待することは?

「僕はナイトウがテクニカルな戦いをすることを期待しているよ。サルタはやはり爆発力のある戦いを見せて欲しい。互いの打撃とディフェンスが交錯する試合が見たいと思っている」

──のび太選手はこの試合に向けて、今後の事は一切考えずに望むと言っています。その一方で猿田選手は『今回の試合を通して、パシオ選手にプレッシャーを与えたい』と言っていました。『パシオは内藤選手のテイクダウンの圧力に対して距離を取っていたけど、自分は彼のテイクダウンやレスリング力を脅威に感じない試合をする』と。

「プレッシャーかい? 僕だっていつも皆の期待を受けているからプレッシャーを感じて戦っている。でも、これまでサルタやナイトウ、アレックス・シウバらトップレベルの選手と試合をしてきたから、僕にプレッシャーは関係ないよ」

──ストロー級王者のジョシュアは、この試合の勝者と将来戦う可能性があります。どちらの選手と決着戦を行いたいですか。

「さっきも言ったように、この試合の勝敗予想をすることは凄く難しい。でも勝った方と戦う準備はできているよ」

──先ほど「もし4Rか5Rがあれば、内藤選手が競り勝つことが出来る」と言いました。のび太選手が最後の2Rで積極的に攻める事が出来る要因として、技術以外にもハートの強さがあると言われています。

「全くもってその通りだよ。あのハートの強さがあるからこそ、ナイトウはチャンピオンになれた。ナイトウがデェダムロンに勝ったのは、まさに気持ちが勝因だったよ。でもナイトウの強さは精神力だけじゃない、コンディショニングの良さや身体能力があってのことだから」

──猿田選手は常にパシオ選手との対戦を想定しているそうですが、内藤選手は全く想定していないそうです。この両選手の考え方の違いについては、どの様な影響があると思いますか。

「チャンピオンに再び返り咲きたい意思があるのかどうか──サルタからは、よりハングリーさが感じられるよね。2人は考え方が違うけど、そのハングリーさがある分、サルタが有利になることもあり得るかと思うよ。

チャンピオンになりたい──それは選手なら誰でも思うところだし。その意志が良い強いサルタが優位に立てるはずだ」

──のび太選手は毎試合ごとに余計な考えを持たず、目の前の試合にのみ全力を尽くす。それについてはいかがでしょうか。

「もちろん、ナイトウは今回の試合に全力を尽くすだろう。でもナイトウだって、まだ王座を狙える年齢だし、サルタとの試合に勝利することがどういう意味があるのか理解しているに違いないさ」

──ジョシュア、今日は本当にありがとうございます。また近い将来、会って話せる日が来るのを楽しみにしています。

「こちらこそ、ありがとう。日本の状況が良くなることを願っているよ」

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Interview ONE Road to ONE03 ジョシュア・パシオ ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】ジョシュア・パシオに訊く、猿田洋祐✖内藤のび太─01─「ナイトウは本当に我慢強い」

【写真】ジョシュア・パシオだからこそ、語ることができる猿田とのび太がいる (C)MMAPLANET

10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHTで猿田洋祐✖内藤のび太が組まれている。

ONEストロー級のトップランカー対決は、元世界王者の激突でもある。その両者と過去に2度ずつ世界戦で戦い、共に1勝1敗というイーブンの記録を残しているのが、現ONE世界ストロー級王者ジョシュア・パシオだ。

ここではバギオにいるパシオに、両者との戦いを振り返ってもらい、注目の一戦の予想をしてもらった。


──こうしてインタビューの機会を創ってくれて、ありがとうございます。

「こちらこそ、ありがとう」

──ジョシュアの住んでいるバギオは、新型コロナウィルス感染はどのような感じでしょうか。

「ハードな状況だよ。毎日、沢山の人がコロナに罹っているよ」

──セブやマニラでなくて、バギオがですか。

「そうなんだよ。1日で警察官が46人も感染したりして」

──そのような状況で、チームラカイでの練習は問題ないですか。

「少しずつ良くなって来て、今では1年前と同じように練習ができるようになったよ。それでも今も毎日、どうやって練習するかを模索し続けている感じだね」

──これから何が起こるか誰にも予測は出来ませんが、今どのようにしてモチベーションを保っていますか。

「そうだね、モチベーションを常に保てるようにトライしている。僕は世界チャンピオンだし、ずっとベルトを持っていたいから。だからこそ、コロナの感染状況が悪化しても、日々1パーセントでも良いから進歩していけるようにしたいんだ」

──さすがジョシュアです。今回、ABEMAと一緒にジョシュアのインタビューをお願いしたのは、9月10日のRoad To Oneというイベントで、内藤のび太選手と猿田洋祐選手が対戦するからに他ありません。

「えっ? サルタとナイトウが試合をするの? 知らなかったよ!! 凄いじゃないか!!」

──ONEストロー級でタイトル挑戦者候補の2人が戦うことについてどう思いますか。

「いやぁ、凄く楽しみだよ。ナイトウとサルタは違うスタイルのアスリートだからね。サルタは爆発力があって、ナイトウよりも打撃ができる。対してナイトルはテイクダウンが強い。何よりも……我慢強いんだ。例えパンチを被弾しても積極的にテイクダウンを狙って寝技でフィニッシュして来ようとする。

でもサルタも高いテイクダウン能力を誇っているし、フィジカルが強い。いやぁ、どんな試合になるのか凄く楽しみだよ」

──ジョシュアは過去に2人と2度ずつ戦い、揃って1勝1敗です。まずはのび太選手と最初に戦ったのは2016年10月で、ジョシュアはキャリア11連勝中でした。

「ナイトウは本当に我慢強い。1Rで劣勢になっていても、全く怯まないで攻めてきた。あんな風に攻めてきて、ケージ際でもの凄い圧力を感じたんだ。最終的にはRNCを極められてしまった。とにかくナイトウは我慢強かったよ」

──あの試合から何を学ぶことができましたか。

「それはマナブが考えてよ(笑)」

──いやいや、ジョシュアの言葉で返答をください。

「ナイトウに負けて……自分自身の足らないことに気付かされたよ。コンディション創りであったり、寝技やレスリング。本当に多くのことを見直すことができた」

──のび太選手との最初の試合から2年後、2018年9月にリベンジを果たし、ONE世界ストロー級王座を獲得しました。こ2年間でジョシュアが手にした変化は何だったのでしょうか。

「一番の違いは自信を持って戦えたということ。最初の試合では寝技に自信がなかった。でも2度目の試合では何も怖くなかったんだ。テイクダウンされても、スクランブルで立ち上がることができると思っていたから。そこが一番大きな違いだったよ。ナイトウと初めて戦った時は、ストライカーがMMAを戦っていたようなものだった。でも、再戦の時にはMMAファイターとして、どの局面でも戦えるようになっていたからね。

2016年の試合はテイクダウンに対して、ディフェンス一辺倒で、僕の攻めは打撃だけだった。でも、2018年の再戦ではナイトウがテイクダウンをしてきても、寝技を凌ぐことができた。最初に試合の敗北から学んだことを生かすことができたんだ。

とにかく徹底的に打撃で攻めて、テイクダウンされても防ぐことができた。そういった場面を想定して、スクランブルの練習をたくさんしていたから。バックを取られたり、テイクダウンされることを想定して練習していたんだ。もちろん、実行するのは難しかったけどね」

──ジョシュア✖のび太選手は、ケビン・ベリンゴン✖ビビアーノ・フェルナンデスと同じ戦略なのでしょうか。

「そうは思わないよ。確かに2018年11月のシンガポールの試合では。ビビアーノに対してスクランブルに持ち込んでいた。あの時はバックキックを多用して、ビビアーノを削ることだったんだ」

──ジョシュアはケビンよりも、ガードワークに自信がありますか。

「ノー、ケビンより僕の方が上手いとは思っていないよ。僕とケビンはスタイルが違うから。ケビンは爆発力があり、打撃も切れがある。その辺りはバンタム級とストロー級の違いでもあると思う」

──なるほどぉ。のび太選手が奪ったベルトの初防衛戦は2019年1月でした。当初の予定では鈴木隼人選手と対戦予定が、猿田選手に変更となりました。

「そうだね……サルタに負けた試合も厳しかった。僕は下がるだけで、まるで最初にナイトウと戦った時のようだったよ。ただ下がって、打撃はカウンター狙いだけで。アグレッシブさが欠けていたんだ」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE03 ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】猿田洋祐と対戦決定、内藤のび太─02─「結局はどこまで頑張れるのかというところを」

【写真】ここから先は別人になる。それこそが、内藤のび太というMMAファイターの最大の特徴だ (C)MMAPLANET

9月10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT。同大会で猿田洋祐との対戦が決まった内藤のび太インタビュー後編。

試合が決定するプロセスなど非常にのび太らしいエピソードを話してくれたが、自らの練習環境に話が及ぶと、のび太らしい自信のない言葉が連発された。

これぞ内藤のび太、試合前にネガティブ、思い切りの良い発言が聞かれないほど、試合で魅せてくれるはずだ。

<内藤のび太インタビューPart.01はコチラから>


──猿田選手の想定を少しでも上回ることができる自信の程は?

「まぁ毎回新しいことをやろうとして、結局上手くいかない。そういうチグハグな試合が続いているので、今回こそちゃんと変えていくことができればと思います」

──新型コロナウィルス感染が起こったあともパラエストラ千葉ネット勢は大切な試合が続いてきました。

「皆の試合を自分に置き換えて、試合に出たいとか思うことはなく……ただ、皆に勝ってほしいという想いでいました。そのなかで皆の練習を見ていたし、自分の練習相手もしてくれました。やはり勉強になる部分もあったので、そこを上手く自分のなかに落とし込んで次の試合までに生かせるようになりたいです。色々な選手が、試合があったことで凄く良い経験をさせてもらいました」

──扇久保選手が朝倉海選手との大一番で敗れてしまいましが、猿田選手との試合ではパレ千葉の看板を背負って戦うという意識はありますか。

「う~ん、そういうことは……う~ん、チームのトップの方が負けるというのは……それがチームとして強くなるきっかけになるかもしれないし、あの試合がきっかけでチームが落ち目になっていくのか、また上がっていくのは、これからの僕らの試合結果で決まって来ると言うのは感じています。

でも、扇久保選手の試合と僕の試合は違います。あんなに大きな試合を先にしてもらったので、それよりは気が楽だというのはあります(苦笑)」

──これまで猿田選手がONEと契約して以来、常に『本当に強い選手がやってきた』と言っていました。のび太選手の方が修斗でもONEでも先にベルトを獲っているのですが。

「猿田選手は僕のなかでは先輩です。アマチュア時代にプロの興行を見た時に、もう試合に出ていた方なので。年齢は自分の方が上ですが、そんな強い選手に戦いたいと言ってもらえるのは不思議な感じです。しかも上の階級で戦っていた選手で。自分はフライ級で戦うなんてできないですし、そういう意味でも尊敬しています」

──猿田選手はここで勝って、ジョシュア・パシオに挑戦すると明言しています。

「う~ん、そこまで考えられないですね(苦笑)。とりあえず、この一戦は大変なんで。アハハハハ、頑張ります」

──今、パラ千葉は勢いのある若い選手がジムに揃っていますね。あの若い選手が力任せに思い切り攻めてくる。ベテランとしてはケガのリスクなど考えることはないでしょうか。

「鶴屋さんの息子の怜君とスパーリングをしていると、気が付いた時には宙を舞っている時があります(笑)。でも、そういう若い選手が思い切りぶつかっているという状況は、なかなかないですし、天狗にならないで済みます」

──のび太選手が天狗になるところは、一切想像できないですよ(笑)。

「それは……僕は常に年齢も違った、それぞれタイプも違う強い人が練習相手がいるので。怜君なんて、昔から強くなるなって分かっていたし……。天狗になることはないのですが、二回り下の子に宙を舞わされるのは……なかなかですよ(苦笑)」

──刺激にはならないですか。負けるものか、と。

「刺激になるというか……『いつまでスパーリングの相手が務まるかな』という怖さはあります(苦笑)。あの輪の中にいつまで加わっていられるのか……」

──どんどんネガティブになっていくので(苦笑)、猿田選手との試合に話題を戻させてください。この試合、勝利を得るために内藤のび太が見せないといけない戦いは、どのようなモノでしょうか。

「そうッスね……1年、2年のポッとでの2人でなくて色々なモノがあるので、そのストーリーというのは……あのう、う~ん、お互い違うスタイルの選手なので、結局はどこまで頑張れるのかというところを見てもらえればと思います。

難しい試合ですけど、猿田選手は錚々たる選手たちと戦ってきているので、そういう経験をしてきた選手と戦えることは凄く有難いです。そう思って戦います」

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【Road to ONE03】猿田洋祐と対戦決定、内藤のび太─01─「やられるのが嬉しいわけじゃないですけど…」

【写真】後ろで猿田も撮影中で、なぜか満面の笑みを浮かべる。対戦相手が2メートルぐらい横で取材を受けているのは、それは選手は気を使ってしまうだろう──が、のび太の受け答えはそことは別レベル(笑) (C)MMAPLANET

9月10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT。同大会で猿田洋祐との対戦が決まった内藤のび太。

17日に行われた会見後の個別取材で、猿田に続きのび太の話を訊いた。理路整然かつ、熱量をもってのび太との試合を語った猿田に対し、のび太は横で別媒体の取材を受けている猿田を気にしつつ、自らのワールドをフル回転させた。


──会見が終わり、ベシャリが上手くなったという評判です(笑)。

「上手くなっていないです……(苦笑)。よほど下手だと思われているだけで……」

──アハハハハ。TVカメラの取材でないと、試合や対戦相手のことは話せていましたよね(笑)。

「全く話せないイメージがあるんですかね……分からないです。でも、TVになると難しいです(苦笑)」

──ずっとラブコールをしてきた猿田選手との試合が決まりました。オファーがあった時は、どう思いましたか。

「あぁ~って思いました」

──あぁ~って……と(爆)。

「思っていたタイミングではなかったので。このタイミングで日本人対決になるんだなって」

──Road to ONE、国内対決ですし──コロナ禍にあることを考えると国際戦のほうがあり得なくないですか。

「Road to ONEがまたあることも噂ぐらいでしか知らなかったので。何とも分からないですけど……オファーの前に大会があることは誰かから聞いて、自分のことはオファーが来てから考えようと思っていました。正直、このタイミングではないと思っていたので……そうしたら自分より上の相手だったので光栄です」

──試合は去年の11月以来ですね。

「気持ち的には4月ぐらいに試合ができればと思っていましたが、それどころではなくなってしまったので……。それはもうしょうがないというか、そういう感じで。ちょこちょこ格闘技の大会が開かれるようになったので、自分もいつか来るかなとは考えることもあったのですが、まさかこのタイミングとは考えていなかったです。ちょっとビックリしましたけど……ちょっと嬉しかったです」

──嬉しかったというのは?

「まぁ嬉しいと言うか……やられるのが嬉しいわけじゃないですけど……」

──やられることスタートですか(爆)。

「例えば……です。そういうわけじゃないですけど、自分にオファーが来たのが嬉しかったです」

──このオファーがのび太選手の耳に届いていたであろう頃、パラエストラ柏で鶴屋代表の取材がありました。この猿田選手との試合のオファーがあるという話題になり、鶴屋さんは『受けるしかない。そうじゃないと道は開けない』というようなことを言われていました。鶴屋さんはのび太選手にもそういう風な話をされたのでしょうか。

「……。あのう僕がLINEのプロフィールに名前を入れていなくて……。下の名前だけで、苗字を外しているんです」

──NOBUTAKAとしているわけですね。

「ハイ、そうしたら鶴屋さんが、誰が内藤のび太が分からなくなってしまって……」

──ダハハハハ。また強烈な裏話ですね。アジア中、一緒に回っている弟子を(笑)。

「で、とりあえず弟にLINEがいって。こういうオファーが来ているよって弟から僕に連絡があったんです。僕から鶴屋さんに返したんですけど、また鶴屋さんからは弟経由で返事がきて。なんか三角系で……弟を通して、やり取りをしていました」

──やりとりの経由は分かりました(笑)。お尋ねしたかったのは、その時にどう思ったかです(苦笑)。

「悩みました。できればもうちょい時間が欲しいなと思いました」

──あぁ、のび太選手は2カ月あればというスタンスですよね。

「ハイ、2カ月欲しいです。今回は1カ月だったので、でも練習はしているので大丈夫という感じです。案外、その方が良いのかもしれないですし。逆に2カ月あるとプレッシャーが掛かり続けて、疲弊してくことも考えられます。

この気持ちで一気に試合を迎えることができるパターンもあるかもしれないですし。それは終わってみないと分からないですけど……試合までの時間のこともあって悩みました。でも、受けたのでやるだけです」

──2人でやられたインスタライブで猿田選手が本当にのび太選手のことを的確に理解していて。それをのび太選手は「有難いです」と呑気に語っていましたが、それだけ研究されているということで。この試合が決まった瞬間に、あのインスタライブの件を思い出しました。

「凄かったですよね。猿田選手は1人で全部やってくれて。僕は途中でいなくなったりしたのに、1人でやってくれるので。『あぁ、ちゃんとした人なんだなぁ』って(笑)」

──それは猿田選手が普通にちゃんとしている人であって、逆にのび太選手がヤバいということでは……。それにしても、もうほとんど丸裸にされている感じではないでしょうか。

「まぁ……そうですね。そこまで僕を知ってくれている人と戦うのは初めてですね。そういうなかで対策を立てていると思いますし、その通りに崩されないことですね。だから猿田選手の想定よりも、ちょっと上の動きをしたいです。そうですね、ちょっと上回れたら良いと思います」

<この項、続く>

■ ONE110 No Surrender III対戦カード

<ムエタイ・バンタム級T準決勝/3分3R>
センマニー・クロンスアンプルリゾート(タイ)
クラップタム・ソーチョーピャッウータイ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
モンコルペット・ペッティンディーアカデミー(タイ)
ソク・ティー(カンボジア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ファビオ・ピンカ(フランス)

<ムエタイ・女子ストロー級/3分3R>
ワンダーガール・フェアテックス(タイ)
ブルック・ファレル(豪州)

<ムエタイ・女子アトム級/3分3R>
マリー・ルーメット(エストニア)
Little Tiger(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ベン・ロイル(英国)
クインティン・トーマス(米国)

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Interview ROAD FC Road to ONE03 ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】大願成就、内藤のび太戦へ。猿田洋祐「何が必要? あの戦いから逃げないこと」

【写真】コロナも日本の格闘技界も関係ない。勝てば官軍の一騎打ちだ (C)MMAPLANET

9月10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT。同大会で猿田洋祐が内藤のび太と戦うことが、17日(月)に行われた記者会見で発表された。

猿田、のび太ともに修斗世界ストロー級王者から、ONE世界ストロー級チャンピオンとなり、現在は無冠だ。何より猿田にとっては、長年熱望してきた戦いが実現することとなった。

なぜ、猿田はのび太の背中を追い続け、戦うことを望み続けてきたのか──会見終了後の個別取材で尋ねた。


──ケージに入る前、あるいは試合が決まる前から戦いが始まっているかと思います。そういう風に考えると、のび太戦の準備は猿田選手の方がずっとできているのではないかと。

「やっぱり戦いたいと思っていた期間が長いですからね。2015年の年末にフライ級挑戦者決定戦で扇久保選手に負けて、また一から積み上げてタイトルを目指すのか、それとも違う団体にいくのか。色々と考えた時に……やっぱり修斗が好きで。そのなかで、誰と戦いたいのかと考えた時に1階級下に無敗ののび太選手がいて。

一気に駆け上がってきた選手なので、今から考えると自分と真逆で羨ましくて……彼のような選手になりたかったんでしょうね」

──のび太選手は社会性に乏しく、実社会で大丈夫なのかなって思われている人じゃないですか?

「そんな風に言われていますけど、試合になると負けない。そのギャップに憧れていた部分はあったと思います。限界を超えて相手に食らいつく……戦略を立てて綺麗に戦うとかでなく。自分はのび太選手のように、試合で出し切れているのかって思っていました」

──のび太選手は逆に猿田選手のような運動神経の良い選手に憧れていると思います。ところで修斗でもONEでもチャンピオンになり、そしてONEではベルトを失った者同士です。どこかのび太選手に勝ってベルトに挑戦したいという気持ちはありましたか。

「修斗でのび太選手が返上したベルトを僕が取って、そこからONEで一緒になったので、やるんだったらタイトルマッチでという気持ちが強かったです。僕の目標はベルト奪回とのび太選手に勝つこと。ONEだと日本人対決は難しい。なら僕がベルトを獲って、日本大会でのび太選手を指名させてもらうつもりだったんです。そういう気持ちでやってきました」

──そこまでの想いだったのですね。最高の相手で、もう試合に集中するだけという状況かと思います。

「本当にその通りです。我がままを聞いてもらったというか……自分も格闘技界全体のこととか考えないといけないんですけど、青木さんのおかげで好き勝手やらせてもらっています。そこを青木さんに任せてしまって申し訳ない気持ちもあります。ただ、この試合はゴールに向かって、そこだけを考えたいです」

──今、この大会でのび太選手と戦う。引き合いに出されて迷惑かと思いますが、箕輪ひろば選手が相手だと気持ちは違いますか。

「試合を断ることはないです。与えられた仕事をするのは変わり有りません。試合に向けて、気持ちの入れ方も変わらないはずです。でも……楽しめないですね。パシオに挑戦するために戦う試合になります」

──とはいえ、のび太選手と戦いたいではなく、勝ちたいということですよね。

「もちろんです。自信もあります。勝つことで自分のやってきたことを証明できる。そうですね、ずっとのび太選手と戦いたかったのは、勝つことで救われるということだったんだと思います。この試合は本当に自分のための試合です。人に喜んでもらうとか、良い勝ち方とかでなく、自分のためにのび太選手を倒したいです」

──4年間、想ってきた試合でどういう自分が必要でしょうか。

「あの戦いから逃げないこと……じゃないでしょうか。皆、のび太選手と試合をすると、シングルを取らせないため距離を取ってカウンターを合わせようとする。そういう試合をします。

自分は入ってきてもらって構わない。そこで違いを見せるつもりです」

──3Rだと5Rより分が良いというのは?

「のび太選手は5Rの選手ですから、若干ですけど3Rの方が有利です」

──カウンターになってしまうのですが、猿田選手は5R動き続けるフィジカルも心肺機能もあります。それでも3Rの方が有利になると思う部分、それこそが彼の一番強いところではないですか。

「気持ちですね。3Rが終わったぐらいから元気になるんですよね(笑)。そこに行くまで終わせる……、多少は僕に優位に働きます」

──終わらせるということだと、昨年10月の北方大地選手との試合で良いイメージを創ることができたのではないでしょうか。

「アレは巧く行き過ぎたと捉えています。自分の実力、北方選手との力の差とは思っていないです。たまたまのタイミングで、運が自分に向いただけで」

──世界同時中継ということは、ジョシュア・パシオがバギオで視聴するかと思います。

「彼が視ることで、プレッシャーを感じるような試合をしたいです。パシオ選手がのび太選手と戦った時のように逃げずに、自分はこう戦ってフィニッシュするんだと見せることで強さをアピールし、プレッシャーを与えることができると思うので……そういう試合にしたいです」

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE03 ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】猿田洋祐「我がままを通したい」✖内藤のび太「僕にできる試合しかできない」

【写真】会見ではのび太の話が上手くなっているという空気があったが、文字起こしすると決してそんなことはないことが判明した (C)MMAPLANET

17日(月)に東京都渋谷区のシャトー・アメーバで行われたROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT の記者会見。

9月10日(木)に渋谷のO-Eastで開催される同大会で戦うことが決まった猿田洋祐と内藤のび太──修斗とONEストロー級を制した者同士のガチンコマッチについて、両者の抱負、司会者からの質問、そして記者との質疑応答という流れで紹介したい(※要約)。


猿田洋祐
「この試合はONEの一つの試合ではなくて、自分が修斗の時代から……4年前にストロー級に落としたのは、のび太選手に挑戦したかったからです。このカードが決まって、凄く嬉しいと思っています。ONEで日本人対決はなかなか難しいのですが、コロナ禍の影響で海外では試合ができなくなったからこそ実現したカードです。のび太選手に勝つことで、パシオ選手に挑戦できると思うので、しっかりと壁を越えて日本のストロー級ナンバーワンとしてパシオ選手に挑戦したいと思います」

内藤のび太
「こんな状況のなか、自分にオファーをして頂きありがとうございます。自分よりランキングで上の選手と戦えるということを光栄に思います。その期待に応える試合ができると思います。そんな感じです」

続いて司会者から、のび太の印象を聞かれた猿田は「自分が勝ち負けを繰り返していた選手で、のび太選手は修斗でもONEでも勝ち続けてきた。この選手に勝つことで、これまでやってきたことが証明できる──自分が救われるという気持ちがあります。のび太選手は毎回、苦しい試合……自分から苦しい展開に持っていって相手を削り、最後は勝利につなげる気持ちが強い選手です」と返答した。

対してのび太は「僕が修斗で戦う前から試合に出ていた選手で、先輩です。階級も上で、ずっと見てきた選手なので戦えることが光栄です。日本人対決があまりできないと思ってきたので、こういう機会でこれ以上ないタイミングだと思いました」と猿田の印象を話し、質疑応答が始まった。

──猿田選手への質問です。削り合いのなかで、どこで上回りたいですか。

猿田 戦略的なことは言えないですが、上手く戦おうとは思っていないです。のび太選手と同じようなキツイ試合をして、のび太選手を疲弊させてパウンドアウトしたいです。

──日本での試合に関しては、どのように思っていますか。

のび太 久々なんですけど、日本で試合ができることは嬉しいです。

猿田 自分はあまり日本でも海外でも場所は関係なく気持ちが創れるタイプなので、それほど関係ないですが、良いところは調整が楽なことです。あとはお客さんが多少入るってことで、生でファンの人に見てもらえることは嬉しいです。

──コロナ禍で戦う、どのような試合をしたいですか。また、どのような調整をしてきましたか。

のび太 どういう試合というか、僕にできる試合しかできないので。それで何か響けば良いかなって感じです。練習は集団で集まってという機会は多少減りましたが、会う人を減らして何とかやっていく感じでやっているので、その方が良いかもしれないです。分からないですけど。

猿田 5月ぐらいまでは1人で練習したり、奥さんが元格闘家なので手伝ってもらって打ち込みとかしていました。6月からはチームのなかだけの練習にしぼって、チームがどうのように強くなるかを考えながらやってきました。この試合に関しては、自分のやりたい試合、我がままを通したいと思います。のび太選手が相手だから。