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【RIZIN LANDMARK09】佐藤将光とバンタム級トップ対決。井上直樹「心理戦みたいな試合になる」

【写真】方々で言わるのだろうが、「もう26歳」。取りこぼせない(C)TAKUMI NAKAMURA

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09 in KOBEで井上直樹が、佐藤将光と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年10月に太田忍との対戦を予定していたが井上だが、右顎下腺唾石症によるドクターストップで欠場。井上の代打としてRIZINに初参戦し、太田から勝利を収めたのが今回対戦する佐藤だった。

大晦日に朝倉海が新王者となったRIZINバンタム級の今後を占う一戦、そしてMMAとしてハイレベルな技術戦・駆け引きがみられるであろう戦い。井上自身も「佐藤選手がどんな感じで来るのか楽しみ。あっちがこう来たらこっちはこうしようとか、それを考えるのも面白い」と語った。


──まず昨年10月RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYAの太田忍戦を欠場した理由=右顎下腺唾石症(みぎがくかせんだせきしょう)ですが、これは具体的にどういう状況だったのですか。

「喉のところに顎下腺というものがあって、そこから唾液が出てくるんですね。で、その顎下腺から唾液の通り道がカルシウムでできた唾石で詰まって、それで唾液が通らなくなってしまうんです。そうなると唾液が顎下腺に溜まって、ドンドン顎下腺が腫れ上がって食事が出来なくなるんです」

――それは米国で練習しているときに発症したのですか。

「もともとは高校生の頃から似たようなことがあって、当時は特に何も気にしていなくて、すぐに腫れも引くから、まあ大丈夫だなと思っていたんですよ。そうしたら米国で練習している時にまた発症して、痛みそのものもひどかったですし、我慢できないほど悪化していたので手術することを決断しました」

――予兆があったとは言え、はじめは何が起きているか分からないですよね。

「練習中はギリギリ大丈夫だったんですよ。でも食事しようとすると唾液が出て、顎下腺が腫れて激痛が走るんです。まともに食事ができなかったので、手術しなければどうにもならない状況でした」

――手術後はすぐに練習を再開できたのですか。

「ちょうど名古屋大会の日に手術をして、手術の傷が塞がれば動いていいと言われていたので、11月に入ってから練習は再開しました。間に合えば大晦日に復帰できたらいいなとは思っていたのですが、11月に練習を再開して1カ月ちょっとの練習時間で臨めるかと言われたら準備期間が短かったですし、急いで練習して怪我してしまったら、また時間を台無しにしてしまう。それだったらじっくり時間をかけて年明けの大会で復帰しようと思いました」

――今回は米国に行かず、日本で調整を続けていますが、そう選択した理由も聞かせてもらえますか。

「試合前に米国に行くと何かアクシデントが起こるんですよ(苦笑)。試合がない時期に練習に行くのはいいと思うのですが、試合のために行くとなると、切羽詰まるじゃないですけど、やらなきゃやらなきゃ…って気持ちが強くなる一方、日本にいる時ほど体のケアやコンディショニングが上手くできない。そう考えると試合のための練習と調整は日本でやって、試合がないときの練習を米国でやるというのが一番いいんじゃないかと思っています」

――試合で勝つことがゴールなので、そこのバランスは重要ですね。

「実際に試合は日本でやるわけじゃないですか。米国で練習していると時差ボケもありますし、慣れ親しんだ日本のチームで試合を迎えるのが一番だと思います」

──太田戦の前は米国でどのような練習をしていたのですか。

「ちょうどキルクリフFCに練習の拠点を移して、練習相手になる選手がたくさんいるというのが大きかったですね。セラ・ロンゴ・ファイトチームもアルジャメイン(・スターリング)やマラブ(・デヴァリシビリ)がいて、いい練習はできていたんですけど、彼らはちょいちょいベガスに行っていて、常にジムにいるわけじゃなかったんですよ。そうなった時にジムに練習相手になる選手が少なくて。それもあって強い選手が常駐しているジムで練習したいと思って、キルクリフFCを選びました」

──そこで今回は日本での練習ということで、どのようなことを意識して調整を続けていますか。

「米国でやったことをもちろん意識して、日本ではコーチと綿密に連携できるんで、コーチとこうしよう・ああしようという話し合いをしながら、融通も利くというか、自分の思い通りにできています」

──日本でのコーチ役は誰になるのですか。

「SONIC SQUADの安田(けん)さんが一番見てくれていて、そこに水垣(偉弥)さんと永末(“ニック”貴之)さんがいてって感じですね」

──安田さんや水垣さんとは練習を通じて意見交換しているようなイメージですか。

「そうですね。それだけに限らず、水垣さんはUFCの解説もやっているので『この試合のこれとかいいんじゃない?』というのを教えてくれて、ドンドン技術がアップデートされている感じはしますね」

──僕もMMAPLANETで水垣さんの月一連載を担当していますが、知識も豊富で言語化もうまいですよね。

「はい。ただ昔よりはだいぶ動けなくなっていて『スパーリングはやりたくない!』と言っているので、今は頭を動かす方にシフトしているのだと思います(笑)」

──頭脳派にならざるをえないと(笑)。さて対戦相手の佐藤選手の印象は?

「結構ベテランですよね。修斗でもONEでもタイトルマッチやるぐらいの実力があって。海外の選手に勝ってきたし、日本に帰ってきても太田選手を完封できるぐらいの選手なんで、ベテランで試合も上手い印象があります」

──佐藤選手はパンクラス・修斗・ONE、井上選手はDEEP・UFC・RIZINで戦っていたので、同じ階級でありながら佐藤選手がRIZINに参戦するまで接点がなかった選手ですね。

「そうですね。僕がRIZINに出るようになって、ONEの試合を見て『こんな選手がいるんだな』と思うようになって。戦績をさかのぼると強い選手にしっかり勝っているので、実力がある選手だと思って見ていました」

──佐藤選手はMMA IQが高く、試合をトータル的にコントロールして勝つタイプだと思うのですが、あのファイトスタイルをどう見ていますか。

「その通り、すごくスマートな戦い方をしているなと思います」

──ちなみに佐藤選手に取材したとき「井上選手は穴がない。必死に穴を探している」と言っていたのですが。

「実際はすぐ穴を見つけていて、インタビュー用にそう言っているだけなんじゃないですか(笑)」

――そこも含めて佐藤選手のスマートな作戦だと(笑)。

「でも本当に技術のある選手なんで、探り合いじゃないですけど心理戦みたいな試合になるんじゃないですかね、佐藤選手は全局面できるんで、その分、どこで攻めるか、どこで守るか。そういう展開が主体になっていくと思います」

――お互いどのようなカードを切って行くのか。個人的にもそこは楽しみにしています。

「僕も佐藤選手がどんな感じで来るのか楽しみですね。あっちがこう来たらこっちはこうしようとか、それを考えるのも面白いですし」

――ほかの試合とは一味違うところを見せたいですか。

「そうですね。この試合はバンタム級トップの試合だし、一番技術がある展開、僕らのスキルを見てほしいなというのはありますね。自分も意外と年取っちゃいましたから」

──いやいやいや、26歳は老け込む年齢ではないですよ(笑)。

「でも本当にあっという間でしたよ。下の選手が上がってきて、彼らに色々教えたりしていると、自分も年取ったなと思うし、日本人みんなで強くなりたいですよね」

──日本のMMAのレベルを上げる。井上選手がそういう考えを持っているのが意外でした。

「周りを気にせずノホホンとやっている感じでした(笑)?」

──いえいえ、自分の強さを追求するタイプというか、職人気質というイメージがあったので、井上選手の口から「日本人みんなで強くなりたい」という言葉が出たのは響きました。

「もちろん自分が強くなるのが一番なんですけどね。僕も色んなことを経験して取り入れなきゃいけないし、MMAの技術はドンドン進化していくものなので、それに追いついていくために練習・試合していきたいなとは思っています」

──RIZINのバンタム級で言えば大晦日に朝倉海選手がフアン・アルチュレタに勝って新王者になりました。そこも踏まえてのこれからの展望を聞かせてください。

「次勝てばタイトルマッチをやるぐらいにはなるんじゃないかって思っているので、周りの声があればそれも実現できたらいいなと思っていますね。今年中にはタイトルを獲れるぐらいの位置で戦いたいと思います」

――朝倉✖アルチュレタはアルチュレタの計量オーバーもあり変則的な試合形式でしたが、あの試合はどうご覧になりましたか。

「あの勝ち方はすごいと思うし、しっかり会場を盛り上げてましたよね。あの結果だけ見たら朝倉選手がすごく抜きん出ているなとは感じます。ただ僕は朝倉選手とやってないんで、やってみたいです」

──そういう意味でも今回の試合は勝てば前進するし、負ければ後退というシビアな試合です。RIZINにランキングはないですが、事実上のランキング戦だと思います。

「キャリア的にも一戦一戦大事にしていかなきゃいけなくなっているので、今はこの試合に集中して勝たなければいけないと思います」

──神戸大会のなかでもこの試合を楽しみにしているファンは多いと思います。最後にファンの皆さんにメッセージをいただけますか。

「今回そんなに大きいことは言えないですが、しっかり勝つこと、僕がやっている試合を見せることがファンにとって一番の恩返しになると思っています。そのうえで佐藤選手と技術のやり取りを見てもらい、自分が勝つところを見せます」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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【Eternal MMA83】フライ級王座に挑戦、テロル猿飛流。「これば爆発物だぞって(笑)」(SASUKE)

【写真】前田桂、猿飛流、SASUKEのチーム・エタノール(C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)にクイーンズランド州ゴールドコーストのサウスポート・シャークスで開催されるEternal MMA83で猿飛流がフライ級王者アンソニー・ドリリッチに挑む。

元フライ級KOPが1年3カ月振りの実戦復帰──そこに至るまえでの気持ちの変化、変わらなかった目標。そして初めての海外での試合で、信じられない事態に陥った珍道中を猿飛流with SASUKEに話してもらった。を果たすこととなった。


――猿飛流選手、一昨年のクリスマス以来の復帰戦が豪州のEternal MMAでフライ級王座挑戦となりました。かなり長いブランクを経験しましたね。

「佐須君(SASUKE)のセコンドでRoad to UFCに行って、現地でUFCを見てあの場で戦いたいと思うようになり──怜君との試合に勝ったら、UFCという名前を出して良いと思っていました。怜君との防衛戦で勝ったら、そこを目指すと明言しようと。でも怜君に負けて、30歳も過ぎているしUFCへの道は途絶えたと思いました。

そうなった時にパンクラスを含め、日本の団体でベルトを取ることが目標になるということがしっくりこなかったです。年齢的にも引退した方が良いとも考えました。周囲がジムを持ったり、普通の仕事をしながら生活をしているのを見て、次の人生のことを考えると、試合に出ようという気持ちにはなれなかった……です」

──そうなるのは、至極真っ当なことかと思います。それでもまたやろうと考えるようになったのは?

「佐須君や征矢(貴)さんのセコンドに就いたり、他の人の試合や弟(榎本明)の試合を見ていると、俺も終わりたくないなと思えてきて。去年の夏、取りあえず引退はせずに練習だけは続けようと。そうすればどこかからオファーがあるかもしれないし、腹が決まるかもしれないと。去年の夏からは、しっかりと練習をするようになりました。佐須君から『まだまだ全然いける。一緒に目指しましょうよ』と言って貰えたのも大きかったです」

──実際に試合を戦おうと思ったのは?

「やっぱり、1パーセントでもUFCに行けるチャンスがあるなら──と。でも、結論から言って佐須君と桂さん(前田桂氏、Fitness Shop在籍。マスタージャパン勢、原口伸ら海外での試合をサポート。国内外に知己の関係者が多い)でないと海外で試合をすることはなかったです。本当に桂さんの存在がなかったら……。僕自身、海外は経験がなく、安心できる国内が良いという風に思っていましたし。

パンクラスにはお世話になったし、ベルトを取ることも悪くないという風に考えるようになりました。ただお世話になったとか、恩があるというのはUFCとか考えていない判断だったと思います。最後に皆にベルトを見せたい。UFCは無理でも、まだ強くなれる自信はある……そんな風でした」

──それでもパンクラスとならかったのは?

「まずパンクラスで再起しようと──伊藤盛一郎選手とベルトを賭けて戦いたいというのはありましたけど、それはさすがに無理で。ならムハンマド・サロハイディノフと戦いたいと思いました。1月にパンクラスと話を繋いでもらっている河村(尚久)さんに動いてもらって。

同時にGladiator Challenger Seriesで戦い、LFA経由でUFCを目指しませんかと長谷川賢さんからも話をしてもらえました。それも凄く有難い話で、長谷川さんが気に掛けてくれているのが嬉しかったです。でも腹が決まらず、踏ん切りがつかないとう状況でした。そんな時に桂さんからETERNALの話を頂いて。最初は2月10日だったので、2週間ぐらいしかなくて。体重を落ちないですし、初めての海外の試合とかはビビりだから……お断りしました。

その時に『3月だったら、体重を落とせたのですが……』なんて言い訳がましく、言っていたんです。同時に3月のパンクラス大会にムハンマドという話も進行していて、でも踏ん切りつかない。坂本靖さんには『返事はもう少し考えてからさせて頂けたら』と保留にしてもらっていました」

──踏ん切りがつかず、躊躇してばかりという風にも聞こえます。

「ハイ。確かにその通りです。そうしたら、断ったEternalの試合が3月16日なら──ともう一度、来て。それでもビビっていて、断ろうとしていました」

──……。

「そうしたら、桂さんが1時間ぐらい説得してくれて。『こんなチャンスはない。行きましょう』と言って貰えて、それで腹が括れて『もう行きましょう』と。試合が1カ月スライドしてタイトルマッチ。プロモーションは豪州で一番のフィーダーショーで、前王者のスティーブ・アーセグはUFCにステップアップして、ランキングが9位。これはUFCに繋がっている道で、格闘技の神様に行けと言われているように感じました」

──ようやく……と。

「で、Eternalでタイトルに挑戦すると河村さんに話したら、『それはパンクラスに対して、オファーの返事待っている状態なのだから失礼だぞ』とお叱りを受けて。確かに……坂本さんに失礼なことをしてしまいました。でも河村さんが『チャンスだし、俺が説得しておくから行け!』と言ってもらえて。それでも天秤にかけたような形だったので、坂本さんを怒らせてしまったという気持ちは残っていたのですが、2月4日──僕の誕生日に、怜君がUFC決めた後にXで『誕生日、おめでとう。頑張ってこいよ!』とメッセージを下さって。凄く心が晴れて、パンクラスの代7代王者として誇りを持って頑張りたいと思うようになりました」

──良い話ですねぇ。

「そこからは猛練習をしました。桂さんと佐須君がいてくれるから、今も安心して試合を迎えることができています」

──初の海外でも、何も問題はないですか。

「いえ、それが……」

SASUKE 実は手荷物が引っ掛かって、入国できないところだったんですよ(笑)。

──へっ? というのは?

「あのう……僕は説明が下手だから、佐須君に任せても良いですか?」

──ハイ……。

SASUKE まず猿飛流さんは心配性すぎて、あり得ないほどの荷物を持ってきていて。羽田の段階でスーツケースが6個ぐらいあって。

──あり得ないです……。

「減量食とか、全部、日本から持って行こうとして……」

SASUKE そうなんですよ(笑)。ケアンズからトランジットでゴールドコーストへという飛行機で、まず羽田で半分ぐらいの荷物をご両親に持って帰ってもらいました。そして、ケアンズまでは別便だった桂さんがバッグ一つだったので、一つ預けて。もう1つは追加料金を支払って飛行機に乗れることはできたんです。

そうやって色々なモノを日本においてきたのに、荷物のなかで無水エタノールが含まれていたんです。水抜きのための……。

──いや、それは……いうとエチルアルコールですからね。まず、羽田で飛行機に乗れたことが検査の精度を疑います……。発火物ですからね。

SASUKE そもそもそこがあるんですけど……。豪州って持ち込み荷物にメチャクチャうるさくて。で、ケアンズの空港で『これは爆発物だぞ。お前たちはテロリストか』って足止めを食らったんです。

──いやぁ、まぁテロリストの疑いは晴れるでしょうが……なんちゅうことですか。

SASUKE なんか、ポリスとかいう言葉が聞こえてきて。そうしたら、もう猿飛流が一気に動揺し始めて。顔はソワソワしているんですよ。

──アウトじゃないですか、堂々としていないと(笑)。

SASUKE そうなんですよ。で、僕は僕で桂さんに電話をしようとしたら、『仲間に連絡をしようとしているのか』なんて疑われて(笑)。ポリスを呼ぶと言われて、2時間ぐらい尋問を受けました。飛行機の中では眠れないは減量苦もあるわで、ついに猿飛流が白目を剝いて気を失いかけて(笑)。そうしたらポリスが、『こいつは薬物中毒じゃないか』って(笑)。

──アハハハハハハ。もうミスター・ビーンばりの負の連鎖じゃないですか。最高です。

「翻訳機で『あなたはドラッグをやったことがありますか』って聞かれて。『一度もやったことがありません』って……」

──しかし、どう説明して無事に入国できたのでしょうか。

「試合があって、減量中なんですって話しました。減量で飯も食えなくて、水も飲めないから──と体を見せたんです」

──ハイ。

無水エタノールがなくても無事パス(C)KEI MAEDA

「そうしたら僕の話を信用してくれて。これだけはダメだからなって、無水エタノールだけは捨てられました。あぁ、あと馬肉も捨てられましたね」

SASUKE 僕は2メートルぐらい離れていたので、なんか体をチェックされていると思って……もう終わったなって思っていました(笑)。

「超焦りました……。でもいったん信用してくれると、取り調べが長かったから乗り継ぎがギリギリになっていてゲートまで連れて行ってくれたんです」

──もう、そんなことがあれば何も怖くないですよ(笑)。

「いや、高島さん。ホントにその通りです(笑)。色々と吹っ切れました」

──では自信満々になったかと思う、アンソニー・ドリリッチ戦ですが、改めて印象を教えてください。

「サウスポーで強力な左ストレートの持ち主です。そこを狙って、言うとそれしかないのですが、相手を誘い込むのが絶妙に上手いです。そこに移動させられて、左ストレートでKOされている選手が多い。加えてテイクダウンが切れて、自分からテイクダウンを取れ、バックキープも上手いです。

でも……なんか、その全部で自分が上回ることができる自信があるんですよね」

──その言葉で安心しました。今、言われた通りの選手なのですが、アーセグとは動きが違います。同じEternalのフライ級チャンピオンなのでアーセグ級だと怖いと思っていたので。

「それは思いました。アーセグと比較すると。今回、征矢さんと5分5R用のスパーをやって来て。征矢さんは凄くパワーもあって速い。なおかつ征矢さんを上回るパワーかもということは頭にいれてきました。その想定を超えることもあるかもしれないですが、やることが分かっているので。これまで自分がやってきたことをぶつけるだけです。

自分のそのままをぶつけます。サウスポーと左ストレート対策は、大竹陽選手とも5分5Rをやってきました。火曜日が征矢さん、木曜日が大竹選手。週に2度、5Rのスパーリングをやってきて、凄く自信がつきました」

──では改めて、意気込みの方をお願いします。

「深く考えすぎるとダメなので、大好きな格闘技を楽しみたいです。大好きな格闘技を続ける先にUFCがあるのかなって。だからメチャクチャ勝たないといけないというよりは、メチャクチャ楽しみたいですね。楽しんで、回りに感謝して、自分のやってきたことを全て出します」


■視聴方法(予定)
3月17日(土・日本時間)
午後7時00分~UFC Fight Pass

■ Eternal MMAメインカード対戦カード

<Eternal MMAミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョン・マーティン・フレイザー(英国)
[挑戦者]ベン・ジョンソン(豪州)

<Eternal MMAフライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アンソニー・ドルリッチ(豪州)
[挑戦者]猿飛流(日本)

<ライト級/5分3R>
ジャック・ベイカー(豪州)
ジョシュ・トーゴ(豪州)

<フライ級/5分3R>
松山瑞穂(日本)
ジャック・ヘイス(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・シュルッピ(ブラジル)
ブローガン・スチュアート・ング(豪州)

<フェザー級/5分3R>
テサー・マローン(豪州)
イーサン・ミッチェル(豪州)

<ミドル級/5分3R>
ダーシー・ヌナン(豪州)
ブレア・ブレタッグ(豪州)

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【DEEP OSAKA IMPACT2024#01】MANAと対戦、ストライカー栗山葵「攻めるためのレスリングも」

【写真】人柄とMMAの姿勢が伝わってくるかのような笑顔。次はヒョウ柄もお願いしますっ!!(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01で、栗山葵がMANAと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

栗山は2022年からスタートしたDEEP JEWELSのフライ級トーナメントでは中井りんに敗れ、ベルトに届かなかった。しかし2022年以降の敗戦は中井戦のみで、現在は2試合連続KO中だ。その栗山に、明らかに変わってきたファイトスタイルと、所属するスモーカージムの変化について訊いた。


――栗山選手といえば、どうしてもタトゥーとヤンチャ時代のお話が多いですね。

「アハハハ、どうしても多くはなってしまいますね。私もそれで売っていきたい、というわけじゃないんですけど(苦笑)」

――確かにタトゥーは目立ちますが、そのために苦労も多いだろうとは思います。

「一番はお風呂ですね。私はお風呂が大好きなんですけど、やっぱり入れない銭湯は多くて。入れたとしても、他の人の視線は強いです。あとは冠婚葬祭の時に隠し切れないと困るとか――私としては『しゃあないわ!』と思っていますね。自分が選んだことですし」

――栗山選手が格闘技を始めたのは25歳の時で、その頃にもうお仕事にも就いていたのですよね。

「はい。建築の仕事に就いたのは17歳の時でした。2年生の時に高校を辞めていて」

――17歳から今まで現場のお仕事をされていると、管理職も経験しているのではないでしょうか。

「職長(※建設現場における責任者)もやっていました。ただ、本気でMMAに取り組むために、ここ1~2年はあまり現場には出ていなくて。

2021年2月、杉山しずかさんに負けたじゃないですか。あの試合はMMAを始めて1年ぐらいで、ホンマに悔しかったんですよ。MMAのことを何も知らずに、恥ずかしい負け方をして。もっともっとMMAをやりこまなアカンと思いました。私も当時26歳で、MMAとの向き合い方を考えるなら、これが最後のチャンスや――と」

――杉山戦の前と後では、どのような点が一番大きく異なりますか。

「気持ちの面は変わっていないです。やっぱりMMAの知識や技術の面では違いますよね。今5~6年MMAをやってきて、ようやく分かることもあるじゃないですか。『あの時あのレベルで、よう試合に出ていたな』とか思ったり(苦笑)」

――もともとサッカーをやっていた栗山選手がMMAでは立ち技主体のスタイルを選択した。それは所属するスモーカージムのスタイルも関係しているでしょう。ただ、その場合「盛り上げるために立ち技で、打撃で試合をする」と考えるファイターも少なくないです。

「はい、そうですね」

――一方でスモーカージムの場合は意識が変わってきたと思います。試合でテイクダウンされると、応援団から「立て! 立て!」と声が掛かる。その中には「お前は立たな勝たれへんぞ!」という声が混ざっていました。

「そのとおりです。勝つために、打撃で倒すために――その気持ちは同じやと思います」

――そのためにジムの練習もスタンドが中心となるのですか。

「2年前ぐらい前までは、練習もスパーリング中心でした。3~4時間ずっとスパーリングしているような……。その練習が変わっていったのは、(萩原)京平君がRIZINに出始めてからです。『もっと組みの練習をせな勝たれへん』って、チーム全体で組みの練習に取り組むようになりました。壁際の攻防はもちろん、寝かされてもすぐに立てるように」

――それはジムに組みの指導者を招くようになったのでしょうか。それとも出稽古ですか。

「私の場合は、まず出稽古でした。関西のジムもそうですし、東京でも練習させてもらっています。京平君も岸本泰昭さんに教わったり、その内容をスモーカージムに持ち帰って確認していますね。私はカルペディエム芦屋のプロ練習に参加させもらい、そこで知り合ったパンクラス稲垣組の北方大地さんにも、レスリングを教わるようになりました」

――カルペディエム芦屋のプロ練習に参加しているのですか。他に女性はいますか。

「サダエ・マヌーフさんが来てはるぐらいで、基本的に男の人ばかりですね。東京だと同じぐらいの体格の女子選手も多いじゃないですか。今の自分がどれくらい通用するのか確認するために、東京でも練習させてもらっています。

レスリングの練習をしていて、打撃面についても気づくことがありました。組まれた時にテイクダウンのディフェンスをする。でも、その時点ですでに後手に回っているわけですよね。それはディフェンスのことだけを考える状態になっていて。もちろんディフェンスしたあとに打撃を当てることがベストやけど、守るためのレスリングばかりを考えていてはアカンって思うようになったんです。攻めるためのレスリングも学ばないといけないっていう自覚も生まれてきて」

――確かにスモーカージムの選手の試合も変わってきたと思います。ケージに押し込まれた選手が差し返して、逆に投げを打つ場面もあります。しかし仰る通り、まずケージに押し込まれないために何をするべきか。栗山選手の場合は圧倒的に蹴りの数が増え、まず蹴りで相手を下がらせてからパンチを当てるようになりました。

「最近それをメッチャ言われるんですよ。戦い方を考えるようになったのは、去年2月に中井りん選手に負けてからですね。以前は打撃に自信があったとしても、組まれるのが怖いから後ろ重心というか……構えも腰が引けていて。だから弱いパンチしか当てることができませんでした。でもレスリングを教わることで組みにも自信がついて、より前に出ることができるようになったとは思います」

――大阪でもスコーピオンジムで女子選手が集まって練習するようになりました。

「スコーピオンジムは毎週土日に女子練習会が行われています。今は私もテイクダウンディフェンス、倒されないことを重点的に練習していますけど、これからはシフトチェンジも必要になってくるとは思うんですね。先ほども言ったとおり倒されないだけでなく、寝かされても立ち上がること。あるいは寝技の攻防をしながら立ち上がること、ですね。ただただ寝技の攻防を嫌がっていては勝てないと思うので。

たとえば須田萌里ちゃんと練習していたら、私のほうが体格も大きいし、力だけで抑え込めるかもしれないです。でも、それじゃダメなんですよね。彼女の柔術の技術は高い。だから彼女の技に対して、私も技で対応しないと練習にならないじゃないですか」

――確かに、そのとおりです。

「カルペディエムでも、背中を着かされてから立ち上がる練習もしています。最初に岩﨑(正寛カルペディエム芦屋代表)さんから言われたのは、『まずは何回も繰り返して練習すること。そうしないと寝技は身に付かない』と。それからずっと打ち込みから続けていて。

それでスモーカージムの練習も変わってきました。スパーは出稽古先でやらせてもらう。ジムでは打撃もミット、組み技も打ち込みが中心になって。そういうことがホンマに大事なんやなって思うようになりましたね」

――さらにスモーカージムの選手の場合は、1Rに押されていてもインターバル中に、松山誠代表に気合いを入れられて2Rから復活するという。

「アハハハ! (桑本)征希は特にそういうタイプですね。インターバルのあとは明らかに動きが違う(笑)。他の選手もそうですし、やっぱりジムのファミリー感であり、信頼感があると思います」

――なるほど。次はMANA選手という、まさに今スモーカージムで取り組んでいることを証明するための試合は組まれました。

「MANA選手が柔道出身で、まず組んでくる選手ですからね。それは今までの試合も同じなので、MANA選手対策というよりは自分のレベルアップのほうが重要だと思っています。柔道ベースの選手対策は、前回の齊藤百瑚戦からやっていて――BLOWSにも出稽古に行かせてもらっているんですよ。そこで柔道出身の方に『ここはこうしたら、相手はこう来る』みたいなことを教わって、シチュエーションスパーもやらせてもらっています。

DEEPジュエルスのフライ級トーナメントでは中井りん選手に負けて、ベルトには届きませんでした。あの時よりも強くなっている実感があるんです。それだけの練習をさせてもらっていると思うので。今大会のメインで試合をするDEEPジュエルス王者の松田亜莉紗さんをはじめ、大島沙緒里さん、本野美樹さんなど同年代の選手が活躍しているなかで、私も早く追いつきたいです」

■視聴方法(予定)
3月17日(日)
午後2時00分~DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャス

■DEEP OSAKA IMPACT2024#01対戦カード

<女子フライ級/アマチュアSPルール 3分2R>
山口恵(日本)
中本飛鳥(日本)

<女子54キロ契約/アマチュアSルール 3分2R >
橋本葵(日本)
高橋沙羅(日本)

<女子アトム級/アマチュアSルール 3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<ライト級/アマチュアSルール 3分2R>
中尾天丸(日本)
萩野王昇(日本)

<フライ級/5分2R>
綿谷誠(日本)
上谷章(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
藤田宇宙(日本)

<フライ級/5分2R>
井上暉也(日本)
飴山聖也(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田塾長こうすけ(日本)
千種純平(日本)

<バンタム級/5分2R>
田中壱季(日本)
キャプテン禎(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
松田亜莉紗(日本)
マドンナ・ザ・ロケット(タイ)

<女子フライ級/5分2R>
栗山葵(日本)
MANA(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
銀グラップリングシュートボクサーズ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
鈴木琢仁(日本)
角野晃平(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田直毅(日本)
MG眞介(日本)

<バンタム級/5分2R>
内山拓真(日本)
山﨑鼓大(日本)

<メガトン級/5分2R>
ステファン“スマッシュ”(フランス)
竹内龍吾(日本)

<女子45.5キロ契約/5分2R>
古林礼名(日本)
上瀬あかり(日本)

<女子ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香(日本)
こゆき(日本)

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【Special】Fight&Life#101より鶴屋浩ラストインタビューasパラエストラ千葉ネット代表「僕の仕事は─」

【写真】取材は2月某日に行われたが、次に柏を訪れる時はロゴは下のように変わっているはずだ(C)MMAPLANET

13日(水)、THE BLACKBELT JAPANの発足会見を開いた鶴屋浩元パラエストラ千葉ネットワーク代表。愛弟子であり盟友でもある松根良太元THEパラエストラ沖縄代表と新チームを創ったことで現役UFCファイター2人を含み、数だけでなく質でも日本を代表するMMAチームが誕生した。
Text by Manabu Takashima

その鶴屋代表が新チーム発足に関しての詳細を語ったインタビューが現在発売中のFIGHT & LIFE#101に掲載されている。鶴屋浩パラエストラ千葉ネットワーク代表としてのラストインタビューを全文掲載。自らのジムを立ち上げた際の中井祐樹パラエストラ・ネットワーク代表、高校生の時から鶴屋を支持する松根THE BLACKBELT JAPN副代表との人間関係とJ-MMA強化の想いとは──。


──SNSでパラエストラ千葉ネットワークとTHEパラエストラ沖縄が中井祐樹氏率いるパラエストラ・ネットワークから離れ、新しいグループで活動を始めるという発表がありました。

「1999年の12月に中井先生のお世話になり、パラエストラにとって7番目の道場として、パラエストラ松戸を立ち上げて約24年が過ぎました。この辺りで自分も中井先生の後ろ盾がなくやって行く。その時期が来たのではないかと」

──そもそも日本の総合格闘技の黎明期に消防士をされていた鶴屋さんは、松戸ちびっこレスリングという所属名こそありましたが、実質無所属として打撃と組み技が混ざったルールの大会に出場。常にアウェーの戦いに臨むような形でした。

「当時、僕は格闘技業界に友人はいませんでした。そんな頃、シューティングジムと呼ばれていた頃だったか、大宮でも練習をさせてもらうことがありました。あの時、大宮で自分の話し相手になってくれたのが中井先生だったんです」

──もう全日本アマ修斗で優勝をした後でしょうか。

「僕が優勝したのは1997年ですが、1996年で3位になった時に、一度プロデビューの話があったんです。優勝したマッハ(桜井マッハ速人)の相手で」

──えっ? そうだったのですか。マッハ選手のデビュー戦の相手は、アマ修斗決勝の再戦となった宇野薫選手のデビュー戦でもありました。

「実は最初は僕のところにオファーがあったんですよ。マッハは4試合中3試合で一本勝ちし、僕だけがポイント差だったので」

──トリビアですね。

「僕も受けるつもりだったんですけど、消防の仕事が入っている日で無理でした。あの時、中井先生は『俺がセコンドに就くよ』と言ってくださっていて。当時から中井先生は技も確かで、頭が良い人だから信頼をしていました。そして1999年にジムに立ち上げようと思った時に、中井先生に相談に行ったんです。中井先生もパラエストラ東京を立ち上げて1年が過ぎた頃で。その時の話のなかで『パラエストラ松戸というのもありじゃないの?』と言ってもらって。

──中井さんから、そのように言ってもらえたのですね。

「ハイ。そして、それを松根に話すと『やりましょう』って彼も言ってきて」

──えっ? 松根良太さんですか? 翌2000年の全日本アマ修斗に優勝した時、まだ高校生でしたが……。

「あの頃、とあるボディビルジムの3階の狭いスペースで週に2度ほど格闘技クラスを担当していたんです。ほんの少ししかいな生徒の中の一人が松根でした。当時から松根は天才的な動きをしていて、僕について回って付き人のような感じだったんです(笑)。で、『こうやっていこうと思う』と伝えると、『やりましょう!!』って乗ってきたわけです」

──それから24年、なぜこのタイミングで独立を?

「まず、この24年という間、中井先生には本当にお世話になりました。もちろん技術もたくさん教えていただきましたし、パラエストラを離れるというのは、僕も凄く悩みました。今は子供たちが4人とも格闘技をやっていて、多分このまま続けていくと思います。そこも考えましたね。自分の組織、チームを立ち上げてやっていくべきなのか。5年ぐらい前から考えるようになって。中井先生にも以前から相談はさせていただいていました。中井先生は竹を割ったような性格の方なので、『良いじゃないか』ということは言ってもらっていました。同時に松根にも相談をして、彼が『やるならついて行きます』と言ってくれて。松根の言葉は、今回の決断を大きく後押ししてくれました」

──そこにも松根さんの存在があったわけですね。

「松根と僕の関係は師匠と弟子、もう25年以上です。何かあると僕は彼に相談し、彼も僕にそうしてくれる。その関係はずっと変わりないです。松根のところから平良達郎がUFCと契約した。うちはROAD TO UFCの際中でしたが、鶴屋怜がサインをするのは絶対と見ていました。その勢いも独立に関係してきたとは思います」

──とはいえ、そもそもパラエストラ千葉ネットワークはJ-MMA界でも、最も人材が豊富なトップジムの一つで、パラエストラという名前があっても、もう独立国家のように見てしまっていました。

「自分はパラエストラ千葉ネットワークの代表ですが、何かあった時には中井先生が後ろに控えてくださっている。その気持ちがあったのは絶対です」

──パラエストラは何年か前にアフリエイトを支払う形に変わったかと思いますが、あの時にグループを抜けたジムもありました。

「僕はあの時に抜ける気はなかったです。凄くお世話になっていたし、これまで1年に1回は中井先生にパラエストラ柏でセミナーをやってもらい、終わった後は飲み会を開いていましたし(笑)。先日、松根と一緒に中井先生に挨拶に行き、『これまでと変わりない付き合いをしよう』と言って貰えて。本当に有難かったです。だから僕と中井先生の間は何か変わるということはなくて」

──結果、独立してどのような変化があるのでしょうか。

「それは自分の気持ちだと思うんです。中井先生、そしてパラエストラという後ろ盾がなくなり、全ての責任は自分にある状況です。そこ以外は何が変わるということはなく、今まで通り世界に通用するMMAチームを創っていくつもりです。さっきも言ったのですが、そのためにも今の勢いというのは必要だったのかもしれません。新たな気持ちで世界を目指そうということで」

──ハイ。

「早稲田大学レスリング部4年で、去年の全日本学生フリーで優勝しグレコで2位になっている山倉孝介(2021&2022年全日本選手権フリースタイル79キロ2位)が入会して、今年デビューする予定です。山倉は中学の時から教えていて戻ってきた形ですね。そういう風に色々なことがスタートします。

──ところで新しいチーム名は決まっているのでしょうか。

「いえ。候補はあるのですが、まだ決まっていないんです。やっぱり横文字ですかね。松根と岡田(凌)と相談しているんですよ。それほど気にしていなかったのに、これからずっと続くモノなので考えてしまうようになって(苦笑)。3月の終わりが4月の初めにRYO OKADA TOKYO INSTITUTEで正式発表を考えています。松根、達郎、扇久保(博正)とか(浅倉)カンナ、神田コウヤ達を呼んで。やっぱり色々な人に柏まで来てもらうのは、ご足労かと思って」

──ハイ。確かに(笑)。

「いやいや(苦笑)。ちなみに高島さんだったら、どのような名前が良いと思いますか」

──僭越ながら自分が鶴屋さんの立場なら、パラエストロイカですかね。

「ハハハハハ。却下です」

──ではジャパン・トップエストチームというのは?

「……。そこですか(笑)。僕はジャパン・トップチームができたことは業界として良いことだと捉えています。あの立派なケージがあって、指導者を外国から呼ぶことができる。それだけの資金があるジムが日本に誕生するということは。色々と言われていますが、それは米国がやってきたことと同じなので。ジャパン・トップチームを見て、僕らもしっかりとやらないといけないっていう気持ちになりますから。ライバルが頑張っているなら、自分たちも頑張らないといけない。負けていられないという気持ちはあります

──ジャパン・トップチームは誕生したばかりですが、TRIBE TOKYO MMA、BRAVE、HEARTS、そしてパラエストラ千葉ネットが若い世代の育成という部分で日本をリードしていると思います。そこに対して、負けるかという気持ちはあるのでしょうか。

「負けるかというよりも、良い意味でライバル心を持って皆で日本を盛り上げないといけないです。ラスベガスでUFC PIを見て、上海のPIを見ました。あれに勝つには町道場では無理だなというのが僕のなかにあって。だからジム同士も交流できるところは交流して、対世界ということを本気で考えないといけないです。目指しているところは、そこなんで。だから変えなければならないところは、ありますよね」

──だからこそジャパン・トップチームを歓迎するということですね。

「ハイ。これまでにないことをやっていますからね。あのやり方は批判する人もいますが、有りです。だからこそ、僕らも考えないといけない。千葉県のレスリングチームは以前、週に2度しか練習をしていなかったんです。それを僕のチームが6度練習を取り入れると、全国的に強くなりました。すると他のチームも4度、5度と練習するようになり千葉県全体が強くなりました。そこにライバル心があったからで。そういう効果が、MMAでもジャパン・トップチームの出現で見られるのではないかと思っています」

──新体制では千葉ネットの柏、松戸、千葉、そして沖縄の2つのジムになるということでしょうか。

「それとパーソナルジムですが、岡田も僕らの選手をサポートしてくれるグループの一員です」

──ここまで千葉ネット、沖縄と関係がなかったジムから新グループに加わりたいという声が挙がる可能性もあるかと思います。

「受け入れるために話を聞きます。話し合い合いによって一緒にやっていけるかどうかを判断する。そういう形になると思います」

──同じグループ内の選手同士の対戦は行っていくのでしょうか。

「組まれて、本人が戦う意向があれば戦わせます。平良達郎と鶴屋怜の試合をUFCが組めば、戦います。ウチのチームはもともと同門対決をやっていますし。修斗のインフィニティ―リーグ、ネクサスのミドル級王座決定トーナメントもパラエストラ千葉ネットワークから2人ずつ出場しています。一昨年のパンクラス、ネオブラッドトーナメント・フライ級は6人中3人がウチのチームでした。しかも柏から2人が出て」

──ハイ、濱田巧選手と伊藤まこと選手が決勝で対戦しています。

「今、試合も出ていない選手も含めると千葉、柏、松戸で50人以上のプロ選手がいるので当たってしまうこともあります。基本的に本人達が戦うというのであれば、試合はさせます。なるべくは、そうならないことを願っていますけど、それこそタイトル戦やトーナメントの決勝なら、選手もやりますよね」

──世界を目指すため、沖縄を含めるとこれだけの陣容が揃う中で自主興行の再開というのは?

「僕がプロモーター業をやることはないです。僕の仕事は道場で生徒を強くすること。それが僕のプロフェッションなので、死ぬまでコレ以外をする気はないです。ただしグループ内で、例えば岡田が大会を開きたいというのであれば、それは話し合います。大会をやれるならやってもらいます。何より独立をするから、今より環境を整えるということではないです。独立しなくても、そうすべきことですから。ただし、行動をすることは大切です」

──その行動という部分で、鶴屋さんも目に見えるような行動は起こされていますか。

「世界を目指すという部分で土屋(進)トレーナーに来てもらって、ラントレなどを指導してもらうようになりました。それと実は今日も、ボクシングのトレーナーと契約をして常勤になってもらいます。レスリングも日体柏高校が5分のところにあるので、以前からピュアレスリングの練習をさせてもらえるようになっていますし」

──指導に力を入れていく。それが鶴屋さんの役割なのですね。

「それとイリディウム・スポーツエージェンシーとも話をして、『良い選手がいればどんどん海外修行ができるようにする』と言われています。実際に向うを見て、練習をすることは勉強になりますから。あとはそこについて回るファイナンシャルの部分ですね。選手たちにスポンサーを見つけることも、大切になってきます。とにかく選手たちは金がないですから」

──そこは沖縄も同調しているという理解で宜しいですか。

「ハイ。松根も平良達郎をUFC世界フライ級チャンピオンにさせたいので。イリディウムとは別に国内のマネージメント会社とも連携をとっていますし。なるべく選手達が働かないで練習できる環境を整えていかないといけないです。変化を求めて動かないと、世界との距離はどんどん離されていきます」

──業界として変わることが難しいのであればジム単位、あるいは選手単位で変化が求められると。

「ROAD TO UFCを見ても中国が強くなっていることは明らかです。それは上海にPIがあり、あれだけの人口がある国で選ばれた選手が、PIで練習だけをしているからです。あっという間に、日本は逆転されました。つまり、このまま何もしないでいると日本のMMAはアジアでもおいていかれます」

──……。

「環境ですね。あと日本社会はMMAファイターとして世界で戦うという人間に対して、世間の目が冷たいです。昼間にここで練習をしていると、ちゃんと仕事をしていないっていう風に見られます。本当に変えていないかといけない。上手く機能しなかったら、また元に戻せば良いだけで。だからこそ、僕らから率先してどんどんと日本のMMAの環境を変えていかないと。そこに関してはこれまでと同じように色々と考えてやっていこうと思っています」

──格闘技ジム経営は選手育成よりも、一般会員を集める方が商売になります。それこそ鶴屋さんと松根さんの背中を見てきた岡田遼選手が、パーソナルのジムを選択したように。それでも選手育成が鶴屋さんにとって最重要視する部分なのですか。

「どちらかに比重を置いているつもりはないんですよ。ただプロを強化していると、そんなプロ選手の活躍を見た子たちが入門をしてきます。プロ選手に憧れて、プロになりたいと。地方都市からも、やってきますし」

──プロ志望の子たちの多くは、長続きしないというのも定説になっているかと思いますが……。

「技術指導だけでなく、コミュニケーションを取ることが大切です。やっぱり来なくなっちゃいますからね。そこで僕も若い頃のように『来ないなら辞めろ』っていう姿勢ではなくて、話をして、話を聞いて。彼らが続けられる道を見つけていく。それが僕の仕事で、それが良い環境を創ることになります」

──なるほど。可能性のある選手も、何かに躓くとジムに足が向かなくなることもあるでしょうし。そこは温かい目で根気よく付き合うと。

「そうです。そして地方の子にしても、都内と違って家賃が安くて済む。それが、この辺りの良さでもあります」

──なるほど。理に適っています。

「家賃が3万円程度だから、バイトをしながら練習ができます。そういう子たちをたまには家に呼んで飯を一緒に食うとか。同時に夜のプロ練習に加わって頑張っている一般会員さんもいて。結果的にプロを目指すようになる人もいます」

──あくまでも鶴屋浩は現場主義ということですね。

「そこは絶対です」

──今日はありがとうございました。新体制の正式発表と、それからの益々のご活躍に期待しています。

「ありがとうございます。とにかく僕の仕事は良い練習環境を整えること。それが選手の強化になり、日本のMMAを強くすることだと思っています」

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45 AB ABEMA DEEP Grachan MMA MMAPLANET o イゴール・タナベ キック ギレルメ・ナカガワ クレベル・コイケ トミー矢野 パンクラス ミスター・ホンデ ユン・チャンミン 中村京一郎 中村倫也 中谷優我 井村塁 修斗 前田浩平 古瀬美月 向坂準之助 山本歩夢 岡見勇信 巌流島 平本蓮 平田樹 松岡拓 椿飛鳥 溝口司 田嶋椋 秋山成勲 諸石一砂 野瀬翔平 青木真也 鶴屋怜

【FAW2024#01】再開、格闘代理戦争─01─。経験の中村。打のホンデ、超絶組み技力=ナカガワ&トミー矢野

【写真】4年振りの格闘代理戦争。後列がコーチ勢、前列が出場選手たち(C)MMAPLANET

14日(木)、明日15日(金)に会場非公開で開催される格闘代理戦争 THE MAXの計量及びトーナメント組み合わせ抽選会が行われた。

格闘技界の人材発掘を目的とし、2017年にABEMAが開始したリアリティTVショー=格闘代理戦争。キックとMMAの両部門で計5シーズンが実施され、MMAでは平田樹、韓国のユン・チャンミンが優勝し、前田浩平、椿飛鳥、古瀬美月らを輩出してきた。

そんな格闘代理戦争が、現役ファイターをコーチにプロキャリア5戦目までの選手に参加資格があるという形で4年振りに行われることとなった。

準々決勝は69キロ契約で3分✖3R(裁定は10Pラウンドマスト)、ドローの場合はマスト判定で決着がつけられる。明日の準々決勝後は4月に準決勝、5月に決勝が実施されるという短期決戦かつハードなトーナメントとなるという話も伝わってくる。

既に番組内で青木真也&中谷優我、秋山成勲&ミスター・ホンデ、平本蓮&向坂準之助、岡見勇信+中村倫也&中村京一郎、クレベル・コイケ&ギレルメ・ナカガワ、イゴール・タナベ&トミー矢野というコーチ陣&出場選手が発表されていた。


そして本日実施午後2時に実施された計量時に鶴屋怜&諸石一砂、田嶋椋&松岡拓という残り2枠のコーチ&出場選手が発表された。

「名前のない選手が優勝すれば、名前が売れて優勝賞金がもらえるので今後に生かせるので凄く良い企画」と格闘代理戦争の印象を語った鶴屋は、21歳で最年少コーチ就任となる。今回の出場選手と比較しても、8人中5人が彼より年上で、秋山との年齢差は実に27歳だ。

また約2週間後にパンクラスで井村塁戦が控える田嶋は、一般公募から出演が決まり、「格闘技は実力だけでなく知名度も必要になってくる。ここで知名度を上げて大きな舞台で戦う」という明確な参戦理由を話した。

ここでからは出場選手の計量結果と戦績を比較し戦力分析を行ってみたい。

中谷優我:68.85キロ(TEAM青木真也)
プロMMA戦績1勝1敗(※DEEP)
巌流島ルール1勝
打〇
倒〇〇
寝〇〇〇

ミスター・ホンデ:68.35キロ(TEAM秋山也勲)
プロ&アマキック36戦24勝
WBKF世界スーパーフェザー級王者
Breakingdown 2戦2勝
打〇〇〇〇〇
倒???
寝???

向坂準之助:65.45キロ(TEAM平本蓮)
極真空手4年
打???
倒???
寝???

中村京一郎:68.6キロ(TEAM岡見勇信+中村倫也)
MMA戦績4勝1敗(※Poundstorm、EXFIGHT、GRACHAN)
打〇〇〇〇
倒〇〇〇
寝〇〇〇

ギレルメ・ナカガワ:68.9キロ(TEAMクレベル・コイケ)
2023年IBJJFアジア茶帯ライトフェザー級3位
アマMMA10戦10勝(※DEEP SPルール等)
打〇〇
倒〇〇〇〇〇
寝〇〇〇〇〇

トミー矢野:68.8キロ(TEAMイゴール・タナベ)
2023年IBJJFムンジアル茶帯フェザー級3位
2023年IBJJFアジア茶帯フェザー級3位
2023年マリアナス・オープン茶帯オープン優勝
2023年JBJJF全日本ノーギ茶帯フェザー級優勝
アマパンクラスSクラストーナメント・ライト級優勝
打???
倒???
寝〇〇〇〇〇
※紫帯時代に南日本柔術選手権フェザー級で野瀬翔平に4-2で勝利

諸石一砂:68.95キロ(TEAM鶴屋怜)
プロMMA 2戦2勝
打〇〇〇〇
倒〇〇
寝〇〇

松岡拓:68.5キロ(TEAM田嶋椋)
アマMMA 15戦10勝5敗
2023年アマ修斗全日本ライト級3位
打???
倒???
寝???

MMAとして一番経験があるは中村、プロで4勝1敗の戦績を残しPOUNDSTORMで両国国技館という大舞台で戦っている。中谷と諸石もDEEP、修斗でプロとして戦っている。後者は長崎総合科学大学附属高等学校時代にサッカー部で、あの国見高校を長年率いていた名称・小嶺忠敏監督の指導を受けており、パンチだけでなく蹴りの強さも定評がある。

ミスター・ホンデの打撃の強さ、ナカガワと矢野の組みの強さは絶対的だ。MMA、トータルで見れば未知数だが、ナカガワはDEEPのアマMMAでも勝利しており、ケージで戦った経験もある。対してBreakingdownで2勝を挙げているポンデと、アマパンクラス優勝経験がある矢野は得意分野以外の部分で、どれだけの修練度があるか。

3分✖3Rという試合タイムを考えると──ブレイクのタイミング等は不明だが、組み技に秀でたファイターは極めだけでなく、ゲームコントロールができるという優位性を持つ。

とはいえ矢野がテイクダウンゲームを仕掛ける姿が想像でないのも事実。近づく、下になるという柔術では苦もない距離設定をどのように克服しているのか──幼少期からMMA思考だったとも聞くトミー矢野は要注目だ。

同様に突き抜けた打撃力を誇り、見るからにフィジカルが強そうなホンデは最もデンジャラスなファイターといえるだろう。

対して未知なのは松岡拓と向坂準之助の両者だ。前者のアマ修斗全日本3位という実績は誰もが残せるものではないが、プロ5戦目まで参加可能なことを考えると心もとない。向坂に関しては、一般募集から一度は合格も負傷欠場となった山本歩夢、溝口司という両者と比較すると格闘家としての実績不足は明白だ。同時にトーナメント戦は、組み合わせという要素が大きく作用する。その抽選の模様は後編で。

<この項、続く>

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45 AB DEEP MMA MMAPLANET o Special UFC   パンクラス ベンソン・ヘンダーソン 中村倫也 修斗 河名マスト 狩野優

【Special】Fight&Life#89から。未来予想図──2022年1月に河名マストと中村倫也が語っていたこと

【写真】変わった? 変わっていない? ちなみに2022年1月に生まれた赤ちゃんは、今は2年2カ月です(C)MMAPLANET

MMAPLANETで第一弾の記事がアップされたばかりの中村倫也×河名マスト対談。記事中で触れられたた2022年1月Fight & Life#89掲載用のインタビューで、その出会いから──今を予言するかのような将来が語られていた。
Text by Manabu Takashima

2月2カ月前にUFCを目指す両者が、何を話していたのか。改めて、今、このタイミングでMMAデビューイヤーを終えた2人の話に目を通して欲しい。


──専修大学の同級生から、まるで別ルートでMMAに辿り着いた中村倫也選手と河名マスト選手です。キッズからレスリングで活躍していた2 人ですし、出会いはもっと早かったのでしょうか。

中村 小学5年生の時に全国大会の1回戦で当たったのが、マストと最初の出会いですね(笑)。

──アハハハハ。そんな昔から!!

中村 小4の時にマストが26キロ級で優勝して、僕は28キロで…。

河名 3位だったんだよね。

──そんな風に相手のことを認識できていたのですね。で、2人が出会った時の試合結果は?

河名 ポイントは忘れましたが、僕が負けました。

中村 7-4です!!

河名 凄い、覚えているんだ。

──ドヤ顔ですね(笑)。

中村 あの試合は凄く覚えています。試合前から『あの子はチャンピオンだから』って意識していたら、小学生のくせしてヘッドギアをして、ボロボロのテーピングで巻いていて。『絶対強いじゃん!! 無理、無理』って(笑)。最初怖すぎてテイクダウン狙ったら、がぶり返しをポーンって合わされて。『クソ強い。ボコられる』って思いました。あの試合は勝てたことが凄く嬉しくて、終わってから映像を何度も見返していました。

河名 よぉ覚えとるわ(笑)。僕は負けたことしか覚えていなかったです。優勝した年に父親に火がついてしまって、『家にマット敷くぞ』みたいな状態になって。家でも練習していたのに負けて、相当に悔しかったです。あの年、倫也は優勝して。小6の時にはまた戦っているんです。今度は2-3で負けました。

──その時点でお互いをライバル視していましたか。

中村 マストが広島で、僕が埼玉だからブロックが違っていて年に1回、あっても2回ぐらいなのでそうでもなかったです。ただ全日本になると、来るなというのはありました。

──その関係は中学になっても継続していたのですか。

河名 中学になると当たり前に僕が負けるようになっていました。

中村 マストは中学の時は一旦、燃え尽き症候群になっていた時期で。

河名 どっちかという陸上に力を入れていて、レスリングはもういいやってなっていました。

中村 体育館で少し話して、陸上の方に行くんだと思っていました。

河名 倫也は中2で全国2位、中三で優勝していて。「やっぱり強いな。俺はコソコソやっていよう』って思って見ていました(笑)。

──でもレスリングに戻ったのは?

河名 高校で陸上かレスリングどちらかにしようと考えている時に、インターハイが石垣島であるのを知って、団体戦ならイケると思ってレスリング部に入ったんです。

中村 動機が不純すぎ(笑)。そのくせしてJOC杯(カデット)と国体で、ちゃっかり2位になっているんですよ。

──しっかりと結果を残していたということですね。

河名 倫也はJOC杯(同)優勝で、世界カデットで2位ですからね。

──高校での対戦は?

河名 僕がグレコで倫也はフリーだったので、もう当たることはなかったです。戦ったのは小学生の時の2度だけですね。

──そして大学で一緒になったと。グレコとフリーだと、練習をすることもないのですか。

中村 大学によっては完全に別々ですけど、専修大はどっちがどっちでやっても良いという空気でした。フリーの選手もグレコの練習をした方が良いし、逆も然りで。コーチがそういう感じで、僕もそう思ってやっていました。マストもめちゃくちゃフリーの練習をしていましたよ。

河名 グレコはガチガチで真面目にやらないといけないですけど、フリーだと遊び感覚でできたので。

中村 僕もフリーでは負けられないけど、グレコは別にそんなことなく、ただ思い切りやれば良いので楽しかったです。それこそフリーでポイントを失うと、ガヤが飛んできて大変なことになるので(笑)。

──寮生活だったと思いますが、練習以外での交流というのは?

中村 練習が終わって一緒にお好み焼きを焼いて食べたり。マストは広島なんで実家からプレートを持ってきて、ソバとか入れて焼いてくれるんですよ。

──やっぱり広島風なのですね。

河名 そこはやっぱり、拘っていました。

──私は関西なので……。

中村 ダメです!! その会話は。もう1年の時から、さんざっぱら論争になっていたので(笑)。あとは牡蠣が送られてきたり。練習後に牡蠣パーティもしましたね。

河名 それでノロウィルスで下痢になって(笑)。

──アハハハ。日本のトップレスラーも、大学生をしていたのですね。

河名 休みの時は一緒に渋谷に行ったりしていましたよ。でも、倫也はすぐに奇行に走るんですよ。内容は下品過ぎて言えませんが……。

中村 骨盤底筋群……インナーを鍛えまくった成果だから、皆に披露したくて(笑)。

河名 僕も◯◯見ました。しょっちゅう見せているので(笑)。別に酒を飲んでいなくてもやるんです。

──アハハハ。モノが違いますね。ところで一つ伺いたかったことがあるのですが、大会に向け複数名が寮の中で減量するわけじゃないですか。どのような空気になるのですか。

河名 機嫌が悪くなる先輩もいたので、そこは気を付けていました。

中村 レスリングの減量は練習で1.5キロ落として、500グラム食べる。10日間続けると、10キロ落ちる。そんな感じだったんです。

──えっ? 

中村 僕はハイパーダイエットとハイパーリカバリーっていうのがあるのを格闘技雑誌で知って。向うのサイトをチェックしたりして、浸透圧とか勉強しましたね。塩抜き、水抜きをやってみると『これはめっちゃ楽に体重が落ちるぞ』って(笑)。

河名 僕らも減量の仕方を倫也に教えてもらっていました。当時から倫也がMMAに進むつもりだっていうことは皆が知っていたし。でもレスリングでもヒーローみたいで、コイツはずっと上に突き進むんだろうと皆が思っていました。リーダー気質というか、ついていきたくなる人間だったんです。で、ついてくと◯◯を見せられる(笑)。

──アハハハハ。マスト選手は良い感じ話術が優れていますね。それにしても倫也選手は大学の同期からも、そのように思われていたと。

河名 倫也は2年でインカレと全日本大学フリー選手権の両方で優勝して。大学って高校から入ってきた1年の時と卒業する前の4年の時って、全くフィジカルが違うんです。普通の高校王者だと勝ち抜けないです。全日本王者の高橋(侑希)選手に全日本選抜で勝ったり、その時点でもう日本のトップクラスでした。

中村 でも3年、4年とケガをしてどっちも欠場していますからね。逆にマストは4年でインカレと全日本大学グレコ選手権で優勝しているんです。僕のことをああいう風に言ってくれますけど、マストこそ大きなケガをせず、コツコツやって力をつけてチームの皆が喜ぶ勝ちを収めていました。だって大学3年の時に倉本(一真。現MMAファイターで2014年の全日本優勝)さんをリオ五輪の最終予選でぶっ倒しているんですよ。『ここまで来てんのか』って。

河名 あそこで俺も五輪って言って良いんだと思って。

──倫也選手は、もっと早く五輪を目標にしていたのですか。

中村 僕は五輪よりもUFCでした。必死で五輪に行きたい人間からすると『何言ってるんだ!』って反感を買っていたと思います。でも、それがなんだって。何が悪いんだって。

河名 倫也の取り組みを見ている人間なら、そういうことは思わないです。練習だけでなく、私生活でもそこを真っ直ぐ目指していることが伝わって来ていたので。誰も何も言わないし、本当に応援したいという風に大学の皆はなっていました。

──では一昨年の4月にMMAに転向した時は、マスト選手は『ついに』という感じだったのでしょうか。

河名 「やっとか。現実になって良かった。倫也のやりたいことができる」ぐらいで。そういえば倫也は入寮の時にベンソン・ヘンダーソンのフィギアを持っていました(笑)。

中村 あとアンデウソン・シウバの等身大のパネルですね(笑)。

河名 そんなだから、倫也がどれだけレスリングで成功しても、最終的にはMMAに行くと思っていました。

──では昨年、マスト選手がMMAに転向すると知った時、倫也選手はどう思われましたか。

中村 「勧めないぞ。この世界は」って思いました(笑)。僕自身が壁にぶち当たっている時だったんで。TRIBEさんのプロ練習で背中を伸ばされて、『あぁ』とか言っていた頃で。もう泣きながら電車に乗っていた時期だったので、『ホントに?』って。ただ自分が我がままを貫き通していたので反対はしなかったです。

河名 倫也の場合は根っからのMMAファイターが、レスリングも強かったということだったと思います。

中村 それはケガをした期間のおかげです。その間はレスリングを離れて、体の使い方とか凄く勉強していたんです。皆が言われたままにウェイトとかやっている時に。

河名 とにかく大きくなれみたいなフィジカルだったもんね。

中村 その間、僕はUFCや米国の練習を研究して、機能回復系のジムに行ったり。だからケガから復帰した時には新しい動きができて、新しい技が使えるようになる。そういうことを繰り替えてしていたので、MMAでも自分を落とし込めるようになっていました。

──その辺りはプロ初戦を左ハイでKO勝ちの倫也選手と、右ハイから流血TKO負けになったマスト選手で明暗が分かれました。

河名 やっぱ、こうなるかって(笑)。もちろん勝つつもりで戦いましたけど、こうなるなと……。倫也のあの勝ち方は20数年間のMMAへの愛が形になったと思いました。

中村 あぁ、確かに。でもマストにはマストの強くなり方があります。レスリングの時と同じでケガがなくて、練習を続けて強くなる。もう4試合もしていますからね。ランデルマンに負けたあとの、ミルコみたいなペースです(笑)。

──例えが(笑)。そしてマスト選手は、EXFIGHTで狩野優戦が決まりました。組み技を合わせると10月から5カ月連続の実戦です。

倫也 ヤバいよ、ソレ。前の試合の打ち上げでマストも「ちょっと休む、さすがに」って言っていたんです。で、家に戻ると『EXFIGHTのオファーが来てしまった』ってメッセージが入っていて。でも、徐々に思い切り打撃が出せるようになっていますしね。本当に試合をする度に成長しているんです、マストは。

──一方、倫也選手は4月にLDHのPOUNDSTORM出場が確定しています。髙谷さんは最高に厳しい相手を用意したいと……。

中村 僕もそのつもりです。何も決まっていませんが勝手なことを言わせて貰えば、UFCに行くためのフィーダーショーで一番強いチャンピオンとやりたい。そしてPOUNDSTROM後にコンテンダーシリーズに出て、UFCとの契約を取りたいです。そこで取れなくても、インパクトは残せると思うので最長でも再来年にはUFCへ行きます。

──再来年ですか、来年ではなくて。

中村 そこでこけると、もう一回順番を持つことになるので……その覚悟を持って挑みます。でも最短だと9月ですっ!!

──今の言葉を聞いて、マスト選手はどう思われますか。

河名 倫也なら、やっちゃうんだろうなって思います。それが倫也らしさなんで(笑)。

中村 言っちゃたぁ(笑)。

──マスト選手もUFCが目標と公言しています。

河名 期間で言うと、最速で再来年を目標にしています。そこまでに国内のフェザー級のトップ、パンクラス、DEEP、修斗のチャンピオン・クラスに勝てるようになっていたい。団体に拘りはないですけど、そうなっていないといけないです。

中村 マストは『コイツを食ったかぁ』という風に勝つときが来て、そのまま一気に行っちゃうと思います。

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【NEWS】J-MMA黒帯集団誕生! パラ千葉ネット&THEパラ沖縄連合、新チーム名はTHE BLACKBELT JAPANに!!

【写真】日本有数のMMAチームが誕生した(C)MMAPLANET

13日(水)、東京都墨田区のRYO OKADA TOKYO INSTITUTEで旧パラエストラ千葉ネットワーク及び旧Theパラエストラ沖縄が合同会見を開き、パラエストラネットワークから独立しTHE BLACKBELT JAPANとして新たに活動をしてくことが明らかとなった。

既に独立に関しては1月に鶴屋浩THE BLACKBELT JAPAN 代表、そして松根良太THE BLACKBELT JAPAN 副代表がSNSで明らかとしていたが、その日本有数のプロMMA集団のネーミングは鶴屋代表の武道を尊び気持ちが表れている。

国際武道大卒業論文のテーマが「武道とは」だったという鶴屋代表。THE BLACKBELT JAPANというチーム名には──礼が欠ける一面が目立ってきたMMAにあって、「戦いを止める道」こそ武道の本質であり、その道をMMAにおいても追い求めるという想いが込められていた。

今回の会見には総勢70名に及ぶプロ選手が在籍することとなったTHE BLACKBELT JAPANを代表し、扇久保博正、岡田遼、神田コウヤ、太田忍、浅倉カンナ、鶴屋怜、御代川聡志、重田ホノカ、KAREN、そして米国でのトレーニングから帰国したばかりの平良達郎が出席した。


以下、各選手の新チーム発足に向けての抱負となる。

扇久保博正
「うちのジムは日本でトップのジムだと個人的に思っていますので、その名に恥じぬようしっかりと結果を残していきたいと思います」

平良達郎
「ジム名が変わって、チームの一員としてUFCという舞台で良い戦いをして結果を残していけるよう頑張ります。押忍」

鶴屋怜
「自分はUFCが決まって、このTHE BLACKBELT JAPANを日本一、世界一のジムにするために、UFCのベルトをこのジムに持って来るんで期待してください」

太田忍
「パラエストラ千葉ネットワークの所属という形で、昨日はRIZINの記者会見に出ましたが、これからはTHE BLACKBELT JAPAN所属の太田忍として、4月29日に試合が決まっているので帯を締め直して新たな気持ちで頑張っていきたいと思います」

神田コウヤ
「BLACKBELTということで今、柔術は茶帯なのでしっかりと黒帯を取れるようにするのと、もう1本チャンピオンベルトを獲れるように頑張りたいと思います」

重田ホノカ
「新しい風を吹かせて、結果を出して頑張っていきたいと思います」

浅倉カンナ
「新しい気持ちでジムの皆とまた強くなっていければと思っています」

KAREN
「4月から新しい名称で、チーム全体でさらに上を目指していくと思うので、自分も勝ち続けて年内にはベルトを獲って世界に行きます。応援宜しくお願いします」

岡田遼
「引き続き鶴屋代表と松根さんのチャレンジを、まぁちょこっとだけ選手として、あとは裏方としてサポートしていきたいと思います」

なお御代川聡志は会見時間に間に合わずコメントはなかった。ここからは質疑応答からMMAPLANETの問いに対しての返答を抜粋してお送りしたい(※要約)

──岡田選手、もう少し現役でという話がありましたが、その後の黒幕としての活動はどのように考えていますか。

岡田 BLACKBELTだけに黒幕ということなんですけど、いつというのはまだ決まっていなくて──ですね。師匠2人に相談しつつ、サポートしている選手の状態も鑑みて、最後に1回必ず試合をしたいと考えています」

──代表と副代表に質問です。チーム名にTHEが入っていますが、これはTHEパラエストラ沖縄と同じです。とはいえ、書き手としてカタナカ表記になると使いづらい。今後、カナカナ表記でも「ザ」は欠かせないという考えでしょうか。

松根 この名前を打ち出された時に鶴屋さんの方から「BLACKBELT JAPAN」としてやりたいと。私はずっと鶴屋さんの後をついて歩いてきたので、『鶴屋さんが決めたのなら、それが一番良いと思う』と伝えました。ただ、僕の希望としてTHEを入れさせていただきました。パラエストラ沖縄にもTHEをつけたのは鶴屋浩(つるやひろし)エンターテイメント、鶴屋浩を尊敬するところからでした。今後、歩んでいくうえで鶴屋浩代表が引っ張って行ってくれて、それが先々長く続くために──『鶴屋浩が創ったジムとして、THEをつけてください』とお願いし、了承してもらった形です。ぜひ、ザをつけてくださればと思います(笑)」

─チーム名発表から、一番手としてパンクラスのタイトル戦に挑むことになることについて重田選手、改めて意気込みのほどをお願いできますか。

「第一号のベルトを獲ることが凄く大切だと思うので、良い風を吹かせることができるように31日にベルトを獲ってあたらしいジムに勢いをつかせたいです」

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波乱の予感⁈【RIZIN LANDMARK 9】中村K太郎vsサトシ、井上直樹vs佐藤将光、武田光司vs萩原選手!

【RIZIN LANDMARK 9 in KOBE 】
3月23日(土)神戸ワールド記念ホール

ホベルト・サトシ・ソウザ vs. 中村K太郎

井上直樹 vs. 佐藤将光

武田光司 vs. 萩原京平

こちらの3試合をご紹介!!
さわやか五郎とアマレス兄弟の3人で見どころをお伝えします!

#RIZIN #DEEPJEWELS #DEEP #総合格闘
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【DEEP118】バンタム級進出の福田龍彌─02─「雅選手は努力家。だから僕は試合を楽しむことができる」

【写真】プロフェッショナルファイターとして、MMAを戦う職人としての福田の言葉から気づかされることは多い(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118にて、雅駿介と対戦する福田龍彌がインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

福田は1月の平良達郎との練習で「殴り合いの強さ」を再確認したという。殴り合いの強さを生み出す理由の一つは、福田の練習への取り組み方にある。その最たるものがボクシンググローブとMMAグローブの違いだ。バンタム級の戦いでも、殴り合いの強さを発揮できるか。雅のムエタイMMAとの邂逅で、そうした技術ポイントにも注目してほしい。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――殴り合いといっても、福田選手の場合はパンチをブンブン振り回しているわけではないですよね。振り回す相手に対して、カウンターでインサイドから急所を突くことができる。

「そういう能力がある、とは自分でもそう思っています。みんながガムシャラに打ち合っちゃうときに、ちゃんと相手の動きを最後まで見ることができるというか」

――しかも、そんななかで正確に自分のナックルを当てきることができる。たとえば2月18日のパンクラス大阪大会では、メインとコメインは正確な左ジャブの積み重ねがフィニッシュに結びつきました。

「あぁ、なるほど。まさに基本どおりで」

――はい。UFCを見ると、その正確性は究極的に高まりますよね。試合写真も左ジャブがまっすぐ伸び、ナックルが相手の鼻突を捉えているものばかりで。国内のファイターの中で福田選手は、右ジャブも左ストレートもその正確性が飛び抜けていると思います。

「そうですね。やっぱりパンチについては――僕、ボクシンググローブを着けて練習することが、ほとんどないんですよ。ボクシンググローブでスパーするのは止めました。ボクサーやキックボクサーの人と、ボクシンググローブをつけてマススパーをやることはありますよ。でもガチで倒し合うスパーはやらないです。しっかり当てる練習をする時ほど、MMAグローブでやらな意味ないと思っているんで」

――ボクシンググローブを使わなくなったのは、いつ頃からでしょうか。

「3年前ぐらいじゃないですかね。そもそもパンチの練習って、そんなにスパーは必要ない。MMAファイターはスパーリングをしすぎやと思っています。ボクシンググローブの練習に時間を割きすぎても良くない。確かにそのバランスは難しいところではありますけど、ちゃんと考えて練習しているファイターもいるから。MMAグローブでフォームや当てる時のインパクトの練習をするほうが大事じゃないですか。本来、MMAってジムに持って行く練習用具が少ないはずなんですよ」

――というと?

「持って行くのはMMAグローブ、マウスピース、あとファウルカップぐらいじゃないですか」

――レガースは持って行かないのですか。

「僕はレガースを着けないです。レガースを着けていると、組まれた時の足の抜き方も違ってきますからね。スパーリングで相手に生のスネで蹴られても文句は言わないし、僕も生スネで蹴ります。パンチと同じように蹴りでも思いっきりやらないというか、練習に威力は必要ないと思うんですよ。どちらかといえばフォームやタイミング、距離感、角度のほうが大事で。スパーでそれらを掴むことができていたら問題ないです」

――柔道やレスリングなど組み技競技は乱取り稽古がある影響で、MMAでもいわゆるガチスパーが多くなっているのでしょうか。ジムの指導方針にもよりますが、ボクシングやキックボクシングの場合は練習の中でガチスパーの割合は高くないですよね。

「もちろんガチスパーも大切ではありますよ。でもその割合をMMAに適用するのはどうかな、って思います。ファイターのタイプにもよるけど。組技でも乱取りだけでなく打ち込みがあって、スパーリングばかりしているわけじゃない。でもMMAはスパーが多くなるという面はあって」

――福田選手がタイにいた頃のムエタイジムはどうでしたか。

「スパーはやりますよ。でもスパーの中で、騙し合いみたいなものをメインにしていました。ガツガツと倒し合うスパーは週2回ぐらいったかなぁ。もうだいぶ昔の話ですけど。タイの場合は特にトレーナーさんがミットを持ってくれる量がハンパないから。トレーナーさんがミットで受けながら、しっかりと打ち返してくれるじゃないですか。ミット打ちの中にスパーに近い要素がありますよね。僕とウエタユウ(MIBURO代表)さんのミットも、そんな感じで。自分のファイトスタイルが固まっている選手であれば、実戦に沿ってそのスタイルの質を上げるための練習をするべきやなって思います」

――国内でいえば、リオン武選手はMMAグローブでナックルの当て方が最も巧いファイターの一人だと思います。これは10年前に取材で訊いたことではありますが、リオン選手もボクシンググローブで練習したことはなかったそうです。そして、拳を骨折したこともないという。

「リオン選手は巧いですよねぇ。ボクシンググローブを使わないのも、よく分かります。何が一番違うかといえば、ボクシンググローブってしっかりと握りこまないんですよ。というか、握り込めない。特に親指が浮いた状態になって――その感覚やとMMAグローブでは、しっかり殴れないです。あと骨折も自分は一度ぐらいで、それ以外は怪我をしたことがなくて。

サンドバッグもMMAグローブでやったほうが良いですよ。ボクシンググローブでやると、どうしても腕の振りだけで強く当てようとしますから。すると『バーン!』という表面的な音だけで、みんな酔いしれてしまう。その打ち方では、頭やヒジとか堅い箇所に当たると拳が折れてしまうんです。正確にナックルを当てる感覚も、微妙な拳の握り具合の感覚も身に着かない。僕のことを理解して、大切にしてくれている人にはOFGの練習を推奨していますね。……今日、こういう話で良いんですか?」

――そうした練習の取り組み方こそが、プロフェッショナルファイターの証ではないでしょうか。以前のインタビューで福田選手が仰っていた、「料理している姿を見ていているだけでも面白い」という料理人さんの姿と同じで。

「なるほど。その所作が重要ですよね。ブンブン振り回してKOしているところを切り抜いただけでは、『オレも勢いだけで行けるんちゃう?』と勘違いされてしまう。僕は試合で『福田のテクニックって凄いなぁ』と思ってもらえるようなものを提供したいです。それがプロフェッショナルやし、プロとしてこだわる部分じゃないですかね」

――なるほど。貴重なお話をありがとうございます。そこで次の試合に関してですが、最初のオファーからバンタム級で雅選手と対戦というお話だったのですか。

「最初は1月のBlack Combatが終わるまで分からへん、って感じでした。もちろん雅選手との試合という案も最初からあったでしょうし、たぶんユ・スヨンの試合がどうなるかによって変わるのかなと思っていて」

――今回の試合で重要なポイントは、対戦相手が雅選手であることはもちろん、福田選手がバンタム級で戦うという点だと思います。

「現状、神龍君とのフライ級王座統一戦はないでしょうからね。GPが終わって、フライ級で戦いたい相手もおらへんし。それと最初の話にもあったように、やっぱりカザフスタンの試合からダメージが残っていて。ここでフライ級まで落とすために労力を使うのも違うのかなと思ったんですよ。

僕も30歳を過ぎて、フライ級まで落とした翌日にベストコンディションで試合できるかどうかは――正直言って自信はないです。カザフスタンの経験も生かしたうえで、多少は体格が小さくてもバンタム級で試合をしようと決めました。

もしかしたらバンタム級では組んでグシャグシャにされるかもしれないし、『やっぱりフィジカル差があるよね』と言われるかもしれない。でも僕にとってのMMAは、そういうものだけじゃないと思っているので」

――実際に試合をしてみないと分かりませんが、グシャグシャにされるかどうかは当日のコンディションに依るところも大きいのではないですか。先ほど福田選手ご自身が言われたとおり、フライ級まで落とした翌日のコンディションと、バンタム級で臨む当日のコンディションも違うでしょう。

「ぶっちゃけフライ級の時は、翌日までにコンディションを戻せる自信はなかったです。GP決勝戦はコンディションも最悪で……。体の中で何かが固まっている感覚があったんですよ。呼吸も浅くなっていたりとか。計量後にそれほど食べたり飲み物を摂取していたわけでもないのに。

そこまでの減量をしてまで、フライ級にこだわる気持ちはなかったです。僕はもう名声やタイトルは求めていないわけですよ。とにかく戦うことを生業として、戦いを楽しみたい。でもフライ級で続けると、戦いを楽しむことができないと思って」

――……。

「決してバンタム級をナメているわけじゃないです。バンタム級だと相手の体も大きくて、強い選手も多い。そっちのほうがヒリヒリした試合ができるんじゃないかと思っています。次の対戦相手の雅選手なんて、特に最近は良い勝ち方をしているじゃないですか」

――雅選手もムエタイを生かした自分のMMAスタイルが固まってきて、一気に勝ち星が増えてきたと思います。

「そうそう。ナックモエとかじゃなくて、完全なMMAファイターになっている。レスリングもしっかりしているじゃないですか。最近は首相撲よりレスリング技術のほうが印象に残っていますね。MMAを始めて、本当に一つひとつ積み上げてきたんやなって思います。雅選手は、そういう努力家の面が試合で見えるファイターで。だから僕としては純粋に試合を楽しむことができると思いますよ。雅戦は良いセッションにしたいです」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ 対戦カード

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス(グアム)
[暫定王者]酒井リョウ(日本)

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ(日本)
[挑戦者]青井人(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ(韓国)
[挑戦者]江藤公洋(日本)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
雅駿介(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生(日本)
倉本大悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
平松翔(日本)
魚井フルスイング(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
小崎連(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空(日本)
菅涼星(日本)

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【ONE166】パシオの挑戦を受けるジャレッド・ブルックス「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ」

【写真】舌好調なジャレッド・ブルックスでした(C)MMAPLANET

3月1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」でONE世界ストロー級王者ジャレッド・ブルックスが、ジョシュア・パシオの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

2022年にそのパシオからベルトを奪ったブルックスだが、昨年はMMAの試合はなくマイキー・ムスメシの持つサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑んで敗れた。そのブルックスが、1年3カ月振りのMMAでの試合に向けて胸の内をダイレクトにぶつけた。

かつてのようなトラッシュ・トーカーではない。それでも、相手をこき下ろす言葉はリズムに乗ってスラスラと口をつく。それでいて、変わらない日本への想い。アスリート然としていない実力者、それがブルックスの魅力だと再確認できた。


──カタールでの試合になりますが、中東を過去に訪れたことは?

「ないよ。今回が初めてだ。でも、ホテルは本当に綺麗で食事も最高だ。こうやって旅をするのは大好きだけど、本当にカタールに来ることができてハッピーだよ」

──東南アジアと中東、どちらの方が移動は大変ですが?

「そこは特にどちらが良いっていうことはないかな。やはり試合前は少しでも早く現地入りをして、調整をしたいから。ただ試合の2日前にシンガポールに入った時も問題なかった。どんな状況でも開催地に行って、試合をする。それが僕の仕事だから。さっきも言ったように、どこへ行くのも最高だからね。ただし、これまでの人生で一番の訪問先は日本であることは譲りようがないよ」

──ありがとうございます。サービストークでない感じが伝わって来て、嬉しい限りです。

「だって2016年にWSOF-CG、そしてパンクラスで戦った時から、ずっとこうやって取材をしてくれるメディアもいて」

──そのMMAメディアとして、昨年のONEにはフラストレーションがたまりました。ムエタイやサブミッショングラップリングを盛り上げるために、MMAファイター……しかもチャンピオンが使われたような感じで。

「僕だってMMAをもっと戦いたかった。そして僕のスター性を重視し、米国大会でプッシュするべきだろうって思っていたよ。僕が防衛戦を行わないことで、ストロー級の動きも止まってしまう。選手たちもフラストレーションがたまる。でもプロとして、求められることをするのも僕の役割だ。MMAの試合が少ないことで不満が起こるのは、僕の責任ではなくてプロモーションの問題だから。僕自身は少しでも多くファイトをしたい。30歳、これからの5年間が僕にとってピークとなるだろうから。これからの5年は、可能か限りの試合数をこなしたい。

スーパースターになって皆を引っ張りたい。でも、米国人だ。アジアベースのプロモーションでその役割は求められていない。結果として自分のために戦うわけで、そこも気にしていないよ、もう。皆が僕を嫌っていても構わない。僕はリング、ケージに上がって戦うだけで。

ONEはムエタイと柔術をMMAのように大きなスポーツにしたいという考えがあるわけだし、MMAファイターがそこに交わるのは最上のアイデアなんだよ。だってMMAこそが、最も世界で知られたファイトなんだから。UFCがあり、日本にだってPRIDEがあってRIZINがある。ムエタイと柔術は、そこまでの大きな存在になっていない。まだ、スーパースタースポーツにはなり得ていない。だからね、そこに力を入れられて、MMAファイターがムエタイや柔術が知られるためのツールにされるなんて、実際はファッ〇〇フって気持ちだよ」

──アハハハハ。

「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ。僕が最高のショーを見せてやるから」

──最高です。ところで今回の挑戦者はジョシュア・パシオになりました。タイトルを奪取したときに、初防衛の相手がジョシュアになると思っていましたか。

「僕はストロー級でやるべきことは、やり尽くした。ボカン・マスンヤネ、リト・アディワンをフィニッシュし、ヒロバ・ミノワも判定だったけどニア・フィニッシュまで追い込んでいる。ジョシュア・パシオをそうだ。他の試合よりは少し接戦だったけど、文句のない勝ち方だった。だから、なぜONEがまた彼と戦わせたいのか分からない。

とにかくジョシュア・パシオを再び倒し、僕はDJとの試合に向かう。今回、ストロー級最強だと証明し、DJを指名する。柔術なんてやっている暇はないぞってね。そして、もう2度とジョシュア・パシオと戦うことはない。ONEはジョシュア・パシオにチャンスを与え過ぎだ。今回の試合で皆を黙らせ、ジョシュア・パシオが二度と大口を叩けないようにする。フィリピン人のファンの皆がリアル・ファイター、本物のミックスマーシャルアーチストとはどういう人間なのか、正しい道に導いてやろうと思っている」

──押忍。ところでジョシュアとマンスール・マラチェフの試合は、どのように見ましたか。あそこでマラチェフが勝っていれば、今大会の挑戦者も違っていたかと。

「あの試合はライブで視聴していたんだけど、ジョシュア・パシオが勝ったと思ったよ。なぜか、僕はONEのルールを知り抜いているからだ。ギロチンのキャッチ、あれだけ勝った。ラウンド・バイ・ラウンドならマラチェフの楽勝だ。マラチェフはトップを取ってから、疲れてしまった。あの試合はマラチェフにとって、良いレッスンになったはずだ。ボディロックを懸命に続けていても、ONEでは勝てないってね」

──ギロチンのキャッチで勝てる……。ポジションを取ってサブミットできなくても、自分の優位が変わらない。そこが真のキャッチポイントで、逃げられると下になって不利な位置にいる仕掛けは掛け逃げに通じると思います。

「良い見方だと思う。ボトムになる仕掛けでも、腕十字ならキャッチがあっても良いかもしれない。ケガをさせる攻撃だからだ。でも、ギロチンに関してはキャッチの評価を下すのが凄く曖昧だ。と同時に、ONEでは下になることがユニファイドのようにマイナス要因にならない。ギロチンを防がれても、下からエルボーやパンチを入れると挽回できる。それがONEのMMAだ。ジョシュア・パシオはそこを頭に入れて戦っている。でもジャッジに関しては、何が有効な攻撃かはもう少し勉強してほしいところだ」

──ジョシュアもONEの裁定基準をよく理解して戦っていたと。そして挑戦権を手にできたわけですね。

「ただマラチェフとヨースケ・サルタとの試合を見て、今回のジョシュア・パシオ戦に向けてさらなる自信になったよ。この1年半で、僕が何を身ににつけたのか。しっかりと披露する良い機会になると思う。マイキー・ムスメシ戦のために、これまで以上に柔術に取り組んだ。そこで学んだものに、拳の利用方法を融合させてジョシュア・パシオと戦うことになる。

実はマラチェフはムスリムだし、カタールで挑戦者になるのはビジネスとして正しいと思っていた。でも、こっちに来てみて分かったよ。この国には凄い数のフィリピン人が住んでいる。

■2022年のワールドカップの際に話題になったが、カタールにおけるカタール人が占める人口は全体の1割程度で外国人労働者の人権問題が起こっていた。フィリピン人はカタールでインド人に次ぐ労働者数を誇る。

ジョシュア・パシオは人々を熱狂させることができるファイターじゃない。ただ単にフィリピンの同朋が、彼に思い入れを持っているだけなんだ。ジョシュア・パシオはグレートファイターだ……東南アジアではね。僕は合衆国からやって来て、与えられた試合を戦う。第1試合だろうが、誰が相手だろうが、戦う。ジョシュア・パシオはフィリピンの人達のサポートがあるから、この位置で戦うことができているに過ぎない。

ストロー級最強はジャレッド・ブルックスだ。誰も僕を倒すことはできない。ジョシュア・パシオが僕をKOしたり、サブミットすることは今回の試合も、これからも未来永劫に、絶対にない。どうすればアゴを砕くことができるのか、試合で見せてやる。そうすれば、ストロー級でもう誰も俺と戦いたいとは思わないようになるだろう。

ストロー級をドミネイトしているのは俺だ。徹底的にジョシュア・パシオを苦しめぬく。もうONEチャンピオンシップがどれだけジョシュア・パシオをプッシュしても、再浮上できないようにする。そして、フライ級に転向だ。ジョシュア・パシオは体だけは、俺よりデカい。バカみたいに減量している。本来はプロモーションが認めていないことをやって、ケージに上がってくる。通常体重で戦うという建前は、どこにいった?(笑)。ジョシュア・パシオが脱水をしていないわけがない。ワハハハハ。

試合の時は、きっと142ポンド(※64.86キロ。ストロー級リミットは56.7キロ)くらいはあるだろう。でも、そんな体の大きさは本物の前では問題ない。そして、俺はONEの米国大会で自分の今後を賭けた試合に挑む。米国はUFC、MMAにとって一番大きな市場だ。そこで俺が抜きん出ないと、どうなる? そうやって自分のキャリアを賭けた、ギャンブルに挑む。通じなければ、それで終わりだ」

山北渓人と。口が悪いが、良いヤツ(C)MMAPLANET

──さすがのブルックス節。

そして素晴らしい覚悟です。では、日本のファンに一言お願いします。

「アリガトーゴザイマース。2016年から僕のインスタ、フェイスブックをフォローしてくえる日本の皆、僕の君たちへの想い、愛は変わることはない。いつも、本当にありがとう」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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