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MMA MMAPLANET o UAEW UFC UFN UFN230 アラテンヘイリ アンドレ・ペトロスキー エイドリアン・ヤネツ エジソン・バルボーサ エドガー・チャイレス エミリー・ダコーテ キック キャメロン・サーイマン クリスチャン・ロドリゲス クリス・グティエレス ショーン・シェルビー ジェニファー・マイア ジョナサン・マルチネス ダニエル・ラセルダ ダレン・エルキンス テレンス・ミッチェル ボクシング ミシェウ・ペレイラ ヴィヴィアニ・アロージョ 中村倫也

【UFN230】クリス・ロドリゲス戦へ、キャメロン・サーマン「バンタム級の未来が開かれる」

【写真】アジアンと変わらないぐらい童顔のキャメロン。しかし、強いです(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC ApexでUFN230:UFN on ESPN+88「Yusuff vs Barboza」が開催され、キャメロン・サーイマンがクリスチャン・ロドリゲスと対戦する。
Text by Manabu Takashima

南アフリカの23歳、サーイマンはコンテンダーシリーズからUFCにステップアップし、現在3連勝中だ。まだあどけなさが残るサーイマンは、MMAに関して話すことが大好きな好漢で──その受け答えはケージのなかと同じように溌溂としている。


──キャメロン、クリス・ロドリゲスと週末に戦います。今の気持ちを教えてください。

「最高の気分だよ。過去一番のキャンプができて、ケガも全くなかった。体重も順調に落ちているし、全てがパーフェクトに進んでいるよ。UFC APEXの少ない観客の前で、最高のパフォーマンスを披露したいと思う。それに、凄く多くの南アフリカの人々がこの試合を見るだろうからね。ただフィニッシュするだけでなく、ボーナスを手にするためにオクタゴンで戦うよ」

──今、まさにUFC APEXで戦うことに触れていましたが、過去3戦はPPVショーでした。PPVイベントとFight Nightショーではファイトウィークの過ごし方も含め違いを感じることはありますか。

「まず、今回のUFC APEXでの試合は、コンテンダーシリーズを思い出せるものだよ。コーナーマンの2人と3人だけでやってきて、そこもコンテンダーシリーズに似ているよね。もちろん大観衆の前で試合をすることも好きだけど、ショーン・シェルビーからの申し出がFight Nightショーだったことで、気持ちが落ちることは一切なかった。良い対戦相手だし飛びついたよ。なんといっても、僕にとっては初めてメインカードで戦う機会が訪れたわけだしね。

僕らは試合の2週間前にやってきて、ファイターズホテルでなくパームス・ホテル&カジノに宿泊していた。そして、ファイトウィークになるとPPVショーとは違う、より専門的なメディアからのインタビューを受けているよ。こうやって色々な舞台を経験していくことが、チャンピオンになるための道のりだと理解している」

──前回のテレンス・ミッチェル戦は初回でTKO勝ちを収め、UFCデビューから連勝が3になりました。

「何もダメージがなくて速攻で勝つことができたから、よりやる気が増したよ。特にケガをすることなく試合に勝てたことは最高だ。今週末の試合も、全く同じような戦いにしたいと思っている」

──ロドリゲスはアグレッシブで、ウェルラウンダー。凄く良いマッチアップだという風に聞かされると、正直どのように思いますか。

「対戦相手は25歳で、僕は12月に23歳になる。2人の若い選手の試合に関して、そんな風に言ってもらえるなら嬉しいよ。この試合は将来のタイトル・コンテンダーが生まれる試合になるからね。クリスチャン・ロドリゲスもしっかりと準備をしてきているだろうし、僕と同じようにフィニッシュを狙ってくるに違いない。どちらのファイターの手が挙げられるのか──。僕の一番の武器は、スタミナだ。試合が最終回までいっても、全く問題ない。でも、最初の一打で勝負を決める。それが僕の狙いだよ」

──「僕とロドリゲスはレベルが違う。一方的な試合になる」というような返答ではなかったですね。

「しっかりと準備をしてきたし、キャンプにもコーチにも自信を持っている。そして、試合ではやるべきことを全てを出し切る。ハードワークの成果を見せるよ。10カ月で4試合目、継続的にハードトレーニングをしてきたし、土曜日には答えがハッキリするから──そんな風にいう必要もないよ」

──ところでキャメロンが戦うバンタム級戦線には、中村倫也選手という日本のMMA界から久しく輩出されなかった──UFC首脳が期待するファイターがデビューしました。彼のことは視野に入っていますか。

「チームメイトのマーク・ホルムが8月にUAEWで試合をした時に、アブダビで会場に向かうバスのなかでUFC Fight Passでシンガポール大会をチェックしていたんだ。そうしたら、途中でWi-Fiの調子がおかしくなって(笑)。でも、彼の動きはしっかりと見たよ。あのパフォーマンスは圧巻だった。次の試合が決まって、またリンヤ・ナカムラの戦いを見てみたい。なにより、いつの日か彼と戦いたいと思う。

MMAを戦う上で、何かベースとなるファイトスタイルを身に着けている場合、それが彼にょうにレスリングだとベストだよね。UFCのチャンピオンも元々はレスラーだったファイターがどれだけ多いか。レスリングは最高のベースだよ、MMAにおいて。南アフリカの子供達がMMAをやりたいと言えば、僕ならレスリングと器械体操をその前に経験させる。

キックボクシングからMMAに転じると、打撃の技術を伸ばすだけでなくレスリングとグラップリングを身に着けることは絶対だ。僕のベースはキックボクシングだけど、試合中に打撃戦で劣勢の場合は、上手くレスリングとグラップリングを使う取り入れることができた。僕は打撃の基礎があって組み技を消化できているから、レスリングに絶大な力を誇る選手に対しても、アドバンテージを持っている。そうなれたのもヘッドコーチ、アシスタントのコーチのお陰だ。彼がいなければ、僕は今ここにいない」

──レスリングと器械体操ですか。いやぁ、興味深いですね。

「僕がこんな話ができる機会を与えてくれることを、心から感謝している。ホント、日本で戦うことは僕にとって一つの夢なんだ。その機会が訪れ、十分に資金があったら日本中を回って、日本の人々とこんな風にMMA談義をしたいね」

──円安がどんどん進んでいるので、自分たちからすると笑いごとでないですが、キャメロンの日本旅行は難しくないと思います(笑)。

「OK。それは楽しみだ。日本のファンも含め、皆に土曜日のファイトでバンタム級の未来が開ける瞬間を見せたいと思う。フィニッシュをして、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得することを約束するよ」

■視聴方法(予定)
10月15日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN230対戦カード

<フェザー級/5分5R>
ソディック・ユースウ(米国)
エジソン・バルボーサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
エイドリアン・ヤネツ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
アンドレ・ペトロスキー(米国)

<130ポンド契約/5分3R>
エドガー・チャイレス(メキシコ)
ダニエル・ラセルダ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
クリスチャン・ロドリゲス(米国)
キャメロン・サーイマン(南アフリア)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
TJ・ブラウン(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
タイナラ・リスボア(ブラジル)
ハヴェナ・オリヴェイラ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
テランス・マッキニー(米国)
ブレンドン・マロッティ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
イリナ・アレクシーワ(ロシア)
メリッサ・ディクソン(英国)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
アラテンヘイリ(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
アシュリー・ヨーダ―(米国)
エミリー・ダコーテ(米国)

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MMA MMAPLANET o UFN UFN227 テレンス・ミッチェル ラウル・ロサスJr

【UFN227】左フックでダウンを奪ったロサスJrが、ミッチェルをパウンドアウトし復活V

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr(米国)
Def.1R0分54秒by TKO
テレンス・ミッチェル(米国)

オクタゴン2戦目でコケたロサスJrが、ミッチェルを相手にいきなり大きな振りの右を狙う。蹴りに左を合わせたロサスJrが、大振りのミッチェルに左フックを決めてダウンを奪う。バックを制し、引き込んだところで殴りながらマウントを奪ったロサスJrがパウンドを連打すると、ミッチェルは背中を見せて殴られるままに。すぐにレフェリーが試合を止めた。

「前の試合の言い訳はしない。皆に失望させないよう、強くなって戻ってきた。タフな相手に今回のキャンプはプッシュしまくった」と18歳のロサスJrは話した。


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DWCS K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN227   アレクサ・グラッソ エドガー・チャイレス カイル・ネルソン クリストス・ギアゴス ケヴィン・ホランド ジャスミン・ジュスダヴィチェス ジャック・デラ・マダレナ ダナ・ホワイト ダニエル・ラセルダ チャーリー・キャンベル テレンス・ミッチェル フェルナンド マーニック・マン ライカ ラウル・ロサスJr ルピタ・ゴディネス ロマン・コピロフ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFN227】Noche UFC計量終了 DWCSで契約を逃したキヌットソンが急転直下のオクタゴンデビューへ

【写真】やはりフィジカル的にはシェフチェンコが優位に立っているか。グラッソは正確なタイミング、高い精度が欠かせない (C) Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州のTモバイル・アリーナで開催されるNoche UFC(※UFCの夕べ)ことUFN227「 Grasso vs Shevchenco 2」の計量が15日(金・同)に行われている。
Text by Takashima Manabu

セレモニアル計量は現地、Tモバイル・アリーナ正面の東芝ブラザで強い日差しが照り付けるなか、マリアッチの演奏から始まった。


メインでアレクサ・グラッソの持つUFC世界女子フライ級王座に挑む元チャンピオン=ヴァレンチーナ・シェフチェンコはブーイングを送るファンに対して、「明日はハレの日。私の心、力、精神の全てを戦いに注ぎ込む。ありがとう、皆の──」と一呼吸をおいて「サポートを」と話した。

対してグラッソは大声援を受けて「素晴らしい週末を過ごしてもらって、全てを尽くしてベルトを再び皆に持って来るから」とコメントした。

メキシコのための大会といっても過言でない今大会だが、5人のメキシコ籍ファイターに加え、ラウル・ロサスJr、トレイシー・コーテズ、アレックス・レイエスなどメキシコ系米国人も多く出場している。

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そんななか第1試合でジョセフィン・キヌットソンが、マーニック・マンを相手にUFCデビューを行う。K1で活躍し、MMAに転向したキヌットソンは8月22日のコンテンダーシリーズ第3週でイシス・ファーバックとのストライカー対決を制しながら、「素晴らしい実績を残しているが、今日はその片鱗を伺わせなかった」という厳しい評価から、契約が見送られていた。

そのキヌットソンが急転直下、今大会でオクタゴン初陣を戦う。もちろん、キヌットソンにとってもこのような展開は予想だにしていなかっただろう。あのダナ・ホワイトの言葉、契約が流れたキヌットソンが、誰よりも早く今年のコンテンダーシリーズ出場選手のなかからUFCデビューを迎えることとなった。

K-1クイーンの本当の意味での旅立ち、非常に興味深い。

なお今大会ではUFCにとって初めて民族ベルトが創られ、お披露目されている。メキシコのミシュテカ及びサポテカ文化の色彩を採り入れ、熟練、勇気、力、規律などの意味合いを持つデザインが成された特別仕様のベルトはセレモニアル計量では確認できなかったが、明日のメインでグラッソの腰に巻かれた際にはメキシコ独立記念日のUFCの夕べをより彩ることになるだろう。

■視聴方法(予定)
9月17日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFN227対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アレクサ・グラッソ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャック・デラ・マダレナ: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr: 135ポンド(61.24キロ)
テレンス・ミッチェル: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ライト級/5分3R>
ダニエル・セジューベル: 156ポンド(70.76キロ)
クリストス・ギアゴス: 156ポンド(70.76キロ)

<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・パディーリャ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 146ポンド(66.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス: 116ポンド(52.62キロ)
エリス・リード: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・コピロフ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジョシュ・フレムド: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
エドガー・チャイレス: 126ポンド(57.15キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
トレイシー・コーテズ: 126ポンド(57.15キロ)
ジャスミン・ジュスダヴィチェス: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・キャンベル: 155ポンド(70.31キロ)
アレックス・レイエス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョセフィン・キヌットソン: 115.5ポンド(52.38キロ)
マーニック・マン: 115ポンド(52.16キロ)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC290 キャメロン・サーイマン テレンス・ミッチェル

【UFC290】キャメロン・サーイマン、バックマウント&パウンドでミッチェルをTKO。オクタゴン3連勝

<バンタム級/5分3R>
キャメロン・サーイマン(南アフリカ)
Def.1R3分10秒by TKO
テレンス・ミッチェル(米国)

サウスポーに構えたサーイマンに対し、ダブルレッグを仕掛けたミッチェル。下になったサーイマンのマルセロチンを切り抜けたミッチェルがトップを取る。ハイガードのサーイマンが腕十字へ。そのままリバーサルを決めてトップを取りかえたサーイマンは、ウィザーからスクランブルのミッチェルをボディロックで倒す。ミッチェルはここも立ちあがるが、ケージに押し込んだサーイマンがヒザをボディに連続でいれボディロックテイクダウンからバックを取る。

サーイマンはサイドバックに殴り、背中を取りに行くとそのままグラウンドへ持ち込む。ミッチェルの背中を伸ばしたサーイマンは、左のパウンドを連打しTKO勝ちを決めた。「皆のエネルギーの本物だった」とファンに感謝したサーイマンは「南アフリカはこれからどんどんソルジャーがUFCに進出してくる」とコメントした。


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JP・ベイス MMA MMAPLANET o UFC UFC290 イスラエル・アデサニャ キック キャメロン・サーイマン シンディレ・マネンゲラ スティーブン・コースロー テレンス・ミッチェル ドリキュス・デュプレッシー ボカン・マスンヤネ ボクシング ルサンド・ビコ 平良達郎 海外

【UFC290】「アフリカでUFCを開催できるのは南アだけ」。キャメロン・サーイマンに訊く南アのMMA事情

【写真】なんだか高校生と話しているような感じだったサーイマン。南アフリカのアピールが可愛らしかったです (C)MMAPLANET

8日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC290「Volkanovski vs Rodriguez」で南アフリカの新鋭キャメロン・サーイマンがテレンス・ミッチェルとオクタゴン3連勝を掛けて戦う。

ミドル級トップのドリキュス・デュプレッシー、フライ級のJP・ベイスとアフリカ大陸の最南端からUFCに挑むサーイマンが、南アのMMA事情を説明し、今大会の試合とこれから──そしてUFC南アフリカ対決実現への強い想いを話してくれた。


──テレンス・ミッチェルとオクタゴン3戦目を週末に戦います。今の気持ちを教えてください。

「またラスベガスで戦えるということが、とても嬉しい。環境的にも完璧だし、全てがスムーズに行っているよ。インターナショナルファイトウィークで、南アフリカ人ファイターの力を示す機会を得られるなんて本当に光栄なことだよ」

──南アフリカからラスベガスは相当な長旅ではないですか。しかも季節すら正反対です。

「ホント、その通りだよ。30時間飛行機に乗って真夏の砂漠にやって来る。ベガスに合わせるのは、本当に大変だよ。だから2週間前に来て、着くと同時にトレーニングをしたんだ。3、4日すればもう大丈夫。100パーセントの体調を整えることができる」

──それにしても22歳の南アフリカの新鋭が、ここまで良いパフォーマンスをUFCで見せることができるなんて、昨年のコンテンダーシリーズ前まで思いもしていなかったです。

「僕がプロMMAファイターになったのは18歳の時だった。皆が『若すぎる』って言っていたよ。特に南アフリカでは10代のMMAファイターなんて、本当にいなくて。でも、じっくりとキャリアを積んでEFC Worldwideのバンタム級タイトルを獲った時は21歳で、最年少記録を創った。その結果、コンテンダーシリーズで戦う機会を得ることができたんだ。チームCITの皆にただ感謝している。CITの全コーチの存在なくして、今、僕はここにいることはできていないから。

手にすることができた機会で、常にベストの戦いをしようと心掛けていたら、UFCでも運よく勝ち続けることができた。土曜日の試合も今の状態を持続させたい。テレンス・ミッチェルをフィニッシュしたいと思う」

──キャメロンはアグレッシブかつスマートな打撃、それ以上に見事な組み技を披露しています。もともと、格闘技を始めたのはいつ頃だったのですか。

「12歳の時に家の近所にあった地元の小さなジムで、キックボクシングを始めた。学校が終わるとジムに直行して練習し、夜になると親が迎えに来るんだ。凄く楽しんで練習していたから、すぐに色々なことを学ぶことできた。

それが全ての始まりで、数カ月後にはキックだけでなくグラップリングの練習もするようになった。14歳の時にチームCITに移り、それからレスリングも習えるようになった。ただキックボクシングでは食っていくことはできないから16、17歳の時にMMAでやっていこうと決めたんだ」

──キックでは生活できなくてMMAへ。MMAでは生活できるということですか。

「そうだね。UFCとサインする前に戦っていたEFC Worldwideも凄く良いプロモーションだから。それは南アフリカだけでなく、他の国のMMAファイターにもいえることだろう。EFCで戦っていると、他の国で戦うチャンスを手に出来る。ボカン・マスンヤネやルサンド・ビコに続き、僕とEFCバンタム級王座を賭けた戦ったシンディレ・マネンゲラも、確か今週末に日本で戦うよね。

そういう国外で戦う選手が南アフリカのファイター達の存在を世に知らしめてくれた。彼らは間違いなくワールドクラスのアスリートだから。遠征はいつだって大変だけど、外国で戦うことで違うカルチャーに触れることができる。だから日本に限らず、アジアの大会で僕の試合を組んで欲しいと願っているよ」

──試合経験よりも選手を成長させるものはないと言われるなかで、日本などは毎週のようにMMAの大会が行われていますが、南アフリカでは実戦経験の場が少ない。そのなかで、これだけEFCから世界レベルのイベントへとステップアップをする選手がいるのは、キャメロン的には何が要因だと考えられますか。

「まず南アフリカでは凄くスポーツ全般の人気が高いということがあると思う。MMAを始める前に何らかのスポーツを経験している。今ではバーサス・プロモーションが、ファイトナイトというアマチュアの大会を開くようになり、そこで力を見せた選手がプロ契約をしているんだ。プロとして戦う舞台もEFC以外にもFightStar FCも活動している。

人材発掘と人材育成の両方が強化され、イベントの数も増えた。南アフリカのMMAの未来は明るいよ」

──それこそ南アMMAの未来といえるキャメロンですが、対戦相手テレンス・ミッチェルの印象を教えてください。

「15勝2敗、強いファイターだよ。フィニッシュの多くがグラウンドだよね。前に戦ったスティーブン・コースローのように、まだ表に表れていない良いレコードの持ち主だ。絶対的な質の高いグラウンドの攻防を繰り広げることができるだろうけど、僕は打撃で戦ってボーナスを狙いたい。とにかく、どのような展開になろうが良い試合になって僕が2Rで勝つよ」

──2Rと断言する故は?

「初回はあまり飛ばさない。じっくり相手の動き出しのタイミングを見ている。前の試合では判定勝ちになってしまったけど、好きな勝ち方じゃい。2Rになると仕留めるために戦うからね」

──今大会、日本から平良達郎選手が出場します。彼は4戦目で初のPPVショー出場です。対してキャメロンは過去2試合どちらもPPV大会、Tモバイル・アリーナで戦っています。

「本当に凄く機会を与えてもらっている。UFCに僕がどれだけの力を持っているのか、分かってもらえる舞台だ。PPVのビッグイベントの一員として、これからもキャリアを重ねていきたい。そういえば、その日本人選手とコーチにPIで会ったよ。凄く良いヤツで、めちゃくちゃリラックスしていたね。体調も良さそうで、凄い試合をやってくれそうで楽しみなんだ」

──キャメロンのその言葉が、日本のファンは相当嬉しいはずです。ところでバンタム級は常に層が厚いです。ここからトップ10、トップ5を目指すために土曜日の試合ではどのような点をアピールしたいと思っていますか。

「まずは絶対的に豪快なフィニッシュをすること。スタンドだろうが、グラウンドだろうが試合を終らせる。どの局面でもフィニッシュできるけど、今回の試合ではKOしたいと思っている。テレンス・ミッチェルはとても考えて打撃を使っているファイターなんだけど、僕からすると穴だらけだ。

この試合で勝って年内に最低でももう1試合、できればトップ15のファイターと戦いたい。コンテンダーシリーズも含めると4連勝になり、通算戦績は9勝0敗になる。なら上の選手と戦っても良いはず。そういう機会をモノにして、来年にはタイトルに挑戦したいと考えている」

──キャメロンやチームメイトのドリキュス・デュプレッシー、JP・ベイズら南アフリカ人選手、そしてジンバブエやアフリカ大陸がルーツの選手が増えており、UFCにアフリカでのイベントを開いてほしいという気持ちはないですか。

「今、アフリカからは才能あるファイターが誕生している。アフリカン・ファイターがアフリカで戦える機会が訪れるなら、最高だよ。もしUFCがアフリカに来るなら、海外からの観光客を受け入れる状態にあり、治安も問題ないのは南アフリカだけだよ。まぁ他の国も問題ないけど、なかでも南アフリカは一番安全な国だからね」

──……。

「ドリキュスは世界タイトル挑戦が見えている。そうなればチャンピオンはアフリカ──ナイジェリア出身のイスラエル・アデサニャだ。アフリカ勢同士のタイトルマッチが、アフリカで実現すればこんなに素晴らしいことはない。そしてホスト・カントリーになれるのは南アフリカだけだよ」

──素晴らしい想いですが、日本人からすれば南アフリカが安全だとは口にできないです(苦笑)。サッカーやラグビーのワールドカップで、キャメロンの母国に行ったメディアから、安全だという話を聞かされたことは正直ありません(笑)。

「それは……ツーリストが訪れない場所は、最高の環境だとは言えないね(苦笑)。でも僕のホームタウン、プレトリアはヨハネスブルクよりずっと良い場所だよ。それに素晴らしいアリーナもあるし、郊外にいけばアニマル・クルーズだってできるからね。UFCを開催する資格はあるはずだ。もし、そういう機会が訪れれば街は十分に安全になってメディアを迎えて入れるよ」

──なるほど(笑)。ではUFC南アフリカ大会実現へ向けキャメロンがプレトリアの観光大使にならないといけないですね。

「そうだね、そして安心して世界中の人を受け入れる体制を創っておくよ(笑)。ほんと、まだまだ南アフリカのことは間違って伝わっていることが多いと思うから、しっかりと本当の南アフリカを世界の皆に知って欲しい」

■視聴方法(予定)
7月9日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

The post 【UFC290】「アフリカでUFCを開催できるのは南アだけ」。キャメロン・サーイマンに訊く南アのMMA事情 first appeared on MMAPLANET.