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FORCE18 MMA MMAPLANET o キック 加マーク納 高岡宏気

【FORCE18】投げる。潰す。加マーク納がテイクダウンで高岡を制し、フルマークの判定勝ち

【写真】組まれてもスルリと抜けては倒す加マーク納の巧さ(C)MMAPLANET

<フライ級/5分2R>
加マーク納(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18.
高岡宏気(日本)

ケージ中央で向かい合う両者。加マーク納が左ジャブを突くと、高岡は左インローを見せた。プレスをかける高岡の右ローに、加マーク納が左フックを合わせる。加マーク納の右カーフキックで、高岡の体が流れる。続けて加マーク納の左ジャブ、右ストレートが当たった。高岡の左ボディから右フックの流れに、加マーク納もヒザで迎え撃つ。高岡が組みつき、右腕を差し上げて加マーク納をケージに押し込む。

ボディロックからテイクダウンを狙ったが、加マーク納が左足をかけてディフェンスする。高岡はウィザーで耐える加マーク納をバックに投げようとしたが、凌がれてしまう。正対してダブルレッグを狙い、頭を下げた高岡にヒザを突き上げようとする加マーク納。高岡はバックをうかがうが、加マーク納は払い腰でグラウンドへ。加マーク納がVクロスを狙ったが、すぐに高岡が立ち上がった。

最終回、ケージ中央で加マーク納が右跳びヒザのフェイントを見せる。高岡も距離を詰めてパンチを振るうが、頭が下がるところに加マーク納がヒザ蹴りを狙う。右ストレートから左ジャブを当てた高岡は、加マーク納のパンチをかわしてダブルレッグで組んだ。ケージに押し込まれた加マーク納は首相撲へ。高岡はダブルレッグに切り替え、テイクダウンを狙うも倒せず。左足を差し入れてバックをうかがう。

高岡は加マーク納に手を着かせるも倒し切ることはできない。ボディロックからリフトする高岡、しかしここでも倒せず離れた。すると加マーク納がニータップで入り、高岡に尻もちを着かせる。立ち上がる高岡のバックに回った加マーク納は、投げてグラウンドへ。高岡もスクランブルからシングルレッグで加マーク納に尻もちを着かせたが、終了直前に加マーク納がバックを奪ってパンチを連打していった。

裁定はフルマークで加マーク納の勝利。マイクを握った加マーク納は「喋るの苦手なんですよね(苦笑)。次もまた格闘技で魅せたいと思います」と笑顔でケージを下りた。


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FORCE18 MMA MMAPLANET o キック 亮我 堀川“55”滉介

【FORCE18】スタンドの打撃で堀川、テイクダウンで亮我の一戦はドローに終わる

【写真】それぞれのフィールドでポイントを取り合う形のドローに終わった(C)MMAPLANET

<フライ級/5分2R>
堀川“55”滉介(日本)
Draw.1-1 19-19.19-19.19-19
亮我(日本)

堀川が前後のステップから右ストレート。亮我もジャブを返す。堀川は右カーフキックと前蹴り。亮我の蹴りをキャッチして右からパンチをまとめる。

亮我は右ローを蹴って、頭を振って前に出ていく。堀川は亮我の前進に合わせて左フックを打ち、ボディにもジャブを散らす。

プレッシャーをかける亮我はスピニングバックキック、距離を詰めての左フック。堀川は変わらず下がりながらのジャブとワンツー。ラウンド終盤、亮我が左フックから右を強振して前に出た。

2R、ここも前に出る亮我が左から組み、ダブルレッグへ。ケージを背負う堀川に背中をつけさせ、インサイドガードでトップキープする。堀川の頭をケージに詰め、しっかりと寝かせてパンチを落とす亮我。

堀川も腰を切って立ち上がり、亮我が持ち上げてテイクダウンしてスクランブルへ。ここで立った堀川はギロチンを狙いつつ、距離を取ろうとする。

亮我は堀川をケージに押し込んでシングルレッグからバックへ。堀川がアームロックを狙うが、亮我はスタンドでバックキープする。堀川が正対すると亮我はボディロックで押し込み、しつこくバックを狙う。

終了間際、立ち上がった堀川がパンチで前に出ると、亮我はバックステップで距離を取る。最後は堀川の左と亮我が右が交錯する。ここで試合終了となり、判定はドローに終わった。


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FORCE18 MMA MMAPLANET o ダイキライトイヤー

【FORCE18】波平コングの左フックでダウンしたダイキライトイヤーが逆転の三角を極める

【写真】ダウンしても焦らず、しっかり三角を極めたのはキャリアのなせる業か(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分2R>
ダイキライトイヤー(日本)
Def.1R1分56秒 by 三角絞め
波平コング(日本)

コングが左ジャブから距離を詰め、左右フックを振るう。落ち着いてコングのパンチをかわすダイキはコングのワンツーをバックステップでかわし、ローの蹴り足をすくった。構わずコングは一気に距離を詰めると、左フックがクリーンヒットし、ダイキはダウン。

コングはそのままダウンしたダイキのトップに回るも、突っ込んだところでダイキに下から三角絞めをセットアップされてしまう。ダイキがそのままコングを絞め落とした。

勝利したダイキは「これでまた続けられる状態になったかと思います。応援よろしくお願いします」と語った。


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FORCE18 MMA MMAPLANET o 宇藤彰貴 松浦真実也

【FORCE18】スクランブルで競り勝った松浦がRNCで宇藤に一本勝ち

【写真】松浦は腕十字を外されたあと、スクランブルでバックをとってRNCを極めた(C)MMAPLANET

<新人王決定Tフェザー級準決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
Def.1R3分00秒 by RNC
宇藤彰貴(日本)

サウスポーの宇藤に対し、松浦が右ストレートを当てて前に出る。宇藤はヒザ蹴りを返し、左ストレートを打ちながらダブルレッグで組みつく。

首を抱える松浦をケージまで押し込む宇藤。松浦は宇藤のヒザ蹴りをキャッチし、そのまま足を抱えてテイクダウンしてバックへ。

宇藤の動きに合わせて腕十字を狙う。ここからスクランブルの攻防になり、最終的に松浦が上を取り、再びバックを奪う。松浦はマウント→バックとポジションを変え、最後はRNCで一本勝ちを収めた。


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FORCE18 MMA MMAPLANET o キック 木村旬志 里見拓磨

【FORCE18】打撃で攻めまくる里見。左ハイでダウンもTD防御からのパンチ連打で木村に逆転勝ち

【写真】危なっかしさもあるが、里見が速く鋭いパンチで1Rからダメージを与えていた(C)MMAPLANET

<ストロー級/5分2R>
里見拓磨(日本)
Def.2R1分23秒 by TKO
木村旬志(日本)

サウスポーのキムラが左ストレートを伸ばす。里見が右カーフキックを受けた木村はマットに手を着いた。すぐに立ち上がった木村に、里見が右ストレートを浴びせる。大振りのワンツーはかわされたが、距離が詰まるとテンカオから組みつき、左腕を差し上げてドライブする。投げは失敗したものの、すぐに体勢を戻した里見は、木村の右オーバーフックを振りほどいた。

ケージ中央に戻ると、木村が左ハイでダウンを奪う。そのままトップを奪った木村に対し、里見がスクランブルから上へ。左足をすくって木村に肩を着かせる。一気にパスからマウントを奪った里見がパウンドを連打するも、木村が立ち上がった。スタンドに戻ると里見の左がヒット。木村のテイクダウンを防いだ里見は、ボディへヒザを浴びせる。

尻もちを着いた木村の頭部にヒザを連打する里見だが、これは反則だ。パウンドから立ち上がる木村に連打を浴びせる里見。木村はグラつきながらもケージに押し込み、バックを奪う。グラウンドに持ち込んだ木村がパンチで削りながら初回終了のホーンを聞いた。

最終回、里見が右ハイを伸ばす。木村は左インロー、里見は右跳びヒザから右フックを当てた。さらに左ジャブを突き刺すと、木村の動きが止まる。右を当てて、木村の左スピニングバックキックをかわした里見は、さらに木村のシングルレッグをスプロールする。明らかにダメージが溜まっている木村が再びシングルレッグで飛び込むと、それをスプロールした里見がパンチを連打し、レフェリーストップを呼び込んだ。


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FORCE18 MMA MMAPLANET NEXUS o   ダイキライトイヤー ブログ 加マーク納 高岡宏気

【FORCE18】メイン=加マーク納戦へ、高岡宏気―02―「自分らしさを最後まで貫くべき」

【写真】試合機会を断らない──階級が違う試合も受けてきた高岡。黒星が倍先行した時、NEXUSで2試合を経験。このようなフレキシブルな判断を所属ジムがしたことは非常に良いことだったように思う(C)MMAPLANET

17日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロフェッショナル修斗公式戦FORCE 18のメインイベントで、加マーク納と対戦する高岡宏気のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

香川の修斗を代表する選手として戦ってきた高岡だが、決して明るいキャリアを過ごしてきたわけではない。さらに上に行くためには自分に何が必要なのか――高岡が貫こうとしている「自分らしさ」と、練習仲間でもある安芸柊斗について語った。

<高岡宏気インタビューPart.01はコチラから>


――中学生の頃に極真空手を習っていたとのことですが、現在のファイトスタイルからは想像できませんでした。

「アハハハ、空手らしさはないですよね(笑)。MMAを始めて、全く別モノだと思いました。アマ修斗で勝つためにはどうすれば良いかを考えた時に、やっぱりテイクダウンとトップキープを鍛えることが基本になってきます。だからアマ修斗をやっていくうちに、しっかりボクシングとレスリングをやって、テイクダウンして――というスタイルになりました」

――なるほど。そんななか、2017年4月のプロデビュー戦は敗れ、その後もレコード的には苦しいキャリアを過ごしていました。

「正直なところ、アマチュアの頃は『プロになれたらいいなぁ』とMMAをやっているだけでした。それでプロになったら早々に、自分でも『技術不足やな』って感じましたし、何よりプロになったことで満足してしまったんだと思います。プロ昇格した時点で燃え尽きかけて……。最初の頃は『どうすればいいんだ。自分はどうするんだ』と迷っていました」

――その迷いは解消できたのでしょうか。高岡選手の場合、現在も黒星が先行しています。ただ、2019年~2022年ごろまでは格上の選手と対戦し、手が届きそうで届かないという状態のまま3年間も白星から遠ざかっていました。

「そうですね。『どうすればいいんだ』と思っても、どうすれば良いのかが分からない状態で。でも僕は良い相手と試合させてもらってきたと思っていますし、基本的に誰が相手でも――よほど動けない状態でなければ、試合を断ることはないんです」

――その高岡選手の動きなり意識なりが、2022年ごろに大きく変わったように感じます。

「そう言われたら確かに……。最初はトイカツ道場高松支部として運営されていたジムが、2022年に入って現在のフォースジムになりました。その頃からジムに選手志望の子たちが増えてきたんです。だから練習内容もそうですし、自分自身も一つギアが上がったように感じます」

――一方で、高岡選手はフォースジムや高松の修斗を背負おうという気持ちが強くなかったですか。

「そういうプレッシャーがあったわけではないです。でも、地元の高松で開催される大会だから自分が大きく扱われる――その期待に応えないといけないという気持ちは強かったです。もちろん今もその気持ちはあります。地元の人たちが、たくさん見に来てくれますから。良い結果はもちろん、良い内容を見せたいです。その想いは試合を重ねるごとに強くなっています」

――そして今年4月に蒔田信吾選手を下し、修斗フライ級ランキングに入ることができました。

「ランキング入りは一つの目標でもありましたし、そういう目に見える結果が出たのは嬉しいです。近くにいる人はもちろん、高松以外の場所にいる人たちにもランキングを通して自分の名前を見てもらうことができるので。ランキングに入ったことで、もっと上を目指したいという気持ちが強くなりました」

――その気持ちが強すぎたのかどうかは分かりませんが、今年6月の和田教良選手は序盤から良い形で攻めることができていたもののドローになっています。あそこで勝ち切るためには何が必要だと思いますか。

「これまでの試合も同じなのですが、僕は試合で『いろんなことをやろう』としすぎる傾向があります。和田選手との試合も1Rはトップからコントロールしていながら、2Rは下になった時『下からコントロールして極めるか、削っていけば良いかな』と考えてしまいました。その選択が間違っていました。下から攻めることが間違いというより、僕はファイトスタイルが一貫していないんです」

――……。

「本当に『下から攻めれば良い』と思っているのであれば、これまでも一貫してそのスタイルで戦ってきたはずです。でも試合によっては自分からテイクダウンに行ったり、展開によっては下から――と考えたりしていて。MMAだから、全部できるようになるのは当然です。でも、その中で自分が『絶対にこうする』と、何かを一つ貫く気持ちがあれば……」

――確かに、和田戦の1Rこそが本来の高岡選手だったと思います。

「ありがとうございます。1Rはテイクダウン・ディフェンス、スクランブル、テイクダウンして削るという自分らしさを出すことができていました。今は自分らしさを最後まで貫くべきだと思っています」

――次の対戦相手、加マーク納選手は同じ日に井口翔太選手に敗れています。しかし微妙な判定でしたし、何より加マーク納選手はグラウンドコントロールとサブミッションという自分らしさを貫いていました。

「すごいテクニシャンですよね。試合では本当にやりづらい相手なんだろうな、と思います。僕がガムシャラに攻めていくだけなら、うまくコントロールされてしまいますよね。そこはしっかりと対策をしつつ、自分らしい戦いをしないといけないです。地元でこの相手に勝って、さらに上へ行きたいです」

――今年7月には徳島県から安芸柊斗選手が修斗王座に挑戦しました。安芸選手が敗れたものの、同じ四国勢として何か力をもらったのではないですか。

「めちゃくちゃカッコ良いと思いました。柊斗君がいるZジムさんには月1回、出稽古に行かせていただいています。しかも柊斗君と僕はプロデビューした年が同じで。同じ四国から同じ2017年にプロデビューしているのに、安芸選手はタイトル挑戦まで辿り着いている。そう考えると悔しくもあります。今は『柊斗君に追いつけ、追い越せ』という気持ちが強いですね。次も加マーク納戦も苦しい試合になると思いますが、その強い気持ちを出して、しっかり倒す姿を皆さんに見せたいです」

■視聴方法(予定)
9月17日(日)
午後3時~ Twit Casting LIVE
             
■ FORCE18対戦カード

<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
加マーク納(日本)

<フライ級/5分2R>
堀川“55”滉介(日本)
亮我(日本)

<バンタム級/5分2R>
波平ゴング(日本)
ダイキライトイヤー(日本)

<新人王決定Tフェザー級準決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
宇藤彰貴(日本)

<ストロー級/5分2R>
石原愼之介(日本)
若山達也(日本)

<バンタム級/5分2R>
矢野武蔵(日本)
JAM(日本)

<ライト級/5分2R>
おえゆうた(日本)
轟轟(日本)

<ストロー級/5分2R>
里見拓磨(日本)
木村旬志(日本)

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FORCE18 MMA MMAPLANET NEXUS o PRIDE   ダイキライトイヤー 修斗 加マーク納 木村旬志 里見拓磨 高岡宏気

【FORCE18】地元でメイン出場、高岡宏気―01―「あの事故が人生の大きな転機になりました」

【写真】修斗だけでなくNEXUSにも出場している高岡(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロフェッショナル修斗公式戦FORCE 18のメインイベントでは、高岡宏気が加マーク納と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

香川県出身&在住の高岡にとって、FORCEのケージはまさにホームだ。そのメインで元グラジエーター王者の加マーク納を迎え撃つ高岡は、地元の香川でMMAを始めた理由は何だったのか。そこにはMMAが盛んでない地域ならではのエピソードがあった。


――本日はリモート取材となりました。事務所のような場所でワイシャツ姿ということは、もしかして会社にいらっしゃるのですか。

「はい、そうです(笑)。格闘技をやっていることも理解してくれている会社ですので、大丈夫です」

――ぜひ会社の皆様にも宜しくお伝えください。差し支えなければ、何のお仕事をされているか教えていただけますか。

「メインは不動産事業で、同じグループ内でサウナや飲食店も運営している会社に勤めています」

――するとフルタイムで勤務してからジムへ向かうのでしょうか。

「そうですね。早ければ19時に仕事が終わり、そこからジムに行って23時ぐらいまで練習しています」

――ハードな毎日ですね。今回はMMAPLANETで初めてのインタビューとなります。まずは高岡選手がMMAを始めた経緯から教えてください。

「もともと中学生の時は極真空手をやっていました。でもPRIDEのファンで、昔からMMAも大好きだったんです。いつか香川県内にMMAができる場所があれば、自分もMMAをやってみたいと思っていて」

――なぜ空手は辞めてしまったのですか。

「それはもう……、遊びたかったからです(笑)。でも田舎あるあるで、遊べる場所も少ない。遊ぶといっても、特に何かするわけではなくて」

――田舎あるあるですよね。私も岡山県の倉敷出身なのですが、夜遊びしようにも店は早く閉まるし、同じところに行っても飽きてしまう。だから夜にダラダラと過ごす生活を送るようになる。

「まさにそういう生活を送り、入学した高校も退学して、鳶職をやっていました。少し格闘技から離れた話になってしまうのですが、鳶職の頃に鉄骨に関わる作業もやらせていただいていた時に、大きな怪我をしてしまって」

――えっ!?

「建物の解体をしていて、廃棄する鉄骨をトラックの荷台に乗せていた時、その鉄骨に僕の足が巻き込まれてしまったんです。足が潰れてしまうような状態にはならなかったのですが、その時に思ったんですよ。『もし足を負傷して現場に立てなくなったら、学歴もない自分はどうやって生活していけるのだろうか』って」

――……。

「今の自分の能力では、現場でも何もできない。『これはヤバい。やっぱり学校は行っておいたほうが良い』と考えました。そこで高校だけは卒業しようと思い、19歳になる前ぐらいから定時制の学校に通い始めたんです。ちょうどその頃に、MMAも始めました。自分にとっては、あの事故が人生の大きな転機になりましたね。定時制の高校から大学に進み、大学を卒業して今の会社に就職しました」

――高岡選手は1995年生まれで、MMAを始めた2015年前後の香川県といえば、まだ常設ジムも少なかったと思います。

「はい。先ほども言ったとおり昔からMMAは好きで、自分もやってみたいと思っていました。そんな時に当時はトイカツ道場香川支部――今のフォースジムを見つけたんです。香川でMMAができるんや!』と嬉しくて入会しました。ただ、あの頃はプロで試合をするとかは一切考えていなかったんです。何もやることがない、暇やからジムに入会にしようという気持ちのほうが強かったですね。でも……ジムに入った時、同い年の子たちがいて。『こんな子らに負けるはずがないやろ』と思っていたら、グラップリングの練習で何もできなかったんですよ」

――今度は格闘技ジムあるあるですね(笑)。

「アハハハ、そうなんです。『こんなヤツらに負けるんや……』と思いました。今考えたら、恥ずかしい限りなんですけど(苦笑)。そこで『少なくとも、この子らよりは強くなりたい』と考えて練習していた頃に、その子たちがアマチュア修斗に出ることになって。同じタイミングで僕も出させてもらうようになりました。それがジムに入って半年経つか経たないか、という頃でした」

――初めてアマ修斗に出た時の結果は……。

「もちろん、ちゃんと負けました(笑)」

――定時制高校に入学した頃にMMAを始め、大学進学から就職と並行して、アマ修斗を経てプロデビューに至るわけですね。

「並行していました。定時制の時は少し大変でしたね。朝9時から15時までバイトして、17時から21時まで授業を受ける。学校からジムまでは自転車で5分くらいで着くので、21時からの練習に5分か10分遅れで参加するという生活でした」

――今も昔もハードな毎日だと思います。それだけ高岡選手をMMAに向けて突き動かしてきものとは何だったのでしょうか。

「試合で勝ったら嬉しい。それが一番です。初めてアマ修斗に出て負けた時に、すごく悔しかったです。そこから強くなりたいと思ったのですが、修斗だとアマチュアで勝てばプロに昇格できる道があると知って。まずはプロ昇格を目標に頑張りたいと思いました。地方にいる人間にとって、アマからプロに繋がる道があるのは大切なんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月17日(日)
午後3時~ Twit Casting LIVE
             
■ FORCE18対戦カード

<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
加マーク納(日本)

<フライ級/5分2R>
堀川“55”滉介(日本)
亮我(日本)

<バンタム級/5分2R>
波平ゴング(日本)
ダイキライトイヤー(日本)

<新人王決定Tフェザー級準決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
宇藤彰貴(日本)

<ストロー級/5分2R>
石原愼之介(日本)
若山達也(日本)

<バンタム級/5分2R>
矢野武蔵(日本)
JAM(日本)

<ライト級/5分2R>
おえゆうた(日本)
轟轟(日本)

<ストロー級/5分2R>
里見拓磨(日本)
木村旬志(日本)

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FORCE18 MMA MMAPLANET o   ブログ 木村旬志 里見拓磨

【FORCE18】高松で木村旬志と対戦、里見拓磨「ジムで一番強くなる。これからもZジムで強くなります」

【写真】際という接点の概念がないのが、生粋のMMAファイター (C)TAKUMI NAKAMURA

17日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロフェッショナル修斗公式戦FORCE 18にて、里見拓磨が木村旬志と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

7月の修斗後楽園大会で世界戦を戦った安芸柊斗と同世代、地元徳島のMMA Zジムで格闘技を始め、プロとしてのキャリアをスタートさせた里見。ジムでMMAをやることは「他の子が習い事をやるのと同じ感覚」だったといい、アマチュア修斗よりもキッズ修斗で試合経験を積んできた、まさに新時代のMMAファイターだ。同じ四国は香川で迎えるプロ5戦目に向けて意気込みを訊いた。


――FORCE 18=プロ修斗公式戦高松大会に出場が決まった里見選手です。今回がメディア初登場ということで、プロフィール的なことからお聞きしたいと思います。格闘技を始めるきっかけから教えてください。

「小さい頃はすごく泣き虫で、ヤンキーとかを見ただけで怖気づいてしまうような子供だったんです。そういう自分を変えたいと思ってZジムに入りました。それが小学2年生の時ですね」

――小学2年生でヤンキーに怯える環境…だったのですか。

「自分が住んでいる地域にヤンキーが多くて、通学路にいてガン飛ばしてくるんですよ(笑)。それが嫌すぎて泣きながら学校に行っていました」

――身を守るために始めた格闘技だったのですね(笑)。身体を動かすこと自体は好きだったのですか。

「運動神経は悪い方じゃなかったです。サッカーをやるか格闘技をやるかで迷っていて、最終的に格闘技を選びました」

――格闘技を始めてからヤンキーへの苦手意識は克服できたのですか。

「キャラ的に影が薄い方やったんですけど、少しずつ明るくなっていったと思います。ただ変わらずヤンキーは苦手で、わざと練習用のヒザ・サポーターをつけて登校したりしてました(笑)」

――それは周りに「アイツ格闘技やっているんじゃないか?」と思わせるために、ですか(笑)。

「そうです!実際に喧嘩する気はないんですけど、格闘技やっていそうなやつにはちょっかい出してこないだろうと思って、威嚇の意味を込めてやっていました(笑)」

―面白いエピソードをありがとうございます(笑)。そんな里見少年はジムの雰囲気にもすぐに馴染めたのですか。

「はい。偶然入会したジムなんですけど、最高のジムに入ることができて恵まれていたなと思います」

――つまり里見選手の格闘技のバックボーンはMMAになるわけですね。

「他の格闘技をやってMMAを始めたわけではないので、僕にとって格闘技=MMAですね。だからMMAの動きは子供の頃から染みついています」

――MMAはストライキング、テイクダウン、グラップリング…と色んな事を練習するなかで、最初に得意になった技はなんですか。

「ギロチンですかね。Zさん考案のZチョークという技があって、アマチュア時代はZチョークで無双していました(笑)」

――ところで小学2年からMMAを始め、初めて試合に出たのはいつ頃になるのでしょうか。

「小学4年生です。出始めた頃は試合が嫌いで、試合前になると試合が嫌すぎて吐きそうになっていたんです。でも試合が終わると独特の解放感があって、あれが気持ちいいんですよね。そうやってちょっとずつ試合に慣れていきました」

――里見選手は始めた格闘技がMMA、いわゆるキッズ時代から試合に出ているというキャリアを積んでいるのですね。

「自分としては特別なことをやっている感覚がなくて。うちのジムはキッズの頃からみんな仲が良くて、練習するのもそうなんですけど、ジムでみんなと話すのも楽しかったんです。それでジムに行っていた感じですね。他の子が習い事をやるのと同じ感覚だと思います、たまたま僕がやっているのがMMAだっただけで」

――当時好きだった選手や憧れていた選手はいますか。

「実は格闘技を見るようになったのが、つい最近で(笑)。それまではほとんど見たことがなかったんです。格闘技を見ることに興味がなかったというか」

――そうだったのですね。小さい頃からMMAをやっている=MMAの知識も豊富で詳しいものだと思っていました。

「僕の場合は全然そんな感じじゃないです。あくまで僕にとってMMAは自分がやるものだったんで」

――中学に進学する際、格闘技以外のことに興味を持つことはなかったですか。

「もう練習が生活の一部になっていたので、格闘技をやめるとか一切考えなかったです。中学時代は部活で剣道もやっていたんですけど、部活とジム通いを並行してました」

――ではプロになることも自然な流れですか。

「はい。特にプロになりたいと思っていたわけじゃなくて、まさに流れです。みんなでジムで練習して、先輩たちについていって、アマチュアで結果が出るようになって、気がついたらプロになっていた、みたいな」

――アマチュアではどのくらい試合経験を積んだのですか。

「キッズ修斗で50戦、アマチュア修斗を10戦くらいですね」

――アマチュアの戦績でもキッズ・ジュニア修斗の方が多いのですね。格闘技のスタートがMMAで、キッズ・ジュニア時代からMMAの試合に出てプロになる。まさに新しい時代のMMAファイターの形だと思うのですが、里見選手自身はそういったキャリアを積んできたことでどのようなプラスがあったと思いますか。

「どうですかね…なかなか言葉で説明するのが難しいんですけど、MMAの動きを身体が覚えていて、試合になったら自然に身体が動いてくれているとは思います」

――おそらく僕たちとはMMAという競技に対する考え方そのものが違うと思っていて、例えばMMAは打撃・レスリング・寝技に分かれていなくて、MMAはMMAという捉え方なのでしょうか。

「プロとアマはパウンドの有無で分かれるところはありますけど、それ以外で特に分かれているとは思っていないです」

――また里見選手にとってジムや練習仲間は大きな存在だと思います。一言でいうとどのような存在ですか。

「家族ですね。ライバルでもあるし、一緒に切磋琢磨している仲間でもあるし。僕の場合はライバルだと思っているところが強くて、この子より強くなろうと思わないと強くなれないと思うし、僕の目標は今でもZジムで一番強くなることです」

――里見選手が考える理想の選手像・ファイトスタイルはありますか。

「ベタですけどオールラウンダーになることです。すべての局面に対応して、すべての局面で相手の動きを潰せる選手。何をやっても相手に上回りたいです」

――先ほど最近格闘技の試合を見るようになったということですが、今好きな選手はいますか。

「う~ん……マニアックな選手を言った方がいいですか」

――そこは自然体で大丈夫ですよ。リアルに好きな選手を聞きたいです。

「かなりミーハーですけど、コナー(・マクレガー)さんです(笑)」

――それは……ずばりミーハーです(笑)。

「ですよね(笑)。でもコナーさんが好きです!」

――それでは次戦についても聞かせてください。今回の試合が決まった時の心境はいかがでしたか。

「僕は試合が好きなんでうれしかったですね。モチベーションが途切れないうちにどんどん試合はやりたいです」

――前戦は今年7月の修斗後楽園大会、根井博登選手に判定負けした一戦でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「あの試合は何もできないまま終わってしまって。攻める体力と技術が足りなかったかなと思います」

――それが出来なかった理由は何だったと思いますか。

「気持ちの部分ですね。後楽園ホールという場に呑まれたというか。僕はどちらかというとメンタルが弱い方なんで、後先のことを考えると自分から攻められないんですよね(苦笑)」

――もともとそういった性格なのでしょうか。

「どうなんだろう。やってやるぞって気持ちはいつもあるし。前回に関していえば冷静に試合することを目標にしていて、それが影響したかもしれないです。それまで自分はずっとフィーリングでやっていて、動物でいうなら『野性的なチーター』やったんです。でも、これからは『賢いエリートチーター』になりたくて冷静に戦おうと思ったら、逆に冷静になりすぎて熱くなれなかったです」

――対戦相手の木村旬志選手にはどのような印象がありますか。

「ストライカーでしっかり打撃に重みがあるので、いい試合ができると思います。相手のスタイルも含めて打撃を意識して練習しています」

――相手がストライカータイプであっても打撃の攻防にも応じる、と。

「もちろんトータル的に戦いますが、しっかり打撃の練習もしているので打撃の攻防もやりたいです。僕は打撃だけの試合も好きだし、打撃の攻防は見ていて楽しいじゃないですか。それこそ後先考えずにバチバチの殴り合いもやってみたい。前回はそういう野性味を出せなかったので、今回はかつての野性味を取り戻しつつ、冷静に頭を使って戦うところのバランスを考えながらやりたいです」

――ちなみにMMA以外で、打撃系で好きな選手もいるのですか。

「須藤元気さんですかね。トリッキーな人が好きなんで」

――須藤さんはMMAもやるし、全く打ち合わない…ですよね(笑)。

「あっ……そうでした(笑)」

――初めて里見選手を取材しましたが、かなり自然体な選手だと思います(笑)。でもマクレガーだったり、須藤さんだったり、個性がある選手が好きなようですね。

「はい。見ている人の印象に残る選手になりたいと思うし、試合で里見拓磨をどう表現するかを見てもらいたいです」

――これからの里見選手の夢や目標はありますか。

「ジム全体で強くなりたいです。僕も技術をたくさん身につけて強くなって、それをみんなに指導して。そうやってジムとして強くなって、Zジムという名前を轟かせたいです」

――例えばアマチュアの試合で対戦相手に「俺の相手はZジムか。強いな…」と思わせるようなジム・チームでいたいですか。

「そんな感じですね! ジムの名前で相手をビビらせるような“名門”と言われるジムになれたら最高ですね」

――最後に一つ、質問をさせてください。同門のCHAN-龍選手が7月に急逝しました。里見選手にとっても切磋琢磨してきた仲間だと思います。簡単には答えられない質問だと思いますが、一言コメントをいただけますか。

「(少し考えて)やっぱり……残念です。僕は龍ちゃんと仲が良かったし、さっき話したジムで一番強くなるという目標には龍ちゃんを倒すことも含まれてたんです。もうそれは出来ないけれど、僕はこれからもZジムで強くなります」

■視聴方法(予定)
9月17日(日)
午後3時~ Twit Casting LIVE
             
■ FROCE18対戦カード

<ストロー級/5分2R>
石原愼之介(日本)
ニシダ☆ショー(日本)

<ストロー級/5分2R>
里見拓磨(日本)
木村旬志(日本)

<フライ級/5分2R>
堀川“55”滉介(日本)
亮我(日本)

<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
加マーク納(日本)

<バンタム級/5分2R>
波平ゴング(日本)
ダイキライトイヤー(日本)

<バンタム級/5分2R>
矢野武蔵(日本)
JAM(日本)

<新人王決定Tフェザー級準決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
宇藤彰貴(日本)

<ライト級/5分2R>
おえゆうた(日本)
轟轟(日本)

<バンタム級/5分2R>
二宮弘樹(日本)
小川隼人(日本)

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称(日本)
木村旬志(日本)

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