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【Road FC66】グローバルT決勝=キム・スーチョル戦へ、原口央「自分のスタイルを貫く、曲げないこと」

【写真】強度高め、集中力の持続。ハードなトレーニングを重ねて、スーチョル戦に挑む原口央(C)MMAPLANET & TAKUMI NAKAMURA

29日(日・現地時間)、韓国はウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC66で、原口央がキム・スーチョルとグローバル63キロトーナメント決勝で戦う。
Text by Takumi Nakamura

トーナメント準決勝でラザバリ・シェイドゥラエフと対戦を予定していた原口だが、シェイドゥラエフが計量遅刻&体重オーバーで失格。不戦勝で決勝に勝ち進み、逆ブロックの準決勝でブルーノ・アゼベドに勝利したスーチョルと拳を交える。シェイドゥラエフ戦消滅という事態に見舞われながらも、すぐに決勝へ気持ちを切り替えたという原口は、VS日本人無敗&アジア最強とも目されるスーチョル戦に向けて静かに燃えている。


――Road FC65で予定されていたグローバル・トーナメント63キロ級準決勝のラザバリ・シェイドゥラエフ戦はシェイドゥラエフ選手の計量オーバー&失格となり、試合そのものがキャンセルとなりました。あの時どういう状況だったのかを教えてもらえますか。

「基本的な計量時間は11時~12時で、トーナメント選手のみ9時から計量可、クリアした選手は12時からのルールミーティングまでに戻ってくればいいという話だったんですね。それで僕は計量をクリアして、ルールミーティングに参加しようとしたら、シェイドゥラエフ選手が会場にいなかったんです。それでマネージャーに確認したら『シェイドゥラエフは体重が落ちていない』と言われて。それで色々と話し合いがあって、最終的に試合はなしと言われました」

――トーナメントの契約書には遅刻と体重オーバーが重なった場合は失格という条項が記されていたと聞いています。

「そうなんですよ。主催者からは『シェイドゥラエフ選手は体重オーバーに加えて計量時間のオーバーもあるから失格、原口選手が決勝進出です』と言われて。ちゃんと確認していなかった僕も悪いんですけど、そういうルールがあったみたいです(苦笑)」

――契約条項とはいえシェイドゥラエフ選手は200グラム・オーバーだったので、何かしらのペナルティを加えて試合実施という道はなかったのかなと思ってしまいます。

「実はそのあとに『トーナメントとしては不戦勝で決勝進出だけど、試合はやってくれないか』と打診があったんです。それでもし僕が負けて決勝進出というのも違和感があるし、決勝戦が10月というのも決まっているので、KO負けや怪我で決勝をキャンセルしたら元も子もないじゃないですか。それも含めて宮田(和幸)先生と相談して、試合をやらないという選択をしました」

――そういった打診もあったんですね。ワンマッチではなくトーナメントの準決勝ということを考えると、その選択は間違っていないと思います。

「あと一回戦の時にリザーブマッチが組まれていて、そこで勝った選手はどこに行ったんだろう?と思いました(苦笑)。僕としては試合がないと言われた時点で決勝のことを考えていたので、すぐにその場で気持ちを切り替えました」

――その決勝では順当に勝ち上がったキム・ス―チョルとの対戦になりました。原口選手もスーチョルの勝ち上がりを予想していましたか。

「スーチョル選手が本命で、もしかしたらブルーノ・アゼベド選手もあるかな?という予想でした。僕はアゼベド選手も強いと思っていたので、準決勝でアゼベド選手に完勝したスーチョル選手はやっぱり強いですよね」

――直接スーチョル選手の試合を見て、どんなことを感じましたか。

「ボディへの攻撃がめちゃくちゃ上手いですよね。顔面とボディのパンチの打ち分けとプレッシャーをかけながらのヒザ蹴り。RIZINで扇久保(博正)選手からダウンを奪ったのもボディへの攻撃でしたけど、全く同じ入り方でアゼベド選手を効かせていたので、あれは警戒しています。あとは首相撲も強かったですし、左ハイキックでぐらつかせていたので、どの攻撃にも気を付けないといけないです」

――スーチョル選手は試合経験も豊富ですし、試合の緩急のつけ方、攻めどころを見極める力も感じます。

「試合を創るのが上手いですよね。独特なステップで前に詰めて、相手にペースを掴ませない。試合慣れしているところも印象的でした」

――スーチョル攻略のために、どういうことを意識して練習していますか。

「僕の強みはスタミナとドロドロにして競り勝つところなので、そういう展開に持ち込んでスクランブルで必ず上を取る。そこは意識しています」

――ずばりスーチョル選手は穴という穴がないです。

「全局面で強いので、出たとこ勝負でやりあっても勝てないと思うんですよ。だから僕が出来ることは自分のスタイルを貫く、曲げないことだと思います」

――またスーチョル選手は×日本人無敗でもあります。その相手と戦うことをどう捉えていますか。

「日本人が誰も勝てていない、アジア最強の選手だと思います。でも、いずれこういう選手とやることになっていたと思うし、その舞台がROAD FCになったというだけで、僕は勝ちに行くことしか考えてないです」

――シェイドゥラエフ戦前のインタビューでは「本当に強い選手たちと戦って勝ちたい」という言葉もありました。ROAD FCに戦いの場を求めて、こういった強豪たちと戦えることはうれしいですか。

「はい。もし僕がRIZINでスーチョル選手やスーチョル級の選手とやろうと思ったら、もっともっと戦績を積まないといけないと思うんですよ。でもROAD FCを選んだおかげで、こういうチャンスが巡ってきたので、必ず結果を残したいです」

――日本人初のスーチョル撃破&グローバル・トーナメント優勝がかかった一戦で、今後のキャリアにおいても重要な一戦です。

「僕はずっと強い選手とやりたいと言ってきて、スーチョル選手と戦えることをうれしく思うし、SNSでも『原口じゃスーチョルには勝てない』と書かれていますけど、見とけよって感じですね。格闘技はやってみないと分からないし、下馬評通りにいくものじゃないので」

――先日RIZIN LANDMARK07、アゼルバイジャン大会に出場する武田光司選手を取材させていただいたのですが、Braveにはプロ練習に参加する選手が20名近くいて、国内外の様々な団体で活躍していますよね。ジムとしての躍進の理由はなんだと思いますか。

「最近は色んなタイプの選手が集まっていて、ストライカー、グラップラー、柔道家……みんなで意見交換をしながらお互いを高め合って、成長していけるのかなと思います」

――Brave設立当初は宮田代表とレスリング出身の選手が多い印象でしたが、そういった色もいい意味で薄れてきていますよね。

「はい。DEEPに出ている野村(駿太)やGladiatorでデビューした南(友之輔)は伝統派空手出身ですし、打撃だけで言ったら2人とも相当レベルが高いんですよ。そうやって色んなタイプの選手たちがいて、宮田先生が練習メニューを考えて選手たちをまとめてくれているので、本当にジム全体でレベルアップしていると思います」

――「原口ではスーチョルに勝てない」というアンチ・コメントもあるなか、今回のスーチョル戦ではどんな試合を見せたいですか。

「まずアンチに対しては、やっと僕もアンチされるところまで来たんだなと思います。無名のままだったらアンチすらされないと思うので(笑)。ファンだけじゃなく、選手のなかでも僕がスーチョル選手とやることに色々と思うことがある選手もいると思いますが、スーチョル選手に勝てる日本人がいるというところを見せたいです」


■視聴方法(予定)
10月29日(日・日本時間)
午後2時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■メインカード対戦カード

<Road FC グローバル63キロ決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジヨン(韓国)
高橋謙斗(日本)

<無差別級/5分3R>
シム・ゴンオ(韓国)
キム・ミョンファン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
ユ・ジェナム(韓国)
ハン・ユンス(韓国)

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【ROAD FC65】計量終了 原口央と戦う予定だったシェイドゥラエフが2つの違反で失格に……

【写真】セレモニアル計量の場には姿が見えた原口央。弟の伸は「ラッキーと思っているんじゃないですか」と言っていたが、彼が明日戦う予定のバーハートゥブールゥ・アトゥボラティも計量開始から40分を過ぎた時点で計量会場に姿を見せていない……(C)ROAD FC

本日26日(土・現地時間)に韓国はアニャンのアニャン室内体育館で開催されるRoad FC65の計量が、昨日25日(金・同)に行われ――グローバル・トーナメント63キロ級準決勝で原口央と対戦予定だったラザバリ・シェイドゥラエフが失格になった。
Text by Manabu Takashima

衝撃的なニュースが韓国から伝わってきた。原口にとってキャリアを賭けた大一番は、キャンセルという未完の形で終幕を迎えた。


本来は11時スタートの本計量、主催者はトーナメント出場選手に限り9時から体重チェックを開始し、リミットは正午まで3時間。そしてシャイドゥラエフは正午から送れること12時12分に計量をし、63.2キロと体重オーバーに。

同トーナメントの契約書には遅刻と体重オーバーが重なった場合は失格という条項が記されていた。これにより原口はセミファイナルを戦わずして10月29日の決勝でキム・スーチョルとブルーノ・アゼベド戦の勝者と戦うことが決まった。

キャプテン☆アフリカ、マックス・ザ・ボディの両者は、対戦相手も含めてパス。

本日午後1時スタートのショーで、2時半からのメインカード出場に備えている。

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な計量結果

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル:62.8キロ
ブルーノ・アゼベド:62.9キロ

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン:62.6キロ
ヤン・ジヨン:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン:69.9キロ
キャプテン☆アフリカ:69.0キロ

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ:63.2キロ
原口央:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ:69.9キロ
マックス・ザ・ボディ:69.7キロ

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク:69.6キロ
ハン・サングォン:69.9キロ

<無差別級/5分3R>
関野大成:69.9キロ
オ・イルハク:69.9キロ

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【Road FC65】Global T準決勝=アゼベド戦へ。キム・スーチョル「プレッシャーを感じる自分を愛して」

【写真】アゼルバイジャン?と首を傾げたキム・スーチョル(笑)。このあと頭も掻いていた(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65のグローバル63キロ・トーナメント準決勝でブルーノ・アゼベドと戦うキム・スーチョル。
Text by Manabu Takashima

6月のトーナメント準々決勝大会では韓国勢が総崩れするなか、スーチョルはわずか55秒でギロチンを極め。初戦突破を果たした。唯一の韓国勢としてK-MMA界代表の責務、そして一家の大黒柱の責務を果たそうというスーチョルを計量終了6時間後にインタビューした。


――大会前日、本計量を終えセレモニアル計量を待つ状態のキム・スーチョル選手です。まず計量を終えて体調の方はいかがですか。

「今回は主催者の計らいでトーナメント出場選手だけ、午前11時スタート予定だった計量が9時に変更されました。なので6時間半ほど前に計量は終わっているのですが、現時点で7キロほどリカバリーできました。年を食ったのか、体重が戻るのが早いです(笑)」

――いやぁ、代謝が今も激しいということではないですか(笑)。明日戦うブルーノ・アゼベドや原口央×ラザバリ・シェイドゥラエフの両選手も問題なかったですか。

「ハイ。ブルーノも計量が早く終わることを喜んでいる感じでした。ただキルギスの選手は随分と遅くに計量にやってきましたが、なんかコンディションは芳しくない様子でした。でも、自分はとにかく眠かったので、何かやっているなぁという感じで気にしていなかったです。自分も減量で『死にそうだ……』っていうぐらいの状況だったので(苦笑)」

――前回の準々決勝大会、スーチョル選手まで韓国人選手が全滅でした。最後の登場でプレッシャーにならなかったですか。

「プレッシャーは感じていました。韓国人としてだけでなく、一家の大黒柱として負けられなかったです。でもプレッシャーを抱えて戦う方が、自分は良いと思います。プレッシャーがないと、危険を察知する能力も下がりポカをしてしまいます。なのでプレッシャーを感じる自分を愛しています(笑)」

――アハハハ。では対戦相手のブルーノ・アゼベドですが、右カーフとねちっこい組み技が印象的です。

「組み技、寝技が強いと思いますが、なぜかオープン・ワークアウトで右のハイばかりを蹴っていて。自信があるのか、何か隠しているのか。ただ、右の蹴りは良かったです。もちろん、それで組んでくることも十分にあると思いますが、それならそれで構わないです。クリンチに来るなら、その局面でも圧倒してやります」

――スーチョル優位の声が圧倒的です。

「そういう声があるのは知っていますが、相手もわざわざ負けるために来るわけがないので。いつも試合中に『相手の打撃は当たらない。試合を支配できる』というフレーズを呟いてマインドコントロールをしていますが、今もやっています」

――どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「自分から攻撃できるよう、その攻撃の幅を厚くしカードも揃えています。接近戦から自分がフィニッシュできる技を披露したいと考えています」

――明日の試合に集中しないといけないのですが、決勝は10月29日です。スーチョルはその後に大晦日のRIZINで戦いたいということを明言していましたが、なんだか11月4日のアゼルバイジャン大会への出場をRIZINは考えていたという話もありました。

「アゼルバイジャンですか……(笑)。そういう風に希望してくれるなら、本当に幸せなことです。ただし、自分は試合前は試合のことしか集中できないんです。そうでないと対戦相手に失礼です。SNSで相手を殴っている写真などアップする人もいますが、それは戦った選手への礼を欠いています。なので、今は明日のことだけを考えて――決勝戦やアゼルバイジャン(苦笑)、大晦日のことはブルーノに勝ってから、決めれば良いことです。自分はジョン・ムンホン館長と並び、大山倍達の両者を誰よりも尊敬しています。なので日本から声が掛かることはとてもありがたいですが、今は明日の試合のことだけを考えています」

――明日、日本からスーチョル選手の応援をしているファンに一言お願いします。

「日本のファンに人たちには、本当にありがとうございますと伝えたいです。日本の格闘技人気が100だとすれば、韓国は10もありません。それでもプロの舞台があるのはPRIDEと日本の格闘技界のおかげです。自分はPRIDEと日本の格闘技が大好きで、ジョン・ムンホン代表が日本の格闘技に挑戦した話と、大山倍達の逸話が本当に大好きです。日本の格闘技があり、二人の先人がいたことで自分がMMAで食べていけるようになりました。つまりは日本の格闘技界と日本のファンのおかげです。本当にありがとうございます」

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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【Road FC65】キルギスの未知強シェイドゥラエフと対戦、原口央「これは凄い選手が出てきたなと」

【写真】MMAファイターとして、強さを追求するうえでの満足度は200パーセントの相手と韓国で戦う原口央(C)

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65で、原口央がラザバリ・シェイドゥラエフとグローバル63キロトーナメント準決勝で戦う。
Text by Takumi Nakamura

トーナメント準々決勝でムン・ジェフンと対戦し、テイクダウンからのトップ&バックコントロールのファイトスタイルを貫いて勝利した原口。準決勝では9戦9勝すべてフィニッシュして勝利しているキルギスのシェイドゥラエフと対戦する。典型的な未知の強豪との対戦を前に、原口は「知名度に関係なく本当に強い選手たちと戦って勝ちたい」と力強く語った。


――6月のトーナメント準々決勝ではムン・ジェフン選手をテイクダウンしてトップキープするという試合運びで下しました。まずジェフン戦を振り返っていただけますか。

「ジェフン選手はROAD FCのバンタム級チャンピオンで、自分が挑戦者のつもりで戦いました。なので気負うこともなく、5分3R=15分間、自分の試合がしっかりできたと思います」

――ジェフン選手は伸びのある打撃でアグレッシブに攻める韓国人選手らしいファイトスタイルの持ち主でした。どんな試合展開を考えていたのですか。

「爆発力があるのは分かっていたので、距離をとって、自分のスタイルでいけば大丈夫だと思っていました。ただジェフン選手は柔術も黒帯で寝技もできると聞いていて、寝技になっても自分が先に動いて、自分の試合運びをできればいいなと思っていました」

――1Rにテイクダウンを奪ってからは終始、央選手のペースだったと思います。あのテイクダウンで手応えを掴みましたか。

「あのテイクダウンも、相手のミドルキックをキャッチしてのもので、あれで相手との距離感が分かったんです。この距離なら打撃はもらわないと思ったし、油断をせずに1Rと同じ戦いをすればいけるだろうと思いました」

――おそらくあのミドルキックで央選手にダメージはなかったと思いますが、会場から大きな声援が起きていましたよね。アウェーならではのことだと思いますが、そこはどう感じましたか。

「ちょっと場の雰囲気に持っていかれそうだったんですけど、なんとか冷静を装って戦いました(笑)。会場そのものはすごく広かったし、RIZINに似たような雰囲気だったんです。韓国でのMMAの盛り上がりを感じましたね」

――試合の話に戻ると2Rにはテイクダウン・バックコントロールして、3Rを迎えました。3Rもテイクダウンに成功して、試合を優位に進めていましたが、早いタイミングでブレイクを命じられた場面がありましたよね。あのブレイクは想定していましたか。

「試合前にも言われていたんですよ。ROAD FCはバチバチの打ち合いが求められて、もしテイクダウンしてトップをとっていても、レフェリーがこれ以上動きがないと判断したら、早めにブレイクすると。だから僕もそこは意識してトップをとりながら、細かく足を動かしてアピールはしていた……つもりだったのですが、それでもブレイクになっちゃいましたね。

正直、あの時は『まじか!? ここでスタンドに戻ったらきついぞ』と思いました(苦笑)。相手としてもあそこでスタンドに戻って足を止めて打ち合って、自分の得意の展開にしたかったんでしょうけど…僕は空気を読まずに自分のスタイルをやりきりました」

――イベントのカラーとして打撃が重視されて、そうした展開を促すリクエストもあると、自分の考えがぶれる選手もいると思います。央選手はそういうものは気にならないタイプですか。

「僕は周りにああしてほしい、こうしてほしいと言われたからと言って、自分のスタイルを変えるつもりはないし自分のスタイルを貫こうと決めています」

――ジェフン戦以降はどこを意識して練習していますか。

「試合があるからということは意識せずに、普段通りにプロ練習に参加して、自分のレベルを上げています。試合後も試合前も変わらず、僕は試合が終わっても練習量を落とさない方なんで」

――では普段の練習で意識している部分はどこでしょうか。

「試合になると緊張やダメージもあって、練習よりもキツい状況で動かなければいけないと思うんですよ。だから普段の練習でもスパーリングの本数は減らさないで、なるべくインターバルはあけずにやっています。そのスパーリングでもわざと動き続けて、自分が体力的にしんどくなるような練習をしています」

――より試合を想定したスクランブルを意識して練習しているようですね。

「僕は打撃が強いわけでもないし、フィニッシュできるわけでもない。一番の武器はスタミナとねちっこさなので、そこを試合で出すためにどうしたらいいのかを考えて練習しています。疲れた時、しんどい時にどこまで動けるのか。そこは常に意識している部分ですね」

――レスリング・スクランブルの攻防で動き続けるスタイルは精神的・体力的にも一番ハードな戦い方です。×対戦相手だけでなく、妥協しないという面では自分自身との戦いもあると思うのですが、そこをやりきる自信はありますか。

「そこが自分の強いところだし、強い選手は仮に泥仕合になっても最後まで攻めきることができる。正直、僕もあれをしよう、これをしようと迷っていた時期がありました。ちょうどその頃にRIZINのバンタム級GPが行われて、扇久保博正選手が自分のスタイルを一切曲げることなく戦いきって優勝したんですよね。

僕はスタイル的に扇久保選手に似ているし、扇久保選手のように自分のスタイルを貫く選手が最後は勝ち切ることができるんだと思いました。打撃に特化した選手、寝技に特化した選手はいるし、どこか特化した部分があったとしても平均的にトータル強くて、そのスタイルを貫ける選手はすごい。最後まで自分をやりきる貫く選手が、最後は勝てると思っています」

(C)ROAD FC

――では準決勝で対戦するラザバリ・シェイドゥラエフにどのような印象を持っていますか。

「一言で言うと、強い、ですね。周りからもあの選手は強いぞと言われます」

――まさに央選手が前回のインタビューで話していた「知られていなくても、強いヤツ」の典型的なタイプです。

(C)ROAD FC

「今回のトーナメントが行われるまで、シェイドゥラエフ選手のことを知らない人の方が多かったと思うんですよ。

でもいざ蓋を開けるとあれだけ強いという。トーナメントの準々決勝を終えた時点で9戦9勝、4勝が打撃かパウンドによるKOで、5勝がサブミッションによる一本勝ち、これは凄い選手が出てきたなと思います。しかもシェイドゥラエフ選手はまだ22歳なんで、まだまだ強くなっていくでしょうね」

――基本的にシェイドゥラエフ選手は組み技の強みを生かして、打撃はフルスイングする。トップキープしながら絞め系のサブミッションが強いというタイプです。組み技の強さを軸に試合を組み立てるという部分では央選手と共通していますよね。

「組みに自信があるのは僕もシェイドゥラエフ選手も同じだと思います。ただ組みの種類が少し違うと思っていて、僕はピュアレスリング主体で、シェイドゥラエフ選手はどちらかというとグレコ寄り。上半身をしっかり固めてテイクダウンするタイプですよね」

――ではその組みのスタイルの違い、そこでのテイクダウンの攻防が勝敗の一つのポイントになりそうですね。

(C)ROAD FC

「う~ん……もし純粋な組みの勝負になっても間違いなく強いし。

スタンドの打撃も思い切り振ってきて、シェイドゥラエフ選手は穴がないんですよね(苦笑)。だからそこをどう崩すかを練習で積めていこうと思います」

――過去最強の相手という認識ですか。

「はい。今までやってきたなかでトップの選手だと思います。だから自分がどのくらい出来るのか楽しみにもしています」

――今回のグローバルトーナメントに出ると決めた以上、こういった強豪と戦うことは望んでいたことですか。

「そうですね。僕自身、バンタム級に階級を落とした理由が世界と戦いたかったからで。こうして海外の強い選手と試合を組んでもらって、しっかり勝ちにいきたいです」

――今、MMAで上を目指すなかで色んな選択肢があると思います。央選手はファイトスタイル同様、海外の強い選手に勝つという自分の考えを貫いているのですね。

「はい。やるからには強い選手とやりたいし、前回も言ったけど、シェイドゥラエフ選手みたいに名前は知られてなくても強い選手はめちゃくちゃいると思うので、そういう知名度に関係なく本当に強い選手たちと戦って勝ちたいです」

――では最後の質問です。グローバルT準決勝戦、どのような試合を見せたいですか。

「僕は朝倉海選手や井上直樹選手みたいに華のある試合は出来ないですが、こういう選手が海外でも頑張っているんだよという姿を見せたいです」

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【Road FC65】8月のvs世界!! Raod FCで原口央、キャプテン☆アフリカがキルギス&在韓モンゴリアンと!!

【写真】キャリア最強の相手と戦ういっても過言でない原口。翌日にRoad to UFCを戦う実弟・伸に良い形でバトンをつなげることができるか(C)MMAPLANET

8月最終週末、25日(金・現地時間)から26日(土・同)、27日(日・同)にかけてアブダビ、シンガポール、そして韓国で日本勢が世界と戦う。

アブダビ=UAEWには藤田大和、シンガポール=UFC ESPN52には木下憂朔、中村倫也、風間敏臣。Road to UFCには鶴屋怜、上久保周哉、神田コウヤ、原口伸が出場する。

そして26日(土・同)の韓国=Road FCでは6月にスタートを切ったグローバル・トーナメント63キロ級準決勝に原口央、70キロT準決にはキャプテン☆アフリカ、マックス・ザ・ボディと3選手が挑む。


ソウル近郊のアニャンはアニャン室内体育館で開催されるRoad FC65。6月23日にウォンジュで実施された同トーナメント準々決勝を勝ち残った面々が、5カ月間で3試合――10万ドル獲得を目指した短期決戦の折り返しを迎える。

初戦でムン・ジェフンを破った原口は、韓国を襲った中央アジアの猛威=キルギスのラザバリ・シェイドゥラエフとの対戦が決まっている。

RIZINでも連勝中だったヤン・ジヨンをボディロックテイクダウンからRNCで仕留めたシェイドゥラエフは、テイクダウン前の打撃が蹴りも含めて、正確かつ威力がある。組みとの緩急という面も含めて、相当な力を持ち主といえよう。ここを切り抜けるには、やはり思い切りの良さ。スクランブルの先にあるフィニッシュ力が、いよいよ求められる原口央だ。

Road FCフェザー級王者パク・ヘジンとのスイープ合戦を制し、力強いコントロールでセミファイナルに進出を果たしたアフリカは韓国在住のモンゴリアン=ムングントズ・ナンディンエルデンと相対する。いうとテイクダウンを切ってパンチ勝負のナンディンエルデンと、テイクダウンからが命綱のアフリカ。

ナンディンエルデンが徹底して組みを避けるのに対し、アフリカは打撃戦に応じる傾向にある。ここはなりたい自分、K-MMA独特の会場に雰囲気、レフェリーの打撃示唆に影響されることなく、この試合で勝つためのアフリカのベストを見せてほしい。

初戦を反則のグラウンド・ヒザで勝ち上がったマックス・ザ・ボディは、右のカウンター一発でユン・テユンをKOしたロシアのアルトゥル・ソロヴィエフと戦う。

まだソロヴィエフが組みという部分を見せていないが、中間距離よりも近い位置で、倒す右を持っており。如何にソロヴィエフの右ショート、クロスを貰わないで戦うか。まずはそこが、第一関門となろう。

そして2階級揃って韓国勢が総崩れとなったなか、最後の砦となった63キロ級T出場のキム・スーチョルは、パク・ヘギュンを初戦で下したブルーノ・アゼベドを迎撃する。

生まれ故郷で、韓国勢全滅かというプレッシャーをはねのけたスーチョルは、その精神面の成長もあり今がキャリアハイ、ピークといえる状況――ここで、躓くことはあまり考えられない。

■Road FC65対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<63キロ/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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【ROAD FC64】RIZINで2勝、日韓で7勝0敗のヤン・ジヨンが、キルギスのシェイドゥラエフのRNCにタップ

<Road FC グローバル63キロT準々決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
Def.1R4分00秒 by RNC
ヤン・ジヨン(韓国)

国際戦で敗れ続けるRoad FC勢、RIZINでも2勝を挙げているヤン・ジヨンがキャリア8連勝を賭けてシェイドゥラエフと相対する。サウスポーのヤン・ジヨンに右インローを蹴ったシェイドゥラエフ。続く前進にヤン・ジヨンがワンツーを合わせる。右を振って前に出るシェイドゥラエフが、リードフックを当てる。さらにワンツーの右を入れ、右ミドルへ。ヤン・ジヨンは左ストレートを当て、右ジャブ、さらに左をカウンターで当てる。左ストレートの精度が高いヤン・ジヨンに対し、パンチを受けながら組んだシェイドゥラエフがボディロックでテイクダウンを決め、スクランブルで細かいパンチを入れていく。

シェイドゥラエフは力強いボディロックテイクダウンを決め、背中をつかせると一気にマウントへ。背中を見せたヤン・ジヨンはRNCをセットされる。声を挙げながら絞めたシェイドゥラエフが、タップ奪った。


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