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【DEEP】ミスターブレイキングダウン川島悠汰参戦!

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5月26日にニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT 2024 3rd ROUND。既に石司晃一(フリー)×平松翔(THE BLACKBELT JAPAN)など好カードが発表されていますが、今回新たにミスターブレイキングダウンこと川島悠汰(INFIGHT JAPAN)の参戦が発表されました。

ブレイキングダウンを断片的にしか見ない私は今ひとつピンと来ませんが、第1回大会から出場している人気選手だそうです。

唯一観戦したBreakingDown9ではお互いパンチを被弾してダブルノックダウン。そこから立ち上がって見事?TKO勝ちを収めていたのが印象的です。

DEEPでどこまでやれるかはまだ未知数ですが、ここ最近のブレイキングダウン出身者の生み出す熱量は無視できません。信原空に彩綺、安井飛馬、八須拳太郎などなど。勝ち負けは一旦さておき、会場は普段以上に埋まって、会場での声援の多さや熱気は明らかに違います。

それだけに川島の参戦は何気に期待してしまうのは私だけではないでしょう。そんな川島の対戦相手は渡辺智偉(カタナジム)。2022年のアマチュア修斗東北選手権ウェルター級で準優勝したバックボーンを持ちます。

ともすると噛ませ犬になりそうですが、裏を返せば知名度の高いブレイキングダウン勢を喰らう大チャンス。BD狩りという視点で見ても面白い。
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45 DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS45 DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#03 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE UFC アンソニー・ドォ キム・ウジェ ハリーKIMURA 中井りん 中村真人 佑勢乃花 川原波輝 平松翔 本田良介 栗山葵 石司晃一 赤沢幸典 越智晴雄

【DEEP Tokyo Impact2024#03】1勝1敗からの決着戦へ! 川原波輝×越智晴雄のストロー級王座統一戦が決定

【写真】A1ストロー級王者に就いた川原にとっては凱旋試合となる (C)A1 COMBAT

16日(火)、5月26日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催される『DEEP TOKYO IMPACT 2004 3rd ROUND』にて、正規王者の川原波輝と暫定王者の越智晴雄によるDEEPストロー級王座統一戦が行われることが発表された。
Txet by Shojiro Kameike


すでに石司晃一と平松翔のバンタム級戦が発表されていた今大会。追加された対戦カードで最も目を引くのは、やはりストロー級王座統一戦だ。

2020年8月の2戦目から3年半ぶりの決着戦となる(C)MMAPLANET

両者は過去2度対戦しており、初戦は2019年3月に越智が川原を判定で破り、王座防衛に成功している。しかし2020年8月の再戦では川原が越智にRNCを極め、ベルトを巻いている。今回は両者にとって1勝1敗で迎える決着戦だ。

越智はベルトを失ったあとフライ級に転向するも、DEEPフライ級GPの1回戦で元チームメイトでもある本田良介に敗れた。その後は中村真人戦、キム・ウジェ戦で連勝を収め、昨年12月には佑勢乃花をスラムでKOしてストロー級暫定王座に就いている。自身も「ベストはストロー級」と語るとおり、本来の持ち味であるトップコントロールと一発の強さが戻ってきた感が強い。

対する正規王者の川原はDEEPのベルトを巻いたあと、ONEに主戦場を移すも2連敗を喫し、契約も切れていたことをMMAPLANETのインタビューで明らかにしていた。その川原は3月に米国カリフォルニア州で開催されたA1 Combat19で、アンソニー・ドォを判定で下して同ストロー級のベルトを巻いている。「UFCにストロー級を創る」と目標を掲げる川原は、今回のDEEP凱旋について「一周回って日本で戦える喜び。楽しみです!」とMMAPLANETにコメントを寄せてくれた。

越智は佑勢乃花戦前のインタビューで「僕の中では『ベルトはベルト、川原選手は川原選手』。たとえベルトが賭けられていなくても、川原選手には負けた分やり返したいという気持ちが強い」と語っていた。3年半の時を経て実現する決着戦は、互いにモチベーションが高いハードファイトになりそうだ。

今大会では赤沢幸典×ベンツのメガトン級戦も追加されている。肉体改造に成功した赤沢は、2023年11月にハリーKIMURAをパウンドアウト。ハリー戦では打撃のプレッシャーと、テイクダウンのスピードに肉体改造の効果が見えていた。

赤沢と対戦するベンツ(C)MMAPLANET

そんな赤沢に挑むベンツは、本名をアディマポン・セーンテップといい、ムエタイで129戦90勝305敗4分という戦績を残すタイ人ファイターだ。赤沢は「打撃からテイクダウン、そしてパウンド――それだけですね」という自身のスタイルを、ムエタイファイターを相手に見せることができるか。

また、同日の昼に開催されるDEEP JEWELS45で、すでに発表された中井りん×栗山葵のフライ級タイトルマッチが中止に。栗山が右膝十字靭帯断裂で試合に出場できなくなり、代わりにDEEP事務局では急きょ、中井りんの対戦相手を公募しているとのことだ。

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Black Combat CORO DEEP DEEP Tokyo Impact o RIZIN ユ・スヨン 平松翔 石司晃一 金太郎 魚井フルスイング

【DEEP】5.26ニューピアホール大会 石司晃一×平松翔決定!

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5月26日にニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT 2024 3rd ROUNDで石司晃一(フリー)×平松翔(THE BLACKBELT JAPAN)のバンタム級マッチが行われる事が発表されました。

元DEEPバンタム級王者の石司は BLACK COMBATとの対抗戦でユ・スヨンにパウンドでTKO負けして以来の復帰戦。テイクダウンされると防戦一方に追い込まれましたが、それまでは金太郎やCOROなどに6連勝。スタンドでの打撃でもKO出来るし、グラウンドになっても三角やチョークでも仕留める事が出来るオールラウンダーです。

対する平松。勝ったり負けたりが続いていましたが、転機を迎えたのが3月のDEEP 118 IMPACTで行われた魚井フルスイングとの一戦。魚井にニータップでテイクダウンを許すも、それに合わせてギロチンチョークを極めて一本勝ち。RIZINに出場した魚井を下した事で一躍脚光を浴びる事となりました。

石司は王座から陥落して以来の負けられない一戦。対する平松は勝てば一気にタイトル戦線に浮上する重要な一戦。石司が踏み止まるか、平松が勝って世代交代か。いきなり楽しみなカードが組まれました。
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45 AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS45 DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#03 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK08 にっせー クレア・ロペス パク・シウ パク・シユン 大島沙緒里 平松翔 村上彩 石司晃一 須田萌里

【DEEP JEWELS45&DEEP Tokyo Impact2024#03】ミクロ級王座統一戦、剛の大島沙緒里✖柔の村上彩

【写真】両者のベルトは今後、一本化するのだろうか (C)MMAPLANET & SHOJIRO KAMEIKE

8日(月)、DEEPが5月26日(日)に東京都港区のニューピアホールでDEEP JEWELS45とDEEP Tokyo Impact2024#03の開催と、DEEP JEWELS ミクロ級チャンピオン村上彩と DEEP女子ミクロ級チャンピオン大島沙緒里の間で王座統一戦が組まれることを発表した。
Text by Manabu Takashima

大島は2020年9月ににっせーとの王座決定戦を制しDEEPミクロ級のベルトを巻き、翌年にアトム級GPに出場して決勝でパク・シウを破りDEEP JEWELSアトム級王座と二冠に輝いた。


昨年9月にBlack Combatアトム級とのダブルタイトルマッチでパク・シユンにまさかの判定負けを喫し、大島はアトム級王座を手放した。そして今年の2月にはRIZIN LANDMARK08にショートノーティス出場をし、クレア・ロペスを十字で破って以来3カ月振りの実戦となる。

一方の村上は2020年10月のプロデビューからアトム級とミクロ級の両階級でファイトを続け、戦績は8勝1敗。唯一の敗北はアトム級で須田萌里にリベンジを許した試合だ。昨年9月にアム・ザロケットを下し、2020年11月に創設されたベルトを初めて日本に取り戻した。

「ミクロ級の方が動きが良い」という村上は、そのミクロ級では4勝0敗で3つの一本勝ちを誇る。自身のなかでの絶対的な動きの良さがどちらになるのかというよりも、体格差が生じるアトム級での相対的な動きを評価すると、前者の方が動きは良くなるということか。対して大島はアトム級においてもフレームで不利なことはあっても、フィジカルで後れを取るようなことはない。そして44キロは、同王座決定戦と防衛戦の2度しか戦っておらず、2試合ともアメリカーナで一本勝ちしている。

いわばミクロでは負け知らずの女王対決は、柔道家・大島✖柔術家・村上という見方もできる。もちろん、MMAでありスタンドは当然として、寝技でも打撃があるなかで両者のグラップリング対決は見ものだ。

全17試合で9つの一本勝ちを誇る大島に対し、村上の一本勝ちはキャリア序盤の3試合だ。その一方で体力負けをして然りの試合でも、技術で制してきた。パワーで対抗できない時に村上を助けるのが、相手の力を利した柔の動き。つまり村上は柔のグラップラーといえるだろう。

他方、大島はガード、サイドからキムラ、アメリカーナ系のアームロックを得意としており、アトム級やスーパーアトム級でもタップを奪って来た。いわばミクロ級を越えた破壊力、パワーの持ち主はずばり剛のグラップリングを駆使する。

✖剛の組み技系MMA対決、パワーも技術に含まれ大島のキレを持ってすると、剛の寝技により短時間決着もあり得る。同時に柔の寝技は瞬発系でなく耐久力勝負、いわゆるDeep Waters──深みに入り&深刻な状況を与える勝利を手にすモノ。剛の大島✖柔の村上、非常に興味深い王座統一戦となる。

またDEEP Tokyo Impact2024#03では昨年9月の王座転落から8カ月、石司晃一が実戦復帰。THE BLACKBELT JAPANの平松翔と戦うバンタム級3回戦がまずは明らかとなっている。

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45 AB ANIMAL☆KOJI DEEP DEEP119 MMA MMAPLANET o キム・ミンウ ダスタン・アマンゲルジ マサト・ナカムラ ユ・スヨン ヴィンス・モラレス 元谷友貴 北岡悟 日比野エビ中純也 木下尚祐 水野竜也 泰斗 石司晃一 神龍誠 福田龍彌 窪田泰斗 関原翔 雅駿介

【DEEP119】ユ・スヨンが王座返上→元谷友貴×福田龍彌で、DEEPバンタム級王座決定戦

【写真】ユ・スヨンが見られないのは、残念。だが国内屈指の実力者対決組まれた(C)MMAPLANET

30日(土)、DEEPより5月3日(金・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP119 Impactでバンタム級王座決定戦=元谷友貴×福田龍彌が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

福田は昨日29日(金)にフライ級暫定王者から、神龍誠の王座返上を経て正規王者になったばかりだ。


その神龍と同様にバンタム級王座もユ・スヨンが防衛戦のスケジュールの目途が立たないためにベルトが返上されることとなった。

今回の後楽園ホール大会、実のところ元谷がユ・スヨンに挑戦するという形を第一に話が進められていたが、福田が3月大会で雅駿介に勝利したことで対抗馬に浮上していた。

ユ・スヨンは昨年9月に石司晃一を下し、DEEPとBlackcombatのバンタム級王座を獲得。12月にはNAIZAバンタム級王座をダスタン・アマンゲルジに明け渡した。さらに今年1月にフェザー級シングルマッチでキム・ミンウと対戦し、延長4Rに急所蹴りを受けて試合続行不可能となり、NCという結果に終わっている。

半年間でこのハードなスケジュールをこなしてきたユ・スヨンの防衛戦を行われない場合、元谷と福田の間で暫定王座決定戦が組まれるのではないかという憶測もあった。が、ここにきての王座返上、その理由は推して知るべしといったところか。

元谷は大晦日のヴィンス・モラレス戦における敗北からの再起戦となるが、ATTでどれだけアップデートができているのか。また福田もこの試合に向けて、来週より3週間の予定でファイター福田龍彌生誕の地ともいえる──タイで出稽古を敢行することが決まっているという。

なお同大会では既にメガトン級の水野竜也×ANIMAL☆KOJI、ライト級で北岡悟×倉本大悟という3回戦、関原翔の復帰戦となるマサト・ナカムラ戦=フライ級、バンタム級の窪田泰斗×橋本ユウタ&日比野エビ中純也×木下尚祐戦と2回戦3試合が実施されることが発表されている。

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【DEEP118】福田龍彌と暫定フライ級王座決定戦へ、雅駿介「寝技でも首相撲が活きる」

【写真】2023年の3連勝で一気にベルト挑戦まで駆け上がった雅が、MMA&ムエタイ談義をじっくりと話してくれた (C)TAKUMI NAKAMURA

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactにて、雅駿介が福田龍彌と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

これまでの相手の中で最も完成度が高いMMAができる福田との一戦を「格闘技の能力で競うだけではなく、スタミナや体力面のキツさだけではなく頭も使う試合」と予想している。またABEMA時代のONE Championshipの解説では高い分析力を見せていた雅がMMAにおけるムエタイ論、そしてDEEPという団体への想いも語った。


――今大会ではDEEPフライ級暫定王者&DEEPフライ級グランプリ優勝の福田龍彌選手と試合が決まりました。

「もしかしたユ・スヨンとタイトルマッチをやる可能性もあると思っていたのですが、自分的には福田選手とやりたかったんです。福田選手は日本での知名度があるし、いきなりチャンピオンとやるより福田選手に勝って、挑戦者は雅しかいないだろうという状態でタイトルマッチをやりたかったので。だから福田選手と試合が決まって、よかったなというのが最初の感想でしたね」

──選手によっては早くタイトルに挑戦したい選手もいると思いますが、雅選手はちゃんと段階を踏んで挑戦したかった、と。

「そうですね。だから結果的には自分が望む形になりました」

──福田選手は元々フライ級の選手ですが、いつ頃から対戦を意識していたのですか。

「ビクター・ヘンリーが王座を返上して石司晃一選手が正規王者になるという発表があった時、福田選手が『来年はこっちのベルトも狙ってもいいでしょうか』みたいなことをTwitter(X)に書いていたんですよ。自分が出ている団体の、自分の階級のベルトのことだったので、自分も何か言った方がいいかなと思っていたら、DEEPバンタム級の他の選手は誰もそれに触れていなくて。

なんで他の選手は自分の団体の自分の階級のことを盛り上げないんだろう?という気持ちもあり『(福田が)階級を上げてくるなら一発目の相手に立候補します』と絡んだことがあったんです。その時、いずれやるかもしれないなというのはなんとなく思っていました」

──ファイターとしての福田選手の評価はいかがでしょうか。

「強いと思います。自分の強さを分かっていて、それを活かすための戦いを徹底している選手という印象です」

──以前、MMAPLANETで取材した時、福田選手本人はその場の即興でどう戦うかを考えると話していましたが、相手に合わせて戦い方を変えて自分の強さをぶつけるスタイルだと思います。

「ですよね。自分もそういったクレバーなイメージがあります」

――短い時間で試合を終わらせるのではなく、しっかり時間をかけて相手を攻略するというか。

「そこはキャリア豊富なベテランらしいというか、焦って攻めないというか。色んな餌を撒いておいて、自分の強いところに相手が喰いついてきたら勝負する。そういう部分はあるかもしれないです」

──戦う身としては試合のシミュレーションが難しいタイプでもあると思うのですが、雅選手はどんな試合をイメージしていますか。

「逆に言うと相手によって戦い方を変えるというよりは、自分の得意な戦い方があって、そこに相手がハマっていくように戦っているように見えるんです。だからゲームプランそのものは難しくないのかなって思いましたね」

──技術戦になることはもちろん、戦術的にお互いどういうカードを切っていくかという試合にもなると思います。

「単純に格闘技の能力だけで競うだけじゃなく、スタミナや体力面のキツさだけじゃなく頭も使う試合というか。今回は5分3Rたっぷりと戦えるので、総力戦になると思います。相手もクレバーに戦ってくると思いますが、そこは自分もムエタイで散々やってきたところなんで自信はあります」

──雅選手のなかで勝つイメージはできていますか。

「そうですね。あとは石渡(伸太郎)さん、今はロータス世田谷にも行っているので八隅(孝平)さん。そういったセコンドに入ってもらうチーム陣の考えも僕は信頼しているので、対策は自信持ってできているっていう感じです」

──今の主な練習場所はどこになるのですか。

「CAVE、ロータス世田谷、石渡さんが最近出したALMA FIGHT GYM PUGNUS、打撃と朝練はPOWER OF DREAM。基本的にこの4つでやっていますね」

──雅選手自身は最近の試合を振り返って、どこが伸びていると思いますか。

「もともとMMAでの自分の戦い方の方向性はある程度見えていたんですけど、練習で出来ることをいざ試合でやってみると出来ないことがあったんです。それが試合でもしっかり出来るようになってきたっていうところですね」

──雅選手はムエタイからMMAに転向する際、それまでのムエタイを活かしつつMMAをやろうとしたのか。それともムエタイをリセットして一からMMAをやろうとしたのか。どちらだったのですか。

「僕は本当にゼロからやるイメージでした。やっぱりムエタイとMMAは距離感が全然違うし、むしろ自分をリセットしてゼロからやりたい気持ちがありました。僕が最初に指導をお願いしたのが石渡さんで、石渡さんも同じ思考というか、MMAはゼロからやるという考えの人なので、それが上手くマッチして。もちろん自分の強みを活かそうとは思いましたけど、最初は本当にそれがなく、まっさらなところから作り上げた感じです」

──組み技は一からのスタートだったと思うのですが、打撃もリセットしたのですか。

「はい。打撃も立ち方・構えから始めました。それがある程度形になってきてから、こういうこともできるよねと自分の(ムエタイの)強みを足していくイメージでしたね」

──ムエタイからMMAに転向するうえで、雅選手はどこが一番難しかったですか。

「デビューして最初の3戦は1勝2敗と負け越して、上手く行かない部分が出ちゃったのかなと思います。で、それがだんだん良くなってはいくんですけど、今度は逆に小さくまとまっていた部分もあるんです。MMAファイターとしてムエタイが活きていない、普通のMMAをやる選手になっちゃっているなって。最初はゼロからMMAをやるイメージでしたが、逆に今はムエタイの強みを取り入れて、自分らしさを出していく方向にシフトしています。これからは自分らしさを出していくことが大事なので」

──例えば打撃の間合いやプレッシャーのかけ方など、試合をやるごとに少しずつ変わってきた印象があるのですが、雅選手自身もそこは意識していましたか。

「やっぱり距離感が一番難しかったですね。ムエタイでは何かしら手を出せば攻撃が当たる位置で戦うのが基本で、首相撲もあるからより距離が近づくこともあるんですけど、MMAでその距離で戦うと被弾するリスクが増えて、簡単に組まれてしまう。僕はMMAは踏み込んで打撃を当てる競技だと思っているので、そのMMAの距離感の設定に一番苦しみましたね。石渡さんにも口酸っぱく言われ続けました」

――距離設定がムエタイからMMAに変わってきた、と。

「しかもその距離設定が打撃の一手であり、組みの一手だと思うんですよ。打撃でも組みでも自分が有利な状態でスタートさせるという意味で距離設定は重要なので、そこが上手くなってきたから、試合が上手く回るようになったというのはありますね。だからMMAの距離感を守れるようになった感じです。昔はどうしても相手に触れる距離=ジャブやローキックを出せば当たる距離で戦いたくて、そこまで勝手に行きがちだったのですが、そこの距離設定がちゃんと合うようになってきました」

――攻防の受け返しができる位置で戦うのがキック・ムエタイで、攻防しなくていい位置で戦うのがMMAでもありますよね。

「そうですね。受け返しがあるキック・ムエタイと、受け返しがない&自分の戦いを押し付ければいいMMA。そこの競技性は確かに違うかもしれないです。あと言い方は難しいですけど、いい意味で臆病になるというか、打撃に自信を持っているけど打撃を怖がる。その感覚も大事だと思っています。やっぱりMMAグローブはガードの隙間を抜けてくるし、ボクシンググローブで出来ていたディフェンスが出来ないうえに、一発で効かされてしまう。今はより相手の攻撃に対して敏感に戦っています。ONEのムエタイルールの試合を見ていると、MMAグローブでよくあの近距離で打ち合うなと思うし、今は感覚的にそっちになっていますね」

──一度過去のキャリアをリセットしてMMAにチャレンジした今だからこそ、MMAに活かせるムエタイの技術もあるのではないですか。

「むちゃくちゃありますね。最初は手探り状態だったんですけど、自分のMMAの基礎が出来るようになってくると『こういうことが出来るな』とか『MMAグローブだったらこういうことが出来るな』とか、寝技・組技でも首相撲が活きてくることもあるので、今はいろんなことが活かせるようになってきました」

──寝技での首相撲とは具体的にどういうものですか。

「結局組む競技において、どの局面でも基礎的なこと・一番大事なことは一緒だと思うんですよ。内側をとりましょうとか。だから寝技でも首相撲が活きるところがあるんですよね」

──首相撲が使えればパウンドやグラウンドのヒジも出しやすくなるのですか。

「そうですね。組み手の作り方で殴りやすいポジションやヒジを当てやすいポイントがあって、そこはムエタイの首相撲でさんざん組んできたんで、活きてくることばかりですね。ただヒジのアイデアや打ち方は色々と浮かぶんですけど、練習だと本気で打ち込めないじゃないですか。試合でどう出すかがポイントだと思うんですけど、それもだんだんと試合で使えるようになってきたので、もっとその部分を出していこうと思います」

──そういった意味では雅選手のMMAがどう進化していくのか、非常に楽しみです。

「そうだと思います。やっぱりそこ(ムエタイの技術)で勝負を決めることだったり、それが試合で出てきたらいいなと思いますね。“出てきたらいいな”で終わらせず、それを目指す練習を意識してやっています」

──去年の大晦日は立ち技から多くの選手がMMAに挑戦しました。雅選手はこのことをどう感じていますか。

「いいことだと思いますね。PRIDE時代もそうだったと思うんですけど、ミルコ・クロコップがK-1でめちゃくちゃ強くてMMAに流れてきたように、考え方は人それぞれあると思うんですけど、一番を目指していたら何でも出来て強い、MMAにくると思うので。ただ、自分もMMAの壁にはぶつかったかなと思うこともあったし、鈴木千裕くんとか怪物くん(鈴木博昭)のように立ち技の技術を生かす戦い方ができるようになるとMMAでも強さを見せられますよね。平本(蓮)君も色んなチャレンジをして失敗して、自分の強さを出せるようになってきている。選手それぞれ色んな形があっていいですよね」

──まさにMMAを経験することで、どう自分のスタイルを創っていくかですよね。

「ただ自分と同じにしてほしくない気持ちはあります。自分はちゃんとDEEPでキャリアと実績を積んでベルトを獲ってから、大きな舞台に出ていこうと思っているので。僕は立ち技の選手がMMAに挑戦するのではなく、MMA選手として完成した状態で色んな舞台に出ていきたいです」

──今回の福田戦はベルトにつながる試合だと思いますが、先ほどは「DEEPバンタム級の他の選手の反応を見たら、福田選手以外は誰もそれに触れていなくて。なんで他の選手は自分の団体の自分の階級のことを盛り上げないんだろう?という気持ちもあった」という言葉もありました。雅選手は自分が強くなることはもちろん、自分が戦う団体を盛り上げたいという気持ちもあるのですか。

「僕の感覚的にMMAよりキックボクサーの方がSNSで色々と発信して、大会を盛り上げようとする選手が多いのかなと思います。いざ自分がKNOCKOUTからDEEPに出た時に、DEEPの選手たちは自分の試合のことは書くけど、あまり団体やイベントのことは書かないんだなと思ったんです。特に自分の階級のベルトの行方に対しても誰も何も言わないのはビックリしましたね」

──それと同時に「自分たちが目指しているものに興味がないの?」という想いもありますよね。

「そうですね。もちろんSNSで発信しなくても、ベルトに強い想いを持っている選手はたくさんいて、俺がベルトを獲ってやると思っている選手はいると思います。でも自分はその部分でも負けたくないと思ったから発信したし、今でこそ自分は連勝してタイトルにも絡めるようになってきましたが、DEEPに出始めた頃は誰も自分がそうなるとは思っていないから、自分で勝手に『1年以内にタイトルマッチをやります』とか言っていたんですよ。

周りから『大きく出たね』と言われるくらい(苦笑)。でもそういう状況から自分の想いは言い続けてきたし、言った以上は有言実行しなきゃいけないじゃないですか。だから僕は言うこと・発信することも大事だと思います」

――雅選手はDEEPに対する愛着も強いのですか。

「デビュー当初は結構負けちゃったんですけど、2022年には5試合も組んでもらいましたし、DEEPに自分を強くしてもらったと思っているので、愛着は湧きますよね。DEEPでこれだけキャリアを積ませてもらって、そのDEEPに対する想いが凄く出てきているし、元谷(友貴)さんがDEEP最高傑作と呼ばれているのもカッコいいなと思いますし、自分もDEEPの顔になっていけたらいいなと思います」

──そんな雅選手がDEEPのベルトを獲れば、さらにDEEPが面白くなるでしょうね。

「それと同時に今年こそベルトを獲らないとな、という焦りもあります。僕は2024年に上がっていかなきゃいけないと思っているので。その1発目で本当にいい相手を持ってきてもらえたので、ここをクリアして、今年は勢いに乗って上にいきたいと思います」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

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【Special】K-MMA、2023年・秋。DEEPバンタム級王者ユ・スヨン「勝ち続ければ自ずとUFCと契約できる」

【写真】もう10日もすれば、NAIZA FCでタイトル防衛戦が控えている。現地の関係者が明言するジュースフリーで、どのような戦いを見せることができるか (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第五弾はDEEP✖BLAC COMBAT対抗戦で、恐るべき強さを見せつけたユ・スヨンをソウル郊外プチョンのBlack Combatジムに訪れた。

石司晃一をワンテイク、コントロールからTKOで下したZEUS FCフェザー級、Black Combatライト&フェザー級、NAIZA FCバンタム級、そしてDEEPバンタム級チャンピオン──韓国柔術界最年少で黒帯を巻いたユ・スヨンはMMAにおける柔術の重要性と、UFCへの道について話した。


──このジムはBlack Combatのオフィシャルジムなのでしょうか。

「ハイ、Black Combatの本館です。この間デジョンにもジムができて、今ブラック代表はソウルにもジムを創ろうと計画しているようです」

──昼過ぎのこの時間で、ここで練習しているのはどういう人達なのですか。

「Black Combatチームの選手で、プロだけでなくアマやセミプロの選手たちもいます。彼らは他のジムに所属しているのではなく、ここだけで練習しています。午後2時からは選手練習で、他の時間帯は一般の人が通うジムなんです。指導もBlack Combatのファイターがやっています」

──ではユ・スヨン選手はどういった関わり方を、このBlack Combat本館としているのでしょうか。

「もともと所属しているボン柔術の監督が、ここの館長になったので自分もチームメイトと一緒に選手練習に参加している形です。他のチームの選手も自由に参加できるクラスになっています」

──プロモーションが所有するジムで、自由に練習できる。対戦する可能性がある選手とも顔を合わせるのでしょうか。

「そのケースはこれまでなかったですね。過去の対戦相手は所属するジムで練習をしていました。自分はここで練習だけでなく、パーソナルで指導をしていますMMAの練習は殆どここでやっている状態ですね。夜も練習していて、ボン柔術でトレーニングをするのは週に1度ぐらいになっています」

──いうともうBlack Combatの専属で、給料が出るような契約形態なのですか。

「給料はありませんが、パーソナル・レッスンの指導料は貰っています。ファイトマネーと指導料ですね。マネージャーも別にいますし、自分の試合のことも自分達で決めています」

──それは良かったです。

「もちろんブラック代表とも相談はしますが、自分は他の団体にも自由に出ることができます」

──とはいっても韓国国内において、Black Combat以上に勢いのあるプロモーションはないですよね。

「自分はUFCが目標ですし、Black Combat以外の国内の大会に出ることはないと思います」

──押忍。では、改めて9月の石司戦について尋ねさせてください。あの石司選手を一方的な展開でTKOした衝撃的な試合でしたが、どのようなゲームプランを立てていたのでしょうか。

「石司選手は強いと聞いていたので、自分のグラップリングがどれだけ通用するのかを確認しようと思っていました。初回に組みを試して無理なら他の手段で戦う予定でしたが、グラップリングでいけたのでそのまま戦いました」

──グラップリングの展開に持ち込む。狙い通り、最初のトライでテイクダウンを奪うことができました。

「石司選手は序盤から自分の動きができるというよりも、粘って最終的に判定をモノにするファイターだと理解していました。スタンスが広くて、ステップを多用することはない。なのでパンチのフェイントで距離を詰めることができれば、テイクダウンができる自信はありました。テイクダウン後もコントロールできる。その通りの試合展開になりました」

──昨年の大晦日、Black Combatでのイ・ジンセ戦でケージレスリングの強さは十分に見せてもらっていたのですが、日本ではケージを使うことなくシングルレッグを決めきりました。

「ハイ。倒せないとケージを使うつもりでした。実際、シングルレッグに入る時まで打撃の鋭さは伝わって来ていて。だからこそ、クリンチに持ち込んでもテイクダウンしないといけないと思って戦いました。

半面、テイクダウンに成功してから寝技の展開になると、石塚選手にはそれほどでもない。だからプレッシャーをかけて、テイクダウンを奪うことができればポジションをキープできるという考えでした。実際、倒して上を取ると『予想通りだ』と勝利を確信できました」

──テイクダウン以上に、寝技のコントロールに驚かされました。パウンドがあるなかで、あの頭の位置でコントロールできる選手はそうはいない。頭を押し付けるわけでなく、上体を起こして殴るでもない。その中間の動きで、パウンドのある柔術をしていたので。

「もともと自分は柔術を使って、MMAを戦っていました。でもMMAにはレスリングが欠かせないので練習に取り入れ、去年まではレスリングが7割で、柔術には3割程度しか時間を割かなくなっていました。ただし、レスリングが上達することでMMAにおける柔術の重要性に気付いたんです。

やはり柔術には力をセーブして、相手を抑え込める技術が多いです。だから最近では柔術が6割、レスリングが4割というバランスで練習するようになっていました。柔術の本来の目的はパスをして、相手を仕留めることです。

ただし、そこに拘り過ぎると自分の方が削られます。なので相手の動きに合わせて殴れるスペースができれば殴り、必要になれば力を使ってレスリングの技術で抑える。パウンドとレスリングの間で柔術を使う。あるいは柔術の技術で、パウンドとレスリングをサンドウィッチするような感じです」

──なるほどぉ!!石司選手が足を効かせよう、腰を切ろうという方向とは別の方にあっさりと回り抑えていたのも見事でした。

「実際に、頭をつけてコントロールする方が多いです。でも、以前にあの頭の位置でも上手くコントロールできたことがあり、9月の試合でも石司選手の反応に合わせて、頭をあそこに置いて戦うことができたということもあります。相手の動きを読むことができるのは、これまで柔術をやってきた成果だと思います」

──キックボクシング+レスリング。柔術の時間になかなか練習を避けない。日本のMMAは、そのような状況が長かったです。

「柔術をすることは、絶対的にアドバンテージになります。スクランブルの対処にしても、柔術を理解している方が有利になれます。組み技のなかでカウンターのカウンターという攻撃も可能になるので。そこが自分のMMAでも、長所になっています」

──今も道着の練習をしているのですか。

「ハイ。ボン柔術でIBJJFのスタイルで練習している一般の人たちと、やっています。今、柔術はリバースデラヒーバからのバック狙いなど、MMAとして使うことが難しい技術も多いです。ただし柔術の強いベース、レッグドラッグやトレアンドパスという風にしっかりと手順を踏んで、圧力をかけてパスをする──MMAに絶対に生かせる動きも残っています。一気に動くのではなく、じわじわと動くことができる柔術は自分のMMAに欠かせないですね。

MMAですから、どのスタイルでもMMAに生きない技術はないと思います。実際、自分もMMAに集中し過ぎて柔術をやらなかった時期がありました。その間、グラップリングがどんどん大雑把になってしまったんです。結果、動きの多い選手を抑えきれないことが増えました。そこで柔術に回帰できました」

──押忍。その上であの試合があるので、説得力抜群でした。ところで先ほど目標はUFCだと言われていましたが、そこに向けて今後のキャリアの積み方をどのように考えていますか。

「12月21日にNAIZA FCでバンタム級王座の防衛戦があります。来年はBLACK COMBATフェザー級のタイトル防衛戦、そして日本でDEEPバンタム級の王座防衛戦も戦うことになります。Road to UFCも視野に入れていましたが、ダイレクトにUFCと契約する道もあるとはずです。今、自分を必要としてくれるプロモーションで試合をして勝ち続けると、自ずとUFCと契約できるはずです」


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【RIZIN44 & NAIZA FC55】福田龍彌が振り返るアーセン戦&NAIZA─02─「二冠になり、バンタム級で…」

【写真】いかなる終了の仕方でも、ルールに則り福田の勝利は動かない。それでいて、絶対に再戦が見たい激闘だった(C)RIZIN FF

9月24日(日)、さいたまスーパーアリーナにて開催されたRIZIN44で、山本アーセンに3R TKOで勝利した福田龍彌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1Rと2Rで仕留めるための準備が終わった。「さぁ、これから――」と3Rに臨む福田に対し、ドクターチェックからアーセンの逆襲が始まる。驚きながらも基本通りのジャブを突き続け、レフェリーストップを呼び込んだ福田。その激闘を振り返るとともに、2023年を締めるカザフスタンでの戦いについて訊いた。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――ここから仕留めに行く……、その前にドクターチェックが入りました。

「絶対に試合が終わってほしくないって思いましたね。ドクターチェックのあと、アーセン君が『ごめんなさい、待たせちゃって』と言うから、『何分でも待つよ』って。するとアーセン君も『ありがとうございます!』と返してくるんです。すんごいナイスガイでした。

それで3Rが始まって、ボディを打とうとしたところに左フックをもらってヒザを着いてしまうけど、ここは効いていないんです。ビックリして引くタイミングでコケちゃった、みたいな。見栄えは悪いけどダメージはなくて」

(C)RIZIN FF

――その後、アーセン選手が左跳びヒザから組んできました。

「僕としてはコレがビックリして。

(C)RIZIN FF

跳びヒザから着地際の右フック――周りにこういうことをしてくる人はいませんでしたから。

でもテイクダウンを切ったあとに僕が、起き上がり際にヒザ、左ストレートと打つんですけど、ここでアーセン君の顔をカットしたんですよ。

相手も見えてへんから『思いっきり行ったろう』と思っていたらドクターチェックが入って。僕のほうが『マジかぁ!』と言っているんです(笑)」

――福田選手のほうが悔しかったわけですか。

(C)RIZIN FF

「やっぱり白黒つけたいから。

レフェリーストップはエェけどカット系のドクターストップは、試合後に『あのままやっていれば……』という『たら・れば』論が出てきちゃうじゃないですか。それが嫌だし、たぶん彼も嫌だったと思います。最後までやりたかったから、僕のほうが『アーセン! アーセン!』と音頭を取りました。ホンマにアーセン君に対する歓声が凄くて、『アーセン!』という音が会場からリングに降ってきていましたからね。

ドクターストップになったあと、僕から『またやろう。今回はしゃあないわ。戦ってくれてありがとう』と伝えました。アーセン君も『俺まだやれるから』と言っていたけど、レフェリーやドクター、ルールあっての場所やからね。仕方ないです」

――試合前と試合後では、アーセン選手に対する印象も変わったのではないですか。

(C)RIZIN FF

「アーセン君の評価は爆上がりしているでしょう。

ホンマに強かったし、良い試合やったと思います。僕も楽しくて、もっと試合を続けたかった。あの内容なら5分5Rやりたかったな、と思えるぐらいの良い時間でした。

でも一番良かったのは、お客さんが喜んでくれたことです。試合をしている二人だけが楽しいだけなら、この試合よりもクオリティの高い殴り合いは日常的にジムでやっているから。これで喜んでくれるなら、練習を見てくれたらもっと面白い動きを見せられるで、と思います。それが僕らの日常なんですよ」

――確かにトップファイターの練習を見ているだけでも面白いと思う瞬間があります。

「そうでしょう? そんな日常から、さいたまスーパーアリーナのお客さんが喜んでくれるようなモノを提供できるようになったんやなと感じました。さいたまスーパーアリーナという格闘技の聖地で、当日の試合の中ではお客さんが沸いたほうやし、RIZINさんに対しても良い試合ができたかなと思っています」

――なるほど。次は早速、12月2日にカザフスタンで開催されるNAIZA FC55で、同フライ級王者のジアス・エレンガイポスに挑むことが発表されました。これまで海外の試合を希望していた福田選手としては、その希望どおりという試合ですか。

「あぁ、それはハッキリと書いておいてほしいんですけど――僕としては『国内より海外』という気持ちはないです。僕は職業=戦士であって。誰と何キロで、ファイトマネーいくらで戦うか。それで年間、何試合できるか。そういう仕事として試合をしています。だから国内、海外どっちでやりたいというのもなくて」

――あくまで海外から仕事のオファーが来た、ということですね。そう考えると今年はDEEPフライ級GPで優勝し、さいたまスーパーアリーナの観客を沸かせて、海外大会の王座挑戦で締めるという……。

「おかげさまで仕事がうまく行っています。本来は9月18日のDEEP×Black Combat対抗戦にも出たかったんですよ。対抗戦に出なかったら、何のためにフライ級GPで優勝したんやっていう感じやないですか。せっかく韓国から選手が来てくれるのに、チャンピオンが出ないのは相手に失礼やと思って。でもフライ級は駒杵選手が一本で勝ってくれて良かったです。僕としては対抗戦に出ていたバンタム級の選手に興味があります。彼はNAIZA FCのバンタム級チャンピオンなんですよね」

――石司晃一選手を下したユ・スヨンですね。Black Combat、DEEP、そしてNAIZA FCのバンタム級王者でもあります。

「僕が次の試合でNAIZA FCフライ級のベルトを獲ったら、DEEPとNAIZA FCのフライ級2冠王になりますよね。そしてユ・スヨンがNAIZA FCとDEEPのバンタム級2冠王――そこで僕がバンタム級に転向できればエェかなと思っています」

――日本とカザフスタン、DEEP & NAIZA FCの2冠王者同士の対決に!

「僕を応援してくれている人って、僕が修斗時代から殴り合っているのを観てくれている人たちばかりなんです。そうした人たちのおかげで、ここまで来られているわけやから。平野区民センター、阿倍野区民センター、高松シンボルタワーから、さいたまスーパーアリーナへ。そしてカザフスタンまで――感慨深いですよ。

だから『国内より海外』っていう気持ちもないし、大きな会場だけで試合をするというつもりもないです。もちろん今後も後楽園ホールで試合がしたい。僕の中にあるのは、『お金を払って試合を観てくれている人たちに楽しんでもらいたい』という大前提だけで」

――それはNAIZA FCをはじめ、海外で試合をする時も気持ちは同じですか。

「同じですよ。言葉が分からない人たちを、試合で沸かせるのって最高じゃないですか。RIZINに出ても8割ぐらいは、アーセン君のことは知っていても僕のことは知らない人たちだったでしょう。それはもう海外と環境は変わらないですよ。僕のパンチが当たってもシーンとなっているのに、アーセン君のパンチがかすっただけで『ウォーッ!!』と沸いていて。こんなに違うんやって思いました。でも2Rあたりから、僕のパンチが当たっても沸くようになりました。ちゃんとヤバいものを提供できたら沸くし、みんなが見入ってくれる。それだけヒリヒリしてくれるわけですよね。

勝負事やから、置きに行く選手もいるじゃないですか。僕は今までたくさん負けてきているので、そういう意味では『負けても構わない』という気持ちで臨んでいます。と同時に、『絶対にコイツを仕留めたろ』という気持ちで戦っています。相手を仕留めるために5分3Rをどう使うか。仕留めるための過程も楽しんでもらう場所、それが試合なんですよ。次はカザフスタンのお客さんに、僕の試合を楽しんでもらいたいし、会場を沸かせたいです」

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【DEEP116】雅駿介戦へ、山梨に戻って三連勝=窪田泰斗「韓国に流出したベルトを僕たちが取り返さないと」

【写真】溢れんばかりのDEEP愛を持つ窪田(C)TAKUMI NAKAMURA

11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP116 IMPACTにて、雅駿介と対戦する窪田泰斗。
Text by Takumi Nakamura

2019年12月の試合を最後に活動の拠点を東京から山梨に移し、2022年12月の復帰後は3連勝と勢いに乗っている。パーソナルトレーナーの経験を活かし「いかにスパーリング以外でMMAを強くするのか?」を考えて練習メニューを整備したことが試合結果につながっている。そしてDEEP愛を熱く語る窪田はBLACK COMBATに流出したバンタム級王座奪還を誓った。


――DEEP116 IMPACTでの雅駿介戦まで一週間となりました。試合に向けた仕上がりはいかがですか。

「練習もしっかりできて、体重も順調に落ちているので、あとはインフルエンザや体調不良に気をつけて準備したいと思います」

――DEEP114での力也戦はアームロックで勝利し、約5年ぶりの一本勝ちでしたね。

「思いっきりいけたことが良かったです。いつも上手く戦おうというか、負けないように戦おうとしていたんですけど、前回は自分から勝ちに行くことが出来た試合でした。今回も前回と同じ5分2Rなので、アグレッシブに行って、見ている人にも伝わる試合をしたいと思います」

――力也戦の前のSNSでは「狂気じみた練習が必要」とコメントしていましたが、その真意を聞かせてもらえますか。

「いつも試合が終わったときに思うのが、ケージに入ったら普通のメンタルではダメなんだなと。確かに結果は出ているんですけど、もっと上を目指すためには、普通の試合をしてちゃいけない。それを実践するには他の選手がやらないような強度の練習だったり、他の選手がやらないような練習をしなければいけないと思って、ああいった投稿をしました」

――そのために具体的にはどのような練習をしているのですか。

「常に本気を出すという意味で、バイク系のトレーニングを週3~4回やるようになりました。全力でバイクを漕いで、メニューが一通り終わったら立てなくなるような練習ですね。単純に心肺機能も向上しますし、何よりもメンタルが鍛えられます。僕はそのメンタルが試合では大事だと思うので、前回に続いて今回もこういったトレーニングは多めに取り入れています」

――窪田選手の他の投稿を見てもトレーニングに関するものが多く、かなりトレーニングや練習メニューへの意識の高さを感じます。

「僕自身、普段はパーソナルトレーナーの仕事をしているので、トップ選手たちがどんな練習をしているのか、一週間どんなルーティンでやっているのか、インタビューを読んでどんなメンタルで練習に取り組んでいるのか。そういったことを調べるのが好きなんですね。僕自身、まだトップ選手とは言えないと思うので、実際にトップ選手たちがやっていることを参考にしながら、自分がやるべきことを考えています」

――MMAはまだ練習メニューが確立されていない部分もあると思いますが、窪田選手はどのようなことを意識して練習しているのですか。

「月から土まで基本的に1日2部練で、疲労の度合いで1部練にしています。今僕が意識しているのは『追い込む』ことと『怪我をしない』ことなんです」

――一件その二つを両立させるのは矛盾しているようにも見えますが、どうバランスを取っているのですか。

「僕も格闘技歴が長くなってきて、いかにスパーリング以外でMMAを強くするかを考えているんです。それが先ほどのバイクトレーニングだったり、走り込みだったり、サンドバックやミットだったり、スパーリングやるにしてもシチュエーションスパーだったり…。昔はスパーリングを5分10~12R回して出来るだけ参加するとか、そういった練習もしていましたが、今はスパーリングの本数を絞って、それ以外のことに時間を当てるようにしています。似たような練習ではあるんですけど、おそらく他の選手がやらないようなことをやっています」

――窪田選手は2019年12月から2022年12月まで約3年間のブランクがありますが、何が理由だったのですか。

「当時はトレーナーの仕事が忙しくて、最低限の練習はしているけど、試合のための練習ができていない状況だったんですね。それでいつか仕事が落ち着いたら試合に出ようと思っていて、約3年ほど試合間隔が空きました」

――現在は山梨に活動の拠点を移しているんですよね?

「はい。もともと山梨で格闘技を始めて、18歳まで山梨にいました。それから上京して東京で格闘技をやっていて、山梨時代にお世話になった人が山梨にジム=フォーランバスを出すことになったので、今は山梨に戻ってフォーランバスでトレーナーをやりながら練習をしています」

――山梨に戻ってから3連勝していますが、その要因はなんでしょうか。

「格闘技に向き合える時間が増えて、単純に練習量が増えましたね。東京に比べてスパーリングパートナーは少ないですが、自分のやりたいことをコツコツやれるので、それが僕には合っているのかなと思います」

――練習環境をガラリと変えて、試合への不安はなかったですか。

「山梨に戻って半年ほど経っての試合だったので、逆に『これだったらしっかり勝っていける』という自信はありました」

――今大会で対戦相手の雅選手にはどんな印象を持っていますか。

「ムエタイのチャンピオンからMMAに転向した選手ですが、僕は組み技やグラップリングも得意なんじゃないかなと思いました。自分の強い部分で戦うのではなく、相手の弱いところを見つけて戦うことが出来る選手だと思います。MMAファイターとしてバランスがいいですよね」

――その雅選手相手にどのような試合をしたいですか。

「雅選手の対策もしていますが、自分の得意なところで相手を倒そうと思っていて、相手は打撃出身の選手ですが、パンチ、蹴り、ヒジ、ヒザで倒したいです」

――あえてそこは打撃で勝ちたい、と。

「同じ日にバンタム級の試合が多いので、見ている人にとって分かりやすい試合をしたいんですよね。ここから上を目指すうえで、ムエタイチャンピオンになって寝技で勝ってもアピールにならないというか。僕は強い選手の強いところを上回って勝つことを目標にしているので、今回は僕の打撃を見て欲しいです」

――この試合をクリアすれば復帰後4連勝となります。今の窪田選手にとっての目標は何ですか。

「僕はDEEPが本当に好きで、DEEPで戦えていることを誇りに思っているので、DEEPのチャンピオンになりたいです」

――今のコメントも含めて、窪田選手はすごくDEEP愛を持っていますよね。

「人として社長、佐伯(繁)さんが好きなんですよ。佐伯さんは本当に格闘技が好きだし、そんな人が代表を務めている団体で戦っていることがうれしいです。あとはDEEP出身の選手は単純に強いじゃないですか。僕はDEEP=強い団体だと思っているから、そこで戦っていることが誇らしいです」

――そんな窪田選手にとってDEEP115のDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦でDEEP勢が敗れたことをどう捉えていますか。

「せつないですね。韓国に流出したベルトを僕たちが取り返さないといけないと思います」

――特に窪田選手と同じバンタム級で石司晃一選手にTKO勝利したユ・スヨン選手はかなりレベルが高い選手でした。

「僕は石司選手と何度か練習したことがあって、石司選手の強さを知っていて。その石司選手に何もさせずに勝ったので、スヨン選手はかなり強いと思います。スヨン選手に勝つことは難しいと思いますが、僕がDEEPを代表して彼と戦って、日本にベルトを獲り返すことができたら最高ですね」

――同じ大会には元DEEP王者で、RIZINでも活躍する元谷友貴選手もDEEPに凱旋します。

「すごくうれしいですね。ずっと昔から知っている選手ですし、RIZINを主戦場に戦っている選手がDEEPに凱旋してくれて、そういうのも含めて…ますますDEEPが好きになります(笑)。元谷選手は元DEEP王者ですし、DEEP愛がある選手だと思うので、元谷選手も戦いたい相手の一人です」

――それでは最後にファンのみなさんへのメッセージをいただけますか。

「気持ちが見える分かりやすい試合をするので応援よろしくお願いします」

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【DEEP115】北岡悟が振り返るDEEP X BC対抗戦─02─「負けた人が考えていない感が出ちゃいました」

【写真】ユ・スヨン。この選手と交わることができることを北岡は、良いことだと言い切った(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦を北岡悟が振り返るインタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

大島沙織の意外な敗北に続く、石司晃一と大原樹理のベルト流出劇に関して、北岡はどのような気持ちでいたのか。

<北岡悟のDEEP vs BLACK COMBAT対抗戦振り返り、Part.01はコチラから>


――それでも最後は足関節をパク・シユンに切り返されました。

「それは相手も組み技の技量を上げてきたということだと思います。大会が終わって青木真也さんから『韓国は柔術が盛んで、柔術のレベルは上がっている』という連絡があったんです。ちゃんと組み技も修練していて、その部分は次の試合にも表れていましたね」

――その次、ユ・スヨンが石司晃一選手に圧勝した試合になります。

「石司選手と戦ったユ・スヨンは、パンクラスに来ていましたよね。大橋悠一選手という期待されていた選手、組みができるけど殴り勝てる選手と戦ってパンチを纏めて秒殺した。しかも、結構バリバリの柔術家で。あの選手は強いですね」

――BLACK COMBATの試合を見て、ユ・スヨンは強いという認識はあったのですが。石司選手にあのような形で勝つとは思っていなかったです。

「日本でトップ10に入る実力の持ち主、石司選手はトップ5を狙うことができるトップ10の選手です。身体能力も高く、体も強い。その彼が下になってニーシールドとプッシュだけで返そうとしていたけど、普通に纏められましたね」

――ユ・スヨンの寝技のコントロール……技術力で完全に上回っていたように見えました。

「柔術でいえば青・紫帯と、黒帯の差のような上と下の攻防になりました。悪くない青帯、紫帯の動きを良い黒帯が抑えた――ような。そもそも上を取ったテイクダウンも、ハイクロッチから入って。石司選手から、あんなイージーにナイス・テイクダウン……当たり前のMMAテイクダウンを取った。凄いですよね、良い選手です」

――一部でキム・スーチョルより強いのではないかという声も挙がっています。

「それはやってみないと分からないけど、普通にRIZINのレベルであることは確かです。RIZINレベルというか、RIZINで上の方と――ベスト5と戦っても良いじゃないかという選手ですよね」

――Road to UFCに出ている韓国人選手より強いようにも見える。そういう選手を抱えることができるのは、ファイトマネーが良いから。Road to UFCに行こうとせず、BLACK COMBATで知名度を上げて、UFCを狙っているファイターがユ・スヨンだと思います。

「それは成功しているということですよね。BLACK COMBATはMMAで、Breaking Downのやっていることをしている。そういう良い選手が、DEEPと絡んでくれる。これは日本のMMAにとっても良いことです。

DEEPのチャンピオンになったのだから、防衛戦をすることになると聞いていますし。でも、めっちゃ強いですよ。ユ・スヨンは色々な日本人選手との試合が見てみたいですね」

――続く大原選手は、イ・ソンハにスロエフストレッチで一本負け。この試合はどのように捉えられていますか。北岡選手は大原選手と戦った当人ですが。

「これが一番悔しいと言っちゃあ、悔しい気がしますけど……。まぁ、しょうがないですよね。しょうがないです」

――大原選手はストライカーですが、組み技&寝技対策をしっかりとやっている選手だと思います。

「絶対にやっていますね。絶対に」

――その大原選手が仕留められた。

「まぁ、ちょっと動き方にはクエスチョンが残るディフェンスはしていました。ただし、体格的なところでまかり通っていた部分はあると思うんです。ぶっちゃけて僕の時も、テイクダウンとサブミッション・アタックはできているので……いや、自分の話はいいや(苦笑)」

――小金翔選手の対戦ではバックグラブを許し、ブレイクでスタンドに戻ったことがありました。

「上迫戦も微妙な節はありました。解説でも話したのですが、あの相手選手は、バックに回ると包めますもんね。容易に包めることができる。打撃でそこまで押しきれなかったことも、あの結果にもちろん通じているでしょうし。そこは総合力だから。結果的に大原選手には相性が良くなかったのかと。う~ん、まぁまぁまぁ――しょうがないです」

――では最終戦のヘビー級、酒井リョウ選手が腕十字でヤン・へジュンに下りました

「酒井選手は最近の試合で、良い勝ち方をしてきました。でも、総合格闘技だからね――と。解説では『ヘビー級なんで、複雑なことを考えずに』とか言っていて。そうしたら酒井選手がグワァっていくと、ヤン・ヘジュンが『ナイス・テイクダウン!!』と(笑)。で、ここからヤン・ヘジュンの抑え込みがメッチャ上手くて。ちょっと上の方で抑えているけど、ヘビー級なんで酒井選手も潜るとかできないじゃないですか。

酒井選手は後ろを向こうとしたけどできなくて。ヤン・ヘジュンは柔術的にも茶・黒の力がある。最低でも紫帯でしょう。マウント、S字マウント、腕十字と流れるような動きで仕留めました」

――試合タイムは1分32秒。防がれると下になって殴られるリスクのある腕十字をこの時間帯で狙うというのは……力の差を感じたのか。

「とにかく綺麗でしたね。しっかりと動けていますよ。まぁ、もともとミドル級の選手だったというのもあるけれど――総合格闘技ですからね」

――結果、DEEP側は最初の2試合の勝利後はチャンピオンが5連敗で完敗を喫しました。試合内容的に大島選手と戦ったパク・シユンは、大島選手の投げを許さなかった。ユ・スヨンとイ・ソンハ、そしてヤン・ヘジュンらは逆に一発で自分の形で持ち込んでいました。結果論として、対戦相手のことをしっかりと研究して、今回の試合に臨んでいたように感じました。

「いや、それは……本当はそこをやるものですからね。とにかく最初のアプローチで、やるべき形に持ち込むと差があるように感じられますしね」

――スクランブルに持ち込ませないで、コントロールして仕留めた。彼らが自分の間で戦ったのに対し、逆にパク・シユンは大島選手の間にさせなかった。

「まぁ1Rがあんな風なら、2Rからは変えないといけない。もちろん、僕らには分からない何かがあったというのは考えられますけど、普通は流れを変える戦いをしないといけないですよね。逆にいえば自分たちがラウンドを取っていると判断しているのか――ぐらいに思いました」

――韓国勢の取り組み方と、日本勢の取り組み方に差を感じた次第です。

「今回は特に、負けた人が考えていない感が出ちゃいましたね(苦笑)。負けた人たちの負け方はそうです。大島選手の敗北に関しては、韓国勢は個の力でなくて、チームの工夫で勝った。それが見えるから、パク・シユンを応援している人達からすると、熱いモノがこみあげてくる勝利ですよね。工夫や努力を感じられました」

<この項、続く>

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