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Report UFC UFN ESPN+42 UFN184 アリスター・オーフレイム アレキサンダー・ヴォルコフ ブログ

【UFN184】一発目の右ローで気持ちが折れたか、下がり続けるアリスターをヴォルコフが左で仕留める

<ヘビー級/5分5R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
Def.2R2分06秒 by TKO
アリスター・オーフレイム(オランダ)

開始早々、サウスポーへスイッチしたアリスターに、ヴォルコフが右ロー。この一発でアリスターがケージまで下がる。アリスターが距離を取ったところで、ヴォルコフはさらに右ロー。さらにプレッシャーをかけながら右ストレートを伸ばす。ヴォルコフの右ローを食らい、またもケージ際まで下がるアリスターだったが、左スイング2発で前に出ていく。しかし再びプレシャーを強めるヴォルコフ。アリスターの首相撲も突き放す。ここでアリスターの左がヒットし、ヴォルコフの動きが一瞬止まる。だがアリスターは追撃できない。

距離ができると、右アッパー、関節蹴りを繰り出したオーフレイム。さらにダッキングから中に入ろうと試みるが、カットされて尻もちをつく、ヴォルコフはすかさず上を取り、亀になったアリスターにパンチを浴びせる。立ち上がったアリスターを、ヴォルコフは追い立てる。ケージ際でヒザ蹴りをヒットさせるヴォルコフ。アリスターがガードを上げて、ケージを背にする場面が増える。ラウンド残り15秒、ケージ際でヴォルコフがラッシュ。アリスターも終了間際に左を返した。

2R、アリスターの鼻から出血が見られる。ガードを高くして距離をつめるアリスターだが、ヴォルコフが左ジャブを突いて中に入らせない。左ジャブ、さらにワンツーを当てるヴォルコフ。ここでアリスターは組み付いたが、カットしたヴォルコフが回りながらワンツーをヒット。さらにパンチで追撃すると、下がるアリスター。打撃戦を避けてテイクダウンしたいアリスターだが、ヴォルコフがあっさりカット。ヴォルコフが右ストレートから左をを打ちこむと、アリスターは崩れ落ち、レフェリーが間に入って試合を止めた。

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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184  エルダル・エルダロフ アレッシャンドリ・パントージャ ブログ マネル・ケイプ

【UFN184】「僕は日本のファンを代表してUFCで戦う」。パントージャ戦へ、マネル・ケイプ─02─

【写真】しっかりと日米の違いについて話してくれたケイプ。マクスにもUFCロゴが入り、すっかりUFCファイターとなっているが日本のファンへの感謝の気持ちを忘れることはない (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)のネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」でアレッシャンドリ・パントージャとUFCデビュー戦を戦うマネル・ケイプ・インタビュー後編。

RIZINとUFCは別物だ。ルールもMMAへの思考も違う。そんなRIZINで戦うことで、UFCで戦えるよう成長できたとケイプは話す。

日米MMA観の違いを尋ねると、ケイプならではというべき答が聞かれた。

<マネル・ケイプ・インタビューPart.01はコチラから>


──対戦相手であるパントージャの印象を教えてください。

「強いよ。それは分かっている。でも、僕ほどじゃない。そして、僕は絶対に彼を軽く見ないで戦うよ」

──RIZINはリングを使用し、サッカーボールキックが認められるなど、UFCとは別のフォーマットで戦ってきました。ケージで戦うためにアジャストは必要でしたか。

「本来、僕はリングよりもケージに適したファイターだ。だから日本で戦う時は、少し大変だった。ボクシングの練習はリングでするけど、MMAの練習をリングでしたことはなかった。だからポジション的にもリングは難しいことが多くて。

つまりオクタゴンでの戦いは問題ないということだよ。オクタゴンで戦うことで、僕の試合はパーフェクトになる」

──テイクダウンディフェンスにも自信がありますか。

「テイクダウンに限らず、どんな攻撃に対しても、パントージャの仕掛けに対して準備はできているよ」

──この1年で最も伸びた点はどこだと思っていますか。

「MMAに必要な全ての局面で、進化した。柔術、ボクシング、キックボクシング、レスリング、テコンドー、全てで成長した。よりディティールを理解した。僕が何を言っているのか、土曜日の夜になったら分かるはずだ」

──常にアグレッシブ、殴り合い上等のマネルですが、UFCではより戦略を駆使し、ポイントメイクを行ってくる選手も多いです。言ってみればRIZINとUFCではMMA哲学が違います。その辺りのことをどのように捉えていますか。

「確かにUFCとRIZINではMMAフィロソフィーが違う。例えばさっきも話に出たサッカーボールキックだけど、僕は1度としてあの蹴りを使ったことはない。対戦相手がダウンしても、グラウンド状態にある相手の顔や頭を蹴ることはなかった。

UFCはよりファイターを守ろうとしている。もちろんRIZINでは決められルールを使って戦うべきだよ。彼らはそうやって他と差別化をしているのだから。UFCもRIZINも同じスポーツだけど、より選手の安全をルール面から考慮しているのがUFCだ」

──だからRIZINの方がエキサイティングで、ポイントメイクなど……。

(質問を遮って食い気味に)「分かるよ。何が言いたいのかは。日本はファミリアーでUFCのように勝敗を気にはしても、最重要視はしていない。パフォーマンスをより重視している。ファンに何を見せることができるのかが、最も大切なんだ。

とにかく動くこと、それで負けてもね。そう感じていたし、分かっていた。米国はもっとビジネスだ。勝利が必要。常に勝利が必要になってくるんだ」

──私は日本のMMA記者ですが、勝敗以上に大切なモノは勝敗を最重視するからこそ生まれると思っています。精神的に「勝ち負けじゃない。攻める」という姿勢で攻めることができるのは大したものだと思う反面、格闘技は自分の体を守る術を駆使すべきでもあり。あくまでも個人の考えですが、ファイターは勝利が必要です。

「イエス、Fighter needs win。今、言ったことに通じてくるけど、僕も負けても構わないぐらいの気持ちで攻めるよ。でも、実際に負けちゃいけないんだ。敗北は自分の状況を悪くする。仕事としてファイトは負けられない。

勝って稼がないといけない。負けると、戦う機会を失くすかもしれない。だから、常にハングリーでなければならないお。敗北を気にしないって、精神的に戦いやすいんだよ。時には、当たって砕けろという状況は起こる。そこもファイターの資質を問われる瞬間だね。

そういうことも含め、日本のRIZINというプロモーションで戦った素晴らしい経験が生きてくる。RIZINでは最高の経験をさせてもらった。日本で学んだこと、全てに感謝している。今も僕を一番応援してくれるのが、日本のファンだ。

世界で僕が知られるようになったのは、日本で戦うようになったからだよ。RIZINでの日々はより大きな舞台で戦う自信を僕に与えてくれた。ビックショーで苦も無く戦えるのは、日本で戦ってきたからだよ。UFCで戦うことは簡単だ。それだけ僕は日本でタフになれたんだ」

──RIZINファンの皆さんも、マネルのUFCでの成功を願っているはずです。UFCという場所の厳しさを理解したうえで。

「心配しないで大丈夫。僕は皆にサムライの精神を与えてもらったから。サムライはどんな場面でも怖がらない。僕は日本のファンを代表してUFCで戦う。ここでも僕が優れたファイターだと証明するために、勝ち続ける。日本で戦ってきた成果を見せるよ。サンキュー・ソーマッチ。アリガト」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■ UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184 コリー・サンドハーゲン フランキー・エドガー ブログ

【UFN184】バンタム級2戦目=サンドハーゲン戦前のフランキー・エドガー「血を滴らせながら栄光を掴む」

【写真】フランキー・エドガーの常にフランキー・エドガーだ(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」で、コリー・サンドハーゲンと対戦するフランキー・エドガー。

最小、最速のUFCライト級チャンピオンはフェザー級ではワールドタイトルを手にできず、バンタム級へ転向を果たした。39歳になったレジェンドは、そのバンタム級での2戦目でサンドハーゲンという正にこれから世界の頂点を上り詰めようという若き強豪と相対する。

彼の試合を、あとどれだけ見ることができるのだろうか。創意工夫とハードワークの大切さを、我々に教えてくれたフランキー・エドガー──サンドハーゲン戦前に行ったZoomインタビューで聞かれた彼の言葉を伝えたい。


──タフな新鋭コリー・サンドハーゲン戦を控えています。

「コリーは凄く強い。その彼と戦い、勝利することでタイトル奪取の青写真を描いているよ」

──ところで2019年12月に韓国のコリアンゾンビに敗れた際、引退を考えることはなかったでしょうか。

「ノー、全く考えなかったよ。良いパンチをもらってコリアンゾンビには負けた。でも自分ではベストを尽くしたし、まだやれることは前回のペドロ・ムニョス戦で示せたと思っているよ」

──マーク・ヘンリーやヒカルド・アルメイダが引退の進めるような話は?

「それも全くなかったよ。彼らは僕の実力を理解しているし、ジムでどのような動きができているかも誰もよりも分かっているからね。そして、僕がこのスポーツにどれだけ真剣に向かい合っているのかも」

──そしてフランキーが言ったようにペドロ・ムニョス戦で勝利をしました。バンタム級で戦うことに関しては、もう8、9年前にマーク・ヘンリーが提言していたことが思い出されます。その時がついに来たわけですが、135ポンドでの自身のパフォーマンスをどのように感じていますか。

「マークが正しかったんだ。凄く適しているよ。ただフェザー級時代も良い戦いができていた。ライト級からフェザー級と戦ってきた。それが僕の歴史になっている。これからはバンタム級で歴史を紡いでいくよ」

──バンタム級で世界王座を奪取するという意志を持ち続けているわけですね。

「それがゴールだからね。どの階級でも世界チャンピオンを目指す。ライト級でそれを成し遂げた。フェザー級では近づけたけど、タイトル奪取はならなかった。同じようにバンタム級でも戦っていくだけさ」

──サンドハーゲンはバンタム級でも大きく、フィジカルアドバンテージがるように思えます。

「サンドハーゲンは背が高くて、遠いレンジで戦える選手だよ。ただし、そういう試合こそ僕がずっと戦ってきたモノだから。彼は他とは違う打撃を駆使し、グラウンドも柔術を使ってとても強い。でも、僕のパンチの方が上回っているよ。簡単な試合にはならないけど」

──フランキーはMMAに革命を起こしたフットワークの使い手です。フェイクを織り交ぜ、最終的にパンチを当てるか、テイクダウンを決める。しかし、そういうハードワークの末にテイクダウンを奪ったとしても、今や多くの選手がすぐに立ち上がる術を身につけ、グラウンドでホールドすることが困難になっています。

「MMAは進化している。ただし、僕は自分の打撃、柔術、レスリングを信じている。この一つでアドバンテージを握れると、他の局面でもアドバンテージを持つことになる」

──39歳になったことを指摘されると思いますが、この年齢をどのように感じていますか。

「それは自然なことだからね。39歳になってもやれることは、もう長いキャリアで証明し続けてきた。自分の体のことだ、僕が一番分かっている。だから、ずっとこのスポーツで成功を手にすることができたんだ。

そのうえで年を重ねることで、より自分の体をケアするようになった。階級を下げたことも、僕が戦い続けることを後押ししてくれている。バンタム級にしたことでよりヘルシーになっているし、動きも上がっていることはジムで確認済みだからね」

──今のMMAではジムの移動が盛んに行われ、大きなジムに世界各国から選手が集まってくる状況です。そんななかフランキーはずっとヒカルドとマークの下で練習をしてきました。

「何があろうが2人を信じているよ。僕らの関係はコーチとファイターというよりも、家族のようなモノだから。多くの選手は敗北を経験すると、自分の中に原因を見つけようとせず、外部に敗因があるよう求めているんだ。

僕はそういう風にはならない。試合に勝てるのはコーチのおかげだ。そして敗北の責は僕にある」

──素晴らしい言葉です。フランキーはATTやサンフォードMMA、チーム・アルファメールに移ろうと考えたことはありませんか。

「ノー、ないよ。全くない。僕はニュージャーが好きすぎるんだ(笑)」

──アハハハ。とはいえヒカルドとマークの下には、新しい選手も集まってきていますね。

「新しい練習パートナーができることは、いつだって歓迎しているよ。そこにヒカルドとマークというベースがあって、彼らがやってくるのだから。ザビット・マゴメドシャリポフ、チムール・ヴァリエフ、そして最近ではコディー・ガーブラントと世界のトップファイターが合流した。彼らと一緒にマークやヒカルドの指導を受けることは、僕の財産になっているよ。

彼らはこのスポーツの将来を担う存在だ。そんな彼らと練習でやりやっていることで、試合でもやれるという自信を得ることができるんだ」

──土曜日が待ちきれないほど楽しみです。どのような試合を世界に見せたいでしょうか。

「これがフランキー・エドガーだという試合を皆に見てもらいたいと思っている。厳しい攻撃を受け、血を滴らせながら栄光を掴むんだ」

──セイフティ・エリアで戦うことはない……と。

「いいかい? 卵は割らないとオムレツを創ることはできないんだよ(笑)」

──最高です。フランキー、インタビューを受けてくれてありがとうございます。

「日本のファンに伝えてほしい。君たちのようにMMAを理解しているファンはいない。本当に日本では素晴らしい時を過ごすことができた。土曜の夜の試合を楽しみにしてほしい」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

The post 【UFN184】バンタム級2戦目=サンドハーゲン戦前のフランキー・エドガー「血を滴らせながら栄光を掴む」 first appeared on MMAPLANET.

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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184 コリー・サンドハーゲン フランキー・エドガー ブログ

【UFN184】既に世界王者級の強さ、コリー・サンドハーゲン「フランキーは本当の意味でウェルラウンダー」

【写真】ステーリングに不覚を取ったが、この選手の強さは特別だ (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」で、フランキー・エドガーとコリー・サンドハーゲンが対戦する。

世界最高峰のUFCにあって、その群雄割拠振りはずぬけているといっても過言でないバンタム級の今後を占ううえで非常に大切な一戦になる。

サンドハーゲンはオーソ基調のスイッチヒッターで、左ボディで腹を効かせ、頭が下がった相手にヒザの追撃を掛ける。ローをはじめとする足技も破壊力があり、グランドでは容赦のないヒジ攻撃はフランキーを粉砕する力を十分に有している。

MMA柔術も優れており、上になろうが、下になろうが徹底して攻めの姿勢を貫く。世界チャンピオン級の力を既に有しているといっても過言でないサンドハーゲンに初インタビューを試みた。


──2020年はアルジャメイン・ステーリングにUFCで初黒星を喫し、マルロン・モラエスに完勝とCOVID19のパンデミックとともにアップ&ダウンのある1年となりました。

「そうだね。去年は1月にフランキー・エドガーと戦うことが決まっていたけど、彼が12月にブライアン・オルテガの代役でコリアンゾンビと戦ったことで試合がなくなってしまった。

そうしたらCOVID19がやってきて、何もかもが止まってしまったよ。それでもUFCはすぐに活動を再開し、ステーリング戦という僕が望んでいたビッグファイトを用意してくれた。

ただし、僕の夜にはならなかった。ステーリングはあの夜、僕より良かった。でも彼はタイトル挑戦を決めたから、僕もタイトル挑戦できる位置に近いことが証明されたんだ」

──パンデミック後は米国でも住んでいる州で練習できる形態が違っていました。そこがステーリング戦で敗因の一つになったと考えていますか。

「コロラドは3月と4月は完全にロックダウンされた。5月から6月にかけて少し規制が緩んだけど、練習に関してはトレーニングパートナーは2人までしか許されなかった。コーチと4人体制というのがアルジャメインと戦った時のトレーニング環境だったんだ。

7月、8月と少しずつ状況は良くなっていき、フルということではないけど、4人で練習するよりはずっと良い状態になったよ。確かにあの練習環境はアルジャメインに敗れたことに関係はしているだろうけど、どれだけの問題だったかは分からない。何よりも、そんなことを言い訳にしたくないからね。

あの日、僕は負けたのはアルジャメインの方が強かったからだよ。いくら練習環境が影響したとしても、大部分ではない。確かなことは──あの試合ではしっかりと自分をコントロールすることができていなかったんだ。

MMAは1年に3、4試合しないと精神面も体も戦う感覚を失ってしまうことを学んだ。そして、あの試合の後から練習中でも自分のコントロールすることを心掛けるようにしたんだ。結果ランキング1位のマルロン・モラエス戦で、ステーリング戦で学んだことを生かし、2RでKOできた。ファイトアイランドのメインイベントでね」

──そして再度決まったフランキーとの試合に臨むことになりました。

「スーパータフマッチになるだろう。殿堂入り間違いないファイターと戦うのだから。でも、ずっと彼のような選手と試合がしたいと思ってきたんだ」

──キャリア最大のビッグネームかと思います。

「フランキー・エドガーのようなまるでキャリアを積んできた時代が違う、経験豊かなファイター戦うのはレアケースだと心得ているよ。彼は僕が育ってきた場所にはいなかったファイターだ。

10歳年上だし、それだけ長く戦ってきて経験値も高い。僕のキャリアのなかでも凄く大切な試合になるだろう。これほどの力を持った素晴らしいファイターであるフランキー・エドガーとチャンピオンになる前に戦う……自分の力を彼に全てぶつけるよ」

──今の彼とライト級チャンピオンだった時代の彼とでは違いがあると思っていますか。

「フランキーはいくつか手痛い敗北を経験しているけど、負ける時は得てしてああいう風になるのがMMAだからね。今も十分に強いよ。ペドロ・ムニョスとの試合では、皆が想っているような年を取ったファイターでは全くなかった。

これまでやってきたように、今も戦うことができる。それこそ僕が望んでいることだよ」

──フランキーの長所はどこだと思いますか。

「何でもできることだよ。ハイライトリールに残るようなビッグKOがなくて、決して派手ではないけどスタンドも寝技も穴がない優れたレスラーだ。人と違う戦い方をして、UFCというハイレベルな試合が続く場所で、その勝ち方を知っている。そうやって勝ち星を積み重ねてきた」

──小刻みなステップで相手を幻惑し、抜群の距離のコントロールとタイミングを測ることでテイクダウンを奪うことができました。

「一つひとつの動きが速くて、しかもそのペースを守ってレスリングも打撃もできる。だからこそフランキーは本当の意味でウェルラウンダーなんだ。時間をもしっかりと把握して戦うことができる。僕らの対策がハマれば良いけど、こればかりは試合が始まってみないと分からないからね」

──コリー自身は、アドバンテージはどこだと思っていますか。

「違いは僕の方がダイナミックだということ。ただし、そこは特に必要じゃない。その一方で動きが多いから、フランキーにはない攻撃の選択肢が僕にはある。

それとフットワークに関しては、僕のシステムの方が少し彼を上回っている。グラップリングでも、僕の方が優っているかな。レスリングで育っていないから、レスラーとは違うグラップリングができる。グラップリングもそうだし、全ての局面で僕とフランキーはハイレベルな攻防を見せることができると思うよ」

──レスリングがバックボーンでない……ムエタイや柔術の融合をいうスタイルは、コロラドのMMAの一つの特徴であるかと思います。2000年代初め柔術、レスリング、ボクシングがようやくクロストレーニングされるようなMMAにあって、ドゥエイン・ラドウィック、そしてクリスチャン・アレンがキックやムエタイを柔術と融合させたスタイルを持ちこみました。実はコリーの試合を初めて見た時に、あなたがクリスチャン・アレンの教え子だと知らずに、ああアレンやドナルド・セラーニのコロラドMMAがよりパワフルになった感じだと思ったんです。

「昔からMMAを見ている人は、僕の試合を見てクリスチャンと双子みたいだっていうんだ(笑)。そう言ってもらえると凄く嬉しいよ。

クリスチャンはジムに入会した10代の時から、ずっと僕のセンセイだよ。ただコーチというだけでなく師匠であり、MMAのことだけでなく人生においても導いてくれた。クリスチャンの教えがあって、今の僕がある」

──ところで3月にピョートル・ヤンとアルジャメイン・ステーリングのUFC世界バンタム級選手権試合があります。

「勝者予想ってやつだね(笑)。ほんと、どこへ行っても聞かれてそのたびに僕の答も変わってしまうんだ。それだけ、2人の力は拮抗していて、予想が難しい試合になる。

今日の僕のピックはステーリングだ。アルジャメインは本当にアンオーソドックスなスタイルの持ち主で、絶対的に強いエリアがある。そして対戦相手が経験したことがない動きをするんだ。

ヤンはチャンピオンだけど、十分な経験がUFCではない。アルジャメインはUFCでの経験も多いし、とにかくケージ際での強さは絶対だ。でも、ヤンにも数多くのアドバンテージがあって……試合予想は無理だよ(笑)」

──その勝者に挑戦するために、フランキーとの試合はとても重要になりますね。

「もちろんだ。僕の目標はUFC世界バンタム級世界チャンピオンになること。そして長期政権を築きたい。ただし、今はフランキーを倒すことしか考えていない。試合も近づいてきているし、土曜日のことしか頭にはない……んだけど、この試合が終われば次は世界タイトル挑戦だよ」

──日本のMMAを知ったファンのなかで、非常に評価の高いコリーです。そんな日本のファンにメッセージをお願いします。

「実は僕のガールフレンドは日本人なんだ(笑)。お父さんが日本からやってきた人で」

──!!

「日本のどこが故郷かは知らないんだけど、僕も日本を訪れたいと思っている。そして、いつの日か米国のファンとは違い、何が試合中に起こっているのか理解し、凄くファイターを尊敬してくれると聞いている日本のファンの前で戦いたいと思っている。ホント、シリアスな夢なんだ。キャリアが終わる前に絶対に日本で戦いたいと思っている」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

The post 【UFN184】既に世界王者級の強さ、コリー・サンドハーゲン「フランキーは本当の意味でウェルラウンダー」 first appeared on MMAPLANET.

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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184  ソン・ソンウォン クレイ・グイダ ブログ マイケル・ジョンソン

【UFN184】「年齢が僕に追いつくことはデキない」マイケル・ジョンソンと対戦、クレイ・グイダ

【写真】一つの質問でインタビューが完結するほど、多くを語ってくれたクレイ・グィダ。修斗での思い出のくだりは落涙モノだ(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」で、クレイ・グィダがマイケル・ジョンソンと対戦する。

これがキャリア56戦目(※35勝2敗)という誰からも愛されるハードワーカーは、39歳を迎えてなお「日々若がっている」と話した。誰からも愛されるキャラ、スーパーアグレッシブなファイターは常にスーパーナイス・ガイだ。


──マイケル・ジョンソン戦を週末に控えています。今の調子はいかがですか。

「精神的にも肉体的にも、申し分がない仕上がりだよ。そうであるのことが当然なんだけど、先月39歳になってなお毎日のように若くなっている気分なんだ。ユライア・フェイバー率いるチーム・アルファメールで、ジョシュ・エメットやアンドレ・フィーリ、ダレン・エルキンス、コディ・ガーブラント、チャド・メンデス、ソン・ヤードンというワールドクラスのファイターがマイケル・ジョンソンを倒すために協力してくれた。

それだけじゃない。ビッグプロモーションで戦うために懸命になっている若い選手たちも皆でこの試合に向かってきたんだ。そんな状況でやっているんだから、メンタルもボディも過去最高だよ。39歳だろうが21歳や25歳の時よりも、コンディションはずっと上がっている。

ライト級で戦うには減量も必要ない。絶対的にライト級では最小サイズだけど、減量してフェザー級で戦うよりずっと調子が良いよ。正直、ライト級のトップ10は巨人みたいな連中が揃っている。でも、一番小さなファイターがしっかりとトレーニングを積んで、アイツらを打ち負かしていくんだ。気持ちも肉体も、奴らよりずっと調子が良いからね。

今もケージに足を踏み入れるたびに、強くなっている。技術的にも成長しているし、僕のペースについてこられる対戦相手はいないよ。そうやって動き続けて、世界中のファン──東京、香港の皆に楽しんでもらえる試合をするよ」

──サイズは関係なく、ペースは一番だということですが、誰もが加齢していくものです。39歳、この39という数字はクレイにとっては、ただの数字なのでしょうか。

「僕はプロフェッショナル・アスリートとして、ケージの外でもアクティブな生活を送っている。ハイスクール・レスリングのコーチ、山を走りまくって、釣りをする。カヤックに乗ってフィッシングだ。1年中アウトドアでエンジョイしているから、スローダウンする暇がないんだ。だから年齢が僕に追いつくことはデキないんだよ」

──いやぁ、まさにクレイらしい言葉です。

「勿論、下り坂はやってくるよ。でも、常に自分の中にガソリンがどれだけ残っているかをチェックして動き続けている。そうやって動き続けることで、ケージのなかでしのぎ合いを続けることが可能になるんだ。

それはアルティメット・フィットネス、チーム・アルファメールがあるからだ。何より、しっかりとリカバリーに努めている。マッサージ、カイロプラティック、セラピー、ヨガ、厳格なストレングス・コンディショニング・プログラムに則して生活している。

そうすることで体を休め、回復力させて日々のトレーニングが可能になる。常にレスリング・コーチとマットの上に、生徒や選手達と一緒にいる。レスリングととともに、タフに成長し、立ち上がってきた。年齢を重ねているのは確かだ(笑)。でも、気分は日々若くなっている」

──好きなことをしていると時間が過ぎるのは遅くて、年を取るのが遅くなる。嫌なことをしていると時間が過ぎるのが早くなり、年を取るのも早いという学説もあります。

「その通りだ。人生は楽しまないと。好きなことを仕事にしないと、人生を賭けることはできないよ。MMAを戦い続けているから、僕は健康を意識することができるんだ。

9時から5時の仕事をしていたら、毎日のようにジムにいって若い連中とパンチの交換なんてできっこない。ジムで互いにプッシュしあって、僕らは強くなっている。好きなことをやっているとボディもメンタルもグッドシェイプでいられる。嫌なことをやっていると、早く時間が過ぎてほしくなる。そりゃあ、年を取ってしまうよ」

──若さをキープしているクレイですが、マイケル・ジョンソンの印象を教えてください。

「凄いヤツだよ。最高の試合をやってのける。あのパンチ力はベストの中のベスト、トップ中のトップだよ。ずっとトップ5の相手と互角の勝負をしてきた。

ただし、マイケルは僕のプレッシャーとペースに耐えきれなくなるだろう。ケージを背負い、ずっとしんどい時間か続くよ。気の毒なことにね」

──サウスポー対策はしてきましたか。

「もちろん。チーム・アルファメールでは常に4、5人のサウスポーのトレーニング・パートナーがいてくれる。リーチが長くて、レンジをキープできる練習相手がね。パンチもフットワークもしっかりとマイケルをコピったパートナーと練習を続けることができた。この素晴らしいキャンプの最終的な成果を土曜日の夜に見ることができるよ」

──そのクレイ・グイダらしいファイトを期待している日本のMMAファンに一言お願いします。

「僕のMMAファイター人生で最高の経験の一つが、2006年に日本へ行き修斗で戦ったことなんだ。決してベストパフォーマンスでもベストファイトでもなかった。でも、あの後楽園オールの素晴らしいファンの前で戦ったことは、決して忘れることはないよ。

コーナーマンだった兄と、コール・ミラーと一緒に日本へ行き、ユースケ・エンドー(遠藤雄介)に1Rに腕十字で負けた!! でも、僕のスラムで日本のファンがメチャクチャ盛り上がったんだ。どれだけ日本の皆がMMAを愛しているのか、あの空間にいて理解できた。そしてアニキと2人で感激してしまって。日本のカルチャーに触れることができた経験は何物にも代えがたいよ。

そして、UFCではタカノリ・ゴミとタツヤ・カワジリと戦うことができた。2人は世界中のライト級の強豪と戦ってきた僕のヒーローだった。日本は僕にとって特に特別なんだ。スペシャルなスペシャル。今もさいたまスーパーアリーナで戦いたいと思っているんだ。Thank you for your support。アリガト!!」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184  ハルク大城 アレッシャンドリ・パントージャ ブログ マネル・ケイプ

【UFN184】UFC初陣=パントージャ戦。マネル・ケイプ「僕はアップグレートされたマイク・タイソン」

【写真】非常に冷静で、落ち着いた口調だったマネル・ケイプ (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)のネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」が行われる。

同大会でRIZINからUFCに戦場を打ちした元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプがオクタゴン初陣でアレッシャンドリ・パントージャと戦う。

パントージャはMMAPLANETのインタビューで「マイク・タイソンがやってくる」とケイプに敬意を払っていた。その言葉を伝えると、ケイプは「アップグレードされたマイク・タイソンだ」と不敵に言い切った。

待望のUFCデビュー直前のケイプに大晦日の堀口恭司✖朝倉海戦、そしてUFCで戦う心境を尋ねた。


──初めてのUFCファイトウィーク。どのような気分ですか。

「ここに居られることを幸せに感じているよ。しっかりと準備をしてきたし、とてもワクワクしている。UFCで戦うことはずっと夢だったけど、今、ここに居ることで夢が現実になったと実感しているんだ」

──今も隔離措置期間なのでしょうか。

「ホテルの外で誰かに会うことはできないけど、ホテルで全て用をなすことができる感じだよ。検査結果も陰性だったしね。問題ないよ。これまで試合があると思って、ベガスまできてこの体験をしているし。今回はUFCの初戦だから、自分の良さ、技術──実力を全て見せるつもりだ。

なぜ僕がベストなのか、ここまでやってきたことをこの一戦に全てぶつけようと思う。本当に長い時間が掛った。フルキャンプを何度か繰り返しても、COVID19やケガが理由で試合が流れてしまって。

でもUFCで戦うことで、より多くのエネルギーを得られている感じがするんだ。今までと変わらず、自分を信じてハードに戦い、成長していくつもりだよ」

──今やUFCの一員ですが、大晦日の堀口恭司選手と朝倉海選手の試合の印象を教えてもらっても良いですか。

「アメージングな試合だった。皆もそうだと思っているはずだけど、キョウジには驚かされた。僕は彼のパワフルな戦い方が好きなんだ。でも、カイが勝つと思っていた。前の試合からカイは凄く成長していて、世界に彼の力を見せてきた。バンタム級で世界のトップの1人だと思っているし、カイが勝つと信じていたよ。

でもキョージが、よりスマートに戦った。素直にキョージを祝福したい」

──堀口選手は体調が万全なら、負けることはないと思っていたと言っていました。

「う~ん、キョージがカイに負けたのはフィジカルの問題じゃないと思う。今回はしっかりと自信を持って戦っていたようだけど、前の試合では自らの力を過信していた。どの相手も彼を倒す力を持っている。この仕事は相手を軽視しては絶対にならないんだ。

毎試合、しっかりと集中して対戦相手がいかに危険かを頭に置いて戦わないと。それがなかったためキョージは代償を払うことになったんだ。でも2度目の試合はそういうことがなかった。自信と過信は別モノだからね」

──堀口選手がUFCレベルにあることは誰もが認めると思います。その一方で朝倉選手もマネルに続き、UFCで戦いたいという発言がありました。

「カイはオクタゴン……UFCで戦うポテンシャルを十分に持っていると僕は思っている。すでにそういう試合をしてきたはずだ。彼はベストの1人だよ。100パーセント、保証する」

──相手を軽視してはいけないとマネルは今、話しました。ではアレッシャンドリ・パントージャとの試合に対して、自信のほどは?

「僕は常に自信をもって戦っている。そして、絶対に相手を軽視することなくやってきた。当然のようにパントージャに対しても同じだ。彼を軽く見ることはない。ただし、全ての局面において僕が彼を上回っている。

何も恐れるモノはない。僕は自分が分かっている。自分が何を考えているのか、どういう精神状況なのかもね。あとはオクタゴンに入って、パントージャに勝つだけだよ」

──パントージャは『UFCフライ級にマイク・タイソンがやってきた』と言っていました。

「それって、僕のこと?」

──勿論です。

「アハハハハ。まぁ、そうとも言えるのかな……。似ているところもあるんだろうね。でも、僕はアップグレートされたマイク・タイソンだよ(笑)。そしてニューバージョンだ。スマートかつ効果的な戦いをする。冷静にね。

そして、僕が既にグレートなマスタークラスにあるファイターだと証明してみせるよ。AKAでしっかりと準備してきたかことを全て出す」

──ところで日本ではバンタム級や59キロで戦ってきましたが、減量は問題ないですか。

「日本で戦う時は125ポンドにすることが、本当に困難だった。でも、栄養士も就いてくれているから問題なく体重を落とすことができた。

UFCのタイトルマッチのバックアッパーだった時、過去最高の減量ができたんだ。半身浴をするとなく、ただ食事制限だけでフライ級のウェイトを創ることができた」

──つまり水抜きなしで、フライ級の体重を創れたということですね。

「そうなんだ。練習と食事だけで落とせた。今回も同じように落とせている。最高の減量食とサプリメントがテーブルの上にあるんだ。

減量が苦でないということは、ずっとパントージャを倒すことにフォーカスできるということなんだ」

──確かにそうですね。常に対戦相手、試合のことを考えれば良いわけで。

「それだけグッドシェイプをキープしてきたってことだから。プロフェッショナルのトップとして、すべきことをやってきたよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184 アレッシャンドリ・パントージャ ブログ マネル・ケイプ

【UFN184】アレッシャンドリ・パントージャ「マネル・ケイプはUFCフライ級のマイク・タイソン」

【写真】ムエタイというタトゥーをZoomの画面ごしに披露したパントージャ。柔術、ムエタイ、個々の競技でも結果を残してきた (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)の米国に戻ったUFCが、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」。

同大会でRIZINからUFCに戦場を打ちした元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプが待望のオクタゴン初陣を戦う。

対するはRFAフライ級王者から、Legacy FC王者と実質上の統一戦となったAXES王座決定戦に勝利しTUF24に出演。そのままUFCと契約を果たし、現在は6勝3敗という結果を残している。

日本のメジャーからUFCへ、殴り込みをかけるケイプ戦を前にしたパントージャにZoomインタビューを試みた。


──マネル・ケイプ戦が近づいてきました。

「待ちに待ったマネルとの試合が実現する。凄くエキサイトしているよ。マネルはRIZINの前チャンピオンで、タフガイだ。彼がUFCに来ることを歓迎している。でも、この試合では自分が何者であるかを証明するつもりだ」

──RIZINというプロモーションをUFCファイターとして、どのように見ていますか。
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「ATTのチームメイトで、毎日のように練習してきたキョージ(堀口恭司)が戦っているから、RIZINはチェックしているよ。僕にとってRIZINはPRIDEを見ているようだ。イベントの見せ方もそうだし、ルールでもサッカーボールキックが認められているだろう?

見ていて興奮する試合が多いね。それにマサ(扇久保博正)も戦っている。もうずいぶんと長い間、マサとは話していないけど、時々メッセージのやりとりはしているんだ。TUFで戦って以来、僕らの友情に変わりはない。本当にマサはナイスガイだからね。マサがRIZINで成功することを願っているよ」

──RIZINはPRIDEのようだと言われましたか、リングを使用している大会で活躍してきたマネルはケージでも同じようなパフォーマンスを見せることができると考えていますか。

「彼はストライカーだ。そこまでリングとケージの影響はないんじゃないだろうか。でもグラップラーにとってはリングとケージはまるで別物だよね。ケージなら相手を押し込むことができるけど、リングだとこっちが押し込んでも良いポジションをキープしずらい。

もちろん僕らはケージで戦うし、柔術でもレスリングでも問題なくマネルと対峙できる。彼がどうなるのかは試合が始まってみないと分からないね。僕自身は、いつも通りケージも使って戦うよ」

──ストライカーだとコーナーのあるリングの方が戦いやすいとは言われています。相手を詰めることができますし、またロープの方がテイクダウンから逃れやすいかと。

「そのリングでマネルはテイクダウンされているんだから、彼のテイクダウンディフェンスは特に目を見張るものはない。ただし、彼は体も強く爆発力があるファイターだ。テイクダウンをして、グラウンドで戦い続けるなら相当なプレッシャーが必要になってくるだろうね」

──では、マネルの長所はどこだと考えていますか。

「さっきも言ったように体の強さと爆発力だ。マネルはUFCフライ級にやってきたマイク・タイソンだよ。でも、グラップリング・ストライカーのなかで僕はベストだ。技術的にも僕の方が上だよ。彼と戦うことで、僕がUFCファイターとしてどのポジションにいるのかが分かるだろうね」

──ところで柔術、グラップリングの強さは疑いようのよなアレッシャンドリですが、堀口選手はアレッシャンドリに初めてカーフを蹴られ、凄く効いたと言っていました。

「アハハハ、本当かい? 凄く良いことを聞けたよ(笑)。キョージがそう言ってくれたことは嬉しいね。でもトレーニングとファイトが違うことは自覚している。ただし、僕はMMAを戦う前は柔術だけでなく、ムエタイの試合も出ていて負けたことはない。リオ州でチャンピオンになっているし、打撃戦だって大好きだよ。そして、僕のMMAでの敗北は判定だけだし、誰が相手でも打撃戦を戦うだけの力はあると思っている」

──アレッシャンドリのメインコーチはマイク・ブラウンではなくて、パフンパ(マルコ・パフンピーニャ)なのですか。

「そうだよ。でもATTは優秀なコーチがたくさんいるから、必要に応じて誰の指導を受けることができるし、もちろんマイク・ブラウンにも練習を見てもらっているよ」

──そのATTでは同門対決が行われることが増えました。

「それだけATTが大きくなったということだよ。世界中からベストファイターが集まってくる。これはスポーツだし、僕らは金を稼いで家族を守る必要がある。プロとして、ATT同士でも戦うものだと思っているよ」

──なるほど。では、この試合はタイトル挑戦に向けてどれほど重要だと考えていますか。

「マネルとの試合は、僕にとって良いステップアップになるだろう。土曜日に良い試合をし、タイトル挑戦を待つ列の一番前まで皆を飛び越していきたいね。ただし、そんな風にいかなくても、これからもタイトルが近づくよう試合をしていくよ」

──他のオーガニゼーションのチャンピオンがUFCにやってきた試合は注目度も高いです。

「マネルがUFCにやってきたことはフライ級にとって凄く良いことだ。良いファイターが増えて、この階級の戦いがよりエキサイティングになる。フライ級にアフリカの選手が加わることも、UFCにとっても良いことだろうね。

そんな選手と最初に戦う機会を与えてくれたUFCの心遣いに感謝しているよ。UFCがマネルに期待していることは分かっている。だからこそ、僕の真価が問われる試合になると思っている。マネルだってベルトを狙ってUFCにやってくるわけだし。

でも、僕にはUFCで戦ってきたプライドがある。去年、パンデミックが起こってもUFCはいち早く活動を再開し、ファイターが戦う機会を設けてくれた。そんなプロモーションの一員として戦ってきたんだ──土曜日の夜はベストのアレッシャンドリ・パントージャを見せて、マネルを止める。絶対的な僕の試合にするよ」

──アレッシャンドリ、今日はありがとうござました。

「日本のファンに僕の声を届けてくれて、凄く嬉しいよ。僕は日本の文化を凄く尊敬しているし、なんとっても僕が最初に学んだマーシャルアーツは柔術だった。柔術から多くの日本的なことを学んだんだ。アリガト」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■ UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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News UFC UFN ESPN+42 UFN184 ブログ ミゲール・バエサ 佐藤天

【UFN184】今週末の村田夏南子に続き、11月28日に佐藤天が出場。カウンターKOファイターのバエサ戦決定

【写真】どう考えても強い相手=バエサだからこそ、佐藤の成長度合いが合わるマッチアップだ (C)Zuffa/UFC

7日(土・現地時間)に行われたUFN182の中継内で、28日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42に佐藤天が出場し、ミゲール・バエサと対戦することが発表された。

8月のダニエル・ロドリゲス戦が計量後にドクターストップがかかりキャンセルされた佐藤にとって、6月のジェイソン・ウィット戦以来──約半年振りの試合となる。


対戦相手のバエサはキャリア9勝で無敗、昨年のコンテンダーシリーズでUFCと契約し現在2連勝だ。その2試合ともフィニッシュしており、初戦のエクトル・アルダナ戦では右カーフを効かしてKO、2戦目のマット・ブラウン戦では歴戦の勇者に左のカウンターを決めてKOしている。

このブラウン戦は左で倒しているが、キャリアを通じて見ると右のカウンターがさらに怖い。相手のステップインや、パンチや蹴りに合わせて右をクロスで打ち込むがサウスポーの佐藤との試合でも、バエサがカウンターで中心線を取ってくるなら要・要注意が必要になってくる。

と同時に、もっと上を見ている佐藤にとってはこの間に積み上げてきたモノをぶつけるのに格好の相手ともいえ「ここを乗り越えて、上に行きます」と佐藤自身、バエサ戦に向けて力強く語っている。今週末のUFN183には村田夏南子が出場し、ランダ・マルコスとオクタゴン初陣を迎え、2週間後に佐藤が出陣──11月は日本人ファイターがオクタゴンを熱くする。

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