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【ONE165】若松佑弥、キンガドとの再戦へ。「自分を肯定して、信じて、認めて、試合を楽しみます」

【写真】自分を否定する=追い込むではない。自分を肯定することで追い込み、3度目のONE日本大会に臨む若松だ(C)TAKUMI NAKAMURA

1月28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165: Superlek vs. Takeru」で若松佑弥がダニー・ギンガドとのリマッチに臨む。
Text by Takumi Nakamura

7月のONE FN12では2度目の計量失敗となるも、シェ・ウェイにTKO勝利して連敗から脱出した若松。ウェイ戦以降は練習内容ではなく、練習に向かうマインドや取り組み方を見直し、己を磨いてきた。今回は約5年前のONEデビュー戦で敗れたキンガドとの再戦となり、まさにONEで積み重ねてきたものが試される一戦となる。


――ONE日本大会まで10日となりました。今の練習の状況から聞かせてもらえますか。(取材日は1月18日)

「今日でハードなスパーリングはラストで、土曜日(20日)までは動きます。ファイトウィークに入ってからは調整という感じですね。身体の状態もばっちりです」

――日本での大会ということで普段とは練習スケジュールも違ってきますか。

「今まで海外でやってきて、海外での調整が当たり前だと思っていたので、今このキャリアで日本で試合するとなると、自分としては気持ち的にすごく楽しめるし、楽という言い方は違いますけど、日本大会はやりやすいかなと思います」

――ONEの日本大会は約4年ぶりの開催となります。また日本で試合をしたいという気持ちはありましたか。

「そうですね。いつか(日本大会)はやると思っていましたし、なかなか海外まで応援に来てもらうことは難しかったので、日本大会が決まってすごくみんな喜んでくれています」

――7月のシェ・ウェイ戦は前日計量でハイドレーションテストはパスしたものの、135ポンドのリミットを0.5ポンド(226.79グラム)オーバーとなり、キャッチウエイトでの試合実施となりました。試合そのものは若松選手のパウンドによるTKO勝利でしたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「自分の中の色んなモヤモヤが吹っ切れて、しっかり自分の戦いができたと思います。2試合連続で計量クリアできなくて、試合前は前々回(ウ・ソンフンにTKO負け)と同じ心境になっていて。そこでこれは何かの試練だと気持ちを切り替えて、余計なことを考えずにシンプルに勝つことだけに集中したんです。そうしたらああいう戦いができて勝つことが出来ました」

――試合直前に吹っ切れたということですか。

「そうですね。計量クリアできなかった時点で一回気持ちが落ちたのですが、そこから吹っ切れましたですね」

――計量をクリアできずに試合成立となると、日本人選手の場合は心境的に思い切りいけないことが多い印象がありました。若松選手が吹っ切れた要因はなんですか。

「前々回の試合がまさにそうだったんです。日本人の悪いところが出たというか。そこを経験していたことが大きな経験値だったかなと思います」

――試合の動きの部分でも吹っ切れた感触はありましたか。

「ゾーンに入っていたじゃないですけど、いつでも倒せるというか。1R序盤のフィニッシュだったんですけど、飛ばせるところで飛ばそうと思って。これからもあの戦い方が出来るんだったら、もっと上までいけると思います」

――頭で考えずに本能で戦っていた感覚ですか。

「身体が反応して勝手に動いていた感じですね。頭で考える前に身体が『行ける!』と判断して動いていましたね」

――それを踏まえて今回はどんなことを意識して練習してきましたか。

「シンプルに楽しんで考えすぎない。色んなことを想定して準備したうえで思いっきり楽しんで、自分が出来ることの中から最良の選択をして戦いたいと思います」

――具体的に心がけていることは何ですか。

「練習を楽しいと思うことですかね。例えばキツい時に『うわ…キツい…』と思ってしまうのが前の自分だったんですよ。でも今はキツい時こそ『よし!乗り切るぞ!』と思って、自分を肯定するようになりました」

――自分を肯定する、ですか。

「今までの僕は練習で『もっとやらないとダメだろ?』や『なんでこんなところで疲れてるんだよ?』という考えで、どんどん自分を追い込んでしまっていたんです。それが『思いっきり練習して怪我しちゃったらしょうがない』や『今は調子が悪くてもいいんだよ』と思えるようになった。否定じゃなくて肯定して、自分で自分を乗せることができるようになったんです。そうなると今までキツかった練習が楽しくなってくるし、ガラッと変わりました」

――若松選手は性格的に自分を追い込んでしまうタイプだったのですか。

「成功するためには何かを犠牲にしなきゃいけない、苦しい想いをしなきゃいけない……そういう気持ちを持っていましたね。最近はそこをもう通り過ぎたというか、今よりもう一段階上の選手になるには、自分を否定じゃなくて肯定して、自分のことを信じて認めて、試合を楽しむことが最高なんじゃないかなと思います」

――では今は自分の長所に目がいくようになったのではないですか。

「はい。今まで自分は長南(亮)さんや周りが認めてくれているほど、自分の実力を認めてなかったんですよ、『まだまだ俺なんて弱いんで……』って。そこも自分を肯定するようになって、『俺の打撃が当たれば絶対倒せる。俺は普通とは違う選手なんだ』や『俺には俺にしか出来ない戦い方とストーリーがあるんだ』と思うようになってきて。そうやって自分にフォーカスして、楽しんで思いっきりやればいいんだよという気持ちで練習も続けています」

――マインドが変われば同じことを練習していても全く違う感じ方をしますよね。

「全く違いますね。でも僕は過去を否定するわけじゃなく、色んなことを経験したからこそ、今のこの考えになっているので、自分にしかできない経験だったと思って感謝しています」

――さて今回はキンガドとのリベンジマッチになります。最初にオファーを受けた時の心境を聞かせてください。

「はじめは前々回の試合で負けているウ・ソンフンとのリマッチでオファーが来たんですけど、試合合意には至らなかったんです。次にONEから提案された試合がキンガドとのリマッチでした。願ったり叶ったりと言った感じで嬉しかったです。やっとリベンジできると思いましたね」

――キンガドとは2018年9月のONEデビュー戦で対戦し、判定で敗れています。あの時はどんな印象を持ちましたか。

「MMAの競技的にあっちの方が上だったと思います。打撃は僕の方に強みがあったんですけど、組み技・寝技・スタミナ…そういったMMAの総合力や技術の配分という面で差をつけられたなと思いました。まさにMMAで上回られた感想ですね」

――そこまでキンガドがMMA的に完成されていたのは意外でしたか。

「当時の僕は試合で出たとこ勝負の現場合わせじゃないですけど、じゃんけんみたいな試合のやり方だったんです。逆に今思うとキンガド選手はMMAの完成度が高くてゲームプランも立てて試合していたと思うので、そりゃ、負けるだろうと思いますね。あの時点ではキンガド選手が僕の先を行っていたと思います」

――今回の再戦はまさにONEでやってきたことが試される試合ですね。

「まさにその通りですね。今回はすべての面でプレッシャーをかけて圧倒したいです。どんな状況になっても楽しんで戦えれば、自分の実力を出せる感覚があります」

――日本大会への出場は今回で3度目、すべての大会に出場することになります。過去の日本大会とは心境が違いますか。

「今までの日本大会はあまり日本でやることを気にしてなかったんですよ。それよりも自分の勝ち負けの方が大事で、勝てるんだったらどこでやっても一緒だろくらいに思っていました。でも今回はみんなで勝利を分かち合いたいという気持ちが出てきているんです。だから応援に来てくれる人たち、見てくれる人たちに最高の勝ちを見せて、感動を届けたいなと思っています」

――キャリア的にも若松選手はONEで戦うMMAファイターとしては古参の部類になってきました。

「5年のキャリアでここまで来れたことは自分でも褒めてあげたいです。でもそれで天狗になっているようじゃ、すぐに引きずりおろされる舞台だし、僕の中では崖っぷちぐらいの気持ちもあります。ただここからがスタートだとも思っているし、この状況を楽しみたいですね。今回は武尊選手も出て注目度も上がっているし、ここで勝てばまたONEに注目される選手になれると思っています」

――若松選手のことを初めて見るファンも多いと思いますが、どんな試合を見せたいですか。

「パフォーマンスじゃなくて15分間の戦いの中で『MMAって面白いんだな』とか『キックには武尊選手がいるけど、MMAにはこういう選手がいるんだな』とか、ちょっとでも自分を知ってもらうきっかけになったらいいなと思います。今ONEはキック・ムエタイの方が盛り上がっていると思うので、またMMAを盛り上げたいし、そのためには倒せる選手が求められていると思うんですよ。自分はそういう試合をしてONEのMMAを盛り上げるきっかけになりたいです」

――キンガド戦も含めて2024年の目標を聞かせてください。

「今回しっかりKOで勝って、夏頃にDJ(デメトリウス・ジョンソン)にリベンジしてチャンピオンになりたいです。前回のDJ戦は捨て身でガムシャラに戦ったんですけど、今の自分はそうじゃないので。DJはフライ級で世界一の選手だと思うので、その相手を倒してチャンピオンになりたいです」

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 Special アドリアーノ・モライシュ ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ ボクシング 修斗 大沢ケンジ 安芸柊斗 新井丈 柏木信吾 水垣偉弥 海外 若松佑弥 関口祐冬

【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:7月―その弐―:若松佑弥✖シェ・ウェイ「格闘技は、戦い」

【写真】計量失敗も集中力を増した感のあった若松。落とせない試合をモノにした(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。
Text by Shojiro Kameike

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は大沢ケンジ和術慧舟會HEARTS代表が選んだ2023年7月の一番、修斗世界ストロー級選手権試合=新井丈×安芸柊斗戦から、ONE FN12の若松佑弥×シェ・ウェイ戦まで語らう。格闘技は、戦いだ。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:7月:新井丈✖安芸柊斗戦はコチラから>


――至近距離の練習、ですか。

「ウチのジムでは結構、至近距離の練習をやるんですよ。MMAのスパーリングでも、ボクシングやキックボクシングの距離でやらせます。これは『打ち合い上等』ではなく、少し打撃をもらう覚悟で前に出ていくことで、相手を削っていくということなんです」

――ボクシングジムでガードを固めている選手のグローブをトレーナーさんが叩き続けるトレーニング風景を見たことがあります。受けている選手は目を閉じず、目をそらさないでいるという。

「近い距離で目を慣れさせるためのトレーニングですね。MMAは特に、一発も食らわずに勝つことは難しいじゃないですか。打撃、組み――いろんな展開があるから。こういうことを言うと、僕が『気合いで行け』とばかり言っているように思われるんですけど(苦笑)」

――アハハハ。どうしても言葉の端々だけを取られてしまいますね。

「そう。分かりやすく『見えていれば効かないんだから行け』と言うんだけど、ただ見えているだけじゃダメなのは当たり前で(笑)。遠い距離で戦うタイプの選手は、相手に近い距離で張り付かれると疲れるものですよ。下がるほうがバテます。

でも至近距離の練習をしていない日本の選手は、距離が近くなるのを怖がっちゃいますよね。日本人選手が世界で勝てない理由の一つに、その距離の問題があるんじゃないかって感じます」

――身長差、リーチ差がある海外選手との試合では尚更のことで。

「MMAは階級制のスポーツじゃないですか。結局は同じ体重で戦うのだから、僕は身長差やリーチ差は特に気にしていないですね。日本にも海外の選手に体格で勝っている選手はいるし。それよりも戦うという気持ちのほうが大切で。倒しに行く姿勢を見せていれば、判定になっても有利になりやすい。最初からポイントを意識しすぎるよりも、フィニッシュに近づく展開を見せていれば結果的に判定で勝てると思っていますから」

――新井選手に関していえば、まさに関口祐冬戦がそうであったわけですね。下がらず、前に出て殴って判定勝ちを収めました。

「タイトルマッチや、タイトルに関わるような試合で、あそこまで前に出る選手は他にいないですよね。今後の対戦相手も嫌だと思います。『アイツ、とことん前に出て来るな』って」

――前に出ることで相手を削る。とにかく攻めて勝つ。それはONE FN15でシェ・ウェイをTKOで下した若松佑弥選手も同様だったと思います。

「佑弥の試合も良かったですよね。計量失敗があったので、完全に良かったと言ってはいけないけど……。ただ、佑弥も最近うまくいっていなかったじゃないですか。もともと上を目指すために新しく、いろんなものを身につけようとしていたんでしょう。アドリアーノ・モライシュ戦(昨年3月、ギロチンで一本負け)の前あたりから、組み技も試合で見せるようになっていて。オールラウンダーであり、巧い選手の戦い方を始めていました。

だけど、巧くなるにつれて自分に怖さがなくなっているかもしれない。それは本人も分かっていたと思うんですよ。結果はモライシュに一本負けして、次はウ・ソンフンにKO負けした。計量失敗もありましたし、選手の気持ちとしてはどん底ですよ。少なくともファンや関係者の信用を失うのは間違いない。

でも僕たちは、アイツが本当に頑張っていることは知っているから、このまま落ちていってほしくない。そう思いながら先日のシェ・ウェイ戦を視ていたら、完全に昔の若松佑弥を取り戻していたじゃないですか」

――試合後にも「殺してやるという気持ちで戦いました」とコメントしていましたね。

「何か吹っ切れたんでしょうね。たとえば最初にテイクダウンした時、体を起こそうとした相手の顔面にヒザを打ったじゃないですか。当てきれず反対に倒されかけていましたけど、ここ最近の佑弥だったら、あのヒザは打っていないと思います。もう一度テイクダウンした時も、すかさずヒジとヒザを連打していて。

今の日本のMMAなら、あの場面はまず――しっかり抑え込むように指示するでしょうね。勝とうとしているだけなら、あのタイミングでヒジとヒザは出さない。もし佑弥が負けていたら『ヒジやヒザを出すのではなく、まず抑え込むべきだった』と言う人もいたでしょうね。『仕掛けが早すぎる』とか。あの場面で自分から攻め続けて勝ったから、次に繋がるんですよ。攻めるべき時に、リスクを恐れずに攻める。だって、格闘技は戦いだから」

――「格闘技は戦い」。これも最近、大沢さんがよく口にする言葉ですね。

「もちろん計算しながら戦うことも必要です。でも計算しているのは、自分の中に恐怖心があるから。恐怖心があるために計算しすぎて、試合の中で自分が本来持っているものを出せなくなることって、本当によくありますからね。

でも佑弥は恐れず、自分らしさを出して勝った。昔のような殺気立った佑弥の試合を視て、人間がどん底から這い上がる浪漫を目撃した気がしますね。今後どういう展開になるかは分からないけど、この試合をキッカケに取り戻していくと思いますよ」

――MMAとして打ち合うことや、打撃を出し続けることが必ずしも良いとは思いません。しかし前に出ること、攻め続けることが勝つ術となることは理解できます。

「やらなきゃ自分がやられる。それが戦いであり、格闘技は戦いだから。たとえば試合でフィニッシュを狙わず、トップをキープするだけの相手って怖くないですよ。抑え込まれていても『相手は狙ってこないな』と分かるので、まず自分が仕留められる恐怖心はなくなります。試合中、精神的に追い込まれることはない。だから一切ダメージをもらわないことを考えるのではなく、まず気迫や殺気で相手を抑え込んでいくのも必要だということですね」

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 ゲイリー・トノン

【ONE FN12】四点ヒザで追い込まれたゲイリー・トノンが、バックを譲って前転ヒザ十字。ガザノフを壊す

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
Def.2R2分26秒by ヒザ十字
シャミル・ガザノフ(ロシア)

リング中央で向き合った際、レフェリーにタオルで背中を拭かれたガザノフ。右を見せてテイクダウンに行ったトノンだが止められて引き込むと、がぶられてヒザを連続で頭部に受ける。

必死に立ち上がったトノンは、ヒザを受けながらダックアンダーからバックに回って背中に飛び乗る。手首を掴んで、コーナーに移動したガザノフが足を取って反転しに掛かる。背中の乗り続けたトノンは、シートベルトでバックコントロール。ガザノフは絞めの防御に集中する。グリップを剥がしにかかったガザノフが、胸を合わせて体を入れ替える。すぐに押し込み返したトノンはボディロックから自ら後方に倒れて寝技に移行しようと試みる。

体を持っていかせなかったガザノフは、ウィザーでバックを許さない。正対したトノンのダブルレッグはコーナーを背負って耐えたガザノフが初回をリードした。

2R、右の蹴りを連続で見せ、右を振るって前に出たトノン。ガザノフがダブルレッグを合わせてテイクダウンを奪う。ラバーからクローズドのトノンは足を一本抜かれて殴られる。シングルからのレッスルアップも、潰されたトノンはがぶられてスタンドに戻る。ガザノフは胸を合わせてボディロックからバックに回ると、トノンは前転からヒザ十字へ。左足首をワキの下で抱ええて伸ばしているトノン、ガザノフは余裕があるような風だったが、
大声を挙げて勝敗が決した。

「全てのヒザがとんでもなかった。初回はタイトにセットされて厳しかったけど、2Rは動ける隙があった。僕はメカニズムが分かっている。靭帯はいったかも。だからタップしたんだろう。無敗の相手をフィニッシュした。次はタイトル戦だ」とトノンはアピールした。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 アミール・アリアックバリ

【ONE FN12】ジョイソンをTDからクルスフィックス、パウンドアウトのアリアックバリがマレキンと乱闘劇

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
Def.1R1分45秒by Tapped due to strikes
ダスティン・ジョイソン(カナダ)

なんと試合開始直前に爪が長く、爪切りでカットされたアリアックバリが右フックから左を打っていく。ジョイソンは圧を受けてロープを背負うと、左フックを被弾しそうになる。右を当てたアリアックバリは組んで、テイクダウン。サイドで抑えてクルスフィックスで固定する。アリアックバリは左のパンチを連打し、起き上ろうしたジョイソンを潰す。パンチを続けたアリアックバリが、TKO勝ちを決めた。

王者アナトリ・マレキンをコールアウトしたアリアックバリ。リングサイドで観戦していたマレキンがリングに上がり、ひと悶着というエピローグのようなプロローグで幕を下ろした。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 シェ・ウェイ 若松佑弥

【ONE FN12】押し倒して殴って勝つ。有言実行、計量失敗からの勝利で若松佑弥が一歩前進

<135.5ポンド契約/5分3R>
若松佑弥(日本)
Def.1R2分03秒by TKO
シェ・ウェイ(中国)

若松は左に右を合わせ、蹴り足を掴まれて下になってもすぐに立ってテイクダウンを奪う。シェ・ウェイも即立ち辺り、ロープに若松を押し込む。細かいヒザを打つシェ・ウェイだが、若松もヒザを返しコーナーを背負いながらヒザを狙われたところで右足を抱えてテイクダウンを奪う。サイドを取った若松は右パンチを連打し、上体を起こそうとしたシェ・ウェイに右ヒザを連打する。

それでも起き上がってきたシェ・ウェイを制し、バックを制して押し倒してマウントを取った若松は左右のパウンドを続けTKO勝ちを決めた。リング下りようとした若松は呼び止められインタビューを受けると「体重オーバーをしてしまったこと、申し訳なく思っていて。ソレが自分を強くしてくれました。前回はソレに負けたので。殺してやるという気持ちで戦いました」と話した若松。計量オーバーで5万ドルは獲得とならなかったが、「復活です。次を楽しみにしてください」とコメント。次の相手に関して若松は「誰でも良い。DJでも良いんじゃないですか」と言葉を続けた。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 アクバル・アブデュラエフ アーロン・カニャルテ キック マーチン・ウェン

【ONE FN12】アクバル・アブデュラエフ、2試合連続40秒殺。10連勝、9回目の1Rフィニッシュ勝利

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
Def.1R0分41秒by TKO
アーロン・カニャルテ(エクアドル)

右回りのカニャルテに対し、アブデュラエフが後ろ回し蹴りを見せる。さらにカーフを蹴り、圧を掛けたアブデュラエフのスピニングバックキックがカニャルテの腹に入る。これが効いて動きが止まったカニャルテに対し、アブデュラエフはワンツーからパンチをまとめる。崩れたカニャルテに鉄槌を打ちつけて秒殺勝利のアブデュラエフ、ONEで2試合連続の1分以内の勝利──そして10試合中9試合の勝利を1Rフィニッシュとした。

「素晴らしい気持ちだ。ありがとう。全ての勝利に神に感謝している。そのおかげで今、ここにいることができる」と話した勝者は、マーチン・ウェンをコールアウトし5万ドルのボーナスを獲得した。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 バンマードォーチー ヴァウテル・ゴンサウベス

【ONE FN12】パウンドで急所を殴ってしまったバンマードォーチー。トップ&パウンドで判定勝ち

<135.75ポンド契約/5分3R>
バンマードォーチー(中国)
Def.3-0
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

MMA初陣のゴンサウベスに対し、バンマードォーチーはサウスポーから左インローを蹴る。スイッチしたゴンサウベスが左の蹴りを見せる。飛び込んで左オーバーハンドを入れたバンマードォーチーに対し、ゴンサウベスが右を見せて組んでいく。腰に乗せて投げたバンマードォーチーは足関狙いを殴って立ち上がる。

と、ダブルレッグで持ち上げてテイクダウンを奪ったバンマードォーチーが右のパウンドを打ちつける。ゴンサウベスはここも足関節を狙い、外ヒールへ。体を捻って足を抜こうとしたバンマードォーチーだが、ゴンサウベスはバックを取ってカーフスライサーへ。バンマードォーチーはクラッチを剥がして立ち上がると、上を取り直してパスを決める。足を戻した直後にパウンドを受けたゴンサウベスが悲鳴を挙げる。

トップロープに乗って勝利をアピールしたバンマードォーチーだが、パウンドが急所を直撃しておりゴンサウベスは試合続行不能かと思われたが、立ち上がる。再開後、ダブルレッグを決めたバンマードォーチーに対し、ゴンサウベスがギロチンへ。クローズドで絞めあげるゴンサウベスだが、バンマードォーチーが頭を抜いて立ち上がるとボディにパウンドを打ちつける。ゴンサウベスは蹴り上げを狙い、バンマードォーチーは腹を殴った。

2R、カーフを蹴ったゴンサウベスに対し、バンマードォーチーは左を伸ばす。さらにジャブ、ワンツーを見せてダブルレッグを決めたバンマードォーチーは立ち上がってパンチを落とす。蹴り上げから立ち上がったゴンサウベスは右ボディフック、ダブルを切って右ミドルを入れる。その右ミドルをキャッチしてテイクダウンしたバンマードォーチーは頭をぶつけるなと注意を受け、イエローカードを受ける。

再開後左ローのゴンサウベスはアッパーからのダブルレッグを防ぐと、コーナーに詰めて右を振るう。ローシングルのバンマードォーチーは、ロープの間からゴンサウベスを押し出す。マット中央に戻り、再びダブルレッグを決めたバンマードォーチーだが、相当にスタミナをロスしているか。クローズドのなかで右のパンチを落とし、頭をつけて呼吸を整えるバンマードォーチーに対し、ゴンサウベスはスクランブルに持ち込めない。バンマードォーチーは左の鉄槌を連打し、ラウンドをまとめ切った。

最終回、左ローを蹴ったゴンサウベス。バンマードォーチーが左フックからダブルレッグへ。切られて離れたバンマードォーチーは左に跳びヒザを合わされ、バランスを崩したような形で後方に倒れる。頭が外に出ており、中央で再開にされるとバンマードォーチーが即レッスルアップからスタンドに戻る。

続くダブルレッグにもヒザを当てていったゴンサウベスは、徹底したダブルレッグの狙いのバンマードォーチーにバックを許して引き込む。三角絞め狙いを外して担いだバンマードォーチーがパスから肩固めを狙う。リリースして殴り、再び担ぎパスを決めたバンマードォーチーは上四方へ、ニーインフェイスから鉄槌を落とし右のパンチを連打する。

残り90秒、試合はリング中央でリスタート。腰を上げたバンマードォーチーが殴ってパスへ。足を戻したゴンサウベスは蹴り上げても、立ち上がらない。Zハーフガード、ニーシールドのゴンサウベスは立ち上がったバンマードォーチーのパンチに、背中を見せるシーンも。バンマードォーチーがこのままトップから殴り、タイムアップに。結果、バンマードォーチーが3-0でONE初勝利を挙げた。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 アマンダ・アレキン キック タミ・ムスメシ ボクシング

【ONE FN12】ダブルガードから足関経由のベリンボロ。バック狙い効果でタミ・ムスメシがアレキン下す

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
タミ・ムスメシ(米国)
Def.3-0
アマンダ・アレキン(米国)

立ちレスからコーナーを背負ったタミにダブルレッグを仕掛けたアレキン。タミはギロチンを仕掛けるが、頭を抜いたアレキンがトップを取る。足を捌くアレキンに対し、タミはデラヒーバがバックを狙う。足を狙いつつ上を取ったタミは、正座して背中をマットにつける。アレキンのヒザ十字狙いを察知し、ヒザを立てるタミはベリンボロでバックへ。前転したアレキンだが、足を抜かれて背中を譲る、

アレキンはヒザ十字狙いでバックを解除し、足首を捻り合う。互いにヒザを制することなくアレキンが立ち上がると、タミは再び足関からバック狙いへ。そこを待ってアレキンが足を掴む。結果、ダブルガードで足の取り合いとなり、タミはバックを取り行く。前転を2度繰り返して防いだアレキンは立ち上がりつつ、足関節へ。立ち上がりパス狙いのアレキンは立ち上がってパスの圧力をかける。足を絡ませたタミは、上を取っても固執せずダブルガードへ。

一本狙いファイトも、足関節と付随する攻撃への防御力が高く──互いに極まる兆候のないまま試合は残り1分を切る。アレキンがトップかパスを仕掛けるも、足が近づくと掴まれる状態で逆にベリンボロの攻防となり、タミがカウンターのバック奪取。足をフックできなかったが、ポジション奪取という部分でリードしたタミが3-0の判定勝ちを手にした。


<キックボクシング・ライト級/3分3R>
コンスタンティン・ルス(モルドバ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 Road to UFC UFC ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ チャンネル ルンピニー 若松佑弥

【ONE FN12】まさかの計量失敗、再び。若松佑弥が2日前に話していたこと。「暴力というテクニック」

【写真】顔を上げ、ひたすら勝利目指し。勝って、頭を下げれば良い (C)ONE

明日15日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN12「Superlek vs Khalilov」で、若松佑弥はシェ・ウェイとフライ級3回戦で戦う予定だった。

昨年11月のウ・ソンフン戦で体重は落とせてもハイドレーションをパスしなかった若松は、今回はハイドレーションはパスしても135ポンドのリミットに対し下着を脱いでも135.5ポンドと0.5ポンド(226.79グラム)オーバーに。

その後2度トライした再計量ではハイドレーションに失敗した若松に対し、シェ・ウェイは3度目の計量で両方でパス──この試合はキャッチウェイトマッチで実施されることとなった。

水抜き防止のためにハイドレーションが導入されたONEの計量では、ミスをするファイターが後と絶たない。今大会もメインのムエタイ戦出場のスーパーレック・ギアットムーガーオ、MMAでは同じくフライ級のヴァウテル・コンサスベスが計量失敗となっている。

MMAPLANETでは若松を12日(水・同)にインタビュー。トレーナーを帯同し、計量に向けて絶対の自信を持っていた若松は、MMAファイターとして原点回帰することを断言していた。もちろん、計量をパスした選手の方が圧倒的に多く、2試合連続の失敗は弁明の余地が所属するTRIBEとしてないのは確かだ。と同時にシェ・ウェイが200グラム超過のキャッチ戦を受けた。この時点で、両者の立ち位置は全く変わらない。若松は気持ちを入れ替えるということでなく、ただ勝利を掴むために邁進してほしい。

良心の呵責など、試合が終わるまで必要ない。ここは人間性より、試合に勝つための人種=ファイターとして明朝のリングに上がり、インタビューで話していた通りの試合を実践するのみだ。


──去年の11月以来の試合となります。色々と考えることがあったと思いますが、改めて試合に向けてのどのような気持ちですか。

「順調で、ベストコンディションですし、最後まで気を抜かずにいきます。その時、その時を本気で生きてきて、今に至っています。練習環境もベースは変えないで、補助的に悪かったところを見直してきました。全てを変えてしまうと、良い所も失ってしまうので。そこは変えずにやってきました。前回の負けも必然だったと思えるまで、全力でやってきました」

──長南さんがキルクリフFCを視察し、帰国後はより声を出して厳しくするとアマチュアの子たちが来なくなったという話を伺いました。

「まぁ、そういう風になりますよね(笑)。でも、しっかりとした子は変わらずに練習を続けて育っています」

──ハイドレーションの失敗を経験して、普段の体重をフライ級のリミットに近くすると言われていましたが、普段から61、2キロに近い体重で過ごすようになっていたのでしょうか。

「自分は結構、摂生している方だと思います。そこは変わらず──です。前回はONEで8試合しているうちの、1つの試合。そういう風に思っています」

──既に頬がこけていますが。

「体を見たら、ビックリしますよ(笑)」

──ではここで上半身を見せて欲しいのですが、我慢します(笑)。セレモニアル計量でなく、本計量の前後の写真を送ってきてください。それを楽しみに待ちますね。

「ハイ(笑)。堀江(登志幸TRIBEフィジカルコーチ)さんのお陰で、しっかりとフィジカルをやってきて。今回はタイまで帯同していただいて、そっちの計量の面でもバッチリです」

──対戦相手のシェ・ウェイですが、どのような印象を持っていますか。

「素晴らしいファイターで、本当に強い選手です。尊敬しています。自分も凄く好きな選手です」

──打撃は強い。しかし、組みには穴があると思っていたら、ジムごとタイに移動してロシア人コーチを雇い、しっかりとレスリングやグラップリングもやり込んできたと自信を見せていました。

「まぁ、気にしないです。それがMMAファイターです。穴がある方がおかしい」

──ではどのようなところに気を付けないといけないと思っていますか。

「やっぱり近い距離のパンチには気を付けないといけないです」

──そこに対して、若松選手がやるべきことは?

「貰わないことは第一で。でも、試合だから貰う覚悟はあります。勝負に出て打ち合う場面も出てくるだろうし、そこもしっかりとやります」

──MMAで勝てば良い。でも喧嘩になっても負けないということを内包していないといけない。そういう難しさが、今のMMAにはあるかと。

「振り返ってみると、自分が理想にしていたのはテイクダウンをしても、しっかりと殴って削ることだったんです。キックボクサーやボクサーでなくて、MMAでも打撃を入れること。テイクダウンしても殴って、そこで立ってきてもまた倒して殴る。相手がビビってくるようなことをする。そうすることでテイクダウンの振りをして、また殴ることもできる。

雑でも良いので、寝かせたら寝ている状態の相手を殴る。自分がメチャクチャだった時代を思い出すわけじゃないですけど、俺はそれしかできない。上久保(周哉)さんや(和田)竜光さんのように理詰めで行くのではなくて、もっと暴力的に戦うつもりです。背中を見せるようなら、スルっと入るんではなくて暴力的に絞めるみたいな感じで。寝技だって喧嘩をする。それが僕の理想だったはずで。

それが現代MMAになると、よりテクニカルになる。そこを自分のモノにしようとする余りに、殺傷能力を失っていました。テイクダウンして抑えることができるようになると、打撃ができないレスラーのような戦い方をするようになったので、もっと自分の拳に自信を持って──その武器を持っているので、しっかりと使おうと思います。自信を持って寝技になった時に暴力をしたい。そういうイメージですね。殴り合いに自信を持っている人間と、足を止めて打ち合うのではなくて。それってベアナックルファイトになってしまうので、蹴りもヒザも使えるし、際でエルボーも入れてテイクダウンもできる。全局面で喧嘩してきます。なんか……話し過ぎましたね(苦笑)」

──いえいえ、ありがたいです。それができるのも、しっかりとテイクダウンをして抑えて勝つという努力をしてきたからではないでしょうか。

「しっかりと抑えて時間を使うという考えを持ってしまっていたのですが、僕が『抑えました。じゃあ殴る』という戦いをした時に、打撃しかない人間が勝てるわけがない。これまでの試合で学んできた、暴力というテクニックが出るんじゃないかと思います。やっぱり、ちょっとしゃべり過ぎましたね(苦笑)」

──Road to UFCで再確認させられたのは、世界中が強い連中ばかり。それはUFCだからでなく、ONEで戦う中国人ファイターも同じことだと思い直せました。若松選手や和田選手は、名前はないけどそういう相手と戦ってきた。今回も弱いわけがないシェ・ウェイ戦、何を見せてくれますか。

「まず自分に打ち克って、自分のやるべきことをやる。負けたらいけないとか、相手が強いとか思い込んでしまうので、まずは自分に打ち克って、自分のやるべきことを15分間しっかいとやる。そうすれば自ずと相手は倒れているので、楽しみにしてほしいです」

■放送予定
7月15日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【ONE FN12】パンダの都の王子=バンマードォーチー「初戦で敗北し、僕の実力は疑われてしまっている」

【写真】チベット族のバンマードォーチー。その名はチベット語で仏陀、美男子という意味らしい。言葉通りに成長した彼は、ONE初陣では羊の皮でできたチュバと呼ばれるチベット族の伝統的な衣装を身に纏いケージに向かった (C)ONE

15日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN12「Superlek vs Khalilov」で1年11カ月振りの実戦復帰となるバンマードォーチーがヴァウテル・ゴンサウベスと対戦する。

2021年8月に15勝1敗という戦績を引っ提げて、中国最強のストロー級ファイターと注目されながらONE初陣を戦ったバンマードォーチーだが、デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークのヒザ蹴りの前に2Rでキャンバスに沈んだ

捲土重来、自らの存在証明のために戦うパンダの都の王子バンマードォーチーはインタビュー中に何度も「敗因はスタミナ。技術ではない」という言葉を口にした。


──ヴァウテル・ゴンサウベスが来週に迫ってきました。今の調子はいかがですか(※インタビューは6日に行われた)。

「しっかりと練習ができ、十分に準備はできている。凄く良い感じだよ。来週の試合に向けて、とてもワクワクしている」

──2021年の8月、デェダムロンとのONE初陣直前にインタビューをさせてもらったのですが、その試合で敗れて以来2年近くも実戦から離れていました。何か理由があったのでしょうか。

「確かにONEデビュー戦では負けてしまった。でも、自分が優れたファイターだと信じている。打撃もグラップリングも問題なく、つまりちゃんとMMAを戦っていける。この2年間、全ての局面における技術を磨いてきた。それにあの試合で負けたのは技術でなくスタミナに問題があったからだ。だから、この2年間はそこもしっかりと鍛えてきた」

──キックボクシングは見事でしたが、ムエタイに敗れたように見えました。デェダムロンのクリンチに。

「さっきも言ったように、デェダムロンに負けたのはスタミナの問題だ。ムエタイの技術でも、キックボクシングの技術でもない。それがなければ、いくらデェダムロンが優れたファイターでも負けるはずはなかった。今回の相手もムエタイができる。だけど、しっかりと作戦も立ててきたし、スタミナも問題ない。だから、80パーセントの確立で勝てるだろう。

これはMMAだ、しっかりと僕の試合を見て欲しい。ムエタイが課題とは絶対に言わせない試合をするよ。そしてテイクダウンもできる。僕は打撃でもやり合えるし、組み勝てる」

──多くの中国人MMAファイターが育ったエンポ・ファイトクラブに所属していましたが、この間もエンポの下でトレーニングを行ってきたのでしょうか。

「エンポ・ファイトクラブは僕にとってホームだ。半年ほどタイで練習していたけど、この試合の準備はチェンドゥ(成都)に戻ってエンポでやってきたよ」

──スタミナ面を強化してきた。それはストロー級からフライ級に上げた理由の一つになっているのでしょうか。

「まだ成長期で、あれから背が伸びているからだよ(笑)」

──なるほど(笑)。ヴァウテル・ゴンサウベスは今回がMMAデビュー戦で、どれだけ対応力があるか未知です。その辺り、そのように準備してきましたか。

「細かい作戦をここで言うわけにはいかないけど、ムエタイやキックボクシングからMMAに転向してきた選手は、当然のように優れたストライカーだ。ただし、そのフットワークに弱点がある。MMAファイターに比べると、十分なスピードに欠けているんだ。そこに僕のアドバンテージがある。もちろん、彼はステップワークに加えて組み技と寝技が十分でないことは誰もが分かっていることだろう」

──では、そのような対戦相手との試合で何を見せたいですか。

「MMAにおける技術、パワーを見せたい。これまで中国で16試合戦い、15試合で勝って来た。中国では1度しか負けていないのに、ONEでは初戦で敗北を経験した。結果、僕の実力は疑われてしまっている。僕がONEという舞台に立つのに相応しい力の持ち主であることを証明したい」

■放送予定
7月15日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

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