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45 AB Brave CF MMA MMAPLANET o UAEW UFC UFN UFN238   アザット・マクスン アブドゥルカリーム・アルセルワディ アレックス・ペレス アレッサンドロ・コスタ アレッシャンドリ・パントージャ ウマル・ヌルマゴメドフ エイマン・ザハビ エリク・アンダース キック シャミル・ガジエフ ジェイミー・ピケット ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク ジャビッド・バシャラット スティーブ・アーセグ タイソン・ペドロ ダヴィッド・ドヴォルザーク デイヴィソン・フィゲイレド ビクター・ヘンリー ベクザット・アルマカーン ボクシング マット・シュネル ムハマド・モカエフ ルドヴィット・クライン ヴィトー・ペトリーノ 中村倫也 吉野光 平良達郎 風間敏臣 鶴屋怜

【UFN238】計量終了 モカエフがついにタイトル挑戦経験者と。吉野に勝ったオリヴェイラ×ソパイも注目

【写真】歴史の浅い――しかも仕切り直しがあった階級だからこそ、これから動きも大きくなるはずだ(C)MMAPLANET

2日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN238: UFN on ESPN+96「Rozenstruik vs Gaziev」の計量が行なわれ、全選手が滞りなくクリアしている。
Text by Manabu Takashima

メインはヘビー級のジャイルジーニョ・ホーゼンストライク×シャミル・ガジエフという今大会だが、日本のファンからすると気になるのは軽量級、やはりフライ級とバンタム級の戦いだろう。


フライ級では平良達郎がコールアウトしたムハマド・モカエフが、ついにタイトル挑戦経験のあるファイター=アレックス・ペレスと対戦する。2020年11月にデイヴィソン・フィゲイレドの持つ世界フライ級王座に挑戦して敗れたぺレスは、その後の3年4カ月で流れた試合数は「9」、実際にオクタゴンに足を踏み入れたのはたったの1度でアレッシャンドリ・パントージャに91秒でRNCで一本負けを喫している。

いえばこの40カ月でペレスは、僅か3分28秒しか戦っていない。対するモカエフは、この間にNCを含めると9試合を経験してきた。ペレスにケージロスがあるかどうは分からないが、勢いがあるのはモカエフであることは間違いない。ペレスがタイトル戦線に再浮上するためには、キャリア10連勝の新鋭に初黒星を与えることが必須だ。

そんなペレスとの対戦が4度に渡り流れたマット・シュネルと戦うスティーブ・アーセグは、Eternal MMAフライ級王者から昨年6月にスクランブル出場でオクタゴン初陣を戦った。そしてダヴィッド・ドヴォルザークを下し、2戦目でシュネルと戦うことが決まっていたが、シュネルの欠場で試合が不成立に。結果、代役アレッサンドロ・コスタに判定勝ちを収めている。

仮にアーセグがシュネルを下して3連勝とすれば、今後数カ月で平良の対戦相手になることは十分にあるだろう。

平良、そして鶴屋怜目線で眺めるフライ級に対し、中村倫也&風間敏臣視線で俯瞰すべきなのがバンタム級戦線だ。メインカードではウマル・ヌルマゴメドフとベクザット・アルマカーンという16勝0敗×16勝1敗という凄まじい戦績の持ち主同士がぶつかる。とはいえ、アルマカーンは今回がUFC初陣ということもあり、フライ級の同胞アザット・マクスンの例を見るまでもなく16勝1敗という数字は参考記録に留めるべきだろう。

UFCデビュー戦といえば、ヴィニシウス・オリヴェイラと対戦するスウェーデンのベルナルド・ソパイは、今大会に初めて世界最高峰の舞台に上がる。ライオンキングの異名を持つ、アルバニア系スウェーデン人選手はコロナ禍の2020年8月にスロックホルムで無観客ウィークリショーを開いたBRAVE CFに出場し、一躍注目を集めるようになった。

その流れでバーレーンで戦ったことがあるソパイだが、ほぼスウェーデン国内で経験を積み、UFCにたどり着いたレア・ファイターだ。キックボクシングを思わせる近い距離で、右オーバーハンドの強さが目立ったソパイだが、執拗なテイクダウン狙いには手を焼く――BRAVE CF時代はそんなヤングブラッドだった。

あれからほぼ3年が過ぎ、UAEWで吉野光をKOしているオリヴェイラの打撃に対し、どのような幅のある戦いを見せることができるのか。粗いが当たれば倒す、そしてなぜか当たるオリヴェイラのパンチ。その分KOパンチを被弾することも少なくないオリヴェイラとの距離、振りの大きさの対比が楽しみな一戦となる。

オリヴェイラ×ソパイ戦の前に組まれた試合順に、不満を抱いていて然りなのがジャビッド・バシャラットだろう。キャリア14勝0敗1NC、前戦ビクター・ヘンリー戦こそローが急所に入りNCとなったが、オクタゴン3連勝でランカーとの対戦を強く要望してきた。

そのなかでUFCで4勝2敗のザハビとのマッチアップ、グラップリングに特化した相手をジャブと蹴りで突き放し、完全ドミネイトもしくはポイントアウトの遂行していくに違いない。だからこそ、注目すべきはザハビの戦い方だ。実兄である名将フィラスが控えるザハビは、前述したようにグラップリングに特化したという印象を利して、予測不能な打撃を有効な武器としつつある。

バシャラットが持ち味である徹底して落ち着き払ったファイトで、やるべきことを選択すればザハビに勝ち目はない。しかし、少しでも奢りを見せ、ザハビを軽視するような心の隙があれば……そこが命取りになるやもしれない。

■視聴方法(予定)
3月3日(日・日本時間)
午前3時30分~UFC FIGHT PASS
午前2時45分~U-NEXT

■UFN238計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 257ポンド(116.57キロ)
シャミル・ガジエフ: 261ポンド(118.38キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィトー・ペトリーノ: 205.5ポンド(93.21キロ)
タイソン・ペドロ: 205.5ポンド(93.21キロ)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス: 126ポンド(57.15キロ)
ムハマド・モカエフ: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)
ベクザット・アルマカーン: 136ポンド(61.69キロ)

<フライ級/5分3R>
マット・シュネル: 126ポンド(57.15キロ)
スティーブ・アーセグ: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダース: 185.5ポンド: 186ポンド(84.37キロ)
ジェイミー・ピケット(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・オリヴェイラ: 135.5ポンド(61.46キロ)
ベルナルド・ソパイ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジャビッド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
エイマン・ザハビ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
クリスチャン・レロイ・ダンカン: 186ポンド(84.37キロ)
クラウジオ・ヒベイロ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
ルドヴィット・クライン: 156ポンド(70.76キロ)
AJ・カニンガム: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
アブドゥルカリーム・アルセルワディ: 156ポンド(70.76キロ)

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DWCS LFA MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN233   アラン・ナシメント アレッシャンドリ・パントージャ カーロス・ヘルナンデス ダニエル・バレス ダヴィッド・ドヴォルザーク デイヴィソン・フェゲイレド ブランドン・モレノ ライカ ヴィクター・アルタミラノ 平良達郎

【UFN233】オクタゴン5戦目、5連勝へ。平良達郎「UFCフライ級に新しい風を吹かせます」

【写真】髪の毛の色が変わっていた平良。ファイトウィークもリラックスして過ごせているようだ(C)TAKUMI NAKAMURA

9日(日・現地時間)ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN233: UFN on ESPN+91「Song vs Gutierrez」にて平良達郎がカーロス・ヘルナンデスと対戦する。
text by Takumi Nakamura

10月に予定されていたダヴィッド・ドヴォルザーク戦が中止となり、今回の試合も中国から米国に開催地が変更されるなど、紆余曲折を経てヘルナンデスに臨む平良。逆転勝利の自信と課題を掴んだ7月のエドガー・チャイルズ戦を経て、今回の試合に向けて準備を続けてきた。UFC初参戦から1年7カ月、平良はUFCを挑戦ではなく結果を出すための舞台として捉えて、5度目のオクタゴンに向かう。


――渡米後のインタビューありがとうございます。ファイトウィークはどのように過ごされていますか。(※取材は現地時間5日に行われた)

「日曜日の昼に到着して、その日は軽く走ったくらいで、月・火はMMAのスパーリングも交えながら調整しています。米国で試合する時はいつもこのスケジュールで動いていますね。米国の試合が増えてきて、米国での調整も慣れてきたので、体調は過去一いいです。精神的にもリラックスできています」

――今回の試合は開催地が中国から米国に変更となりましたが、米国の方が慣れているようですね。

「調整そのものはしやすいですね。ただ移動の負担や時差のことを考えると中国の方が楽ではあるので、一度、中国で試合をやってみたかった部分もあります」

――今大会ではDWCS(Dana White’s Contender Series)経由でUFCに参戦しているカーロス・ヘルナンデスと対戦します。ヘルナンデスにはどのような印象を持っていますか。

「足を使うボクサーって感じですかね。ストライカーではあるけれど、ストライキングが好きくらいのイメージで、一発はないけど技術がある。テクニシャンタイプのボクサーという印象です」

――UFCでは3戦して2勝1敗。距離を取りながら打撃でポイントをとっていくスタイルで、良くも悪くもつかみどころがない印象があります。

「DWCSでスペインのストライカー(ダニエル・バレス)と戦ってスプリット判定で勝っているんですけど、あの試合は必ずしも打撃で一発がある方が勝つわけじゃないんだという感想でした。ヘルナンデスは相手の攻撃を受けて戦う選手なので、そこで変な一発をもらわないこと、試合が長引いた時にちゃんと最後まで動けること。そこを意識しています。もつれると嫌な展開になりかねないので、松根(良太)さんとも『早めに終わらせられるなら終わらせたいよね』と話していますし、僕としては3Rくらいに仕留めたいです」

――ヘルナンデスはLFAフライ級王者だったヴィクター・アルタミラノ戦のようにスプリット判定で勝つことも多く、爆発的な強さはないものの、競った試合をものにする強さはあると思います。それだけにしっかり攻めどころで攻める、展開のヤマを創ることが必要な相手だと思うのですが、いかがでしょうか。

「判定になった時に『どっちにポイントがつくるんだろう?』と思わせないことが大事ですね。今回は練習でもいかにダメージを与えるかを意識して練習していて、最近の傾向としてトップをとってもダメージを与えないと評価されないところがあるじゃないですか。グラップラーにとっては難しい時代になっているので、しっかり殴って相手をディフェンスさせ、疲れさせることを考えていて、そのなかで試合を終わらせるパターンもいくつか考えています」

――個人的にヘルナンデスは前回対戦したエドガー・チャイルズと似ている部分もあり、チャイルズ戦とつながる、応用できる試合になるのかなと思いました。

「チャイルズ戦は僕の中では大きい試合でした。例えばパウンドを打っているときの腕の張りとか、緊張感で普段以上に力んだ分、筋肉の疲れも感じたり。あとは体力的なスタミナとは違う集中力切れみたいなところも感じて。チャイルズ戦が終わって、ちょっと自分が思うように動けないなと考えちゃうところがあったんです。あれから戦い方も色々と考えて練習して、今やっとその殻が破れてきたかなと思いますね」

――見ている側としては1Rに左フックでダウンを奪われるピンチを乗り越えて、最終的に勝ち切った試合だったと思うのですが、修正すべき点も多かったのですね。

「そうですね。でもしっかりグラウンドで上を取ってヒジを落として勝ち切ったことは自信になりましたし、自信が深まったうえで反省点もあったという試合でした」

――ヘルナンデスは1月にアラン・ナシメントにRNCで一本負けしていますが、平良選手もバックを取ったり、RNCを極めるイメージは出来ていますか。

「チャイルズもそうだったんですけど、おそらく僕がUFCや過去の試合でRNCで勝っていることを知っていて、テイクダウンされたときに絶対に背中を見せなかったんですよ。普通ストライカーだったらトップキープされるより、多少バックを取られてもいいから立とうとするじゃないですか。チャイルズは一切そういう素振りがなかったんです。チャイルズが僕のバックコントロールを警戒して、そういう動きをしているんだなと分かりました。

ヘルナンデスもナシメントにRNCを極められているから、絶対に(バックコントロールは)警戒してくると思うんですよね。もちろんRNCのチャンスがあれば取りにいきますが、そうじゃない展開になった時にどう攻撃するか、どう相手の嫌なことをやるか。そこも必要になると思って、練習してきました」

――相手がバックを取らせたくない=トップから攻める時間も長くなりそうですね。

「僕的にはクローズドガードをとられて膠着したり、コツコツ下からヒジをもらったり、そいういう時間は意味がないと思うんですよ。それだったら自分から立ち上がってオープンガードにさせて上から殴るとか、横につくとか、亀にさせるとか、そういう展開を作りたいです」

――かなり試合のシミュレーションは出来ているようですね。当初10月にフライ級ランカーのダヴィッド・ドヴォルザークと対戦を予定していましたがドヴォルザークが欠場、ヘルナンデスと対戦することになりました。ここをきっちりクリアして、次こそランカーとの対戦を実現させたいですか。

「やっぱりランカーと戦うことをテーマにしたいですね。もうランカーじゃないと相手はいないでしょ!という状況にしたいし……というか自分ではそう思っているんですけど(苦笑)。今回は直近の大会でランカーの試合が組まれていたり、僕の試合が10月から12月にスライドして試合ができるランカーが見つからなかったり……色々とあることは分かりますが、僕はもうランカーと戦っていきたいのでヘルナンデスに勝って、それをマイクで言いたいです」

――昨年5月からUFCに参戦していて、もうUFCはチャンレンジする場ではなく、結果を出す場という認識のようですね。

「そうですね。もう“結果を出したい”じゃなくて“結果を出さないといけない”というマインドになってきました。自分がベルトを獲らないといけない、チャンピオンになるもんだと思って、これからは試合をしていきたいと思います」

――まずはランキング入りして、そこからベルトを目指す。道のりは明確です。

「今はまだランキングに入っていないので、ベルトからは遠いように見えるかもしれませんが、次にランキング戦が組まれて、そこで勝てばもっと上のランカーと戦えると思うし、2~3年後ではなくて来年ベルトを獲るつもりでやります」

――2023年を締める一戦でどのような試合を見せたいですか。

「強い選手はたくさんいますが、いい勝ち方をすれば僕の幻想も膨らむだろうし、『平良がトップランカーとやったらどうなるんだろう?』という期待や興味を持ってもらえるようなインパクトを残したいです。日本のファンだけじゃなく、米国のファンにも『平良やばいね!』と思わせたいです」

――平良選手も試合前後で現地のファンに声をかけられることもありますか。

「はい。でも………まだまだ足りないです(笑)! 僕はフライ級そのものを盛り上げて、もっと注目される階級にしたいんですよ。ランキングを見てもフライ級は上位のメンバーが固定されているというかベテランが多い印象なんで。その状況を僕らのような若い世代が活躍することで変えたいんです」

――そういった発想でUFCを盛り上げようと思う日本人選手は今までいなかったと思います。

「僕らからしたらフライ級は何年も数名の選手でベルトを争っているイメージで、それだと見ている方もつまらないと思うんですよね」

――2020年以降はデイヴィソン・フェゲイレドとブランドン・モレノの二強時代が続いて、今年7月にアレッシャンドリ・パントージャが新王者となって…という状況です。

「さすがにフェゲイレドとモレノは4回はやりすぎだろうと思っていたので、僕がランキングを勝ち上がってUFCフライ級に新しい風を吹かせます」

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AB MMA MMAPLANET o UFC UFC284 UFC295 アレックス・ポアタン アレックス・ポアタン・ペレイラ アレッサンドロ・コスタ イリー・プロハースカ カン・ギョンホ ケヴィン・ボルハス ジェシカ・アンドラーデ ジエゴ・ロピス ジャレッド・ゴードン スティーブ・アーセグ タバタ・ヒッチ ダナ・ホワイト ダヴィッド・ドヴォルザーク デニス・ブズーキア トム・アスピナル ナジム・サディコフ マッケンジー・ダーン マット・シュネル マーク・マドセン ルピタ・ゴディネス ルーズベルト・ロバーツ 平井総一朗 平井総一郎 平良達郎 海外

【UFC295】UFC2戦目でMSG、スティーブ・アーセグ「平井が試合を受けてくれたらUFCとサインできた」

【写真】豪州勢らしく125ポンドでもパワフルなウェルラウンダーのアーセグ(C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)、秋のUFCビッグショー in NYC──UFC295「Prochazka vs Pereira」がニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンで開催される。
Text by Manabu Takashima

イベント名にあるようにイリー・プロハースカ✖アレックス・ポアタン・ペレイラによるUFC世界ライトヘビー級王座決定戦を筆頭に、UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦=セルゲイ・パブロヴィッチ✖トム・アスピナルなど選りすぐりのマッチアップが並ぶ同大会で、豪州フライ級のエース=スティーブ・アーセグが、オクタゴン2戦目でアレッサンドロ・コスタと対戦する。

今年の2月にパースで開かれたUFC284の前夜、ある意味ダナ・ホワイト・ルッキン・フォー・ファイト的なPPVショーウィークのローカル大会=Eternal MMAで平井総一朗を破り最高峰に辿り着いたアーセグを初インタビューした。


――今週末、MSGでアレッサンドロ・コスタとオクタゴン2戦目を戦います(※取材は8日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「感謝の気持ちでいっぱいだよ。なんせMSGだからね。1年前のことを想うと、ここにいることが信じられない。Eternal MMAで戦っていてUFCとサインし、MSGで戦う。これ以上のことはないだろう。コスタは強敵だし、凄くチャレンジングな試合になる。最高だよ、真っ向勝負をしたいと思っている」

──スティーブは今年の2月に、UFC284ファイトウィークに行われたEternal MMAで日本の平井総一郎選手を破ったことでUFC入りを果たしました。その過去があって、日本のファンにとっても気になる選手です。

「UFCの前日の試合だったけど、実は対戦相手がなかなか決まらなかった。豪州国内では僕と戦いたがる選手が誰もいなくて。そして英国や海外の選手に当たることになった。結果、ヒライが試合に応じてくれて本当に嬉しかったよ。彼とは試合後、そして日本に戻ってからも何度か連絡を取り合った。

あの大会後、バックステージでUFCとの契約が決まった。僕はあの試合でUFCに良い印象を与えて勝つ必要があったけど、ヒライが試合を受けてくれたからUFCとサインできたんだ。試合がなければそれは不可能だったからね」

──6月のダヴィッド・ドヴォルザーク戦はショートノーティス、ランカーとのUFC初戦となりました。

「いつだって試合ができるように準備していたから、あのチャンスに跳びついた。10日前だろうが、2日前だろうが構わない。オファーがあった時、僕はコーチに『皆が大丈夫なら、俺は戦うよ』って伝えたんだ」

──コーチからの確認でなく、コーチの方を確認したと(笑)。

「そうなんだ(笑)。それにさ、普通にオファーを待っていたらいきなりトップ10ファイターと戦うことはできなかっただろうしね」

──とはいえ、そのランカーを破ったのにスティーブはランク入りしていません。

「どういう仕組みでランキングが決定されているのか、僕には分からないんだけど……そこは気にしていないよ。いずれにせよ、デビュー戦でトップ10の選手に勝てたことで2戦目からもトップランカーと戦えるポジションを手にすることができたんだ。この状況はチャンピオンを狙ううえで、好ましいことは変わりないから」

──当初の予定ではランク9位のマット・シュネルと対戦予定でした。

「ランク9位の選手との試合がなくなって……やはり勝てば返ってくるモノも大きかったし、最初は引っ掛かるものがあったよ。けど、NYのビッグイベントで戦えるし気持ちはすぐに切り替わった。実際コスタはシュネルより、手強いと思う。グラウンドが強くて、テイクダウンディフェンスにも長けている」

──では、そのコスタ戦ではどのようなファイトを見せたいですか。

「僕がどの局面でも、しっかりと戦えることを証明したい。打撃、寝技、レスリング、全ての場面で僕の爆発力がアドバンテージを握るだろう。彼は距離を保つタイプだから、開始直後から詰めて圧力をかける。そして打撃に優位に立つ。彼が持っている僕のイメージとは違う武器を使って戦う。彼のカウンター狙いに対して、あくまでも僕のファイトを貫く。僕が世界のベストだと証明できるファイトを心掛けたい」

──ところで私はUFCフライ級ファイターのインタビュー機会を得ると、常に平良達郎選手のことを尋ねるようにしています。スティーブにとって、平良達郎選手のパフォーマンスはどのように映っていますか。

「UFCで戦っている日本人だよね。あのサブミッションが得意な。いや、彼のサブミッションは良いよ。いつか戦う日がやってくると思うけど、その時は思い切りファイトしたい。凄く良いファイターだ。日本のファンも、その前に僕の試合を見て楽しんで欲しい」

■視聴方法(予定)
11月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

<UFC世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
トム・アスピナル(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マットフレヴォラ(米国)
ベノワ・サンドニ(フランス)

<フェザー級/5分3R>
パット・サバティーニ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
スティーブ・アーセグ(豪州)
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<158ポンド契約/5分3R>
マテウス・レンベツキ(ポーランド)
ルーズベルト・ロバーツ(米国)

<ライト級/5分3R>
ナジム・サディコフ(アゼルバイジャン)
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
マーク・マドセン(デンマーク)

<138ポンド契約/5分3R>
カン・ギョンホ(韓国)
ジョン・カスタネダ(米国)

<フライ級/5分3R>
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)
ケヴィン・ボルハス(ペルー)

<147ポンド契約/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
ジャマール・エマース(米国)

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F1 MMA o ONE UFC UFC Fight Night   エドガー・チャイレス ダヴィッド・ドヴォルザーク 平良達郎

12.9 UFC上海大会で平良達郎とカルロス・ヘルナンデスが対戦

2030年中国ビジネスの未来地図: 9億人新市場が誕生する日


 UFCが12月9日に中国・上海で開催予定のFight Nightシリーズで平良達郎 vs. カルロス・ヘルナンデスのフライ級マッチが行われることをマルセル・ドルフ記者が確認したとのこと。

 平良は7月の『UFC 290: Volkanovski vs. Rodriguez』でエドガー・チャイレスに判定勝ちして以来の試合でMMAデビュー以来14連勝中(UFC戦績4勝0敗)。10月の『UFC Fight Night 230: Yusuff vs. Barboza』でダヴィッド・ドヴォルザークと対戦予定でしたがドヴォルザーク側の問題で直前に中止されていました。

 ヘルナンデスは6月の『UFC on ESPN 47: Vettori vs. Cannonier』でデニス・ボンダーに3Rテクニカルデシジョン(試合終了直前にバッティングがあったため)で勝利して以来の試合。続きを読む・・・
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o ONE UFC UFC Fight Night   ダヴィッド・ドヴォルザーク 平良達郎 松根良太

10.14『UFC Fight Night 230』ダヴィッド・ドヴォルザーク vs. 平良達郎が中止に/平良は年内に他の大会で試合予定

GONG格闘技 2023年11月号


10.14 UFCラスベガス大会で平良達郎とダヴィッド・ドヴォルザークが対戦(2023年08月04日)

 こちらの続報。



 その後、本誌では平良の所属ジムの松根良太代表に取材。松根代表は、「この試合中止の連絡が来たのは2、3日前のことでした。平良は試合に向け本調子でしたので、試合が無くなったことは残念ですが、年内にあと1試合を行うことでUFCとも話しており、変わらずランカークラスとの対戦を希望しています」と語った。

 また、平良は「すでに気持ちを切り替え、前向きに次戦に向かっている」という。

 10月14日にネバダ州ラスベガスで開催する『UFC Fight Night 230: Yusuff vs. Barboza』で予定されていたダヴィッド・ドヴォルザーク vs. 平良達郎が中止に。平良に代わりの選手が用意されることなく、年内の大会で試合をするようです。続きを読む・・・
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Eternal MMA78 MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC アラン・フィルポット イーサン・トーマス オク・レユン ショーン・エッチェル ジャック・ベッカー スティーブ・アーセグ ダヴィッド・ドヴォルザーク デヴィッド・マルチネス パク・ジェヒョン 原口伸 平井総一朗 竹中大地

【Eternal MMA78】2月に続き、UFCウィークに大会開催。猫の目タイトル戦線、ライト級のベッカーに注目

【写真】豪州トップ・フィーダーショーのタイトルラインにあるファイターたちの実力は? (C)ETERNAL MMA

8日(金・現地時間)、これから30後に豪州はシドニーのリバティ・ホールでEternal MMA78が開催される。
Text by Manabu Takashima

Eternal MMAといえばHex FC、BRACEと並び豪州MMA界の登竜門といえるイベントで、今日のイベントも2月の73回大会に続きUFCファイトウィークの金曜日に行われるわけだ。

2月のパース大会では日本の平井総一朗を破ったスティーブ・アーセグがUFCとサインし、6月のオクタゴン初陣でフライ級10位のダヴィッド・ドヴォルザークを破っているが、今大会でもアーセグと同じ青写真を選手だけでなくプロモーションも描いていた。


それがメインのミドル級選手権試合=マット・マイヤース✖ブローガン・アンダーソンの一戦だ。しかし、王者マイヤースがファイトウィークになって負傷欠場が決まり、ブローガンの対戦相手は見つからずメインは消滅──代替ヘッドライナーはバンタム級のジャック・ベッカー✖デヴィッド・マルチネスが務めることに。

ベッカーはかつてHEATに来日し、2勝1敗。5年前の2018年5月にはオク・レユンの持つライト級王座に挑戦も判定負けを喫した過去がある。

ベッカーにとって、この試合は昨年5月にエイデン・アギレラの持つEternal MMAライト級王座に挑むも開始直後にカーフで足を折り、TKO負けを喫して以来の再起戦となる。

そのアギレラを破って、ライト級に王者になったのが今大会でベッカーと対戦するマルチネスだが、マルチネスも既にブレイク・ドネリーにベルトを譲り渡しており無冠だ。

さらにはドネリーも今年の6月にクイラン・サルキルドに敗れ王座陥落──サルキルドは8月のRoad to UFCワンマッチで、パク・ジェヒョンと対戦予定だったが、トーナメント繰り上がりで原口伸と戦ったために、シンガポールで戦う機会は失してしまったファイターだ。

とにかく王座が猫の目のように変わり、王者はUFCを目指すというEternalのライト級戦線だが、日本を知るベッカーがどのようなファイトを見せるのか。実はベッカーは再起戦を日本で戦いたいという意向を持っていたが、Eternalのオファーを受けて母国でのファイトを選択したという話も伝わってくる。

そして、そのベッカーの相手には平井のように日本人ファイターを招聘するプランをEternalも持っていたものの実現はせず、今回はマルチネスと事実上の次期挑戦者決定戦といえるマッチアップが決まった。

日本繋がりでいえばコメインでショーン・エッチェルと戦うアラン・フィルポットは、7年目にVJT大阪大会に来日し、竹中大地に敗れていたファイターだ。その後はONE Warrior Seriesを経て、Eternalに出場もそのONE WSから4連敗中でキャリアの崖っぷちにあるフィルポットだ。

■視聴方法(予定)
9月8日(金・日本時間)、
午後7時00分~UFC Fight Pass

■ Eternal MMA78対戦カード

<バンタム級/5分3R>
ジャック・ベッカー(豪州)
デヴィッド・マルチネス(豪州)

<バンタム級/5分3R>
アラン・フィルポット(英国)
ショーン・エッチェル(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ロッド・コスタ(豪州)
イーサン・トーマス(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ジョー・デイヴィス(豪州)
セバスチャン・ショーライ(豪州)

<150ポンド契約/5分3R>
ジョシュ・クーン(豪州)
ジェイムス・マクブライド(英国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ラーシニーズ(豪州)
トロイ・フーモ(豪州)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ジュンギョ(韓国)
チョウ・ニエンラ(中国)

<バンタム級/5分3R>
クーパー・スミス(豪州)
ダニエル・ミッチェル(豪州)

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F1 MMA MMAPLANET o Special UFC UFC290 アレッシャンドリ・パントージャ ダヴィッド・ドヴォルザーク ブランドン・モレノ ボクシング 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月:パントージャ✖モレノ「ゴールに向かって、どんな道筋を」

【写真】TUFも含め、パントージャはモレノを三タテにしたことになる(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Takumi Nakamura

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年7月の一番──7月8日に行われたUFC290でUFC世界フライ級選手権試合=アレッシャンドリ・パントージャ×ブランドン・モレノ戦について語らおう。


――今回水垣さんにはUFC290でのブランドン・モレノ×アレッシャンドリ・パントージャを選んでいただきました。

「実は今回UFCの仕事でファイトウィークに2人に事前インタビューをさせてもらったんです。それもあって普段とは違う見方で試合を見ることができました」

――タイトルマッチを控える選手をファイトウィークに取材するというのは貴重な体験ですね。2人にインタビューして、彼らの性格やパーソナリティはどうだったのですか。

「やはりファイトウィークの選手なので、どうしてもピリピリしていてしゃべってくれないんじゃないかと思って不安だったんですけど、どちらもいい感じで話してくれました。モレノの方は予定時間を大幅に過ぎるくらい話をしてくれて、パントージャの方は質問に対して必要なことを的確に応えるというスタンスで。キャラクターはすごく対照的でしたね」

――改めてモレノ×パントージャを選んだ理由を聞かせてください。

「事前に戦った2人を取材したこともそうですし、僕はパントージャが柔術ベースで、打撃の攻防になったらモレノがリードすると予想していたんです。そうしたら1Rに先にパンチでダウンを奪ったのがパントージャで、2Rにテイクダウンとバックを取ったのがモレノだった。そういう部分が自分の予想外の展開だったけど面白かったな、と。

今のMMAはどこか一つの部分を意識して戦うと、そこをスカされたり、その攻めが雑になると相手に上回られたり。各選手それぞれバックボーンはあるけれど、それが突出しているわけではなく拮抗している。自分が得意な分野はあったとしても、ちょっとした意識、警戒心、攻防の丁寧さ…そういった差で、自分の得意分野でも相手にやられる可能性があるというところが興味深かったです」

――選手のバックボーンが試合展開や勝敗に影響することが少なくなっていますか。

「特に軽量級はその傾向が顕著で、その極めつけがフライ級なのかなと思います」

――軽量級は選手のダメージの回復も早いですし、スタミナもフルラウンド維持することが出来る。一つの局面でフィニッシュにつながることが少ない分、より全局面でもスキルが試されるかもしれないです。

「はい。スタミナもそうですし、一発もらってもそれが致命打にならない可能性が高いので、よりトータルに戦えて、押さえるべきところを押さえて…がより重要になりますよね。MMAにおいては重量級と軽量級では見方が全く違うなと感じた一戦でした」

――バックボーンが試合に及ぼす影響が少ない分、モレノのようによりボクシングに特化した技術を使う選手が結果を出すようになったり、よりMMAで使える技術の幅が広がっているようにも感じます。

「MMAにおいて何が重要かを考えた時、重量級では打撃が強い、寝技が強い、レスリングが強い…に分かれると思うのですが、軽量級はその間の部分が勝敗を分けるように感じました。言葉で表現することが難しいのですが、自動車レースに例えるなら直線が速い、コーナーが速いだけじゃなくて、コーナーとコーナーのつなぎが上手いみたいな。そうしたMMAの奥深さが2人の試合や最近の軽量級の試合にあると思います」

――僕も上手く表現できないのですが「MMAはMMAが強い方が勝つ」と思っています。F1大好きな水垣さんは自動車レースを例えにMMAの特徴を話してくれましたが、僕の場合はサッカーに例えることが多いのです(笑)。いくらドリブル・パス・シュートが上手かったとしても、サッカーという競技そのものを理解していないと「サッカーが上手い」にはならない。

「分かります、分かります」

――そういった意味では今のトップ・オブ・トップで活躍している選手たちがMMAをどう捉えているかも気になるところで。仮に打撃で打ち負けていてもテイクダウンできるんだったらOKというマインドかもしれない。MMAではそれが正解かもしれないですよね。

「先ほどの話にもつながりますが、軽量級は一発で試合が終わらない分、そういった切り替えしも出来ますよね。僕がパントージャに『自分のどこがモレノより上回っていると思いますか?』と質問したときに、彼はその答えを濁したんですよ。試合前にそこは話したくないという雰囲気で。MMAでは自分が相手より勝っている部分、攻防を選手本人がどう捉えているか。そこが勝敗に影響すると考えているんでしょうね」

――なるほど。それが“MMA脳”というか“MMAセンス”にもつながりますよね。

「結局選手はどこで勝負するかをイメージしていて、そこにいくための前段階として、直球勝負でいくのか、他の攻防を見せておいて自分が勝負したいところにつなげるのか。MMAはその選択肢が多いなかで、自分が定めたゴールに向かって、どんな道筋を立てるのか重要だと感じました」

――この試合の判定がスプリットになったことはどうお考えですか。

「僕の判定はパントージャにつけたジャッジと全く同じだったんですよ。それでモレノにつけたジャッジを見てみると、モレノがダウンした1R以外はすべてモレノにつけていたんですよ。さすがにそれはないかな、と。ポイントのつけかたによってはスプリットになる可能性もあると思いますが、2~5Rすべてがモレノのラウンドというのはないと思いました」

――さて、フライ級はこれから日本人がUFCチャンピオンを目指す可能性が残された階級です。

「今のフライ級はトップ5くらいまで、ほぼほぼみんな差がないと思うんですよ。モレノとパントージャは接戦で、モレノと(前々王者の)フィゲイレドは勝ったり負けたりで。DJの時代があって、セフードの時代があって、というフライ級の歴史を考えると、今のフライ級は混沌としていてチャンスが多いと思います。具体的に言えば平良選手がこのトップ戦線の輪に入ったらどうなるのか楽しみですよね」

――ランキングこそあれど、今のUFCフライ級は序列がそこまではっきりしていない。

「DJの時代はDJが頭一つ二つ抜けていて、どんどん挑戦者がいなくなるから、色んな選手に挑戦権が回ってきたと思うんですよ。タイトルに挑戦できるという意味ではチャンスがあるけど、チャンピオン(DJ)の壁があまりにも高すぎた。でも今はトップ選手たちの差がない分、挑戦権が回ってくるチャンスは少ないかもしれないですが、ベルトを獲ることだけを考えると、DJの時代よりも可能性はあると思います」

――先ほどのパントージャ、モレノ、フィゲイレドのように相手との相性やマッチメイク次第では勝ち進んでいけるわけですからね。

「まだ平良選手は底が見えてないと思うんですよ。UFCの入り口から少し入ったところの選手には圧倒して勝つレベルにいることは証明したけれど、そこから先にいるランキングの選手たちとは戦っていないので。次戦でランカーのダヴィッド・ドヴォルザークと試合が決まっていますが、ここからどうなっていくのか楽しみです」

――今日の話をまとめると、軽量級にこそMMAという競技を考えるヒントがあるということですね。

「あとは自分が戦っていた階級と近いので技術体系が似ているというか、感情移入しやすいんですよね。どうしても重量級だと『そのパンチで倒れるの?』と思うこともあって、ちょっと自分が知っている世界とは違うものが出てくるので、僕の場合はすごく軽量級を楽しんで見ることができます」

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MMA MMAPLANET o UFC uFC289 スティーブ・アーセグ ダヴィッド・ドヴォルザーク

【UFC289】ニューカマー、豪州のアーセグがランク10位のドヴォルザークからハイでダウンを奪う快勝

<フライ級/5分3R>
スティーブ・アーセグ(豪州)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ダヴィッド・ドヴォルザーク(チェコ)

まず間合いを測る中で右カーフを蹴ったドヴォルザーク。8日前のオファーを受けたアーセグは、サークリングのドヴォルザークに右ハイを狙う。アーセグは左フックから右カーフを蹴り、互いの蹴りが交錯する。スイッチするドヴォルザークは足を使い右ストレート、アーセグは左をかわして左を打っていく。ドヴォルザークの右オーバーハンドからの左フックを空振りに。右ストレートを効かされ、下がったアーセグはカーフを蹴っても右を打たれる。

カーフを蹴り合う両者、ドヴォルザークの右オーバーハンドを見切ったアーセグのハイも距離が合わない。カーフの距離から、踏み込んでパンチを当てるのはドヴォルザークというラウンドとなった。

2R、左ボディショットから右を放ったドヴォルザーク。初回より近い距離でアーセグが右ミドルを蹴る。自らのカーフで足を痛めたか、直後にサークリングを見せたドヴォルザークがアーセグのパンチにヒザを合わせに行く。左ボディに左フックを当てたアーセグも主導権は譲らない。ドヴォルザークは蹴り足を掴んでパンチを打つ振りをしてリリースするなど、慎重な戦いが続く。ラウンド半分を切り、アーセグが初めてテイクダウンを狙うがドヴォルザークがスプロールしスタンドへ戻る。ここでカーフを蹴ったドヴォルザーク、足はそれほど痛めていないか。

引き続き回るドヴォルザークにボディから右を当てたアーセグは、効いて動きが落ちたところに右ハイをヒットさせダウンを奪う。起き上がり際にギロチンを捕らえたアーセグだが、ドヴォルザークはヒジを押して頭を抜きにかかる。結果、残り30秒でトップを取る形になったドヴォルザークが左のパンチを落とす。蹴り上げを受けながらパスを決めたドヴォルザークは、スクランブル狙いで一瞬亀になったアーセグに思いきり右を打ち込む。ここからスタンドに戻り、拳の交換になろうとした時に時間となった。

最終回、ジャブから右を伸ばすアーセグが、待ってためを創りパンチを繰り出す。さらに前蹴りをボディにいれて、ドヴォルザークの出鼻をくじくとボディショットを決める。そこに左を当てたドヴォルザークは、組んで一瞬の崩す狙いで下になってしまうが、即スクランブルからスタンドに戻る。左ミドルを掴み、そのままボディロックに移行したドヴォルザークはケージにアーセグを押し込んでバックに。

アーセグは胸を合わせて、離れる。続く右カーフをキャッチしてシングルからバックを伺うドヴォルザーク。アーセグは左手を伸ばして許さず、打撃の間合いに戻る。と、ダブルレッグでテイクダウンを決めたドヴォルザークは、しっかり上を取り切るとハーフでエルボーを落としていく。

頭を押して立ち上がったアーセグは、シングルを潰して逆にトップへ。スイープからスクランブルのドヴォルザークは、相当に疲れながらスタンドへ。アーセグは右にダブルレッグを合わせてテイクダウンを奪うと、スクランブルでバックに回る。後方からヒザを見せたアーセグは、左を打ってタイムアップを迎えた。

デビュー戦でランク10位とトータルでは互角以上の試合をやったのけたアーセグ。果たしてラウンドマストでジャッジはどのように判断するか。結果はアーセグが3-0で勝利しドヴォルザークは3連敗。勝者は「ここに来るまで時間がかかった。でもトップ10と戦って、最高の気持ちだよ。練習していたのはステップバックからの左ハイだったんだ」と話したアーセグは、9月第1週の豪州大会出場をアピールした。


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MMA MMAPLANET o UFC uFC289 アイリーン・アルダナ アオリーチーラン アダム・ヒューギット アマンダ・ヌネス イリャ・トプリア エイマン・ザハビ エリク・アンダース カイル・ネルソン クリス・カーティス ジャスミン・ジュスダヴィチェス スティーブ・アーセグ ダン・イゲ ダヴィッド・ドヴォルザーク ナソーディン・イマボフ ネイト・ランドヴェール マイク・マロット マット・シュネル マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ マフクアンドレ・バリユー マリア・オリヴェイラ ミランダ・マーヴェリック

【UFC289】豪州からの新顔アーセグと対戦、ダヴィッド・ドヴォルザーク「欧州でも準備はできる」

【写真】2連敗の経験を糧とできるか(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、カナダはバンクーバーのロジャース・アリーナで開催されるUFC 289「Nunes vs Aldana」で、ダヴィッド・ドヴォルザークがスティーブ・アーセグと対戦する。

チェコ人ファイターのドヴォルザークはオクラゴン・デビュー以来3連勝を達成するも、その後はマテウス・ニコラウとマネル・ケイプに連敗を喫した。トップ5を伺う位置で足踏みを経験したドヴォルザークだが、「この敗北は成長するために必要だった」と断言した。


――ここ2戦、タフな試合でタフな試合結果となりました。

「確かにハードな時を過ごした。でも、でも試合内容は悪くなかったし多くを学ぶことができた。この2つの敗北は、僕の成長を促した。マテウス・ニコラフとマネル・ケイプ戦の敗北は、長い目で見て僕のキャリアに必要だったんだと思う。そう、僕が成長するために必要だったんだ」

――特に何を学ぶことができ、成長できたのでしょうか。

「一つは忍耐力だ。ニコラウとの試合は、僕にとっては未経験のおかしな試合だった。彼は足を使って動くばかりで、攻めてこなかった。ずっと僕がミスをするのを待っていたんだ。それが我慢できなくて、僕は追いかけ続けた。そして2Rの中盤に、パンチを被弾した。

マネル・ケイプは、僕にフライ級ファイターも力強くあるべきだと教えてくれた。ニコラウとの試合で、予期しない状態になった時に自分が如何に動くのかを考えないといけないことが分かった。マネル・ケイプ戦では、力強く打撃戦を戦う必要があることを知った。マネルは本当に色々なことを教えてくれたよ。

その学んだことをジムに持ち帰って、僕はあらゆる面で成長えきた。ストレングス&コンディショニング・トレーニング、リフティングに力を入れ、以前より速くなった。以来、スパーリングをしていても自分のやるべきことを貫くことができるようになったんだ。もう様子見もラッシュも必要なくなった。自分のペースで戦える」

――今回も試合の準備はベガスでやってきたのですか。

「ノー。ベガスには行ってないんだ。まずチェコで、色々なジムを訪れて練習し、そこからスペインのアリカンテにあるクリメント・ファイトクラブで2週間トレーニングしてきた。イリャ・トプリアが所属しているジムなんだけど、しっかりとサポートしてもらって彼には凄く感謝しているよ」

――ベガスに行かずともスペインで準備ができるということですか。

「そうだね、ヨーロッパにいても準備はできる。今回はもともと、僕より背の高い相手と戦う予定だったから、多くのバンタム級ファイターと練習をしてきた。凄く良い時間を過ごせたよ。彼らと練習していて、とても楽しかった」

――では、ラスベガスでなくてバンクーバーで戦うことでファイトウィークに何か変化はありますか。

「とにかく自然が豊かだ。ダウンタウンはドラッグディーラーやホームレスがたくさんいて米国と変わりない。でも郊外に30キロほど行くと、凄く自然が豊かになる。だから、午前中の練習を終えると僕は山に行って、自然の中を歩くようにしてきたんだ。とても大切な時間になっている。自然に囲まれていると、心の底からリラックスできるからね」

――ところでUFCフライ級は層も厚くなってきてトップ15に入っても、トップ5との間には一枚壁が存在しているように感じられます。そんななかで10位のダヴィッドはデビュー戦のニューカマーと今回戦います。この状況をどのように感じていますか。

「僕には他に選択肢がなかった。もともとマット・シュネルと対戦予定だったけど、ケガで欠場になった。彼に何が起こったのか正確には分かっていないけど、UFCからは日程を変更して戦うかという話があったんだ。でも、そんな考えは僕らにはなかった。ずっと、今週末に試合をするために準備をしてきたからね。

カナダにも早目に着て、そこは自分で費用を捻出している。僕は予定通りの相手でなくても、予定通りの日時に戦わなければいけなかった。結果、UFCからもらった代案は一つだけ。それがスティーブ・アーセグ戦だった。この試合を受けることもリスクではあったよ。でも、僕はファイターだ。試合をするためなら、どんな条件だって従う。今週末に勝つために、過ごしてきた。対戦相手が代わることよりも、試合がなくなる方が怖かったんだ」

――では、急遽戦うことになったアーセグの印象を教えてください。

「5日前に対戦が決まった相手だからね、それまで全く視界に入ってきたことがなかった。(※取材は7日に行われた)。ほんと、どういう選手か話せるほど分かっていないというのが正直なところだよ。レスリングが出来て、危険な打撃の持ち主でもあるようだね。彼にとっても最高のチャンスだろうから、しっかりと集中して戦うよ。どんな動きをするのかも、分かっていないからね」

――まさに試合前から、予期できない状況になっていたわけですね。

「イエス。その通りだよ。試合の1週間前に対戦相手が代わるなんて、誰も予期していなかった。でもUFC3戦目でファンカミロ・ロンデロスと戦った時と、同じ状況だから」

――先ほど忍耐をニコラウ戦で学んだといっていましたが……チェスではないですが、私は将棋など忍耐力の勝負のように感じることがあります。なので忍耐力はプロのチェスプレイヤーだったダヴィッドには、既に備わっていると思っていました。

「確かにチェスでは忍耐力、怠けるということではなくて相手のミスを待つことは経験済みったね。時には引いて、守る必要がある。そう指摘されて、それを思い出したよ」

――ではトップ5の壁の超えるためにの機会を得るために、今回の試合で何を見せないといけないと考えていますか。

「とにかく今回の試合に勝つこと。それはもう疑いようがないことだよね。しっかりと力を見せて勝ち、次はマット・シュネルと戦う。彼は8位で、僕は10位。マット・シュネルは僕が戦ってきた相手のなかで最上位のランカーになる。彼に勝てば、トップ5に近づくことができるだろう。そこからトップ5の誰と戦えるのか、そこは全く分からないけどね(笑)」

■視聴方法(予定)
6月10日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時半~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者] アイリーン・アルダナ(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴィエラ(ブラジル)
べニール・ダリューシュ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・マロット(カナダ)
アダム・ヒューギット(米国)

<フェザー級/5分5R>
ダン・イゲ(米国)
ネイト・ランドヴェール(米国)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダース(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
ナソーディン・イマボフ(フランス)
クリス・カーティス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
エイマン・ザハビ(カナダ)
アオリーチーラン(中国)

<フェザー級/5分3R>
ブレーク・ビルダー(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
ダヴィッド・ドヴォルザーク(チェコ)
スティーブ・アーセグ(豪州)

<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)

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MMA o ONE UFC   アレックス・ペレス アレッシャンドリ・パントージャ ダヴィッド・ドヴォルザーク マネル・ケイプ

3.25『UFC on ESPN 43』でアレックス・ペレスとマネル・ケイプが対戦

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2.12『UFC 284』でアレックス・ペレスと対戦予定だったカイ・カラ・フランスが負傷欠場(2022年12月23日)

 こちらの続報。


 UFCが3月25日にテキサス州サンアントニオで開催する『UFC on ESPN 43』でアレックス・ペレス vs. マネル・ケイプのフライ級マッチが行われることをMMAFightingが確認したとのこと。

 ペレスは7月の『UFC 277: Pena vs. Nunes 2』でアレッシャンドリ・パントージャに1Rネッククランクで敗れて以来の試合で2連敗中。現在UFCフライ級ランキング6位。2月12日の『UFC 284: Makhachev vs. Volkanovski』でカイ・カラ・フランスと対戦予定でしたが、カラ・フランスの負傷により中止になっていました。

 ケイプは今月の『UFC Fight Night 216: Cannonier vs. Strickland』でダヴィッド・ドヴォルザークに判定勝ちして以来の試合で3連勝中。現在UFCフライ級ランキング9位。続きを読む・・・