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【ONE113 Inside the Matrix02】キャムラン・アバソフ、ジェイムス・ナカシマとの激闘をヒザで制す

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
キャムラン・アバソフ(キルギス)
Def.4R3分27秒by TKO
ジェイムス・ナカシマ(米国)

サウスポーのナカシマに対し、アバソフが右ロー。テイクダウン狙いのフェイクを見せたナカシマはシングルレッグへ。ダブルに移行するが、自ら離れたナカシマは関節蹴りを繰り出す。鋭い踏み込みから右を放ったアバソフ、ここに組みついたナカシマだがテイクダウンを仕掛けるところまでいかない。

アバソフはサイドキックを見せ、ナカシマのシングルに即反応する。左ローに左を合わせたナカシマだが、直後に右ハイを受けダメージが残ったか。接近戦で首をコントロールして崩したアバソフが、立ち上がり際にパンチを入れてなお攻め急がない。テイクダウンが決まらないナカシマは前に出られない状況でローを蹴る。

右を伸ばして前に出たアバソフ、ナカシマが左ミドルを蹴り込む。続くシングルはまたも切れるが、それでもナカシマも左を当て左ローを蹴っていく。アバソフの右ロングアッパーに組み、クリンチに持ち込んだナカシマだが逆にケージに押し込まれる。もう一度押し込み返したがテイクダウンを奪えないまま初回を終えたナカシマ──得意の展開に持ちこめないが、左で王者の鼻の骨を折る初回となった。

2R、左ストレート&左ローを繰り出すナカシマが、再び左ストレートをヒットさせる。ローを受けたアバソフが返したローは、急所に。試合は中断される。再開後、シングルを切られるが、クリンチに持ち込んだナカシマがダブルへ。ウィザーでそれを許さなかったアバソフが、逆にシングルに取り左のパンチを当てていく。

距離を取り直したナカシマは、右アッパーを2発受けそうになる。右のアッパーを多用するようになったアバソフは、左をヒットされ鼻を気にする場面も。ナカシマはテイクダウンこそ決まらないが、ローを蹴り残り2分に。と、アバソフはシングルレッグでナカシマをケージに押し込むとハイクラッチでテイクダウンを決める。

ナカシマはすぐに立ち上がるが、右ショートを被弾する。右ジャブ&左ローのナカシマが左を当てると、さらに前進に左を合わせる、それでもアバソフが、下がることを知らないように前に出てきたところでタイムアップを迎えた。

3R、ポーカーフェイスのナカシマに対し、痛みを顔に表さないアバソフ。右を伸ばす王者に対し、ナカシマが左を打っていく。シングルに出たナカシマが、リリースしてアッパーを繰り出す。アバソフがワンツーから右ハイ、ガードの上から蹴った直後に右ローを入れる。さらに右アッパーを当てたアバソフに対し、ナカシマがダブルレッグへ。ギロチンがすっぽ抜けたアバソフ、ついにナカシマがトップを取る。

ガードを取ったアバソフのスクランブル狙いを潰し、ナカシマがサイドを取る。アバソフもすぐに足を戻すと、ニーシールドからハーフバタフライへ。バタフライガードを越えてハーフのナカシマ、王者がバタフライに戻す。ナカシマは左足を抜くと、アバソフが首を抱えるがパスを決めヴァンフルーへ。エビで逃れたアバソフは足を戻していく。結局、アバソフは下のままラウンド終了となった。

4R、ナカシマの左ローが急所に入り試合が中断される。リスタート後、アバソフは右ローを蹴り、ナカシマがシングルからクリンチでケージ王者を押し込む。ウィザーが強いアバソフは、ナカシマにレベルチェンジを許さない。それでもダブルにいったナカシマ、アバソフはすぐにワキを差してディフェンスする。

ここでナカシマが離れて左を伸ばす。右アッパーを合わせたアバソフが、ここでもダブルレッグを切る。両者、動きがさすがに落ちてきたか。呼吸が粗いのは鼻が折れたチャンピオンだ。と、組みにいったナカシマの顔面にアバソフが右ヒザが当てる。

後方に倒れたナカシマに鉄槌を落とし、ヒザを頭部に狙ったアバソフが、立ち上がってきたナカシマのハイを狙う。さらに首を掴んでダーティボクシングから崩していく。ナカシマは尻もちをついた状態で足を掴みにいくが、動けずパンチを被弾しレフェリーが試合を止めた。

タン・リー✖マーチン・ウェンと同様に、ONEのレベルを一段上げた激闘で防衛に成功したアバソフは「次? 分からない。でも、ここは僕のサークル。僕のベルト。誰の挑戦でも受ける」と話した。


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ONE ONE Inside the Matrix02 ONE113 Report ティモフィ・ナシューヒン ピーター・バウシュト ブログ

【ONE113 Inside the Matrix02】蹴り足掴んで殴り、ペースを握ったナシューヒンがバウシュトを止める

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
Def.3-0
ピーター・バウシュト(オランダ)

頭を振ってジャブを繰り出すナシューヒン、バウシュトは左ミドルを蹴る。そのバウシュトの蹴りに右を合わせていくナシューヒンは、鋭いワンツーを振るう。バウシュトは右ハイを見せるが、前蹴りをキャッチされる。ケージの前に陣取るバウシュトに対し、距離を詰めたナシューヒンが左を2発当てる。

バウシュトは左ジャブから右ハイも、重心が高いか。頭を振り、リーチの差も関係なく圧を高めるナシューヒンは左ハイ、さらにローをキャッチして右を打っていく。バウシュトは蹴りを捕まれるシーンが多く、右ミドルもキャッチされパンチを受けそうになる。

ローをキャッチして右を打ちながら、上を取ったナシューヒンが一気にパスしサイドで抑える。ハーフに戻したバウシュトは背中を向けて立ち上がろうとして、後ろから殴られ後方に倒される。バックコントロールから顔面にヒザを狙ったナシューヒンが初回をリードした。

2R、ローからワンツーを放つナシューヒン、バウシュトはキャッチされそうになってもローを蹴っていく。蹴りもパンチも勢いでナシューヒンが優り、バウシュトはまたも右の蹴りをキャッチされ右を被弾して倒される。ナシューヒンがすぐにパスを決めるが、バウシュトもスクランブルに持ち込み組んでケージへ。離れると、ローに右を合わせたナシューヒンだが疲れが見えてきた。

それでも蹴りをキャッチし、パンチでなく組みついたナシューヒンがケージにバウシュトを押し込みテイクダウンに成功する。ハーフから足を抜きつつマウントを取りに行ったナシューヒン、背中を見せて立ち上がったバウシュトだが、すぐに倒されてガードを強いられる。クローズドガードのバウシュトは、得意の形もパウンドを受けて三角、腕十字という仕掛けができない。上と下から殴り合い、ラウンド終了となった。

最終回、まずナシューヒンが左ジャブを伸ばす。バウシュトはローに右を合わされる。それでもナシューヒンはパンチを打った後にバランスを崩すようになり、やはりスタミナが切れかかっている。バウシュトは右ストレートを当て、プレッシャーを掛ける。右ミドルハイをキャッチされたバウシュトだが、ナシューヒンがここから動きが無く離れて右ストレートを打っていく。

またも左の蹴りをキャッチしたナシューヒンは、組みつくとギロチンを狙ったバウシュトをスラムするようにテイクダウンを決める。パスから鉄槌を落とすナシューヒン。バウシュトはハーフ戻すが、極めにもスクランブルにも持ち込めない。バウシュトの背中を見せて立ち上がるという危ない動きも、ナシューヒンが流してスタンドに戻る。残り40秒、左ハイを何とかガードしたナシューヒンは完全に疲れているが、足を使って回る。バウシュトはミドル、サイドキックから跳びヒザが空を切り時間に。

疲れるのを覚悟で1R、2Rと攻め、テイクダウンも駆使して試合をリードしたナシューヒンが3-0の判定勝ち。「アイム・OK、毎日練習してきた。今、僕は4位だ。タイトル挑戦したい」と、勝者は懸命に英語でインタビューに答えた。


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ONE ONE Inside the Matrix02 ONE113 Report キム・キュソン ブログ 若松佑弥

【ONE113 Inside the Matrix02】若松佑弥、106秒でキム・キュソンをKO。マクラーレン戦をアピール!!

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
Def.1R1分46秒by KO
キム・キュソン(韓国)

7センチ長身のキム・キュソンに対し、若松は左ジャブを伸ばす。右に回り右から左、そして左ジャブからローと入れる若松だが、キム・キュソンの左ジャブを被弾する。一瞬動き止まったが、下がらずステップジャブを繰り出す若松はキム・キュソンの右にも左フックを打っていく。さらに鋭い右を見せた若松は、キム・キュソンの蹴りに間合を取り、出てくるところで左を当てる。

キム・キュソンも詰めて右ロー、続く右ハイは空振りになり若松がワンツーから右を放つ。直後にキム・キュソンの右に右ストレートを合わせる。腰から崩れ落ちたキム・キュソンに右のパウンドを2つ当て勝負は決した。

快勝にも厳しい顔のままの若松は、勝利者インタビューで「1年間試合ができなくて、今まで自分が強くなったのか凄く自問自答していて。キム・キュソン選手も気合が入っていて。最後当てることができましたが、一発良いのをもらってしまいました。とりあえずKOできて嬉しいです。次はリース・マクラーレン選手とやってKO勝ちしタイトルに挑戦したいです」と話した


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ONE ONE Inside the Matrix02 ONE113 Report エコ・ロニ・サプトラ ブログ

【ONE113 Inside the Matrix02】組みつくまで苦労するもTD後はゴンザレス圧倒。サプトラがRNC極める

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
Def.1R4分07秒by RNC
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

距離を取り、左右に回るサプトラの突っ込みに右を見せたゴンザレス。次のステップインには距離を取り、3度目のテイクダウン狙いにはステップバックから右を当てていく。サプトラは4度目の正直とばかり組みついてケージに押し込むと、テイクダウンに成功する。パスしサイドで抑えるサプトラは、強引に立ち上がろうとするゴンザレスをもう一度倒し、強引なRNC狙いを無力化させると、トップを取り切りハーフからアメリカーナを狙う。

ここは極まらずガードの中に納まったサプトラがパウンドを落とす。右足を抜き、右のパンチを連打したサプトラはバックに回り、ワンフックで背中を潰し一気にRNCを極めた。


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【ONE113 Inside the Matrix02】計量&ハイドレーション結果 第1試合=女子アトム級戦はGP査定試合?

【写真】デビュー戦同士の時とはいえ、現UFC世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリに勝利しているモン・ボー──要注目だ (C)MMAPLANET

本日6日(金・現地時間)、中継されるONE113「Inside the Matrix02」の最終計量及びハイドレーション結果がONEより発表されている。

ONEでは水抜き禁止、北米MMAより実質1階級の体重が上限となり、ハイドレーション・テストが試合の2日前と前日に行われている。体重はリミット+500グラム、ハイドレーションは1.0250以下という規定が設けられており、1日でもパスできないと試合当日の朝に再計量が必要になっている。


世界ウェルター級選手権試合をメインに、MMAのみ5試合が組まれている今大会。オープニングから女子アトム級で新チャイナ・パワー=モン・ボーが、インドネシアのプリシーラ・ガオールと対戦。恐らくは来年の開催が決定している女子アトム級ワールドGPの査定試合になるであろう注目のマッチアップだ。

なおハイドレーションと計量結果は以下の通りとなっている。

※赤字の選手の名前をクリックするとインタビューに跳びます

■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix2対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ:83.7キロ/ 1.0207
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ:81.6キロ/ 1.0083

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン:76.6キロ/ 1.0044
ピーター・バウシュト:76.4キロ/ 1.0044

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン:61.15キロ/ 1.0191
若松佑弥:61.2キロ/ 1.0140

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ:60.8キロ/ 1.0237
ラモン・ゴンザレス:60.65キロ/ 1.0099

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール:51.45キロ/ 1.0156
モン・ボー:52.1キロ/ 1.0195

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Interview ONE ONE Inside the Matrix02 ONE113 キャムラン・アバソフ ジェイムス・ナカシマ ブログ 手塚裕之

【ONE113 Inside the Matrix02】手塚裕之が予想するONE世界ウェルター級選手権試合──勝者:アバソフ

【写真】打撃と見た目のどう猛さが、アバソフ勝利の決め手?! (C)MMAPLANET

いよいよ本日、 6日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix II」。今大会ではONE世界ウェルター級王者キャムラン・アバソフに、ジェイムス・ナカシマが挑戦する一戦が組まれている。同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ、今回は手塚裕之がウェルター級世界戦の勝利者予想とその理由を語った。


手塚裕之の予想
勝者:キャムラン・アバソフ
理由
「正直いえば、2人の試合をそれほど見ているわけではないので、分からない部分があるのですが……ジェイムス・ナカシマはテイクダウンと寝技だけのイメージですし、打撃がアバソフの方が強そうなので。総合力でいえばまだアバソフの方が上なんじゃないでいかと思います。でも岡見選手との試合を見ていると、ギロチンで落としかけているし、強いのは強いと思います。何かやりそうですけど、見た目とか獰猛さでアバソフの方が強そうです」

■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix2対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ピーター・バウシュト(オランダ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
若松佑弥(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
モン・ボー(中国)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix02 ONE113 ティモフィ・ナシューヒン ピーター・バウシュト ブログ

【ONE113 Inside the Matrix02】ナシューヒン戦へ、ピーター・バウシュト「彼はファイトIQが高くない」

【写真】立って良し、寝て良しのバウシュト。欲を言えば青木や徳留、日本勢との試合がこのタイミングで見たかった(C)MMAPLANET

11月6日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix II」で注目のライト級マッチが視られる。それがピーター・バウシュトとティモフィ・ナシューヒンの一戦だ。

昨年5月に下石康太を破りONEデビューを飾ったバウシュトは、今年の1月にエドゥアルド・フォラヤンを下しONEで3連勝中。タイトル挑戦権はユーリ・ラピクスに譲ったもののバウシュトは、自身の力に絶対の自信を持つ。

オランダを発ちシンガポールへ向かう直前に行ったインタビューで、新型コロナウィルス感染が再拡大傾向にあったオランダにおいて、最高のキャンプができたとバウシュトは断言した。


──ティモフィ・ナシューヒンとの試合へ、もうすぐシンガポールへ向かうところかと思います。現在の調子はいかがですか。

「コンディションはパーフェクトだよ。気合も入りまくっている。コロナウィルスがあっても、スマートにしっかりとキャンプをしてきた。本当に良いキャンプだったよ」

──春に続き、オランダは感染者が増えてロックダウンになるのではと聞いています。それでもキャンプに影響はなかったのでしょうか。

「自己隔離をしながらチームメイトとだけ会って練習をしてきたんだよ。人数も固定して協力しあって、トレーニングをしてゲームプランを立ててきた。1週間に1度コロナのテストをして、メールで結果が届くまで2日間は家に待機だ。そして陰性結果が出てから、ジムで対人練習を再開する。そうやって感染していないことを確認しながら、トレーニングしてきた。練習仲間は、凄く自分の体に気を遣ってきたよ」

──それほどまでの対策が必要だったとは思いもしませんでした。と同時に、それだけ頻繁にPCRを受けることができるのですね。

「PCRは無償だけど、10分や15分後に結果が割るスピードテストは150ユーロ(※約1万8300円)の自己負担なんだ。でも、今後はこのスピードチェックがどんどん採用されていくだろうね。

一時期は上手くコロナを抑えることができて、その時はジムで普通に練習できるようになっていたんだ。政府もバカンスにいくことを推奨した。そして、寒さがやっていてインフルエンザが流行り、コロナかインフルエンザが混乱してしまって。で、多くの人が一気に検査をしたことで余計広まってしまったんだ。

政府はその時は調子がそれほど悪くなければ2週間自宅待機をするという指示をしてね。その間に調子が悪くなると、病人に行くようにって感じだったから。

結果的に準備をしている最後の週になって、感染状況の悪化にともない、レストランは閉められ、グロッサリーストアだけがオープンしているような感じになった。コンタクト・スポーツは禁じられ、フィジカルトレーニングしか許されていない。このままでいけば、またロックダウンになるだろうね。ギリギリのタイミングで僕は練習できて、試合も戦える。幸運だったよ」

──インフルエンザ流行の時期が来ると、また感染者が増えるという学者の予測は当たっていたわけですね。ピーターは色々な条件があるなかで練習をしてきたのですが、それにしても毎週PCR検査をして、結果がでるまで自宅待機とは……とは。

「試合をするために必要なことだった。戦って生きていくには、現状を受け入れなければならない。不満をいっても、ストレスが溜まるだけだから。今、MMAの試合に出るにはこういうことを受け入れる必要があるんだ。

でもね、外に出る人も少なくなり、車も走っていない。凄く空気は綺麗になり、気持ち良くランニングをすることができた。エドゥアルド・フォラヤンと戦った時より、ずっと体調は良いよ。

──えぇ、それはどういうことですか。

「フォラヤンとの試合は2週間前のショートノーティスのオファーだったから、今回の方がずっと調子が良いよ。実は10月にトニー・カルーゾと戦った時もオファーは3週間前だった(笑)。エドゥアルドとの試合の時はマネージャーから『人生で最も大切な試合だ』って連絡がきてね(笑)。

1週間の練習で、19時間かけてマニラに行き体重を落とした。だから1月の試合に比べると、ちゃんと準備はできている。なんといっても今回のティモフィとの試合は、過去2年で初めてファイトキャンプを開くことができたから」

──人生で最も大切な試合で元世界王者に勝った時は、タイトルに挑戦できると期待したのではないですか。

「まったくだ(笑)。バカげているよね。ランキングもユーリ・ラピクスの方が上だった。僕はコウタ・シモイシに勝ち、無敗だったカルーゾに勝った。そして元世界王者にも勝った。マネージャーも『次はタイトルだと思っていたけど、アンディ・サワーと同じジムじゃないからな』だってさ(笑)」

──キョーレツな嫌味ですね。

「アハハハ。ラピクスはペトロシアンのジムに所属しているから挑戦権が回ってきたんだ。でも、問題ないよ。ティモフィに勝てば、僕が挑戦権を手にできる。きっとね(笑)。そうでなくてもダギでも、シンヤ・アオキでもエディ・アルバレスでも誰とでも戦う。誰にも負けない。タイトル戦がどれだけ遠ざけられようとも、僕は辿り着く」

──それだけナシューヒンに勝つ自信もあるということですね。

「ティモフィは強いよ。本当に強い。でも、彼のファイトIQはそれほど高くない」

──えっ?

「いや、彼をリスペクトしていないわけじゃないんだ(笑)。でも、僕のファイトIQは彼より高い。僕の方が彼より戦いの幅がある。判定になることもないし、距離を取ることもない。初回が2RでKOか、サブミッションで勝つよ。ベストを尽くす、やるかやられるか──そして、やるだけさ。

ベストを尽くして、僕がベストだと証明する。武士道ウェイとは自分を信じ、いかなる時もやるかやれるかの覚悟で前に進むこと。可能か不可能かじゃない、ただやるだけなんだ」

■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix2対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ピーター・バウシュト(オランダ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
若松佑弥(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
モン・ボー(中国)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix02 ONE113 キム・キュソン ブログ 若松佑弥

【ONE113 Inside the Matrix02】キム・キュソン戦へ、若松佑弥─02─「失神させるより、嫌倒れさせる」

【写真】多くの人が前編の後半から、今回の前半を読んでいると吹き出すだろう──何を言っているだ(笑)と。しかし、若松の言葉はそこからどんどん胸に響くようになるはずだ(C)KEISUKE TAKAZAWA

6日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix II」。同大会でキム・キュソンと対戦する若松佑弥インタビュー後編。

独特の感性と、語感で話す若松佑弥──そこにも笑わば笑え、開き直りの精神と苦手なことが逃げない姿勢が感じられた。

誤魔化さない、自分を全うする若松の受け答えは、微笑を浮かべつつどうしようもなく胸に響いた。

<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>


──料理、教習所、洗濯、給付金の申請。それら私生活に存在する試練と向かい合うことで、自分もできるという自信になりましたか。

「ハイ。自分はもう立派な大人だって……。『嫌だ』って逃げるんじゃなくて、どんどん身を粉にしてじゃないですけど、自分を犠牲にして家族を支えていかないといけないと思っています」

──料理は上手くなりましたか。

「ハイ。分量とか全然測らないで、ある程度もうできるようになりました」

──得意料理は?

「牛スジでスープを創るとかですかね」

──おお、めっちゃ美味しそうですね。圧力鍋を駆使してですか。

「ハイ。圧力鍋使っています」

──凄いじゃないですか。自分なんて、今だに昔の圧力鍋のイメージで破裂するみたいな怖さがあります。圧力鍋使えるって格好良いですね。

「ハイ(笑)」

──圧力鍋を使う時、私は家内の助けが必要になります。

「アハハハ。そうなんですよ。僕もそうだったのが、そこを『できるんだ』って強く思って使えるようになりました。書類を書くのも『俺なんて、中卒だから無理』と思っていたのが、『俺は格闘技ができるんだから、一般ピープルの奴らができることができなわけがない』って頑張るようにしました!!」

──偉いっ!! 私は給付金の申請から青色申告まで家内に任せっぱなしです。

「いやいやいや、僕も妻の力を借りて──です」

──そういうところを我慢して、それがMMAに生きるのですか。

「う~ん、やっぱり上手くいかないことばかりなんですけど、失敗を気にし過ぎてネガティブでいるよりも自分を信じる。全然ダメなスパーリングとかあっても、『俺は絶対にでいるんだ』って思えるようになりました。

マイケル・ジョーダンも試合でシュートを9000本外したそうなんです。皆、生きていると上手くいかないことばかりだし、割り切るわけじゃないですけど。前はできないと『俺はできない。ダメだ』ってなっていました。色々と考えても上手くいかない。そうすると、潰れてしまって『もういいや、好きに戦おう』とかなって。

でも今は私生活も練習も、色々と上手くいかなくてもイライラしないで『大丈夫、大丈夫』って言い聞かせてできるようになりました。これまでこうやって生きてきたのですが、今でも試合に出ることは怖いし、やりたくないです。でも、自分は戦うことでしか金を稼ぐことができないので。それは我慢してやるしかないんです」

──お子さんができると、それによって付随することで人生観すら変わったようですね。

「自分はビビりで心配性で、色々と考えちゃうんです。だから、もっと楽にできないなかって思うことはあります。でもこないだまで子供だった自分が、武蔵っていう子供を育てるようになって……。時が経つのは早すぎるので、今をしっかりと生きないといけないと思っています」

──シンガポールでの試合、武蔵君とも暫らく離れ離れですね。

「でもロックダウン(※正確には緊急事態宣言)になった時、カミさんの実家に預けて離れていたことがありますし。まぁ、試合に行くのは仕事です。子供のことはカミさんに任せて、試合に集中します。寂しいですけど、離れていることで試合に集中できるかと思います」

──ONEフライ級戦線を考えると、アドリアーノ・モライシュとデメトリウス・ジョンソンの戦いが終わった時に、勝者に挑戦できる位置にいてほしいです。

「それは……今回の試合に勝っても、もう1つ、2つは勝つ必要があると思います」

──上位勢で手を合わせていないリース・マクラーレンが、アレクシ・トイヴォネンに圧勝しました。

「強かったですね。強くなっています。マクラーレンに負けていないっていうのを見せるには、今回の試合で普通に圧倒して勝つしかないです。全ての局面で圧倒して、触らせないでパンチで嫌倒れするぐらいにしたいです。失神させるより、嫌倒れですね」

──意識を途絶えさせるのでなく、心を折ると。

「ハイ、『こいつのパンチ、対策立てて練習してきたのと全然違う』って思わせて、嫌倒れ……心を折って圧倒したいです」

──失神させるよりも、完勝かもしれないですね。

「練習だとMMAグローブでガチで殴り合うことないでしょうし。バンテージを嵌めたMMAグローブで、メチャクチャ速いスピードでガンガン殴っていたら、『もう早く終わらせてくれて』って思ってくるはずなので。それでも韓国人選手は気持ちが強いと思うので、それを潰すぐらいの勢いで全てをぶつけます」

──ズバリ作戦としては。

「狙いは中に入ってジャブをガンガン当てて、インサイド・ロー。カーフも蹴ってから、右ストレートを入ようと思います。そこでガードを固めてくると、もう思い切り連打で……ワンツーでガードの上からでも叩き折るつもりで戦います。死にいくぐらいでの気持ちでやります!!」

■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix2対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ピーター・バウシュト(オランダ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
若松佑弥(日本)

<ムエタイ59キロ契約/3分3R>
ロッキー・オグデン(豪州)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
モン・ボー(中国)

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【ONE113 Inside the Matrix02】ウェルター級王座アバソフに挑戦、ジェイムス・ナカシマ「僕がベスト!!」

【写真】インタビューでも口数は本当に少ない。一つの設問に対して、沈黙が続いたなかでそれぞれの返答が聞かれた (C)MMAPLANET

11月6日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix II」のメインで、ジェイムス・ナカシマがキャムラン・アバソフの持つONE世界ウェルター級王座に挑む。

MATRIX01で元LFA暫定フェザー級王者タン・リーが、マーチン・ウェンを破りONE世界フェザー級チャンピオンに輝いた。ナカシマは北米#01フィーダーショーで暫定でなく、正規のウェルター級チャンピオンだった。

実力的にUFCやBellatorで戦っておかしくないチャレンジャーが、キルギス国籍のロシア人王者に挑む。北米フィーダーショーはONEにとって開けてはならないパンドラの箱だったのか……がハッキリと分かるウェルター級世界選手権試合。そのファイトウィークにナカシマにインタビューを敢行した。


──ジェイムス、Covid19のパンデミックが起こって終息が見えないなかONEも活動再開。4試合目がタイトルショットとなりました。

「僕は家族が問題なくきている。全てが閉ざされた時があったけど、トレーニングも続けてきたし、しっかりと調整できているよ。

フェニックスでは5月の途中までロックダウンが続き、ジムも閉鎖されていた。でも、僕には自分のマットがあるし、ガレージにマットを敷いて何人かの仲間と、1日に2回のトレーニングを続けてきたんだ。ジムがオープンしても……確か6月だったかな、またフェニックスはロックダウン政策が取られた」

──2度もロックダウンがあったのですね。

「そうなんだ。でも、同じように家で練習はしていたよ」

──今回のウィルスについては春ごろには、また分からないことが多かったです。そして米国は感染者の数も死者の数も世界一ですが、「新型コロナウィルスはインフルエンザと同じだ」という意見もありました。練習を続けていた時、感染の恐怖はなかったですか。

「……。う~ん、君のいうようにこのウィルスについては分からないことが多い。ただし、精神的に健康であることも重要だと僕は考えてきた。未知のウィルスに気を病むよりも、自分の体調が良いならやるべきことをやろうと思ってきたんだ。予防対策はしていたから、パンデミック以降に僕も家族も風邪をひいたこともなくて。

ただし、僕の母は乳がんになり完治した身だから、彼女のことは凄く気にかかっていた。とにかくスマートにすることが一番、マスクと眼鏡をしてソーシャル・ディスタンスを取る。僕は人よりしっかりと予防をしてきたと思う。

フェニックスは今ではマスクを着用したうえで、ジムもオープンしているからね。だからタイトル戦を戦ううえで問題はなかったよ」

──アリゾナでは柔術やMMAのトレーニングが認められているのですか。

「イエス。オファーがあったのは9週間前で、それ以前もジムで練習できていたし。試合が決まってからはランニングやストレングス&フィジカルトレーニングを増やしてきた感じだよ」

──ではキャムラン・アバソフの印象を教えてください。

「グッドファイターだ。タフだし。でも、どの局面でも僕の方が優れている」

──岡見勇信選手に勝った試合では打撃で。タイトルを取った試合ではレスリングで勝利しています。

「爆発力がある、打撃でもレスリングでも。それでもあまり気にしていないんだ。僕はしっかりと自分の技術を使って5分でも、7分でも、15分でも25分でも戦える。特にエネルギーを使い過ぎないようとかペース配分することなく、自分に必要な動きをして戦い続けることができるんだ。

アバソフにはKOパワーがあって、テイクダウンが強くても、それは一瞬の爆発力があるからで。しっかりと距離を考えて戦うと、特に怖いものじゃない」

──北米ではミドル級のリミットのONEウェルター級としても、アバソフは大きいです。

「凄い筋肉をしているよね。う~ん、でも彼より大きなファイターと練習しているし、サイズは大した問題じゃないよ」

──個体として強さのあるロシア系の選手は、北米のファイターほどゲームプランを重要視していないように見受けられます。

「少しぐらいは作戦もあるだろうけど、確かにアバソフもそんな感じだと思う。そういう選手は多いよ。僕としては自信過剰にならず、しっかりと戦うことだよ」

──この試合は残念なことに、ONEのメガイベント復活4大タイトル枠から外れた世界戦となりました。

「う~ん、そこは余り気にしていない。ただ、自分の力を証明することだよ。次はそういうところに並ぶために。僕がや世界最高のウェルター級ファイターであることを証明する。

UFCのカマル・ウスマン、Bellatorのドゥグラス・リマ、ONEチャンピオンシップだろうが、PFLだろうが関係ない。これからピークを迎える僕こそがベストなんだ、それを今回のタイトル戦で見せるよ」

■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix2対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ピーター・バウシュト(オランダ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
若松佑弥(日本)

<ムエタイ59キロ契約/3分3R>
ロッキー・オグデン(豪州)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
モン・ボー(中国)

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【ONE113 Inside the Matrix02】キム・キュソン戦へ、若松佑弥─01─「生きていれば明日は来る」

【写真】この写真、若松も良い表情だが、長南さんが相手を目で殺しに掛かっているのが凄く良い(C)KEISUKE TAKAZAWA

11月6日(金・現地時間)に中継させるONE113「Inside the Matrix II」。活動再開後のメガ大会で初登場となるのが若松佑弥だ。

RIZINという舞台で戦いながら、DEEPでも考えうる最強の相手と戦う。UFCを目標に現状で最強の相手を欲する米山と、同じ志向の元谷は、その同じ言葉に情念がなく、アッサリと口にする。

4月に決まっていた2020年のスタートは、パンデミックにより大幅に変更が加わることになったキム・キュソン戦、シンガポールへ向かう直前に若松は何を語っていたのか──。

この間に人生観が変わり、それがMMAでの強さに通じていると若松は言い切った。


──いよいよ溜めてきたモノを爆発させることができます。今回の試合が決まった時の気持ちを教えてください。

「この試合に関しては半年以上、試合の延期が続いていたので、10月30日ということを聞いてもあまり入れ込まないようにしていました。気持ち的には『あったら良いな』というぐらいで。やっぱりコロナで、外国での試合はどういうことになるのか本当に分からないので。

取りあえず7割ぐらいの感じで、ケガをしないよう気を付けて練習をし、正式に決まったら追い込んでいこうという感じで、オファー前から練習をしていました。試合の2カ月ぐらい前から、しっかりとやりこもうと思っていて。そうしたら僕の場合は8月の終わりとオファーも早かったのでちょうど良いタイミングでした」

──Matrix大会はシンガポール入りができなくなる選手や、コロナ関連で試合ができなくなるなど色々と大変な面もあるようですね。

「そういう部分でも僕の相手はシンガポール在住の韓国人だったので、心配が少なくて良かったです」

──では対戦相手のキム・キュソン選手の印象は?

「背が高くて、気が強いですね。やっぱり韓国人選手ですし、技術云々よりも負けられないっていう気持ちで来ると思います」

──ぶっちゃけていえば、勝つとタイトル戦に近づくような相手と若松選手の試合を組んで欲しかったというのはありました。

「でもキム・キュソンはジェヘ・ユースタキオに負けていますけど、競り合っていますし。侮ることはできないです。楽な相手ではない。韓国人選手はムキになってくるので、そことやっぱり背が高いことですね。気になるのは」

──HEATに来日した時は、あれほど上半身が大きいというイメージはなかったです。

「あの身長で、あの上半身だと本来はフライ級に収まらないと思うんです。だから胴体だけデカくて、足とかメチャクチャ細いし、ピグモンみたいな」

──ピグモンですか(笑)。

「ピグモンです、ホントに。あっ、でもバカにしているじゃないすよ。リスペクトしたピグモン」

──アハハハハ。

「でも、実際にそうだと思うんです。身長の割にはリーチもそれほどないし。

──若松選手に期待されるのは、もう当然のように勝ってほしい。それだけです。

「そのプレッシャーがあるので……。自分との戦いという気持ちでやってきました」

──スバリ仕上がり具合を教えてください。

「これまでのファイトキャンプと違って、2試合分ぐらい経験を積むことができました。グラップリングにしても、凄く成長して……試合をしていない分、色々なことをやってきて自分としては成長できたと思っています」

──1年間ブランクが空いたことに関しては、どのように捉えていますか。

「う~ん、ブランクに関してはケガをして試合ができなかった時もありましたし、気持ちが入れば問題ないと思います」

──この1年で一番成長できた部分はどこでしょうか。

「人生観……とかですかね。それは戦いだけでなく、生きるにも生活することに関しても。以前は怒りを感じたり、イライラしても練習は練習、私生活は私生活という風だったんですけど、なんかこう……私生活でも料理とか作ったり、自動車学校に行ったり、給付金を申請したり……色々と試練があるじゃないですか?」

──し、試練ですか? 料理をすることが!! その考えはあまり聞いたことがないです!! 教習所は私はもう遠い昔ですが、申請の書類作成は分かります。

「料理も教習所も、申請も自分は一家の大黒柱なので全てを抱えて、自分で動かないといけないと思っています。育児、教習所に行って、洗濯をする」

──そして練習と。それは大変です。

「これは短気な若造、オラオラのヤツには乗り切れないと思います。ここはもう宮本武蔵みたいに、無の心境で心を落ち着かせて次から次へとクリアしていかないと」

──つまりは上手くいかないことにも、イライラせずに向き合ってきたということですね。

「人生って、こんなもんだって思って。別に試合に勝とうが負けようが、試練ばっかだし。生きていくのは皆、そうで。生きていれば明日は来るし、乗り越えないとMMAファイターなんてただのニートになってしまいます。現実逃避して。自分は死ぬまで、人間ってこういうことなんだという覚悟ができたと思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■ONE113 Inside the Matrix02対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ピーター・バウシュト(オランダ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
若松佑弥(日本)

<ムエタイ59キロ契約/3分3R>
ロッキー・オグデン(豪州)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
モン・ボー(中国)

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