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【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その参─カレフォフ ✖アルバスカノフ「春日井、強かった」

【写真】2017年12月23日に春日井たけしと戦った時の──現ACAフライ級王者アザマット・カレフォフ (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年8月の一番、第三弾は8月28日に行われたACA127 からACAフライ級選手権試合=アズマット・カレフォフ✖ラスル・アルバスカノフ戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ8月の一番、最後の試合は何になるでしょうか。

「カレフォフ ✖アルバスカノフですね。カレフォフって、HEATで春日井たけし選手、寒天とやっていて。ロシア人あるあるなんですけど、前のACAフライ級王者で今はUFCのアスカル・アルカロフって選手がいるじゃないですか。彼がバックマウントからのツイスターとか、アナコンダチョークという今のMMAでは王道でないサブミッションを使います。

カレフォフもアナコンダで勝っていて。ロシア人のあの階級って、背が高くてスタイルが似通っていますよね」

──柔術でなく、レスリング&サブミッションという風にも見えます。

「そうですね、絞めのあるサンボっぽさもあるし。そこに今のMMAにあるモノを取り入れているような」

──アルバスカノフが途中で下から左足でフックして、左側にカレフォフを跳ねてギロチンを取り直した。

「サンボですよね。米国やブラジルでは見ない。アルバスカノフは初回と2Rを取っている。あの選手も相当に強いけど、カレフォフが押し切りました」

──アルバスカノフはこれでフロント系のチョークで負けるのが4度目になります。

「だって非効率な試合をしているから、疲れますよ」

──非効率とは?

「思い切り倒して、思い切り極めに行く。パンチも全力で5R持たないだろうっていう試合をする選手、ACAには多いじゃないですか」

──確かにその通りです。そこをカレフォフは待っていたということでしょうか。

「チャンスは伺っていたと思います。初回に下から腕十字とか取りに行っていますし。ゆっくりと腰を切って、抱えるようにして……渡辺直由さんみたいな腕十字ですよね。ジワッときて。アレで腕を取られていると、アルバスカノフは消耗したと思います。

打撃は効かせていましてけど、2Rと3Rにテイクダウンを取ってもスクランブルで上を取り返されてしまって。もうスタミナがなくなっていましたね」

──あれだけの猛攻をしのいで極める。カレフォフは逆境に強いですね。それこそHEATでも本戦で勝ったと思われたのですが、延長になり気持ちが切れるかと思いきや勝ち切った。

「大内刈りでポイントを取ってしまう。タフですよね。これで15連勝、スプリットもあって……負けかけた試合も取り返している。いや、強いですよ」

──フライ級はBellatorとPFLに王座がなく、ACAもそうですがLFA、BRAVE、ONE、日本と人材がまだ散らばっているように感じます。

「UFCが一度、フライ級を閉じる方向で選手を手放したのもあるし……ただ一見散らばっているようでいて、フライ級は他の階級と比較すると、タレントはもともと少ないですよ。アスカロフもUFCで王座まで行っていない。それでもUFCがフライ級を続けることになって、また吸い上げていく。

ただBRAVEに出ている中央アジア勢とかもいるし、日本の56キロの選手はACAやBRAVE CFを見ていないと厳しいですね。そこで戦えとは言わないですけど、チェックはしておこうねってこと。見ている方が良いというか、見ていないと世界、世界っていっても取り残されます」

──でも、見ないですよねぇ。

「そうなんですよね。そもそも、コレを見楽しめるのか。僕なんて、コレを見てドキドキできるから……楽しいですよ。カレフォフを見ていると、この選手とやり合っていた春日井ってあの時、強かったんだなって思えるし。

ヘルベウチ・バーンズにONEで勝っているモヴリッド・ハイブラエフ、今はPFLで戦っているけど『やっぱり、コイツ強かったんだ』って思えるし。

あとからアイツが強かったんだっていうのがあるというのは、試合を見てきたうえでの結果論です。見ていないと、ただ知らないで終わっているということで。そういうことを最近、PFLでクリス・ウェードやハイブラエフ、このACAでアザマット・カレフォフを見て思いました。

もっと試合は見た方が良いです。僕もYouTubeに落ちている試合なんかは、TRIBEの選手は投げるようにしているんですけど」

──それでいうと先日のBRAVE CFのキム・テキュンとナルザン・アキシェフの試合を、松嶋こよみ選手がチェックしていて驚きました。

「確かに……。松嶋選手はBRAVEをチェックしていたのですね。いや、選手がどういう試合をチェックしておくのか、そういう部分でもその選手がどういう風に考えているのかが見えてきますしね。本人が気づかないケースもあるだろうから、周囲にそういうことを気付く人がいてくれるのもありで。そういう環境は必要です」

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【ACA127】カレフォフ、2度目のフライ級王座防衛戦はチャレンジャー=アルバスカノフ押し

【写真】風は右から左に吹いている。追い風=チャレンジャー(右)、向かい風チャンピオン(左)のロシア人同士のタイトル戦だ (C)

本日28日(土・現地時間)にロシアはクラスノダールのバスケットホール・クラスノダールでACA127「Albasknanov vs Kerefov」が開催される。

イベント名になっているように、メインはラスル・アルバスカノフフ✖アズマット・カレフォフのACAフライ級選手権試合だ。とはいえ世界中のどのプロモーションを見ても、タイトルマッチが大会タイトルになる場合、王者の名前が先にきて挑戦者が後ろに来るもの。

しかし、今大会は王者カレフォフが、挑戦者アルバスカノフの後塵を拝する大会名になっている。


アルバスカノフはACAの主流ジム=ベルクート・ファイトクラブのファイターで、同ジムにはライト級王者アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァやバンタム級王者マゴメド・ビブラトフ、さらにはアリ・バゴフ、ユースウ・ライソフという王者を経験したトップファイターも属している。

今大会もベルクートFCからはアブドゥルラクマン・ジャナエフがコメイン、ムハマド・ヴァカエフがアルバスカノフの釖持として出場している。

元々は4月にタイトル戦が決まっていた両者だが、カレフォフの負傷でキャンセツされており、プロモーションがアルバカノフの背中を押していることが、このタイトルから伝わってくる。

アルバスカノフの戦績は11勝4敗、荒々しくもパワフルな打撃、強烈無比なテイクダウン、トランジッションもサブミッションも兼ね備えているファイターだ。それでいて4つの敗北は全て一本負けで、うち3つはギロチンでタップを強いられている。

暴風のようなファイトのなかで、エアポケットができるといって良いアルバスカノフに対し、カレフォフは14勝中11試合が判定勝ちだが、持ち味はその我慢強さとねちっこさだ。何より逆風を跳ね返す強さは、たった一度HEATに来日した時の春日井たけし戦当時でも身につけていた。

また今大会には3連敗中のディエゴ・ブラダォンも出場、サルマン・ザマルダエフとの再戦に臨む。今年3月の対戦では激しい打撃の応酬のなかで、蹴り足を掴んで倒したブランダォンが勢い余ってサッカーボールキックを放ち、ザマルダエフが試合続行不能となり反則決着となっている。

反則ながら勝ちは勝ちという状況ながら、敢えて再戦に挑むのはザマルダエフがしっかりとブランダォンを仕留めたいという気持ちが大きいからだろう。ブランダォンも本当の意味でのリベンジされることが望まれたなかでのロシアでの戦い、反則抜きで意地を見せてほしい一戦だ。

■視聴方法(予定)
8月29日(日・日本時間)
午前1時25分~ ACA TV

■ ACA127対戦カード

<ACAフライ級選手権試合/5分5R>
[王者] アズマット・カレフォフ(ロシア)
[挑戦者] ラスル・アルバスカノフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アルテム・フロロフ(ロシア)
アブドゥルラクマン・ジャナエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
サルマン・ザマルダエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
アンドレイ・ゴンチャロフ(ロシア)
アプティ・ビマルザエフ(ベラルーシ)

<ウェルター級/5分3R>
ムラッド・アブドゥラエフ(ロシア)
アンドレイ・コシュキン(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ムハメド・ココフ(ロシア)
ロムアリ・ナルギエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
オレッグ・ボリソフ(ロシア)
イスラム・マシュフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
ムハマド・ヴァカエフ(ロシア)
ハファエル・ペッソア(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
アザマット・プシュコフ(ロシア)
クルバン・ガジエフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
エルクハン・ムサエフ(ロシア)
アドラン・イブラギモフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
アルカジ・オシピャン(アルメニア)
デブラトマン・チュポノフ(ロシア)

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