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【UFC FPI06】凄まじいスクランブル戦も、延長Rでバック&両足フックのニッキー・ロッドがヒメネスに快勝

<アブソリュート級/10分1R>
ニック・ロドリゲス(米国)
Def.ExR 6-0
ロベルト・ヒメネス(米国)

ニッキー・ロッドが昨年のノーギワールズ無差別級を制したヒメネスと対戦。シッティングからレッスルアップ、シングル→ダブルレッグで簡単にリバーサルしたニッキー・ロッドは、ボディロック&パスガードを狙う。腰を押し、足をきかせるヒメネスはインヴァーテッドから、左足に絡んでヒザ十字、さらに外ヒールへ。ニッキー・ロッドがトーホールドを仕掛け、互いに足首を攻める。

力を使う展開でニッキー・ロッドがリリースして、トップを選択──も、場外近くで中央で再開に。シングルからボディロック、バック回ったニッキー・ロッドはヒメネスの前転も背中について動き、結果トップをキープする。立ち上がってクローズドを解除したニッキー・ロッドがパスから上四方に。ヒメネスは反転するがバックを譲り、前転。ニッキー・ロッドがクルスフィックス──も即解除し、スクランブルでバックへ。結果ヒメネスが引き込み、ニッキー・ロッドのニースライスは骨盤を蹴って防ぐ。

それでもパスの圧を高めるニッキー・ロッドに対し、ヒメネスは足を取りに行く。一瞬、足を絡ませてシングルに切り替えるが、アンクルをコントロールしたニッキー・ロッドが上体を起こして足を越える。ここから背中に回ったニッキー・ロッドがワンフックもヒメネスがシングルレッグでリバーサル成功。直後の足の取り合いから、上を取り返したニッキー・ロッドはリバースデラヒーバに入らせず、ニースライスへ。

試合がケージに中央に戻されると、ここもヒメネスのインヴァーデッドを潰したニッキー・ロッドがハーフで抑える。残り1分、両者がフィニッシュを念頭に戦うのか、延長のP制を考慮して時間を過ごすのか。互いに動きを減らし、タイムアップとなった。

延長ポイント戦は、即組んでボディロックテイクダウンを決めたニッキー・ロッドが2Pを先取する。足を取らせずバックに回り、両足をフックしたニッキー・ロッドがRNCをセットへ。手首を掴んで防ぐヒメネスだが、すでに6Pのリードを許している。尻をずらして反転、さらに足を狙いつつシングル狙いのヒメネスに対し、ニッキー・ロッドがダースチョークへ。

ヒメネスは背中をつけることなく解除し、逆にギロチンを狙う。ニッキー・ロッドが凌いだところで場外→中央で再開される。残り3分を切り、ヒメネスはファイアーマンキャリーを防ぐが、バックを許す。前転、反転というヒメネスの動きに対応し続けるニッキー・ロッドだが、ついに前転から立ち上がられ正対される。カレッジレスリングなら1P挽回と言いたくなる流れのなかでワキを潜ってバックに回ったヒメネスが、尻もちをついてクラブライド&後転。ニッキー・ロッドがその勢いで背中を譲ったまま立ち上がり、正対しようとするがヒメネスも許さずバックコントロールを維持する。

そのままマット中央に移動すると、ニッキー・ロッドは前転を2度。ついにヒメネスのグリップが緩み、その回転についていけず逆にバックを取られる。サイドバックから横回転でバックに回ったニッキー・ロッドだが、ヒメネスも腰をずらしてスクランブルへ。結果、正対することに成功する。両者、疲れが目立つ最後の60秒──ヒメネスがジャンピンガード、立ち上がったニッキー・ロッドは自らヒザをマットにつきガードのなかでタイムアップを迎えた。

凄まじいスクランブル戦も、インパクトや印象でなくポイントで明白に勝負がつき疲れ切った勝者は「ヒメネスはタフ。本当に良く動く」を息を切らせながら話し、「次? 休みたい」と言ってからニコラス・メレガリの名前を挙げた。


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【UFC FPI06】まもなくクレイグ×ロバトJr、ニッキー・ロッド✖ヒメネス。ジジにベン・エディらが競演

【写真】UFC昇格とはならず、FIGHT PASS Invitationalで実力発揮といきたいジジ・カヌート(C)LFA

3日(日・現地時間)、これから1時間半後にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC Fight Pass Invitational06が開催される。いわばMMAの最高峰が開催するプロ・グラップリング大会には毎大会強豪グラップラー、MMAファイターらが出場している。
Text by Manabu Takashima

10分間のADCC、15分間のWNO、10分間のIBJJFノーギ、12分のONEとも違い8分1R(※上位カードは10分1R)のUFC FPIは前回大会より延長になるとEBIのタイブレーク方式から、4分ないし5分のオーバータイム制が採用されるようになった。


いわば視覚的にもよりスピーディーさが求められるような空気があるなかで、今回は上位3カードが無差別の戦いでクレイグ・ジョーンズ✖ラファエル・ロバトJr、ニッキー・ロドリゲス✖ロベルト・ヒメネスなど、一言で組み技といっても戦いのフィロソフィーに明確な違いがあるマッチアップが揃った。

新足関節時代からレッスルアップ、トップゲームとウェルラウダーのなかで急激な技術の変遷があり、そこを地で行き、今や特別なステージでしか試合を見ることができなくなったといっても過言でないジョーンズ。対してロバトJrはMMAに通じるオールドスクール柔術で、Bellatorの頂点に立ち様変わりした組み技シーンに戻ってきた。

フォークスタイルレスリング&柔術の融合、現状の最先端──というべきかADCCで一番勝てる戦いができるニッキー・ロッドに対して、ロベルト・ヒメネスも23歳という年齢には不釣り合いなオールドスクール、こちらは下から創りあげる道着のない柔術を実践するグラップラーだ。

昨年6月のFPI04で対戦した時にはEBIタイブレークのファーステスト・エスケープでニッキー・ロッドに軍配が上がっているが、今回はどうなるか。

中盤と下位カードでもメイソン・ファウラー✖ペドロ・マリーニョというSUBを思わせるカード。LFAで暫定女子ストロー級王座獲得に失敗し、UFCではなく日本上陸を目論むアブダビ・プロ優勝のジジことジオヴァナ・カヌート、元祖ヒンドゥーガード&10thPlanetの鬼才ベン・エディと非常に多彩なメンツが揃ったUFC FPI06、90分後に開演となる。

■視聴方法(予定)
3月4日(日・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<アブソリュート級/10分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
ラファエル・ロバトJr(米国)

<アブソリュート級/10分1R>
ニッキー・ロドリゲス(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

<アブソリュート級/8分1R>
ニコラス・メレガリ(ブラジル)
マテウス・ジニス(ブラジル)

<215ポンド契約/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

<175ポンド契約/8分1R>
ホナウド・ジュニオール(ブラジル)
コディ・スティール(米国)

<ミドル級/8分1R>
ジェイ・ロドリゲス(米国)
マテオ・カルドナ(米国)

<女子フライ級/8分1R>
ジジ・カヌート(ブラジル)
デニージ・ゴミス(ブラジル)

<165ポンド契約/8分1R>
ベン・エディ(米国)
シェーン・シャピロ(米国)

<女子フェザー級/8分1R>
ラケル・カヌート(米国)
カロル・ホザ(ブラジル)

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MMA Report UFC FPI04 ニッキー・ロドリゲス ブログ ロベルト・ヒメネス

【UFC FPI04】レスリングが進化したロベルト・ヒメネスだが、柔術はできずOTでニックロッドに敗れる

<無差別級T1回戦/8分1R>
ニッキー・ロドリゲス(米国)
Def.OT by Fastest Escape
ロベルト・ヒメネス(米国)

コンバット柔術では、ウェルター級世界王者のヒメネスは一見して増量している。試合はニックロッドがボディロックへ。ヒメネスが引き込んで下になり、場外際から中央に戻される。ニックロッドはパスを決め、ヒメネスは上四方に取られるもスクランブルに持ち込む。

立ちレスでダブルレッグを切ったニックロッドは、スクランブルでのヒメネスのギロチンも察知する。やがてゲットダウンとなり、ヒメネスはトップを選択する。バタフライ&ダブルアンダーフックのニックロッドはすぐに離れて立ち上がるも、ヒメネスはシングルレッグへ。場外際で足を抜いたニックロッドはここでヒザ立ちから、すぐに立ち上がる。

ヒメネスはアームドラッグを察知されると、ダブルレッグへ。素早い仕掛けにもニックロッドが反応して、ヒメネスが引き込む。バタフライガードから、ニックロッドの仕掛けを捌いて立ち上がったヒメネスは、ダブルレッグをスプロールされる。ジャンピングガ―ドを選択したヒメネスが、クローズドガードで下になる得意の形に。

とはいえフィジカル差は明白で、ヒメネスは仕掛けることはできずスタンドに戻る。テイクダウン狙いをダースに捕えたニックロッドは、スタンドのままで絞めあげる。ヒメネスは頭を抜き、ニックロッド相手にレスリングチャレンジを続ける。切って逆にシングルのニックロッド、ヒメネスもこれをしっかりと切る。

シングルを仕掛けて、切られたヒメネスは背中をつけてクローズドガードへ。さらにバタフライガード&ダブルアンダーフックに移行したヒメネス、。続く足関節狙いを察知したニックロッドが、トップでOT開始を待った。

最短エスケープタイプが勝敗を決するのであれば、瞬発力勝負で敵わないヒメネスはシーロベルトもすぐに逃げられる。逆にニックロッドは足のフックのないRNCでタイトに絞め、必死で逃げたヒメネスに大きな歓声が起こった──ものの、OTの大勢はここで見えたか。結果、最短エスケープタイムでニックロッドが準決勝に歩を進めた。


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【UFC FPI04】魂の耐久戦を戦ったスミスがテイシェイラと再戦。NCAAを2度制したブラボーヤングも注目!!

【写真】こんな攻防は絶対にない。ではどのような我慢合戦が見られるのだろうか (C)Zuffa/UFC

29日(木・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC FPI04。フィリッピ・ペナ✖クレイグ・ジョーンズのメインを筆頭に$3万が懸かった無差別級Tなど、世界のトップグラップラー&新鋭が集結する同大会では、MMA色の強いワンマッチも組まれている。

それがコメインで組まれたグローバー・テイシェイラ✖アンソニー・スミスのヘビー級マッチとフェザー級のローマン・ブラボーヤング✖アレックス・ペレスの2試合だ。


2020年5月、まだ未知の病原菌としてコロナの脅威が全世界を襲っていた頃にテイシェイラとスミスはUFN171──活動再開第2弾──のメインで戦っている。序盤の拮抗した勝負から3R以降はテイシェイラが、スミスをコントロールし徹底的にパウンドで痛めつけ、辛くも2つのラウンドはサバイブしたスミスが遂には最終回に仕留められている。

とはいってもスミスの粘りは驚異的でしかなく、今回は3年の時を経てグラップリングで両者が再び相対する。

ヘビーパンチャーのテイシェイラだが、柔術も黒帯で組み技競技の出場でいえば時を14年も遡るが、2009年のADCCブラジル予選で優勝し、同年にバルセロナで開かれた世界大会にも出場している。ばかりか、99キロ級で4位に輝いている。

続く2011年度の挑戦はブラジル予選で準優勝に終わり、2019年末のQuintet UltraまでテイシェイラはMMAに専念してきた。その後2021年10月にはUFCヘビー級王座となっていることは、周知の事実だ。元世界王者テイシェイラのグラップリング力は、スミスを上回ると予想される。とはいってもキャリア36勝(※18敗)のうち、14勝が一本勝ち(※KO勝ちは20度)のスミスも、極め力は相当なモノがある。

膠着無用、スタンド回避のサブオンリー・ルールでは、当日のコンディションも大いに勝敗を左右するものだが、5分3R制でなく、インターバルがないことも勝敗の鍵となるに違いない。43歳のテイシェイラを34歳のスミスが動かす試合となれば、マット上でのリベンジも大いにあり得るだろう。

またフェザー級戦ではフライ級タイトルコンテンダーのペレスが、ペンシルバニア州立大時代にNCAA D1を2度制したブラボーヤングの初のグラップリング戦(現地では初の柔術マッチと喧伝されている)の相手を務める。

レスリングベースのペレスは、ジヴァ・サンタナに長年に渡り柔術の手解きも受けており、サブミッション・レスラーとしての側面も持つ。対してブラボーヤングは大学を卒業後、フリースタイルでパリ五輪を目指す立場でありながら、レスリングのキャリアを全うした後にはMMA転向を既に宣言している。

このブラボーヤング、2020年の12月にアルジャメイン・ステーリングと6分間のフリースタイルレスリングの後、3分間のグラップリングというガチのエキシビションマッチを経験。レスリングでは6-4でリードし、グラップリングではRNCで敗れている。

いずれケージに足を踏み入れるであろうブラボーヤングは133ポンドでNCAAを制しており、ペレスはフライ級ファイターということを考えると、フェザー級契約はフィジカル的にはブラボーヤングが優位という見方も成り立とう。

レスラーとしてはフットワークを駆使し、シングルレッグやアンクルピックなどに強味を発揮するブラボーヤングは、ドミニク・クルーズともトレーニングもしてようだが、如何にペレスの柔術的な動きを断ち切ることができるのか──焦点はズバリこの一点に掛かってくる。つまりは、ペレスが引き込む可能性は十分にある対戦だ。

■視聴方法(予定)
6月30日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC FPI04対戦カード

<ヘビー級/20分1R>
フィリッピ・ペナ(ブラジル)
クレイグ・ジョーンズ(豪州)

<ヘビー級/10分1R>
グローバー・テイシェイラ(ブライジル)
アンソニー・スミス(米国)

<ヘビー級/10分1R>
ニコラス・マレガリ(ブラジル)
ホベルト・サイボーグ・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/10分1R>
ローマン・ブラボーヤング(米国)
アレックス・ペレス(米国)

<140ポンド契約/10分1R>
ヘレナ・クレヴァー(米国)
エミリー・フェルナンデス(米国)

<無差別級T1回戦/8分1R>
ロベルト・ヒメネス(米国)
ニック・ロドリゲス(米国)

<無差別級T1回戦/8分1R>
フィリッピ・アンドリュー(ブラジル)
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)

<無差別級T1回戦/8分1R>
ヒョードル・ニコロフ(ロシア)
ハイサム・リダ(ガーナ)

<無差別級T1回戦/8分1R>
ガブリエル・アウジェス(ブラジル)
ダン・マナスー(米国)

■視聴方法(予定)
6月30日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

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【UFC FPI04】立ちレス強制終了ルール適用UFCファイトパス招待TにB-TEAM移籍のハイサム・リダが出場

【写真】2021年のハイサム旋風を再び巻き起こすことができるか!! (C)SATOSHI NARITA

9日(木・現地時間)、東部時間の午後9時よりUFCファイトパスにて、グラップリング大会UFCファイトパス・インビテーショナル(FPI)04が配信される。
Text Isamu Horiuchi

強豪選手を集めたシングルマッチと優勝賞金3万ドル(※約430万円)が掛かった8人トーナメントを同時開催するこの大会は、トーナメントは本戦8分、メインカードのシングルマッチは本戦20分のサブミッション・オンリールールで争われる。

本戦で決着がつかなかった場合には、攻撃側と防御側に分かれて極めとエスケープの速さを競うEBI形式のオーバータイム(OT)で勝敗を決める。


UFC FPIルールの特徴は、立ち技の攻防が続くことを防止するための「ゲットダウン」ルールが採用されている点にある。スタンドの攻防が1分間続いた場合にはレフェリーが強制的にブレイクし、選手はバタフライガード(下の選手は双差しで相手の背中で手を組む)の上下に分かれて、(選択権はコイントスで決められる)寝技から攻防が開始されることとなる。

さらに、寝技の攻防で膠着を誘発する選手には積極的に警告やペナルティ(1回につき、OTにおいて自らのエスケープ時間を1分間加算される)が与えられ、選手たちは常に組技でのアクションを促されることとなる。

今回のトーナメントの参加選手は以下の通りだ。

ハイサム・リダ(ガーナ)
ダン・マナスー(米国)
フィリッピ・アンドリュー(ブラジル)
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)
ガブリエル・アウジェス(ブラジル)
ヒョードル・ニコロフ(ロシア)
ニック・ロドリゲス(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

日本のファンにとって嬉しい知らせは、昨年12月のUFC FPI03に続いてのハイサム・リダのエントリーだ。米国移住後、デトロイトのアセンブリー柔術を拠点としてメジャーグラップリング大会で活躍をしてきたハイサム。昨年のADCC世界大会最重量級1回戦では、超大物ホベルト・アブレウからわずか75秒で腕十字を極めてみせ、世界にその恐るべき潜在能力を知らしめた。

が、2回戦ではルーズベルト・ソウザのテイクダウンに敗れ、また無差別級では階級下のジャンカルロ・ボドニにガードをパスされ、完全制圧された上で腕を極められてしまう等、発展途上な側面が露呈してしまったことは否めない。前述のFPI 03においても、やはり階級下のパトリック・ガウジオの三角絞めの前に初戦敗退となってしまった。

そんなハイサムは、今年4月末にデトロイトを離れてテキサスのB-Teamに移籍することを決意。「負けが続いて、自分の戦いをみんなに知られてしまっていることが分かった。新しい技術を身に付けなければいけないと思った。そのためにここ以上の場所はない。僕の弱点、やるべきことは自分でも分かっている。突然強くなるはずもないから、多くのドリルやスパーリングを重ねてゆくよ」とハイサムは語る。

実際、クレイグ・ジョーンズ、ニック・ロドリゲス、ニッキー・ライアンといった世界最高峰のグラップラーが所属するB-Teamは、これまでハイサムの大きな課題であった各要素──テイクダウン、足関節、柔術ファンダメンタル=パスガードの攻防──に優れた選手たちが集い、特に足関節とパスガードの技術においては世界最先端を行く集団だ。

重量級として突出した瞬発力とダイナミックな極めを持つハイサムが、真のコンプリート・グラップラーとなるためにはまさに最善の選択だろう。

持ち前の明るい性格であっという間にチームに溶けこみ、また道場前に駐車した自分の車を荒らす泥棒を追いかけ、素手で取り押さえるという経験までしたというハイサムは、今回が移籍後初戦となる。本人も語るように、わずか数ヶ月の練習で全てが劇的に変わるものではないだろうが、ガーナ生まれの少年が、日本~デトロイト~テキサスと移動し世界の頂点を目指す旅の新章の幕開けとして、今大会は注目だ。

そしてこのトーナメントには、ハイサムを受け入れたB-Teamの重量級エース、ニック・ロドリゲスもエントリーしている。ハイサムの加入について「僕と同体格で、同じように高い身体能力を持ったパートナーが得られて最高さ。ハイサムは自分のエゴを試合では勝つために上手く使うけど、練習ではシャットダウンし、いつも笑っているんだ」と大歓迎の様子だ。

前回大会で世界最強のグラップラー、ゴードン・ライアン相手にOTに持ち込み、eエスケープタイム時間差で敗れたもののチョークを極めかける場面を作ったロドリゲスが本命であることは間違いない。

チーム加入前、練習に訪れたハイサムとのスパーリング動画が公開されているが、そこでは──あくまでお互い、勝ち負けではなく技術の向上を目指した手合わせにおいて──ロドリゲスがボディロックからパス、マウントを奪い上からの三角で極めているシーンがある。今回ハイサムとの同門対決が実現した場合、お互い手の内を知り尽くしているからこそ、当時よりさらにステージの上がった攻防を期待したいところだ。

さらに直前になって、ペドロ・ホシャに代わりロベルト・ヒメネスがエントリーされたこともこのトーナメントの期待感を増している。どのポジションからもダイナミックに極めを狙いにゆくヒメネスと、同様のスタイルを最重量級で実践するハイサムの対戦が実現すれば、好勝負となることは必至だ。

他にも世界王者レベルのグラップラーたちが続々と名を連ねるこのトーナメントでは、ジョン・ダナハー門下の22歳の巨漢ジョン・マナスー、10th Planetセントペテルスブルグ支部のヒョードル・ニコラスといった新顔の戦いぶりにも注目だ。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月30日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

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ABEMA ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN10 UFC   キック タイ・ルオトロ チャンネル ブラジリアン柔術 ボクシング ロベルト・ヒメネス

【ONE FN10】デリダーと異種組み技戦、タイ・ルオトロ─01─「禁止薬物に頼らなくても、頂点に立てる」

【写真】いつも笑顔のタイとケイドのルオトロ兄弟。ステロイド問題を語る時も、試合前のようなシリアスな様子では軽快が言葉を続けた (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」。ONEにとって初開催となる米国でのイベントでは、全11試合&メインカード9試合中2試合のサブミッション・グラップリングマッチが組まれた。

2003年1月22日生まれ、20歳になったばかりのタイ・ルオトロが、そのうちの1試合でONE世界ミドル級王者ライニア・デリターと対戦する。昨年、ブラジリアン柔術世界大会=ムンジアル黒帯ミドル級で準優勝、ADCC世界大会では無差別級で銅メダルを獲得した。

その後、タイを破ってムンジを制した柔術の神の子ことミカ・ガルバォンが、禁止薬物使用で金メダルを剝奪され、タイは19歳にしてムンジの金、アブダビの銅メダルを獲得するという快挙を達成することとなった。

そんなタイがデリダー戦だけでなく、ステロイド問題を語り、今後のONEグラップリングシーンに言及した。


──タイ、隣にケイドも見えますが、もうコロラドに入っているのですか(※取材は4月27日に行われた)。

「そうだよ。米国でショーが行われるのは最高だけど、コロラドは僕らが慣れ親しんだカリフォルニアと海抜が違うから、早目に入る必要があったんだ。ここに来るまでも可能な限り標高の高いところで練習してきたけど、しっかりとアクアメーション・プロセスをコロラドにやって来る前、そして着いてからも消化し、体はもう海抜1600メートルにほぼ慣れたよ。サンディエゴから数日前にやってきて、デンバーの郊外で山を走ってロッキー・バルボアがドラゴと戦う前のような準備をしてきた(笑)。だから日に日に動くのが楽になった。5月6日には、自分がどれだけ動けるのか凄く楽しみなんだ」

──今大会、ONEにとって初めての米国でのショーで9試合のメインカードのうち、グラップリングの試合が2試合組まれたことをどのように思っていますか。

「柔術にとって最高の機会になると思う。MMAだけでなくムエタイ、キックボクシングにグラップリングも組まれたショーは、これまで米国にはなかった。米国のスポーツ界にとって、大きな1日になるはずだよ。特にグラップリングマッチがこういう舞台で実施されることは、柔術界の皆にとって本当に素晴らしいことだよ」

──ADCC2022以降、正直をいえばあのトーナメントが頭抜けていたのか、以前の規模のトーナメントは続いていますが、グラップリングのビッグファイトは決して増えていないように感じます。Amazon Videoのプライムタイムショーで戦うことで、グラップリングをジェネラル層にアピールする絶好の機会ではないでしょうか。

「それこそが、僕がマットに上がる目的だから。誰かが僕の試合を見て、影響を受けてくれると嬉しい。少しでもインスパイアしてほしいと思っている。今回はレイニア・デリダーという大きな相手に、僕がどのようなパフォーマンスを見せることができるか。純粋に技術を武器に彼と戦って、世界中で視ている人に楽しんでもらいたい。それが僕のモチベーションになっているんだ」

──タイ、ADCCでは無差別級で銅メダルを獲得しました。今回、205ポンドでの試合になりますが、技術で戦うにしても体重差はどのように考えていますか。今もタイのベストな階級は170ポンドではないかと思ってしまうのですが。

「実は今回に試合に関して、今そうやって205ポンドだって効かされるまで、正確な階級のことは気にしていなかった(笑)。僕も今では普段から大体185ポンドぐらいはあるけど、今回は相手が大きいから190ポンドぐらいにしてきた。過去最重量になっている。でも195ポンドまで増やすことはない。ちゃんとシェイプして、最高のタイ・ルオトロとしてケージに上がりたいからね。だから205ポンドより重くなるなんてことはありえないから、リミットを気にしていなかったんだ(笑)」

──ハハハハ。それ以上重くならないから、リミットは関係ないと。

「全く気にしていなかった。ちゃんと契約書に目を通さないとね(笑)。これまでも自分より大きな相手とばかり戦ってきたから、接戦になることも試合を落とすこともある。でも、そういう戦いが好きなんだ」

──では柔術ベースのオランダ人MMA世界王者のサブミッション・グラップリングのスキルをどのように考えていますか。MMAファイター✖グラップラーという構図が成り立つファイトですが。

「僕は人生の全てを柔術と共に過ごしてきた。だから、僕の方がアドバンテージがある。でもライニアはタフな相手だよ。MMAの試合でも柔術を使って勝ってきた。彼は優れた柔術家で、この試合に向けてジョン・ダナハーのところでキャンプを行っていた。良い準備ができているだろうし、何よりも最高の作戦を授けられているに違いない。でも、さっきも言ったように僕の人生は柔術と共にある。どれだけ彼が高いレベルの技術を有していても、一本勝ちする」

──それにしても第1回UFCが行われた土地で、30年後にタイが大きな相手と柔術を武器に戦う。何とも言えないマッチアップです。

「MMAでは自分より大きな相手と戦うのは、もう危険だ。柔術マッチは技術で体格差を埋めることができる。それが柔術の素晴らしさだよ。体格差を生かしたゲームプランをライニアは実行しようとするだろう。でも、彼は遂行できない。その途中で、僕が彼を仕留めるからね」

──ADCC2022後にケイドのインタビューをした時に、「ADCCでステロイドを使っていないのはケイドとタイ、そしてロベルト・ヒメネスだけだ」と言っていました。

ケイド そう、その通りだよ(笑)。

──そして先日、ミカ・ガルバォンが禁止薬物使用で昨年のムンジアル優勝を取り消され、タイが晴れて世界王者に輝きました。今やMMAの方が検査が多く、ナチュラルなファイターがグラップリングよりも多いかと思う次第です。

「公正に戦うために検査を実施しても、実際のところはいたちごっこだよ。僕もケイドもワールド前にUSADAのテストを受けた。できればONEもスポンサーシップを受けて、毎月アスリートのテストをしてほしい。そうすることで、僕らのやっていることは次世代に受け継がれるはずだから。

テストに3000ドルも掛かるから、なかなかこのスポーツ全体で実施することは難しい。その結果、これだけ多くのジューサーが世の中に溢れることになる。ステロイド問題はMMAや柔術だけでなく、全てのコンバットスポーツに蔓延している。いやコンバットスポーツだけでなく、ほぼ五輪正式競技も含め全スポーツがステロイドに汚染されているはずだ」

ケイド そうだよ、皆がやっている。

「でも僕もケイドも禁止薬物に頼らなくても、一つのスポーツの頂点に立てることをADCCとワールドで示した。僕らは長く競技生活を送りたいし、引退後もヘルシーでいるために柔術に取り組んでいる。16歳や17歳という若い選手は、絶対にそんな物質に頼るべきじゃない。これから長い人生が待っているのに、だから……18歳でそんなモノに手を染めると、報いを受けて未来が決定づけられてしまうよ(笑)」

<この項、続く>

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE UNRIVALED UNRIVALED02 イゴール・タナベ ウィリアム・タケット ロベルト・ヒメネス 伊藤盛一郎 岩本健汰 森戸新士 河名マスト 海外 猿田洋祐 石黒翔也 須藤拓真

【UNRIVALED02】アンライバルド再始動はウィリアム・タケット×岩本健汰から。カウチも初来日

【写真】ポイント有り、アグレッシブかつギリギリのポイントメイクが見られるか(C)CLAYTON JONES & SATOSHI NARITA

26日(木)、UNRIVALED実行委員会から2月26日(日)に東京都世田谷区のiTSCOM STUDIO & HALL 二子玉ライズでUNRIVALED02の開催とカード発表があった。

テイクダウンP有り、引き込み減点の全局面グラップリング・イベント=UNRIVALEDの第2回大会が2021年11月以来、1年3カ月ぶりにスケールアップ――いや、当初の予定通りコロナの入国制限の撤廃を受けて海外大物グラップラーを招聘して行われる。

その海外大物グラップラーとはウィリアム・タケット、アンドリュー・タケット、そしてジェイコブ・カウチの3選手だ。


ウィリアム・タケットは10代の頃からFight to Winで注目され、2021年3月にはマニュエル・ヒバマーをヒールで粉砕。同大会10勝目を挙げると、Third Coast Grappling、WNOと戦うステージを上げ、ADCC2022米国西海外予選のウィナーとなった。

しかし、世界大会ではマテウス・シュゼシンスキの前にまさかのストレートフットロックで1回戦負けに。そのタケットの再起戦の相手は、同じくADCC世界大会77キロ級にエントリーし、初戦で大健闘の末JTトレスに敗れた岩本健汰だ。

B-teamで出稽古を行い、MMAからグラップリング一本に原点回帰した岩本。先のGladitoar020で組まれたプログレス・フォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦で森戸新士を圧倒し、腕十字で王者に就いたジョゼフ・チェンを昨年のADCCオセアニア&アジア予選準決勝で、延長戦で下していることで、岩本は新ためて国内では頭抜けた存在であることを印象付けた。

気になるのは両者の試合がミドル級(83.9キロ)で実施される点だ。1年前までMMAでは65キロで戦っていた岩本が、この体重設定では何キロに調整するのか。いずれにせよタケットと岩本は新・足関時代からレッスルアップ&パスの時代へ移った史上最強の世界標準グラップリングを見せてくれることは間違いないだろう。

この他、石黒翔也×猿田洋祐、野村優眞×伊藤盛一郎という柔術家×MMAファイター対決なども決定しているUNRIVALED02にはムリーロ・タケシ・ソウザ、須藤拓真、吉岡崇人、河名マスト、イゴール・タナベ、矢野トミーらが出場することも明らかとなっている。

一番の注目はやはりジェイコブ・カウチだろう。カウチは廃コインランドリーの建物にマットを敷いた道場に寝泊りし、練習漬けの日々を送っていた組技集団=デイジー・フレッシュことペディゴ・サブミッション・ファイティングに所属している。ホドリゴ・バギの黒帯ヒース・ペディゴの指導の下、茶帯時代にWNOミドル級Tに出場し、ロベルト・ヒメネスをヒールで下し一躍注目を集めるようになった。

昨年のノーギワールズを制して、黒帯になったカウチの対戦相手が誰になるのか。続報が気になるUNRIVALED02は、FITE TVでの中継が決まっており、当日にはアマチュア大会=ALTANAも開かれる。

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【ONE FN03】越えろ、Do Sportsの壁。ケイド・ルオトロ「サンビストはTDもレッグロックもできる」

【写真】ケイド・ルオトロがONEを舞台にグラップリングの歴史を変えることができるか(C)SATOSHI NARITA

22日(土・現地時間)、マレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで開催されるONE Fight Night03「Lineker vs Andrade」でONEサブミッショングラップリング世界ライト級王座決定戦が組まれ、ケイド・ルオトロがウアリ・クルジェフと対戦する。

ケイドといえば9月に行われたADCC2022の77キロ級で4試合連続一本勝ちを飾り、19歳9カ月という最年少ADCC世界王者に輝いたばかり。今、最も注目されているグラップラーだ。

ADCCは前半がサブオンリー、後半からポイントという特殊なルールセットとなっているが、ONEはケージ使用のサブオンリーで極めが重視される。とはいえ、先のライト級王座決定戦=マイキー・ムスメシ✖クレベル・ソウザ戦のようにテイクダウンの攻防はスルーできるルールになっている。投げ、抑え、スクランブルというのはグラップリング競技の醍醐味の一つであり、ADCCでも勝負の行方を分けるキー・ファクターであった。

ルールの違いが、試合展開の違いを生むのは当然。それでもケイドの唯一無二のゴールは対戦相手を仕留めること。ルールによってプロセスが変化するが、ケイド自身はサンビストであり柔道家のクルジェフとの対戦を楽しみにしている。その理由こそ、グラップリングを見る側にとっても楽しめる要素となっている。

グラップリング=Do Sportsという壁を破るべき、世界最高のグラップラーの組み技、柔術論に注視してほしい。


──ADCCで世界一に輝いたグラップラーの多くが、暫らくは競技会から離れるかと思いますが(※88キロ級優勝のジャンカルロ・ボドニは10月23日開催のEBI=エディ・ブラボー・インビテーショナルに出場)、ケイドは10月23日にクアランプールで、ONEチャンピオンシップのサークルケージでサブミッショングラップリング世界ライト級王座を賭けてウアリ・クルジェフと対戦します。

「今回の対戦相手はサンボと柔道出身で、上半身への攻めが強力だ。うん、凄く楽しみだよ。サンビストはテイクダウンが強くて、レッグロックに秀でている。興味深いよ。テイクダウンとレッグロックって、ADCCのメイン・スタイルだからね」

──確かにその通りですね。

「ADCCにレスリングは必須だよ。レスリングを避けているようでは、絶対に勝てない。でもADCCに出ているレスラーの弱点はレッグロックなんだよ。サンビストは違うだろう? テイクダウンもレッグロックも強いクルジェフと、僕の戦いがどうなるのか。想像するだけでも、ワクワクしてくるよ」

──ムエタイやキックボクシング、MMAを見に来ているファンの前でのサブオンリーファイト、観客を満足させることを意識するとタップを奪うことが絶対です。そのような戦いを心掛けることで、ケイドはサブミッション・ファイターとして進化するのでしょうか。

「イエス、絶対的にね。ONEでの試合はサブミッションにフォーカスしている。ただし前回のシンヤ・アオキとの試合は、そこを意識する余りにミスが多かった。サブミッションを仕掛けすぎると、対戦相手のディフェンスへの意識は高まる。だから、あの試合は極めそこなってしまったんだ。僕はサブミッションに気持ちがいき過ぎていた。フィニッシュすることが、自分の役目だと思っていたんだ。決して僕自身のためじゃなくて、柔術のために必要だと考え過ぎていた」

──柔術のために? それはどういうことでしょうか。

「柔術は普及にもの凄く時間が掛かるスポーツだ。普通の人が視て楽しむことは、とても難しい。世界最高峰の黒帯の世界大会で、どれだけ退屈な試合が続くか。一般の人が見たら、10分間何も動きがない。ずっと同じことをしていると思われる。それが柔術の最高峰の戦いなんだ。

でもONEで戦う時はムエタイやMMAというエキサイティングなマーシャルアーツと見比べられる状況にあることを忘れてはいけない。だからこそ、次の試合でも必ずフィニッシュを狙うよ」

──観客がエキサイトするのは、サブオンリーかポイント制か、議論の余地があるかと思います。サブミッション決着は、ファンの求めるところでしょう。ただポイントがあれば、どちらが優勢なのか可視化できるという良さもあります。それにサブオンリーでは引き込みにより、テイクダウンの攻防がなくなることも多いです。

「テイクダウンの攻防がなくなるのは、僕の戦い方じゃない。僕はテイクダウンして、パス。そしてサブミットする。誰と対戦しても戦い方は変わらないよ。作戦も同じだ。テイクダウンが強い相手とレスリングで勝負する。そういう風に戦うことが、エキサイティングなんだ。そして素早くサブミッションを仕掛ける。もちろん、上手くいくかどうかは分からない。でも、僕のゴールは常にサブミッションだよ」

──柔術はポイントを取れば守って勝てます。ケイドは優勢でも、フィニッシュを狙うのですね。

「柔術ではサブミッションの前のポジションが重視される。そこがちょっと僕と違うところで。僕はポジションよりも、先にサブミッションを仕掛ける。ポジショニングを重視過ぎると、その先にあるサブミットするという意識が希薄になるからね。そして、守りのファイトになってしまう。

同様にサブミッションを意識し過ぎると、さっきも言ったように、相手が防御一辺倒になってしまって結果的には、エキサイティングな試合にならない」

──やはりグラップリングを観賞用スポーツとするのはハードルが高そうです。

「結果としてサブミットすれば良いんだよ。ただし、一つの技にトライしてタップを奪えないなら、違う技を仕掛けなければならない。ADCCでもノーポイントの時間帯からテイクダウンを取ってフィニッシュを狙った。でも一本を奪えないなら、ガードを取っても構わない。一つの技に拘ると、ポイント制だろうがサブオンリーだろうが、退屈な試合になってしまうんだ。

ミカ(ガルバォン)のガードからのアタックは同じことが繰り返されて退屈な試合になってしまう。僕はそういう戦いはしない。ミカがガードに固執すると、エキサイティングな試合にはならない。ガードが上手く機能しないなら、レッスルアップしてスタンドでレスリングをすれば良い。そういう風に戦い方を変えることで、グラップリングはエキサイティングなスポーツとして普及できるよ」

※ADCCを制した4試合、ステロイド・フリーの大会で「ナチュラルなのは僕とタイ(ルオトロ)、ロベルト・ヒメネスの3人だけ」(※注インタビュー中のケイドの発言)という爆発力とアイソメトリック・ストレングスの違い。2回戦のヒメネス戦、準決勝のPJ・パーチ戦、そして決勝のミカ・ガルバォン戦とJT・トレス論が聞かれたケイド・ルオトロのインタビューは、10月28日発売のFight & Life#93に掲載されます。

■放送予定
10月1日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE Fight Night03対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・リネケル(ブラジル)
[挑戦者] ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界ライト級王座決定戦/3分5R>
レギン・アーセル(オランダ)
シンサムット・クリンミー(タイ)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP決勝戦/3分3R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
シャミル・ガサノフ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
ウアリ・クルジェフ(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アミール・ナセリ(イラン)
内藤大樹(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
エイサー・テン・パウ(米国)
メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
ノエル・グホンジョン(フランス)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
ジヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

ONE162「Zhan vs Di Bella」

2022年10月21日(金・現地時間)
マレーシア クアラルンプール
アシアタ・アリーナ
ONE162「Zhan vs Di Bella」

■放送予定
10月21日(金・日本時間)
午後8時~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ) 選手権試合/3分5R>
チャン・ペイミエン(中国)
ジョン・ディベラ(カナダ)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
イスラム・ムルタザエフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ウインジソン・ハモス(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ムハマド・ブゥタサ(オランダ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジミー・ビエノ(フランス)
ニクラス・ラーセン(デンマーク)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
アルテム・ビュラク(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
チョーファー・トー・センティアノーイ(中国)
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)

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【ONE FC03】ケイド・ルオトロがワールドクラスのサンビスト&柔道家クルジェフとライト級王座決定戦

【写真】今最も旬のグラップラーが、抜群のタイミングで絶妙な相手と世界戦を戦う (C)SATOSHI NARITA

1日(土・現地時間)、ONE Championshipが10月22日(土・同)にマレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで開催するONE Fight Night03でケイド・ルオトロがウアリ・クルジェフとONEサブミッショングラップリング世界ライト級王座決定戦を戦うことを発表している。

2年11カ月振りとなるマレーシア大会、そして北米向けイベントに関しては既にONE世界ミドル級選手権試合=王者ライニア・デリダー×挑戦者シャミル・アブデュラエフ、ONE世界バンタム級選手権試合=王者ジョン・リネケル×挑戦者ファブリシオ・アンドラジという2つの世界戦が組まれることが明らかとなっていたが、ここに2階級目の組み技世界タイトル戦が加えられた。


5月のONE初戦で青木真也から判定勝ち。9月のADCC世界大会でラクラン・ディアスを腕十字、ロベルト・ヒメネスを内ヒール、PJ・パーチを腕十字、そして柔術の神の子ミカ・ガルバォンを内ヒールで下し77キロ級を制したケイドは、今一番勢いがあり旬のグラップラーといえる。

先週土曜日のONE FN02ではマイキー・ムスメシがクレベル・ソウザを判定で下し、フライ級のベルトを巻くなど──本格的にワンマッチ&サブオンリー&ケージグラップリングをイベントの軸に加えたONEにあっても、極めという部分においてケイドほどMMAファンや立ち技ファンの支持が得られる存在はいないだろう。

対するクルジェフは33歳のロシア人サンビストであり柔道家だ。クルジェフはサンボでは2011年と2012年、そして2019年と74キロで3度世界選手権を制しており、双子の弟のアリ・クルジェフは2013年の世界銅メダリスト、2017年は欧州選手権を制したサンビストでもある。

そのクルジェフは柔道でも、グランドスラムの73キロ級で優勝経験があり、グランプリ大会も同様に金メダルを1つ、銅メダルを3個獲得している。ケイドにとってもONEにとっても、クルジェフがワールドクラスのサンビスト兼柔道家という点において特色のあるマッチアップになる。

先のフライ級王座決定戦はマイキーとクレベル・ソウザともにIBJJF柔術のトップ同士であり、攻めることが前提のコンバットスポーツにおいて唯一といってよいほど守ること(※逃げることではない)が評価されるIBJJF柔術を勝つ抜く術が身についている。関節を狙う、攻めるという部分でも身を守る感覚が浸透しており、関節技を狙うマイキー、パスを狙うソウザと共に──実は相手の領域に踏み込んだ仕掛けは少なかった。柔術を知り抜いているが故に、水と油ように触れても交わらない攻防に終始し──よりルールセットに準じた戦いをしたマイキーが順当に勝者になった一戦だった。

その点、今回のケイドの相手クルジェフはサンボと柔道とトップアスリートであり、ケイドの領域で戦うとなると攻めるなら攻める、守るなら守るという風に掛け逃げ風のファイトにはならないはずだ。

そしてONEがケージのなかで行うサブミッショングラップリングは──最終的にはこのルールを用いる限りブラジリアン柔術を習得している選手が圧倒的に有利になるが──決してノーギ柔術ではなく、あらゆるスタイルの組み技格闘家がしのぎを削る場として世にアピールすることができる。

ずばりケイドが圧倒的に有利な王座決定戦といえるが、柔道家の投げと抑え、相手が立ち上がっても攻防が継続されるルールでサンビストの極めが如何に強力なのか。そんな組み技浪漫が可視化できる一戦だ。

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ADCC2022 JT・トレス MMA MMAPLANET o PJ・パーチ YouTube   アンディ・ヴェレラ ウィリアム・タケット エスペン・マティエセン クレイグ・ジョーンズ ダンテ・リオン ダヴィ・ハモス トミー・ランガカー ニッキー・ライアン ヘナート・カヌート ロベルト・ヒメネス 堀内勇 岩本健汰

【ADCC2022】高橋サブ&堀内勇がADCCを深掘り─03─。77キロ級、トップ4の力有り?! 岩本健汰

【写真】組み合わせは次第、力はベスト4に肉薄しているか──岩本健汰(C)HUYNH NGUYEN

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターで開催される2022 ADCC World Championship。2年に1度のグラップリング界最大のトーナメントが、コロナの影響で3年振りに開催される。

グラップリング界においても特殊なポイント制が用いられながら、世界最高峰の組み技の祭典を高橋Submission雄己とMMAPLANETグラップリング・ライター堀内勇氏が、独断と偏見と愛情をもって深堀り。第3弾は77キロのJT・トレスの対抗馬から、日本から出場する岩本健汰について話を続けてもらった。

<高橋Submission雄己&堀内勇、ADCC深堀対談Part.02はコチラから>


──おお、ニッキー・ライアンですか。

堀内 ダンテ・リオン戦でケガをして、その後にもう一度ヒザをやったようで。本当に復帰直後で、100パーセントとはいえないのでしょうが、「この2、3年レスリングを強化してきて、レスリングには本当に自信がある。ハンド・ファイティング、立ち技で相手を疲れさせることが重要だ。僕はJTと戦っても、レスリングで疲れさせることができて、もしかしたらレッスルアップもできるんじゃないか」という風に言っていました。

一方でミカの方は「JT、強いねぇ。1回戦でも決勝でも戦うのが楽しみだよぉ(笑)」っていう感じなんです(笑)。皆、それぞれがJT対策を練っているようです」

──ニッキーとJTが対戦して……ハンド・ファイティング、つまり組手争いをするということですよね。それが10分とか延長戦まで続くと思うと……。

堀内 アハハハハ。「加点でない時間帯は疲れさせる」と言っていたので、あとからチェックして最初の5分は早送りで良いかと思います(笑)。

高橋 アハハハハ。やっぱりケイドとニッキーかと思います。JTの嫌なことができそうなのは、ケイド。かき回してくれそうです。あとニッキーはB-TEAMのYouTubeとか視ていると、めちゃくちゃレスが強くなっていますね。ADCCルール的にレスリングの地力でJTに勝つこともあり得るかと。ミカ以外の対抗馬は僕もケイドとニッキーかなという感じです。

そういうなかでルーカス・レプリが欠場という残念な情報を見ました。

──レプリは実戦の感がどれだけ戻っているのかというのがあったのですが、残念です。JTのADCCの勝ち方でルールを理解して纏めてくる。それはIBJJF的フィロソフィーだという部分、実は岩本健汰選手に話題が進まないかと振りでした。

堀内 そういうことだったのですか(笑)。

──優勝、JT越えが現実的な話題かどうかは、さておいて日本からたった1人の出場選手で、B-TEAMで鍛えて本戦に挑む岩本選手に言及して欲しかったです。

高橋 う~ん……。

堀内 僕がスッと岩本選手の名前が優勝候補やそこに勝つというところで出てこなかったのは、やはり岩本選手と世界のトップの試合を見ていないからであって期待をしていないということは絶対にないです。

ツイッターを見せていただくと、B-TEAMで指導を代行したり、本当に凄いことだと思います。あのトップどころに短期間でそこまで認められて。ベン・エディにも勝っていますし。

高橋 地力は間違いなく、トップレベルに追随しています。僕も身をもって岩本さんの強さをロータスの練習で知っているけど、如何せん比較対象となるJTやミカと肌を合わせたわけでないので、肌感覚物差しでは話せない。そうなると過去の試合を見て、客観的な分析からルールに合う部分を揃えて勝敗予想をしていきたいですけど、こっちの物差しで測ろうとすると岩本さんの試合データがなかなかなくて、比べることが難しい状況です。

──となると、過去の実績で評価してしまうのが世の常ですね。それとアジア&オセニア予選の優勝者が、過去にどういうリザルトだったのかが判断材料になってしまいます。

高橋 ただB-TEAMで認められていて、組み技のレベルとしてトップグループに追随している。あとスタイル・マッチアップを考えると岩本さんはサブオンリーでなく、ADCCルール向きです。この条件でいうと、ベスト4候補のニッキーと練習して認められている。しかもニッキーに立ち技を教えていたりしています。そうなるとスタイルはADCCにバッチリ合っていて、組み技のレベルでトップに追随しているという理屈だと、ベスト4に食い込んでくる候補として挙げても良いのかもしれないとは思います。

──ベスト4候補というのは、ベスト4に入る力の持ち主ということですね。ただし、組み合わせで次第で、それこそ初戦でJT、ミカ、ケイド、ニッキーと当たることもあります。

堀内 アジア&オセアニア予選の優勝者は第1シードか第2シードに当てられる印象が強いです(苦笑)。

高橋 そこを乗り越えても、消耗するだろうし不利になってきますね。

──ではトーナメント枠を取っ払って16人の枠のなかで順位をつけるとすれば、現在の岩本選手は何位になると思われますか。

高橋 ベスト4はあると思います。

──堀内さんは?

堀内 僕は……そこは分からないです。でも、本当に期待しています。最後にエントリーされたマジット・ヘイジとかには勝って欲しいです。他の選手もトミー・ランガカー、オリヴィエ・タザ、ウィリアム・タケット、先に名前が出ていてもおかしくないロベルト・ヒメネス、ラクラン・ジャイルズ、ダヴィ・ハモス、ヘナート・カヌート、PJ・パーチ、アンディ・ヴェレラは少し落ちるかもしれないですけど。

──言うて石井慧選手にSUGで勝っていますし。

堀内 それだけ凄い選手しか、いないってことなんですよね。

高橋 俺、今挙がった中の選手だったらヴェレラ、バーチ、タケット、なんならラクランだと岩本さんが勝つかなって思っています。ただ、そこと1回戦で当たることがないんですよね。でもフラットに見たら、それぐらいの強さを岩本さんは持っていると思います。

──ならADCCだけでなく、世界のプロ・グラップリングの場に挑戦する姿も見たいですね。

高橋 ただしADCCルール向きというのは有ると思います。ルール云々でなく、組み技全体の総合力という部分では、岩本さんはトップレベルにいるんじゃないかと……いて欲しいという希望的観測はあります。触れてみて、凄く強いと思うから。岩本さんがボコボコにされたら、そのレベルってどうなんだって──となってしまうので。

堀内 ブラジル、そして米国ばかりだったころに北欧からランガカー、エスペン・マティエセン、豪州からラクランとクレイグ・ジョーンズが出てきたように、極東から岩本選手がバーンと来たら、本当に夢がありますよね。

──この場で、このメンバーと戦って、勝負論まで語ることができる日本人グラップラーが過去にいたのかということですし。

高橋 本当にそうですよね。

<この項、続く>

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