カテゴリー
45 BIFC01 MAGISA MMA MMAPLANET o Wardog Wardog44 Wardog45 YouTube しゅんすけ キム・ジョンビル 柿原勇気 荒木凌

【Wardog45】関西インディーMMA2024、新フライ級王者決定Tが開幕。本命しゅんすけ、対抗は荒木

21日(日)、大阪市港区の世界館でWARDOG CAGE FIGHTが2024年第一弾興行「Wardog45」を開催する。今大会では空位のフライ級王座決定トーナメントが行われることとなった。
Text by Shojiro Kameike


昨年10月、WARDOG44のメインイベントで当時のフライ級王者MAGISAが、挑戦者しゅんすけからテイクダウンを奪い続け王座防衛を果たした。直後、MAGISAはベルト返上を発表し、それを受けた柿原勇気WARODG代表が2024年にフライ級新王者決定トーナメント開催を約束している。

そのトーナメントが2024年第一弾興行で早くも実現された。4人制のトーナメントで今回は準決勝2試合——しゅんすけ×太一、荒木凌×有末拓未が組まれている。これまでの実績でいえば本命しゅんすけ、対抗が荒木凌となるだろうか。

しゅんすけと荒木は昨年7月、フライ級王座挑戦権を賭けて対戦し、しゅんすけが2Rにパウンドアウトした。しゅんすけの戦績は5勝3敗で、5勝は全てフィニッシュによるものだ。前回のMAGISA戦はトップコントロールで優位に立たれ敗れたものの、ここ最近はアナコンダチョークからジャパニーズ・ネクタイへの連携に鋭さを見せている。相手の首を刈ることができずに終わっても、そのままマウントへ移行しパウンド連打を浴びせることもできる。

荒木も5勝6敗というキャリアの中で、5勝のうち判定勝利は1試合のみ。荒木は昨年10月に韓国プサンで開催されたBIFC01でキム・ジョンビルにシングルレッグを切られ、パウンドアウトされた。しゅんすけ戦に続くKO負けでダメージも心配されるところだが、テイクダウンとスクランブルの攻防が課題という点は、しゅんすけと同じだろう。

荒木にとってはリベンジも賭けたしゅんすけ戦を実現させるためには、まずはトーナメント準決勝をクリアしなければならない。しゅんすけと対戦する太一は前王者MAGISAが主宰するジム「booM」の所属であり、MAGISAが返上したベルトは欲しいところ。しかし今回の試合がプロデビュー戦で、ここは今後のキャリアアップのための試合と捉えてほしい。それは荒木と対戦する有末にも同じことが言える。

とはいえ、小径ケージの中では何が起こるか分からない。それが関西インディーMMA、ワードッグだ。単なる試合結果だけではない――課題と成長、あるいは突如ともいえる新鋭登場の可能性も否定できない。そんな興味深いフライ級トーナメントだ。


■ Wardog45 対戦カード

<WARDOGフライ級王座決定T準決勝/5分3R>
しゅんすけ(日本)
太一(日本)

<WARDOGフライ級王座決定T準決勝/5分3R>
荒木凌(日本)
有木拓未(日本)

<女子フェザー級/5分2R>
パインメーカー☆ウエダマオ(日本)
キム・ヨンジ(韓国)

<ライト級/5分2R>
アンディ・サカイ(日本)
そのまんまたなか(日本)

<バンタム級/5分2R>
カーレッジユウキ(日本)
カズキ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
SAIDER(日本)
成田佑希(日本)

<NGF ライト級/5分1R>
辻純也(日本)
翔(日本)

<NGF ライト級/5分1R>
中村斗軌(日本)
岡野佑樹(日本)

<NGF ライト級/5分1R>
永井康勢(日本)
草壁陸斗(日本)

<NGF バンタム級NGF/5分1R>
それゆけケイタっち(日本)
よっちゃん。(日本)

<NGF バンタム級/5分1R>
涼河(日本)
小西澄斗(日本)

<NGF フライ級/5分/1R
PANTHERBOYショウ(日本)
塩川玲斗(日本)

<NGF フライ級/5分1R>
金本魁羅(日本)
真鍋陸(日本)

<キッズMMA 58kg以下/5分1R>
池田大樹(日本)
谷口和寿也(日本)

<キッズMMA 50kg以下/5分1R>
山崎正道(日本)
キンコンカンコンショウチャンンマン
キンコンカンコンショウチャンマン(日本)

The post 【Wardog45】関西インディーMMA2024、新フライ級王者決定Tが開幕。本命しゅんすけ、対抗は荒木 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MAGISA MMA MMAPLANET NEXUS o Wardog Wardog44 しゅんすけ 修斗 冨樫健一郎 柿原勇気

【Wardog44】8年半ぶりのワードッグで感じたこと――日本版フィーダーショー、人材育成の在り方

【写真】柿原勇気代表から防衛したベルトを受け取ったMAGISAが、返上を表明して柿原代表に戻した。そんな卒業式を受け入れるのが、ワードッグの在り方でもある (C)MMAPLANET

22日(日)、大阪市港区の弁天町世界館でWARDOG CAGE FIGHT44が開催された。メインイベントではフライ級選手権試合が行われ、MAGISAがしゅんすけを判定で下し、王座の初防衛に成功している。
Text by Shojiro Kameike

MMAPLANETが初めてワードッグについて報じたのは2015年3月に開催された第2回大会だった。あれから8年半の時が経ち、大会数も44に達したワードッグの現在と、関西フィーダーショー=人材育成についてお伝えしたい。


<WARDOGフライ級選手権試合/5分5R>
MAGISA(日本)
判定3-0
しゅんすけ(日本)

メインイベントでフライ級王座を防衛したMAGISAが、柿原勇気ワードッグ代表に驚きの発言を行った。「このベルト、返上しても良いですか? 僕の現役生活もあと2~3年だと思うので、他の団体でも勝負してみたい。それと今日対戦した、しゅんすけ選手のような若い選手たちにもチャンスを与えたい」――このMAGISAの言葉を受けて、柿原代表はその場でベルト返上を了承。MAGISAからベルトを受け取り、来年にフライ級トーナメントを開催する旨を語った。

MAGISAはレスリングで日体大まで進んだあと、地元である岡山県でMMAを始めている。プロデビューは2012年、MMAキャリアも10年を超えるベテラン選手だ。現在はWARDOGを主戦場とし、昨年10月に岡山市内で『MMAジムblooM』を立ち上げた。さらに練習のため、パラエストラ広島や山口県岩国市のレオス柔術アカデミーまで赴くこともある。今大会では、パラエストラ広島の冨樫健一郎代表がセコンドに就いていた。

今大会の王座防衛戦ではフルラウンドにわたり、しゅんすけからテイクダウンを奪い続け、トップキープで判定をモノにした。しゅんすけは1RこそMAGISAのシングルレッグをスプロールしたものの、後半になると背中を着かされる場面が増えてくる。それも一度は組んできたMAGISAを抱えながら、しぶとく粘られると根負けしているような印象を受けた。試合後、MAGISAは勝因として「経験の差」を挙げている。

しゅんすけはプロMMA戦績こそ5勝3敗だが、その前にワードッグのNGF=New Generation Fightで経験を積んでいた。MAGISAの言うように、テイクダウンやスクランブルの競り合いの中で経験不足を露呈した印象だ。しかしフライ級の中では恵まれた体躯に加えて鋭いストレートと蹴り、4Rにアナコンダチョークを極めかけたグラウンド技術には将来性も感じさせる。そんな打撃とグラウンド技術を繋ぐテイクダウンやスクランブルの攻防を育てるためにも、ケージ&ユニファイドルールは必要だ。

このルールで女子の試合が組まれるのは、近畿圏では珍しいといえる

5分1Rでユニファイドの経験を積むための戦いは、ワードッグ主催者が「セミプロ枠」と呼んでいるように、いわゆるプロMMAではない。今大会で見られたような、積極的にフィニッシュを求める試合内容も、5分1Rという短い時間だからこそ可能な面はある。

とはいえ、プロデビュー前からユニファイドを目指したルールで戦える経験は大きい。まだまだ選手層が厚いとはいえない各地域のジム、あるいはMMAイベントの中で経験できないルールと攻防がNGFにはある。NGFの効果がまだまだ先のことかもしれない。しかし、その芽は大阪の小さな劇場で生まれつつある。

現在、blooMには修斗などプロMMAはもちろん、ワードッグのNGF出場者まで20名近い選手がいるという。すでに大阪をはじめとした近畿エリアだけでなく、中国地方でもNGF枠による選手育成の輪が広がっている。そしてMAGISA自身も来年1月28日に岡山県笠岡市で自主興行を開催し、その中でNGFと同様に5分1Rの試合を組む予定とのことだ。

柿原氏はインタビューの中で、同じフィーダーショー的な位置づけの団体としてNEXUSを挙げた。発表こそできないものの、日本に存在するフィーダーショー的イベントと交流し、MMAの底辺拡大の輪を日本全国に拡大していくプランもあるという。そこにワードッグのNGF枠に選手を送り出しているMAGISAの自主興行も、来年の興行はリングを使用するとのことだが、いずれ同じフィーダーショーの輪に加わってくるのだろうか。今後のNGF、そして小径ケージ&ユニファイドから広がっていく選手育成の輪に注目していきたい。

The post 【Wardog44】8年半ぶりのワードッグで感じたこと――日本版フィーダーショー、人材育成の在り方 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MAGISA MMA MMAPLANET NEXUS o RIZIN Wardog Wardog44 しゅんすけ 柿原勇気 海外

【Wardog44】関西フィーダーショー=ワードッグ柿原勇気代表─02─「選手を囲い込んでも強くなれない」

【写真】今大会のメインはMAGISA×しゅんすけのフライ級選手権試合(C)WARDOG

22日(日)、大阪市港区の弁天町世界館でWARDOG CAGE FIGHT44を開催する、柿原勇気代表のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

立ち上げから来年で10年目を迎えるワードッグから、他団体に出場する選手も増えてきた。柿原代表はワードッグに出場している選手を囲い込むようなことはしないという。「チャンピオンになったら、どこに出ても良い。他でワードッグの名前を広めてほしい」と語る、柿原代表とワードッグにとっての選手育成とは?

<柿原勇気代表インタビューPart.01はコチラから>


――ワードッグがスタートした時、地下格闘技の方面から反発はなかったのですか。

「当時は良く思われていなかったんじゃないですか。でも今は選手を囲うようなことをしたら選手のほうから離れていく。それは地下格闘技の主催者やチームも分かってきていて、ちゃんとMMAをやりたい選手をワードッグに出してくれるようになりました。

選手も選手で、コンプライアンスというものが分かってきましたよね。細かい法律の内容はともかく、『こんなんしたらアカンな』ということは知るようになってきました。みんな変わらざるをえなかったんです。主催者もチームも、行儀が悪い連中は切らざるをえない。そういう選手がいると、格闘技を続けていかれへんから」

――ワードッグが継続されるなかで、練習面でも意識は変わってきたのでしょうか。

「技術的な面もそうです。たとえば地下格闘技で腕に覚えがある子が、ウチのジムへ練習しに来るじゃないですか。まずスパーでウチの選手が完全に漬けて、『このレベルではワードッグに出ても勝たれへんよ』と教えます。地下格闘技は、寝かされたら立てない場合が多いです。でも、やる気のある子たちは一度やられたら、寝技を学ぼうと自分で柔術の道場を探したり、レスリングの練習をするようになる。ちゃんとMMAを勉強したうえで、さらに自分の良いところを伸ばそうとする――そうやって変わっていかざるをえなくなりますね」

――本当にイチから、ということなのですね。そうして選手を育成しているワードッグにとって、新生グラジエーターはどのような存在だったのでしょうか。

「共存共栄という言葉があるじゃないですか。別に共存するつもりはありません。存在するには各々が頑張っていれば良いことやから。でも共栄――共に栄えるために、一緒に何か考えていきましょう、という話をグラジエーターの櫻井(雄一郎代表)さんとしています。

グラジやRIZINにも出場経験のあるストロー級王者、中務 修良が11月4日、韓国でGFCフライ級王座ウ・ジウォンに挑戦する。

結局、考えて辿り着くところは同じなんですよ。先ほどお話したとおり、登っているのは格闘技……MMAという同じ山やから。たとえば今、グラジエーターさんは海外から強豪を呼んでいますよね。我々は以前から韓国に選手を派遣してきました。もう日本人選手だけで試合を組んでいても強くなれない。国によって、いろんなMMAのやり方がある。それを知ることも選手の今後にとって、大きな財産になると思います。今や一つの団体が囲い込んでいては、選手も強くなれないわけで」

――はい。

「自分の中に『日本なら、この団体で華を咲かせよう』と決めることは大切です。一つの団体で強くなれないのに、他の団体に行って勝てるかどうかは分かりません。でもWARDOGとしてはチャンピオンになったら、次にどこで試合しても良いです。ただ、他の大会に出る時も僕が窓口になっています。それはワードッグが選手を囲みたいわけじゃなくて――契約とか、そういうことも分からない子たちばかりなんですよ(苦笑)。ウチのチャンピオンになって、○○に出てみたいけど、どうやって交渉すればいいのか分からない。だったら僕が話を聞いてみるよ、というだけで。そのほうが選手も、他の団体さんも楽やと思うんです」

――他団体との契約方法まで含めて、イチから育てていくということですか。

「海外の大会へ派遣するのも、海外への行き方も学んでほしいという気持ちもあるんです。昔の話ですけど、韓国の試合が決まって飛行機も決まった選手が『15分前集合で良いですか?』と言ってきて。『良いわけないやろ! 飛行機に乗ったことないんか!?』と(笑)」

――アハハハ! そう考えると、MMAをやっていなければ人生で経験しなかったかもしれない、ということも多いかもしれません。

「そうなんですよ。だから、いろんなことを経験してほしいし、学んでいってほしい。極論すると、ワードッグを経験したあとに何をしようと別に構わないんです。そのままプロになってMMAを続けるでも良いし、ブレイキングダウンに出たければ出ても良い。全く違う仕事に就いても良いです。何であっても、ここで教わることは格闘技だけじゃなく、その後の人生にとっても絶対に必要なことやから」

――初期ワードッグで印象深かったのが、アマチュアの試合で韓国人選手や日系ブラジリアン選手と対戦できていたことです。アマチュア時代に、あの経験はとても大きい。

「今はアマチュアを止めてNGFに移行していますね。日系ブラジリアンの場合も、地下の選手と同じパターンなんですよ。彼らは柔術以外の試合に出場する方法が分からなくて。あと韓国からも、やっぱりMMAの経験を積みたいという話が結構来るんです」

――本当にイチから育てる、まさに日本版フィーダーショーですね。

「フィーダーショーという言い方をすれば、NEXUSさんはコンセプトも同じで、代表の山田さんとは話が合いますね。今はNEXUSさんと選手の行き来はないけど、いずれフィーダーショーとして何かしら協力関係をつくっていくことがあるかもしれないです」

――では次の大会について見どころをお願いします。

「まずはメインですね。MAGISAはレスリングの実績もあるベテランで、しゅんすけは初めて見た時に『コイツは強くなるな』と思った新鋭です。そういう分かりやすい試合ですね。このタイトルマッチで勝った選手に、ワードッグ王者として海外の試合を経験させたいです。あとはライト級のマッチメイクが多くなっていますが、この階級は来年のタイトルマッチに向けて挑戦者を決めていきたいと思っています。あとはぜひNGF枠で選手がイチから育って羽ばたいていく過程を、ぜひ見てください。よろしくお願いします!」

■WARDOG44対戦カード

<WARDOGフライ級タイトルマッチ/5分5R>
[王者]MAGISA(日本)
[挑戦者]しゅんすけ(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
そのまんまたなか(日本)

<ライト級/5分2R>
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)
ユン・チュル(韓国)

<フェザー級/5分2R>
DAIGO(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
前田慶次(日本)
SAIDER(日本)

<バンタム級/5分2R>
セイヤ(日本)
カーレッジユウキ(日本)

<フライ級/5分2R>
岩本尚(日本)
よしひと(日本)

<グラップリングマッチ ウェルター級/5分1R>
坂本オーズ昌良(日本)
ジャンジュオン(韓国)

<グラップリングマッチ ライト級/5分1R>
白樫忍者(日本)
ユ・エンホ(韓国)

<NGFライト級/5分1R>
だいち(日本)
REN(日本)

<NGFフェザー級/5分1R>
RYUSHI(日本)
淳平

<NGFバンタム級/5分1R>
アダチコウキ(日本)
それゆけケイタっち(日本)

<NGFバンタム級/5分1R>
涼河(日本)
将太(日本)

<NGFフライ級/5分1>R
小西澄斗(日本)
PANTHERBOYショウ(日本)

<NGFフライ級/5分1R>
太一(日本)
真鍋陸(日本)

<NGF女子ストロー級/5分1R>
プリンセス☆サアヤ(日本)
チャッキー☆ルビ(日本)

The post 【Wardog44】関西フィーダーショー=ワードッグ柿原勇気代表─02─「選手を囲い込んでも強くなれない」 first appeared on MMAPLANET.