カテゴリー
45 LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2023 Road to UFC2023Final Special UFC チーニョーシーユエ ハニ・ヤヒーラ マーク・クリマコ ユライア・フェイバー 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥 鶴屋怜

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:2月 鶴屋怜×チーニョーシーユエ「どう原石が磨かれるか」

【写真】練習仲間たちは、まさに渡辺を送り出す。そんな空気に包まれていた(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年2月の一番──2月4日に行われたRoad to UFC2023Finalの鶴屋怜×チーニョーシーユエ戦について、担当・中村の「取材は3月31日だったのでギリギリOK」という言い訳と共に語らおう。


――取材日が3月31日ということで……ギリギリ2月の「今月の一番」で間に合ったということでよろしくお願いします(笑)!今回は鶴屋怜×チーニョーシーユエをピックアップしていだきました。

「トーナメント全体を見て鶴屋選手の強さが際立っていたと思いますし、特化している技術でトーナメントを勝ち抜いた凄さもあったと思います。これからUFCで試合を重ねていくことで、21歳の彼がどう仕上がっていくのかを楽しみにしています。この試合そのものを推したいというよりも、これからの鶴屋選手への期待感も込めて、この試合をセレクトしました」

――鶴屋選手はレスリングのバックボーンがありますが、テイクダウン&トップキープという手堅い戦い方ではなく、色んなことにトライする思い切りのよさが特徴的なファイトスタイルだと思って見ていました。

「だからこそ準決勝でマーク・クリマコとフルラウンド戦ったことが大きな経験になったと思っていて。あの思い切りのいいスタイルをUFC本戦でもやりきるのは大変だと思うんですよ。Road to UFCの選手たちは決してトップレベルではないですし、それで今のスタイルをやりきれている部分もあると思うので。逆にクリマコはLFAでもキャリアがある選手なので、ああいった試合の経験も踏まえてUFCでどんな戦い方をするのか注目したいです」

――例えば首投げからの袈裟固め。あれは鶴屋選手の必殺技であり、得意な形である一方、UFCの本戦レベルの選手に対してはリスキーな技なのかなとも思ってしまいます。

「そうなんですよ。ただ、今の鶴屋選手はダイヤの原石だと思うので、ここからどう原石が磨かれていくかですよね」

――自分の武器をどうぶつけるか。ユニファイドルールや北米の選手と戦ってどう勝つか。UFCにチャレンジする選手はそのバランスが一つの壁だと思っています。

「今のスタイルのままでいくと、いずれ大きな壁にはぶつかると思います。それは本人もチームのみなさんも考えていることだと思いますし、UFCのトップ選手たちと戦う前にUFCでの戦い方・勝ち方を身につけてほしいです。UFCとしても鶴屋選手を将来性のある存在的な扱いで、ちゃんと段階を踏んだ相手を用意してくれると思うので、そこで一戦一戦成長しながら勝っていく。

そして最終目標までたどり着いてほしいです。だからこそ鶴屋選手のUFCデビュー戦が決まる前にRoad to UFCの試合を再チェックしておくと、鶴屋選手の進化や変化も分かって、日本のUFCファンにとってはすごくいい楽しみ方もできると思います」

――そういう意味ではいきなり本戦契約するのではなく、Road to UFCから実績を積んでトップ選手と勝負できる環境は遠回りのように見えて充実したキャリアの作り方とも言えますね。

「はい。それこそ僕はCAGE FORCEのトーナメントで優勝して、WECデビュー戦の相手がミゲール・トーレスでタイトルマッチでしたからね(笑)」

――北米デビュー戦の相手がいきなり当時の軽量級世界最強(笑)。

「すごく貴重な体験でした(笑)。今はUFCのオペレーションのなかで、試合が決まる→試合までの練習・準備をする→試合当日を迎えるという流れを経験できる場があるので、それはすごく大きいと思いますね」

――UFCというピラミッドの一番下からキャリアを積み重ねることは決してネガティブではない、と。

「むしろポジティブな要素の方が多いと思います。しかも今UFCで戦っている日本人はみんな若いですし、慌てて試合を重ねるのではなく、今のUFCのレールに乗って、キャリア相応の相手と戦って、着実に上に上がっていくといいと思いますね。平良(達郎)選手はまさにそうじゃないですか。2人とも同じフライ級で、同門のような存在だと思いますが、この2人がランキングを駆け上がってUFCのベルトをかけて戦うことになったら、日本のMMAは盛り上がると思います」

――水垣選手の戦績を振り返ると、WEC・UFC参戦当初は勝ち負けを交互に繰り返して、徐々に勝ち星を伸ばしていくキャリアだったんですね。

「今は契約満了まで試合をやらせてもらえることも多いですが、当時は2連敗したらリリースされるという暗黙のルールのようなものがあったので、毎回崖っぷちの感覚で試合をして、何とかサバイブしていましたね。だから一戦一戦を何としてでも勝たなければいけなかったし、そのプレッシャーも大きくて、自分を成長させる余裕や時間はなかったなとも思います。もう少し時間的な余裕があって、自分を成長するための時間を作れたら、もうちょっと変わった自分を出せたのかなとも思っていて。そういう意味で鶴屋選手はすごくいい環境にいると思うので、自分を磨いて強くなって欲しいなと思います」

――水垣選手がWECで戦ってきた相手も錚々たる選手たち(ミゲール・トーレス(戦)、ジェフ・カラン(戦)スコット・ヨルゲンセン(戦)ハニ・ヤヒーラ(戦)ユライア・フェイバー(戦))ですし、あそこで米国で勝つ術を覚えたことがUFCでの5連勝にもつながったと思います。

「WECの5戦は本当にきつかったですけど、自分を成長させてくれた試合でしたね。WECは一階級の契約選手が20選手くらいで、当時のバンタム級のトップ20人が集まっているような状況だったので、毎回がトップランカーとの対戦だったんです。なかなかタフな戦いでしたけど、今思えば一番充実していた、楽しかった時期だったかもしれないです」

――今回も水垣選手らしいコメントをありがとうございました!

「Road to UFCという注目される舞台を経てUFCで戦う。そこで選手が成長していく、チャレンジしていく過程を見ていくのは今のUFCの楽しみ方だと思うので、鶴屋選手の成長とチャレンジにも注目したいと思います」

The post 【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:2月 鶴屋怜×チーニョーシーユエ「どう原石が磨かれるか」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP DEEP JEWELS DEEP Tokyo Impact DREAM K-1 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase341 PRIDE TATSUMI   キック パンクラス ボクシング 五明宏人 修斗 大沢ケンジ 天弥 松本光史 極真会館 海飛 鈴木崇矢

【DEEP Tokyo Impact2024#01&Pancrase341】極真空手出身、海飛&天弥「打撃の回転力と威力が違う」

【写真】性格や考え方は違うが、自信は同じの極真空手出身ブラザーズ(C)SHOJIRO KAMEIKE

和術慧舟會HEARTS所属の兄弟ファイター、海飛&天弥が共に試合を迎える。海飛は24日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2024#01でTASUMIと、天弥は31日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで行われるPancrase341で松本光史と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

地元の山口県で極真空手を学んだ2人は、MMAファイターとなるため上京した。しっかり者の兄・海飛と、ヤンチャな弟・天弥というイメージが強い。なぜ二人が極真空手を始め、そしてMMAに辿り着いたのか。いろいろと異なる両者の考え方から、それぞれの個性が浮き彫りになる。


――お二人は極真会館山口支部の出身とのことですが、極真空手は一緒に始めたのですか。

天弥 年齢が6歳ぐらい離れているので、僕のほうがだいぶ後ですね。

海飛 まず僕が4歳の時に極真空手を始めました。もう20年前になります。

天弥 ということは、自分が生まれる前の話ですね。すげぇ(笑)。

海飛 アハハハ。僕は母に道場へ連れていかれたことがキッカケでした。当時は気持ちが弱い感じの子だったらしいんですよ。もっと強い気持ちを持てるようにと、極真空手の道場に入会させたと聞いています。

天弥 母ちゃんは伝統派空手の道場にも行って、「当てないのは意味ない」とか言っていましたよ(笑)。格闘技だから当てるべき、と思っていたんでしょうね。父ちゃんも不良だし。

海飛 その世代だと、地域で誰でも知っている3兄弟だったらしいです(苦笑)。

天弥 その父ちゃんがPRIDEとかK-1が大好きで、ずっとテレビで格闘技を視ていました。もしかしたら子供を格闘家にさせたいと思っていたかもしれないけど、最初は父ちゃんのほうが空手をやることに乗り気じゃなかったんですよ。

海飛 自分が成績を残し始めてから、子供の格闘技に力を入れ始めたっていう記憶がありますね。僕たちは4人兄弟で自分が長男、天弥が三男で。次男と四男は、それほど長くは空手を続けませんでした。

――幼少期に空手を始めた頃の記憶はあるのですか。

海飛 あります。まず見学に行った時、道場にいる人がみんな優しくて。それで自分も楽しくなって入会しました。

天弥 自分もそうですね。最初に戦隊ヒーローの変身グッズを身につけて道場に行ったんですよ。みんながそれで可愛がってくれたのが嬉しくて入会しました。

――皆さん、地元では小学生の時から有名な空手兄弟だったのでしょうか。

天弥 地元の新聞では何度も紹介されていましたね。自分は中四国大会を6連覇していて、全国大会や国際大会でも3位になりました。

海飛 僕は小学校の時に弱くて、中国地方大会で3位とか、全国大会でも入賞できないぐらいでした。次男も天弥も、めちゃくちゃセンスがあるんですよ。ずっと自分よりも結果を残していて、同じ空手をやっている身としては歯がゆかったです。でも弟たちだから嬉しいし、自分も早く追いつきたいと思っていましたね。

――極真空手の世界大会や全日本大会を取材していた頃に、一つ印象に残ったことがあります。極真空手の大会はセコンドにつく人数が多いのですが、服装がバラバラの道場よりも、チームTシャツなどで揃えている道場の選手が勝ち上がるケースが多くて。

天弥 あぁ! 確かに。

海飛 ウチの道場もそうでした。山口県支部全体で土日は集まり、合同稽古や合宿をしたりとか。そういうのって大切だと思います。ウチはまた四男が強くて、小学生なのに下段蹴りが強くて県大会も優勝していました。

天弥 全然かわいくない小学生だ(笑)。

海飛 僕たちでも食らったら痛いぐらいで、周りの子たちも練習を嫌がるレベルでした。

――お二人は空手時代、何の技が得意だったのですか。

天弥 自分は左ディですね。

海飛 天弥は子供の頃から当て勘が良くて、空手の試合でもバンバン左ボディを当てるんです。

――子供の試合であればボディでも真っ直ぐの突きを胸元に当てることが多いと思いますが、そうではなく完全に左ボディブローだったのですね。

海飛 子供の試合もボディのプロテクターはなくて。それなのにバンバン左ボディを打つんですよ。

天弥 めちゃくちゃ得意で、それはMMAをやっている今でも同じですね。

海飛 僕は昔から蹴りが得意でした。左上段蹴りや顔面ヒザが好きで。なぜか兄弟全員でファイトスタイルが違うんです。

天弥 あれ、なぜなんだろうね?

海飛 天弥は4歳の時に空手を始めた時から、バンバン左ボディを入れていたよ(笑)。年長さんのクラスで優勝した時も左ボディで技ありを取っていて。

天弥 何だろうなぁ……。当時から殴るのが好きだったんだよ(笑)。

――お二人はヤンチャな道には進まなかったのでしょうか。

海飛 それは天弥だけですね。地元の公立校は荒れていて、僕は私立に入りました(笑)。

天弥 アハハハ。でもピークは小6ぐらいでしたよ。それが中2~3ぐらいに落ち着いて。

海飛 グレるのも落ち着くのも早すぎるよ!

天弥 単にやることがなかったんですよね。みんなテレビゲームが好きだったけど、自分はそうでもなくて。家にいても楽しいことはないし、外に出て○○の方法を覚えて××をやるようになったりとか。

――……書けない話はやめましょうか(苦笑)。

海飛 兄としては心配でしたよ。とにかく親や他の人に迷惑をかけることはないように、と注意していて。

――すごい世界観です。格闘技の話に戻しますが、空手をやっている頃からプロのMMAファイターになりたいと思っていたのですか。

海飛 僕はずっとプロになりたいと思っていました。

天弥 自分は何も考えていなかったですね。ただ強いヤツとやり合うのが好きで。

海飛 MMAをやるために僕が先に東京に来ていて。当時は天弥が高校に進むかどうか、という話になっていたんですよ。でも天弥は本当に空手の才能が凄くて――正直、それほど練習していないのに強かったので(笑)。

天弥 アハハハ!

海飛 それなら格闘技をやったほうが良いと思い、天弥を東京に来るように誘いました。「本人がやりたいと思うなら、東京に来れば良い。東京では自分が一緒に住むから」と。

――弟想いのお兄さんですね……。海飛選手はなぜ上京したのですか。

海飛 MMAをやるなら東京が最先端だと思ったからです。それでジムを見学しようと思って、最初にこのHEARTSに来ました。もともと大沢ケンジさんのことはテレビ解説とかで知っていて。実際に来てみて話をしているうちに、大沢さんの選手との距離感が好きになったんです。それでHEARTSに入ろうと決めました。

――天弥選手は、海飛選手が上京してMMAファイターになっていくのを、どのように見ていたのですか。

天弥 特に――何も(笑)。

海飛 弟たちは3人とも、僕には全く興味がないです。

天弥 MMAやるには線が細いんじゃないか、っていうぐらいですね。アハハハ。

―ちなみに四人兄弟で、他のお二人は……。

実は四人兄弟。他の2人にも期待したいところだが……(C)SHOJIRO KAMEIKE

海飛 次男は空手を辞めてバスケットボールを始めたのですが、今は山口県の有永道場Team ResolveでMMAをやっています。

天弥 去年、MMAを始めて2~3カ月ぐらいでアマチュア修斗の山口トーナメントで優勝していましたよ(※注)。今年は全日本選手権に出るかもしれないです。

海飛 四男はMMAをやっていなくて。全日本選手権は呼んだら見に来るかな……。

注:次男は吉村大地。有永道場Team Resolve所属で、昨年12月に山口県で開催されたアマ修斗オープントーナメントでウェルター級を制し、取材後の3月17日にも同トーナメントで優勝している。

――上京した時期は1年も違わないお二人ですが、プロのキャリアは海飛選手が10戦で天弥選手が3戦という試合数の差は何か理由があるのでしょうか。

海飛 僕のプロデビューが早すぎました。MMAを始めて半年ぐらいでアマチュアパンクラスやDEEPのフューチャーキングも優勝して、さらに格闘DREAMERSの相手役に選ばれて勝ったじゃないですか。それでプロデビューしなきゃいけない、という流れになり……。

やっぱりMMAを始めた当初は、レスリングや寝技が大変で。最初は『殴れば勝てるでしょ』と思っていたし、実際にアマチュアで勝っていました。でもそれは打撃貯金で勝っていただけでしたね。だからプロデビューしてからは苦しかったです。2連勝して2連敗、また2連勝したあとに3連敗で――最後は減量にも失敗してしまったので。もうメンタル的には地の底にいるような感じでした。

――その状態から、いかに立ち直ったのですか。

海飛 前回の五明戦は、とにかくメンタルを安定させようって考えました。やっぱり気持ちがフワフワしていると勝てないですよね。打撃は国内でもトップクラスだと思っています。組技はそこまでではないけど、自分はできると信じる。ちゃんと自信を持って試合に臨めば勝てるという気持ちで戦いました。要は自分自身に勝てるかどうか、ですよね。

――その五明戦は、とにかく相手が嫌がることをやり通したという印象です。

海飛 はい。相手がやりたいだろうと思っていることを全部潰しました。五明選手は伝統派空手のチャンピオンで、踏み込みの幅もスピードも凄いじゃないですか。その踏み込みから来る左ストレートが強くて。だからまず相手の踏み込みを、カーフキックで潰したんです。

――そうだったのですね。では次に対戦するTASUMI選手の印象を教えてください。

海飛 RNCが得意な選手ですよね。それさえ警戒しておけばKOできると思っています。絶対に勝たないといけない試合です。

――2022年4月に鈴木崇矢選手をKOした時は、どうしても我々も「鈴木崇矢をKOした選手」という見方をしていたと思います。そして今回「五明宏人に勝った男」と見られるかもしれません。そういった注目のされ方については、どう考えますか。

海飛 別に僕は何とも思っていないですね。そもそも五明選手が特別強いと考えていなかったので。あの打撃が見えないだけで、別に組み技は強くなかったですし。もちろん五明選手のほうが注目されていたことは分かっていました。でも最初に左ストレートをもらった時も、『このパンチでは倒れないな』と思いましたし。

天弥 まぁ、TATSUMIって誰だよって感じですよ。僕としては『そんな相手に負けるなよ』としか思っていませんね。

海飛 アハハハ(苦笑)。

――一方、天弥選手はデビュー戦で芳賀ビラル海選手にKO勝ちしたものの、2戦目で反則負けを喫しました。

天弥 結果は結果なので悔しかったです。でも特に何とも思っていないというか、そこまで気にはしていないですね。それで3戦目もKO勝ちして、大沢さんからパンクラスの坂本靖さんに『次は松本光史選手と試合したい』と言ってもらいました。松本選手も僕の映像を視て、試合を受けてくれたという流れですね。

――自分から元チャンピオンとの対戦をアピールしたのですか。

天弥 僕は自信満々なので。大沢さんから『次は誰と対戦したい?』と聞かれて、僕が『松本選手です』と答えました。松本選手に勝ったら、次はタイトルマッチだと思いますし。

――松本選手に対しては、どのような印象を持っていますか。

天弥 まぁ……試合は面白くないですよね。

海飛 いや、あの――(苦笑いしながら顔を背ける)。

天弥 本当にちゃんとしたMMAファイターだと思うんです。トップキープが得意で、テイクダウンして漬け込んでくる。さらにボクシングの練習をして、パンチにも自信がついてKOも増えたっていうイメージです。

――松本選手はキャリアを重ねるごとにカウンターが向上している印象があります。

天弥 そうですね。でもカウンターを合わせられるものなら合わせてみろ、って思いますよ。絶対に倒されないです。

海飛 まず天弥とはスピードが違うと思うんですよね。僕たちは回転力、パンチと蹴りの威力が違うし、そして切り返しが強い。特に天弥は自分の空間を作る能力が高いというか、距離の取り方が巧いので。なかなか相手は触ることもできないと思います。

天弥 今年からベルトを狙って動き出したので、まずは松本選手を倒します!

■DEEP Tokyo Impact2024#01 視聴方法(予定)
3月24日(日)
12時25分~DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■Pancrase341 視聴方法(予定)
3月31日(日)
13時~U-NEXT

The post 【DEEP Tokyo Impact2024#01&Pancrase341】極真空手出身、海飛&天弥「打撃の回転力と威力が違う」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB MMA News o RIZIN YouTube ストラッサー起一 チャンネル ブログ 井上直樹 前田日明 堀口恭司 大沢ケンジ 平本蓮 朝倉未来 朝倉海 武尊

格闘技系YouTuberあるある【 RIZIN K-1 ボクシング 】

【ご紹介したチャンネル一覧】

前田日明チャンネル
https://youtube.com/@user-ym3jv5oi1z?si=gTZdKWpSyCZl_IOE

魔裟斗チャンネル
https://youtube.com/@masato.official?si=KaiKFHMal5Le0p9m

大沢ケンジ
https://youtube.com/@kenjiosawa5222?si=lfo-tTa4PEp2PvX3

ストラッサー起一
https://youtube.com/@StrasserKiichi?si=JsC-0V1jMBtTMqm3

石渡慎太郎
https://youtube.com/@shintaroishiwatari550?si=YOmsV6Owi44E2zPS

格闘キャスト
https://youtube.com/@ktcast?si=hdpurwBCTsU02f3x

細川バレンタイン
https://youtube.com/@valentine_maemuki?si=pkrCPaK9YPFB9n8h

ジョビンチャンネル
https://youtube.com/@user-vp8sf7ny7s?si=LtiXVr1Blke93KQZ

MMA言語化挑戦中
https://youtube.com/@mma_gengokachousenchu?si=mpKweVo949wH5WGs

格闘おたくゾーの雑駁
https://youtube.com/@zow.zappaku?si=n3I-JLpXsU9lfGr4

福地勇人
https://youtube.com/@YutofukuchiKARATEtechnique?si=Ac1MkLifCmLbP0-I

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天水モリカワが教える空手道場はコチラから↓

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Q&A】

Q,天水モリカワから空手を教わりたい!
A,ありがとう!都内で天水モリカワ直接指導で空手を教えております!
体験無料なので天水に会いたいだけの方もぜひ遊びにきてね♪
https://www.tensui-karate.com

Q, 天水モリカワに何か送りたい!
A,おお!ありがとう!ここから送ってください↓
https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/3ISUSI43FVT6W?ref_=wl_share

Q,チャンネルのことをもっと深く知りたい!
A,嬉しい!こちらのメンバーシップでは、普段は語れない動画の裏側やメンバーの裏話が盛り沢山!
https://www.youtube.com/channel/UCTtP2qp-1NuE8jmVrNkm9fw/join
※スマートフォンからの場合「チャンネル概要欄のメンバーシップはこちら!」のリンクからアクセスするか、WEBブラウザモードで上記リンクを閲覧するとメンバーシップの詳細を確認できます。

Q,天水モリカワに質問したい!
A,いつもありがとう!コメント欄では全て回答できないので、こちらのDiscordコミュニティにご参加いただけるとご回答できます!https://discord.gg/awSBKaR4pV

Q,チャンネルのグッズが欲しい!
A, あります!下記のMTT(格闘技TVてんすい) SHOPにて、メンバー着用グッズを購入できます!
https://tensui.base.shop/

Q,「格闘技TVてんすいっ!」に仕事を依頼したい!
A,ありがとうございます!お仕事・コラボのご依頼、お問い合わせはこちらから随時受け付けております!
tensui.tv@gmail.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【メンバープロフィール】

⚫︎天水モリカワ
1988年11月28日生まれ
2009年新極真会カラテワールドカップ日本代表に初選出され、2度目の選出となる2013年カラテワールドカップ軽量級3位入賞を果たし、空手世界3位となる。​
現在は自身の空手教室を運営する傍ら、日々武の探究・鍛錬を続けている。
ありえないほど天然なのにメンタルは1
選手の強さにしか興味がない
好きな選手は故・山本KID徳郁

現役時代の試合映像

天水モリカワSNSリンク
https://lit.link/tensui

⚫︎ブッチャ
年齢不詳 朝倉未来評論家
ただならぬ分析力とプレゼン力を持つ
YouTubeの分析にしか興味がない
好きな選手は朝倉兄弟、井上姉弟、平本蓮など

⚫︎クマくん
年齢不詳 格闘技素人
とんでもないギャグセンスと編集力を持つ
そもそも格闘技どころかスポーツに興味がない
好きな選手は ぱんちゃん璃奈

クマくんのYouTube個人チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCstgONC2jmuPPBFHDcWl0Kw

⚫︎タイガー
年齢不詳 格闘NEWSウォッチャー
RIZINを中心に幅広く格闘NEWSを常にウォッチしている
格闘技経験は浅いが格闘技のポテンシャルは随一
好きな選手は ストラッサー起一 平本蓮

⚫︎メノウアクト
天水モリカワの弟 ガーナiTunes HIPHOPカテゴリー No.1ラッパー
生放送に稀に出現する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⭐︎てんすいっ!公式コミュニティ
格闘技が好きなら素人からマニアまで大歓迎!いつでも楽しく格闘技話題でワイワイ!誰でもお気軽にお越しください!
https://discord.gg/awSBKaR4pV

⭐︎てんすいっ!メンバーシップ
¥90〜始められる3つのコースをご用意!
メンバー限定動画はなんと100本以上!
https://www.youtube.com/channel/UCTtP2qp-1NuE8jmVrNkm9fw/join
※スマートフォンからの場合、チャンネル概要欄のメンバーシップはこちら!のリンクからアクセスするか、WEBブラウザモードで上記リンクを閲覧するとメンバーシップの詳細を確認できます。

⭐︎MTT(格闘技TVてんすい) SHOP
メンバー着用の天水公式アパレルはこちらから購入できます!
https://tensui.base.shop/

⭐︎格闘技TVてんすいっ!公式Twitter

⭐︎天水モリカワほしい物リストリスト(Amazon欲しいものリスト)
天水モリカワに直接届く応援の気持ち!動画制作の励みになりますので是非覗いてみてください♪
https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/3ISUSI43FVT6W?ref_=wl_share

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【天水空手会員大募集中】

「極真空手空手世界3位」「格闘技TVてんすいっ!」天水モリカワが教える!
痛くない怖くない経験ゼロから始められる新しい空手!
道場生には3〜80歳までの老若男女がおり、どなたも楽しく身体を動かしています!

・ダイエット
・運動不足解消
・ボディメイク
・こどもの礼儀作法
・イジメ防止
・精神力の鍛錬

パーソナルトレーニング・個人的な試合分析も!ホームページをご覧ください↓

BUDOU KARATEDOU天水ホームページ
https://www.tensui-karate.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【天水モリカワ情報・リンク】

▼天水モリカワが代表を務める「BUDOU KARATEDOU天水」空手道場ホームページ
https://www.tensui-karate.com

▼天水モリカワSNSリンク
https://lit.link/tensui

▽お仕事・コラボのご依頼、お問い合わせはこちら
tensui.tv@gmail.com

▽BUDOU KARATEDOU天水 森川琢也(天水モリカワ)個人のお仕事お問い合わせはこちら
takuya19881128@gmail.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【格闘技TVてんすいっ!オススメ動画】

⚫︎RIZIN井上直樹選手コラボ

⚫︎空手世界王者格付け

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【格闘技TVてんすいっ!おすすめブログ】

⚫︎有名格闘家の強さの秘密を綴ったブログ💁‍♂️TENSUI格闘技アカデミア
https://tensui-b.com/

⚫︎いまさら聞けない!?堀口恭司の強さの秘密は?
https://tensui-b.com/horiguchi

⚫︎朝倉未来は本当に強いのか?
https://tensui-b.com/asakuramikuru

⚫︎朝倉海の強さの秘密は?
https://tensui-b.com/asakurakai

⚫︎なぜ那須川天心は強いのか?
https://tensui-b.com/tensin

⚫︎なぜ武尊は強いのか?
https://tensui-b.com/takeru

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【チャンネル内のコンテンツの著作権について】

チャンネル内では画像、動画の引用をさせて頂いている場合があります。
チャンネル内における動画にて使用、掲載している画像や動画などの著作権・肖像権等は各権利元に帰属致します。
動画の内容については各権利所有者様や第三者に不利益のないよう、細心の注意を払って制作しております。
また、著作権等の侵害を目的とするものではありません。
上記により本作品の引用は著作権法第32条における「引用の目的正当な範囲」を満たしております。しかしながら、万が一動画の内容に問題がある場合には動画を迅速に削除させて頂きますので、著作の本人様から直接こちらのアドレスにご連絡ください。
tensui.tv@gmail.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
#魔裟斗
#ジョビン
#細川バレンタイン

カテゴリー
o ONE 大沢ケンジ

【ONEカタール大会】ブルックスが豪快スラムもDQで失格に マリキンがデ・リダーにTKO勝ちを収め三階級制覇

336: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/03/01(金) 21:31:38.28 ID:idw/OWPp0
U-NEXTでONEきたぞ


続きを読む
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o Special UFC UFC300 UFN UFN234 ガブリエル・ベニテス ジム・ミラー 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:1月 ミラー×ベニテス「関脇が関脇として居続ける味わい深さ」

【写真】UFC100、UFC200、UFC300まで来たら、ぜひUFC400も目指してほしいジム・ミラーだ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。(担当・中村が月を跨いで取材する凡ミスをしたため、12月&1月の2部作として)今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年1月の一番──1月13日に行われたUFN234のジム・ミラー×ガブリエル・ベニテス戦について語らおう。


──それは水垣さんが言うことに意味がありますね。そして1月はUFN234:UFN on ESPN+92「Ankalaev vs Walker2」のジム・ミラー×ガブリエル・ベニテスを選んでいただきました。この試合はジム・ミラー40 歳、恐るべし!という試合でした。

「普通は年齢と共に反応速度が遅くなるので、打撃系の選手は年齢を重ねると組み技も交えたスタイルを模索するというのがよくあるパターンなんですよ。その逆で組み技の選手が年齢を重ねて打撃系に変わっていくというのはあまり聞いたことがないので、ジム・ミラーを見ていると『どういうこと?』と思っちゃいますね(笑)」

──平良選手とは違う意味で想定できない強さです。

「しかも相手の打撃に対する反応も良くなっていたり、動きそのものが良くなっている印象があります。体つきも以前は組み技選手らしいガッチリした筋量の多いタイプだったのが、今は筋量は落ちているけど力みがない体つきになってきて。力が抜けることによって、今まで反応できなかった打撃にも反応できるようになっているのかなと思います。純粋な反応速度は落ちいていたとしても、そのマイナスを補ってプラスにまで持っていっている……というのが僕の見解なんですけど、実際どうなのかは分かりません(笑)!」

──一時は4連敗も喫していたのに、そこから復活していますからね。

「しかもスタンドのKO勝ちが増えているという(笑)。ジム・ミラーはUFC100に出て、UFC200に出て、UFC300にも出ると言ってるじゃないですか。それを聞いてそれぞれの開催年を調べたんですけど、UFC100が2009年で、UFC200が2016年なんですね。ちょうど僕がWECと契約したのが2009年で、UFCの最後の1年になったのが2016年なんです。僕もUFCでは長く戦ってきた方ですが、その僕がWEC&UFCで過ごした格闘技人生がUFC100~UFC200の間とするなら、単純計算でそれを倍やっているってことじゃないですか。しかも時代も変わって、明らかにMMAのスタイルも進化しているなかで、それをやっているというのは…すごいの一言しかないし、頭が下がります」

──MMAも色んな形で進化していますが、ジム・ミラーのような選手がいることも面白いです。

「さすがにUFCチャンピオンになるというのは難しいと思うんですよ、本人がその気だったら失礼な感じになっちゃいますが。でも色んなファイターがいるなかで、関脇が関脇として居続けるみたいな、こういう選手がいるというのは非常に味わい深いですね」

The post 【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:1月 ミラー×ベニテス「関脇が関脇として居続ける味わい深さ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Special UFC UFN UFN233 アザット・マクスン カーロス・ヘルナンデス シャーウス・オリヴィエラ ジョシュア・ヴァン ムハマド・モカエフ 堀口恭司 大沢ケンジ 平良達郎 朝倉海 柏木信吾 水垣偉弥 鶴屋怜

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:12月 平良×ヘルナンデス「イメージ的にシャーウス・オリヴィエラ」

【写真】寝技に自信があるかこその打撃、フィニッシュから逆算した組み立て。まさに独自にスタイルで勝ち続ける平良達郎だ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。(担当・中村が月を跨いで取材する凡ミスをしたため、12月&1月の2部作として)今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年12月の一番──12月9日に行われたUFN233の平良達郎×カーロス・ヘルナンデス戦について語らおう。


──今月の一番ですが、完全に私のミスで1月を跨いでしまいました…。というわけで今回は12月と1月の二本立てでいかせてください! まずは12月の一番はUFN233での平良達郎×カーロス・ヘルナンデスをセレクトしていただきました。やはりここは平良選手の勝ちっぷりですよね。

「すごく安心して見ていられましたし、ここ数試合は相手が弱く見えちゃうくらい、平良選手の安定感と強さが際立っていますね。当たり前のことや基本的な技を決めて、ポンポンポン!と駒を進めてしまうので『あれ?相手こんなことも出来ないの?』と思っちゃうんですけど、対戦相手の他の試合を見てみると全くそんなことはないわけで。今回もフィニッシュは右ストレートからのパウンドでしたけど、普通に寝技で圧倒しちゃうわけなので、相当寝技は強いんだろうなと思います」

──UFC参戦当初は勢いや相手との相性で勝っていたのかなと思う部分も少なからずありましたが、5連勝という結果でUFCファイターとしての実力を完全に証明したと思います。

「ランキング手前の選手は完封して勝つことを証明できたので、次はランキングの上の選手たちとどう戦っていくかですね」

──あの試合で具体的に良かった点はどこですか。

「もちろん四つ(組み)の強さもあるし、寝技で上を取れる選手ではあるんですけど、テイクダウン能力がめちゃめちゃ高いタイプではないと思うんです。でもそこ(トップを取る)につなげるためのスキルとしての打撃のレベルが高いことも分かって、右ストレートを効かせてパウンドでフィニッシュしても驚きはなかったです」

──寝技に自信がある=打撃で思い切りいける=結果的に打撃が当たるスタイルですね。

「グラウンドで下になっても落ち着いているじゃないですか。今回僕がびっくりしたのは、1Rに自分で蹴ってバランスを崩して下になった時、迷わずに潜りスイープにいったこと。僕自身がそうだったし、僕は選手を指導するときも『MMAで潜りスイープは危ないよ』と言うんです。腕を足に挟まれて殴られたり、失敗したときのリスクが大きいので」

──今のMMAファイターはあの場面では背中を見せて立つことを選択する選手が多いと思います。

「はい。あとは、もし僕が1Rのあの時間帯で下になったら相当焦っていたと思います。でも平良選手は迷わず潜って上を取っていて、それだけ寝技の技術に自信があって、実際にスキルのレベルも高いんでしょうね。イメージ的にシャーウス・オリヴィエラというか、グラウンドで下になってもOKだから打撃を思い切りいける、みたいな」

──平良=チャールズ・オリベイラはイメージしやすいです。あとは事前のインタビューで平良選手が殴る・削る意識を持って戦うと言っていて、そこも影響したのかな、と。

「僕が試合前にインタビューした時にもそれを話していて、実際にパウンドアウトしたわけだから、自分のやりたいことを明確に持って戦って、それが上手く試合で出せているんだなと思います」

──個人的には打撃を出す際の安定感も増しているのかなと思いました。

「フィニッシュの右は安定感がありましたよね。強いパンチが打てる姿勢で出せていたと思います。あのパンチも『倒してやろう!』と思って出したというよりも自然に出ていたパンチだと思います。やっぱり組みや下になることを警戒していると、ああいうパンチは出せないです」

──平良選手は試合を組み立てた先にフィニッシュがあるのではなく、フィニッシュから逆算して戦っている印象があります。僕は倒す感覚や極める感覚に優れていることも才能の一つだと思っていて、キャリア関係なくフィニッシュできる選手はフィニッシュの画が見えているというか。

「確かに。僕は打撃で倒すという部分で言えば倒すことを捨てたんですよ」

──倒すことを捨てた、ですか。

「はい。僕は相手を倒す攻撃には”落差”が必要だと考えていて、軽くパパパパン!とパンチをまとめて、フィニッシュブローをズドン!と強く打つ。打撃の威力に”落差”をつけるからこそ、相手に大きなダメージを与えると思うんです。でも僕の場合は先にガードの上からでもいいので強いパンチをズドン!と当てるんです。最初にそれをやって相手に『この相手はパンチがあるな』と思わせる。そうすると相手は僕のパンチを警戒した動きになるし、相手はやりたいことができなくなる。最初に一発かましておくことで、結果的に僕が試合を進めやすくなるんです」

──あえて警戒させるためのビッグヒットですね。

「はい。ただそれをやると相手の警戒心を強める分、倒すための攻撃は当てづらくなるんです」

──倒すための戦い方か、勝率を上げるための戦い方か。

「そこで僕の場合は考えを割り切って、倒すことよりも自分が有利に戦って勝つ可能性を上げることを選択していました」

──水垣さんが現役引退したからこそ話していただける技術論ですね。

「寝技にもそういった組み立てがあるだろうし、倒し感や極め感がある選手は本能的にその組み立てや落差のつけ方ができるんでしょうね」

──平良選手はそれをUFCで勝つレベルで出来ているわけで、自分のフィニッシュ力をMMAに落とし込むセンスや才能もある。

「先ほどの話にもつながりますが、僕が考えているMMAで勝率を上げる戦い方とは違う戦い方をしていますよね。判定勝ちにするにしても、レスリング勝負してトップキープして削る…とは違うじゃないですか。だからどうやってあのスタイルや戦い方を身につけたのか気になるんですよ。先生の松根(良太)さんの現役時代とも少し違うし。松根さんの指導の幅の広さや持っている引き出しの多さで、ああいう選手が育ってきたのか。僕はそこにも興味があります」

──いよいよ今年はランカーとの対戦が組まれると思います。どんなことを期待していますか。

「上位陣に勝ってタイトルを獲ることも期待しているし、無敗のままいけるか。ランキング上位陣にどういう戦いができるか楽しみです。平良選手を含めたフライ級の新世代= ムハマド・モカエフ、アザット・マクスン、ジョシュア・ヴァン…たちが、上位ランカーとどう戦っていくか。またその世代同士の潰し合いがどういう結果になるのか。それも合わせて楽しみです」

──鶴屋怜選手がRoad to UFCで優勝してUFCと契約し、堀口恭司選手や朝倉海選手もUFC参戦に興味を示しています。今年はUFCフライ級が一気に注目されますね。

「フライ級は日本人が活躍できる階級なので、そういう部分でも今年はより注目ですね」

──あと僕が平良選手を取材していて、いい意味で図太いというか、UFCにチャレンジしているという感覚を持っていない気がしています。UFCで戦うことが当たり前、みたいな。

「そうなんですよ。マイクアピール一つとっても、しっかりタメを作ってから『アイム・ハッピー!センキュー!』とか“慣れてきた”じゃないですか(笑)。そうやってUFCの一員になってきたなと思いました。それと今回の勝利で僕が持っていた日本人のUFCでの連勝記録(5連勝)に並ばれたんですよ。これは僕が拾っておかなければいけないな、と。そういう意味でも今回、平良選手の試合を選ばせてもらいました」

The post 【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:12月 平良×ヘルナンデス「イメージ的にシャーウス・オリヴィエラ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB ARAMI MMA MMAPLANET NØRI o PANCRASE Pancrase341 RIZIN SARAMI YouTube   アキラ シュウジ・ヤマウチ パンクラス ライカ 中村K太郎 中田大貴 井村塁 大沢ケンジ 杉山しずか 松本光史 沙弥子 渡邉史佳 田嶋椋 端貴代 透暉鷹 重田ホノカ 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase341】追加カード会見第一部。天弥「全勝で松本選手にも勝つ」。田嶋椋「俺もできるぞ」

【写真】タイトルに直結する試合も発表された(C)MMAPLANET

8日(木)、東京都新宿区のサンエービルで3月31日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 341の追加カードの記者会見及びタイトル戦調印式が2部制で行われている。
Text by Manabu Takashima

3月最終週に実施されることとなった春の大箱大会は、既にアトム級クイーン・オブ・パンクラス決定戦として同王座決定トーナメント準決勝を勝ち抜いたSARAMI✖沙弥子戦を筆頭に7試合が明らかとなっていた。

今回の会見ではライト級KOPC=アキラ✖雑賀ヤン坊達也、フライ級QOPC=端貴代✖重田ホノカ、バンタム級=田嶋椋✖井村塁、フェザー級の国際戦=中田大貴✖シュウジ・ヤマウチ、ライト級では松本光史✖天弥、そして女子フライ級が2試合=杉山しずか✖ライカ& NØRI✖渡邉史佳の7試合が発表され、一部はタイトル戦以外の追加カード出場選手が揃い、二部は3つの選手権試合の調印式という段取りで会見は進んだ。

ライカの「今回、30周年記念に呼んでいただいてありがとうございます。思い切り全力で戦いたいと思います。お願いします」という意気込みでスタートした第一部の会見は以下のように順次、選手達が抱負を語った。

杉山しずか
「今年の初試合、パンクラスで初試合ということで良い試合、素晴らしい試合と言われるモノを皆さんに見せられるように頑張ります」

渡邉史佳

「1年振りの試合になるんですけども、記念大会に呼んでいただけて有難いと思っています」

NØRI

「30周年という記念大会に今回も出場させていただけて、光栄に嬉しく思っています。

今回、女子のカードがけっこうあるので、その中で自分の好きな戦いで一番良い試合をしたいと思います」

井村塁
「パンクラス30周年、出ることができて光栄です。地元立川でしっかりと勝って、年内中にベルトを獲りに行きます」

田嶋椋
「30周年記念大会に呼んでいただき、ありがとうございます。今年一発目の試合なんで、しっかりと暴れたいと思います」

中田大貴
「去年悔しい思いをして。毎年、ベルトが獲れそうな距離でポカしてしまって。

それが悔しくて。でも、今年はホントにしっかりと創りなおして絶対にベルトを獲りに行きたいと思います」

天弥
「ここで松本選手を倒して、年内にベルトを獲れたらなと思っています」

松本光史

「しっかりと仕上げて、良い試合をしたいと思います」

ここからはMMAPLANETの質問に対する、選手たちの返答をお届けしたい(※要約)。


──杉山選手、8日前に試合をする人が同じ家にいるとどのような空気になるのでしょうか。

杉山 配信を視てくださっている方に説明をすると、中村K太郎選手のことですね。RIZIN神戸大会に出るんですけど、私も応援に行きますし、試合の日というのは自分で整えるモノなので。とりあえず家の中は大変なことになると思いますが、むしろ同じ大会に出る方が大変かもしれないです。私の方は勝利を見届けるので、家の片づけをやってほしいと思います。

──先日某サイトのインタビューでチャンピオンの透暉鷹選手から「パンクラスのバンタム級で戦う相手がいないので、強い外国人選手と試合がしたい」という発言が聞かれました。この言葉、どのように受け止めていますか。

井村 自分、あと一歩のところでベルトに挑戦できなくて。
まぁ、負けて。言われてもしょうがないかなと。なんで勝ち続けて、かつ内容もそうなんですけど、しっかりと魅せて挑戦して勝つ。そういうことかなと思っています。

田嶋 実力がないと思われてしまうのは、自分が良くないので。

しっかりと試合で俺もできるぞというところを見せて挑戦したいです。

──中田選手、コリアンゾンビMMAとチーム・スタンガンで練習してきたことに関して、師匠の大沢ケンジさんが『韓国もやっていることはHEARTSと同じだ。圧を掛けてガンガン殴る。俺たちは間違っていない』と自信を深めていましたが、中田選手が掴んでくることはそこではないのではないかという気持ちもあります。韓国での練習で何を掴んできましたか。

中田 韓国はスパーリングが凄く多い環境でした。たくさん韓国の選手とスパーリングをしてきて、凄く良い経験になったと思います。でも技術的な面に関しては、日本でしっかりと考えながらやった方が、自分が強くなるには良いんじゃないかなと思いました。と同時に強い相手とスパーリングをするという点では韓国での練習は凄く実のある時間だったと思います。

──今回、シュウジ・ヤマウチ選手と戦ううえで韓国人選手のフィジカルを経験したことはどのような意味があると捉えていますか。

中田 そうですね、そういうフィジカルとメンタル。韓国の選手は前に出てくる選手が多かったので、そういったところで凄く良い練習になりました。

──松本選手、対戦相手がついに2勝1敗の若い選手を迎えることになりました。現状、2勝1敗の選手と戦うことをどのように思いますか。

松本 えぇと戦績はそうですけど、映像を視ると強い選手だと思います。ちゃんと取れれば、僕が上がることができる選手だと思います。

──その言葉を受けて、天弥選手。一言お願いします。

天弥 2勝1敗ですけど、その1敗は自分がグラウンドでヒザを蹴ってしまって……自分が悪いんですけど、特に負けたと思っていないので。

全勝で、このまま松本選手にも勝ちたいと思います。

The post 【Pancrase341】追加カード会見第一部。天弥「全勝で松本選手にも勝つ」。田嶋椋「俺もできるぞ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE165 Special   シィォン・ヂィンナン スタンプ・フェアテックス ダニエラ・ケリー チャンネル ティファニー・テオ ハム・ソヒ パンクラス リトゥ・フォーガット 三浦彩佳 中村未来 大沢ケンジ 山本アーセン 平田樹

【Special】J-MMA2023─2024、平田樹「アーセン云々なんて触れないで、無意味な試合と言いたいです」

【写真】気を張っていない平田樹の表情が見られたような気がします。現状MMAトレはHEARTSのみ。グラップリングをトライフォース、ムエタイをクレインで練習しているそうだ (C)MMAPLANET

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA2023-2024、第十弾は28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE165「Superlek vs Takeru」で三浦彩佳と対戦する平田樹に話を訊いた。

ファイト周辺の派手な言動と繰り返された計量失敗、彼女に対する反発は業界内から強い。それに故に練習場所を固定できず、明確なビジョンも練習に持ち込むことが困難だった平田が、自らの意志で大沢ケンジ率いるHEARTSでトレーニングを行うようになった。

ハム・ソヒ戦後に引退を真剣に──いや、それ以上に自然と考えた平田がこの場に戻ってきたのは人を殴りたいという衝動と、MMAを楽しみたいという本能だった。山本アーセンの元カノ&今カノ対決というエグすぎで専門メディアが料理できないマッチアップを消化する必要がある平田の胸中とは。

■2023年平田樹戦績

3月25日 ONE FN08
●0-3 ハム・ソヒ(韓国)


――大沢ケンジさんが2021年10月のリトゥ・フォーガット戦前(※平田が体調不良で欠場)にミット打ちを一緒にやっていた時とは全く違って、凄く熱心に練習をしていると言われていました。

「そうです。ちゃんとやっています(笑)。自分から大沢さんにお願いして」

──練習環境などで平田選手からアクションを起こすのは、過去にあまり記憶になかったです。

「初めてです。去年の10月ぐらいに日本で練習をしていくなら、大沢さんが私の試合を一番多く見てくれていると思って。実はハム・ソヒ戦が終わった後、4月に直樹がパンクラスで試合をした時に会場で大沢さんと少し話をして。あの時、私はもう引退を考えていて。それを話すと、皆が反対するなかで大沢さんが『良いんじゃない。一回辞めても良い。若いし。やりたくなったら、復活するから。一回、離れるのも良いよ』って言ってくれたのが心に残っていて。やっぱりMMAをやりたいと思った時に大沢さんに教えてほしいなってなりました」

──平田樹がカフェでカプチーノを淹れている取材をするのが、楽しみでした(笑)。正直、ハム・ソヒ戦の敗北で辞めるかもしれないなと思っていたので。

「私も、そう思っていました。両親も柔道の時はあれほど辞めるなと言っていたのに、『辞めて良いよ』という感じだったし」

──もう長い間、平田選手の表情や言動からMMAファイターをやっていて幸せなのかなという疑問がありました。で、どこかで会った時に「カフェをやりたい」と言っていたので、それで良いのではないかと。

「米国で練習して勝てなかった。色々と言われて……『だったら、もうイイよ』って。デビューの頃は勝って、皆が凄いねって言ってくれました。でも、負けると全く違う世界が見えてしまって……。子供の格闘技と一緒で勝っているから楽しくて、負けたら楽しくないから辞めたいって(苦笑)」

──ハム・ソヒに負けるのは致し方ないですけど、普段から目立っている分……何より試合前に弱い言葉を発せない分、跳ね返りも大きかったです。それもまた致し方のない、キャリアの積み方をしてきたので。

「そういうのは、自分も色々と感じていて。でも自分で選んだことだし頑張ろうって、やってきたけど、あの負けで全部が弾けた感じがしました。こんなに早く辞めたいと思う日が来るなんて、全然考えたこともなかったです。もっと長くやって『もう良いかな』っていう風になるのかと思っていたので。

ハム・ソヒ選手との試合は、本当に強さを見せつけられて。試合中もどうしたら良いのか、分からない。誰を頼って良いのかも分からない。でも戦うしかない。凄く心細くて、本当にしんどかったです。だから、もうMMAに関係のないことをやりたいって思ったんです。お母さんがパン屋さんの店長で、朝早くから真剣に働いていて。何か、格闘技以外であんな風に没頭したいと思いました。本当に辞めるモードで、練習もホントにやっていなくて」

──それでも続けようと思うようになったのは?

「やっぱり直樹の試合を見て……なんか、悔しくて。『あれっ? 何か悔しいな』ってホント思ったんです。嬉しけど、悔しい。自分の方が勝ち続けていたのに……」

──それは直樹選手が、真面目にMMAに取り組んできたからではないですか。

「そうなんですけど、なんか悔しくて。でもMMAでなくトライフォースの柔術でも良いかなかって思って、グラップリングから練習をするようになりました。そうなると、何か違うんです。極めるとかだけじゃ、何か物足りなくて。やっぱり、殴りたい。直樹の試合を見ても思ったんですよ。漬けて漬けてっていう試合をしているから、『もっと殴れよ』って。そうなった時、こうやって想う自分がいるんだから──まだできるわって。

その時に『辞めたら』と言ってくれた大沢さんに習いたいな、と。なんかハム・ソヒ戦後に休んでいる期間に色々と気付くことがありました。普通の休みじゃなかったですね。運動をする格好にもならないし、シューズも履かなかった。普通の人みたいに毎日、化粧をして。でも、気がつけばここに戻ってきて……。

直樹もそうだし、(鹿志村)仁之介もそうだけど、選手に対して皆が一つになっている。あれが凄く羨ましくて。ああいうモノが創れそうだったのに、自分で壊しちゃダメだと思うと『また、やりたい』という気持ちが大きくなりました。『勝たなきゃ』、『勝たないとダメだ』っていう気持ちになっていたのから、『戦いたい』という気持ちに戻ったというか。

もう試合に向けてというよりも楽しさを取り戻す──じゃないけど、最初は体を動かすことが楽しい、練習することが楽しいっていうところからやり直しました。以前は試合が近づくほどに楽しみが大きくなっていたのが、最近は試合が近づけば近づくほど気持ちが落ちてしまっていました。今回の試合も勝ちたいけど、やりたいことをやりたい。試合をすることが、楽しくなっています」

──まぁ楽しくないから辞めていると、それこそ先ほど話に出た子供の習い事で。辞めたいという気持ちから、戦うことを楽しみたいと思えるようになったのは平田樹が本当の意味でMMAファイターになってきたということではないのでしょうか。

「そうなんですかね(笑)。でも、やりたいことをやるって楽しいなって、練習をしていて想うようになりました。これだけ基本から教えてくれる人がいるのだから、また前に進もうと。すると、またメチャクチャ楽しくなって。試合に向けても……どうせ試合はしんどくなるから、練習を思い切り楽しんでやろうと。

MMAを続けるなら、楽しみたい。今は本当にそういうつもりです。母親も『樹は楽しんでいる時が、一番強い』って言っていて。確かに、その通りだし。楽しんでやることが一番大切で、当然しんどいこともあるけど、今は楽しいことの方が多いです」

──なるほど。そうこうしていると、ONE日本大会で三浦選手との試合が決まりました。

「最初は違う相手を聞かされていたので、『えっ?』と思いました。階級は向うが上だし、『やる意味、なくない?』って思いつつも、決まったことなんで。だから、この先のことを頭に入れての練習もたくさんやっています。次は投げとアヤカ・ロックだけ、そこだけなんで」

──皆が分かっているのに、極めてしまうのは凄くないですか。跳ね返された試合もあったのに、またそこで勝つのは驚異的ではないかと。負けてもサブミッショングラップリングでダニエラ・ケリーと戦った時に、三浦選手の組みの強さを見た想いがしました。今回の試合は、決して簡単なファイトになるとは思えないです。

「う~ん、でも……なんでアレが極まるんですかね。逆に。アレを極めることができるって、自分とは違う世界を生きている人なんだろうなって思うんです。求められているモノが、自分と違う。あそこ止まりで良いと皆は思っているわけじゃないですか」

──凄く上から目線ですね(笑)。

「だって、自分だってアレで良いならアレで貫き通したかもしれないし。でも『首投げ止めろ』、『MMAを戦え』という声があったわけで。それで、私はMMAを戦いたくなりました」

──きっと三浦選手も言われていて、それでも貫き通しているのかと。

「でも、あんまり輝いているとは思えないですね。アレしかないですからね」

──う~ん、とことん来ますね(笑)。アレしかない人のアレって、凄く強いと思わないですか。

「う~ん、でもアレが極まらないと負けるじゃないですか。ティファニー・テオと戦った時は首を抜かれて、打撃でやられて。シィォン・ヂィンナンにも組めなくて、打撃の圧でやられました」

──パンダやテオのような試合を平田選手はできる、と?

「やってみたいですね。ソレをやらないと意味がない。いつも通りの試合をして、柔道対決とかってなると一番つまらないし。このカードを組まれたなら、MMAを戦って盛り上げる。MMAをやりたい。HEARTSでやっているMMAを見せたいです」

──そんな平田樹✖三浦彩佳戦ですが、煽り方が中途半端というか。やるとなったら、この試合はアーセンの元カノ✖今カノ対決で全面的に売らないのかと。ABEMAの煽り映像に乗っかって、申し訳程度に触れてんじゃないよ──と素直に思います。

「アハハハハ」

──この下品なカードは、ここで騒ぎ立てようやとは?

「ならないですね。私はアーセン云々なんて触れないで、無意味な試合だって言いたいです」

──それを平田選手も三浦選手も言って良いと思います。ただし、この試合を盛り上げるにはそこは避けては通れない。

「そうですよね。でも、自分的には騒ぎ立てられなくて良いです!!」

──ひょっとして、怒っていませんか……。

「お互いに求めていないカードだと思うし。向うも自分とやりたいなんて思ってなかっただろうし」

──自分の進みたい道を進むために、勝たないといけない試合になったわけですね。

「まぁ、そうなんですけど……。自分的には、大沢さんとのコミュニケーションがどれだけ取れるのか。そこが楽しみです。セコンドの声を聞いて、どれだけ動けるのか。前に就いてもらった時(※2021年2月22日、中村未来戦)は、そういう風にできなかったので。そこは自分にとって試合中の課題で。そこも踏まえて、成長が感じられる試合にしたいです。

これまで気持ちでやってきた部分があったけど、それじゃあ勝てないレベルの相手になってきています。心が折れても、サポートしてくれる人がいてくれる中で戦う。だからこそ気持ちと同時に、技術面でしっかりと魅せたいです」

──三浦選手に触れられると明白に不機嫌でしたが、そうでない部分では久しぶりに平田選手の表情が明るいですね。

「そうですか。今はMMAのことを話すのが楽しいし、練習が楽しいです。一歩、踏み出せたかなって。これまで他のジムに行っても、自分は目立っていて遠慮されていたことが多いと思います」

──まぁ所属もしていないですし、本当の関係は築けないかもしれないですね。大人の関係のような感じで。

「両親も『樹が行くことで、負けさせられないという思いになって所属するのは難しいかもね』って心配をしていました。自分は自分で『強くないといけない』とか思って、気が張ってしまっていて。皆が見ている平田樹はこうでないといけない、とか。同時に私が関わることで、ジム自体がアンチの標的になってしまうことが嫌で」

──そんなことまで危惧していたのですね。

「それがHEARTSだと、皆が茶化してくれて(笑)。(吉村)天弥君とか、『で、アーセンとはどうなの?』とか言ってくるし。なんか、それが楽しくて。ボコボコにやられても、気持ちが良いから、練習時間が長いとか思わなくなりました」

──三浦選手との試合を前にしてですが、今も頂点──現状はスタンプ・フェアテックスが目標なのでしょうか。

「やるからには上を目指すというのはありますけど、まずはランクに入らないといけない。それ以上にもっと場数を踏みたいです。だから、日本の団体だったらもっと試合ができるのかなって思ったりもしました」

──それでも平田樹という選手のポジションは特別で、他の選手より恵まれているという風に思うことは?

「まぁ、知らない人は分からないことだけど……色々と経験してきているので(笑)」

──その結果の今。この試合で何を見せたいと思っていますか。

「MMAです。コーチとのコミュニケーションも含め、全体的に総合力が上がった自分を見せたいです。これまで欠けていた部分がメチャクチャあったので。その欠けていた部分が補えて来た──MMA選手らしい試合をしたいです」

──ところで、体重の方は?

「あと2.5キロです(※取材は12日に行われた)。ここにいると『お前、体重落とせよ』って、皆に言われます(笑)。そんな皆に囲まれているからこそ、今回のように無意味だと思っている試合も、あとになれば意味があるんだろうなって思えるようになりました」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

The post 【Special】J-MMA2023─2024、平田樹「アーセン云々なんて触れないで、無意味な試合と言いたいです」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB F1 MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN239   大沢ケンジ 風間敏臣

続報・風間敏臣、3.16 UFCラスベガス大会シャラランポス・グリゴリオウ戦を断っていた

Disney Supreme Guide 東京ディズニーランドガイドブック with 風間俊介 [ 講談社 ]


3.16 UFCラスベガス大会で風間敏臣とシャラランポス・グリゴリオウが対戦(2024年01月09日)

 こちらの続報。



 というわけで、3月16日にネバダ州ラスベガスで開催するFight Nightシリーズの大会で風間敏臣 vs. シャラランポス・グリゴリオウは行われません。風間陣営が2戦目のタイミングとしては時期尚早と判断し断ったものの、グリゴリオウは試合に同意していたことから先走ってXで発表してしまったということでしょう。

 この度は大変失礼いたしました。続きを読む・・・
カテゴリー
45 DEEP o RIZIN YA-MAN YouTube キック ヒロヤ ライカ 修斗 堀口恭司 大沢ケンジ 山内渉 平本蓮 新井丈 朝倉未来 朝倉海 海外 神龍誠 竹中大地 藤井伸樹 関口祐冬

【RIZIN】RIZIN.45 新井丈×ヒロヤのあとがき


堀口恭司×神龍誠、朝倉海×ファン・アーチュレッタ、平本蓮×YA-MANなどが注目を集めたRIZIN.45。その前半戦でわりとひっそりと行われた新井丈×ヒロヤの一戦に注目していた格闘技マニアは何気に多いのではないでしょうか。

新井は修斗でストロー級とフライ級の2階級を同時に制覇した唯一の選手。そして9連敗から11連勝して成り上がった破天荒な経歴。さらにはケンカのような間合いで衝撃的なKOを量産するファイトスタイルが相まって2023年最も修斗で輝いた選手と言っても過言ではないでしょう。

そんな修斗の象徴が初めてのRIZINで対戦したのは朝倉未来門下生のヒロヤ。DEEPでの戦績は勝ったり負けたりと平凡なものの、朝倉のプッシュもあって今年RIZIN初参戦。結果0勝2敗と1度も勝っていませんが、ブレイキングダウンで得た人気をバックに大晦日にも出場。そればかりか修斗の顔と言うべき新井とぶつかる事になったから、修斗マニアの心中は穏やかではなかったはずです。

その裏側では実績と勢いに勝る新井が成敗してくれるだろうと期待していたのも束の間、得意のはずの打撃戦で相次いでパンチを被弾。最後はハイキックを効かされ、追撃のパンチを浴びてTKO負けを喫しました。

負ける事が想像出来なかった新井のよもやの敗戦。現実を受け止める事が出来ず、落胆したフォンがどれだけいた事か。でも、両者のファイトスタイル、試合までの流れを見ると、あながちヒロヤのまぐれ当たりではなく、ある種必然だったようにも思えます。

まずはファイトスタイル。戦前の展開予想でも触れた通り、連勝中に新井が対峙してきたのはストライカーが中心。真っ向から打ち合ってくれたからこそ、新井の強みでもある打撃が十二分に活かされ、KOの山を築いてこれたのは紛れもない事実です。

対するヒロヤはテイクダウンにこだわり、グラウンドでガッチリ固めてコントロールするファイトスタイル。新井はこの手のコテコテのタイプとの対戦経験はほとんどなく、手を焼くであろうと予想していました。

現に試合では、テイクダウンこそ許さなかったものの、再々タックルで組み付かれて間合いを潰され、スタンドでの打撃に集中し切れなかった様子が見て取れます。

そして組み一辺倒のイメージが強いヒロヤですが、スタンドの打撃が着実に上達している事も番狂せを起こした要因のひとつ。タックルの合間を縫って的確にパンチを入れた場面が印象的。さらに序盤から狙っていたハイキックをクリーンヒットさせるあたりは、しっかりと新井対策を講じてスキルアップしてきた所以ではないでしょうか。

現にヒロヤと同じJAPAN TOP TEAM所属の西谷大成も11月のFIGHT CLUBで初めてのキックルールに挑戦。ここでも本職のキックボクサー山口裕人から3度のダウンを奪ってKO勝ちを収めました。ヒロヤが勝利した瞬間、西谷の勝利がオーバーラップしてきたのは私だけでしょうか。日本、海外問わず名コーチを招聘してメガジム化してきたJTTの成果がこの2試合に表れ始めた気がします。

さらに言うと新井のフィジカル(体調)も引っかかるポイント。元々ストロー級を主戦場にしてきた新井にとって1階級重いフライ級は若干背伸びした感は否めません。リング上でヒロヤと並んだ時にも一回り小さく見えたし、普段よりも大きい相手をプレスし切れなかったように見てました。

そして、新井の体調が万全だったかと言えばこれもまた疑問。直近では11月19日に修斗の世界フライ級王座を賭けて山内渉と対戦。身長、リーチ、フィジカルで上回る山内が前蹴りで新井の動きを止めて、左右のフック、ハイをヒットさせてKO寸前に追い込まれました。

結果的には逆転のKO勝ちを飾ったものの、新井のダメージは相当大きかった。しかも、この試合は修斗初の2階級同時制覇がかかった大一番。全てのモチベーションを集中させていただろうから、試合の1ヶ月後の大晦日にRIZINでビッグマッチと言われてもモチベーションも上がり切らず、ダメージも回復し切れなかった事は想像に難くありません。

とはいえ、そんな事は新井本人もトレーナーを務める大沢ケンジも百も象徴でしょう。リスクを背負ってでもRIZINに参戦して、名前を売る、より高みを目指す事を優先したわけだから、その決断は決して責められません。

それでも、この敗戦はぶっちゃけ本当に痛い。全てがフイになる事はないとしても、11連勝も修斗2階級同時制覇も、手にしていたものが、1回の敗戦でヒロヤに総取りされました。修斗を見続けて新井の勝利に胸を震わされた1人のファンとして正直残念だし、悔しい気持ちで一杯です。

しかし、酷な事を言うようですが、これもまた格闘技。これもまた人生。いい事ばかり続かないし、チャンスを掴むためにリスクを負って勝負しなきゃならない事だってありますもん。それでこそ新井丈なのかなと。

でも、このままでは終われない。今回の敗戦を受けて新井はどう動くのか。敗戦を無かった事にして修斗で防衛戦を重ねるのは避けてもらいたい。目線の先にはRIZIN再上陸を見据えてリベンジのチャンスを伺ってほしいというのが無責任な外野のファンの願いです。

そして、現役の二冠王者の首を獲られた修斗。新井陣営が負った責任なのかもしれませんが、このまま引き下がっていいものか。フライ級なら山内渉、関口祐冬、体重を調整出来るなら、バンタム級の藤井伸樹や竹中大地あたりがヒットマンとして送り込まれたら、因縁があってストーリー的にも面白くなりますが。。。果たしてどうなりますか。

でも、よく考えたら9連敗しても現役にこだわり続けて結果を出した新井丈。今回の1敗なんてわけないんじゃないかと。2024年もまた何か大きな事をやってくれる予感がしています。ご武運あれ。