カテゴリー
45 HEAT53 K-1 MMA MMAPLANET o キック 平山迅

【HEAT53】壮絶な打ち合いはアビラルが左ボディからのラッシュで平山をストップ。ミドル級王座防衛に成功

【写真】左ボディに活路を見出したアビラルが大激戦を制した(C)MMAPLANET

<HEATキック・ミドル級選手権試合/3分5R>
アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール)
Def.4R1分41秒 by TKO
平山迅(日本)

体格で上回るアビラルがプレスをかける。平山の左ミドルをブロックし、左ジャブを突く。平山は左ボディを突き刺すもアビラルの前進は止まらず。互いにローとジャブを繰り出すなか、アビラルの右前蹴りが平山の下腹部を捉えた。すぐに試合が再開されると、アビラルの左ジャブが連続で当たる。しかし平山が右ストレートから返しの左フックで、アビラルのアゴを跳ね上げた。アビラルも左で平山の動きを止める。至近距離でパンチを振り合うなか、平山が右カーフを連続で当てた。アビラルも打ち下ろしの右ストレートから左フックを当て、平山にロープを背負わせた。

2R、平山が右ローを当てる。アビラルはパンチで攻め立てるが、平山の左ジャブから右がヒット。右を受けて動きが止まったアビラルに、平山がパンチで攻め込む。ローが少ないアビラルの顔面に、平山の左ジャブが届く。アビラルの首相撲を振りほどいた平山が前に出るも、ここでアビラルの右から返しの左がクリーンヒットした平山をロープに詰めたアビラルが左ボディを突き刺すと、平山がうずくまるようにダウンする。ここは立ち上がったが、再びアビラルがパンチで攻め立て2度目のダウンを奪った。平山が立ち上がり、ここでラウンド終了に。

3R、開始早々からアビラルが上下にパンチを打ち分けて攻め込む。しかし平山がの左カウンターを受けて、アビラルが足を滑らせた。大振りのアビラルに対し、平山もカウンターを狙う。しかしアビラルの左ボディを食らうと平山の動きが止まる。それでも息を吹き返して攻め込む平山が、左ボディを食らいながら右ストレートでアビラルを下がらせた。互いの右ストレートが顔面を捕らえる。打ち合いの中で平山が左フックから右アッパーで、アビラルをグラつかせた。さらに左フックの相打ちでアビラルのアゴが上がる。そのまま平山がアビラルにロープを背負わせ、右ストレートを突き刺した。

4R、右目が腫れ上がった平山がプレスをかけ、左フックでアビラルのアゴを跳ね上げた。アビラルは首相撲からヒザを狙うも、平山が押し込むブレイクが掛かる。アビラルは右ハイを見せるが、平山のパンチがクリーンヒットする。ここでアビラルは左ボディを繰り出すも、平山は倒れず。しかし再度、アビラルが左ボディを突き刺すと平山の動きが止まり、コーナー際でラッシュしてレフェリーストップを呼び込んだ。

これで4度目の王座防衛に成功したアビラルは、「12月にK-1で負けて3連敗しましたが、地元のHEATで勝てて最高です。メインとして最高の試合だったと思います。これからもどんどん盛り上がる試合をしていくので、応援よろしくお願いします。次の試合でISKAのチャンピオンになります」と挨拶した。


The post 【HEAT53】壮絶な打ち合いはアビラルが左ボディからのラッシュで平山をストップ。ミドル級王座防衛に成功 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 HEAT53 MMA MMAPLANET o Report World kicks イ・ホジェ ブログ 実方宏介

【HEAT53】実方のロー&カーフを耐えたイ・ホジェが右でダウンを奪い、左フックで沈めてヘビー級王者に

【写真】実方のローに対し、イ・ホジェが隙を突くパンチでKO(C)MMAPLANET

<HEATキック・ヘビー級王座決定戦/3分5R>
イ・ホジェ(韓国)
Def.2R2分40秒 by KO
実方宏介(日本)

リング中央で向かい合う両者。イ・ホジェが左ジャブを突いた。実方は右ローで様子をうかがう。右カーフから左インローへ。さらに右ローを蹴るとイ・ホジェの足が流れた。ローで攻める実方に対し、イ・ホジェが左ミドルを当てる。右前蹴りで実方を下がらせると、さらにイ・ホジェの左ハイは実方の顔面をかすめた。右カーフを受けたイ・ホジェが右ストレートを伸ばす。さらにワンツーが実方にヒットする。イ・ホジェが左ハイ、右ローから右ストレートに繋げた。実方は右カーフ、右ローで攻め続ける。

2R、実方の右カーフが当たるも、イ・ホジェがプレスを強める。右ストレートで実方のアゴを跳ね上げると、距離を詰めていく。クリンチからブレイク後、イ・ホジェがワンツーから右ハイへ。さらに右ストレートから左ストレートで実方を下がらせた。イ・ホジェがパンチのラッシュで攻め込むと、ロープを背負った実方が左フックをカウンターで当てた。

この一撃でグラついたイ・ホジェを攻め立てる実方。しかしイ・ホジェが右ストレートでダウンを奪う。実方は立ち上がったものの、イ・ホジェの右を受けて再びグラつく。さらにイ・ホジェの左フックをもらってダウンし、立ち上がることはできなかった。

KO勝ちのイ・ホジェは1カ月のインターバルでWKN王座に続きHEATでもベルトを巻いた。


The post 【HEAT53】実方のロー&カーフを耐えたイ・ホジェが右でダウンを奪い、左フックで沈めてヘビー級王者に first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
HEAT53 MMA MMAPLANET o ユン・テスン 堀友彦

【HEAT53】テスンがパワフルな前進ファイトで堀に3RTKO勝利、MMAルール・バンタム級王座に就く

<HEAT MMAバンタム級王座決定戦/5分5R>
ユン・テスン(日本)
Def.3R2分26秒by TKO
堀友彦(日本)

堀がジャブと前蹴り、右ローを見せる。テスンも右ローを蹴り返して、左右のフックで前に出る。堀がじりじりと前に出ると、テスンはインローを蹴る。堀が右ストレートで飛び込むと、前に出るテスンが堀をコーナーに詰めて左フックからパンチをまとめる。堀も右を返して組みの攻防になると首相撲のような形になり、テスンを突き放す。

距離を取った堀が右ロー、テスンも右ローと大振りのパンチで組みつく。堀がテスンを四つ組みでコーナーに押し込んで足にヒザ蹴りを入れて離れる。試合がスタンドに戻ると堀はテスンの右ローに右ストレートを伸ばし、右ローと右の前蹴り。テスンが左フックから前に出て組み付くと、ここも堀がテスンをコーナーに押し込む。

2R、堀が右ローと前蹴りで前に出る。テスンもジャブを返して右ロー、足を上げるフェイントから左フックを見せる。堀がパンチで前に出るとテスンは右アッパーを狙う。距離が離れるとテスンが細かくフェイントを入れ、堀はそこに右ストレートを狙う。組みの攻防になるとテスンが離れ際にパンチをまとめ、左フックを当てる。さらにテスンは下がる堀を左で追いかけて右フック。堀も右ストレートを返して首相撲に持ち込む。

離れたテスンはジャブから左右のフック。堀も右ストレートを返すが、テスンが右フックを当てて堀をコーナーに詰める。離れる堀にテスンは右アッパー、左を突いて突進。堀も必死に右ストレートを返すが、テスンが右ストレート、左フック、右ストレート。この右で堀が後方に倒れ、テスンがジャンプしての踏みつけを連発。テスンは起きようとする堀を寝かせる。そしてテスンが立ち上がるとブレイク。再起後、テスンがパンチで前に出てヒザ蹴り、再びパンチを連打した。

3R開始前に右まぶたをカットした堀にドクターチェックが入る。試合は続行となり、パンチで前に出るテスン。堀はシングルレッグからダブルレッグに入るがテイクダウンできずに引き込む。堀が立ち上がって試合がスタンドに戻ると、テスンが右ストレート、左フックから右、ジャブと右ローと手数を増やす。

堀も右ストレートを返して前進。テスンが首相撲に持ち込むと右フックを連打する。距離を取ったテスンはすぐに堀をロープに詰めてパンチを連打。堀が棒立ちになったところでレフェリーが試合を止め、テスンがHEAT MMAバンタム級王座に就いた。

The post 【HEAT53】テスンがパワフルな前進ファイトで堀に3RTKO勝利、MMAルール・バンタム級王座に就く first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 HEAT53 MMA MMAPLANET o キック 今井舜也 倉本拓也

【HEAT53】倉本、左ストレートを当てTD&トップキープで圧倒。今井に判定勝ちで連敗脱出

【写真】今井の蹴りやガードからの攻めにひやりとする場面もあったが、それ以外は倉本が完全に試合をコントロールした(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
今井舜也(日本)

サウスポーに構える倉本。今井が右ローと右ミドル、右ストレートにつなげる。スイッチも見せる今井に対し、倉本はジャブで距離を詰める。今井が組みつくと、倉本が投げてテイクダウンを奪ってサイドポジションへ。今井がバギーチョークを仕掛けると、足を外した倉本は肩固めを狙う。

ガードに戻した今井が三角絞めを狙い、倉本が背筋を伸ばして足のクラッチを外すとパンチを落とす。ドントムーブで試合再開になると、倉本が立った状態からパンチを振り落とす。残り5秒でレフェリーがブレイクを命じ、今井が右の二段蹴りを見せてラウンド終了となった。

2R、倉本がインロー、今井が右ストレートを伸ばす。一旦距離を取った今井がスピニングバックフィストと右の前蹴り、構えをスイッチする。倉本は今井の構えにかかわらず、今井の前足に左右のカーフキックを蹴る。オーソドックスの今井が右ハイキックを飛ばす。

倉本は左ストレートからの右フックで今井に尻餅をつかせると、インサイドガードでトップキープして細かくパンチを入れる。倉本が立ち上がったところでブレイクとなる。再開後、すぐにパンチで前に出る今井。組んだ倉本が足を払ってテイクダウンするとサイドポジションから肩固めを狙う。ここは残り時間が足りずにラウンド終了となる。

3R、今井が右から飛び込んで左フック、右ミドル、右ストレート、右の三日月蹴り。倉本は外から右のカーフキックを蹴って前に出る。今井も右ストレートを返すが、倉本が左ストレートを当て、左のインカーフを蹴ると今井が後方に倒れる。今井は下から蹴り上げ、倉本はトップキープして立ち上がる。

ブレイク後、倉本が左ストレートを当て、今井の打撃をバックステップでかわしてジャブと左ストレート。倉本は今井のダブルレッグを切ってハーフガードでトップキープ。今井が足を戻すと、倉本は立ち上がる。残り15秒でブレイクになると、パンチで前に出る倉本が組みついて試合終了となった。倉本が判定勝利で連敗脱出を果たした。

The post 【HEAT53】倉本、左ストレートを当てTD&トップキープで圧倒。今井に判定勝ちで連敗脱出 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP Grachan HEAT53 MMA MMAPLANET o YouTube ソン・ヒョンジョン チャンネル ユン・テスン ライカ 堀友彦

【HEAT53】ユン・テスンと王座決定戦、堀友彦「おっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くない」

【写真】タイトルマッチは3団体目、Grachanに続く2本目のベルト獲得なるか(C)MMAPLANET

27日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールでHEAT53「Evolution」が開催され、HEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦で堀友彦がユン・テスンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2022年11月に約4年ぶりの復帰を果たし、昨年8月には「HEAT vs AFC 対抗戦」に出場し、ソン・ヒョンジョンに一本勝ちした堀。この勝利をきっかけに今大会ではHEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦のチャンスが舞い込んできた。試合に向かう姿勢もファイトスタイルも自然体。そんな堀が3団体目となるタイトルマッチに臨む心境を語った。


――昨年8月に続いてHEAT参戦が決まりました。この時期に試合をしたいという希望があったのですか。

「いえ、特には。話をもらってタイミングがよく決まった感じです」

――いつもの堀選手らしい自然体バージョンですね。前回のソン・ヒョンジョン戦は一本勝ちでしたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「頑張りましたね(笑)。相手がすごい強そうだったんで、しっかり仕上げないとまた壊されちゃうと思って、気合いが入っていました」

――実際にヒョンジョン選手と戦ってみていかがでしたか。

「予想通りガツガツ来て、強いというか力もあって。僕のパンチが当たっても全く全く効いてなかったなと思いました」

――パンチが当たった感触、これは効いたなというものはあったんですか。

「一発だけあったんですけど、なんてことない感じでした(苦笑)。何事もなかったかのようにしていて、逆に殴られましたね。ただ僕としてはガツガツ来てくれてよかったです」

――堀選手はファイトスタイル的にガツガツ来る相手をコントロールするのも得意ですか。

「そうですね。僕自身そんなに踏み込みやスピードがある方じゃないのですが、自分からプレッシャーをかけたり、相手が来るところに合わせたり。前回はもともと相手がガンガン来てくれるタイプだったんで、そういう試合になりました」

――試合中にどこかで相手が失速する・コントロールできるという感触はありましたか。

「首(ギロチン系)は何回かいけそうでした。それこそ練習だと割と取れる感じに入っていて、得意と言えば得意なんですよ。でも相手がしっかり技を知ってる感じで対処されました」

――でも結果的にあの首へのプレッシャーがあったからこそm、最後はRNCで一本勝ちできた流れだったかなと思います。試合前には「KO勝ちしたい」と話していて、結果的に一本勝ちでした。

「もちろん一本勝ちもうれしいはうれしいですよ。でもやっぱり…KOしたいはしたいですよね(笑)」

――堀選手自身、前回の一本勝ちで自信になった部分はありますか。

「そうですね。ああいう体が強い選手にも勝てたわけですし、自分のやっていることも間違っていないなと。トータル的には分からないですけど、強くなってる部分はまだあるなと思いました」

――ヒョンジョン選手は堀選手に負けた後も2連勝していて、戦績的にも堀選手に負けた試合が唯一の敗戦(7勝1敗)なので実力のある選手です。

「僕もネットでヒョンジョン選手の戦績を見たときに『うわ、あれから勝ってる!』と思って、なんかちょっとうれしいです」

――試合の振り返りにもつながりますが、堀選手のように相手に合わせて戦うスタイルは年齢・キャリアを重ねても、しっかり強くなれるスタイルだと思います。

「そうかもしれないですね、僕は若い頃からフィジカルが強いわけでもないし、スピードがあるわけでもないし、一発があるわけでもない。でも色んな技術を全部ごちゃごちゃさせながら、最終的に勝つみたいな感じだったんで、それでこの年齢になってもできているのかなと思います」

――練習では若い選手たちに揉まれて、そういう環境もプラスになっているようです。

「かもしれないですね。20代中盤ぐらいの子たちと練習していて、やられちゃうこともあるんですけど、そういう時にもまだ悔しいなとか思うんで、それで頑張れている感じもありますね」

――今回の対戦相手=ユン・テスン選手にはどんな印象を持っていますか。

「結構、シャープ打撃を打つなという感じのストライカーですね。成績を見たらデビュー戦だけ負けて、それ以外はずっと勝ってるみたいなので、間違いなく強いだろうし、ああいうシャープの打撃はもらっちゃうと危ないなと」

――前回対戦したヒョンジョン選手と同じ打撃系ですが、パンチの質が違いますね。

「そう思います。前回の選手はパンチがキレるというかガツガツきて、相手に嫌な感じを与えて倒すタイプですけど、今回の相手は失神はさせられないけど、パッとフラッシュ(ダウン)を取るようなタイプだなと思っています」

――なぎ倒すよりも切れるタイプですね。

「もしクリーンヒットがあっても失神はしないと思うんですよ。でも膝をついちゃうとか、そういうことが起こりそうなので、そこを気をつけながらもらわないように。ただおっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くないと思うので、どこかで真正面から行ってみたいなと思ってます」

――しかも今回の試合はHEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦です。こういうチャンスが巡ってきたことをどう思いますか。

「ありがたいですよね。前回HEATに出させてもらって、そこで勝って、今回こういう話をもらって。本当にありがたいです」

――堀選手の今の年齢やキャリアにおいて、ベルトはどういう意味があるものですか。

「どうだろう…」

――前回の試合前のインタビューはお子さんをセコンドに入れたり、家族のために自分が戦う姿やベルトを巻く姿を見せたいのかなと。

「今言われて思ったんすけど、それはあるかもしれないですね。Grachanのベルトを持っていたときは次男がまだ赤ちゃんだったんで、よく分かっていなかったと思うんですよ。だから今回ベルトを獲れたら、次男にベルトを見せてあげたり、持たせてあげたいなと思います」

――またあのインタビューでは「(格闘技を続けているのは)依存症みたいなもの」「自分自身が満足したい」と話していて、そういう姿勢の堀選手にタイトルマッチのチャンスが巡ってくるのも、不思議なものだなと思います。

「本当にそう思いますよね。タイトルマッチをやりたい・ベルトが欲しいと言っていても、一回もベルトに絡めないまま辞める人も多いので。そういう意味では恵まれてますよね。DEEP、Grachan、HEAT。3団体でタイトルマッチをやらせてもらっているので」

――今回はどんなファイトを見せて勝ちたいですか。

「攻めていきたいって感じですね。相手がシャープな打撃を持っているんで、それにびびって引いちゃうと、多分何もないままズルズルいっちゃうと思うので。何にせよ、とにかくはっきりした形で終わるように行かないとって感じですね」

■視聴方法(予定)
4月29日
午後3時00分~ HEAT オフィシャルYouTubeチャンネル

The post 【HEAT53】ユン・テスンと王座決定戦、堀友彦「おっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 HEAT53 MMA MMAPLANET o YouTube キック ソ・ドンヒョン チャンネル ボクシング ユ・ジュサン 三宅輝砂 今井舜也 倉本拓也 元谷友貴 海外 透暉鷹

【HEAT53】今井舜也との再起戦へ。倉本拓也「負けているのにタイトル挑戦というのはモヤモヤしていた」

【写真】インタビュー開始時は緊張していたが、丁寧かつハッキリとした意志が感じられる倉本(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(土)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT53で、倉本拓也が今井舜也と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

志村道場の生え抜きファイターである倉本は、HEATのニューエイジ枠からキャリアを積み重ねた。そしてプロ4連勝後に昨年、HEATと韓国Angel’sFCとの対抗戦に抜擢される。しかし4月は敵地・韓国でソ・ドンヒョンに判定負け。続く8月にはHEATフェザー級のベルトを賭けて、Angel’s FC同級王者のユ・ジュサンと対戦したものの、KO負けを喫している。この2連敗で感じたという「壁」を乗り越えるためには――。再起戦を控える倉本が語ってくれた。


――4日後に試合を控える倉本選手です(※取材は4月23日に行われた)。

「よろしくお願いします。すみません、こういうインタビューに慣れていないので、面白いことは言えないかもしれないですが……」

――いえいえ。現在のコンディションはいかがでしょうか。

「コンディションは、いつもどおりですね。追い込みの練習は終えて、あとは体重調整で少し体を動かすぐらいです」

――倉本選手といえば「志村道場の生え抜きファイター」という印象があります。MMAを始めたのも志村道場だったのですか。

「はい。今30歳ですけど、22歳か23歳ぐらいの時、志村道場に入会しました。当時は太っていて、ダイエットでキックボクシングのクラスに通い始めたんです」

――MMAファイターを目指していたのではなく、ダイエット目的でジムに入会したのですね。

「そうなんです(笑)。昔からMMAは好きで、特に山本KID徳郁さんのファンでした。いつかMMAをやってみたいとは思っていましたが、プロのファイターになりたいと考えていたわけではなかったです。出身地が岐阜で、当時は周りにMMAをやれるような環境がなかったですし。

転職で岐阜から名古屋に出てきた時、引っ越し先の近くに志村道場があったので入会しようと思って。でも当時は、僕が行ける時間はキックボクシングのクラスしかなかったので、しばらくはずっとキックボクシングをやっていました」

――志村道場に入会する前のスポーツ歴を教えてください。

「小学校の時は剣道をやっていました。先に兄がやっていたので自分も剣道を始めたのですが、小学5年生ぐらいの時には辞めていて。そのあと中学では友達と一緒に柔道部に入り、柔道は高校卒業まで続けていました。特に強い学校でもなく、これといった実績もないんですけど」

――ちなみに志村道場に入会した時、「太っていた」というのは何キロぐらいまで……。

「あの頃は95キロぐらいありましたね(苦笑)。100キロまで太るのは嫌だなと思って、志村道場に入会したんです」

――柔道時代は何キロ級で試合に出ていたのでしょうか。

「90キロ級です。それも太ったから90キロ級に出ていたという感じでした」

――現在、MMAではフェザー級で戦っています。すでに減量に入っている今の姿を見ると、90キロある姿を全く想像ができません。

「アハハハ、そうですね。僕が一番太っている時を知っている友達も、久々に会うと『メチャクチャやせたね!』と驚くぐらいなので(笑)」

――それが今やフェザー級ということは、まずダイエットに成功したということですか。

「入会してから半年ぐらいで初めてキックのアマチュア大会に出た時は、80キロ台の中盤まで落ちていました。そのあとジムのクラススケジュールが変わって、MMAのクラスに出られるようになったんですよ。そこからMMAを始めて、HEATのニューエイジ枠で試合をした時は70キロで。さらに怪我をして休んでいる間に『フェザー級まで落とせそうだなぁ』と思ったという流れですね」

――MMAを始めてニューエイジ枠では敗戦もありましたが、プロで4連勝していた時期もありました。

「練習仲間のおかげです。春日井“寒天”たけしさん、透暉鷹選手、元谷友貴選手もATTに行く前は来られてしましたし。ニューエイジで対戦した三宅輝砂選手も、もともとジムが近くて今は練習仲間です」

――本当に多種多様なタイプと練習しているのですね。

「それだけ強い人たちと練習させてもらえるので、これだけ強い選手と練習しているんだから、という自信もあります。でも全然うまく行かないと『自分は大丈夫かな……』と心配にもなりますね(苦笑)。自分としては、とにかく一つひとつ試合で勝っていくことを目標に、ウチの練習についていきました」

――4連勝のあと、韓国Angel’s FCとの対抗戦に抜擢されましたが、2連敗を喫しています。この2敗については、どのように捉えていますか。

「そうですね……。まだキャリアも浅いし、それで海外で試合をするということで、いつもとは違う気持ちもありました。いつもより『とにかく頑張らないといけない』という意識が強くて。結果は2連敗で、自分の中でも『壁に当たったな』とは思っています」

――壁とは?

「まず自分は攻め切ることができませんでした。韓国で試合をした時は、相手の嫌がっている表情も見えていたんです。それまでの試合だったら、あそこで自分も攻め切っていたと思います。インローを蹴られて足が出づらくなってはいましたけど、そういう時こそ勝負を賭けられるかどうかなんですよね」

――対抗戦以降、取り組んできたことはありますか。

「練習環境は変わっていないんですけど、以前よりは自分で考えるようになりました。前は強い人たちとの練習を『こなす』ことほうが強かったと思います。練習中にも自分の動きを確認しながら、自分で『こう動いてみようかな』と考えるようには意識しています」

――それらを踏まえたうえで、今のご自身の強みは何だと思いますか。

「これまで一度、三角絞めでフィニッシュしたことはあります。でも打撃のほうが自分の武器だと思っているので、打撃を生かしていきたいです。
次の対戦相手も――対戦相手については試合を視ても『やりづらい』とは感じないですし、周りからも『相性は良いんじゃないか』とは言われます。自分としても、やりたいことができると考えています」

――2連敗のあと、今回が再スタートともいえる一戦となります。今後の目標を教えてください。

「前回がタイトルマッチで、その前の試合で負けているのにタイトル挑戦――という点は、自分の中でもモヤモヤがありました。次の試合からまた連勝して、しっかり勝っている状態でベルトに挑戦できるようになりたいです。よろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
4月29日
午後3時00分~ HEAT オフィシャルYouTubeチャンネル

The post 【HEAT53】今井舜也との再起戦へ。倉本拓也「負けているのにタイトル挑戦というのはモヤモヤしていた」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 GLORY HEAT53 K-1 MMA MMAPLANET o ONE UFC アビラル・ヒマラヤン・チーター キック ラファエル・フィジエフ 平山迅 海外

【HEAT53】タイガームエタイの武者修行で覚醒。アビラル「タイで『自分の長所を使いきれてない』と言われた」

【写真】K-1での敗戦とタイ修行を経て、どんな成長を遂げたかに注目したい(C)NAKAMURA TAKUMI

27日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールでHEAT53「Evolution」が開催され、HEATキックルール・ミドル級王者アビラル・ヒマラヤン・チーターが挑戦者・平山迅と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

HEATとK-1で試合を重ね、HEATでは圧倒的な強さを見せる一方、K-1では3連敗を喫しているアビラル。その状況を打破すべく、タイのタイガームエタイで約一カ月間の武者修行を行った。現地での指導と海外選手とのスパーリングで「まだまだ自分は強くなれる」「格闘技が好きになった」と語るアビラルが再浮上に燃えている。


――試合直前のインタビューありがとうございます(取材日は25日)。もう体重を落とすだけだと思いますが、仕上がりはいかがですか。

「今回は試合が決まってからタイのタイガームエタイに行って、1カ月ぐらい追い込んできました。今までだったら試合が決まったら1カ月ぐらい追い込みする感じだったんですけど、今回は2カ月前から追い込みを始めて仕上げてきました」

──タイで練習したのは始めてですか。

「いや、2回目ですね。」

──タイで練習しようと思ったきっかけは何だったのですか。

「前回12月のK-1で負けてしまって、ちょっと格闘技から離れようかなと思った時期があったんです。でも周りの応援してくれる方々が『もっとアビラルを試合見たい』と言ってくれたり、暖かい言葉をかけてくれたりして、そういうタイミングで志村(民雄)館長から4月のHEATで平山迅選手と試合やらないかと話をもらって。しかも平山戦のあとにも次のチャンスとしてISKAの世界タイトル戦を考えていると言ってもらえて、それでまた気持ちが入った感じですね。そういう心境の変化もあって、今回はタイで練習しようと思いました」

──初の長期的なタイ修行でどんなことを学びましたか。

「日本ではスパーリングパートナーが少なくて、ジムワークをやって試合という感じだったんです。でも、タイに行ったら強い人がたくさんいて、大きい選手とも毎日スパーリングできる。しかもスパーリングでやられると『今日はやられてけど次は負けたくない』みたいな気持ちが芽生えて、試合じゃなくて練習の時点から負けたくないという感じでモチベーションが上がりました」

──タイガームエタイはタイのジムですが、世界中から選手が練習に来るんですよね。

「はい。むしろタイ人はジュニアの子たちがいるくらいで、ほとんど大人は海外の選手たちなんです。しかも練習している選手たちもONE、GLORY、UFCに出ている選手たちなので本当にいい練習ができました」

──どんな選手と練習したのですか。

「UFCだったらラファエル・フィジエフ、ONEだったらフェリペ・ロボ、あとはロシア系の選手もたくさんいました」

──アビラル選手は名古屋在樹で階級も70kgなのでハードスパーできる相手は限られますよね。

「スパーリングできる相手も65kg~67.5kgの選手なので、同じ階級の選手としっかりスパーリングして試合することが少なくて。今までは練習から試合がぶっつけ本番みたいな感じだったんですけど、今回タイでたくさんスパーリングをして試合に対する怖さがなくなった感じです」

──K-1ではジョムトーンやジョーダン・ピケオーといった海外の強豪とも戦って、自分に足りないもの・必要なものも気づきましたか。

「はい。スパーリング以外でもタイガームエタイのコーチが自分の試合映像を見てくれて『自分の長所を使いきれてない』と言われて。そこを改善するために色々と教えてもらったんで、それを今回の試合に見せたいです」

──タイで練習したことで自分の強みや伸びしろを感じることもできましたか。

「12月に負けて格闘技が嫌になっていた時期もあったんですけど、こうやって1カ月間タイに行って、色んな人に練習を見てもらって、色んな選手と練習をして、もっと格闘技が好きになりました。まだまだ自分は強くなれるんだなと思っています」

──対戦相手の平山選手にはどんな印象を持っていますか。

「僕がプロをやり始めた頃から知っている選手で、何回かHEATでやるかもって話もあったんです。相手にその話が行っているかどうかは分からないんですけど。ただ僕がK-1に行ってからは平山選手が階級を下げたので、対戦する機会はなかったですが試合は見ていました」

──アビラル選手としてはしっかり勝って、もっと上のステップに進むための試合だと思います。

「僕が目指すところは、ここじゃないし、僕は世界のベルトを獲りたい。だからこそ今回の試合は負けられないし、平山選手は過去にISKAのインターコンチネンタル王座戦をやっている選手なので、その相手に勝てばISKAの世界タイトルにも近づけるので、負けられないですね」

──復活の勝利だけでなく、世界タイトルにつながる結果・内容を見せたいですか。

「そうですね。HEATでは5~6年ぐらい負けてないし、ずっとKOで勝ち続けているんで。ただ今回は強引にKOを狙うというよりも、しっかり強くなった姿を見せて勝つ。そういう試合をしたいです」

──アビラル選手にとっては復帰の場でもあり、次のチャンスがある場でもあり、HEATというホームリングがあることは大きいですね。

「そうですね。あとは次のチャンスのことを考えると動きが固くなってしまうし、プレッシャーもすごくなるので、今回は次のことは全く考えず。僕が持っているHEATのベルトをかけた防衛戦ですが、チャンピオンではなくチャレンジャーの気持ちでいきます」

The post 【HEAT53】タイガームエタイの武者修行で覚醒。アビラル「タイで『自分の長所を使いきれてない』と言われた」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB HEAT53 K-1 MMA MMAPLANET o ONE UFC イ・ホジェ ブログ 実方宏介

【HEAT53】ヤバいヤツが現れた。SH級王座決定戦で実方宏介と対戦、イ・ホジェ「粋がっていて可愛い」

【写真】数字とタイトル、そこで判断すると相当な猛者の可能性も (C)LEE HO JAE

27日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで、HEAT53「Evolution」が開催される。
Text by Manabu Takashima

昨年8月のAngel’s FCとの対抗戦以来、8カ月ぶりのイベントはHEATにとって2年振りの地元・名古屋での大会となる。キック7試合、MMA3試合の本戦マッチ中、3試合がタイトル戦で2試合が日韓戦となっている。

タイトル戦でもあり日韓戦でもあるのが、実方宏介✖イ・ホジェのキック・スーパーヘビー級王座決定戦だ。初めて日本で戦うイ・ホジェは1カ月前にフランスでワールドクラスのキックボクサーである=二コラ・ウォンバに勝利しWKNの世界王座を獲得。1カ月を切るインターバルの短さでHEATのベルトを狙う。

身長190センチ、体重120キロ──戦績は14勝1敗で9KO。ジョン・ダウン、ミシェウ・ペレイラ、オク・レユン、キム・ミュンギュらがHEATをステッピングボードにUFCやONE進出を果たした。そんな未知強が集う場=HEATのケージに、ヤバいK-Kickboxer=イ・ホジェが現れた──かもしれない。


――今週土曜日にHEATで実方宏介選手とHEATスーパーヘビー級王者決定戦で戦います。今の調子はいかがですか。

「今回はこれまでの試合前と比較しても調子が良いです。体力、精神力、スタミナの全てでこれ以上ないほど良い状態です」

──イ・ホジェ選手は初来日かと思いますが、我々もどのような選手なのか知りません。キックボクシングを始めたきっかけを教えていただけますか。

「実は試合ではないのですが、日本が大好きでこれまで2度、プライベートで日本を訪れたことがあります。また、4日間だけですが福岡旅行も予定しています(笑)」

──そうなのですか!!

「名古屋も初めてなので、凄く嬉しいです」

──押忍。それではキックボクシングを始めた理由の方をお願いします。

「キックボクシングを始めたきっかけは、高校生の時にダイエット目的でボクシングジムに通い始めたことです。もともと負けず嫌いだったのか、ジムの人達に負けたくないという気持ちから必死で練習をするようになり、試合に出て勝ちたいという風になっていきました。その結果、プロで戦うようになったような感じです」

──ダイエット……今の体格を見ると、ダイエットに成功したという風ではないですね(笑)。

「ハハハハ。最初は運動することで体重は少なくなりました。でも、練習を一生懸命にするとご飯もたくさん食べるようになり、また増える。落ちては増えるということを繰り返しているうちに、トレーニング量が増えて筋肉もバルクアップしたのでダイエットはやめました。なら、逆に鍛えてもっと大きくなってやろうと(笑)」

──そんなイ・ホジェ選手の身長と体重は?

「190センチで、123キロです」

──日本でなかなか見られないサイズです。では戦績と獲得タイトルなどがあれば教えてもらえますか。

「アマチュアでは5戦5勝で、6年前にプロデビューをしました。戦績は15試合戦って14勝1敗で、KO勝ちが9試合です。タイトルは実は3週間前の3月30日にフランスのアレスで行われたBoxing Supremacy03という大会で、WKN(World Kickboxing Network)のK-1ルール世界ヘビー級のベルトを獲得しました(※キック戦績42勝8敗でWKN世界キックボクシング世界スーパーヘビー級&ISKA K-1世界スーパーヘビー級王者の二コラ・ウォンバから5R、足首の負傷によるTKO勝ちで大アップセットを起こした)」

──えぇ、つい最近の話ではないですか!!

「ハイ、あとはアマチュア時代にバンコクで開かれているIFMAの世界大会で優勝しています」

──K-1だけでなく、ムエタイでも結果を残しているということですね。では1カ月間で2つ目のタイトルを狙う。その対戦相手となる実方選手の印象を教えてください。

「やたらと粋がっていますが、それが逆に可愛い選手です(笑)。ムエタイの技術を持っている一方で、日本のキックボクサー特有のスピードのある蹴りもあります。自分はクリンチは余り好きじゃないです。逆に殴り続けることが好きなので、そういうファイトをしたいです。

自分でも決してテクニカルなファイターではないと自覚しています。ただし、ファンの皆が喜んでくれるタフな試合ができると思っています」

──1カ月前にフランスで試合をしているとなると、日本での戦いは移動等も気持ちが楽ではないですか。

「ヨーロッパで試合をするのと比較すると移動は何も問題ないですし、自分の階級の選手に関しては欧州勢よりは楽な相手が多くて……これは、失礼な言い方になりますが、怖さはないです。これまで旅行した時に凄く親切にしてくだった人達が生活をしている国で、恩返しになるようなファイトをしたいです」

──ところで今回の試合はケージになるかと思いますが、ケージでキックボクシングを戦った経験はありますか。

「キックを戦ったことはないです。ただ、ケージの中で戦ったことがあります」

──つまりはMMAを戦ったということですか。

「ハイ。2018年1月にGleamon FCで試合をして判定勝ちをしています。ただ、特にMMAの練習をしたことはなく、MMAのルールで戦った感じです。リングと違うといっても自分は圧を掛けて殴るだけなので、取り立てて問題はないです。コーナーがなくても気にしないで殴ります。

この試合をきっかけにK-1に代表される日本のキックボクシングの大会で戦うことができればと思っています。以前から凄く日本で戦いたいと思ってきたので。そのために今回の試合は絶対に勝ちます。それ以上に皆に喜んでもらえる試合をしたいと思っています」

The post 【HEAT53】ヤバいヤツが現れた。SH級王座決定戦で実方宏介と対戦、イ・ホジェ「粋がっていて可愛い」 first appeared on MMAPLANET.