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45 AB MMA MMAPLANET NEXUS o RIZIN   たまよせゆきと カタナマン パンクラス マシン ヨコヤ・マクレガー 修斗 山田峻平 海外 渡部修斗 瓜田幸造 磯部鉄心

【NEXUS】ミドル級王座決定トーナメント開催。5/12@GSP、8/25@ニューピア、11/28@後楽園ホール

【写真】出場6選手と山田代表&渡部マッチメイカー(C)MMMAPLANET

3日(土)、東京都新宿のGENスポーツパレス内メディアセンターでFighting NEXUSがミドル級王座決定トーナメントの開催と出場7選手および1回戦のカード3試合を発表した。
Text by Manabu Takashima

会見にはマシン、瓜田幸造、たまよせゆきと、磯部鉄心、佐藤龍汰朗、ヨコヤ•マクレガーのトーナメント出場6選手と山田峻平NEXUS代表、渡部修斗マッチメイカーが出席して行われた。

「NEXUSをここまでやってきて、核となるミドル級の選手ができたことがミドル級王座決定トーナメントの開催に拍車をかけたということはあります」という山田代表の言葉に続きマイクを握った渡辺マッチメイカーから「出場候補選手リストを出して自分が交渉したり、山田さんにお願いしたりして。本当に良い素晴らしいメンバーに揃って頂けて自分は本当に嬉しいです。良いトーナメントになればなと思っています」と熱い想いが語れた。

ここで出場選手たちが登壇し、この日は出席できなかったカタナマンも含め、トーナメントに対する意気込みをマイクで話した。

マシン
「俺が主役のトーナメントなので勝たないと意味がないと思う。

ベルトを巻いて次のステージへ行ければと思います」

佐藤龍汰朗

「全員仕留めに行くのでよろしくお願いします」

カタナマン(※代読)
「東京在住の37歳で某大手企業勤務の趣味で格闘技を嗜んでいます。この度は仕事につき会見に出られないことを深くお詫び申し上げます。さて、現在私は北海道の団体PFCのミドル級ランキング1位を取らせていただいています。地元が東京にも関わらず勝手に北海道の団体出て勝手に代表している気持ちになっています。北の国からならぬ、おら東京さいくだリターン大作戦として、ミドル級トーナメントの台風の目になります!話は変わりますが現在、物価上昇や自然災害だの混乱の世の中であります。ただ、人間が生きる活力だけはどんな環境下にあっても失ってはいけないものだと考えます。その活力を、戦いを通して生み出せれば私この上ない喜びといえます」

瓜田幸造

「修斗君からミドル級トーナメントをやるので参戦しませんかと声をかけてもらえたのが嬉しかったです。

今年50歳の誕生日を迎えるので、いい誕生日を迎えられるようにかき回したい」

磯部鉄心
「かつて国内で盛り上がっていたミドル級が今はそんなに動きがないので、このトーナメントで動き出す初動になることが嬉しく思います」

たまよせゆきと
「今回デビュー戦として出ることになりました。

格闘技を始めた時からベルトを目指してきたので、ベルトを獲って次の舞台まで活躍したいと思います」

ヨコヤ•マクレガー

「隣に同じジムの選手(磯部)がいるんですが、戦う時は関係ないので全員ぶっ倒しに行きます」

同トーナメントは5月12日にGENスポーツパレス、8月25日にニューピアホール、11月28日に後楽園ホールという3大会、半年の長丁場で争われ、初戦の顔合わせはマシン✖カタナマン、佐藤✖ヨコヤ・マクレガー、瓜田✖磯部、たまよせ✖TBAということが伝えられた。ただし、勝ち上がった選手はシャッフルされ現状トーナメント枠は存在していない。

ここから質疑応答となったが、MMAPLANETの質問に対する選手、主催者の返答を紹介したい(※要約)。


まず83.9キロがリミットのミドル級にあって、出場選手に現状の体重を尋ねると、以下の通りだった。

たまよせゆきと(97キロ)
瓜田幸造(92、93キロ)
マシン(100キロちょいぐらい)
佐藤龍汰朗(98キロぐらい)
ヨコヤ•マクレガー(97、98キロ)
磯部鉄心(84、85キロ)

──磯部選手、ほぼ通常体重で戦うわけですが、それでもメリットがあるとすればどこになりますか。

磯部 背丈は皆同じぐらいなので、皆、差はないと思います。

──山田代表、会場の格が上がっていくトーナメントですが、ここに付随して今年のNEXUSの流れを教えていただけますか。

山田 GENスポーツパレスだと本当に有難いことにお客様が入りきらないということが出てきたので、ニューピアホールで二回転させていただいたりだとか、後楽園ホールの平日使用3度も今年で終わりますので、来年から土・日を複数回やらせていただくということになっています。会場の選定も今年から来年にかけて少しずつ変わっていくのかなっていうところです。

──修斗さん、一人残っている出場選手のヒントを?

渡部 本当は決まっていたのですが、ケガで欠場になったので今から探すんですけど。自分は強い人が欲しいので、山田さんに「この選手でお願いします」とお願いしたんですけど、「ちょっと急すぎるから、ちょっと考えさせて」と言われて(笑)。この人がぶっちぎりで優勝してしまうかもしれないと言われたので、そこは相談です。対戦相手がたまよせ選手で、アマチュアデビュー戦を見て一発で「この選手は欲しい」と思って。その場で「来年お願いします」という話をして。たまよせ選手の相手になる選手なので、どちらが勝っても楽しみです。なのでそれなりの選手が欲しいですね」

──ゴン格の熊久保記者が会場名のGSP(GENスポーツパレス)を見て、「これはジョルジュ・サンピエールじゃないの?」と言っていたのですが……。

渡部 そんなギャグになりますか(笑)。

熊久保 言ってないっ!!

──GSPが最後の一枠ということは?

渡部 GSPは予算の関係で、ないかと(笑)。

質疑応答終了後に山田代表から選手に「ベルトを獲って終了ではないので、ベルトを獲った後のプランを具体的に教えて欲しい」というリクエストがあり、たまよせ、瓜田、マシンがRIZINの名を挙げた。

他方、佐藤は「パンクラスに戻って、パンクラスのベルトを取りに行きたい」と話し、ヨコヤ・マクレガーは「海外とか大きな団体」、磯部は「ベルトの勝ちを上げるには、動かさないと上がって行かないと思うので出る試合を全てタイトルマッチにしてベルトを動かしていきたいと思います」ということだった。

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DEEP MMA MMAPLANET NEXUS NEXUS32 o ONE RIZIN Shooto 修斗 小倉卓也 山田峻平 朝倉海 海外 渡部修斗 青野ひかる

【NEXUS32】引退試合でPFCバンタム級チャンプ小倉卓也に挑戦、渡部修斗─01─「今が一番良い自分を」

【写真】「ファイターとして彼女の目標でありたかった」──今では修斗夫人、青野ひかると (C)SHOJIRO KAMEIKE

20日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるNEXUS32で、渡部修斗が小倉卓也の持つPFCバンタム級王座に挑む。
Text by Shojiro Kameike

今年4月にネクサスを通じて渡部は、8月にMMAを引退すると発表した。その引退試合として、なぜネクサスでPFCのタイトルマッチを行うことになったかは後編で語ってもらうとして、まずは渡部が引退を決意した理由を訊いた。その理由には、ファイター渡部修斗が詰まっていた。


――8月20日に引退試合を迎える渡辺修斗選手です。今年4月にNEXUSを通じて引退することを発表した時は驚きました。このタイミングで引退する理由を教えてください。

「自分の中では、急に引退を考えたわけではないんです。ここ何年もの間、『自分が一番良い時期に辞めたい』というのは、いろんなメディアでお話させていただきました。じゃあ自分の一番良い時期って、いつなのか。そこで今後を考えた時に――正直なところ、自分にとって良い未来が思い描けなかったんですよ」

――引退を考え始めたのは、いつ頃だったのでしょうか。

「2020年ですね。2018年にネクサスのバンタム級トーナメントで優勝し、ベルトを巻きました。2020年に初めてRIZINに出て負けた(2020年8月、井上直樹にRNCで一本負け)あとは、ずっと『この試合が最後かな』というつもりで戦ってきていたんです。コロナ禍で大会開催数が少なくなったこともあって」

――それはネクサスのベルトを巻きRIZINに出場したことで、やり切った気持ちがあったのですか。あるいはファイターとしての限界を感じたのか……。

「やり切ったという気持ちのほうが強いですね。もう叶えたい夢がなくなったといいますか」

――叶えたかった夢とは何だったのでしょうか。

「もともと僕は30歳までにベルトを獲って引退するという夢があって。その夢はずっと変わらず、まず29歳の時にネクサスのベルトを巻くことで一つ達成しました。ただ、ベルトを獲って終わりではなかったです。ベルトを持っていることで、他の道も開けてきました。当時すでに妻の青野ひかると出会っていて、自分自身がファイターとして彼女の目標でもありたかった。

だから試合をし続けたいと思ってRIZINに出たんですよ。自分の中では、そこでやり切ったというか。協力してくださった皆さんのおかげで、本当に良い格闘技人生を歩ませていただきました」

――なるほど。2021年以降もRIZIN、DEEP、そしてネクサスで試合を行っています。その時点では誰と対戦したい、どこの舞台で戦いたい等、新しくMMAで叶えたい夢を持つことはできなかったのですか。

「RIZINに出場して以降は、RIZINでしか対戦できない強いファイターと試合がしたいと思っていました。実際、当時の修斗ランカーだった田丸匠選手、朝倉海選手と試合できたりとか。だからといって、RIZINで昇り詰めていきたいという気持ちがメチャクチャ強かったというわけではなく――それこそコロナ禍になる前は海外で試合をしてみたかったです」

――海外というのは、どの舞台を指すのでしょうか。

「コロナ禍の前はONE出場を目指していたんですよ。いきなりONE本戦でなくても、当時はONE Warrior Seriesがあったじゃないですか。ネクサスの山田峻平代表に『ONE WSに出られませんか』と相談していたこともありました。そうこうしているうちにコロナ禍が起こってしまい……。

最近でいえば豪州や、韓国などアジアで戦える場所がないかと考えていました。『海外で試合をしたい』という気持ちは、ずっと変わらなくて。渡航制限も緩和されてきたあたりから、自分でツテを見つけて海外の団体と話をしていたんです。でも、うまくいきませんでした」

――「自分にとって良い未来が思い描けなかった」とは、海外プロモーションとの交渉がまとまらなかったことも大きいのですね。

「はい。そこで目標がなくなってしまいましたね」

――なぜそこまで海外で戦いたかったのですか。

「レスリングをやっていた頃から、日本を代表して海外で試合をすることが憧れでした。レスリングで実績を残せなかった自分にとって、レスリング仲間が日本代表として海外で試合している姿がカッコ良かったんですよね。その気持ちはMMAを始めてからも変わりませんでした。

もちろんMMAでも自分の実績からいえば、『日本を代表して戦う』とは言えません。それでもアジアとか他の国で戦ってみたいという気持ちがあって。どうしても日本国内の試合だと、周りは知っている人ばかりじゃないですか。何も知らないところで戦ってみたかったです。僕ってイメージ的に、そういうタイプではないと思われていますよね」

――いえ、決してそんなことは……。

「いいんです。実際に『そんなことを考えるタイプだとは思わなかった』と言われているので(笑)」

――正直に言えば、目立ちたい気持ちのほうが強いファイターなのかと思っていました。

「アハハハ、国内で大きな舞台ばかりを目指していて――とか(笑)。海外で試合をする目標は捨てきれませんでした。もしかしたら今後どこか海外の団体から声が掛かることもあるかもしれません。でも、オファーを待ちながら試合をせずに練習を続ける生活では、モチベーションを保てない。オファーがあっても、そこでベストの自分を出すことは難しい。

だからここ数年は一戦一戦、オファーがあったから受けた。目の前の試合に向けて頑張ろうと思いながら続けているような感じでした。相手を選べば、今後も勝っていけるかもしれないです。でもファイターとして、今より落ちている自分を見せるのが嫌なんですよ。今が一番良い自分を見せられるんじゃないかと思って、今年引退しようと決めました」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o Shooto ザ・タイガー石井 タイガー石井 パンクラス プロレス 修斗 大石真丈 山田峻平 旭那拳 金内サイダー雄哉 駒杵嵩大

【The Shooto Okinawa#08】旭那拳戦へ、ザ・タイガー石井─02─「僕にとって修斗は生まれ故郷です」

【写真】5分5Rの激闘から1カ月と3日というインターバルでの試合。「修斗だから」の言葉は泣かされる(C)PFC

16日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA#08のメインで、旭那拳と対戦するザ・タイガー石井のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ザ・タイガー石井のMMA20年目は、アウェイでの戦いで幕を開けた。3月に北海道PFC、そして今回は沖縄で地元のホープ旭那と対戦する。試合間隔は1カ月——今年44歳になる石井にとっては、厳しい試合間隔かもしれない。それでも石井がオファーを受けたのは、それが修斗だからだ。12年ぶりのホーム、ベテランのいぶし銀ファイトやいかに。

<ザ・タイガー石井インタビューPart.01はコチラから>


――就職して仕事の割合のほうが高くなったのは、いつ頃のことですか。

「30歳ぐらいです。それこそプロの選手でなくても、柔術とかを趣味で続けられたらいいかなとも考えていたんですよ。でも趣味で柔術をやっている人たちの練習レベルが凄くて。皆さんが当たり前のように、昼はバリバリ仕事をして夜はガチガチに柔術を練習して――そういう人たちの偉大さを知りました。たぶん僕も本当の意味で、格闘技を辞めようと思うことってないんじゃないですかね。プロでなくても趣味や指導としてやったりとか」

――石井選手は2014年からファイティング・ネクサスに参戦し、その後はレギュラー出場して「ネクサスフライ級のエース」という扱いでした。当時、石井選手の中でも意識の面で変化は起こりましたか。

「当時はパンクラスの試合で首を負傷してしまって、それこそ引退も考えないといけない状態でした。それでもネクサスの山田峻平代表からオファーを頂いて、1試合はできるかなと思って出たんです。この試合で最後かな……と思いつつ。もうメチャクチャ首が痛くて(苦笑)。それがネクサスの1回目の大会で、その後も出させていただくことになりました。でも僕も34か35歳ぐらいだったし、もう若い選手がどんどん出てきていたので、『若い選手たちを前に出してください』と山田代表に伝えたんです。『僕は前座で渋い試合しますから』って。昭和の新日本プロレスでいえば、木戸修みたいなポジションですね」

――……それがどのようなポジションなのか分かりませんが、とにかく「いぶし銀」ファイトで大会の中盤を盛り上げると。今も同じスタンスでMMAを戦っているのですか。

「アハハハ、そうです。目指すのは木戸修か藤原喜朗ですね」

――そうなると、若手の相手に選ばれるベテランというポジションにはなってしまいます。

「それは仕方ないですよ。僕よりベテランって、もう少ないですからね。近い階級だと大石真丈さんぐらいじゃないですか。それと金内サイダー雄哉さんですね。サイダーさんは僕の2歳上で、あの人がやっている間は自分もやれるなと思っていますよ(笑)」

――もう一つ、リングネームがタイガー石井からザ・タイガー石井に変わったのは……。

「2019年4月にネクサスのフライ級トーナメントがあって、駒杵嵩大選手と対戦した時に『負けたら引退する』という流れになったんですよ。結果はスプリットで負けてしまったんですけど、その年の7月に青森のGFGに、ザ・タイガー石井の名前で出場して。『タイガー石井は引退しました。ザ・タイガー石井は別人です』と(笑)」

――アハハハ。

「それでも別に何も言われなくて。次にネクサスに出る時、山田代表に『表記もザ・タイガー石井にしてほしい』とお願いしたのに、ネクサスでは頑なにタイガー石井のままでした。何か難しい面があったらしいんですけどね。ともかく、次はスーパータイガー石井で、10年後にはタイガーキング石井でやっていると思います(笑)」

――試合の話に移ります(笑)。現在の石井選手のスタンスは、ベテランとして若手を食って上に行こうとするのか。あるいは違うスタンスなのか。前回のPFCはベルトが懸かっていました。次の修斗沖縄大会では――PFCと同様アウェイですが、ノンタイトル戦で修斗世界ストロー級2位の旭那拳選手と対戦します。

「今回は話が別で、修斗だからです。修斗に戻る。それが自分の中のテーマです。たまに修斗の試合を見ながら、『最後にこの舞台で戻るのも良いかなぁ……』と考えたりはしていました。でも『良いかなぁ』ぐらいの感覚で、まさか本当にオファーがあるとは思いませんでした。しかも自分が他のところに出始めたあとに生まれた沖縄大会で。不思議な感覚ですね」

――石井選手が最後に修斗で戦ったのは2011年4月、もう12年前になります。

「東日本大震災の直後の試合ですね。あれ以降、自分がまた修斗で試合をすることなんて考えていなかったし、オファーが来た時は衝撃でした。信じられないというか。これはプロモーター側には関係ないけど――なぜPFCの1カ月後なのか(苦笑)。もっと期間が空いていればダメージを抜くこともできたのに……と思いながら、こういうのはタイミングですからね。

1カ月後でダメージも心配だからと断っていたら、もう修斗で試合をするチャンスは巡ってこなかったかもしれない。僕にとって修斗は生まれ故郷です。修斗だから出ようと考えました」

――沖縄で試合をするのは今回が初めてですか。

「試合どころか、今まで沖縄に行ったことがないですね。でもこの顔立ちだからか、よく沖縄出身だという前提で話かけられることがあって。『僕は沖縄の××出身で、石井さんはどこですか?』と、沖縄県内の出身地を訊かれます。東京出身なんですけど(笑)」

――修斗は生まれ故郷であっても、沖縄は生まれ故郷ではないわけですね(笑)。ともあれ今回、旭那選手に勝てばランキング入りし、ベルトを狙える位置に来るかもしれません。

「今回は契約体重(54キロ契約)なので、ランキングとかは関係ないかもしれないけど……、とにかく頑張りたいです。さすがに修斗のベルトは雲の上の存在ですし、若い選手がたくさんいて、もう自分がどこまで戦えるかは分かりません。

ただ、決められた試合は全力でやりますし、今回は旭那選手に勝つ。それだけです。試合映像を視ると、とても強い相手です。厳しい試合になることは間違いないけど、そのなかでも全力で、自分の良いところを出していきたいですね」

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DEEP Gladiator Grachan KIWAMI MMA MMAPLANET NEXUS o Wardog   パンクラス 佐伯繁 修斗 坂本一弘 小見川道大 山田峻平 岩﨑ヒロユキ 手塚基伸 新居すぐる 柿原勇気 櫻井雄一郎 石黒翔也 髙谷裕之

【KIWAMI&Grachan】最初で最後か、初めの一歩か。グラチャン主導でJ-MMAルーキートーナメント開催

【写真】一見、MMA版〇の中の懲りない面々(爆)。仲良くお願いします (C)MMAPLANET

7日(火)、東京都渋谷区のマインドセットにて3月19日に千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示場8ホールで開催される極〜KIWAMI〜×GRACHANの記者会見が行われた。

同大会は新たに発足するプログラップリングイベント=KIWAMIとGrachanの岩﨑ヒロユキ代表が提唱し、そのグラチャン、修斗、DEEP、GLADIATOR、Fighting NEXUS、WARDOG-CAGE FIGH、格闘DREAMERSが参加を表明したJMMA Rookies Cupのコラボイベントとなる。

JMMAルーキーカップはフライ級とフェザー級の2階級で実施され、キャリア的にはプロデビューから2年以下、3戦目までの選手が直近の試合を戦ったプロモーションの推薦を受けた選手が出場するとのこと。

同会見はNEXUSの山田峻平代表が仕事の都合で欠席となったが、圧巻と言えるグラチャン=岩﨑、修斗/サステイン=坂本一弘、DEEP=佐伯繁、グラジエイター=櫻井雄一郎、ワードッグ/柿原勇気、EXFIGHTではなく格闘DREAMERS=髙谷裕之という6名の代表(髙谷氏のみ肩書は総監督)が揃い踏みとなった。

本件に関するリリースではパンクラスの坂本靖氏も列席しトーナメントに参加が発表されていたが、会見には体調不良で欠席となり、その後岩﨑代表よりパンクラスの同トーナメント参加はないことが公となった。

岩﨑氏は2020年春にコロナで重篤な症状に陥ったことがあり、以来「いつ死んでも、何かを残したい。先輩を含めて、皆さんが集まったところで何か新しい第一歩を踏み出せれば。新しい形として、何か証が残せる」という想いで、今回のプロモーションの壁を越えたJ-MMAに役立つ試みのスタートに向かったという。

そんなJMMAルーキーカップ記者会見より、MMAPLANETの質問に対する代表たちの返答は以下の通りだ。


──結婚式の招待客の席順にも非常に気を遣うのですが、この席の並びにされた理由を教えていただけますか。

岩﨑ヒロユキ やはり僕の隣にいる先輩方があっての機会だと思っています。何よりも僕が闘病生活が明けてから本当にお世話になった大先輩で。色々なアドバイスを頂いて今、僕はここにいます。そういった感謝の気持ちと後押しをしてくれた方を僕の両脇に座ってほしくて、座っていただいています。

──両脇の方に並んで座ってもらうというのは?(笑)

岩﨑 あのう個々で、お二人とのお付き合いですから(苦笑)。3人でご飯とか、いつか実現したら良いですよね。

DEEPでおなじみながらYディレクターが映像化しない、笑いの絶えないイベントシメコメ会見の空気を佐伯代表は創り続けた

佐伯繁 パンクラスの坂本さんが来たら、どこに入っていたの?

一同 笑

岩﨑 そこはもう皆さんのご想像にお任せします(笑)。

──各代表にお願いがあります。新人戦も良いですが、今後タイトルに絡む選手、もう少しキャリアのある選手でのトーナメント戦開催という声掛けがあった時に応じることができる──そう思われる方、司会の市川さんの3、2、1の合図で挙手を願えないでしょうか。

佐伯 挙手?  挙手?

市川 皆さん、宜しいでしょうか。

佐伯 いや、手を挙げられない人結構つらいですよ(笑)。だったら一言ずつ話した方が良くないですか。皆、半分ぐらいしか手を伸ばせないから(笑)。

一同 笑

岩﨑 そうしましょう(笑)。

佐伯 まぁ、あのう。今日、さきほどから言っていますが、この機会はもう2度とないかもしれないです。でも、これが本当に続くようであれば、その求められる範囲のなかでは協力します。ただ、こないだウチもアニハセヨで対抗戦をやりましたけど、条件とか色々なことがあります。そこが揃うなかで行うのであれば全然、僕は協力します。

髙谷 まだ僕のところはチャンピオンとか、そういうレベルではないので。そういう企画があれば、どんどん選手を創りたいと思います。

会見後、坂本代表は「僕のあと櫻井さん、柿原さんと続くんやから、そこは『協力しません!!』から入って欲しかったです(笑)」と関西人振りを発揮していた

坂本 協力しませんっ──っていうのは冗談で(笑)。

一同 爆

坂本 これはもう皆さん同じでケースバイケースだと思います。その時の階級、その時の選手の重要度。これからどうしていくかは各団体さんのなかでビジョンがあると思うので。ただ一つ、今回のコンセプトは凄く良かったと思います。ただ、さきほど言われたように協力しますと言ってビシッと手を挙げられるかといえばそうではない。でも興味はあるし、どういう座組でやるのか。

そういうことも含めて、マスコミの皆さんから提案があって、それが面白いからと話し合うこともあるだろうし。皆が0パーセントでなく、本当にケースバイケース。一つ言えるのは、こういう場があったことで、そういう質問が出てくる。それが凄く良いことだと思います。

櫻井 もちろん協力をできるように、これからも交流を深めていかせていただきたいと思っています。岩﨑代表がせっかく撒いてくれた種ですから、肥料と水をあげて芽が出て途中で枯らさないように大木にしないといけないと思います。

そのためにしっかりと水をあげないといけない。それを皆さんとやっていきたいと思います。MMA業界は、そうでない場合でも息苦しさが感じられたのは否めないです。かといって何でもナァナァになってしまうと、これもまた無法地帯になってしまうと思うので、トップが舵を取ってバランスを取っていかないといけない。そういうことで継続して協力させていただきたいと思います。

柿原 全面的に協力します。ありがとうございますっ!!

佐伯 リングでやりましょうよ、リングで(笑)。あと写真を挙げる時にヤッさん(坂本靖)と山田君の写真を一緒に入れてくださいよ(笑)。

同トーナメントは3月19日を皮切りに5月14日のGrachan61=大田区産業プラザPIO大会で準決勝、10月8日のGrachan64=幕張メッセ大会で決勝が実施される。

また同時開催の新グラップリングイベント=KIWAMIではヒール、ヒザを捩じる行為、ヒザを側面から極める行為、外掛け、トーホールドで外側に圧力をかける行為を反則し、SJJIFルールに準じたポイント制で競われるノーギグラップリング戦が柔術マッチと共に組まれる。

会見では66キロ契約で手塚基伸✖石黒翔也、74キロ契約で新居すぐる✖小見川道大のノーギ柔術戦が組まれることも明らかとなっている。

なおMMAPLANETでは7日深夜にパンクラスの坂本靖氏に不参加の理由を尋ねると、「ネオブラッドTを毎年行っており、急ぎ決まった今回はメンバー的にも被る面も出てくるので参加は難しかった。今後、状況が整い次第で参加もあります」という説明があった。

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MMA MMAPLANET NEXUS29 o プロレス 修斗 堀友彦 大石真丈 小倉卓也 山田峻平 手塚基伸

【NEXUS29】山田峻平代表の晴れの日=初後楽園大会(01)53歳、大石が小倉の腕十字に敗れる

【写真】 ネクサス初出場の木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅が、ここから引き込んでパワーチョークで秒殺勝利(C)MMAPLANET

7日(月)に東京都文京区の後楽園ホールでNEXUS29が開催された。

月曜日、午後6時スタートながら12試合がマッチアップされた今大会は2014年9月の旗揚げより8年、新宿FACEのリング大会からGENスポーツパレスのケージ大会、プロだけでなくセミプロ、アマチュア、キッズと総合プロデュースをしてきた山田峻平代表にとってまさに晴れの日となった。

そんな想いが詰まった記念すべきネクサスにとって初の後楽園ホール大会レポート第1弾は序盤戦の3試合の模様をお届けしたい。


キッズのオープニングファイトから本戦時間内に組まれた同大会、まず岩松哲也が98秒で秋山佑史を下し、堀友彦が2018年9月のGrachanで手塚基伸を下して以来──実に4年2カ月振りに実戦復帰を果たした。

40歳になった堀と対する大谷啓元は下派、ハーフからワキを差して上を取る動きを得意としており現在ネクサスで3連勝中の選手だ。

<バンタム級/5分2R+ExR>
堀友彦(日本)
Def.3-0:19-18.19-18.19-18
大谷啓元(日本)

左ハイを蹴った大谷は間合いを測るなかでダブルレッグへ。頭を巻いた堀が上を取るが、下から煽ってバランスを崩させた大谷は背中に回ってワンフック、さらに左足もフックしてバックグラブを完成させ、初回をリードした。

2R、ミドルをカットした大谷に、右ストレートを伸ばした堀がシングルを切る。引き込んだ大谷はハーフを取り、左腕を差してシングルレッグを狙うが、察知されディープハーフからバックを伺う。ワンフックの半身状態から背中に回っていった大谷に対し、堀は後方へのエルボーで顔面を痛打し胸を合わせることに成功する。

左足を両足で挟まれたまま立ち上がった堀は、ボディロックで後方に倒され尻もちをつかされる。が、大谷も上を取っているわけでなく背中をつけており、ここも背中に回ろうとする。尻をずらして上体を起こそうとした堀は、逆にシングルに切り替えた大谷のバックを伺う。

右足を挟んだまま引き込み、ディープハーフから煽ろうとした大谷だったが、命綱といえる右足のフックが外れ、完全に背中を取られる。

掘はフック無しRNCを仕掛け、後方に倒れ込む。乗り過ぎで足もフックもないため、大谷はマットに背中をつけて絞めを解除したがトップを譲り左右のパンチを被弾。ハーフからスイープを狙うも返せず時間に。

延長有りのネクサス、通常興行なら19-19が妥当だが、今大会は会場の使用時間の制約が厳しいこともあり、10-8を積極的につけられる取り決めが事前に行われていた。そのことは出場選手にも伝えられており、晴れの日=後楽園ホール大会仕様スコアにより、ジャッジ3者とも19-18で堀を支持した。

40歳の堀の勝利後、ケージインしたのは39歳の小倉卓也と3週間後にはついに54歳を迎える大石真丈だ。

<バンタム級/5分2R+ExR>
小倉卓也(日本)
Def.1R2分26秒by 腕十字
大石真丈(日本)

今年の4月に高阪剛が52歳で引退したケースを始め、過去に50代のビッグネームが一度現役を退くなど長いブランクの後に試合を行うケースが存在しており、大石は決して最年長MMAファイターではない。スキップ・ホールのように57歳でMMAデビューして62歳まで7試合を戦った選手もいる。

2010年にカナダのジョン・ウィリアムスが70歳で、49歳の元プロレスラーを相手に一度だけMMAを経験している。このウィリアムスが最高齢プロMMAファイターとされているが、大石のように継続的にMMAを戦い続けてきたのは36歳から54歳になる41日前まで17年間5ケ月戦ったダン・スバーンぐらいだ。

対して大石は1993年11月25日にプロデビューし、24歳からこの日まで毎年──29年間に渡り実戦を経験してきた。まさに鉄人のなかの鉄人といえる。その大石は小倉の左をブロックして、ダブルレッグで飛び込むように右をヒットさせ、左ローを蹴っていく。

しかし、続くシングルレッグを切られ小倉にがぶられる。ツーオンワンから立ち上がり、ヒザを見せた大石は左ジャブに右を合わされ後ずさり。ここからのシングルも切られ、引き込むがエルボーを被弾してパスを許す。

小倉は落ち着いてサイドからステップオーバー、右腕を伸ばし腕十字で一本勝ちした。

続いてバンタム級で中桐椋輔が岡元飛龍に左の蹴りを有効に使い判定勝ちを収めると、修斗ストロー級7位の木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅がネクサス初戦を迎えた。

<ストロー級/5分2R+ExR>
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)
Def.1R0分21秒by ギロチンチョーク
楠美貴嗣(日本)

右を振るって組んでいった楠美が、木内をケージにつめてダブルレッグへ。右手の下に頭が入ると、木内は右腕を深く喉下に差しいれRNグリップへ。

そのまま引き込み楠美の右腕ごとクローズドガードに取る。絞めつけ、足の四の字に組んだところで楠美が落ち、直ぐに勝負が決した。

秒殺一本勝ちの木内は対戦相手がなかなか決まらなかったなかで、試合を受けた楠美に感謝の言葉を述べ、ストロー級王座奪取を宣言した。


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K-1 MMA MMAPLANET NEXUS28 o PRIDE RIZIN パンクラス ブラジリアン柔術 佐藤将光 修斗 山田峻平 河村泰博 渡部修斗 福島啓太 青木真也 須藤拓真 高城光弘

【NEXUS28】須藤拓真と仕切り直しの防衛戦、河村泰博「人とは違うことをしたいんです」

【写真】ある意味、下と下の争いという現代MMAにあって――まさに人とは違う試合展開となるのか(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNexus28で、バンタム級王者の河村泰博が須藤拓真を挑戦者に迎えて防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

当初この試合は、2月13日に開催されるはずだった。しかし河村が試合前にコロナウイルスに感染したため中止に。今大会で仕切り直しの対戦となった。その間、須藤はRIZINに出場して渡部修斗に勝利。一方の河村はパンクラスに出場予定であったものの、今度は対戦相手の負傷により試合が消滅している。その時間が、今回の試合に与える影響はあるのだろうか。試合直前、王者の河村に訊いた。


――河村選手は今年に入り、2試合が連続で中止となりました。まず2月に行われる予定であった須藤拓真選手とのタイトルマッチは、河村選手がコロナウイルスに感染したために中止となっています。その時の状況から教えていただけますか。

「まず家族が感染して、自分は濃厚接触者になりました。その段階でプロモーターサイドには連絡していたのですが、数日後に僕も体調が悪くなり……。調べてみたら自分も感染していて。それが判明したのは、試合まで2週間を切ったぐらいのタイミングでした。

かなりコロナが流行っていた時期で、そこから2週間の外出禁止になりました。職場も2週間の出勤停止になり、試合もプロモーターと協議して中止としていただきました」

――現在は第7波と言われ、コロナウイルスの感染者も急増しています。格闘技関係者でも感染している方が多いのですが、その時はご自身が感染して、どのように思いましたか。

「まさか自分が……という感じでした。しかも、このタイミングで。大会のメインを務めることになっていて、対戦相手はもちろんプロモーター、お客さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいでした」

――次に、4月29日にパンクラスで予定されていた高城光弘戦は、高城選手の負傷によって中止となりました。この試合のオファーは、コロナ療養中に来ていたのでしょうか。

「いえ。2月にタイトルマッチが行われていても、その勝敗に関わらずパンクラスが僕を出したいというオファーが、山田代表(山田峻平ネクサス代表)のところへ届いていたようで。山田代表はタイトルマッチが終わったあとに、その話を僕に伝えようと考えていたそうなんです。

でもタイトルマッチがなくなってしまいました。本来は5月にタイトルマッチを仕切り直す予定だったらしいのですが、対戦相手とスケジュールが合わなくなって。『それならパンクラスで1試合挟んでもいいよ』という話になったんです。それでパンクラス出場を決めて準備していたという流れです」

――その試合も中止になった時の心境というのは……。

「意外と前向きな気持ちでしたね。パンクラスの試合が決まる前から、いずれどこかのタイミングで須藤選手とのタイトルマッチはやることになっていて。だから、次の試合が無いということはない。4月の試合までは、しっかり追い込んで練習もできていましたし、仕切り直しの須藤戦に向けて気持ちを切り替えることができました」

――なるほど。ここから少し河村選手のキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAを始めたのはいつ頃でしょうか。

「大学生の時です。高校生の時にブラジリアン柔術を始めていたのですが、もともとMMAをやりたくて柔術道場に通っていました。でも親から『MMAはダメだ』と言われて……。サークルみたいなところで柔術を始めてから3年ぐらい経って、MMAをやるために今の和術慧舟會AKZAに入会しています」

――高校生の時に柔術を始めたキッカケは何だったですか。

「ずっと野球をやっていたんですが、当時は格闘技ブームで。自分も格闘技が好きだったので、思い切って始めてみようと思いました。2005年、2006年ぐらいの話ですね。PRIDEやK-1 MAXがあった時で、僕はPRIDEを見てMMAをやりたい、と。あの頃は桜庭選手や五味選手の試合を、それこそビデオテープが擦り切れるぐらい見ていましたね」

――桜庭選手や五味選手の試合を見ながら、レスリングやグラップリングではなく柔術を学び始めたのですか。

「実は……桜庭選手とヒカルド・アローナの試合が、すごく印象深くて」

――2005年6月、アローナが4点ヒザで桜庭選手を負傷TKOに追い込んだ試合ですね。

「そうです。あのヒザ蹴りで桜庭選手の顔がボコボコになっていたのに驚いて。アローナやブラジリアン・トップチームのメンバーってカッコいいな、と思ったんです。この人たちは何だろうと思って調べたら、ブラジリアン柔術にたどり着きました。

同じBTTでは、ノゲイラ(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ)も凄かったじゃないですか。親がMMAはダメだと言っていたのは、打撃が理由だったんです。だったら柔術をやってみたいと思って」

――河村選手がMMAの試合では三角絞めによるフィニッシュが多いのは、もしかしてミノタウロの影響なのでしょうか。

「いえ、そんなには意識していないですね……。三角絞めが得意になったのは、たまたまです(笑)。もともと手足が長いので。初めて出た柔術の試合で、三角絞めで勝ってから得意技になっています。アマチュアMMAも三角絞めで勝ったことが多いんですよ。

自分が三角絞めを好きになったのは、青木真也さんの影響が大きいと思います。PRIDEからMMAを見始めて、他のプロモーションも見ていたら修斗にメチャクチャ寝技の強い人がいるぞと。それが青木さんでした。当時は下からガンガン攻めていたので、僕もそれを真似していました。僕も柔術でラバーガードばっかりやっていましたね(笑)」

――ただ、青木選手もそうであったように河村選手もトップゲーム主体へ移行することはなかったのでしょうか。

「それは考えた時もありました。でもトップゲームで相手を固めて時間を過ごすのは、練習でも試合でも楽しいとは思えなくて。やっぱり僕はタップを奪いたいんですよ。トップを奪って5分間制圧しても……それよりは一本を目指したい。じゃあ自分が何で一本を取れるのかといえば、下からの三角絞めとか、下から攻めるほうが得意なので」

――そうだったのですね。昨年7月の福島啓太戦はケージレスリングの末に最後は下から三角絞めを極めたのは、なぜなのだろうかと思っていました。

「福島戦も最後に僕がバックを奪ってから、周りが『削ったほうがいい』と言っていたんです。でも僕は、削るより一本を取るほうが楽なので(笑)。バックを奪ってから、相手はこう動くから、そこで一本取れるなっていう考え方のほうが先にありました」

――そのほうが確実に勝利できるのであれば、当然の選択ですよね。

「試合をしていても、どんどんその方向性になっています。正直、抑え込むのって疲れるじゃないですか。だから一本取って早く試合を終わらせたいですね」

――一方で、これまで相手がトップゲームを選択して、河村選手が敗れることもあったと思います。

「はい、ありました。でもそこで自分を変えようとは思いませんでした。判定で勝っても面白くないですし、あとは僕に求められているものは打撃で勝つことや、抑え込んで勝つことではないと思うので。だから、それに特化したほうがよいと考えています。

もちろん、僕自身もそうやって勝つ練習もしています。でも試合が始まると、やっぱり寝技をやろう、寝技で勝ちたいという気持ちになってしまうんですよね(苦笑)」

――今の河村選手にとっての目標は、一本で勝つことなのか。それとも勝ち星を増やして、より大きな舞台で進むことなのか……。

「目標ですか。うーん……やっぱりPRIDEを見て育ってきたので、大きな舞台で戦いたいという気持ちはあります。でも、それと同時に、人とは違うことをしたいんですよね。MMAでも打撃で勝つことや、トップゲームで勝つことが主流になってきたじゃないですか。そんななかで、他とは違う寝技で勝ったほうがカッコいいなと思っています」

――では、そうやって過ごしてきたキャリアの中で、昨年11月の佐藤将光戦の結果と内容については、どのように受け止めていますか。

「試合をする前は、結構いけるんじゃないかという気持ちがあったんです。でも実際に対峙してみたら、明らかに佐藤選手は強いなっていうことが分かりました。試合が終わって、単純に実力差があったなと。それは僕自身が一番分かっています。

試合内容でいえば、最初に僕のジャブが当たって、打撃の距離が良いと感じたんですよ。ただ、そこに迷いみたいなものが生まれて……。本当だったら寝技で勝負するのに、そこで佐藤選手を相手に『他のこともできるんじゃないか?』と思ってしまいました。

何より――佐藤選手が強かったから、その迷いが生まれたのかどうか。それが分からないままでした。あの試合は、自分の力を出せなかったことが一番悔しかったです」

<この項、続く

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DEEP MMA MMAPLANET NEXUS27 NEXUS29 o 修斗 山田峻平

【NEXUS29】Monday Fight Night=Fighting NEXUSが11月7日に後楽園ホール初進出&全階級タイトルマッチ!!

【写真】今度、残りの2つの夢について尋ねたいと思います(C)MMAPLANET

7日(木)、Fighting NEXUSの山田峻平代表が自らのSNSで11月7日(月)に東京都文京区の後楽園ホールで年内最終興行を行うことは発表している。

「8年前に団体旗揚げをした時に掲げた3つの夢のうち1つが叶います」と綴られたSNSのタグでNEXSU29、全階級タイトルマッチ予定というタグ付けがされている。


5月8日にNEXUS27、8月大会を経てNEXUS29=後楽園ホール大会に初進出を果たす──現状、日本のケージMMAイベントで後楽園ホールを使用しているのは修斗=サステインとDEEPの二大会のみ。

後楽園ホールは信用商売、使用初年度に土日の貸し出しをしていないと言われており、ネクサスのチャレンジも月曜日開催となっている。

山田代表によると全階級のタイトルマッチとはストロー級からライト級の5階級になる模様だ。年間を通してストーリーラインを考える山田代表が、5月大会から8月大会を経てどのようなFighting NEXUSを後楽園ホールで魅せるのか楽しみだ。

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Interview J-CAGE NEXUS18 Pancrase317 ブログ 山本空良 山田峻平

【Pancrase317】パンクラス内NEXUSマッチ、注目選手を山田代表に訊く──「山本空良選手です!!」

【写真】昨年11月のNEXUSで勝利した時の山本空良 (C)PANCRASE

23日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase317では、プレリミとメインカード終了後にNEXUSファイトとアマの試合が組まれている。

NEXUSファイトとは、その名の通りFighting NEXUSの試合ということになる。8月10日に予定されていたKDC八王子超人祭り! 2020が八王子市内で新型コロナウィルス感染でクラスターが発生し中止となった。

同大会のプロMMA戦が組まれていたファイターが、パンクラスのなかでNEXUSファイトして戦うことが可能になった。山本天良、shinなど──まさにコロナ時代だからこそ実現したプロモーションを越えての試合のスライド。ここではNEXUSの山田峻平代表の事の成り行きと、NEXUSファイトの見所を尋ねた。


──「八王子超人祭り!」がリングで開催予定だったので、中止のリリース等も熟読しておらず、パンクラスでNEXUSの試合が行われることを存じ上げていませんでした。

「全然、構わないですよ。八王子は主催者判断で中止としました。でも選手が試合ができないのは気の毒で、パンクラスの坂本靖さんに相談し差し込ませてもらったんです。NEXUSどうこうでなく、とにかく選手に試合の場を創らないといけないと思い、普段から仲良くさせていただき、信頼関係のある靖さんと話がまとまった感じです。

僕も実際、できると思っていなくて本当に感謝しています。パンクラスの舞台に出られるということで選手たちも喜んでいますし。ここで活躍して、パンクラスで戦えるようになってほしいです」

──パンクラスのYouTube配信から、そのままNEXUSの試合を視聴するファンもいるはずです。ぜひ、見所をお願いします。

「一番見て欲しいのは山本空良選手です。山本喧一選手の息子で、親子鷹ですね。空良君は敬語で会長って呼んでいで、ヤマケンさんも空君には人一番厳しい。でも、しっかりとした信頼関係があるので、二人三脚でやってきて──結果も残してきた。ぜひとも見て欲しいです。

先ほども言いましたが、ここで勝ってパンクラスで戦えるようになってくれればと。生活の全てを格闘技に費やしている親子なので、ぜひ注目してください」

──山本選手以外、他にもいますか。

「いやぁ、そうなるともう皆になってしまうので……ホントに名前を挙げるのは難しいです」

──そこを何とか!

「強いて言えば、です。ホント皆が横一線なので……曾我英将ですかね。DEEPで勝てなくて、NEXUSでも最初は勝てなくて。それが勝てるようになってきたので、ここで勝てば次のステップに進めます」

──ではNEXUSの興行は今後、どのような状態ですか。

「アマチュアは来週、8月30日に大森のゴールドジムで行い、プロは昨日決定したのですが12月30日にGENでやります。これはケージ大会です。緊急事態宣言が再び出されない限り会場は貸してもらえるでしょうし、今から力を入れて創っていきたいです。フェザー級トーナメントは韓国人選手が招聘できるようになるまでペンディングになっていますが、ライト級のトーナメントも考えていますし、その方が早くチャンピオンが生まれるかもしれないですね」

■ Pancrase317計量結果

<ライト級/5分2R+1ExR>
阪上直輝:66.6キロ
拳勇:69.25キロ

<フェザー級/5分2R+1ExR>
shin:65.75キロ
鎌田拳司郎:65.2キロ

<フライ級/5分2R+1ExR>
吉田哲之:56.8キロ
曾我英将:56.9キロ

<バンタム級/5分2R+1ExR>
須藤拓真:60.95キロ
林健太:60.55キロ

<フェザー級/5分2R+1ExR>
渡辺純:65.85キロ
山本空良:65.45キロ

<バンタム級/5分2R+1ExR>
青井心二:60.0キロ
谷育磨:60.7キロ

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
中島太一:65.65キロ
堀江圭功:66.0キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:69.95キロ
松本光史:70.15キロ

<フライ級/5分3R>
神酒龍一:56.95キロ
荻窪祐輔:57.0キロ

<バンタム級/5分3R>
春日井たけし:61.45キロ
TSUNE:61.35キロ

<フェザー級/5分3R>
田村一聖:65.65キロ
高橋祐樹:65.4キロ

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大:52.5キロ
井島裕彰:52.5キロ

<ストロー級/5分3R>
前山哲兵:52.45キロ
尾崎龍紀:52.6キロ

<ネオブラッドTフェザー級2回戦/5分3R>
岩本達彦:66.15キロ
齋藤拓矢:65.8キロ

<ネオブラッドTバンタム級2回戦/5分3R>
井村塁:60.8キロ
田中ハヤトスネ夫:61.3キロ

<ネオブラッドTフライ級1回戦/5分3R>
谷村愛翔:56.75キロ
高橋拓也:57.0キロ

<バンタム級/5分3R>
工藤修久:60.95キロ
粥川吏稀:59.7キロ