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【Shooto BR120】田村がエルナニからダウンを奪うも、ペラダーダからのパウンドアウトで王座奪取ならず

<修斗世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
エルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル)
Def.1分10秒 by TKO
田村ヒビキ(日本)

サウスポーの田村が距離を詰める。右のガードを高く構えるエルナニが左ジャブを突く。互いにインローをかわすと、エルナニが一気に距離を詰めた。しかし田村の左ストレートがアゴにクリーンヒットし、エルナニがダウン! ここで田村がトップを奪いに行くと、エルナニの左ペラダーダが田村のテンプルを捕らえた。グラついた田村に尻もちを着かせたエルナニが、ケージに詰めてパウンドとヒジを連打。田村の動きが止まると、レフェリーが試合をストップした。

これでエルナニは王座防衛に成功。田村は敵地での王座奪取に失敗した。


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【Shooto BR120】田村ヒビキがブラジルで修斗世界ウェルター級王座に挑戦。「夢が実現する」(デデ)

【写真】42歳、ブラジルで修斗世界王座に挑戦。浪漫だ(C) MMAPLANET

24日(金・現地時間)、ブラジルはリオデジャネイロのアッパー・アリーナで開催されるShooto Brazil120のメインで修斗環太平洋ウェルター級チャンピオンの田村ヒビキが、同級世界王者エルナニ・ペルペトゥオに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

ペルペトゥオが同級王座についたのは実に1ディケイド前の2013年8月、ベルギーのトミー・デュプレを下しベルトを巻いている。翌年にUFCとサインも王座を保持し続け、リリース後もパルペトゥオはノンタイトル戦や他団体、ONE Japanでパンクラス王者の手塚裕之らと戦ってきた。


大会会場となるアッパー・アリーナは、フラメンゴ地区にあるノヴァウニオン総本山=アカデミア・アッパーの徒歩圏内、ヴィヴィ・アリーナの名称でも親しまれているノヴァ勢にとってまさに本拠地となる。

ブラジルは日本とは違い、米国のステート・アスレチック・コミッションを倣ったCABMMAが存在しており、インターナショナル・修斗コミッションとのルール&レギュレーションのすり合わせを含め、42歳となった田村の挑戦にはなかなか実現までハードルが高かったという話も伝わっている。

そんななか田村は今回の修斗世界王座挑戦に向けて、以下のような心境を語ってくれた。

田村ヒビキ
「TORAOから12月大会のオファーもあったのですが、実は階級をライトに落とそうと思っていて。でも1試合はウェルター級で試合をしないと申し訳ないので、ケジメとしてやりますという話はさせてもらっていました。その話をした数日後に修斗ブラジルから世界戦の話があり、マネージャーとも相談して戦うならブラジルだろうと……ぶっちゃけ、最高です。ここでブラジルで試合ができるなんて。

環太平洋のベルトを持っていても正直、修斗のウェルター級は動いていないです。でも僕がここで世界のベルトを持って帰ってきたら、多少は活性化するだろうし。せっかくのチャンスなのでブラジルで戦うことを選びました。この年齢で海外で試合をするなんて思っていなかったです。どんな形であれ環太平洋のベルトを持っていたから巡ってきた機会なので。

年齢的にも国際戦すら戦うことがないと思っている中で、海外でタイトル戦なんて皆が経験できることじゃないと思いますし、大事にしたいです。このチャンスを生かし、勝ってきたいと思います」

また田村を招聘する修斗BR代表で、ノヴァウニオン総帥のアンドレ・ペデネイラスは今回の世界戦に関して「長きにわたり修斗ブラジルの代表を務め、1990年代の終わりから修斗と関係を持ってきた私にとって、日本人選手をブラジルに呼んで修斗の世界タイトルマッチを行うことは夢だった。

両者揃って既に計量を終えており、ペルペトゥオが77キロ、田村は76.9キロでパスしている(C)SHOOTO BR

ついに今回、その夢が実現する。昔は日本の皆が、ブラジル人ファイターを日本に呼んで試合をさせてくれた。今回、逆の立場で修斗の世界戦をブラジルで行うことができる。凄く光栄なことだ。

エルナニと田村、どちらが勝つかは分からない。でも、自分の国でこの試合を組めることがとても嬉しい。今後もそれだけの資金を投入することができるショーでは、日本人選手をブラジルに招聘したいと思っている」と感慨深げに話している。

■視聴方法(予定)
11月25日(土・日本時間)
午前9時00分~ UFC Fight Pass

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【Grachan62&MMA甲子園】岩﨑ヒロユキ代表に訊く-01-「MMA甲子園出身者を契約で縛ることはない」

【写真】MMA甲子園でタッグを組む『レッドブルー』担当編集者、小学館の宮川拓人氏と岩﨑ヒロユキ氏(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62を前に、12日(金)に新宿区のパセラリゾーツ新宿本店でMMA甲子園の設立発表記者会見が行われた。Grachanのプロモーターである岩﨑ヒロユキ氏は、MMA甲子園の実行委員長として会見に出席している。

Text by Shojiro Kameike

小学館の週刊少年サンデーに連載中の格闘技漫画『レッドブル―』とタイアップし、作品の中でも描かれている高校生MMAファイターのための大会が現実のものとなる。岩﨑氏が実行委員長を務めることで、MMA甲子園とグラチャンがどうリンクしていくのか。今回は会見の内容とともに、会見直後に行った岩﨑氏のインタビューをお届けしたい。


記者会見には岩﨑ヒロユキ実行委員長、『レッドブルー』担当編集者の宮川拓人氏をはじめ、各地区支部長(関東支部長は岩﨑氏が兼任。補佐に水口誠悟、北海道:平大門、中部:坪井淳浩、関西:中村優作、九州:田村ヒビキ)が出席した。MMA甲子園は高校生を対象としたMMA大会で、9月24日(日)の関東大会からスタート。来年2月に全国大会の開催が予定されているという。

左から水口(誠悟)、坪井、宮川、岩﨑、平、田村、山崎明競技部長

世界で戦う選手育成を目標として、試合ルールはパウンド有りに。アマチュア、しかも高校生の大会とあって安全面を考慮し、通常よりもアンコが厚いパウンドグローブを使用するとともに、レフェリーストップ等も他のアマチュア大会と比べて厳しくなるとのこと。

とはいえ、まだ身体的には成長過程にある高校生は、パウンドも含めて打撃によるダメージが溜まりやすいことは間違いない。その点について、岩﨑実行委員長は「全国大会を目指すための各地区トーナメントは実績と実力を考慮して出場者を判断する。一方で経験を積みたい選手のために、パウンドなしのワンマッチ開催も検討したい」としている。会見後には、レフェリー陣からもパウンドなしマッチのルール整備について提案がなされていた。

高校生の試合となれば、MMAはもちろん格闘競技の経験も大きく試合に影響してくるはず。特に地方では地下格闘技で何十戦も経験を積み、プロデビューしている例も多い。その点については実行委員会も、エントリーした選手に対して厳しい目を持つことを明言。会見後のミーティングでは、保護者の同意はもちろん、所属ジムの承諾を得ないとエントリーできないことが実行委員会内でも確認し合ったという。

宮川氏は『レッドブル―』ではMMA甲子園卒業者がプロになっていく過程も描かれていく予定であることを明らかにした。今回のMMA実行委員会でも、漫画と同様に可能な限りMMA甲子園出身者のフォローはしていくとのこと。まだまだ立ち上がったばかりのプロジェクトだけに、課題は山積みだ。会見直後にMMA甲子園、グラチャンのプロとアマチュア、そして7月23日の大阪大会について岩﨑代表に訊いた。

――まずMMA甲子園というプロジェクトを考え出したのは、「グラチャンで良い若手ファイターを確保しておきたい」という気持ちだったからなのでしょうか。

「いやぁ、全然そういう気持ちはないんですよね」

――MMA甲子園が成功すれば、グラチャンが有望な若手選手を独占できるチャンスです。

「入口はMMA甲子園であっても、人の気持ちは変わるものです。若い選手なら尚更、試合を経験しながら自立していきます。だからMMA甲子園を経験した選手が、どこの団体で試合をすることになっても、『それはどうでもいいかな』っていう気持ちですね。もし僕が日本のMMAを独占したかったら、もっと欲深くグラチャンを運営していますよ(笑)」

――欲深く、というのは?

「MMA甲子園に出場した選手を契約で縛って、プロはグラチャンでしか試合できないようにする――ということでしょう? グラチャンは、そういうことはしないです。MMA甲子園の勝者をグラチャンが独占するということは絶対になくて。だから、どちらもグラチャンとは別組織として発足し、他の皆さんにも協力していただきながら開催しています」

――グラチャンの組織内で開催されているアマチュアのグラチャン・チャレンジ(以下、GC)は、勝者に対して何か契約が発生するのですか。

「GCこそ、活躍した選手が他の大会へ行っちゃっていて(笑)。山北渓人選手はGCに出てくれたあと、パンクラスでチャンピオンになり、今はONEと契約していて本当に嬉しいです。だからって『山北選手はGC出身だから』ってアピールすることもないですし。それこそ大阪大会では僕が『まだプロデビューするレベルじゃないかな』と思っていた選手が、他の大会でデビューしていました。でも仕方ないですよね」

――選手やジムがどの大会に出るかを選択する前に、岩﨑さんから「グラチャンに出ないか」と声をかけることもあるのですよね。

「あります。でも、よほどの選手じゃないと声はかけないです。GCで見て『プロデビューのオファーしたいなぁ』と思うのは、年に3~4選手ぐらいで。GCに出たからって、グランチャンでプロデビューできるとは限りません。それこそGCやMMA甲子園に出ている選手を優先する、なんて気持ちもなくて。

僕はアマチュアって勝ち負けより、経験のほうが大事だと考えています。極端に言えば、アマチュアで何試合か良い勝ち方をしているとか関係ありません。それよりもプロデビューしたあと勝っていくために、どんどんアマチュアで試合経験を積んでほしいです。

たとえば、去年グラチャンのフェザー級トーナメントに出ていた和田健太郎は、ずっとアマチュアで勝てなかったんですよ。GCは判定なし、制限時間内に決着がつかないとドローなので、和田はずっとドローが続いていました。KO負けを喫したこともあります。それでもプロデビューさせました。彼はレスリングの基礎がしっかりしていたので、試合経験を積めばプロデビューできると考えたからですね」

――反対に、MMA甲子園でも「すぐにプロデビューしても良い」という高校生ファイターが出て来るかもしれなません。

「それだけの選手が関東大会に出てきても、まずは全国大会に進んでもらいますよ。そもそもMMA甲子園に出るということは、勝ち進めば全国大会まで出ると考えてほしいです。そこで全国大会の前にプロデビューさせるようなことは――僕はしません。

MMA甲子園で考えると、高校生だと1学年の差は大きいじゃないですか。対格差とか。その勝敗だけで、プロで勝てるかどうか分かるものではない。一方で、プロデビューしても勝てないと、すぐに辞めてしまう選手も多い。僕は、それがすごく勿体なくて嫌なんですよ。プロモーターというのは、選手をプロデビューさせた責任もあると思っていて。

最近はグラチャンに出てくれている選手が多いです。もし僕が声をかけてプロデビューした選手がいても、もしかしたら勝敗によって次の試合を組めないことがあるかもしれない。アマチュアだと、もっと試合経験が積める。プロデビューしたばっかりに試合数が少なるというのは、選手が可哀想ですよ。あとは選手とジムの意向次第で」

――7月23日の大阪大会に出場する弘田颯志選手は、空手の実績がありながらアマチュアではミランダ亜廉選手に敗れています。それでも岩﨑さんから見て、実力的にプロで勝てる実力があったのですね。

「そうです。あの時はお互いに初めてのGC出場ですからね。マッチメイクする時に2人の経歴を見て決めました。試合はミランダ君が勝ちましたが、弘田君もそれだけの実力を見せてくれたので、すぐプロデビューと考えたんです。

今回はSWAG GYM KYOTOの釜谷真君から『強い選手と対戦させてほしい』という要望があり、田中智也選手との対戦を決めました。田中選手は本来ならウチのフライ級トーナメントに出ていてもおかしくない実績がありますからね。このカードは楽しみです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

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【Shooto2023#03】オリベイラ・ネイト戦へ、田中半蔵―01―「もう東京で試合をすることはないのかな」

【写真】4月にはロータス世田谷で練習している姿も確認されている田中半蔵 (C)MMAPLANET

21日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2023#03で、田中半蔵がブラジルのロイベ・デ・オリベイラ・ネイトを迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

昨年5月、約6年ぶりのTORAOで結城大樹を下した田中。その1年後に迎える修斗のケージで、今年1月に加藤ケンジをKOしているネイトと対戦することとなった。完全なストライカータイプのネイトとの試合を控えた田中に、まずは結城戦で見せたニュースタイルについて聞いた。


――昨年5月の結城大樹戦以来、1年ぶりの試合を迎えます。この1年間は、どのように過ごされてきたのですか。

「ずっと練習は続けていて、修斗からのオファーを待っていた状態でした。来週(5月28日)に福岡でTORAOが開催されるので、そこに出るのかなぁと思っていたり。このオファーがなければ、もう東京で試合をすることはないのかなと思っていました」

――えっ、そうなのですか。

「東京で修斗の試合に出たのが、もう10年前ですからね(2013年3月、門脇英基にKO勝ち)。そのあとにONE、TORAO北九州大会を経てパンクラスに出るようになって」

――すると、ここで東京大会のオファーが来ることは驚きでしたか。

「いえ、前回の試合で勝ってランキングに入ったので、また東京の大会に出ることはあるかなとは思っていました。今回はニューピアホール大会ですが、やはり試合中継を見たりしていると、また後楽園ホールで試合をしたいと感じることはありますよ」

――田中選手は現在、修斗世界フェザー級5位にランクされており、今後は後楽園ホール大会の出場、ひいては王座挑戦も可能な位置にいます。特に、3月にSASUKE選手がベルトを防衛してRoad to UFCに出場することとなりました。SASUKE選手の動向次第で流れも大きく変わってくるでしょう。

「今モチベーションとして一番大きいのは、やっぱりベルトですね。これからランキングも上げていって、ベルトに絡んでいきたいです。今回の国際戦も、タイトルマッチに向けたマッチメイクだと思っているので、ここはしっかりと勝ちたいです」

――なるほど。そのネイト戦に向けて、1年前にはなりますが前回の試合についてお聞きします。試合前のインタビューで田中選手は、ニュースタイルを出すと仰っていました。そのニュースタイルは試合で見せることができたのでしょうか。

「自分の中では、うまく出せたと思っています。組みの選手を相手に自分からテイクダウンに行くこともできたし、グラウンドで上になってからも相手を立たせない。自分もスタンドに戻るのではなく、寝技でも勝負できた。自分がやりたいことをやれましたね」

――ご自身が目指すニュースタイルの中で、何割ぐらい出せたと思いますか。

「8割、9割ぐらいはできたと思います」

――なるほど。打撃から組んでケージレスリングへ、ケージ際でバックをうかがう動きなどは完全にニュースタイルだったように思います。

「ケージレスリング自体はパンクラスで戦っている頃――カイル・アグォン戦(※2018年10月に判定負け)あたりから、やってはいました。でもテイクダウンするところまでは持って行くことができていなくて。この5年ぐらいで自分でも大きく変わってきましたね」

――すると試合を終えた後の満足感も、過去の試合とは違うものでしたか。

「はい。前は自分から組みに行くことがなかったですからね(苦笑)。寝技でポジションを取られながら、最後はダウンを奪って勝った――みたいな試合だったりとか。アハハハ」

――もう笑ってしまえる過去ということですね(笑)。

「次は寝技で一本を取れるまでに仕上げていきたいですよね。それとテイクダウンを織り交ぜることによって、相手が組みを警戒してくれれば、また自分の打撃も当たるでしょうし」

――結城戦は試合前に、カルペディエム福岡で田村ヒビキ選手と練習していたとのことでした。その練習は大きかったのでしょうか。

「そうですね。今回も試合に向けてカルペディエムに行かせてもらっていますし、博多のレンジャージムでもプロ選手たちとスパーリングしています。レンジャージムには一部というのではなく、フルケージがあるので良い練習ができます」

――そう考えると、今は日本全国でMMAの練習ができる環境も整ってきていますね。

「本当、そう思います。僕がシューティング横浜にいた頃は――ONEに出る時ですよ。初めてケージで戦うことになって、タクミさんのパラエストラ大阪まで行きましたから」

――ケージで練習するために横浜から大阪まで!

「当時は修斗もリングでしたし、東京にもフルのケージを置いているジムがなくて。ケージで戦うってどんな感覚だろうと思って、パラエストラ大阪さんまで出稽古に行かせてもらいました。それ以降はケージが標準になったパンクラスで試合をしていて、ケージでやることが当たり前になっていますけど。当時はそういう状況でした」

――以前は関東から地元に戻るとなると、練習環境の面で一抹の不安はあったかと思います。田中選手が横浜から地元の福岡県へ戻る際、練習環境はいかがでしたか。

「練習環境というより、まずプロ選手がたくさんいました。いろんなジムへ行けば練習はできると思っていましたね。逆に、いろんなジムに出稽古しすぎている感はありますけど(笑)」

――アハハハ。それはキャリアと、やり方次第ではないですか。まだ基本的な部分を強化しないといけない若手ファイターが、強い選手が揃っているジムのプロ練を回っているばかりでは良くないかもしれません。

「フリーランスだと、そこは不安ですよね。いろんなジムへ行ったとしても、どこか一つのところに定まっていないと、意外と基礎練ができていなかったり。逆に基礎練のみで、出稽古なしで強くなる選手もいますし。僕の場合、普段からパラエストラ北九州で練習させてもらうことでクリアしています」

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DEEP DEEP Nagoya Impact2023 MMA MMAPLANET o エヴェルトン・イワナガ キック ソーキ ボクシング 修斗 田村ヒビキ

【DEEP NAGOYA IMPACT2023】9年5カ月振りのDEEP出場、ソーキ─01─「家に占い師の方が来て…」

【写真】人それぞれのFIGHT & LIFE(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(日)、刈谷市産業会館あいおいホールで開催されるDEEP NAGOYA IMPACT2023公武堂ファイトで、前修斗環太平洋ウェルター級王者のソーキがエヴェルトン・イワナガと対戦する。
Text by Shojro Kamaike

2013年にDEEPでプロデビュー後、アマチュア修斗を経て2015年にプロ修斗へ。2019年に田村ヒビキを下して環太平洋王座を獲得したソーキだったが、昨年5月、田村にリベンジを許しベルトも手放していた。そのソーキが地元に近い愛知で開催されるDEEP興行の第2部のセミに出場する。MMAPLANETでは初インタビューとなるソーキ、まずはキャリアについて訊いたところ、なかなか普通ではないエピソードが飛び出した。


――本日はZoomでインタビューを行わせていただいていますが、その背景と服装は、もしかして会社ですか!?

「はい、勤務中です。会社からは許可をもらっているので大丈夫です」

――勤務中にインタビューを受けて大丈夫とは、ご理解のある会社なのですね。

「警備会社の営業マンをやっています。おかげさまで自分も会社と格闘技、両方で頑張ってきて、今は会社からも応援してもらっています」

――今回はMMAPLANETで初めてのインタビューとなります。よろしくお願いします。

「ようやく念願が叶いました。修斗のベルトを獲った時も、防衛戦の前もインタビューがなくて……、僕が取り上げられることはないと思っていました(笑)。アハハハ、それは冗談ですけど。とにかく嬉しいです。もう一生の記念です!」

――そう言っていただけて光栄です。MMAを始めたのは、現在の会社に就職した後なのですか。

「就職した後ですね。小学2年生から大学まで柔道をやっていて、大学を卒業したあとサラリーマンになりました。柔道は大学で一区切りつけて、就職後は趣味で体を動かしたいと思っていたところ、先輩に今のジム(ナセル・ド・ソル)を紹介してもらったんです。柔道は趣味で続けたい――その柔道で強くなるために柔術を始めようかと考えて。ただ、初めて練習に行く日に、曜日を間違えてしまって、キックボクシングのクラスの日に行ってしまったんですよ。

曜日を間違えたと思って、帰ろうとしたらトレーナーの方に『ちょっとやってみない?』と言われて。打撃の練習をしたら『筋が良い!』と褒められたんですね。僕は柔道時代に『センスがある』とか言われたことがなく、その口車に乗せられて――『自分の居場所はここなんだ』と、キックボクシングクラスへ通うようになりました。あとで聞いたら、来る人みんなに言っていたみたいなんですけど(笑)」

――アハハハ、完全に乗せられましたね。小学2年生の時に柔道を始めたのは、どのような理由だったのでしょうか。

「これは普通の話なんですけど……、家に占い師の方が来て、まず兄を占ったんです。そして『この子には柔道か空手をやらせなさい』と親に言ったそうなんですね。そして『お兄ちゃんが柔道をやることになったから、お前も一緒にやりなさい』と言われて始めました。兄は半年ぐらいで辞めてしまったんですけどね」

――「普通の話」と振っておいて、全く普通ではないエピソードトークです! 話の運び方に、やり手営業マンの雰囲気が漂っています(笑)。

「ありがとうございます(笑)」

――お兄さんが半年で柔道を辞めたあと、なぜソーキ選手は大学まで柔道を続けたのでしょうか。

「小学生の柔道って、体格にモノをいわせて勝つ部分があるんですよ。僕はデブだったので強かったです(笑)。高校時代は県大会で優勝して、大学時代はインカレの団体戦に出場しました。絶対に試合に出ることのないレベルの補欠でしたけども。1回か2回出してもらって、重要な試合ではしっかりメンバーから外されていました(笑)」

――全エピソードにオチが……(笑)。大学卒業後も柔道の選手として生きていこうとは考えなかったのですか。

「結局、そのレベルまでは行けませんでした。だから就職して、趣味で格闘技を始めました。柔術をやろうと思っていたのに、キックボクシングばかりやっていましたが(笑)。まさかMMAまでやるとは思っていませんでした。ジムに入って半年か1年ぐらい経って、DEEPのアマチュア大会に出場することになりました。そこで勝ってDEEPのプロの試合に出るようになったんですけど、実はそのあと修斗のプロになるまで、MMAのスパーをしたことがなかったんです」

――えっ!? MMAスパーの経験なく試合をしていたのですか。

「そうなんです。当時はジムにMMAの練習相手がいなかったこともあって。とりあえず試合ではキックボクシングをやって、近づいたら柔道の投げ技をやって、寝かしたら寝技へ――それだけでした。プロデビュー以降は4連敗しましたけど、いま思うと、MMAスパーをやったことのないヤツが試合で勝てないですよね(苦笑)。

それが2013年のことで、正直、『ここで負けていたらファイターとして将来はない』と思いました。そんな時、同じジムの田丸匠君がアマチュア修斗に出ることになったので、僕も一緒に出場することにしました。アマチュアで勝てないなら、本当にそこまでだなと思って。そうしたら2014年に全日本アマ修斗で準優勝して、修斗のプロライセンスを得ることができたんです」

――なるほど。2015年からプロ修斗に出場し始めたものの、2016年に入ってから2019年6月の環太平洋タイトルマッチまで試合がありませんでした。

「試合のオファーは頂いていましたが……まずプロになったことで満足し、修斗の新人王トーナメントで優勝したことで満足していて。さらに、新人王になったことでランキング6位になったんですよね。それがものすごく嬉しくて、『自分は一生、修斗のランキングに入ったことを自慢できる』と満足しきってしまいました(笑)。

だから、ガンガン試合をしようというモチベーションはなかったです。仕事も家族もありましたから。でも考えてみると、自分が思い描く最高点に到達していなかったんです。まだ強くなれる――そう思い続けていました。何より、試合は毎回怖いです。本当に1万回ぐらい、MMAを辞めたいと考えました。だけど、辛いことから逃げたくない。そこで逃げていたら将来、親として子供に何も言えない……。だからMMAを戦う。それが僕のモチベーションです」

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DEEP DEEP Nagoya Impact2023 DEEPフライ級GP FINISH10 MMA MMAPLANET o コンバット柔術 ソーキ ボクシング 伊藤裕樹 修斗 原虎徹 本田良介 杉山廣平 村田卓実 松場貴志 田村ヒビキ 福田龍彌

【DEEP NAGOYA & OSAKA IMPACT2023】愛知・刈谷大会で杉山廣平✖原虎徹。大阪に松場貴志出場

【写真】直近の実戦で杉山は組みの強さ、ダーティボクシングの破壊力を見せた原。好勝負必至のマッチアップだ (C)MMAPLANET

7日(火)にDEEPより4月16日(日)に刈谷市産業会館あいおいホールで開催されるDEEP NAGOYA IMPACT2023公武堂ファイトの対戦カードと2日(日)に大阪市住吉区の住吉区民センター大ホールで開かれるDEEP OSAKA IMPACT2023の追加カードが発表されている。

ケージ使用の刈谷大会は午後1時開始の1st roundと午後4時半スタートの2nd roundの二部構成で実施され、1部のメインで杉山廣平×原虎徹というフライ級戦が組まれた。


杉山は刈谷の右隣の知立出身で、安城市を挟んで東にある岡崎のスプラッシュに長く在籍していたファイターで、今回の試合は凱旋マッチとなる。とはいえキャリアのステップアップを望み参戦したDEEPフライ級GPでは福田龍彌に1回戦負けを喫し、続いて昨年末には非フライ級GPファイターの柴田モンキー有哉に敗北と、トーナメント直前の試合で結果的にトーナメント決勝戦進出を決めた本田良介戦の勝利という貯金を使い果たした状態だ。

ここで迎える原は3連敗中の苦しい状態でGP出場、伊藤裕樹とスプリットの激闘を繰り広げ敗れはしたが、そのポテンシャルの高さを見せつけると、12月には小川通りを僅か84秒でKOしている。

DEEPフライ級GPは話題性の高いトーナメントだが、敗者たちはトーナメント後もトーナメント枠のないタフマッチの連続だ。そののなかで杉山は6日のFINISH10でコンバット柔術戦に出場し、村田卓実にOT勝利。掌底に頼らず、組みで村田を攻め込み実力の程を見せつけた。

杉山、原、揃ってトーナメント初戦敗退も、準決勝進出選手と遜色ない実力の持ち主──終わりの見えないサバイバルシリーズから一歩抜け出すために、ここでの勝利は絶対だ。

また刈谷大会では第2部のセミにソーキが出場し、エヴェルトン・イワナガと戦うことも決まっている。2019年6月に4年振りのファイトで修斗環太平洋ウェルター級王座に就いたソーキだが、その後も試合機会に恵まれずダイレクトリマッチとなった田村ヒビキ戦で敗れ、昨年5月に王座を失って以来の実戦。DEEP出場は実に9年8カ月振りとなる。

イベント開催まで1カ月を切った大阪大会の追加カードもフライ級──松場貴志✖早坂優瑠だ。パラエストラ加古川のチームメイト、谷岡祐樹が平松翔との大勝負に出る大会で、GP準々決勝で本田に敗れた松場が、2回戦ながら復帰戦へ。サバイバルウォーに戻るための資格が問われる一戦となる。

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o RIZIN ROAD FC クレベル・コイケ ボクシング 中田大貴 佐々木信治 原口央 大尊伸光 宇佐美正パトリック 手塚基伸 牛久絢太郎 田村ヒビキ 矢地祐介 芦田崇宏 関鉄矢 阿部大治

RIZIN.39:オッズ/予想と展望

牛久絢太郎 5.00
クレベル・コイケ 1.15

オッズほどの差はないと思う(ブックメーカーによってはもうちょっとだけ差がないオッズのところもある)が、特にリングだとスタンドの維持が厳しくて、グラウンドに持ち込まれて極められてしまうか。

クレベル一本勝ち。

スダリオ剛 1.50
ヤノス・チューカス 2.50

チューカスの実力が不明だが、過去の戦績はキャリアがない相手ばかりので信用できない。

スダリオKO勝ち。

矢地祐介 1.91
ボイド・アレン 1.83

別のブックメーカーでは矢地フェイバリットのところもあり、ほぼイーブン。

アレンはここ数年ボクシングを主戦場にしていたストライカーだが、矢地としては迷いなく組みで勝負に行けるので相性は良いのでは。

矢地判定勝ち。

武田光司 1.36
ザック・ゼイン 3.00

トライアウトで契約したゼインだが、若くもないし戦績も微妙。いきなり武田相手だと使い捨てているようにしか見えない。

武田一本勝ち。

佐々木信治 3.75
宇佐美正パトリック 1.25

ROAD FCでの大怪我から3年のブランクで復帰した佐々木は、復帰後2連勝中。パトリックは大尊伸光に判定負けしているように、まだ発展途上な部分も多いが、佐々木相手なら勢いで上回れそう。

パトリックKO勝ち。

阿部大治 1.22
田村ヒビキ 4.00

地元枠の田村。今年5月に2年ぶりの試合で勝利してはいるが、現RIZINトップの阿部では厳しい。

阿部KO勝ち。

芦田崇宏 1.25
中田大貴 3.75

一応、メイン以外では一番レベル的に拮抗していて見どころのある試合だと思うが、オッズは差がついている。得意の打ち合いに持ち込めれば中田にもチャンスはあるかもしれないが、芦田は冷静に付き合わずに戦いそう。

芦田判定勝ち。

中原由貴 1.36
原口央 3.00

RIZINでは関鉄矢に勝っている中原と負けている原口の対戦。中原の場合は関は緊急の代役出場だったが、今回の原口もケラモフの代役での直前出場。コンディション面でも中原優位は動かない。

中原判定勝ち。

手塚基伸 1.53
メイマン・マメドフ 2.40

戦績が微妙なマメドフ。しかも本来は階級下。きっちりと手塚がフィニッシュしそう。

手塚一本勝ち。

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MMA MMAPLANET o Torao TORAO27 ソーキ 修斗 田村ヒビキ

【TORAO27】田村ヒビキがスイッチ&パンチでソーキをKO、リベンジ達成&環太平洋のベルトを巻く

<修斗環太平洋ウェルター級選手権試合/5分3R>
田村ヒビキ(日本)
2R3分15秒 by KO
ソーキ(日本)

ともにサウスポー、田村が右インローを当てる。パンチを返したソーキ、田村は前手で探りながらローを見せる。ソーキも右ジャブ、一気に距離を詰めて田村をケージに押し込んだ。右腕を差し上げたソーキ、田村はオーバーフックから右ヒザをボディに突き刺し、さらに相手の頭を押さえて右ヒザを突き刺した。ソーキは右ヒザを食らいつつハイクラッチからテイクダウンする。田村に背中を着かせえたソーキは、相手の頭をケージに押し付け、パウンドを落とす。

田村が下からパンチを当て、立ち上がる。ソーキはリフトアップして田村をマットに叩きつけた。そのままケージ際へ、ソーキはボディロックでコントロールする。ヒザでコツコツと削るソーキ。しかし田村が正対して、小外刈りからバックに回った。ソーキは田村の右腕を抑えながら足を刈り、グラウンドに持ち込んで初回を終えた。

2R、ソーキがサークリング。オーソドックスにスイッチしている田村は右ストレートを伸ばす。ソーキは右ジャブ、そして組みつくが、かわした田村が離れ際に右を当てた。さらに右をクリーンヒットさせた田村。ソーキも右フックを繰り出すが、田村はヘッドスリップでかわす。田村はサウスポーにスイッチし、オーソドックスにスイッチしてから右ストレート、右アッパーを当てた。

サウスポーに戻した田村に対し、ソーキは右インロー。田村はスイッチしながら距離を詰めていく。ソーキの左ストレートをかわした田村、さらにソーキのシングルレッグをかわした田村は、オーソドックスから右を当てる。このパンチを食らってグラついたソーキに、田村がパンチを連打する。その連打がクリーンヒット。背中を見せたソーキに田村が右アッパーを突き上げ、ダウンを奪ったところでレフェリーが割って入った。

約3年越しのリベンジを果たした田村が、環太平洋のベルトを腰に巻いた。


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【TORAO27】結城大樹戦へ、田中半蔵─02─「カウンター狙いではなく。組まれても大丈夫」

【写真】地元ではあるが、北九州と博多のライバル対決という見方も成り立つ一戦へ (C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)、福岡市中央区のよしもと福岡大和証券 / CONNECT劇場で行われるTORAO27で、結城大樹と対戦する田中半蔵インタビュー後編。

得意のカウンターに衰えを感じていた田中が、現在まで取り組んできたというファイトスタイルの改善とは? 地元での試合とあってモチベーションも高まっている田中が、対戦相手とその攻略について語る。

<田中半蔵インタビューPart.01はコチラから>


――前回の試合は2020年10月、パンクラスで透暉鷹と対戦して判定負けを喫しています。今回は約1年半ぶりの試合となります。

「その期間もパンクラスさんからはお話を頂いていたんですけど、怪我もあって思うような練習ができずにいました。それでオファーを頂いても『ちょっと考えさせてください』ということが続いたんですよ。でも今回、山本さん(山本陽一TORAO NATION STATE会長)からお話を頂いて、地元で試合をするのも良いかなって思いました。北九州に帰ってきても、地元の知り合いとかが僕の試合を見たことがないんですよね。いつも東京で試合をしていたので、よく『福岡で試合しないの?』、『いつ試合したの?』とか聞かれていて」

――田中選手が地元で試合を行うのは、2016年9月にTORAO北九州大会で、摩嶋一整選手と対戦(判定負け)して以来ですよね。

「当時はまだシューティングジム横浜所属で、横浜から北九州に来て試合をしました。ちょうどONEとの契約が終わった時期に山本さんからお話を頂いて、自分も地元で試合をしたいなと思っていたので。その摩嶋戦のあとからパンクラスに参戦し始めたんですよね」

――ということは、今回は6年ぶりの修斗参戦ということにもなります。

「アマチュアから修斗でやっていましたし、シューティングジム横浜に所属していたので、やっぱり修斗には思い入れがありますよ。ただ、今後もずっと修斗で試合をしつづけるというよりも、地元で試合ができるっていうことのほうが大きいです。それでモチベーションも上がっていますね」

――現在は福岡でMMAの興行が開催されることも少なりました。

「去年のTORAO福岡大会は、コロナ禍の影響で中止になりましたからね」

――横浜にいた頃と今では、試合に対するモチベーションも異なっているのでしょうか。田中選手が今も戦い続けるのは……。

「どうなんですかね……もう強くなることはないかもしれないですけど(苦笑)」

――えっ、どういうことでしょうか。

「パンクラスに出ている時は、パンクラスのチャンピオンを目指していたんですよ。でもなかなか厳しいな、というところもあって。海外を目指すっていうこともないし。これから修斗に戻ってベルトを目指す、っていうこともないですしね。今の自分にとっては、まず地元の試合で勝ちたい。それが一番ですね。

前に北九州で試合をした時は、昔からの知り合いが応援に来てくれたんですけど、今は家族全員で引っ越してきているじゃないですか。子供の知り合いとか応援してくれる人も増えました。そうやって応援してくれている人や、お世話になっている人たちの前で試合がしたいという気持ちが強いです」

――地元に戻って、色々と環境が変わったのですね。

「子供も大きくなりましたからね。横浜にいる時はまだ幼稚園とか小学校の高学年で、それが今は中学生ですから。子供は野球をやっていて、部員の親の集まりにも参加したり(笑)。でも、今のほうが落ち着いていると思います。

何より北九州に戻ってきてからずっと、山本さんがTORAO福岡大会に出てほしいと言ってくれていて。自分もタイミングが合えば、と答えてきたんですけど、今回ようやくタイミングも良いなと思って出ることにしました」

――ではTORAO福岡大会で対戦する、結城大樹選手の印象を教えてください。

「グラップラーで手足が長くて、バック取って……しっかり自分の型を持っている選手ですよね。あと試合映像を見ると、毎試合後グッタリしているので、頑張る選手なんだろうなと思います」

――確かにテイクダウン、スクランブル、そしてバックテイクをフルラウンド回し続けるほど運動量は多いです。

「そこにハマっちゃうと厄介ですよね」

――その結城選手を相手に、どのような試合をしたいですか。

「自分はここ最近、組みのことばかり考えて、パンチを振ることができていない試合が続いているんです。次は打撃でプレッシャーをかけて、組まれても大丈夫な対策をしていますし。いろんなパターンをスパーリングでも試しているので、手数を増やして先手を取っていきたいと思います」

――手数を出して先手を取る……かつてのカウンター主体のスタイルとは真逆ですね。

「昔は相手の動きを待つことのほうが多かったですからね。今はカウンターに頼らないよう、寝技や組み技にも力を入れています。アグォン戦はケージレスリングみたいな試合で、負けましたけどレスリングでもやり合えたので。そういうところは自信になっています」

――新しいファイトスタイルに対して、自信がついているということですか。

「はい。技術的にも上がっている感じはあります。練習も楽しんで、試合に出ていない期間も練習はやっていましたから」

――地元に戻ってきて、以前より格闘技を楽しむことができているのではないですか。

「アハハハ、そうですね。楽しいから続けているっていう感じです。……すみません、全然面白いことを言えなくて(苦笑)」

――いえ、そんなことはありません。田中選手らしいお話だなと思います。

「ありがとうございます。北九州に戻ってきてから新しいファイトスタイルについて考えて、取り組んできました。次の試合では、新しい姿を見せられるんじゃないかと思います。よろしくお願いします」

■TORAO27視聴方法(予定)
5月15日(日)
午後5時20分~ Twit Casting LIVE

■TORAO27対戦カード

<修斗環太平洋ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者] ソーキ(日本)
[挑戦者] 田村ヒビキ(日本)

<ライト級/5分3R>
結城大樹(日本)
田中半蔵(日本)

<フェザー級/5分3R>
野瀬翔平(日本)
藤川智史(日本)

<ミドル級/5分2R>
加藤正憲(日本)
墨吉涼太(日本)

<76キロ契約/5分2R>
山下康一朗(日本)
麻植裕太(日本)

<フェザー級/5分2R>
野尻定由(日本)
奇天烈(日本)

■TORAO GIG 04視聴方法(予定)
5月15日(日)
午後1時30分~ Twit Casting LIVE

■TORAO GIG 04対戦カード

<女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
檜山美樹子(日本)

<2022年新人王Tフライ級1回戦/5分2R>※当日計量61.2キロ契約
打威致(日本)
KJ Tyler(日本)

<バンタム級/5分3R>
若山達也(日本)
若宮龍斗(日本)

<2022年新人王Tライト級1回戦/5分2R>※当日計量77.1キロ契約
深見弦汰(日本)
スモーキー(日本)

<バンタム級/5分2R>
永留惇平(日本)
わっしょい内田(日本)

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【TORAO27】5年8カ月振りの修斗公式戦出場、田中半蔵─01─「寝技のレベルは横浜にいた頃よりも上」

【写真】U turn meets I turn.北九州&博多コネクション (C)HANZO TANAKA

15日(日)、福岡市中央区のよしもと福岡大和証券 / CONNECT劇場で行われるTORAO27で、田中半蔵が結城大樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

かつてシューティングジム横浜に所属していた田中は現在、地元である北九州市に拠点を移している。前回の試合から約1年半、復帰戦を控える田中が、これまでの苦悩と新しい練習環境について語ってくれた。


――田中選手は現在、出身地である北九州を拠点に活動されているのですよね。

「はい、地元に戻ってきて4年になります。今は北九州と博多のジムへ出稽古に行ったりしています」

――4年前というと、2018年10月のカイル・アグォン戦(田中が判定負け)の頃ですか。

「その前に上迫戦が流れて(注1)、その時には北九州へ帰ってきていたんですよ。そのあとマイク・グランディとの試合も流れて(注2)、次はアグォン戦でした」

注1:2018年5月20日に上迫博正戦が予定されていたが、前日計量で上迫が脱水症状に陥り、試合は中止となった。

注2:同年8月5日に予定されていたマイク・グランディ戦は、グランディが負傷のため試合2週間前にキャンセルとなっている。

――いきなりネガティブな話題で恐縮ですが、2017年ごろから黒星も多くなっています。その点については、どのように捉えていますか。

「自分で自分の戦績を見ても思うんですけど、前半のほうは連勝していて。そこから負けが続いているので。毎回厳しくなっていくなぁとは思いますね」

――厳しいと感じる要因は何かありますか。

「今まで瞬発系というか、カウンターを当てて倒していたんですよ。日沖戦(2017年5月にKO勝ち)までは自分のカウンターにも自信があって、実際に相手が入ってきたらパンチを当てることができていました。でもアグォン戦の次……堀江戦では、自分のカウンターが当たらなくなってきていることを痛感して」

――2019年3月、堀江圭巧戦では反対にカウンターの右ストレートを食らい、KO負けを喫しました。

「あの試合は、自分が打ちに行ったところまでは覚えているんです。でも相手の打撃をもらってからは、控室まで記憶がなくて。あの試合が初めてのKO負けでした。堀江選手もカウンターが巧いから、同じタイプと対戦すると自分のほうがパンチをもらってしまうようになっていたんですよね。

練習だけでは、自分のカウンターが落ちていることに気づかないんですよ。練習では思いっきりパンチを打てないから。試合をやってみて、初めて分かったんです。あぁ、自分のカウンターが当たらなくなっているなって」

――対して、現在はどのような環境で練習しているのでしょうか。

「所属(FUNS)は僕のスポンサーの会社名で、練習自体は出稽古が中心です。普段は博多だとレンジャージム、あとは今回の試合に向けてカルペディエム福岡で練習させてもらいました。北九州ではパラエストラ北九州で柔術をやっています」

――シューティングジム横浜に所属していた頃と比べて、現在の練習環境はいかがですか。

「うーん……横浜や東京では、同じくらいのレベルの選手と練習できていたんですよ。でも、こちらではプロ選手がいても階級がバラバラだったり、同じぐらいのレベルの選手が少なくて。ただ、寝技のレベルは横浜にいた頃よりも上がってきていると思います」

――田中選手といえば、カウンターを主体とした打撃が印象的です。それはシューティングジム横浜という、打撃面で優れた選手が多いジムの影響もあったかと思います。

「打撃は今、誠流会の溝口先生に教わっているんですよ」

――誠流会の溝口先生とは、元プロシューターの溝口直右(なおすけ)さんですか。

「そうです。パラエストラ北九州では水曜日と金曜日がMMAクラスなんですけど、そのMMAクラスにトレーナーで来られていて。その時にミットを持ってもらっています」

――北九州や博多のプロシューターが集結しているような雰囲気ですね。そのなかで今回の試合に向けて、カルペディエム福岡で練習することになったキッカケは何だったのでしょうか。

「もともとグラップリングの練習では何回かお世話になっていたんですよ。それで1カ月ぐらい前かな? 田村ヒビキ選手と時間を合わせて、MMAの練習をするようになりました。田村選手はジムの指導もあるので、昼の空いた時間に練習させてもらって」

――TORAO27では田村選手がメイン、田中選手がコ・メインという形で出場することになりました。そこで田村選手にもインタビューしていて、田中選手の印象をお聞きしています。田村選手はまず、ジャックナイフツネオ戦の印象が強いそうです。2010年3月、田中選手が右のカウンター一発で相手をKOした試合ですね。

「あぁ、なるほど。同じ日に田村選手も試合していたんですよね(田村は杉江アマゾン大輔に腕十字で敗れている)。同い年で、自分が修斗に出ていた時期に同じ大会に田村選手も出たりしていたから、同じ時代の選手だと思っています。でも当時はお互いに名前は知っているけど、話をしたことはなくて。田村選手と話し始めたのは、僕が福岡県に帰ってきてからなんですよ」

――今回、田村選手とはどのような練習を?

「まず自分の次の相手がグラップラーで、寝技が得意な感じなので、田村選手に連絡させてもらったんです。そうしたら田村選手の相手(ソーキ)がサウスポーで、僕もサウスポーですから。お互い次の対戦相手と同じ部分があるので、週2回ぐらい一緒に練習させてもらうようになりました。最初の練習で見つかった改善点を、次の練習で良くして、また見つかった悪いところを次の練習で改善して……という形だったので、良くなってきています」

<この項、続く>

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