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【Special】J-Grappling2023─2024、世羅智茂─02─「ルールを理解せず単純に技術だけ学ぼうとすると…」

【写真】カルペディエム青山で松嶋こよみや菊入正行らJ-MMAのトップと練習をしている (C)MMAPLANET

J-Grappling 2023-2024、世羅智茂インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2023年、海外のトーナメントに出場する一方で、世羅はProgressフォークスタイル・グラップリングのウェルター級暫定王座決定戦に挑み、森戸新士に敗れている。日本国内ではADCCルールの試合経験を積むことができないなか、世羅にとってプログレスで戦った意味とは。そして11月、77キロ級で3位入賞を果たしたADCCアジア&オセアニア予選を振り返る。全ては2024年世界大会のために――これが世羅のRoad to ADCCだ。

<世羅智茂インタビューPart.01はコチラから>


――年末のADCCアジア&オセアニア予選を目標としていた世羅選手にとって、グラジエイターで行われたプログレスのトーナメントは、どのような意味を持っていたのでしょうか。決勝で森戸新士選手に敗れていますが……。

「決勝で負けたというのは、やっぱり悔しいです。試合内容も、勝つための実力を十分に練ることができていませんでしたね。まだまだ準備不足だなって感じました」

――森戸選手もADCCを目指し、スタンドレスリングを強化していました。その意味では両者にとってADCC前哨戦といえる試合だったかもしれません。

「そうですね。ADCC予選でも当たる可能性はありましたし。あとプログレスのルールはADCCにもマッチしていて、このルールで日本トップレベルの選手と対戦できる機会も少ないと思うんですよ。その点では、ADCC予選の前にプログレスルールで対戦できていた意味は大きいです」

――ADCCで勝つためには、ADCCルールはもちろんスタンドレスリングが重要視されるルールの試合経験を増やしたほうが良いですか。

「数をこなしたほうが良いかどうかは分からないですけど、一度は経験しておいたほうが良いとは思います。どうしても柔術がベースにあって、下のポジションになっても良いという意識でいると負ける可能性は高くなりますから」

――同じく11月のADCC予選に出場した山田海南江選手は、試合前のインタビューで練習環境についても触れていました。女子の場合、ADCCルールの練習ができる環境は少ない。そのため、自分の中で試合時間とルールを考えながら練習していたと。

「あぁ、確かにそれは難しいですね。練習相手もADCCルールを意識してくれないと――たとえばスパーで相手が簡単に下になっていると、噛み合わない部分は出て来ます。日本国内ならMMAファイターと練習をしたほうが、ADCCに近いかもしれないです。MMAの選手は簡単には下にならないし、テイクダウンされてもすぐに立ち上がるので」

――世羅選手もロータスをはじめ、MMAファイターとグラップリングの練習することは多いですね。

「はい。今は週1でロータスに行かせてもらっているのと、カルペディエム青山でも週3でグラップリングの練習をしていて、そこにMMAファイターの方たちが来てくれています。そこでスタンドレスリングの練習はできていますね」

――ではADCC予選の日を迎えた段階で、ご自身が目指していたスタンドレスリングのレベルに達していたのでしょうか。

「いえ、良くて半分のレベルというところでした。ちょっとずつレスリングの理屈は分かってきていました。レスリングのルールから理解すると分かりやすいですね。ルールを理解せず単純に技術だけ学ぼうとすると、しっくりと来なくて。柔術の感覚のままレスリングを学ぶと難しいですよ。それはどの競技に対しても言えることでしょうけど――レスリングの技術というのは、そのルールの中で最適化されているものじゃないですか。

まずレスリングは互いに動かされるルールで、動かないとパッシブを取られてしまう。下がって場外に出ると、相手に1ポイントが与えられる。選手は前に出るしかないルールです。そのルールの下で生まれている技術だからこそ、まずルールを理解することで技術の理屈も分かってきました。ただ、それでも自分の理想からすると、半分ぐらいのレベルにしか達していなかったとは思います」

――その状態は予選に挑むにあたって、不安要素にはなりませんでしたか。

「不安要素に……なっていましたね(苦笑)。実際、準決勝戦はスタンドレスリングで劣勢になり、それが判定に響いてしまいました。そこで自分の弱い部分が出てしまったな、という気持ちはあります。

ADCCで勝つためには体力、フィジカル面も重要で。予選はオープントーナメントなので、77キロ級とか50人以上が参加していました。すると優勝するためには5~6試合しないといけなくて、必然的に体力が必要になってきますよね。1回戦からエコに試合を運べていたら体力も温存できていたとは思いますけど……」

――結果、6試合で世羅選手がポイントを失うことはありませんでした。それはエコな戦いではなかったということでしょうか。

「ADCCはポイントが入りにくいんですよ。一瞬パスされたりバックを奪われても、カウントが入る前に立ち上がったりするとか――ギリギリのところを抑えていると失点はなくせます。危ない場面は結構ありましたが、寸前のところで止められたという感じですね。

3回戦では前半にシライ・ソウフィにマウントを奪取されるも

3回戦ではポイントが入らない時間に、マウントまで取られていました。

『やべぇ!』とは思いながら、まだポイントは入らないので落ち着いて戦えたんです。結果は加点時間に僕がバックを取って勝てたので。まぁ、ギリギリでした(苦笑)。

バックを取るなど5-0で準々決勝へ進んだ

できるだけ1回戦や2回戦は、サクッと極めて勝ちたいです。

実際、他の1回戦は一本勝ちが多くて。オープン参加なので記念受験のような選手もいるとは思いますね。やはりレベルの差が大きい試合がありました。それが3回戦~4回戦になると、極めるのは難しくなる。だから1~2回戦は極めて、体力を温存したかったです」

――なるほど。

「あと予選は決勝以外、試合時間が6分なので一つのポイントで決まってしまいます。加点時間——残り3分で一度2ポイントでも取られてしまうと、自分がポイントを取り返すのは本当に難しいです。先ほど言った3回戦で、マウントを取られたのが加点時間だったらキツかったと思います。ただでさえポイントが入りにくいADCCなので」

――今回の予選では3位に入賞するも、世界大会出場権を獲得できませんでした。その結果については、どのように考えていますか。

「もちろん結果は満足できないです。でも一応、3位入賞というのは――ベストではないけれど形にはなったという感じですね。それは素直に良かったなと思います。

海外へ行くたびにクラスの指導を休むことになり、他のスタッフに代行してもらうなかで3位に入ったのは、最低限の結果を残すことができました。そこはメダルがあると無いとでは大きく違うので。そして自分の力が、ある程度通じることが分かったのも収穫でした。

こういうトーナメントって組まれ方次第で順位が大きく変わるんですよね。77キロ級は優勝した岩本君以外、おそらくベスト4やベスト8ぐらいは組まれ方で変わってきます。そのなかで3位入賞できたのは大きいと思ってはいます」

――一方、再び世界大会を目指すうえで自身に足りないものは何でしょうか。

「まだスタンドレスリングは伸びしろがあると思うので、強化していきます。それよりも全体的に、平均値を上げていきたいですね。スタンドレスリングに寄りすぎても難しいと思うんですよ。レスリングが強いだけで勝てるわけではなく、パスガードやポジショニング、サブミッションなど全ての要素を高めていかないと勝てない。

MMAも全ての要素が強くないとUFCでは勝てない、と言われるじゃないですか。MMAの頂点がUFCなら、グラップリングの頂点はADCCで。MMAでいえばDJのように、グラップリングにおいて全ての要素で強くならないといけないです」

――世界大会は8月17&18日に米国ラスベガスで開催予定です。その前にアジア&オセアニア予選の2ndラウンドが行われるという話もありますが、開催されれば出場しますか。

「予選は各地区で2回行われていますからね。もう一回、予選はあると思っています。その中で再び、1つしかない世界大会出場権を争う。また過酷なトーナメントになりますが、やるしかないです」


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AJ・マッキー BELLATOR F1 ISAO MMA MMAPLANET o RIZIN Special   アキラ トフィック・ムサエフ パトリシオ・フレイレ パトリッキー・フレイレ ホベルト・サトシ・ソウザ マンスール・ベルナウイ 大沢ケンジ 朝倉海 柏木信吾 榊原信行 水垣偉弥 菊入正行 鈴木千裕

【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:7月―その壱―鈴木千裕✖パトリシオ「お代わりするんですか?」

【写真】ズバリ、舞台裏に終始しています(笑)(C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Manabu Takashima

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は柏木信吾が選んだ2023年7月の一番、7月30日に行われた鈴木千裕×パトリシオ・フレイレ戦――に通じるパトリッキー・フレイレ×ホベルト・サトシ・ソウザの1戦をまずは語らう。


――もう、アゼルバイジャンからは帰国されたのですか(※取材は13日に行われた)。どのような国なのでしょうか。

「自分たちはおもてなしを受けているので、良い部分しか見ていないということはありますが、バクーはとても良い街でした。皆、穏やかな人達で。2007年ぐらいから、石油と天然ガスで凄く発展しているようです」

──イスラム教の国というイメージですが、F1GPも行われた経済的な発展は凄まじいイメージです。

「11月の大会もF1を開催している会社とやっていくことになります。政局的には野党もありますが、事実上は与党が圧倒的に強い国政で安定しているようです。凄く治安も良かったですし。バクーの街は真夜中に1人で出歩くこともできました。

女性もヒシャブですら、している人は少ないです。伝統的な衣装を着ている人は、他のイスラム圏からの観光客で。それほど戒律には厳格ではないと聞きました。普通にバクーの女性は肌も出していますし、凄く綺麗な人もいます」

──いや、それにしても夏休み返上でお疲れさまでした。

「いえ。RIZINで働くようになって初めてですね、こんな風にまとまって休めるのは。僕も今日から家族と一緒に台風を避けつつ、夏休みを楽しもうと思います」

──スミマセン、そのような時に……。

「いえいえ、『今月の一番』の復活楽しみにしていましたから。そしてMMAPLANETがリングも解禁ということで、今回は鈴木千裕×パトリシオ・ピットブルで行かせてください」

──押忍。もう舞台裏から楽しみです。

「ここはもう、本当に書けること書けないことがありますから。その辺りは宜しくお願いします」

──ハイ。ギリギリのところ、狙っていきます(笑)。一つあるのはAJ・マッキーが欠場になり、ホベルト・サトシ選手が代役出場をする。これだけで、とんでもないことが起こっていたと思いますが、そこに加えて……なぜ、この1戦まで追加されているんだと(笑)。

「フフフフフ。本当に99パーセントの人の言葉を代弁していてだきました。今回は全てが重なりました。僕はフライングケージの担当もしていたんですけど、サンノゼから運んで組み立てて。24日の月曜日にリハーサルをすることになっていたんです。

そうしたら23日の朝にBellatorから電話が欲しいと連絡がきて。これは良くない話だとピンときました。そうしたらAJの話で。スミマセン、鈴木選手とパトリシオ・ピットブルの話なんですけど、ここから入らないと……(苦笑)。

その日からどうしようということになり、Bellatorはマンスール・ベルナウイが待機しているからそれで良いという考えでした」

──ハイ。まぁTV中継ができればという判断ですね。

「そうなんです。でも、僕らRIZINサイドは興行主です。BellatorカードのメインはAJ・マッキーとパトリッキー・ピットブルでチケットを買っていただいているので、ベルナウイが代役でOKとはならないです。イベントはRIZIN主催で、リスクの負い方が違う。だから、もう少し抗わさせてほしいと伝えました」

──RIZINファンがベルナウイで納得するとは思えないです。それならトフィック・ムサエフだろうって。アキラ選手には申し訳ないですが。

「いや、それが実はプランBでした。もちろん、プランAはサトシで。そして色々と交渉の結果──サトシの体重は残り1週間では絶対に落ちない。でもBellator側もトーナメントなのに73キロのキャッチを了承してくれました」

──緊急事態の超法的処置ですね。ただ、米国でのBellatorで有り得たのか。やはりRIZINが主催している大会ということも大きく影響していたと思います。

「正直、状況が状況ですし、政治的な背景、大人の判断とこのタイミングだから全てできたと思います」

──まぁ、彼らも色々とありますし。

「ハイ。もちろん、興行会社としてRIZINのリスクも分かってくれていますし。スコットはトーナメント参加者にコンセンサスもとっていました。そこはフェアでしたね」

──誰もが幸せになれる代替カードだったから、超法的処置も通ります。ファンが納得しないカードでは73キロはおかしいだろう……ともなりますし。

「その通りですね。本来ならBellatorもライト級でもう1試合、GPの代役が務める選手の試合を組んでいたはずです。それがコラボレーション興行の一つの弊害というか、キャパというか。試合数も彼らが望むだけ……7試合とかを組むことができなかったです。

BellatorにはBellatorの放送の都合があり、RIZINにはRIZINのPPVと日本の放映権が存在していて様々な事情があるなかで、それを一つひとつクリアして創り上げたイベントなので、どこかにしわ寄せがくる。それがBellatorにとっては試合数で妥協したというのは否定できないです。TV中継枠をこなすのに、体重超過や負傷欠場が──まさに現実になってしまったようにあり得る中で、彼らが受け入れる最少の試合数が5試合でした」

──ここでISAO選手や菊入正行選手の試合を組みたいという想いもあったでしょうし。

「そういうことなんです。ただし、何が起こるか分からないなかで、我々も時間制限もあるので7試合は組めないよ──ということでした。それでもRIZINがライト級チャンピオンを出したことで、双方が納得できたBellatorのメインカードでした」

──本来なら、そこで一件落着です。ただし、そこでパトリシオ・フレイレ×鈴木千裕まで追加カードとして発表があり、あのような結末に至った。AJ欠場のピンチで、こんなボーナスまで引き出してしまう。

「僕は正直、そのアイデアを聞かされて動かないと行けなくなった時──正直、憤っていましたよ(笑)」

――もちろん榊原信行CEOからだと思いますが、いやぁ凄いですね。そこまでやってしまおうというのは。言い方は悪いですけど、火事場泥棒ですよ(笑)。

「あのね、高島さん!! 僕はAJが欠場して、サトシ✖パトリッキー・ピットブルを成立させた。大仕事が終わったばかりだったんですよ。ウルトラCを引っ張りだしたのに、お代わりするんですかって(笑)」

──アハハハハ。

「それがフライングケージのリハーサル中ですよ。イタリアの製作者たちと日本の技師さんたちが、『ああだ。こうだ』とやりとりをしている時に、お代わりが欲しいと連絡があって。千葉の倉庫で、僕はブチ切れていました(笑)」

──しかし、凄いですね。榊原さん。

「やっぱ、スゲェですよ。普通の人だったら言わないことを、あの状態の僕に課してきた。まぁ、榊原社長はAJ欠場の時点で、『パトリシオを出せないかな』ということは言っていました。イベンターなんです、根っからの。朝倉海選手の欠場で、RIZINのメインを無くした。そしてBellator側のメインも無くした。

これはイベントとしては、ケガを負った状態で傷に塩を塗り込まれている状況でした。サトシという最高の応急処置ができたのですが、やっぱり体は弱っている。榊原社長は、そのままではイベンターとして終われなかったのだと思います」

──選手のコンディションなどが、先に頭にある自分のような立場の人間には全く考えが及ばない一手です。

「ハイ、全くアプローチが違いますよね」

──それはもう、火事場泥棒という言い方をしましたが、まさに怪我の功名だったわけですね。この大当たりを引き出す──格闘技界にいても、絶対的に人種が違うのですが、これは凄まじいなと素直に思いました。

「高島さんから、その言葉を聞けるのは素晴らしいと思います。僕も正直、終わったあとにスゲェなと。本当に思いました」

──それも鈴木選手が勝ったから。パトリシオが勝っていれば、まぁスクランブル出場で名前のある方が勝つという過去にも見られたケースで。

「大博打です。博打を打って、勝ったんですよ(笑)。イベント当日を下り坂で迎えてはいけない。向かい風のなかで、イベントが始まってしまうことを避ける。上り坂、追い風にしてイベントを開く。それがイベンターとしての榊原社長の姿勢なんです。『本気なの? この人?』って思ったんですけどね(笑)」

<この項、続く>

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AJ・マッキー BELLATOR ISAO MMA MMAPLANET o ONE PFL RIZIN UFC アーロン・ピコ イルマレイ・マクファーレン クリス・サイボーグ スコット・コーカー トフィック・ムサエフ ドゥグラス・リマ 堀口恭司 渡辺華奈 神龍誠 菊入正行

【Bellator】スコット・コーカーに訊く─03─「正直に言うと、堀口にはフルタイムファイターでいて欲しい」

【写真】質問の方向を散らせば、余計にスコットの心情が伺えるかと思った次第です (C)NOB YASUMURA

27日(土)、東京都新宿区の東急歌舞伎町タワー正面でRIZINと共同会見を開いたスコット・コーカー・インタビューPart.03。

禁断のBellator売却問題からRIZINとのコラボショーについて懐の大きさを見せて、話してくれるスコット。最終回はフライ級戦線と堀口恭司、そして今後のBellatorについて話を訊いた。

<スコット・コーカー・インタビューPart.02はコチラから>


──AJとパトリッキーの試合が日本で見られる。それは日本のファンにとって最高のギフトです。と同時にRIZINとのコラボレーション・ショーであるが故に菊入正行選手やISAO選手の同大会出場はないと考えて良いですか。

「5試合という限られたスポットしかないからね。よりトップに近い選手の試合を組みたいと思っている。ただ、キクイリはハワイで最高の試合をしたよ。ISAOはビザの関係で、まだ米国で試合を組めていないけど、取得できればすぐに戦ってもらう」

──そのなかで渡辺華奈選手の試合が組まれた。それは彼女がBellator女子フライ級のトップだということですね。

「もちろんだ。ハワイでイルマレイ・マクファーレンと、最高の試合をした」

──日本のファンは、あのジャッジの裁定に納得していないですけどね(笑)。

「ヘイ、正直をいえば私もだ(笑)。いや、それだけ接戦だった。イルマレイはよりダメージを与えた。ワタナベはコントロールした。ジャッジをやるなんて、絶対に嫌だよ。ああいう試合があるんだから(笑)。私はプロモーターで、ジャッジじゃなくて良かったよ。

ワタナベにとっても過去最高のファイトだったと思う。私は彼女のようなファイターが好きなんだ。打撃はまだ課題が残っている。でも一度相手を掴めば、対戦相手はとんでもない事態が待っている。ただ寝かされるだけじゃない。いつだってフィニッシュを狙ってくるからね。だから私はただコントロールしている選手に対して、『ワタナベを見てみろ。彼女は常にサブミッション、フィニッシュを狙っているぞ』と言っているんだ」

──実例を出されると、忠告された選手も耳を傾けるしかないですね。ところで初代フライ級王座決定戦ですが、堀口恭司選手と神龍誠選手の対戦です。日本のファンは神龍選手の実力を知っていますが、世界中のBellatorファンには初耳ということもあるかと思います。思い切った日本人対決は、日本大会ということも考えてのことでしょうか。

「タカハシはRIZINの契約下にあるけど、彼が勝てばBellatorと契約することになる。私は契約をシェアすることは気にしていない。ホリグチ、アルチェラタ、トフィック・ムサエフのようにね。逆をいえば、こういう交流ができるのがBellatorとRIZINの良いところで。マーシャルアーツとは本来、そうあるべきなんだ」

──つまりは本格的にJapanローカルでなく、フライ級を本格的に北米や欧州で展開すると考えても良いでしょうか。

「我々は日本のヒーローが必要なわけじゃない。国際的な舞台で戦うヒーローを求めている。次のタイトル戦でタカハシが勝てば、彼は世界中で戦っていくことになる。ホリグチが勝っても、同じだ。それにしてもホリグチほど日本のMMA市場を考えている選手はいないよ。私はRIZIN以前に彼と契約を試みた。でも彼は『僕は日本に戻る。日本のMMAを盛り上げるんだ』と言ってRIZINとサインした。

普通、ファイターはそんなことは考えない。彼らが気にするのは、ファイトマネーの額だ。だからホリグチにそう言われた時、条件云々ではないと思ってあきらめた。で、私ができるサポートをしようと決めたんだ」

──では彼がグラスルーツショーを始めることをどのように思っていますか。それも堀口選手の日本の想う気持ちからだと思いますが。

「そうだね……正直に言うと、彼にはフルタイムのファイターでいて欲しい。いや、いるべきだろう。自分の試合に集中すべきだとは思っている。最高の試合をするためにも。彼はフォートローダーデールに住んでいるわけだし、日本でのショーに関わるとどれだけ練習以外に時間を取られることになるのか。そこを私は危惧している。彼の周囲がしっかりとサポートしてやってほしい。

ホリグチには少しでも長く現役生活を続けて欲しい。ただ、ここでトレーニングに集中しないと戦い続けることは困難になってくる。プロモーターにはいつだってなれるからね」

──それがスコットの堀口選手への想いということですね。フライ級に関してですが、これから125ポンドの選手とのサインが進めるという理解で宜しいですか。

「MMAで実績のある選手だけでなくレスリング、柔術、柔道からもスカウトしたいと考えている。こういう選手の発掘に関しては、我々はUFCより優れている。PFLよりも、ONEよりもBellatorとのスカウティングは優秀だ。スカウト、サイン、そして育てるという点でね」

──そこがBellatorの特徴の一つです。ただスコットはStrikeforce時代から、そのようなスカウティングとビルドアップをしてきましたね。

「ダニエル・コーミエーのデビュー戦はStrikeforceだった。ルーク・ロックフォールドやタイロン・ウッドリーは3戦目からStrikeforceで戦っている。アーロン・ピコ、AJ・マッキーはBellatorでプロMMAデビューを果たしている。私たちは人材発掘と育成のノウハウがある。急がないし、ゆっくりでもない。その時が来たら、ビッグファイトを用意するんだ」

──今後、そういうスカウトされた選手たちも含め、より頻繁にBellatorの選手が日本にやって来ることはあるのでしょうか。

「どうなるのか。そうなるためにトライする。ベスト✖ベスト、それがスポーツの基本だ。サッカー、野球、アメリカンフットボールでも。マーシャルアーツ・プレイヤーだって、誰とでも戦わないといけない。それが私の考えだから」

──どのような形であれ日本にBellatorがやって来る、と。現状、北米と欧州以外に進出を考えている地域はありますか。

「イエス。ブラジルだ。COVID19のパンデミックがなければ、既に実現していただろう。それに今、GLOBOという最高のTVパートナーが存在している。ずっとUFCを中継してきた放送局だけど、UFCはFight Passに方向転換したようで。我々にはクリス・サイボーグ、ピットブル兄弟、ドゥグラス・リマなど、GLOBOが喜ぶ最高のブラジリアンファイターが揃っている。彼らもブラジル人ファイターが見たいからね。

パリ大会もソールドアウトだった。忘れられないよ。最初の大会はCOVIDの影響で1000人しかファンを集めることができなかった。フランス政府が初めてMMAを承認し、プロモーターライセンスを初めて手にしたのが我々だった。フランスのファンは米国人選手の試合では静まり返っているけど、フランス人ファイターの試合はもの凄く盛り上がる。クレイジーだよ(笑)。Bellatorは世界中で成功を収めているよ」

──安泰だと日本のファンに伝えて良さそうですね。

「Bellatorは終わらない。トップ団体は、常に真剣にファイナンシャルのことを考えないといけないだけで。日本のファンに伝えてほしい。Bellatorはバイアコムがオーナーになって12年のカンパニーだ。彼らにとって優れたコンテンツだ。どの階級でも、UFCファイターと伍すことができるベストファイターが集まっている。7月30日、日本のファンの皆にはBellatorとRIZINのショーを満喫してほしい。引き続き、マーシャルアーツの成長を試みるRIZINとBellatorを応援してほしい──と」

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o アレクセイ・シュルケヴィッチ ブログ 菊入正行

【Bellator295】菊入正行、シュルケヴィッチに右を打ち抜きベラトールデビューで見事なKO勝ち

<ウェルター級/5分3R>
菊入正行(日本)
Def.2R4分33秒by KO
アレクセイ・シュルケヴィッチ(ロシア)

右ローを蹴った菊入が、カーフを続ける。シュルケヴィッチのワンツーからのステップインをかわした菊入は左を打たれる。左の前蹴りもワンツー、ローに左を合わせて行くシュルケヴィッチがジャブを伸ばす。菊入も左を打ち返し、ワンツーで前に出る。シュルケヴィッチは引き続き、ローに左右のパンチを当て、リードフックを振るう。ワンツーにも打ち返した菊入の急所にシュルケヴィッチの左ローが当たる。

再開後、左フックを当てた菊入が左ミドルを決める。しかし、左フックから右を当てられ姿勢を乱す。前に出るところでパンチを打たれが菊入だが、ワンツー=右から左を当ててダウンを奪う。

シュルケヴィッチは組みに移行してバックへ。菊入は胸を合わせて体を入れ替え、逆にケージに押し込む。右を打って離れたシュルケヴィッチのアッパー、フックで動きが止まった菊入は低い姿勢のテイクダウン狙いを切られ、クリンチへ。離れたところで時間となり、ダウンを奪ったが初回は落とした。

2R、シュルケヴィッチが蹴りを使って前に出ていく。菊入は右のカウンターを入れ、左ジャブを当てる。右を入れ、逆に右を受けた菊入は右カーフを蹴る。ジャブで前に出て、右フックの菊入に対し、シュルケヴィッチも右を打ち返す。ボディから上を殴る菊入、シュルケヴィッチをローを蹴る。

互角の攻防のなかで、左前蹴りを入れた菊入はスピニングバックフィストをかわす。ワンツーをかわし、右カーフの菊入が左ボディを入れ、左フックを振るう。一発のインパクトはシュルケヴィッチが上なので、攻撃を纏めたい菊入が左を被弾し、ワンツーで後退する。踏み止まり左フック、左ジャブの菊入はしっかりと打ち合うなかで左ミドルを蹴る。さらに前蹴りを見せ、ワンツーに左を合わせにに行く。シュルケヴィッチはジャブを当て、右を振るってくるがやや疲れているか。

菊入は間合いを外したシュルケヴィッチを追いかけ、ジャブから右を打ちこむ。この一発でシュルケヴィッチがダウン、菊入が右のパウンドを落とすとレフェリーが試合を止める。ケージに駆け上がり「日本人、なめんじゃねぇ」と叫んだ。一発では劣勢の打ち合いのなかで、手を出し続けシュルケヴィッチを疲れさせた菊入、ロシア人としっかりと戦ったうえでのKO勝ち──だった。


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BELLATOR Bellator295 DEEP MMA MMAPLANET o ONE アレクセイ・シュルケヴィッチ ブログ 菊入正行

【Bellator295】初陣=シュルケヴィッチ戦へ、菊入正行「ここに居続けるには、どうすれば良いのか」

【写真】リラックス、飄飄としていた菊入だった(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニールSブレイズデール・センターで開催されるBellator295「Stots vs Mix」で菊入正行がサークルケージ初陣をアレクセイ・シュルケヴィッチと戦う。

契約から半年、ようやく迎えたベラトール・デビュー戦。初の国際戦&海外での試合ということも感じさせないようなリラックス・ムードを漂わせていた菊入は、笑顔で意気込みを語ってくれた。


──既にハワイに入っている菊入選手。あと4日後に試合を控えていますが、これから体重調整の方でしょうか(※取材は4月18日に行われた)。

「そうですね、木曜日に水抜きをして金曜日に計量ですね」

──昨年9月の契約から、ようやくベラトール・デビューとなります。今回の試合が決まったのは、いつ頃だったのですか。

「3月の中旬に2週間ほどタイガームエタイに練習に行っていた時に、オファーを貰った感じですね。それまで話がなかったので、ようやく試合ができます。ここでしっかりと良い試合をして勝って、またオファーをしてもらうように良いアピールをしたいです」

──ではタイガームエタイで練習した目的というのは?

「僕のサイズで、動けてタフな選手と練習をしたいと思ったからです。2週間でしたけど、UFCファイターやBellatorと契約しているデカい人たちと練習できてよかったです。やっぱりフィジカルとか全然違うということを肌で感じることができたので」

──タイガーは、今しっかりと決まったヘッドコーチがいるのでしょうか。

「コーチはいますが、技術を教えるというよりも選手の間のコミュニケーションを取ったり、向うの人は練習中でもブチ切れるので、それを止めに入るような感じでした(笑)」

──アハハハ。どういうコーチ業ですか。菊入選手は、1人でプーケットへ?

「ハイ。でも、向うに鶴屋怜君がたまたまいて。一緒にご飯に行ったり、話をしたりしていました。それと帰国する2日前ぐらいに、DEEPで戦っている本田良介選手と小金(翔)さんに会いました」

──では今回の試合、海外で初めてのファイトとなりますが、最終調整など戸惑うことはないですか。

「安藤(晃司ネバークイット代表)さんがいてくれるので、自分は何も心配していません。安藤さんの言うことに従うだけです。対策練習から1カ月ずっと安藤さんとやってきたので、最後まで言うことを聞いているとしっかり勝てると思っています」

──安藤選手に連絡を取ると、東南アジアと違って日本語が通じるから楽だというメッセージがありました(笑)。ファイトウィークはどのように過ごしていますか。

「ハイ、楽に過ごせています。ただ気候は思ったより気温が高くなくて、暑くはないですね。僕はスケジュールも写真撮影と、ZOOM取材があるだけで。それだけです。全部ホテルでできるので移動もないですし、本当に楽で。安藤さんがBellatorのスケジュールはUFCやONEより、全然楽だって言っていました(笑)。ホント、有難いです。調整で少し動いて、体重をチェックしてという感じだけで過ごしているので」

──ベラトールのトップ選手も同じ場所にステイしていると、「いよいよだ」という気にはなって来ないですか。

「堀口選手にロビーで会って、なんか嬉しかったですね」

──何を言っているんですか(笑)。

「いや、マイク・ブラウンとか一緒にして嬉しかったです(笑)」

──……。では対戦相手のアレクセイ・シュルケヴィッチ、とのような選手でしょうか。

(C)BELLATOR

「パンチ主体のストライカーっていうイメージですね。

プレッシャーが強くて、フィジカルも強い。ただ試合になってみないと分からない部分もありますが──。付き合わず……打ち合いをするとギャンブルになるので、そこはなるべくしないように戦いたいです。ただ、あまり手を出さないと塩っぽい試合に見えるので、そこには気を付けます。

やはりベラトールだと魅せる試合もしないといけないので。そこはやっぱり、勝ちにも拘るけど試合内容も良くしないといけないです」

──難しいところです。

「国内で戦っていた時は、まず勝たないといけないというのがありました。そうでないと上に進めないですし、稼げないので。稼げる舞台に来たからっていうわけではないですが、長く活躍したいですし。ここに居続けるには、どうすれば良いのかなっていうのは考えます」

──その辺り、師匠の安藤選手はどのような助言をしてくれましたか。

「『まず、ここは勝たないといけない』と言っています(笑)」

──やはり。安藤選手はONEで魅せるとかなしに、戦っていました。自分を貫いて。

「アハハハハ。難しいけど、両方求めたいです。それはデキなくても、意識するだけで変わるかもしれないし(笑)」

──では改めて、意気込みの方をお願いします。

「まず初戦は落としたくない。必ずここで勝って、一つ一つ上がっていきたいので。そうですね、ここは絶対に落としたくない──という感じですね。意気込みがどうか、分からないですけど(笑)」

■視聴方法(予定)
4月23日(日)
午前8時30分~ U-NEXT

■ Bellator295計量結果

<Bellator暫定世界バンタム級選手権試合&バンタム級ワールドGP決勝/5分5R>
[王者]ラフェオン・スタッツ: 134.2ポンド(60.87キロ)
[挑戦者] パッチー・ミックス: 135ポンド(61.24キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イリマレイ・マクファーレン: 126ポンド(57.15キロ)
渡辺華奈: 125.6ポンド(56.97キロ)

<165ポンド契約/5分3R>
ヤンシー・メデイロス: 162.4ポンド(73.66キロ)
チャーリー・レアリー: 164.2ポンド(74.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ: 145.6ポンド(66.04キロ)
ジェイムス・ゴンザレス: 145.8ポンド(66.13キロ)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル: 144.4ポンド(65.49キロ)
ジャスティン・ゴンザレス: 145.6ポンド(66.04キロ)

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世: 145.4ポンド(65.95キロ)
アドリ・エドワーズ: 145.6ポンド(66.04キロ)

<女子フライ級/5分3R>
スミコ・イナバ: 124.4ポンド(56.42キロ)
ヴェタ・オルティガ: 125.8ポンド(57.06キロ)

<ライト級/5分3R>
ボビー・キング: 155.4ポンド(70.48キロ)
アーロン・クルーズ: 156ポンド(70.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ダヴィオン・フランクリン: 259.2ポンド(117.57キロ)
カシム・アラス: 251.8ポンド(114.21キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イララ・ジョアニ: 125.4ポンド(56.88キロ)
ブルーナ・エレン: 125.6ポンド(56.97キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アレクセイ・シュルケヴィッチ: 170.8ポンド(77.47キロ)
菊入正行: 169ポンド(76.66キロ)

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o   アレクセイ・シュルケヴィッチ アーロン・ピコ イララ・ジョアニ イリマレイ・マクファーレン ジャスティン・ゴンザレス スコット・コーカー スミコ・イナバ パッチー・ミックス ブルーナ・エレン ボビー・キング マス・ブーネル ラフェオン・スタッツ 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

【Bellator295】計量終了 ボーグが体重落とせず、堀口恭司のフライ級戦は消滅。そしてボーグは引退へ

【写真】非常に友好的、しかし激しい試合になること間違いない(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニールSブレイズデール・センターで開催されるBellator295「Stots vs Mix」の計量が21日(金・同)に行われている。

堀口恭司と対戦予定だったレイ・ボーグが体重を落とせず、直ちにBellatorとの複数回契約を解除された。そして「皆を落胆させて申し訳ない。そして、ここ数年のとんでもない状況を共にしてくれてありがとうと伝えない。これから違う旅が始まる。チーム・ボーグと共にいてくれて感謝している」とボーグはSNSで引退を発表している。


メインでGPファイナル&100万ドルを掛けたワールドGPファイナルとBellator暫定世界バンタム級王座を賭けて戦う2人は、セレモニアル計量でのフェイスオフでも、何やら罵り合いをし、スコット・コーカーやインスペクターが間に入って、両者を分けた。

コメインの女子フライ級戦は、MMAPLANETのインタビュー通り、イリマレイ・マクファーレンがフェイスオフ後に渡辺華奈の首に例を掛け、ハグをし撮影後も両手で握手をして離れた。

また第1試合でサークルケージ初陣となる菊入正行は、計量台の上でガッツポーズし、アレクセイ・シュルケヴィッチと握手してフェイスオフを行った。

堀口の試合はなくなったが、メインの世界戦や日本人絡みのファイトだけでなく、プレリミからメインと3試合連続で組まれたフェザー級=アーロン・ピコ✖ジェイムス・ゴンザレス、マス・ブーネル✖ジャスティン・ゴンザレス: 145.6ポンド、カイ・カマカ3世✖アドリ・エドワーズも要注目だ。

大器ピコが未完のままで終わるのか、ここから上で進むのか。勝ち方が問われる一戦となり、ブーネル✖ゴンザレスは熱戦必死のサバイバル戦となる。

また日系4世のスミコ・イナバがタイトルコンテンダーのヴェタ・オルティガも女子フライ級戦線の今後に関係してくるマッチアップといえる。

■視聴方法(予定)
4月23日(日)
午前8時30分~ U-NEXT

■ Bellator295計量結果

<Bellator暫定世界バンタム級選手権試合&バンタム級ワールドGP決勝/5分5R>
[王者]ラフェオン・スタッツ: 134.2ポンド(60.87キロ)
[挑戦者] パッチー・ミックス: 135ポンド(61.24キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イリマレイ・マクファーレン: 126ポンド(57.15キロ)
渡辺華奈: 125.6ポンド(56.97キロ)

<165ポンド契約/5分3R>
ヤンシー・メデイロス: 162.4ポンド(73.66キロ)
チャーリー・レアリー: 164.2ポンド(74.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ: 145.6ポンド(66.04キロ)
ジェイムス・ゴンザレス: 145.8ポンド(66.13キロ)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル: 144.4ポンド(65.49キロ)
ジャスティン・ゴンザレス: 145.6ポンド(66.04キロ)

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世: 145.4ポンド(65.95キロ)
アドリ・エドワーズ: 145.6ポンド(66.04キロ)

<女子フライ級/5分3R>
スミコ・イナバ: 124.4ポンド(56.42キロ)
ヴェタ・オルティガ: 125.8ポンド(57.06キロ)

<ライト級/5分3R>
ボビー・キング: 155.4ポンド(70.48キロ)
アーロン・クルーズ: 156ポンド(70.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ダヴィオン・フランクリン: 259.2ポンド(117.57キロ)
カシム・アラス: 251.8ポンド(114.21キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イララ・ジョアニ: 125.4ポンド(56.88キロ)
ブルーナ・エレン: 125.6ポンド(56.97キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アレクセイ・シュルケヴィッチ: 170.8ポンド(77.47キロ)
菊入正行: 169ポンド(76.66キロ)

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BELLATOR F1 MMA o ONE YouTube YUKI   ブラック 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

『Bellator 295: Stots vs. Mix』前日計量動画

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『Bellator 295: Stots vs. Mix』堀口恭司 vs. レイ・ボーグ中止問題続報/Bellatorがボーグをリリース→ボーグは引退を発表(2023年04月22日)

 こちらの続報。

Bellator 295 weigh-in results: One fight canceled during session in Hawaii(MMAJunkie)
MAIN CARD (Showtime, 11 p.m. ET)

・Interim champ Raufeon Stots (134.2) vs. Patchy Mix (135) – for interim bantamweight title; grand prix final
・Ilima-Lei Macfarlane (126) vs. Kana Watanabe (125.6)
・James Gonzalez (145.8) vs. Aaron Pico (145.6)
・Charlie Leary (164.2) vs. Yancy Medeiros (162.4) – 165-pound contract weight

PRELIMINARY CARD (MMA Junkie, 8 p.m. ET)

・Mads Burnell (144.4) vs. Justin Gonzales (145.6)
・Adli Edwards (145.6) vs. Kai Kamaka (145.4)
・Veta Arteaga (125.8) vs. Sumiko Inaba (124.4)
・Aalon Cruz (156) vs. Bobby King (155.4)
・Kasim Aras (251.8) vs. Davion Franklin (259.2)
・Bruna Ellen (125.6) vs. Ilara Joanne (125.4)
・Masayuki Kikuiri (169) vs. Alexey Shurkevich (170.8)

 『Bellator 295: Stots vs. Mix』前日計量結果。堀口恭司 vs. レイ・ボーグとケオニ・ディグス vs. ウェーバー・アルメイダの中止により全11試合となっています。渡辺華奈、菊入正行を含め残りの選手は全員パスしています。



 前日計量動画。


 渡辺華奈がコメント。続きを読む・・・
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BELLATOR MMA o ONE PFL   アーロン・ピコ オットー・ホドリゲス 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

4.22『Bellator 295: Stots vs. Mix』アーロン・ピコの対戦相手がオットー・ホドリゲスからジェームス・ゴンザレスに変更

堀口恭司、渡辺華奈出場の4.22『Bellator 295: Stots vs. Mix』でアーロン・ピコ vs. オットー・ホドリゲス、菊入正行 vs. アレクセイ・シュルケヴィッチ等が追加発表(2023年03月15日)

 こちらの続報。


James Gonzalez(Sherdog)

 Bellator MMAが4月22日にハワイ州ホノルルで開催する『Bellator 295: Stots vs. Mix』でアーロン・ピコと対戦予定だったオットー・ホドリゲスが負傷欠場、代わりにジェームス・ゴンザレスがピコと対戦するとのこと。

 ジェームス・ゴンザレスは現在33歳のアメリカ人でMMA戦績10勝5敗。3月の『PFL Challenger Series 2023 Week 6』でヴィカース・シン・ルヒルに1R TKO勝ちして以来の試合。昨年6月の『Bellator 282: Mousasi vs. Eblen』で行われたBellatorデビュー戦でコディ・ロウに判定勝ちした後にPFLに出場していることから出戻り参戦となります。続きを読む・・・
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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o イルマレイ・マクファーレン セルジオ・ペティス ダニー・サバテーロ パッチー・ミックス フアン・アルチュレタ マゴメド・マゴメドフ ライアン・ホール ラフェオン・スタッツ 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

【Bellator295】壮大なバンタム級タイトル戦線絵巻、GP決勝戦スタッツ✖ミックス展望 Part.01!!

【写真】テイクダウンかギロチンか。スクランブルかバックテイクか。いよいよ!!(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

日本から堀口恭司がレイ・ボーグ、渡辺華奈がイルマレイ・マクファーレン、そしてBellator初陣となる菊入正行がアレクセイ・シュルケヴィッチと戦う同大会。メインはバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。


昨年4月のGP一回戦、スタッツは当初ルーファスポーツ同門の正規王者セルジオ・ペティスに挑戦する予定だった。が、ペティスの負傷により対戦相手はフアン・アルチュレタに。

ここでスタッツは3Rに左ハイでダウンを奪い、ヒジを連打してKO勝利し暫定王座に就いた。続く12月の準決勝の相手は、堀口恭司のチームメイトであるダニー・サバテーロ。試合前のトラッシュトーク合戦で大いに盛り上がったこの試合では、サバテーロに再三テイクダウンを奪われるもスクランブルして凌ぎ続けたスタッツが、スタンドの打撃で攻勢点を取って5R判定2-1で辛勝し、決勝に駒を進めている。

対する寝技師ミックスは、昨年4月のGP初戦で堀口恭司と対戦。強烈な打撃をかいくぐって組みついてのバックコントロールで1Rと3Rを制し、迎えた5Rにもテイクダウンからバックを取ることに成功した。

その後堀口に正対されてしまうも、すぐに下からのギロチンを仕掛けて上を取り返し、値千金の判定勝利を挙げたのだった。続く準決勝のマゴメド・マゴメドフ戦でも、テイクダウンをことごとくギロチンで切り返して試合を支配。

2Rにはそこから両掌を合わせて締めるマッケンジー・チンに移行し、圧巻の一本勝ちを収めている。

ここまでの両者の勝ち上がり方を見る限り、寝技に持ち込み極めを狙いたいミックスと、持ち前のレスリング力を活かしたスクランブルでこれを凌ぎ、スタンド勝負を挑みたいスタッツという、いわゆるクラシカルMMA=寝技✖打撃の構図が浮かび上がる。

実際にスタッツはこのような展開を想定しているようだ。現在地元テキサスでイーヴス・エドワーズのコーチングの元で調整を進めるスタッツは、黒帯柔術家たちと練習を積んでミックスの寝技への対策にも余念がないとのこと。

コーリー・サンドハーゲンと一緒にライアン・ホールの道場に出稽古に行ったとも語っている。

「奴の勝利への道は分かっている。テイクダウンからバックを奪ってチョークを狙ってくるはずだ。だがこっちはそれに対してアメイジング・ゲームプランを用意している。プレッシャーをかけ続けてフィニッシュするか、奴がボロボロに擦り切れるまで5R圧倒してやるよ」と語るスタッツは、さらにルックスを関してトラッシュトークを展開。

「パッチーよ、お前の戦い方自体にはあまり穴はないかもしれないけどな、その口の真ん中にはでっかい穴が開いているじゃないか。そこに俺の拳をブチ込んでやるからな!」と、ミックスの前歯の隙間を揶揄する軽い口撃も繰り出すスタッツは、打撃勝負に自信を覗かせている。

対するミックスは自分の武器は寝技だけではないと強調する。GP前からエクストリーム・クートゥアのネイト・ペティットを打撃コーチに迎え、パッドワークを積んできたことで打撃の制度が飛躍的に向上したとのことだ。

実際にGP初戦では堀口の打撃に圧倒されることもなく5R渡り合い、さらに準決勝でもマゴメドフと立ち技でも互角以上の戦いをみせた。

「僕はグラップリングと同じくらい打撃もできる」と語るミックスは、3月にインタビューした筆者の「あなたのギロチンの切れ味を考えると、スタッツはテイクダウンを仕掛けてこないのではないか」との質問に、はっきりと「ノー」と答え「僕がスタンドで打撃を当ててダメージを与えるから、おそらく奴はテイクダウンを狙わざるを得なくなるだろう」と予告している。

実際に試合がスタンドから開始される以上、まず打撃の攻防でどちらが主導権を握るかが注目点なのは間違いないことだ。寝技の攻防を恐れないミックスはいつものように前進し、上背の利も生かして圧力をかけてゆくことだろう。

対するスタッツはサバテーロ戦で多用した右ジャブやフットワークを用いて距離を保つことができるのか。それともミックスが距離を詰めて組みつくことに成功するのか。またミックスが予告したように、スタッツが自らテイクダウンを仕掛ける場面は来るのだろうか。お互いサウスポーであることがどう影響するかも興味深い。

<この項続く>

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BELLATOR Bellator295 F1 LFA MMA o ONE PANCRASE YUKI   アーロン・ピコ イリマレイ・マクファーレン オットー・ホドリゲス ジェレミー・ケネディ ジョシュ・ヒル ダニー・サバテーロ ティム・ジョンソン ディアナ・ベネット パッチー・ミックス パンクラス マーク・レミンガー ライカ リズ・カモーシェ ローマン・ファラルド 堀口恭司 手塚裕之 村山暁洋 渡辺華奈 菊入正行

堀口恭司、渡辺華奈出場の4.22『Bellator 295: Stots vs. Mix』でアーロン・ピコ vs. オットー・ホドリゲス、菊入正行 vs. アレクセイ・シュルケヴィッチ等が追加発表

Bellatorが第14代ウェルター級キングオブパンクラシスト菊入正行と契約(2022年09月15日)

Bellatorがハワイで2連戦を開催、4.21『Bellator 294』はリズ・カモーシェ vs. ディアナ・ベネット、4.22『Bellator 295』はラウフェオン・ストッツ vs. パッチー・ミックス、イリマレイ・マクファーレン vs. 渡辺華奈 etc.(2023年02月16日)

4.22『Bellator 295』で堀口恭司とレイ・ボーグが対戦(2023年03月09日)

 こちらの続報。


 Bellator MMAが4月21日と22日にハワイ州ホノルルで開催する『Bellator 294: Carmouche vs. Bennett 2』と『Bellator 295: Stots vs. Mix』の追加カードを発表。

 『Bellator 294: Carmouche vs. Bennett 2』のメインカードはリズ・カモーシェ vs. ディアナ・ベネットの女子フライ級タイトルマッチ、ティム・ジョンソン vs. サイド・ソウマのヘビー級マッチ、アーリン・ブレンカウ vs. サラ・マクマンの女子フェザー級マッチが既報でしたが、今回ダニー・サバテーロ vs. マルコス・ブレノのバンタム級マッチ、レヴァン・チョケリ vs. マイケル・ロンバルドのウェルター級マッチが追加発表されています。

 ダニー・サバテーロは昨年12月の『Bellator 289: Stots vs. Sabatello』で行われたバンタム級グランプリ準決勝でラウフェオン・ストッツに判定負けして以来の試合。現在Bellatorバンタム級ランキング5位。マルコス・ブレノは昨年8月の『Bellator 284: Gracie vs. Yamauchi』で行われたBellatorデビュー戦でジョシュ・ヒルに判定勝ちして以来の試合。

 レヴァン・チョケリは昨年11月の『Bellator 288: Nemkov vs. Anderson 2』でローマン・ファラルドに判定勝ちして以来の試合。マイケル・ロンバルドは昨年12月の『Bellator 289: Stots vs. Sabatello』でマーク・レミンガーに1R KO勝ちして以来の試合。





 そして、『Bellator 295: Stots vs. Mix』のメインカードはラウフェオン・ストッツ vs. パッチー・ミックスのバンタム級ワールドグランプリ決勝戦&暫定王座戦、イリマレイ・マクファーレン vs. 渡辺華奈の女子フライ級マッチ、堀口恭司 vs. レイ・ボーグのフライ級マッチが既報ですが、アーロン・ピコ vs. オットー・ホドリゲスのフェザー級マッチが追加発表。さらにプレリミナリーカードに菊入正行 vs. アレクセイ・シュルケヴィッチ等が発表されています。

Otto Rodrigues(Sherdog)

 アーロン・ピコは昨年10月の『Bellator 286: Pitbull vs. Borics』でジェレミー・ケネディに1R TKO負けして以来の試合。試合中に左肩を脱臼しインターバル中に入れ直して2Rに挑もうとしましたがドクターストップで終了しています。現在Bellatorフェザー級ランキング3位。オットー・ホドリゲスは現在34歳(試合時は35歳)のブラジル人でMMA戦績13勝1敗。2021年7月の『LFA 112』でカルロス・アウグスト・サントス・ダ・シウバに判定勝ちして以来の試合で今回がBellatorデビュー戦。

Masayuki Kikuiri(Sherdog)

Alexey Shurkevich(Sherdog)

 菊入正行は現在27歳で千葉県出身。MMA戦績8勝2敗1引き分け。全てパンクラスでの試合。昨年10月の『PANCRASE 324』で行われたウェルター級暫定王者決定戦で村山暁洋に判定勝ちし王座獲得。その後、手塚裕之がタイトル返上したことから正規王者になっています。昨年9月にBellatorと契約したことが確認されていましたが、この度ようやくデビュー戦です。アレクセイ・シュルケヴィッチは現在30歳のロシア人でMMA戦績13勝5敗。2021年10月の『Bellator 269: Fedor vs. Johnson』で行われたBellatorデビュー戦でグラチック・ボジンヤンに1R KO勝ちした後、昨年2月にロシアで開催された『SFC 3』でヘナート・ゴメス・ガブリエルに2R KO負けして以来の試合。続きを読む・・・