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PANCRASE316:ネオブラッドトーナメント第4試合・宮島夢都希 vs. 大谷啓元

バンタム級1回戦。

KRAZY BEE所属宮島は1回戦がプロデビュー戦で、ノーガードでステップしパンチを入れる堀口スタイルで相手の目を腫らしてのドクターストップ勝ち。23歳。

パンクラスイズム横浜所属大谷は27歳。一昨年にプロデビューしてから5連敗していたが、2月に1回戦でテイクダウンから固める展開でついにプロ初勝利。必死にしがみついていくグラップラーだが、まだ頑張りに結果がついてきていない。

ローをキャッチして倒された大谷。下から草刈りで倒そうとしたが宮島が上キープ。bヒープハーフからスイープを狙う大谷だが宮島が上をキープ。肘を落とす宮島。大田にしつこくスイープを仕掛けてバックに回った。宮島立ってスタンドバックの状態に。後方に倒れた。ハーフバックからフルバックに。反転しようとした宮島だが大谷四の字バックへ。バックから殴っていく大谷。宮島反転して上を取る。パウンド。強いパウンドを入れていく。ヒットしている。ホーン。

ジャッジ三者パウンドを入れた宮島を支持。

2R。大谷パンチをかいくぐりタックル。ボディロック。テイクダウンを狙う。しかし若干雑に倒れて宮島が袈裟固めに。首を抜いてバックを取った大谷。亀になった宮島。また仰向けに。キープしている大谷だが今のところ押さえているだけでダメージを与えていない。宮島も脱出できないまま時間が過ぎる。ホーン。

2Rは三者大谷。

3R。大谷すぐタックル。切られると引き込み。スクートになるが足を蹴る宮島。ブレイク。大谷タックル。膝を合わせた宮島。引き込む大谷。パウンドを入れる宮島だが離れて立つ。またタックル。膝を合わせた宮島。大谷下に。パウンドがバシバシ入る。タオル投入。

宮島KO勝ち。

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PANCRASE316:ネオブラッドトーナメント第3試合・山中憲次 vs. 井上暉也

フライ級2回戦。

24歳の山中はパンクラスデビューは昨年12月だが、NEXUS等でキャリアがあり、これが18戦目(8勝8敗1分け)。2月の1回戦はプロデビュー戦の川北相手にテイクダウンで攻め判定勝ち。

関西在住のペンキ屋ファイター井上は2月の1回戦が東京デビュー戦。KRAZY BEE所属の竜己から、2Rに右オーバーハンドをヒットさせ失神KO勝ち。

蹴りを入れていく山中。両者間合いが遠い。井上タックルで飛び込んだ。倒したがすぐ立つ山中。なおもケージに押し込みテイクダウン狙い。膝を入れながらテイクダウンを狙うがまずクラッチが取れない。離れた。また遠い間合いで見合い。牽制の蹴りのみ。右オーバーハンドを出す井上。ホーン。

1R二者山中、一者井上。

2R。井上タックルで飛び込む。倒せないが押し込んだ。テイクダウンを狙うが倒せず離れる。また両者遠い間合い。山中のローにパンチを合わせた井上。アッパー。井上タックルまたタックル。倒せず押し込み。離れた。またローにパンチを合わせた井上。山中は間合いが遠くパンチが届かない。山中逆にタックル。ボディロック。が、入れ替えて押し込んだ井上。ボディに膝を入れて離れる。ホーン。

2R三者山中。

3R。倒すしか無い井上だが出ていかない。間合いが遠くパンチをかわされる。逆に山中のパンチを貰った。山中タックル尻クラッチからテイクダウン成功。密着したまま細かいパンチを入れる山中。井上スイープを狙うが返せず。密着されているため仕掛けもできないまま時間が過ぎる。残り30秒で亀になり立った井上だが疲れている。ふらつきながらパンチで出たがクリンチされタイムアップ。

判定3-0で山中勝利。

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PANCRASE316:ネオブラッドトーナメント第2試合・田代悠生 vs. 坪内一将

フライ級1回戦。この試合も3月に予定されていて延期となったもの。

パンクラス2勝3敗の田代。ネオブラは2018年に出場したが、優勝した大橋と1回戦で当たり敗退。前戦は力也のプロデビュー戦で、ジャーマンで投げられスタンディングギロチンに捕まり一本負け。

大阪・コブラ会所属坪内。これがプロデビュー戦。

1R。坪内の左が入り田代ダウン!ヘッドロックに抱えてしのごうとする田代。立って坪内がケージに押し込むとテイクダウン。ハーフからパウンド。亀になった田代からバックマウント。殴る坪内。チョーク。タップアウト。

坪内、打撃でダウンを奪い最後はチョークでフィニッシュ。試合もアグレッシブ。

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PANCRASE316:ネオブラッドトーナメント第1試合・西村大輝 vs. 梅川毒一郎

フライ級1回戦。本来3月に予定されていたが、イベント中止により順延となっていた。そのため、別ブロックではすでに2回戦まで進んでいる組み合わせもある。

西村は昨年のネオブラでプロデビューしたが1回戦負け。しかしその後は判定で2連勝中。

コブラ会梅川は昨年プロデビューしたが、ここまで0勝2敗と勝ち星なし。昨年の大阪大会では同じネオブラに出場している井上暉也に判定負け。

西村が蹴りをキャッチしシングルレッグ。ケージを背に片足でこらえる梅川。こらえながらパンチ連打。膝。西村また押し込んだ。西村がパンチのラッシュを打ち込むと顔面に膝。さらにノンストップでパンチ連打を打ち込む。打たれるままになる西村。レフェリーストップ。

膝を着いた状態で顔面への膝蹴りがあったように見えたがレフェリーノーチェック。顔面じゃなかったのか?

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PANCRASE316:メインイベント・ISAO vs. アキラ

フェザー級ノンタイトル戦。王者ISAOとライト級5位のアキラ。

王者ISAOは昨年はナザレノ・マレガリエとの王座統一戦で接戦を制し判定勝ち。防衛戦ではかつて敗れたカイル・アグオン相手にやはり接戦となりスプリット判定勝ち。

ライト級トップランカーのアキラはこの試合からフェザー級に転向。ライト級では現在3連敗中。もともと身長167cmとフェザー級でも小さいくらいで、ライト級ではあまり減量もしていなかったとのこと。

上半身の厚みはフェザー級でも変わりなく見えるアキラ。両者前手で距離を測りながら間合いに入らない。タックルに入ったアキラだが切られた。左で飛び込むISAO。アキラタックル。シングルレッグ。頭を潰して耐えたISAO。アキラケージに押し込むが引き剥がされた。パンチを入れるISAO。アキラアンクルピックに。がぶって鉄槌を入れるISAO。肘。バックに回りチョーク。腕を掴んで耐えるアキラ。外れた。しかしまだハーフバック。キープするISAO。ホーン。

1R三者ISAO

2R。首相撲に捕らえたアキラだが、ISAOは足払いで崩すとケージに押し込む。離れ際に肘。ISAOパンチからタックル。受け止めたアキラだがケージに押し込まれる。離れた。パンチで出るアキラ。右を振り回したがかいくぐってタックルに入るISAO。アキラ切った。逆にタックルに入るアキラ。ISAOがぶる。ギロチンで一度引き込んだが戻した。シングルレッグに入るアキラだがガブッてパウンドを打ち込むISAO。押し込むアキラだが離れた。ホーン。

2R三者ISAO

3R。アキラが出るタイミングでISAOタックル。テイクダウン。すぐにチョークをセット。防がれたがバックマウントに。反転しシングルレッグに入ったアキラだが、ISAOこらえると四つから投げてテイクダウン。ハーフから残り10秒でマウントを取ったがタイムアップ。

判定三者フルマークでISAO勝利。

横綱相撲。しかしメインを張る王者としてはきっちりフィニッシュ取って欲しかったところ。

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PANCRASE316:予想と展望

3月に政府からのイベント自粛要請を受け、MMAイベントとしてはいち早く中止を発表したパンクラスがようやく始動。3・4・5月の3大会が中止となり、7月大会も日程をスライドしての実施となる。

メインはフェザー級キング・オブ・パンクラシストISAOノンタイトル戦。ライト級ランカーのアキラが階級を落として登場する。フィジカルが武器のアキラだが、ライト級ではあまり減量していなかったといい、フェザー級が適正か。計量は問題なくクリアしたが、ライト級時代のフィジカルがそのまま発揮できるかどうか。

3月以降中断されていたネオブラッドトーナメントも再開し、決勝は9月~12月に分けて行われる。ライト級の鹿志村は2月にプロデビューしてチョークで一本勝ち。まだ高校を卒業したばかりの18歳だが、ZSTグラップリングマッチにも出場しており、予選を突破して2日後の26日に行われる決勝にも出場予定となっている。相手の狩野も21歳の現役大学生で、先月のTTF CHALLENGEでプロデビュー戦を行い勝利している。本戦並みに注目の一戦。

本戦前のプレリムにも、ネオブラには出場しないが期待の新鋭の試合が組まれている。KRAZY BEEの力也はもともとレスリングエリートで、ABEMAの格闘代理戦争にも出場していた。KIDの推薦選手候補としてトライアルに参加したが選ばれなかったものの、その後も練習を継続し昨年プロデビュー。1Rギロチンチョークで勝利している。しかし2月の2戦目は後藤丈治にカーフキックを効かされたところにパンチを貰ってダウンし、パウンドでKO負け。身体能力が高いだけでなく、華がある選手。

また、プレリム第2試合では昨年のIBJJFアジア選手権アダルト紫帯で優勝している風間敏臣がMMAプロデビュー。もともと鹿志村と同じストライプル茨城で柔術をしていたが、「柔術の選手」から「格闘家」になりたいという思いが強くなりMMA転向を決意。MMAはアマチュアでも2月のアマチュアパンクラスでの1戦しかないが、すでにプロ3勝1敗のキャリアがある櫻井相手にどこまでできるか。

第1試合は14時45分開始。速報します。

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【UFC】朗報!!! UFC FIGHT PASSが日本語サービス開始、お得なプレミアムプランも!!

【写真】既に登録しているファンがプレミアムプランに変更する場合などは、現在確認中です (C)Zuffa/UFC

22日(水・現地時間)、UFC日本広報窓口SBJより、UFC FIGHT PASSが日本語サービスを開始するという発表があった。

既にファイトアイランド大会のライブ中継に日本語実況をスタートさせていたファイトパスだが、「UFC Year of the Fighter」、「Fightlore」、「UFC Fight Physics」、「Knockouts Only」らオリジナル・コンテンツも日本語字幕で配信が決定するのは嬉しい限りだ。


今回の日本語サービス開始に関して、UFCアジア太平洋地域統括責任者ケビン・チャンは「日本は総合格闘技のパイオニアであり、日本のファンの方々は知識が豊富で熱狂的かつ常により多くの興奮を求めていると思っています。UFCイベントをはじめ、国内外のMMA、世界中で開催されているコンバットスポーツのイベントなど、UFC FIGHT PASSが誇る数多くのコンテンツをお楽しみいただければ幸いです」とプレスリリースにコメントを寄せている。

今後、一部のイベントを除きライブイベントでは水垣偉弥、宇野薫、菊野克紀、小見川道大という実際にオクタゴンで戦ってきた元UFCファイターが解説を務めるとのこと。

また、これまで国内におけるファイトパスの一番の壁といえたランゲージバリアー問題も、ユーザー登録画面も完全日本語化されることでクリアされる。

UFCファイトパスはUFCの各大会とダナ・ホワイト・チューズデー・コンテンダーシリーズだけでなく、Titan FCやInvicta FC、LFAという北米フィーダーショー、英国のCage WarriorsなどUFCファイターを数多く輩出しているイベントもライブで楽しめる。ばかりかグラップリングでもSUG(Submission Underground)、Polaris、EBI(Eddie Bravo Invitational)というノーポイント&サブオンリー大会をライブ及びアーカイブで視聴可能だ。

また国内からはパンクラス、Quintetもラインナップに加わっており、歴史に触れるという意味ではPRIDE、WEC、Strikeforce、Elite XC、WFAというメジャーイベントからSuper Brawl、HOOKnShootなど日本と馴染みの深いイベントも視ることができる。今回の日本語版の開始により、これまでのスタンダードプランに加え、PPVイベントのライブ視聴を含むプレミアムプラン(2.799円/月、26.889円/年)という嬉しいサービスも開始されることも決まった。

そんなUFCファイトパスの登録はコチラから可能だ。

世界最大級の格闘技アーカイブであるUFCファイトパス、過去大会も含め膨大な数のイベントの完全日本語は難しくても、UFCライブ大会の日本語解説はこれら膨大なMMA映像を楽しむための一歩になること間違いない。

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PANCRASE316:7月5日から24日に延期を発表。19日の沖縄大会は中止に。

www.pancrase.co.jp

7月5日に予定されていたPANCRASE316が、24日(金・祝)に日程変更。

パンクラスは3月・4月・5月の大会を延期しているが、実質的な中止だった。今回は予定されていたものとは異なる日程での開催で、現実的に開催を見据えた日程変更となっている。

東京都のロードマップでは7月9日まで屋内は50%または1,000人以下のより少ない方(7月10日~31日は5,000人まで)ということで、スタジオコーストならこの条件はクリアできそうだが、選手の練習期間なども考えての延期か。

また、19日に予定されていた沖縄大会については、「関係者や沖縄県の安全・安心が完全に確定されてからの開催を目指します」とのこと。

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Interview J-CAGE PANCRASE ブログ 酒井正和

【Pancrase】コロナのあるJ-MMA界、パンクラス酒井正和代表に訊く─02─「ロードマップに則して……」

【写真】ニューノーマルのMMAイベント確立を、事態の終息を願いつつ模索しなければならない (C)MMAPLANET

コロナとあるJ-MMA。パンクラス酒井正和代表インタビュー後編。

東京都のロードマップが発表されたなか、MMAプロモーションはリセットの時代を迎えたという酒井代表。答が見えない状況での取り組みを話してくれた。

<酒井正和代表インタビューPart.01はコチラから>


──やる意思を見せる……にしても、先が見えない状況が続きますね。

「第2波、第3波を考えるとイベントを開く日がやってこないかもしれない。それとは逆に、夏頃に待望の日が来る可能性もある。どちらにいくのか誰にも分からないので、どちらの準備もしておく必要があります。

日々、見通しが変わってくるなかでスタッフと今後に関して協議する。基本スタンスとして、当初に発表した年間スケジュールを動かさずにやっていき、その都度ドクターの意見を聞いて対処する。

東京都のロードマップが発表され、ステップ1、ステップ2、ステップ3が明らかになりました。そこに準じてイベント開催が可能かどうか。ロードマップに則して大会を開けるのか、コロナと向き合っていくしかないですね」

──ロードマップで触れられたイベント開催に関しては、その人数が観客の数なのか、会場に集まる人数なのか明示されていないなかで、ステップ1は50人、ステップ2で100人、ステップ3で1000人までと明示されました。

「つまりは2月までの大会を開くことができるのは、いつなのか見えてこないということなんですよ。マネタイズという観点からも、大会の開催方法は多様化していく必要性があると思っています。

無観客のテレビマッチを開いてくことになる可能性もありますし、あるいは少人数にだけ解放して中継していくのか。そこに対して収支はどうなるのか。それでもロードマップで道筋が出たことは良かったです。

現状を踏まえ、7月大会をどのようにやっていけるのか。ロードマップとリンクして進めることができますからね。7月に関しては日程を後半にスライドさせることも、検討しています。ここに関しては、何か決まれば正式発表させていただきたいと思っています」

──これまでと同じ試合数、同じ費用を掛けたイベントとならずとも、イベント再開を見据える必要があると。

「もう今、言われた通りなんです。最初に言いましたが、リセットされたんです。過去の団体経営とは違い、2021年にもまた同じ状況が来ることを踏まえてパンクラスを運営していく必要があります。

これまでと同じやり方に引きずられていくと、イベントは開けなくなります。そういう意味で考えても、ロードマップに対応できるイベント会社にならないといけない。そこに向けて、一生懸命動いています」

──このままでは、国内ではトップ選手の試合が組めなくなる。ペイ方式でどれだけ収益を上げることができるのか。あるいは無料中継でどのようなマネタイズを確立させていくのか──つまりはリセットされたということになりますね。

「ハイ。3000円支払って視聴する大会、それがUFCですよね。では日本では映画館に行って支払う額で、MMA大会を視聴してくれるファンがどれだけいるのか。ABEMAさんがやった大会、長南君がやろうとしている大会も、格闘技イベント再開に向けて色々なテストしているという表れです。

ここからスタンダードが確立されていくのだろうと思っています。RIZINさんも含め、色々なことをトライしていくに違いない。新しい日本のMMAが出来あがる足掛かりになっていく。そこでパンクラスが何をトライするか、業界全体で成功例を見極める時代になったんです。

なぜイベントを開くのか。それは選手に試合をしてもらうためです。そこは皆が一致しているので、選手の安全と団体運営の保全を考え、各々の主観があってパッケージを確立していく。

コロナ時代、大会それぞれがテーマを持つようになった。そこで色々な協力企業さんとタイアップであったり、パートナーシップを結んでイベントを開いていく。そういうことができないと、生き残ることは難しいと捉えています」

──了解しました。しっかりと酒井社長の言葉をファンに届けられればと思います。

「ファンの皆さんには、ずっと我慢をしてもらっています。医療崩壊のことも考え、MMAは慎重にイベントを開かないといけない……そういうアスリートたちの究極の戦いです。そこで我々が取り組まないといけないことも、多岐に渡ります。一歩、一歩、イベント再開に向けて歩を進めます。努力をしますが、人類が経験したことがない時代を迎え、再開予定にしても確定的なことをお約束することができません。

皆さんもコロナ疲れという状況に陥りやすいと思いますが、もう少しお時間をください。大会再開に向けて、パンクラスは日々、努力していますので」

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Interview J-CAGE PANCRASE ブログ 酒井正和

【Pancrase】コロナのあるJ-MMA界、パンクラス酒井正和代表に訊く─01─「やる意思を見せ続ける」

【写真】 それぞれのプロモーションが今を乗り切り、これからを生きるために試行錯誤している(C)MMAPLANET

新型コロナウィルス感染拡大を受け、J-MMA界老舗3団体で大会延期という判断を真っ先にしたのがパンクラスだった。

その後4月12日のダブルヘッダー開催→延期、5月31日大会開催→延期という発表が続いている。と同時に出場予定だった選手に一律3万円の経済的補填を行った。

コロナ時代に入り、コロナがある今とMMAイベントの有り方に関して、パンクラス酒井正和代表に話を聞いた。


──3月からパンクラスは大会の延期発表が続いている状態です。

「そうですね。まず3月8日の大会を4月12日に延期し、ダブルヘッダーとして開催することを発表させていただきました」

──今からすれば、3月8日だとその後に修斗やK-1が大会を開いたことを考えれば、かなり早めに延期の決断を下されました。

「正直、あの時点で4月に延期という発表をさせてもらったように、このような事態になることは予測できていなかったです。私自身、ラスベガスに行き、上海を訪問して2020年にやるべきことを進めていた状態だったので。

でも3月8日大会の時点で、ドクターとも相談させてもらい安全を確保できないと判断しました。やはり考えるべきは万が一です。選手達は試合に向けて調整をしてきました。きっと戦いたい選手が多かったと思います。

選手は戦うのが仕事で、プロモーターは大会を開くことが仕事です。でも、コロナ自体がどういうものが分からなかったですし、選手の間で感染者が出て感染することを避けないといけない。そこが最初に思ったことでした」

──まだパンデミックぐらいで、オーバーシュートやクラスターという言葉も一般的でなかったです。

「それが瞬く間に世界の情勢も変わり、4月、5月と大会が開けなくなりました。今からすると状況を読めていなかったですね」

──いえ、日本政府自体がオリンピックを開こうとしていましたし、私も実は3月の終わりに家族で台湾旅行をする予定で2月の終盤まで『行けないかなぁ』なんて気持ちでいました。

「高島さんの考えが普通だったと思いますよ。だから、まさか──ですよね。3月の大会を延期した時は、4月は行けると踏んでいました。ここまで広まるというのは、私のなかでは想定できていなかったです。それが、もうこれはただ事じゃないという風になってきたときに、やらないのであれば早めに決断をして選手に伝えないといけないと考えるようになりましたね。

選手の安全と同時に我々が考えないといけないのは、団体経営です。イベントを打てないと収入がない。興行を開きたいのに打てない状況など、過去に経験したことがなかったですからね。安全を確保してイベントを開く、その日がいつやってくるのか。コロナと団体経営に関して保全を図ること、そこをずっと考えている日々ですね」

──そのなかでメインカードに出場予定だった選手に3万円の補填をされました。パンクラスとして収入がない時期にも係わらず。

「パンクラスとしては、今回の件はリセットの時期が来たんだという捉え方をしました。それでも昨年の収支なども考えると経営的に昇り調子でしたので、現状のウチとしてできることは試合を組むことでなく、あの形だったということです」

──そのなかでRoad to ONE02が4月17日に開催され、プロ修斗もパンクラスが大会延期を再々決定した31日に無観客&ABEMAファイトという形で行われます。

「私自身、格闘技の熱を消さないために大会開催を模索するところがあって然りだと思っています。それにメディアにはメディアの考え方があり、ABEMAさんもコンテンツとして格闘技大会を中継してくれたことに関して、私は良かったと捉えています。

予防対策をしっかりとして、ああいう形で大会が行われるということは一つの結論として異論はなかったです。そしてパンクラスとしてはドクターと相談しながら、興行を打てることができるのか決めていこうということですね」

──現状として7月から再開となっていますが、5月も含め開催→延期という発表が続いているのも事実で、選手も擦り切れてしまうなという想いもあります。

「これはですね……本当に申し訳ないです。やはり大会を開きたいという想いが強かったです。年間で押さえているスケジュールで試合を組んでいきたい気持ちが強く、こういう形が続いてしまいました。

もともとウチは試合の発表が早いので、その流れを崩さずにやってきたことになります。そして現実的に無理になると、リスケジュールする。こういう形を取らざるを得ないというのが正直なところで。今も7月はやりたいということで大会開催を発表させてもらっています。やる意思を見せ続ける。それが私たちの考えでもあります」

<この項、続く>