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【The Shooto Okinawa10】メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直「無敗の新人を圧倒して勝ちます」

【写真】プロデビュー戦は沖縄大会だった根井と対戦する、沖縄メインイベンター当真(C)SHOJIRO KAMEIKE

13日(土)、翌日に沖縄市上地のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA 10の計量が行われ、メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直が一発でクリアした。
Text by Shojiro Kameike

ここまで2連敗を喫したこともあった。しかし沖縄で着実に、諦めずに戦ってきたことでランキング的にもベルト挑戦が目前というポジションにいる。そんな当真が迎え撃つのは、現役高校生で2023年度新人王の根井だ。決戦前日、計量後に当真が根井戦について、さらに盟友である同級1位と旭那拳と、修斗ストロー級のベルトについて語ってくれた。


――当真選手が沖縄大会のメインを務めるのは、今大会が4度目となります。

「はい。前回のメイン(2020年11月、マッチョ・ザ・バタフライに判定勝ち)は微妙な試合でした。その点については自分でも考えて、今回はちゃんとフィニッシュするか、圧倒的な差をつけて勝ちたいです」

――マッチョ・ザ・バタフライ選手との初戦は正直なところ、内容的には押されていた末、相手の計量失敗があったことも影響して当真選手の判定勝ちとなりました。そのぶん昨年11月の再戦では絶対に決着をつけるという気持ちは強かったですか。

「そうですね。初戦は――練習ではうまくいっていても、試合では出せないものがあるんだなって思いました。たとえば練習では相手にバックを奪われても逃れることはできるんですけど、試合になると相手も必死だし、全力でキープしてきますよね。だから、そもそもバックを取らせない。その点を徹底していれば勝てる。

あとは自分のギロチンに対して過信していたところもありました。ただただギロチンを取りにいくのではなく、要所要所で使っていく。それがうまく行けば勝てるだろうと思ったんです。再戦ではギロチンこそ狙わなかったけど、作戦を徹底して完封できました」

――まさに正面からの強さこそが当真選手のスタイルだと思います。

「自分のスタイルは、まず相手の打撃にテイクダウンを合わせて、トップをキープしながら削って勝つこと。もちろんフィニッシュしたいですが、そこはまだ足りないところがあるかなって思います。でも練習の中ではフィニッシュする力もついてきているし、打撃も含めて全局面で戦える力はついてきました。あとは練習の試合の差を埋めることが大切で。それがいつも反省点であるけど、今は自信もあります」

――現在、修斗ストロー級ではランカー同士の潰し合いが繰り広げられています。その中でご自身の立ち位置については、どのように考えていますか。

■2023年~2024年 修斗ストロー級 主な試合
【2023年】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆる def. ザ・タイガー石井 by TKO

7月23日 
新井丈 def. 安芸柊斗 by TKO
※新井が王座防衛

11月12日
旭那拳 def. 泰斗 by 3-0
当真佳直 def. マッチョ・ザ・バタフライ by 3-0
畠山隆称 def. 蒔田伸吾 by TKO

【2024年】
1月28日
根井博登 def. 麻生Leg Lock祐弘 by 1R TKO
※根井が2023年度ストロー級新人王に

3月23日
旭那拳 ― 田上こゆる
※旭那の負傷により中止に

4月7日
黒部和沙 def. 澤田龍人 by 変形ツイスター

【試合予定】
4月14日
当真佳直(4位) × 根井博登
畠山隆称(6位) × 牧ケ谷篤

5月26日
泰斗(8位) × 石原愼之介

「今、僕はランキング4位です。まず2位の黒澤亮平選手はパンクラスに出ていて、次はタイトルマッチじゃないですか(4月29日にリトルと暫定ストロー級王座を争う)。次に3位の安芸柊斗選手は、MMAPLANETのインタビューで『フライ級に転向する』と言っていましたよね。あとはチャンピオンの新井丈選手もフライ級で戦うために、メチャクチャ体が大きくなっていて。僕も新井選手への挑戦を見据えていましたが、見ていると新井選手はもうストロー級に落とすのは無理なんじゃないかな、と思うこともあります」

――ということは、1位の旭那拳選手と……。

「そうなるかもしれないですよね。旭那選手の怪我で中止になりましたけど、3月に田上こゆる選手の試合が組まれていて。ここで旭那選手が勝ち、次に僕が勝てば対戦することになっていたかもしれない。その可能性は、まだ残っています。ただ――複雑な気持ちです」

――……。

「練習仲間で、いろんな技術を教わることもあります。プライベートで一緒に遊びに行くこともあります。正直なことを言えば、対戦したくないですよ。でもお互いに一番を目指しているなら、いつか戦わないといけない日が来る。それは分かっています」

――同じ階級の練習仲間で、しかも近い存在であればあるほど心境は複雑でしょう。しかし松根良太さんが修斗沖縄大会を始めて、今回で10回目を迎えます。その結果として、沖縄在住ファイター同士がベルトを賭けて戦う日が来たら、それは喜ばしいことでもあるかと思います。

「僕と旭那選手が戦うなら、沖縄大会でタイトルマッチをやりたいです。松根さんも、そう願ってくれていると思っています」

――そうしてランカー同士の潰し合いが繰り広げられるなかで、根井選手のように新人王トーナメントを制したばかりの新世代が絡んでくるとは思いませんでした。

「僕はそうなると思っていましたよ。根井選手は新人王トーナメント決勝の前から注目されていて、僕はすぐに対戦する日が来るだろうと思っていました。それだけ根井選手は強いし、特に新人王を獲った時に『次は自分だろうな』と。勘でしかなかったけど」

――しかし、ここまで上位陣が潰し合いをして、自身が勝ち残った。そこで新人が来るのか……とは考えなかったですか。

「そういう考えはないです。どんどん新しい選手が出てきてほしいですね。根井選手もそうだし、澤田龍人選手に勝った黒部和沙選手とか。どんどん入ってきて、どんどんランキングを動かしてもらいたいと思います」

――今のところ旭那選手と田上選手の試合については、5月19日のニューピアホール大会にスライドできるよう調整中と発表されています。また、王者である新井丈選手の動向次第でもありますが、当真選手にとって今回の試合はタイトルマッチ前哨戦だと思いますか。

「その気持ちはあります。新井選手か田上選手が相手なら後楽園ホールでも良いけど、旭那選手と対戦するなら、やっぱり沖縄が良いですね。どちらにしても、今回はタイトルマッチ出場をアピールできるよう、しっかり勝ちます。

自分としては、まず修斗のベルトを巻くために着実に進んできました。正直、2連敗した時は『自分はこんなモンなのか……』と考えた時もあります。でも、あの連敗からココまで来ました。もうあの時の自分とは違います」

――2連敗した時と今の自分では、何が違うと思いますか。

「打投極、全てが進化しています。それと――2連敗した時は、一気に攻め込んでダメだったら『もうダメだ……』という気持ちになっていました。でも今は、試合で劣勢になっても、諦めなければ必ずチャンスは来ると考えるようにしています」

――それこそ砂辺イズムなのかもしれませんね。2010年9月に砂辺選手が田原しんぺー選手をKOした試合がすごく印象に残っています。最初に砂辺選手がダウンを喫した時、過去の試合ぶりから『ダウンを跳ね返して勝つんじゃないか』と直感的に思いました。

「えぇ、そうなんですか」

――結果は田原選手の三角絞めをスラムで返してKO勝ち。試合後に聞いたところ、セコンドの勝村周一郎さんも砂辺選手がダウンした時に「勝った!」と思ったそうです。砂辺選手としてはダウンを喫してからのほうが強いのかもしれませんが、最後まで諦めない気持ちというのは理解できます。

「その話を聞けて嬉しいです。今回の相手は高校生で、パワーは僕が勝っていると思います。でも無敗の人間が、絶対に何か持っている。何かあるから無敗なので。だから『高校生だから勝てる』なんて考えていません。無敗だから何か持っているはずだけど、自分としてはこれまで負けたことがあるから分かるものがあると思っています。明日は、そんな無敗の新人を相手に圧倒して勝ちます」

■視聴方法(予定)
4月14日(日)
午後2時25分~ Twit Casting LIVE

■ THE SHOOTO OKINAWA10対戦カード&計量結果

<ストロー級/5分3R>
当真佳直:52.04キロ
根井博登:51.80キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.52キロ
宇藤彰貴:65.62キロ

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称:52.10キロ
牧ケ谷篤:52.04キロ

<ウェルター級/5分2R>
西條英成:76.92キロ
アイエティ・ケビン:76.80キロ

<フェザー級/5分3R>
南風原吉良斗:65.62キロ
メイヘム和成:65.24キロ

<ストロー級/5分2R>
木村旬志:52.16キロ
大城匡史:52.14キロ

<ストロー級/5分2R>
ふじい☆ペリー:52.48キロ→52.20キロ
知名昴海:51.52キロ

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ:52.14キロ
高橋佑太:52.20キロ

<2024年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
松本ごだい:52.22キロ
小生隆弘:56.56キロ

<修斗トライアウトマッチ バンタム級/3分2R>
山本敦章:61.10キロ
武田昴大:60.90キロ

<修斗トライアウトマッチ フェザー級/3分2R>
藤崎陽平:65.32キロ
神田篤社:65.48キロ

<アマチュア修斗 女子スーパーアトム級/3分2R>
高田双葉:48.36キロ
徳本望愛:49.22キロ

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【PFC32】渡部修斗に挑戦、ボビー・オロゴン×ホイスを視てMMAを始めた亀松寛都「所さんと戦いたい」

【写真】卍固めは仕掛けられた人の姿勢も大切です(笑) (C)KENICHI YAMAMOTO

3日(日)に札幌市北区のPODアリーナで開催されるPFC31。今大会ではPFCバンタム級選手権試合としてチャンピオン渡部修斗と亀松寛都が挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

前PFCフライ級王者で、バンタム級転向2戦目で今回のチャンスを掴んだ亀松は「YouTubeで見た『ファニエスト外語学院』のボビー・オロゴンがきっかけ」でMMAに興味を持ったという変わり種。

山本喧一会長率いるPOD GYMに入門し、PODで純粋培養されたファイターでありながら、今回の試合前にはハワイのグレイシー・テクニックスでマックス・ホロウェイとも練習を重ねた。亀松は今回の渡部戦を「出世試合にする」と語った。


──試合3日前のインタビューありがとうございます。試合に向けた調整は万全ですか。

「今回会長からハワイのグレイシー・テクニックスで練習する話をいただいて、約一週間ほどハワイで練習してきました。通常の追い込みより期間は短かったんですけど、いい調整ができています」

──ハワイで練習を!

「道衣を着た柔術の練習がメインで、MMAではマックス・ホロウェイ選手とも練習させてもらって、貴重な経験をさせてもらいました」

──ホロウェイと練習できる機会は貴重だと思います。元UFC王者のホロウェイと向かい合って、どのようなことを感じましたか。

「(打撃は)軽くコンタクトするレベルの強度で、やっている最中はよく分からなかったんですけど、練習が終わってホテルに帰ってきてスパーリングの映像を見てみたら、びっくりするくらいやられていました(苦笑)。まだ自分がホロウェイ選手のすごさが分かるレベルに達していないというか。そのくらいホロウェイ選手は強かったですし、よくある表現ですけど世界の広さを肌で感じました」

──柔術の練習はいかがでしたか。

「自分はウワー!と動いて逃げることが多いのですが、道衣を着ているとそれができないし、道衣があると裸のグラップリングでは極められない技を極められてしまうので、勉強になりました。道衣の練習をして、より細かい部分まで意識するようになりましたね」

──亀松選手は今回がMMAPLANET初登場ということで、これまでのキャリアについて聞かせてください。格闘技を始めた何歳の時だったのですか。

「ジムに入ったのは14歳の時です。格闘技を始めた理由としては、真面目に学校に行くタイプではなくて、よく友達と学校をサボってYouTubeで昔のバラエティ番組を視ていました。それで『ファニエスト外語学院』の動画を見つけて、友達と一緒にハマって(笑)」

──「さんまのSUPERからくりTV」の人気企画ですね。もしかしてそれに出ていたボビー・オロゴンさんの……。

「そうです(笑)。あの番組でボビーがホイス・グレイシーと戦っていたのを見て総合格闘技のことを知って。それでネットで総合格闘技を検索したときにPOD GYMを見つけて入会することになりました」

──なるほど。今の話を聞くと凄い時代が来たな…と思います(笑)。

「おそらくこういう理由で格闘技を始めた選手は僕だけだと思います(笑)」

──では亀松選手はPOD生まれ・POD育ち、山本会長に格闘技のイロハを教わったのですね。

「はい。格闘技経験ゼロだったので、そうなりますね。会長のこともPRIDEの昔の映像を知っていたので、その人から格闘技を一から教わるというのも不思議な感じでした」

──プロデビュー戦は2020年3月、タイガー石井選手と対戦しました。異例の相手だったと思うのですが、どういう経緯で決まったのですか。

「もともとは別の選手とプロ昇格戦をやる予定だったんですけど、コロナの影響で欠場になっちゃったんです。その選手とタイガー選手の相手が同じジムで、ちょうど僕とタイガー選手の相手がいない状況になって、急きょ僕とタイガー選手が試合をすることになりました」

──そういった事情があったのですね。デビューから4連敗と勝てない時期が続き、5戦目で初勝利。そこからは4連勝と快進撃が続きました。何か変化があったのですか。

「当時は高校生で試合に出ても全く勝てなくて、腐りかけたんですよね。でも負けたまま格闘技をやめるのはかっこ悪いから『とりあえず高校生のうちは続けよう』、『何連敗してもいいから1回は勝とう』と思ってやったら、勝つことができました」

──しかも石井選手にはデビューから3年後にリベンジしました。あの時は勝てるという自信があったのですか。

「デビューしてから泥水をすすってきたわけだし、先輩の遠藤来生さんや山本空良さんにボコボコにされながら練習を続けてきたので、今の自分だったらタイガー選手にも勝てるという自信を持って戦いました」

──今大会は一夜限りのMMA復活となる渡部修斗選手と対戦することになりました。渡辺選手と対戦することは想像していましたか。

「ちょうど僕がジムに入った頃、ジムにFighting NEXUSのポスターが張ってあって、そこにデカデカと載っていたのが渡部選手だったんですよ。特に予備知識はなかったのですが自然と渡部選手に目がいって。で、タイガー選手や村井和道選手もそうだったんですけど、ポスターにデカく載っていたり、自然と目が行く選手と試合が決まることが多いんです。だから『ああ今回も決まったなぁ』って感じでした」

──オフィシャルのコメントでは「この試合が出世試合になる」という言葉がありましたが、どんな試合にしたいと思っていますか。

「どっちかが失神するんだろうなと思います。ただし、散る覚悟はありますけど、散るつもりはないです。自分が勝つパターンも見えているし、負けるパターンが分かっているからこそ、その対策も練習してきたので自信はあります」

──ターニングポイントになりうる試合で結果にこだわりたいという気持ちはありますか。

「もちろん勝つ気ではいるんですけど、ここで負けたからと言って僕の格闘技人生が終わるわけじゃないし、もし負けても次で勝てばいい。絶対に勝つという気持ちは変わらないですが、変な気負いはせずにのびのびと戦おうと思います。僕の場合はそういう姿勢で勝ってきたし、その方がいい結果を残せていたので、今回もそれでいこうと思います」

──試合する以上は白黒はっきりつけたい、勝つならフィニッシュして勝つ。そういったこだわりはありますか。

「僕はそれがプロの仕事だと思っています。前々回の村井戦は負けてしまったんですけど、すごく後楽園ホールが盛り上がっていて、会長から『試合には負けたけどプロの仕事は出来ていたぞ』と言われて、それがすごくうれしかったんです。僕はずっと面白い試合をしたいと思ってやってきたし、改めてプロの仕事はこういうことなんだなと思わされました。でもだからこそ負けてそう言われたことは悔しかったし、次は勝ってプロの仕事をしたいです」

──渡部戦をクリアした先の目標は?

「メジャーな舞台に出たいですし、最近口にしているのは所英男選手とやることです。もともと所選手は会長が東京でやっていたPODの出身ですし、それを抜きにしても見ていて熱くなる試合をする、こういう選手になりたいと思っていた選手なので、いつか所選手と戦いたいです。前回所選手が平井総一朗選手のセコンドでPODアリーナに来ていて、おこがましいのですが『所選手と戦いたいです』と直接お伝えさせてもらって、所選手からは『待てるかどうかは分からないけど待っています』と声をかけてもらいました」

──それはドラマがありますね。

「僕自身、ジムに入るまで所選手が会長の教え子ということを知らなくて、あとから知ったんですよ。それを知った時はすごく驚きましたし、嬉しくなりました。簡単に戦わせてもらえる相手じゃないことは理解していますが、それは目標にしたいと思います」

──それでは最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「今回は相手が強いこともあるし、この試合に勝てば地元以外でも試合が組まれるチャンスが広がると思っているので、会場には僕を応援してくれる人たちがたくさん来てくれます。その人たちに感謝の気持ちが伝わる試合をしたいです」

■PFC32第2部対戦カード

<PFCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]渡部修斗(日本)
[挑戦者]亀松寛都(日本)

<PFCウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] 新名正啓(日本)
[挑戦者] 成田佑希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
飛田拓人(日本)
佐藤力斗(日本)

<63キロ契約/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
綾哉(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
河永重春(日本)
中場ガッツマン大地(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
カタナマン(日本)
金田一利明(日本)

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【PFC31】19日は地方の日!! PFC31でフライ級王座決定戦、平井総一朗「何かピークを創っている選手に」

【写真】豪州のフィーダーショーも、北のJ-MMAも今の自分を出すことには変わりはない(C)MMAPLANET

19日(日)は地方の日!! 札幌でPFC31、青森県五所川原でGFCが4年振りに開催され、福岡ではBLOOM FC旗揚げ戦が開かれる。ここでは札幌市北区のPOD アリーナで行われるPFC31のメイン=PFCフライ級王座決定戦で黒石大資と対戦する平井聡一朗のインタビューをお届けしたい。
text by Takumi Nakamura。

今年2月に豪州#01フィーダーショー=ETERNAL MMAに参戦し、現UFCフライ級の注目株スティーブ・アーセグと対戦するという貴重な経験を積んだ平井。7月のPFC30では黒石に判定負けを喫したものの、当初予定されていた黒石×ザ・タイガー石井の王座決定戦がタイガーの怪我の回復が遅れてキャンセルとなり、ダイレクトリマッチという形で王座決定戦のチャンスが巡ってきた。

「これでいいのかなという葛藤もありました。ただその葛藤よりも前戦の自分へのリベンジもしたい」とオファーを受けた平井。アーセグ戦の経験、そして前回の黒石戦での悔しさをどう形にしてきたのか。王座戦を控える平井に話を訊いた。


――今回は黒石大資選手とダイレクトリマッチという形での王座決定戦が決まりました。平井選手にとってはリベンジもかかった一戦ですが、オファーを受けた時はどのような心境でしたか。

「負けたあとのオファーで、これでいいのかなという葛藤もありました。ただその葛藤よりも前戦の自分へのリベンジもしたいと思って試合を受けました」

──7月の黒石戦は振り返ってみて平井選手にとって、どのような試合だったと思いますか。

「黒石戦の前に豪州で試合をやって(※2月のETERNAL MMA73でスティーブ・アーセグに一本負け)、そこで感じた壁や差を少しでもなくすための準備をやってきて、それを出すんだという気持ちで乗り込んだ試合だったんです。でも思った通り自分の体が動いてくれない、イメージしていた試合ができなかったですね」

──その思うようにできなかったのは、自分の中では何が原因だったって感じていますか。

「ただ単に気負いがひどかったですし、勝って当たり前、当然のように勝つ、自分が何かしらでフィニッシュするというイメージでやりすぎてしまって、相手が自分に対してどう戦ってくるかのイメージが不足していたからだと思います」

──対戦相手よりも自分自身に対して課題があったということですね。

「もちろん相手の黒石選手が徹底して組み技の場面を作らせない作戦遂行力があったし、全体的にある程度レベルが高い選手というのも要因だと思います。ただ自分としては準備段階を含め、相手のことを想定した準備ができていなかったことが反省点ですね」

──今回はそこを踏まえて、何を意識して練習されてきましたか。

「その反省ももちろん活かしつつ、5分5Rやる可能性がある試合なので、いつも所英男会長が言っている『やりきる』をイメージして練習をしています。今まで5分2Rで決着をつけていたところが5分5Rで伸びることを考えると、陸上競技で言えば短距離。中距離種目から一気にフルマラソンになるぐらいの違いがあると思いますし、そのなかで『やりきる』ことを意識しながら取り組むことが出来たと思います。底上げを含めた総合力、打・倒・極全て繋がるような動き、そこを徹底的にやってきました」

──やはりラウンド数は試合展開に影響するでしょうね。

「5分2Rであれば、僕の場合は組めればなんとかなってきたところがあるんですけど、5分5Rになるということはスタンドや立った姿勢でどの程度イニシアチブを取れるか、前に出られるか、プレッシャーをかけられるかというのがポイントになると思います」

──しかも5分5R&ダイレクトリマッチというシチュエーションもなかなか経験できるものではないと思います。

「相手選手に対して一度対戦しているから『ここは大丈夫だ』、『ここはダメだ』というのはなく、僕の中では一度まっさらな状態にしました。ざっくりとしたイメージは持ちつつ、最終的には自分自身だと思っているので、今自分が持っているものを5分5Rの中でどれだけ出せるか。相手選手に対してというよりは、自分自身という感じですね」

──先ほど話にも出ましたが、2月のETERNAL MMA73では、のちにUFCに参戦するスティーブ・アーセグとの対戦でした。結果は一本負けでしたが、UFCレベルの選手と海外で戦うことは貴重な経験です。あの試合は平井選手に何をもたらしましたか。

「本当に自分にとってターニングポイントになったと思います。やはり海外遠征だけあって、スケジューリングもアバウトだったんですけど、そのなかでも割と平常心でいられたというか、そこまで動揺することなく、試合には臨めました。相手選手に対しても試合前にフェイスオフで向かい合った瞬間は『こいつなら勝てるぞ』と思って当日を迎えて、いざケージの中に入って相手と向かい合っている瞬間も、気持ち的にビビることがなかったんです。そのぐらい精神的・肉体的にいい状態でできた試合だったのですが、その上で何もさせてもらえないまま終わってしまったことが凄く悔しい部分で……。今はそこ(海外)を自分の目標、モチベーションとして、もう一回、ここからやり直すんだというきっかけになりましたね」

──あの試合をきっかけに格闘技に対する考え方や取り組み方は変わりましたか。

「変わりましたね。世界と視野が広がった感じです。それまでは国内での自分の立ち位置しか見えてなくて。大した立ち位置ではないんですけど、世界にはこういう戦いの場があるということを体感しただけでも、格闘技家としても人としても成長させてもらえました」

──それも踏まえて、平井選手は今どんな目標を持っていますか。

「先日もPFCのYouTubeライブでもお話させてもらったのですが、目の前の試合を一つ一つ勝つことですね。ただ、昨年末から一貫していることがあって、それは所会長を選手としてではなくて、コーチ・セコンドとしてRIZINに連れて行くこと。所プラスも選手が増えてきたのですが、自分の中では自分が最初に(所をRIZINに)連れて行くんだという想いがあります」

──先日所選手を取材した際、プロ選手&プロ志望の選手が増えてきてプロ練の時間を設けるようになったと話していました。

「僕がジム入った当初はプロの先輩が一人、プロ志望の選手が一人いただけで、基本的にプロ志向のジムではなかったんです。僕ももともと柔道をやっていたんですけど、プロを目指すというよりも、格闘技を楽しみたいと思って入会しましたし」

──そこからなぜプロを目指すようになったのですか。

「さっき話したプロ志望の選手=長野将大選手がデビューするかしないかのタイミングでジムに入って、僕が階級も近い&柔道経験者ということで一緒に練習させてもらう機会が多かったんです。それから練習だけじゃなく、セコンドにも入るようになって……そういうことの積み重ねと周りの期待もあって、自分も試合に出ようと思いました」

──そういったジムの歴史を知っているからこそ、所選手を“会長”としてRIZINのリングに立たせることには特別な想いがありそうですね。

「今までジムを引っ張り、担っていくのは僕じゃなくて、自分より先にジムに入っていた2人だったり、僕より下の世代の選手だと思っていたんです。もともと僕はプロ志望じゃなかったですし、僕より若い選手たちがドンドン上のステージに上っていってくれた方が、ジムが盛り上がるだろうなと考えていた時期もあります。でも自分の役割や役目を改めて考えた時に、今は自分がやらなきゃいけないなって発想が変わってきて。それであえて『所会長をRIZINに連れていきたい』と口に出して言うようにしました」

──その目標を達成するためにも、ベルトを巻くことが大きな前進になると思います。そのタイトルマッチに向けた意気込みを最後にいただけますか。

「まだまだ僕は目立つ選手でもないですし、特別何かを残した選手でもないんですけど、本当にこれから先、何かピークを創っていける選手になっていくので、是非注目していただけたらなと思います」

■PFC31対戦カード

<PFCフライ級王座決定戦/5分5R>
黑石大資(日本)
平井総一朗(日本)

<PFCストロー級王座決定戦/5分5R>
早坂優瑠(日本)
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)

<バンタム級/5分2R+1ex>
亀松寛都(日本)
ジミー西将希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
渡辺トシキ(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
中島光陽(日本)
河永重春(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<フライ級/5分2R+1ex>
澤口悠之介(日本)
中西テツオ(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
ハント高島(日本)

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【The Shooto Okinawa09】泰斗戦へ、旭那拳─02─「ここから一気に全部取り返していきます」

【写真】気持ちも新たに――(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Okinawa09で、泰斗と対戦する旭那拳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ザ・タイガー石井戦での敗北、修斗ストロー級1位であることのもどかしさを自分自身で受け止め、旭那はケージに戻ってきた。だからこそストロー級の現状を客観的に語ることができ、自身の試合に臨むこともできる。修斗ストロー級の勢力図が大きく変動する2023年末に何を見せることができるか――旭那がその決意を語る。

<旭那拳インタビューPart.01はコチラから>


――発言権がない、ですか。

「やっぱり前回の敗戦で、僕は信用を失っていると思うんです。だから泰斗選手というか、ランカー一人に勝って『次のステップに進ませてください!』とは言えません。周りも納得しないだろうし、何より自分がそれでは納得できなくて」

――そこでもう一人ランカーを倒せば……ということで、田上選手の名前が挙がるのですね。

「三段論法――石井選手を倒している田上選手に勝てば、僕は石井選手にも勝っているということで(笑)」

――アハハハ。改めて修斗ストロー級のランキングについて考えてみると、いろいろと複雑です。ランカー同士の潰し合いも展開されていて。

「僕が言うのも何ですけど、もうランキングはただの数字としか思っていないです。田上選手も決して6位の選手じゃない。みんな同じぐらいの位置にいて、先の展開が全く読めない状況になっていると思います。どうやって自分がそこから飛び出すのか。そのためには、他のランカーよりも飛び抜けるものを持たないといけないですね」

――仰るとおりだと思います。同時に、こうしてランカー同士の潰し合いが起こるのも、王者である新井丈選手の実績が飛び抜けているためではないでしょうか。

「そうですね。新井選手は自分の拳で証明して、その状況を創り上げたので凄いと思います。新井選手のフライ級王座決定戦への出場は、やっぱり悔しいですよ。『あれだけストロー級で強くて、さらにフライ級でも強いのかよ』って……」

――新井選手がフライ級も制した場合、今後のストロー級の展開も大きく変わってくるでしょう。他のランカーについても考えた場合、現在5位にいる当真佳直選手は……。

「所属は違うけど、バリバリの練習仲間です(苦笑)。僕たちの間では、頂上を争う試合でしか対戦しないと決めています。当真選手も同じ大会でマッチョ・ザ・バタフライ選手との再戦に挑みますけど、最後はストロー級王座を二人で争いたいです」

――沖縄のジム所属選手同士のチャンピオンシップとは、とても浪漫のあるお話です。そこまで先の話をしていると、次の対戦相手である泰斗選手が『自分を差し置いて何を言っているんだ!』と怒るかもしれないですが。

「煽ってきますね(笑)。でも先ほど言ったように、もう自分がランキング1位とか関係ないですし、とにかく僕は勝つしかないので。誰が相手でも、『とにかく早く先に進みたい』という気持ちしかないですね」

――旭那選手の場合、2017年にプロデビューしてコロナ禍を経ながら4連勝を収めました。しかし今年4月に敗戦を喫したことで、ご自身の中でも停滞感は強いのでしょうか。

「まずコロナ禍はキツかったですよね。2019年末から2020年末まで、1年以上も試合ができていなくて。あの時は焦りがありました。ただ、その期間にじっくり練習できたので、2021年からの4連勝に繋がったのかとは思います」

――するとブランクをポジティブに捉えるのであれば、前回の敗戦から次の試合までの7カ月間も、改めて自分を見つめ直す時期になったのでしょうか。

「はい。最初に『石井戦の後にすぐ試合をしたかった』と言いましたが、今考えるとあの時点で試合をしなくて良かったのかなって思います。やっぱり気持ちが先走っていた部分は大きくて、何も準備をしない――何も変わっていないのに試合をしても、同じ結果になってしたかもしれないですね。7カ月間も試合間隔が空いたからこそ、良い調整ができたかなと捉えています」

――修斗ストロー級が大きく動く2023年末に、ご自身としては次の泰斗戦でどんな試合を見せたいですか。

「修斗のストロー級って今は、ストライカーが多いじゃないですか。特にランキング上位陣はストライカーのイメージが多くて。でも今回、僕と泰斗選手の試合だと一本決着になる可能性が高いと思うんです。僕自身はグラップラーを目指そうとは考えていません。これはMMAなので、ストライキングもグラップリングもあります。その中で、僕は寝技で一本を取れるというところも見せていきたいです」

――なるほど。では最後に、試合への意気込みをお願いします。

「僕はランキング上では1位ですけど、崖っぷちの状態にあると思っています。ランキングに甘えず、そういう状況を受け入れてメンタルも創ってきました。もちろんプレッシャーもあります。でもそのプレッシャーがワクワク感にも繋がっていて。ここから一気に全部取り返していきます。次の試合は汚名返上のために、必ずフィニッシュして勝つので楽しみにしていてください。宜しくお願いします!」

2023年11月12日(日)
沖縄県沖縄市
ミュージックタウン音市場
The Shooto OKINAWA09

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
午後2時~ Twit Casting LIVE

■対戦カード

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
泰斗(日本)

<ストロー級/5分2R>
当真佳直(日本)
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)

<54キロ契約/5分2R>
畠山隆称(日本)
蒔田伸吾(日本)

<グラップリング・ライト級T決勝/5分1R>
──(日本)
──(日本)

<バンタム級/5分2R>
一條貴洋(日本)
緒方史朗(日本)

<ウェルター級/5分2R>
加藤正憲(日本)
西條英成(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級準決勝/5分2R>
小川隼人(日本)
JAM(日本)

<2023年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
亮我(日本)
神里昭吾(日本)

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ(日本)
ウェイ・ワイクワン(香港)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
三輪勇気(日本)

<フェザー級/5分2R>
工藤圭一郎(日本)
諸石一砂(日本)

<グラップリング・ライト級T準決勝/5分1R>
南風原吉良斗(日本)
新垣勇樹(日本)

<グラップリング・ライト級T準決勝
峯岸零弥(日本)
西尾 勇作(日本)

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【The Shooto Okinawa09】再起戦、旭那拳─01─「『ゆっくり休めばいい』と言われたのがショックで」

【写真】首都圏で戦うために、地元での勝利が不可欠。それが地方大会のある地域の選手の宿命でもある(C)MMAPLANET

12日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Okinawa09で、旭那拳が泰斗と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

9回目を迎えるプロ修斗沖縄大会のメインを務めるのは、現在ストロー級ランキング1位の旭那拳だ。旭那にとっては2大会連続のメイン出場となるが、前回はザ・タイガー石井に判定負けを喫してしまった。本来のストロー級ではなく54キロのキャッチウェイト戦ではあったが、ここで12年振りの修斗参戦となる石井に、世界ランカーの旭那が敗れたという結果は衝撃を与えた。

勝利した石井からも「修斗ってコレで良いんですか?」と言われてしまうことに……。そんななか9カ月振りの復帰戦を控える旭那に石井戦後のこと、さらに王者の新井丈を中心に変動し続ける修斗ストロー級戦線について訊いた。


――試合4日前のインタビューとなりますが(※取材は11月8日に行われた)、すでに体もしっかり絞れているようですね。

「はい。ストロー級のリミットまで、あと4キロぐらいです。いつも60キロぐらいから落とすのですが、すごく順調に来ています。ファイトキャンプは昨日で終えて、あとはコンディションを維持しながら最後に水抜きで落とします」

――今回のファイトキャンプでは、どのような点にフォーカスしていたのでしょうか。

「今回はスタミナ強化と、レスリング強化ですね。相手がレスリングベースの選手なので、とにかくスクランブルの展開が多くなると思っています」

――スクランブルの展開になっても良いのか、あるいはスクランブルに持ち込ませたくないか。それはどちらでしょうか。

「できるだけスクランブルには持ち込ませたくないです。でも正直言うと、相手の寝技の能力はそれほどでもないと思っていて。たとえテイクダウンされても問題ないかなとは考えています」

――泰斗選手は前回、旭那選手と同門の畠山隆弥選手と対戦(今年5月に引き分け)しています。その点は泰斗選手の力を測るうえで大きいですね。

「そう思います。チームメイトとの試合でテイクダウンしたあとに展開できていなかったのを見ているので、よく分かりますね」

――旭那選手ご自身は、今年4月にザ・タイガー石井選手に敗れて以来、7カ月振りの試合となります。試合間隔が空いた理由は何だったのでしょうか。

「一番はオファーがなかったことです。もしオファーがあれば、夏にでも1試合したかったですね。ただ立ち位置を考えると、僕がランキング1位だから試合の組み方も難しかったかもしれないですけど……」

――立ち位置、ですか。ここは包み隠さずに言えば、旭那選手はランキング1位ではありながら、ランキングに影響を及ぼさないキャッチウェイト戦で敗れています。しかもランキング外のザ・タイガー石井選手に――その点は引っかかるかもしれません。

「それは自分でも分かっています。あの敗戦は、僕にとっても大きな痛手でした。あの試合で勝っていれば、自分がトントンと上に行けたかもしれないのに……。次が新井丈選手のベルトに挑むか、あるいはもう1試合挟んでチャンピオンシップか。どちらにしても、夏の後楽園ホール大会に出ていたと思うんです」

――はい。

「試合後はしばらく、自分の中でも『やっちまったなぁ……』という気持ちでいっぱいでした。でも今は気持ちも落ち着いてきたし、自分としても『取り戻していくしかない』という意識で次の試合に臨むことができます。

泰斗選手もランキングに入ってきて(現在ストロー級9位)、興行としてもランカー対決という形になって良かったと思っています」

――旭那選手に勝った石井選手は後のインタビューで「12年振りに修斗で試合をした人間が、世界ランカーに勝った。修斗ってコレで良いんですか?」と仰っていました。他にも同じように考えていた人はいたでしょう。

「……直接言われたわけではないけれど、そういう声があったことは知っています。自分もそういう意見を受け止めるしかないです。でも落ちたままでいたら、そこで終わりじゃないですか。あとは自分が、どう食らいついていけるかであって」

――その通りだと思います。

「試合後1カ月ぐらいは、かなり落ち込んでいました。でもパラエストラ沖縄のインストラクターもやっているので、練習しなくても仕事をしにジムには行かないといけないじゃないですか。するとジムの会員さんが、すごく気を遣ってくれて……微妙な距離感になってしまうんです。自分としても『あぁ、この距離感はキツイ』と思って(苦笑)」

――会員さんも優しいがゆえだと思いますが、そういった優しさが身に応えてしまうこともありますよね。

「あとは松根(良太Theパラエストラ沖縄代表)さんから『ゆっくり休めばいいよ』と言われたのがショックで。『あぁ、無理して練習しろよ』とか言われないんだ、って……(苦笑)。でも結局は自分自身の問題ですし、自分がやらないといけないんですよね。だから、すぐに練習を再開しようと思いました」

――では旭那選手が試合をしていない間、最近の修斗ストロー級の動きはどのように見ていましたか。2023年末は、さらにストロー級の動きが活発化しています。

■2023年修斗ストロー級 現ランカーの主な試合
【試合結果】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by 1R TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆるdef. ザ・タイガー石井 by 2R TKO

7月23日 
新井丈 安芸柊斗 by 1R TKO ※新井が王座防衛

【試合予定】
11月12日 
旭那拳(1位)× 泰斗(9位)
当真佳直(5位)× マッチョ・ザ・バタフライ(7位)

11月19日 山内渉 × 新井丈(王者) ※新井がフライ級王座決定戦に出場

12月2日 安芸柊斗(3位)× 猿丸ジュンジ(4位)

「田上こゆる選手がザ・タイガー石井選手と対戦するのは、予想していました。なかなか田上選手の相手が決まっていないなかで、『おそらく自分に勝ったタイガー選手と対戦するんだろうなぁ』って。チャンピオンシップについては、僕は安芸選手が勝つと思っていたんですよ。でも新井選手がパンチで仕留めるなんて、やっぱり強いなって思います。そういう試合を見せつけられると、自分もやらないといけないという気持ちになれましたね。僕は次の試合に勝って、その次は田上選手と対戦したいです」

――次に対戦する泰斗選手を飛び越えて……。

「あっ、決して泰斗選手のことをナメているわけではないですよ。強い選手だと思っています。でも泰斗選手だからどうこうではなく、自分はもうここで踏みとどまっているわけにはいかなくて」

――なるほど。

「自分もプロデビューしてから6年が経ちました。そろそろ次のステップに進まないといけないのに、前回は石井選手に負けてしまって――。今のままじゃ自分に発言権はないんです。ランク1位だけど、そのランキングに甘えていてはいけないと分かっています。だから自分が次へ進むために泰斗選手、田上選手と強い選手に勝っていくしかないんですよ」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET NEXUS o PFC30 RIZIN UFC YouTube ザ・タイガー石井 スティーブ・アーセグ タイガー石井 亀松寛都 修斗 堺龍平 山本喧一 平井総一朗 旭那拳

【PFC30】北のケージMMA=PFC。亀松が返上したフライ級王座を狙い、平井総一朗が初参戦

【写真】アーセグに触れた。それだけも今の平井は違うはず(C)MMAPLANET

明日23日(日)、札幌市北区のPOD アリーナでPFC30が行われる。北のケージMMAは3月12日以来、4カ月振りの開催となる。

前回大会ではフライ級王座を5Rに渡る激闘の末、亀松寛都に譲ったザ・タイガー石井が、4月のプロ修斗沖縄大会で旭那拳を破り、さらには7月の大阪大会でサステイン興行に出場するなど、いわば主流とされるMMA界の流れに影響を与えるようになりつつあるPFC。

その亀松はフライ級王座を返上し、今大会ではバンタム級で大高幸平と対戦する。6月24日のRIZIN札幌大会における同郷ファイターの活躍に刺激を受けた亀松は「ここから無敗でRIZINに出たい」と明日の試合への意気込みをプレスリリースに寄せている。


亀松の返上したフライ級王座を目指し、平井総一朗がPFC初参戦しランク1位の黒石大資と相対する。平井はNEXUSフライ級王座を取り逃した後に、豪州#01フィーダーショーといっても過言でないEternal MMAに参戦──も、現UFCファイターのスティーブ・アーセグに完敗を喫した。

キャリアの仕切り直しは北の大地から。「所(英男)会長の下で格闘技を始めた僕がPFCで戦うことに何か運命を感じています。ジムから最初のPFC参戦ということで使命感と責任感を背負って戦いに挑みます」という平井。

所は──UWF風の表現を使えば、Power of DreamではPFC山本喧一代表の弟子にあたる。いってみればこの一戦、PFCからすると孫弟子が本丸に乗り込んで王座奪取に乗り出すという見方ができる。

PFCウェルター級チャンピオンの新名正啓がコロナ禍以降、初ケージイン=ノンタイトル戦で成田佑希をメインで戦う同大会では福岡のRanger Gymからkoki、堺龍平、柿原RR昇汰の3選手が列島縦断参戦を果たすなど、充実のラインナップとなった。北の動きが再び日本のMMAに影響を及ぼすか、バリューアップに大切なイベントとなる。

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
第一部=アマチュア:正午~ PFC YouTube Channel
第二部=プロ:午後5時~PFC YouTube Channel

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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#04 ザ・タイガー石井 タイガー石井 田上こゆる

【Shooto2023#04】石井の間合いとリズムを潰す右ストレートと右ヒザ。最後は田上が右ヒジ連打でKO勝ち

【写真】右を主軸に戦った田上。石井も全てカウンターを合わせに行くなど、鋭い刃による斬り合いが展開された(C)SHOJIRO KAMEIKE

<54キロ契約/5分2R>
田上こゆる(日本)
Def.2R2分49秒 by KO
ザ・タイガー石井(日本)

田上が右ストレートを放つと、石井が右の蹴りを合わせる。田上の右ハイをかわした石井が、さらに左ローの打ち終わりに右フックを繰り出す。オーソドックスの田上、サウスポーの石井が互いに足のフェイントを見せながら、田上が打ち終わりに右ストレートを突き刺す。

ローで探る両者、石井が右ハイを見せた。さらにサウスポーにスイッチして左ハイを繰り出す。その打ち終わりに右ストレートを打ち込む田上。石井は頭を左側に下げて、距離を取る。ともにムエタイのように距離とタイミングを計るなか、田上が右ストレートを上下に散らす。

ローから右跳びヒザで距離を詰めた田上は、差し合いに来た石井を突き放し、右ストレートと右ハイで下がらせた。ラウンド終了間際に、石井にケージを背負わせた田上が再び右ヒザから距離を詰める。ここは石井が右腕を差し上げて田上をケージに押し込んだ。突き放せない田上は、右ヒザを差し入れてラウンド終了を待った。

2R、田上の左ローが当たる。石井の左ハイをブロックした田上は、1Rと同様に右ボディストレートを突き刺す。石井は田上の左ローをすくい上げるも、すぐに田上が離れた。ローで探り合う両者、距離が近づくと石井は右ストレートを繰り出す。さらに石井は田上の右を食らいながら左ハイを放っていく。

しかし、この右が効いたか石井が下がる。やはり右跳びヒザを当てにいく田上。石井が右腕を差し上げてくると、その腕をオーバーフックで抱えたまま右ヒジを連打。グラつく石井に、さらにヒジの連打を浴びせ、ダウンした相手にパンチを連打したところでレフェリーが試合をストップした。


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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#04 ザ・タイガー石井 タイガー石井 修斗 当真佳直 田上こゆる

【Shooto2023#04】ザ・タイガー石井を迎え撃つ、田上こゆる─02─「潰して、新しいストーリーを創る」

【写真】この時の成果が見られるのは、今回からではないかという期待が田上こゆるにはある(C)MMAPLANET

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、ザ・タイガー石井と対戦する田上こゆるインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

「修斗ってコレで良いのか」。そのザ・タイガーが石井の話した言葉をインタビュー記事内で目にした瞬間、田上の表情が変わった。石井の勝利は、これまで修斗が構築していたランキング制とヒエラルキーが、本当の危機に直面していることを意味する。世代闘争という、ありきたりな言葉では片付けられない、今そこにある危機——ここから誰が飛び出すのか。田上が決意を語る。

<田上こゆるインタビューPart.01はコチラから>


——石井選手の発言に対して、ご自身が舐められていると感じますか。

「僕のことをどうこう言っているわけではないし、石井選手の意図は分からないです。ただ、『修斗のレベルも落ちたんちゃうか』と言われている気はしますね。石井選手も世界ランカーに勝って、そういうふうに言っていると思うんですよ。でも僕と旭那選手とは違うぞっていうところは試合で感じさせたいです」

——まず田上選手としては4月の試合で、石井選手が旭那選手に勝つと思っていましたか。

「いえ、思っていなかったです。正直言って石井選手のことは分かっていなかったし、それよりも旭那選手のことは知っていて。旭那選手も打投極が揃っている、MMAで強い選手ですよね。それが世界ランキング上位という位置にも表れていると考えていましたし。でも4月の試合を視て、『ここで負けるんや……』と感じたことは事実です」

——しかも石井選手は1カ月前に北海道PFCで負けてベルトを失い、その直後に修斗の世界ランカーに勝ったことになります。

「確かに、そうですよね。僕自身も修斗の世界ランカー(※取材時点では8位、現在9位)です。今は修斗に出ていない選手が、いきなりランカーと試合をする。そこで勝って、次にまたランカーと試合できるというのも……。それが良いことなのか、良くないのかは分からないです。イベントとしては良い面もあるでしょうし」

——はい、もちろんイベントとして活性化に繋がる面もあります。

「ただ、僕としてはアマチュアのことも考えてしまうんですよね。自分で言うのも何ですけど、今の立ち位置を簡単に得たわけではなくて。アマチュアからやってきて、一つずつ勝ってきました。そのあと3連敗し、ようやく連敗を脱出して今回の試合に臨むわけで。石井選手がどうというわけではなく、ポーンと来て誰かに勝って世界ランクに入るとか、そういうキャリアを積んできていないと思うんです」

——……。

「その意味では、いきなり世界ランカーと対戦するのもそうやし、負けるほうもどうなんかなと考えてしまいますよね」

——結果論ではありますが、石井選手と旭那選手の試合は経験の差もあったと思います。それはもちろん旭那選手だけでなく、修斗のランカー全員に課せられた問題ではないかと。

「分かります。僕も去年の4月に、沖縄でランキング外の選手(当真佳直)と対戦して、負けてしまったじゃないですか。その時も『ランカーを舐めんなよ。ブッ倒したんで!』という気持ちで臨みました。それでも負けてしまって……」

——田上選手も実際に、同じ経験をしているというわけですね。

「だからこそ今、『ランカーとして舐められちゃいけない』という気持ちは、以前よりも強いです。ファンの皆さん、僕を応援してくれている人たちもランカーとして期待してくれている。その期待に応えられるような、ランカーらしい試合をしたいですね」

——なるほど。石井選手の言う「緊張感やピリピリ感」という部分はいかがですか。

「僕は試合でいつも緊張感やピリピリ感があります。それが石井選手の言うものと同じなのか、違うものなのか。どういうつもりで石井選手が言っているのかは分からないけど、緊張感やピリピリ感って有るか無いかではなく、自分で創っていくものやと思うんで」

——おぉっ! 良い言葉です。

「石井選手には僕の緊張感やピリピリ感を、直接感じてもらいたいです。それは計量の時から分かると思いますよ。顔を合わせた瞬間に『コイツは他と違うぞ』と思わせたいです」

——計量の時から! それはとても楽しみです。

「僕も楽しみですね。今回は自分の持っているものを、しっかり出したいです。そういう戦いになればフィニッシュに繋がると思いますよ」

——では今更ながらですが、対戦相手として石井選手の印象を教えてください。

「前回の試合以外も視てみると、打投極が全部できる選手やなって思います。攻める力もあるし、極めることもできるし、キャリアも長いので経験値の差もあって。でも4月の試合を視るかぎりは、怖いところはないです」

——田上選手も立場は同じ、地元でベテランを迎え撃つホープですね。

「改めて考えると、石井選手だけじゃなく昔の修斗で戦っていた選手からすれば、歯がゆい面もある。それは何となく分かる気がします」

——というと?

「……『俺たちが戦っていた修斗は、そういうもんじゃないぞ』と。これでクラスBか、これで世界ランカーかって——。そういう雰囲気を石井選手が変えてくれるんじゃないかって期待している人も多いでしょうね」

——石井選手に変えてほしいと思うと同時に、その石井選手を倒して変えてほしいと考える人も多いと思います。

「分かっています。石井選手も、ただベテランとして若手の壁になろうとしているっていうわけじゃない。僕を潰しに来る。だから、本当に潰しに来ようとする相手を反対に潰す。若い選手がそれだけの意地を見せんとダメですよね。今回は、僕が石井選手を潰します。そして僕自身の新しいストーリーを創っていきますよ」

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午後1時00分~ Twit Casting LIVE

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【Shooto2023#04】ザ・タイガー石井戦へ、田上こゆる─01─「12年前を知らないし、舐められてたまるか」

【写真】いつも通り、清涼感タップリの田上だったが……(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、田上こゆるがザ・タイガー石井と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年12月に田上は泰斗を判定で下し、2021年末から続いた連敗を脱することに成功した。その勝利にはABEMAの武者修行プログラムに参加したことも影響しているという。そして迎える半年ぶりの試合——今年4月に沖縄で世界ランカーの旭那拳に勝ったベテランの石井を地元で迎え撃つことに。連敗脱出でホッとしたのも束の間、石井のインタビュー記事を読んだ田上のハートに火がついた。


——試合直前のインタビューとなりましたが、随分とリラックスしているように見えます。まだ本格的な減量を始めていない時期なのでしょうか。

「そんなことはないですよ。今回は54キロ契約のキャッチウェイトなので、いつものような減量ではなく、今週から少しずつ落としている感じです」

——もともとストロー級でも過酷な減量はないとお聞きしていました。一方で、キャリアを重ねるにつれて通常体重は増えていないのですか。

「去年12月の試合から、そんなには変わっていないですね。やっぱり体が大きくならなくて。自分でも食べるようにしているんですけど(苦笑)。プロデビューした時は通常体重が54キロぐらいで、その頃に比べたら3キロぐらい増えましたが、まだ——今はそういう身体づくりにも気を遣うようにしています」

——では54キロ契約のキャッチウェイトというのは、田上選手にとって良い方向に働くのでしょうか。

「勝ってランキングも上げたいので、できればストロー級のリミットで試合をしたいです。でも54キロ契約の試合だからって、それで試合に影響が出るとかはないですね」

——昨年12月の泰斗戦は、ABEMAの企画でルーファスポートでの武者修行プラグラムを終えてからの試合でした。米国武者修行の成果は出せましたか。

「完全に出し切れた内容ではなかったです。練習だったら、もっといろんなことができるのにって、試合後も話をしていて。でもテイクダウンされても背中まではつかされなかったのは、修行の成果を見せることができた場面だったじゃないかと思います」

——一方、出し切れなかった点を教えてください。

「今まで自分は打撃で攻めていましたけど、その良さは変えずに、もっと自分から組みに行く展開を見せたかったですね。見合う時間が長くなったところで、打撃から入るのではなくテイクダウンも混ぜるとか。それが練習ではできるようになっていて」

——なぜそれを出し切れなかったのでしょうか。

「3Rを通じて『このラウンドは絶対に取った』と思えるような打撃を当てていたわけではなかったんですよね。そこで新しいことを試せるような試合展開ではなくて。だから打撃でジワジワ攻めていく――それは今の自分にとって『守り』というか。もっと出せるのに、出し切れない。そういう自分の良くない面が出てしまったと思います」

——とはいえ、昨年の新人王を相手に勝って、3連敗から脱したのはホッとしたのではないですか。

「それはもう、ホッとしました(笑)。もちろん勝ち方にもこだわっていかなきゃいけないけど、連敗から脱出したかったので。とにかく勝つことができたのは良かったです」

——正直なところ、2敗目を喫した2021年12月のマッチョ・ザ・バタフライ戦の直後は、師匠の中蔵隆志BLOWS代表も「どうすべきか……」と悩んでいた様子でした。そして昨年4月、沖縄で当真佳直選手に敗れたあとは、中蔵代表も「ここまで負けたのだから、まだ若いし、イチからやらせるしかない」と決意を固めたと受け取れる言葉がありました。

「そうだったんですね。僕としても『また負けてしまった。どうしよう……』となるのではなく、ずっと自分がダメだと考えていたものが、3連敗を通して確信に変わりました。自分のやるべきことがハッキリとしたんです。その部分では、ABEMAの企画で武者修行に行かせてもらい、米国で気持ちを切り替えることができましたね」

——ただ、武者修行後のインタビューでも「とにかく試合がしたい」と仰っていました。しかし今回のザ・タイガー石井戦まで半年もの間、試合がなかったことについては……。

「実は今年に入ってからも試合のオファーを頂いていて、それをお断りさせてもらっていました」

——えっ!? それはなぜですか。

「今年の初めに中蔵さんと話をしたんです。この半年間は、しっかり体をつくり、技術面も上げていくための準備期間にしようと」

——今年に入ってONE Friday Fightからのオファーもあったと聞いています。

「はい。ONE FFからお話は頂いていました。2月の大会で、対戦相手も提示されていました。でも半年間を準備期間にしたくて、お断りさせていただいたんです。ONE側からも『これでONE FF出場の話がなくなるわけじゃないから』ということで。いずれタイミングが合った時に出られるよう、スライドしてくれるようなことを言ってもらえました。自分としても焦らず、しっかりと準備して、最高の状態に仕上げてONEに出たいと思っています」

——そうだったのですね。

「僕はONEを目指しているので、そのためにいずれはONE FFに出たいですね」

——なるほど。その前にまずは次のザ・タイガー石井戦をクリアしなければなりません。昨日、MMAPLANETに掲載された石井選手のインタビューは読みましたか。

「あっ、まだ読んでいないんですよ。いま読んでもいいですか。すみません」

——はい、ぜひお願いします。

一瞬にして、表情が変わった

「……、……、……んっ!?」

——いきなり表情が変わりましたね。

「いや、うーん……」

——石井選手のインタビューについて、率直な感想を聞かせてください。

「緊張感とかピリピリ感のことは分からないです。僕は12年前の修斗を知らないし、12年前の石井選手のことも分からないので。ただ、僕は旭那選手とは違いますよ。舐められたくないですね。舐められてたまるかって──」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午前1時00分~ Twit Casting LIVE

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【Shooto2023#04】田上こゆると対戦、ザ・タイガー石井─01─「修斗ってコレで良いんですか?」

【写真】タイトルの言葉の前には「勝った自分が言うのもなんですが」という前置きがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、ザ・タイガー石井が田上こゆると対戦する。
Text by Shojiro Kameike

石井は今年4月の沖縄大会で12年ぶりに修斗に参戦、世界ストロー級2位の旭那拳を判定で下した。旭那戦はストロー級リミットではなく54キロ契約であったため、石井が新たに世界ランク入りすることはない。それでも現在の修斗ストロー級に、一つの大きな風を巻き起こしたことは間違いない。そして迎える次の相手は、またも世界ランカーの田上。しかも相手の地元で戦う。そんななかで石井は、修斗の現状に問題提起を発した。


――今日はよろしくお願いいたします。……前回のインタビューと同じ構図ですね。

前回のインタビューのスクショ

「前回と同じ時間に、同じ場所に車を止めています。車も同じです(笑)」

――違いといえば、前回よりも髪が少し長いぐらいですか。

「アハハハ、これももうすぐ切ります。それだけで何グラムも落ちるので」

――えっ……、次の田上戦は4月の旭那戦と同じく、ストロー級リミットではなく54キロ契約です。それでも減量はキツいのでしょうか。

「いえいえ、今回は試合間隔が1カ月で――それも沖縄の時と同じですね(苦笑)。ただ、オファーを頂いてから試合までの期間に余裕があるわけではなかったので。とはいえ減量は大丈夫です」

――となるとフライ級に上げて試合をするという選択肢もあるかと思いますが、石井選手にとってフライ級は大きすぎるのでしょうか。

「そうですね。いずれストロー級に落として戦いたいと思っています」

――なるほど。まずは旭那戦ですが、12年ぶりの修斗参戦となった石井選手がストロー級のランカーに勝利したことについて、周囲の声はいかがでしょうか。

「いろんな声をかけていただいていますね。試合会場に行くと、みんな声をかけてくれて。修斗の世界ランカーに勝つと、ここまで評価が違うんだって思います」

――その旭那戦ですが、勝因は何だったと考えていますか。

「自分のできることをやった。それが一番だと思います。最初に自分のパンチが当たってから、僕が前に出ると相手が下がるようになりましたよね。相手にとっては、すごくやりづらかったんだろうなぁと感じました。あのパンチは狙っていたわけではないんです。まずフェイントとして出してみようと思っていたパンチが当たったので、自分でもビックリしました。そういうパンチが意外と当たって、効いたりするんですよ」

――ワンツーで右ストレートを当てようと思ったら、先の左ジャブが効いたりだとか。

「そのパターン、よくありますよね。まず右でダウンを奪ったので、右を軸に試合を進めようと思いました。2Rは僕がダウンを奪って、パウンドに行かずに腕を取られたらひっくり返されて。そういうムーブは巧いなと思いましたが、そこで相手は取り切れずに、僕にとっては救われましたね。それと久しぶりに修斗で試合をして感じたことというか……」

――12年ぶりの修斗参戦で、以前と何か違うものを感じましたか。

「修斗に戻ってきたなぁと感慨深いものはありました。もう一つ——『昔のような修斗じゃないんだなぁ』と感じましたね」

――昔のような修斗ではない……それは、どのような意味でしょうか。

「これは悪い意味ではなくて。単純に、僕たちが後楽園ホールや北沢タウンホールで試合をしていた頃の修斗とは違うなと思いました。空気というか」

――石井選手が感じたものとはリングがケージに変わったり、場所が東京ではなく沖縄だったことは関係ありますか。

「それもあります。反対に昔から馴染みの人たちも会場にたくさんいて、そういう意味では変わっていないところもありますよ。でも、それも懐かしさであったり……。以前のようなピリピリした雰囲気や、緊張感は薄れていたかもしれないです。僕がキャリアも年齢も重ねたからですかね?」

――どちらが良いかどうかはともかく、石井選手が出場していた頃の北沢タウンホールの雰囲気とは違うと思います。前回も同じような話になりましたが(苦笑)。

「アハハハ、そうですね。北沢だけじゃなく後楽園ホールでも、相手をブッ殺すような気持ちで挑んでいた選手が多かったじゃないですか。僕が修斗の前に、キックボクシングに出ていた時もそうだったんですよ。試合前は死刑台に昇るような気持ちで。もう試合後のことは何も考えられないというか」

――……。

「北沢タウンホールって劇場だからか、バックステージが暗くて。だけど対戦相手の顔は見えるので、試合前は緊張感が凄かったです。あの相手を潰して、自分が上に行くことしか考えていませんでした。当時は軽量級なら修斗しか選択肢がなかったし、そこで這い上がるしかなかったので。

そういえば、沖縄ではサイダーさん(※金内サイダー雄哉。現在は旭那と同じTheパラエストラ沖縄所属)と会って、昔からの知り合いなので話をしました。でも昔の自分だったら、サイダーさんと話をすることはなかったと思います。対戦相手だけでなく、対戦相手と同じチームの人とも話をすることはなかったでしょう。自分も変わってきたのだと思います。

それも時代の流れなのでしょうね。いくら懐かしがっても、あの頃には戻れませんし。それならそれで良くなっていってほしいと、自分の中で受け入れるしかないです。でも、ちょっと言いたいことはあるんですよ」

——はい、ぜひお願いします。

「あの時は、旭那選手が絶対に勝たなきゃいけない試合じゃないですか。でも12年ぶりに修斗で試合をした人間が、世界ランカーに勝った。世界ランカーが地元で、こんなワケ分からないヤツに負ける。勝った自分が言うのも変だけど、修斗ってコレで良いんですか?」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午後1時00分~ Twit Casting LIVE

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