カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 ONE165 ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ デメトリウス・ジョンソン 武尊 海外 若松佑弥

【ONE165】若松佑弥、キンガドとの再戦へ。「自分を肯定して、信じて、認めて、試合を楽しみます」

【写真】自分を否定する=追い込むではない。自分を肯定することで追い込み、3度目のONE日本大会に臨む若松だ(C)TAKUMI NAKAMURA

1月28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165: Superlek vs. Takeru」で若松佑弥がダニー・ギンガドとのリマッチに臨む。
Text by Takumi Nakamura

7月のONE FN12では2度目の計量失敗となるも、シェ・ウェイにTKO勝利して連敗から脱出した若松。ウェイ戦以降は練習内容ではなく、練習に向かうマインドや取り組み方を見直し、己を磨いてきた。今回は約5年前のONEデビュー戦で敗れたキンガドとの再戦となり、まさにONEで積み重ねてきたものが試される一戦となる。


――ONE日本大会まで10日となりました。今の練習の状況から聞かせてもらえますか。(取材日は1月18日)

「今日でハードなスパーリングはラストで、土曜日(20日)までは動きます。ファイトウィークに入ってからは調整という感じですね。身体の状態もばっちりです」

――日本での大会ということで普段とは練習スケジュールも違ってきますか。

「今まで海外でやってきて、海外での調整が当たり前だと思っていたので、今このキャリアで日本で試合するとなると、自分としては気持ち的にすごく楽しめるし、楽という言い方は違いますけど、日本大会はやりやすいかなと思います」

――ONEの日本大会は約4年ぶりの開催となります。また日本で試合をしたいという気持ちはありましたか。

「そうですね。いつか(日本大会)はやると思っていましたし、なかなか海外まで応援に来てもらうことは難しかったので、日本大会が決まってすごくみんな喜んでくれています」

――7月のシェ・ウェイ戦は前日計量でハイドレーションテストはパスしたものの、135ポンドのリミットを0.5ポンド(226.79グラム)オーバーとなり、キャッチウエイトでの試合実施となりました。試合そのものは若松選手のパウンドによるTKO勝利でしたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「自分の中の色んなモヤモヤが吹っ切れて、しっかり自分の戦いができたと思います。2試合連続で計量クリアできなくて、試合前は前々回(ウ・ソンフンにTKO負け)と同じ心境になっていて。そこでこれは何かの試練だと気持ちを切り替えて、余計なことを考えずにシンプルに勝つことだけに集中したんです。そうしたらああいう戦いができて勝つことが出来ました」

――試合直前に吹っ切れたということですか。

「そうですね。計量クリアできなかった時点で一回気持ちが落ちたのですが、そこから吹っ切れましたですね」

――計量をクリアできずに試合成立となると、日本人選手の場合は心境的に思い切りいけないことが多い印象がありました。若松選手が吹っ切れた要因はなんですか。

「前々回の試合がまさにそうだったんです。日本人の悪いところが出たというか。そこを経験していたことが大きな経験値だったかなと思います」

――試合の動きの部分でも吹っ切れた感触はありましたか。

「ゾーンに入っていたじゃないですけど、いつでも倒せるというか。1R序盤のフィニッシュだったんですけど、飛ばせるところで飛ばそうと思って。これからもあの戦い方が出来るんだったら、もっと上までいけると思います」

――頭で考えずに本能で戦っていた感覚ですか。

「身体が反応して勝手に動いていた感じですね。頭で考える前に身体が『行ける!』と判断して動いていましたね」

――それを踏まえて今回はどんなことを意識して練習してきましたか。

「シンプルに楽しんで考えすぎない。色んなことを想定して準備したうえで思いっきり楽しんで、自分が出来ることの中から最良の選択をして戦いたいと思います」

――具体的に心がけていることは何ですか。

「練習を楽しいと思うことですかね。例えばキツい時に『うわ…キツい…』と思ってしまうのが前の自分だったんですよ。でも今はキツい時こそ『よし!乗り切るぞ!』と思って、自分を肯定するようになりました」

――自分を肯定する、ですか。

「今までの僕は練習で『もっとやらないとダメだろ?』や『なんでこんなところで疲れてるんだよ?』という考えで、どんどん自分を追い込んでしまっていたんです。それが『思いっきり練習して怪我しちゃったらしょうがない』や『今は調子が悪くてもいいんだよ』と思えるようになった。否定じゃなくて肯定して、自分で自分を乗せることができるようになったんです。そうなると今までキツかった練習が楽しくなってくるし、ガラッと変わりました」

――若松選手は性格的に自分を追い込んでしまうタイプだったのですか。

「成功するためには何かを犠牲にしなきゃいけない、苦しい想いをしなきゃいけない……そういう気持ちを持っていましたね。最近はそこをもう通り過ぎたというか、今よりもう一段階上の選手になるには、自分を否定じゃなくて肯定して、自分のことを信じて認めて、試合を楽しむことが最高なんじゃないかなと思います」

――では今は自分の長所に目がいくようになったのではないですか。

「はい。今まで自分は長南(亮)さんや周りが認めてくれているほど、自分の実力を認めてなかったんですよ、『まだまだ俺なんて弱いんで……』って。そこも自分を肯定するようになって、『俺の打撃が当たれば絶対倒せる。俺は普通とは違う選手なんだ』や『俺には俺にしか出来ない戦い方とストーリーがあるんだ』と思うようになってきて。そうやって自分にフォーカスして、楽しんで思いっきりやればいいんだよという気持ちで練習も続けています」

――マインドが変われば同じことを練習していても全く違う感じ方をしますよね。

「全く違いますね。でも僕は過去を否定するわけじゃなく、色んなことを経験したからこそ、今のこの考えになっているので、自分にしかできない経験だったと思って感謝しています」

――さて今回はキンガドとのリベンジマッチになります。最初にオファーを受けた時の心境を聞かせてください。

「はじめは前々回の試合で負けているウ・ソンフンとのリマッチでオファーが来たんですけど、試合合意には至らなかったんです。次にONEから提案された試合がキンガドとのリマッチでした。願ったり叶ったりと言った感じで嬉しかったです。やっとリベンジできると思いましたね」

――キンガドとは2018年9月のONEデビュー戦で対戦し、判定で敗れています。あの時はどんな印象を持ちましたか。

「MMAの競技的にあっちの方が上だったと思います。打撃は僕の方に強みがあったんですけど、組み技・寝技・スタミナ…そういったMMAの総合力や技術の配分という面で差をつけられたなと思いました。まさにMMAで上回られた感想ですね」

――そこまでキンガドがMMA的に完成されていたのは意外でしたか。

「当時の僕は試合で出たとこ勝負の現場合わせじゃないですけど、じゃんけんみたいな試合のやり方だったんです。逆に今思うとキンガド選手はMMAの完成度が高くてゲームプランも立てて試合していたと思うので、そりゃ、負けるだろうと思いますね。あの時点ではキンガド選手が僕の先を行っていたと思います」

――今回の再戦はまさにONEでやってきたことが試される試合ですね。

「まさにその通りですね。今回はすべての面でプレッシャーをかけて圧倒したいです。どんな状況になっても楽しんで戦えれば、自分の実力を出せる感覚があります」

――日本大会への出場は今回で3度目、すべての大会に出場することになります。過去の日本大会とは心境が違いますか。

「今までの日本大会はあまり日本でやることを気にしてなかったんですよ。それよりも自分の勝ち負けの方が大事で、勝てるんだったらどこでやっても一緒だろくらいに思っていました。でも今回はみんなで勝利を分かち合いたいという気持ちが出てきているんです。だから応援に来てくれる人たち、見てくれる人たちに最高の勝ちを見せて、感動を届けたいなと思っています」

――キャリア的にも若松選手はONEで戦うMMAファイターとしては古参の部類になってきました。

「5年のキャリアでここまで来れたことは自分でも褒めてあげたいです。でもそれで天狗になっているようじゃ、すぐに引きずりおろされる舞台だし、僕の中では崖っぷちぐらいの気持ちもあります。ただここからがスタートだとも思っているし、この状況を楽しみたいですね。今回は武尊選手も出て注目度も上がっているし、ここで勝てばまたONEに注目される選手になれると思っています」

――若松選手のことを初めて見るファンも多いと思いますが、どんな試合を見せたいですか。

「パフォーマンスじゃなくて15分間の戦いの中で『MMAって面白いんだな』とか『キックには武尊選手がいるけど、MMAにはこういう選手がいるんだな』とか、ちょっとでも自分を知ってもらうきっかけになったらいいなと思います。今ONEはキック・ムエタイの方が盛り上がっていると思うので、またMMAを盛り上げたいし、そのためには倒せる選手が求められていると思うんですよ。自分はそういう試合をしてONEのMMAを盛り上げるきっかけになりたいです」

――キンガド戦も含めて2024年の目標を聞かせてください。

「今回しっかりKOで勝って、夏頃にDJ(デメトリウス・ジョンソン)にリベンジしてチャンピオンになりたいです。前回のDJ戦は捨て身でガムシャラに戦ったんですけど、今の自分はそうじゃないので。DJはフライ級で世界一の選手だと思うので、その相手を倒してチャンピオンになりたいです」

The post 【ONE165】若松佑弥、キンガドとの再戦へ。「自分を肯定して、信じて、認めて、試合を楽しみます」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 Special アドリアーノ・モライシュ ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ ボクシング 修斗 大沢ケンジ 安芸柊斗 新井丈 柏木信吾 水垣偉弥 海外 若松佑弥 関口祐冬

【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:7月―その弐―:若松佑弥✖シェ・ウェイ「格闘技は、戦い」

【写真】計量失敗も集中力を増した感のあった若松。落とせない試合をモノにした(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。
Text by Shojiro Kameike

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は大沢ケンジ和術慧舟會HEARTS代表が選んだ2023年7月の一番、修斗世界ストロー級選手権試合=新井丈×安芸柊斗戦から、ONE FN12の若松佑弥×シェ・ウェイ戦まで語らう。格闘技は、戦いだ。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:7月:新井丈✖安芸柊斗戦はコチラから>


――至近距離の練習、ですか。

「ウチのジムでは結構、至近距離の練習をやるんですよ。MMAのスパーリングでも、ボクシングやキックボクシングの距離でやらせます。これは『打ち合い上等』ではなく、少し打撃をもらう覚悟で前に出ていくことで、相手を削っていくということなんです」

――ボクシングジムでガードを固めている選手のグローブをトレーナーさんが叩き続けるトレーニング風景を見たことがあります。受けている選手は目を閉じず、目をそらさないでいるという。

「近い距離で目を慣れさせるためのトレーニングですね。MMAは特に、一発も食らわずに勝つことは難しいじゃないですか。打撃、組み――いろんな展開があるから。こういうことを言うと、僕が『気合いで行け』とばかり言っているように思われるんですけど(苦笑)」

――アハハハ。どうしても言葉の端々だけを取られてしまいますね。

「そう。分かりやすく『見えていれば効かないんだから行け』と言うんだけど、ただ見えているだけじゃダメなのは当たり前で(笑)。遠い距離で戦うタイプの選手は、相手に近い距離で張り付かれると疲れるものですよ。下がるほうがバテます。

でも至近距離の練習をしていない日本の選手は、距離が近くなるのを怖がっちゃいますよね。日本人選手が世界で勝てない理由の一つに、その距離の問題があるんじゃないかって感じます」

――身長差、リーチ差がある海外選手との試合では尚更のことで。

「MMAは階級制のスポーツじゃないですか。結局は同じ体重で戦うのだから、僕は身長差やリーチ差は特に気にしていないですね。日本にも海外の選手に体格で勝っている選手はいるし。それよりも戦うという気持ちのほうが大切で。倒しに行く姿勢を見せていれば、判定になっても有利になりやすい。最初からポイントを意識しすぎるよりも、フィニッシュに近づく展開を見せていれば結果的に判定で勝てると思っていますから」

――新井選手に関していえば、まさに関口祐冬戦がそうであったわけですね。下がらず、前に出て殴って判定勝ちを収めました。

「タイトルマッチや、タイトルに関わるような試合で、あそこまで前に出る選手は他にいないですよね。今後の対戦相手も嫌だと思います。『アイツ、とことん前に出て来るな』って」

――前に出ることで相手を削る。とにかく攻めて勝つ。それはONE FN15でシェ・ウェイをTKOで下した若松佑弥選手も同様だったと思います。

「佑弥の試合も良かったですよね。計量失敗があったので、完全に良かったと言ってはいけないけど……。ただ、佑弥も最近うまくいっていなかったじゃないですか。もともと上を目指すために新しく、いろんなものを身につけようとしていたんでしょう。アドリアーノ・モライシュ戦(昨年3月、ギロチンで一本負け)の前あたりから、組み技も試合で見せるようになっていて。オールラウンダーであり、巧い選手の戦い方を始めていました。

だけど、巧くなるにつれて自分に怖さがなくなっているかもしれない。それは本人も分かっていたと思うんですよ。結果はモライシュに一本負けして、次はウ・ソンフンにKO負けした。計量失敗もありましたし、選手の気持ちとしてはどん底ですよ。少なくともファンや関係者の信用を失うのは間違いない。

でも僕たちは、アイツが本当に頑張っていることは知っているから、このまま落ちていってほしくない。そう思いながら先日のシェ・ウェイ戦を視ていたら、完全に昔の若松佑弥を取り戻していたじゃないですか」

――試合後にも「殺してやるという気持ちで戦いました」とコメントしていましたね。

「何か吹っ切れたんでしょうね。たとえば最初にテイクダウンした時、体を起こそうとした相手の顔面にヒザを打ったじゃないですか。当てきれず反対に倒されかけていましたけど、ここ最近の佑弥だったら、あのヒザは打っていないと思います。もう一度テイクダウンした時も、すかさずヒジとヒザを連打していて。

今の日本のMMAなら、あの場面はまず――しっかり抑え込むように指示するでしょうね。勝とうとしているだけなら、あのタイミングでヒジとヒザは出さない。もし佑弥が負けていたら『ヒジやヒザを出すのではなく、まず抑え込むべきだった』と言う人もいたでしょうね。『仕掛けが早すぎる』とか。あの場面で自分から攻め続けて勝ったから、次に繋がるんですよ。攻めるべき時に、リスクを恐れずに攻める。だって、格闘技は戦いだから」

――「格闘技は戦い」。これも最近、大沢さんがよく口にする言葉ですね。

「もちろん計算しながら戦うことも必要です。でも計算しているのは、自分の中に恐怖心があるから。恐怖心があるために計算しすぎて、試合の中で自分が本来持っているものを出せなくなることって、本当によくありますからね。

でも佑弥は恐れず、自分らしさを出して勝った。昔のような殺気立った佑弥の試合を視て、人間がどん底から這い上がる浪漫を目撃した気がしますね。今後どういう展開になるかは分からないけど、この試合をキッカケに取り戻していくと思いますよ」

――MMAとして打ち合うことや、打撃を出し続けることが必ずしも良いとは思いません。しかし前に出ること、攻め続けることが勝つ術となることは理解できます。

「やらなきゃ自分がやられる。それが戦いであり、格闘技は戦いだから。たとえば試合でフィニッシュを狙わず、トップをキープするだけの相手って怖くないですよ。抑え込まれていても『相手は狙ってこないな』と分かるので、まず自分が仕留められる恐怖心はなくなります。試合中、精神的に追い込まれることはない。だから一切ダメージをもらわないことを考えるのではなく、まず気迫や殺気で相手を抑え込んでいくのも必要だということですね」

The post 【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:7月―その弐―:若松佑弥✖シェ・ウェイ「格闘技は、戦い」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
F1 MMA o ONE ONE Championship   アマンダ・アレキン アーロン・カニャルテ キック ゲイリー・トノン シェ・ウェイ シャミル・ガサノフ ボクシング ルンピニー 若松佑弥

『ONE Fight Night 12』試合結果/ハイライト動画

VENUM ONE FC Impact / インパクト ラッシュガード - 半袖(黒/黒) // ONE Championship


第9試合 メインイベント ムエタイ 136ポンド契約 3分3R
○スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](ムエタイ1位、キック王者)
×タギール・カリロフ
2R 1’42” TKO (レフェリーストップ)
※スーパーレックが計量でフライ級(135ポンド)を0.25ポンド(0.11g)オーバー

第8試合 コーメインイベント MMA フェザー級 5分3R
○ゲイリー・トノン(2位)
×シャミル・ガサノフ(5位)
2R 2’26” 膝十字固め

第7試合 MMA ヘビー級 5分3R
○アミル・アリアックバリ
×ダスティン・ジョインソン
1R 1’48” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第6試合 MMA 136ポンド契約 5分3R
×シェ・ウェイ(中国/フライ級5位)
○若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)
1R 2’03” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※若松が計量でフライ級(135ポンド)を0.5ポンド(0.22kg)オーバー

第5試合 MMA フェザー級 5分3R
×アーロン・カニャルテ
○アクバル・アブドゥラエフ
1R 0’41” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 ムエタイ 女子アトム級 3分3R
×ララ・フェルナンデス
○ペッディージャー・ルクジャオポーロントン
1R 0’26” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)

第3試合 MMA 136ポンド契約 5分3R
×ボルター・ゴンサルベス
○バンマ・ドゥオジ
判定0-3
※ゴンサルベスが計量でフライ級(135ポンド)を0.75ポンド(0.34kg)オーバー。

第2試合 グラップリング 女子ストロー級 10分1R
○タンミ・ムスメシ
×アマンダ・アレキン
判定3-0

第1試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×コンスタンティン・ルス
○ボグダン・シュマロフ
3R 1’33” TKO

 7月15日にタイ。バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Fight Night 12』の試合結果。第6試合で若松佑弥がシェ・ウェイに1R TKO勝ち。第8試合でゲイリー・トノンがシャミル・ガサノフに2R膝十字固めで勝利。第7試合でアミル・アリアックバリがダスティン・ジョインソンに1R TKO勝ちしています。


 スーパーレック・ギャットムーカオ vs. タギール・カリロフ ハイライト動画。


 ゲイリー・トノン vs. シャミル・ガサノフ ハイライト動画。


 アミル・アリアックバリ vs. ダスティン・ジョインソン ハイライト動画。


 若松佑弥 vs. シェ・ウェイ ハイライト動画。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 シェ・ウェイ 若松佑弥

【ONE FN12】押し倒して殴って勝つ。有言実行、計量失敗からの勝利で若松佑弥が一歩前進

<135.5ポンド契約/5分3R>
若松佑弥(日本)
Def.1R2分03秒by TKO
シェ・ウェイ(中国)

若松は左に右を合わせ、蹴り足を掴まれて下になってもすぐに立ってテイクダウンを奪う。シェ・ウェイも即立ち辺り、ロープに若松を押し込む。細かいヒザを打つシェ・ウェイだが、若松もヒザを返しコーナーを背負いながらヒザを狙われたところで右足を抱えてテイクダウンを奪う。サイドを取った若松は右パンチを連打し、上体を起こそうとしたシェ・ウェイに右ヒザを連打する。

それでも起き上がってきたシェ・ウェイを制し、バックを制して押し倒してマウントを取った若松は左右のパウンドを続けTKO勝ちを決めた。リング下りようとした若松は呼び止められインタビューを受けると「体重オーバーをしてしまったこと、申し訳なく思っていて。ソレが自分を強くしてくれました。前回はソレに負けたので。殺してやるという気持ちで戦いました」と話した若松。計量オーバーで5万ドルは獲得とならなかったが、「復活です。次を楽しみにしてください」とコメント。次の相手に関して若松は「誰でも良い。DJでも良いんじゃないですか」と言葉を続けた。


The post 【ONE FN12】押し倒して殴って勝つ。有言実行、計量失敗からの勝利で若松佑弥が一歩前進 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
o ONE ウ・ソンフン シェ・ウェイ

ONE Fight Night12:第6試合・シェ・ウェイ vs. 若松佑弥

フライ級だったが若松が計量失敗し、135.5ポンドキャッチウェイトに。ウェイランキング5位。

中国のウェイはONE8勝2敗。敗れた相手は元タイトル挑戦者ダニー・キンガッドとバンタム級でタイトル挑戦したことがあるリース・マクラーレン。昨年若松戦が組まれていたが欠場し、1年以上のブランク明け。26歳。

若松は前回シェ・ウェイ戦が流れ、11月に格下のウ・ソンフンと組まれたが計量失敗。試合でも1Rにパンチを被弾し効かされてのKO負け。2試合連続の計量失敗となってしまった。

カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 Road to UFC UFC ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ チャンネル ルンピニー 若松佑弥

【ONE FN12】まさかの計量失敗、再び。若松佑弥が2日前に話していたこと。「暴力というテクニック」

【写真】顔を上げ、ひたすら勝利目指し。勝って、頭を下げれば良い (C)ONE

明日15日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN12「Superlek vs Khalilov」で、若松佑弥はシェ・ウェイとフライ級3回戦で戦う予定だった。

昨年11月のウ・ソンフン戦で体重は落とせてもハイドレーションをパスしなかった若松は、今回はハイドレーションはパスしても135ポンドのリミットに対し下着を脱いでも135.5ポンドと0.5ポンド(226.79グラム)オーバーに。

その後2度トライした再計量ではハイドレーションに失敗した若松に対し、シェ・ウェイは3度目の計量で両方でパス──この試合はキャッチウェイトマッチで実施されることとなった。

水抜き防止のためにハイドレーションが導入されたONEの計量では、ミスをするファイターが後と絶たない。今大会もメインのムエタイ戦出場のスーパーレック・ギアットムーガーオ、MMAでは同じくフライ級のヴァウテル・コンサスベスが計量失敗となっている。

MMAPLANETでは若松を12日(水・同)にインタビュー。トレーナーを帯同し、計量に向けて絶対の自信を持っていた若松は、MMAファイターとして原点回帰することを断言していた。もちろん、計量をパスした選手の方が圧倒的に多く、2試合連続の失敗は弁明の余地が所属するTRIBEとしてないのは確かだ。と同時にシェ・ウェイが200グラム超過のキャッチ戦を受けた。この時点で、両者の立ち位置は全く変わらない。若松は気持ちを入れ替えるということでなく、ただ勝利を掴むために邁進してほしい。

良心の呵責など、試合が終わるまで必要ない。ここは人間性より、試合に勝つための人種=ファイターとして明朝のリングに上がり、インタビューで話していた通りの試合を実践するのみだ。


──去年の11月以来の試合となります。色々と考えることがあったと思いますが、改めて試合に向けてのどのような気持ちですか。

「順調で、ベストコンディションですし、最後まで気を抜かずにいきます。その時、その時を本気で生きてきて、今に至っています。練習環境もベースは変えないで、補助的に悪かったところを見直してきました。全てを変えてしまうと、良い所も失ってしまうので。そこは変えずにやってきました。前回の負けも必然だったと思えるまで、全力でやってきました」

──長南さんがキルクリフFCを視察し、帰国後はより声を出して厳しくするとアマチュアの子たちが来なくなったという話を伺いました。

「まぁ、そういう風になりますよね(笑)。でも、しっかりとした子は変わらずに練習を続けて育っています」

──ハイドレーションの失敗を経験して、普段の体重をフライ級のリミットに近くすると言われていましたが、普段から61、2キロに近い体重で過ごすようになっていたのでしょうか。

「自分は結構、摂生している方だと思います。そこは変わらず──です。前回はONEで8試合しているうちの、1つの試合。そういう風に思っています」

──既に頬がこけていますが。

「体を見たら、ビックリしますよ(笑)」

──ではここで上半身を見せて欲しいのですが、我慢します(笑)。セレモニアル計量でなく、本計量の前後の写真を送ってきてください。それを楽しみに待ちますね。

「ハイ(笑)。堀江(登志幸TRIBEフィジカルコーチ)さんのお陰で、しっかりとフィジカルをやってきて。今回はタイまで帯同していただいて、そっちの計量の面でもバッチリです」

──対戦相手のシェ・ウェイですが、どのような印象を持っていますか。

「素晴らしいファイターで、本当に強い選手です。尊敬しています。自分も凄く好きな選手です」

──打撃は強い。しかし、組みには穴があると思っていたら、ジムごとタイに移動してロシア人コーチを雇い、しっかりとレスリングやグラップリングもやり込んできたと自信を見せていました。

「まぁ、気にしないです。それがMMAファイターです。穴がある方がおかしい」

──ではどのようなところに気を付けないといけないと思っていますか。

「やっぱり近い距離のパンチには気を付けないといけないです」

──そこに対して、若松選手がやるべきことは?

「貰わないことは第一で。でも、試合だから貰う覚悟はあります。勝負に出て打ち合う場面も出てくるだろうし、そこもしっかりとやります」

──MMAで勝てば良い。でも喧嘩になっても負けないということを内包していないといけない。そういう難しさが、今のMMAにはあるかと。

「振り返ってみると、自分が理想にしていたのはテイクダウンをしても、しっかりと殴って削ることだったんです。キックボクサーやボクサーでなくて、MMAでも打撃を入れること。テイクダウンしても殴って、そこで立ってきてもまた倒して殴る。相手がビビってくるようなことをする。そうすることでテイクダウンの振りをして、また殴ることもできる。

雑でも良いので、寝かせたら寝ている状態の相手を殴る。自分がメチャクチャだった時代を思い出すわけじゃないですけど、俺はそれしかできない。上久保(周哉)さんや(和田)竜光さんのように理詰めで行くのではなくて、もっと暴力的に戦うつもりです。背中を見せるようなら、スルっと入るんではなくて暴力的に絞めるみたいな感じで。寝技だって喧嘩をする。それが僕の理想だったはずで。

それが現代MMAになると、よりテクニカルになる。そこを自分のモノにしようとする余りに、殺傷能力を失っていました。テイクダウンして抑えることができるようになると、打撃ができないレスラーのような戦い方をするようになったので、もっと自分の拳に自信を持って──その武器を持っているので、しっかりと使おうと思います。自信を持って寝技になった時に暴力をしたい。そういうイメージですね。殴り合いに自信を持っている人間と、足を止めて打ち合うのではなくて。それってベアナックルファイトになってしまうので、蹴りもヒザも使えるし、際でエルボーも入れてテイクダウンもできる。全局面で喧嘩してきます。なんか……話し過ぎましたね(苦笑)」

──いえいえ、ありがたいです。それができるのも、しっかりとテイクダウンをして抑えて勝つという努力をしてきたからではないでしょうか。

「しっかりと抑えて時間を使うという考えを持ってしまっていたのですが、僕が『抑えました。じゃあ殴る』という戦いをした時に、打撃しかない人間が勝てるわけがない。これまでの試合で学んできた、暴力というテクニックが出るんじゃないかと思います。やっぱり、ちょっとしゃべり過ぎましたね(苦笑)」

──Road to UFCで再確認させられたのは、世界中が強い連中ばかり。それはUFCだからでなく、ONEで戦う中国人ファイターも同じことだと思い直せました。若松選手や和田選手は、名前はないけどそういう相手と戦ってきた。今回も弱いわけがないシェ・ウェイ戦、何を見せてくれますか。

「まず自分に打ち克って、自分のやるべきことをやる。負けたらいけないとか、相手が強いとか思い込んでしまうので、まずは自分に打ち克って、自分のやるべきことを15分間しっかいとやる。そうすれば自ずと相手は倒れているので、楽しみにしてほしいです」

■放送予定
7月15日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

The post 【ONE FN12】まさかの計量失敗、再び。若松佑弥が2日前に話していたこと。「暴力というテクニック」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12   ウ・ソンフン シェ・ウェイ タン・カイ チャンネル リース・マクラーレン ルンピニー ワン・シュオ 中国武術 若松佑弥

【ONE FN12】若松佑弥と対戦、リアル嵩山少林寺MMA戦士シェ・ウェイ「新しい面を見てもらえる」

【写真】 後列右端がシェ・ウェイ。左から2人目はONE世界フェザー級王者タン・カイ。ジムごと、タイに移動。そりゃあ強くなっているだろう……(C)ONE

15日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムでONE FN12「Superlek vs Khalilov」が開催され、シェ・ウェイが若松佑弥と対戦する。

両者は昨年9月に戦うことが決まっていたが、シェの負傷で若松の対戦相手はワン・シュオに変更され──しかも体重オーバーで試合は流れた。若松はその後、11月大会で韓国のウ・ソンフンに敗れる波乱が起こり、9カ月振りの再起戦でシェ・ウェイと拳を交えることになった。

そのシェ・ウェイは実現しなかった若松戦以前に、リース・マクラーレンにRNCで敗れるなど、絶対的な打撃の強さの裏に絶対的に組み技が弱点であった。しかし、今の彼はレスリングとグラップリングにも相当な自信を持っている。その要因を尋ねると、まさに躍進中国MMAの経済力を見せつけるような事実が垣間見られた。

同時に中国武術の伝統の象徴といえる嵩山少林寺での修行経験があるなど、今はタイ在住のシェ・ウェイは伝統と経済力を兼ね備えた──C-MMAファイターの怖さが集約されているといっても過言でないファイターだ。


──インタビューを受けてくれてありがとうございます。

「自分の方こそ、インタビューをしてくれて感謝しています」

──来週の土曜日に若松佑弥選手と対戦します。今の気持ちを教えてください。

「しっかりと準備できているから、凄く楽しみだよ」

──若松選手とは昨年9月に対戦予定でしたが、欠場となりました。

「試合のための練習中にケガをしてしまって。だから、1年も試合ができなかった。ケガをしたのはタイでの練習中で、それから中国に戻って半年間治療に専念していたんだ。今年の初めになって、ようやくトレーニングを再開したよ」

──シェ・ウェイ選手に関して、以前から一つ気になっていたことがありました。ONEでは少林ファイターという紹介もされていて、修行僧の恰好をした写真も見ました。あれは嵩山少林寺で修行をしていたということですか。

「そうだよ。撮影のためとかでなく、本当に嵩山少林寺(ソンシャン・シャオリン・スー)で修行をしていた時のもので。自分は少林寺で4年間過ごしていたんだ」

──!!! 4年も少林寺で修行をしていたのですか。

「修行は最初の3年間で、最後の1年は指導をしていた」

──少林寺のデモンストレーションをパリで観たことがあったのですが、もの凄くアクロバチックなショーであって、ファイトと共通点があるとは思えなかったです。

少林寺武術ショーは少林寺の商業的な活動で、世界各地で公演が行われている。

「あれは一つの側面で。実際にあのような動きを身に着けることで自分の体の機能をよく理解し、より思ったように動かせるようになるんだ」

──つまりはコーディネーションですね。

「そう。それに少林寺では伝統的な武術(ウーシュウ)の稽古だけでなく、散打の練習もしっかりとやっている。この2つを続けてきたことで、ボディ・コーディネーションという面は絶対的に成長できた。

MMAはあらゆるスタイルの競技が融合されている。そのなかで武術の業が生きるケースも当然ある。加えて少林寺での経験により、心が鍛えられた。少林寺では1日に4度の修行の時間があるからね。まず朝の5時に最初の修行が始まり、山中を駆け回るんだ。

嵩山は一つの山でなく、山岳群で3つの高峰の一つである小室山の麓に少林寺はあり、小室山は小室36峰と呼ばれている。古代より道教、仏教、儒教の聖地とされている。

そして午後からは技術や動きの修行が2度行われている。あの修行の日々は自分の心身を鍛え上げ、当然のようにMMAに必要な一つ一つのテクニックに生かされている。少林寺の修行で自分は、ずっとタフになれたよ」

──もの凄く興味深い話です。では、若松選手の印象を教えてもらえないでしょうか。

「ユウヤは既にタイトル挑戦経験のある優れた選手だ。それに自分は弱い相手とは試合をしたくない。それでも、ユウヤの弱点は見つけているよ」

──これまで常にKOパワーのある打撃を見せてきましたが、正直なところをいえば過去に敗れた試合では組み技という面で課題が見られたと思います。若松選手は今やテイクダウン能力の高い総合的なファイターですが、その辺りをどのように考えていますか。

「自分がケガをした後、シンジャン・ファイトジムのオーナーがジムをチンタオからタイに移すことを決め、パタヤに新しいジムを創ったんだ。そしてロシア人コーチを招聘してくれて、自分のレスリングとグラップリングの技術力は凄く伸びている。だから、次の試合では新しい面を対戦相手だけでなく、ファンにも見てもらえることになるだろう。

もともと打撃に関してはユウヤよりも、自分の方が上だと思っている。そこにレスリングとグラップリングが成長した。試合がどうなるのか、楽しみにしてほしい」

──若松選手に勝つ自信は、十分にあるようですね。

「100パーセントだ」

──では、若松選手との試合ではどのような姿を見せたいと思っていますか。

「自分にはレスリングとグラップリングという弱点があった。その2つの局面で自分が如何に強くなっているかを皆に見て欲しい。ユウヤは素晴らしいファイターなので、きっと良い試合になるから楽しみにしてほしい。楽しめる試合になるよ。もちろん、日本の皆にとってもね」

──押忍。ありがとうございました。

「自分の方こそ、日本のファンに知ってもらえる機会を与えてもらって凄く嬉しい。ありがとう」

■放送予定
7月15日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

The post 【ONE FN12】若松佑弥と対戦、リアル嵩山少林寺MMA戦士シェ・ウェイ「新しい面を見てもらえる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA F1 MMA MMAPLANET o ONE ONE161 YouTube アドリアーノ・モライシュ キック シェ・ウェイ ジャン・リーポン チャンネル ティファニー・テオ ボクシング リトゥ・フォーガット ワン・シュオ 和田竜光 若松佑弥

【ONE161】ワン・シュオと再起戦、若松佑弥「何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わない」

【写真】言っていることはクソ真面目でも。スクショの撮影では、『履いていますよ』モードになってくれた若松(C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで行われるONE161「Petchmorakot vs Tawanchai」で若松佑弥が、ワン・シュオと対戦する。

3月にアドリアーノ・モライシュの持つONE世界フライ級王座に挑戦し、ギロチンチョークで敗れた。念願のタイトル挑戦に敗れ、仕切り直しの一戦を前にして話を訊いた若松は──本人は侍と表現するが、まるで修行僧のような心境になっていた。


──今回の試合が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初は2カ月ぐらい前にシェ・ウェイと決まっていたのですが、試合の6、7週間前にワン・シュオに代わりました」

──タイトル挑戦権を得るには並び直しの再起戦ですが、正直ワン・シュオは1月に和田竜光選手に敗れており、正直なところ『おっ』となるマッチアップではなかったです。それはファンからしても、同じ印象だったのではないかと。

「もう日本人に負けている選手だから、そういう風に思われるということですよね。『勝つんだろうな』ってファンの人にも思われる……自分も第3者の立場だったら『若松が絶対に勝つ試合』と思う試合ですよね、でも僕は負けた身ですから、戦うだけです」

──そうですね。それでも……勝つか負けるかというスリルは試合前の時点では、それほど感じられないとは言えます。

「『確実に勝て』、『大胆にKOしてくれ』ということだと自分は理解しました。僕も『コイツに勝ちたい』、『越えていきたい』という選手と戦いたいです。でも、試合です。何が起こるか分からない。だからアドリアーノ戦と同じだけ集中して、これで何かあったら終わりだっていう気持ちです。楽な相手だからって、簡単に行くとは思えないです」

──もちろんです。ワン・シュオも絶対に勝つつもりで、若松選手がどうなろうが関係なく拳を振るってくる。それでもファンは「落とせない」という潜在意識を持った試合になる。

「なんていえば良いのか……。それでも長い人生のなかで、落とせない試合です。相手どうこうじゃなくて、自分との戦いなんですよね。将来、この試合を振り返った時に自分の記録の一つになるだけ、他人がどうこうじゃないっていう心境で。強いヤツと戦って盛り上げたいというよりも、僕はこれからもっともっとMMAを戦っていきたい。もちろん、さっきも言ったように強い選手と戦いたいです。でも、ONEが与えてくれた選手と戦うための自分との勝負。それが自分の将来のためになる。そういう風に思っています。ちょっと説明の仕方が分からないですけど……」

──何があろうが、最高の自分を創るための日々ということですね。

「ハイ。それが他の人に分かってもらえなくても良い。自分が、その大切さを理解していれば。ホント、何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わないです。自分、応援してくれる人のためだけに僕は戦っていきたいんで」

──最近、MMAPLANETでもそういう論争になることがあるのですが、若松選手は知名度を上げたい派ではないということですね。「強いだけではだめ」だけど「強さは絶対」、「食べていくために知名度を上げる努力も必要」など、色々な意見がありますが。

「僕は開き直っています。俺は一人の侍として、人気がなくても良いし、試合以外のところで面白いパフォーマンスをやったり、目立つ発言をしたりとか……そういうことはやろうとは思わないです。下らない。それより負けないで、長い間MMAを戦っていきたい。一発屋芸人みたいなことはしたくない。強さに貪欲であり続け、毎日自分と向き合っていく。そういう人間になりたいというか、そういう格闘家人生を歩んでいきたいです。

以前は知名度を上げて収入を増やそうって思ったこともありました。YouTubeをすることが必要だと思ってやってみました。でも、僕は違った。強くなって、それで人から見てもらえるようになろうと考えるようになって。実力もないのに、そういうことばかりやって稼ぐより、勝った負けたでファイトマネーの上下があり、そういうところで勝って少しでも稼ぎを増やすプロMMAファイターでいたいです。

正直金は欲しいけど、戦って食うだけ稼げれば良いし。それ以上を求めて、戦いじゃないことに力を入れるのは自分は違うと思っています」

──SNSは全員が使えることができますが、それは車と同じで。車を移動の手段として使う人、モノを運んで稼ぐ人、人を乗せて稼ぐ人、そのなかで自分1人で運転して──競争して勝って億万長者になるF1ドライバーがいるように、SNSで儲けるにはそれができる才能が必要だと思います。猫も杓子もSNSで知名度が上がって、収入が増えるなんてことはない。

「僕はそれは無理だから。なら練習して、強くなって稼ぐ。そっちしか考えていないです。他人に何を想われようが、俺は俺。もうブレない。世界戦で負けて、一度自分を全否定しました……」

──負けたので、その要因は存在すると思います。ただし、自分は罠だろうが、ギロチンが待っていようが、ミキーニョとのスクランブルを制したり、テイクダウンを奪った若松選手をケージサイドで撮影していて、凄く興奮しました。打撃戦は詰将棋ではない。思わぬことが、組み技よりも起こる。そういうなかで、打撃でリードができないから組みでも勝負できる。そこを若松選手は見せていた。

「日本人でアドリアーノからテイクダウンを奪ったのは初めてだと思うし、じゃあ誰がアドリアーノをテイクダウンできるんだっていう気持ちはあります。負けたけど、テイクダウンを取れたことは自信になっています。それに後付けのようになってしまいますけど、僕はあの試合は競り勝つことを目標にしていました。

だから、凄く冷静だったんです。まるで練習みたいな気持ちだったから、ギロチンに対しても練習のようにタップをしてしまって……。普段の僕なら、タップせずに落ちていたと思います。でも、行けると思って入って──あれが待っていた。一瞬で摘んでしまった。冷静過ぎてもダメだと勉強になりました」

──凄まじいものですね。

「でも今までやってきたことは間違っていなかったです。自分は世界で1人、他と比較したり、他人の意見に左右されない。自分にフォーカスして、自信を持つようにしてきました。

そうでないと、SNSで知名度を上げようが、ステロイドで強くなって戦っていたら、メッキはすぐに剝がれてきます。僕はずっと戦える実力をつけて戦っていきたいです」

──常に自分と向き合っていると、モチベーションを外的要因に求めることはないでしょうか。例えばミキーニョに凄い勝ち方をしたDJともう一度戦うことを目標にするなどして。

「あれはトップ中のトップ、氷山の一角です。それよりも、自分に打ち克つこと。それを日々生きていく中で、続けること。自分と向き合うことの方が重要だと思っています。実際にそうやってきて、しんどかったです。でも、これで負けたらしょうがないと思える。それだけやってきました。弱い自分と向き合って、そこに勝つ。そこだけに集中し、打ち克つことをモチベーションにして……『チャンピオンになれるか』なんて考えることなく、『次で最後』という気持ちでやってきたので。

DJの試合を見て『やってやろう』という気持ちにはなります。でも、そんなのは当たり前で。当たり前のことだけやっていては、MMAを戦い続けることはできない。それに日々の誘惑に負けることなく、誰よりも練習していると競技人生も長くなると思います。そういう風に生きていると、またチャンスが巡って来るかもしれない。だから、まずは毎日を全力で自分と向き合うこと。それでも負けることもある。そして試合に負けても、死ぬわけじゃない。究極、回りに家族さえいてくれれば良い。だから自分の出来ることを全て費やすよう、毎日を生きていきたいと思っています。

今、MMAを戦えている時点で自分の限界に挑まないといけない。こういうことがデキない人が、世界中にはたくさんいます。なのに妥協して生きるようなことがあったら、本当にクソです。『こんなんじゃダメだ』って毎日を頑張らないといけない。そうやって過ごしてきました」

──そこまでの想いで迎えるワン・シュオ戦なのですね。では試合として、どのような戦いがしたいですか。

「タフで打撃があって、気持ちも強いという風に思われているみたいですけど、全てを消したいです。いざ試合が始まるとスピードも段違いだし、『あぁ、次元が違っていた』と思われて終わるはずです。僕が勝って当たり前と思われているんだから、そういう試合をします。ホント、相手が悪魔の実かなんか飲んでこない限り向うに勝ち目はない。そう思いつつも、試合は何があるか分からないので気を付けて戦います」


■放送予定
9月29日(木・日本時間)
午後7時~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE161対戦カード

<ONEムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)
[挑戦者] タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ロマン・クリキア(ウクライナ)
グト・イノセンチ(ブラジル)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP準決勝/3分3R>
イラジ・アジズプール(イラン)
ブルーノ・シャベス(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ティファニー・テオ(シンガポール)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジャン・チェンロン(中国)
センマニー・クロンスアンプルリゾート(タイ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
バトラダズ・ガザエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/12分1R>
ホドリゴ・マレロ(ブラジル)
ルスラン・バグダサリアン(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
マテウス・フィリッピ(ブラジル)
アリ・フォラディ(イラン)

The post 【ONE161】ワン・シュオと再起戦、若松佑弥「何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE X ONE161 アドリアーノ・モライシュ シェ・ウェイ リース・マクラーレン 若松佑弥

【ONE161】「全ての局面で圧倒して必ず決着をつけます」。若松佑弥の再起戦は中国のシェ・ウェイに

【写真】目標のベルトまであと一歩というところで仕切り直しを強いられる若松。その第一歩で力の差を見せつける必要があるマッチアップだ(C)MMAPLANET

10日(水・現地時間)にONE Championshipより9月29日(木・同)にシンガポールで開催されるONE161で若松佑弥が出場し、中国のシェ・ウェイと対戦することが発表された。

米国とカナダでAmazon Prime Videoによるライブ配信が決まったONEではアジア時間帯の金曜の夜にアジア向け大会=ナンバーシリーズ、土曜の朝に米国プライム大会向けイベント=ONE on PRIME VDEOシリーズを開くという新フォーマットを実施していくことになっているが、9月は金・夜&土・朝ではなく木・夜&土・朝という組み合わせになっている。


そんなONE161に3月のONE XでONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュに挑戦し、テイクダウンという新しい武器で健闘しつつもギロチンに切って落とされた若松も再起戦の相手はシェ・ウェイに決まった。

ONE Hero Series からONE Warrior Seriesを経て本戦デビュー、キャリア16勝4敗、25歳の新鋭シェ・ウェイだが今年6月の直近の試合で、リース・マクラーレンに初回にRNCで敗れており、若松として絶対に落とせない試合となる。

今回のプレスリリースで紹介された若松の意気込みは以下の通りだ。

若松佑弥
「僕はファイターなので戦いが闘ないとダメです。オファーがあった時はひとまず試合が決まって良かったという思いでした。前回の試合以降、攻めの局面でのメンタルの強化を課題にしてきました。今回の相手は打撃の一発がある選手ですが、全ての局面で圧倒し必ず決着をつけます。応援よろしくお願いします」

The post 【ONE161】「全ての局面で圧倒して必ず決着をつけます」。若松佑弥の再起戦は中国のシェ・ウェイに first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP F1 MMA o ONE ONE Championship ONE158   アレックス・シウバ カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル シェ・ウェイ ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ ボクシング マーカス・アルメイダ ヨッカイカー・フェアテックス リース・マクラーレン 和田竜光

『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』試合結果/ハイライト動画


第13試合 メインイベント ムエタイ フェザー級 3分3R
○タワンチャイ・PKセンチャイ(5位)
×ニコラス・ラーセン
2R 1’42” KO (左ストレート)
※タワンチャイがムエタイフェザー級・ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーへの挑戦権獲得

第12試合 MMA バンタム級 5分3R
×クォン・ウォンイル(2位)
○ファブリシオ・アンドラージ(4位)
1R 1’02” KO (左三日月蹴り)

第11試合 MMA フライ級 5分3R
○リース・マクラーレン(5位)
×シェ・ウェイ
1R 3’42” 裸絞め

第10試合 MMA フライ級 5分3R
○カイラット・アクメトフ(2位、元王者)
×和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
判定3-0

第9試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
×ラーデ・オパチッチ
○グート・イノセンテ
1R 2’33” KO (左ボディストレート)

第8試合 MMA ストロー級 5分3R
○アレックス・シウバ(元王者)
×エイドリアン・マティス
1R 3’34” ヒールフック

第7試合 MMA フライ級 5分3R
×ヨッカイカー・フェアテックス
○グルダーシャン・マンガット
判定1-2

第6試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×マルワーン・トゥートゥー
○コンスタンティン・ルス
判定0-3

第5試合 MMA ヘビー級 5分3R
○マーカス・アルメイダ
×サイモン・カーソン
1R 2’24” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 MMA ヘビー級 5分3R
○オーディ・デラニー
×メフディー・バルギ
2R 2’22” アームロック

第3試合 MMA ヘビー級 5分3R
×デューク・ディディエ
○ジャスール・ミルザムハメドフ
判定1-2

第2試合 MMA アトム級 5分3R
○ジェネリン・オルシム
×ジュリー・メザバルバ
判定2-1

第1試合 MMA ライト級 5分3R
×キム・キョンロック
○エドソン・マルケス
判定0-3

 ONE Championshipが6月3日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』の試合結果。和田竜光がカイラット・アクメトフに判定負けしています。


 タワンチャイ・PKセンチャイ vs. ニコラス・ラーセン ハイライト動画。


 ファブリシオ・アンドラージ vs. クォン・ウォンイル ハイライト動画。


 リース・マクラーレン vs. シェ・ウェイ ハイライト動画。続きを読む・・・